科目コード | 科目区分 | 科目分類 | 配当回生 |
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476100 |
専門科目 |
専門分野 |
3回生 前期 |
授業コード | 科目名 | 単位 | |
476101 |
終末期ケア論 |
2 |
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代表担当者名 | |||
對中 百合 |
科目内容 |
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〔授業の到達目標〕 1. 終末期・ターミナル・ホスピス・パリアティブケアの概念・理念を理解できる。 2. 終末期にある対象に出現する生理的・心理的な特徴について理解できる。 3. 全人的苦痛と全人的ケアについて理解できる。 4. 症状マネジメントモデルを用いたアセスメントができる。 5. 自己の死生観を見つめることができる。 6.ターミナルケアにおけるチーム医療について理解できる。 7.終末期ケアにおける倫理的課題について自己の考えを表現することができる。 〔授業科目内容の概要〕 わが国では、高齢化が進み続け多死社会を迎えている。また、1981年にがんによる死亡率が1位となって以降、年々死亡者が増加傾向にあり、37万人余りが死亡している。このような背景の中、終末期にある対象に起こる現象を知ることやそれらの原因をアセスメントすること、症状緩和や看取りの技について理解を深めることは、看護師として必須である。文部科学省は、看護実践の基本となる専門基礎知識として、人生の最終段階にある人々に対する看護実践を挙げている。以上のような背景から本講義では、終末期ケアの概念に加えて対象の特徴やニーズを概説し、それらに対するケアについて教授する。なお、終末期ケア論では、学生の死生観について語り合うことや、看取りに際する倫理的な課題に対して学生自身が能動的な態度で臨む姿勢を養いたい。 〔授業計画〕 第1回 日本の死を取り巻く現状と死をめぐる倫理的問題 4/15 第2回 トータルペイン・全人的ケア 4/22 第3回 身体的苦痛の緩和(1)(WHO方式3段階除痛ラダー)(オピオイドによる疼痛緩和)4/29 第4回 身体的苦痛の緩和(2)(症状マネジメントモデルを用いたアセスメント)5/13 第5回 身体的苦痛の緩和(3)(身体的諸症状の緩和)5/20 第6回 グリーフケア(予期悲嘆、家族・遺族への支援)5/27 第7回 看取りを体験した遺族に対する看護の課題(外部講師)6/3 第8回 精神的苦痛の緩和・家族ケア 6/10 第9回 霊的苦痛(スピリチュアルペイン)の緩和・社会的苦痛の緩和 6/17 第10回 チーム医療と在宅ターミナルケア 6/24 第11回 意思決定支援 7/1 第12回 死が近い人の心理(キューブラ・ロスの研究)7/8 第13回 危篤・臨終・死亡時の看護(エンゼルケア演習)7/15 第14回 緩和ケア病棟の実際(緩和ケア病棟見学者による発表会・ホスピス実習を経験した上級生とのディスカッション)7/22 第15回 定期試験 7/29 第16回 まとめ 8/5 〔授業外学修の指示〕 終末期ケアに関しては、様々な領域において毎年看護師国家試験で出題されています。最新の知識の習得を確実にするためにも予習と復習をしっかりと行い、授業内容等について自分の考えをまとめてください。 〔使用教材〕 系統看護学講座別巻『緩和ケア』 恒藤暁・内布敦子編 医学書院 ISBN:978-4-260-00327-8 系統看護学講座別巻『がん看護学』 小松浩子編 医学書院 ISBN:978-4-260-01581-3 〔参考図書〕 講義中に随時紹介する 〔成績評価の方法・基準〕 定期試験80%、受講態度(出席点含む)10%、課題10%(小テスト・レポート・プレゼンテーション等を含む)。 〔学生へのメッセージ〕 現代では多くの人が死を看取った経験がなく、死をタブー視しています。しかし、看護師は死を避けて通ることができない職業です。講義を聞いて辛い気持になることもあるかもしれませんが、患者・家族のQOLを高め、より良いケアを提供するために、是非能動的態度で受講して下さい。将来、臨床に出た時に必ず役立つと思います。授業は、原則全て出席し、授業を振り返り、自己の死生観について考えてみましょう。また、学生の希望に応じて緩和ケア病棟の見学を実施することもあります。 〔教員の実務経験〕 病棟ならびに在宅で看護を実施していた体験や事象を示し、実施すべき看護とは何かを学生自身が具体的に考えることができるように、グループワークや発問を交え、教示している。 |
履修に関して留意すること |
〔関連するディプロマ・ポリシー〕 (1)医療従事者として、人間の尊厳や生命への畏敬について理解し、人の痛みや健康への願いを汲み取ることができる感性を持っている。(徳をのばす/態度・志向性) (3)豊かな教養と幅広い視点を持っている。(知をみがく/知識・理解) (4)看護医療分野に関する高い専門性と臨床に役立つ実践力を修得している。(知をみがく/知識・理解) (5)保健・医療・福祉の各分野の専門家との連携・協働の土台となるプレゼンテーションスキルを身につけている。(知をみがく/汎用的技能) (8)看護医療に携わる者として、あらゆる生活の場で生じる利用者のニーズを正しく理解し、責任を持って問題を解決していくことができる。(美をつくる/総合的な学習経験と創造的思考力) |