科目コード | 科目区分 | 科目分類 | 配当回生 |
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551310 |
専門科目 |
幼児教育・保育指導法 |
2回生 後期 |
授業コード | 科目名 | 単位 | |
551312 |
保育内容の指導法「人間関係」(2E456対象) |
2 |
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代表担当者名 | |||
松田 登紀 |
科目内容 |
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〔授業の到達目標〕 (1)「人との関わり」に関する育ちや学びに関心をもち,子どもや自分自身を含む多様な人々すべてが一人の市民であることや,ともに生きることを学ぶ存在であることについて意識している。 (2)幼稚園教育要領等に示された領域「人間関係」のねらい及び内容について理解を深めるとともに,子どもの育ちや学びについての知識や,権利主体としての子どもとともに文化を再構築していく援助のあり方について自分なりの考えをもっている。 (3)具体的な場面を想定して,保育実践を構想する方法について理解している。 〔授業科目内容の概要〕 本授業では,実践者を目指す学生自身が,これまでの経験の中でどのような「子ども」や「保育」,「人間関係」の概念を形成しているのかについて,自己や他者との対話の中でとらえていく。その上で「他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と関わる力を養う」という領域「人間関係」について,要領・指針・教育保育要領に示されたねらい及び内容を確認する。これにより子どもの人間関係に関わる育ちや学びの過程についての理論を知り,年齢や個性に応じて保育実践を構想する方法を理解していく。 具体的には,現代において重要になる「人との関わり」の方向性について考え,子どもが「人との関わり」において経験し育ち学ぶ内容について学習する。さらに市民としてありたい子どもの姿と実践者を含む他者との関わり,子どもの遊びや生活の中での人間関係の深まりについて,多くの実践事例を通じて理解を深めていく。 授業内では学生自身の学び,グループでの対話などでの気づきと授業内容を循環させることを通じて,領域「人間関係」の視点を豊かにしていく。 〔授業計画〕 第1回 市民としての子どもと,領域「人間関係」を学ぶ私たち 第2回 領域「人間関係」とは ―教育として,人間形成として, 第3回 乳幼児教育・保育の基本と領域「人間関係」 第4回 「人間関係」の専門的事項 ①自立心 第5回 「人間関係」の専門的事項 ②協同性 第6回 「人間関係」の専門的事項 ③コミュニティと市民 ―道徳性 第7回 「人間関係」の専門的事項 ④コミュニティと市民 ―社会生活 第8回 「人間関係」の指導法 ー保育を構想し,実践化する 第9回 「人間関係」の指導法 ①家庭から園への移行〜3歳期 第10回 「人間関係」の指導法 ②4歳期 第11回 「人間関係」の指導法 ③5歳期 第12回 「人間関係」の指導法 ④異質な他者との関わりと幼小移行 第13回 「人間関係」の指導法 ⑤「指導案」と「履歴カリキュラム」 第14回 学びの相似形 ―実践者が社会的実践として学び続けるということ 第15回 再び領域「人間関係」とは ―学びをふりかえる 〔授業外学修の指示〕 実習などで観察する子どもの姿,自分自身の人との関わり合いなどから,なぜそう行動するのか,なぜそう感じるのかなど,日常的な「人との関わり」に関心をもつこと。 〔使用教材〕 幼稚園教育要領解説(最新版) 保育所保育指針解説(最新版) 幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説(最新版) その他,授業中に提示する 〔参考図書〕 『研究紀要32-Ⅰ 教育課程 ―「育ちの履歴」から編成する資質・能力を育成するカリキュラム―』奈良女子大学附属幼稚園 幼年教育研究会,2019年 『研究紀要32-Ⅱ 指導計画』奈良女子大学附属幼稚園 幼年教育研究会,2019年 〔成績評価の方法・基準〕 期末レポート:40% 提出物:40%(毎回授業の最初と最後に自分の学びについて問うコメントシートを提出していただきます) 授業に対する姿勢:20% 〔学生へのメッセージ〕 乳幼児教育・保育という営みは,社会や政治的背景の影響を受けて,時代により変容しています。中でも乳幼児教育において根幹をなす領域「人間関係」は,社会の変容を意識した上での乳幼児教育・保育独自の専門性が必要とされます。しかしこの専門性は,特徴的でありながらも私たちの日常生活と密接に関わっており,自分自身の経験や個性,価値観を見つめ直していく領域であるとも言えます。 そうした,「人間関係」という領域と自己との往還を意識することで,乳幼児教育・保育への理解をさらに深めてもらい,ともに考える仲間となっていただけることを期待しています。 〔教員の実務経験〕 幼稚園において担任業務のほか,幼小移行研究,研修デザインや教育実習などにも携わっている。保育実践においては,市民としての子どもの学びをどのようにともに形作っていくのかについて,子ども,保護者,異校種の実践者,自治体,研究者ほか,多様な方々と協働して探究し,実践コミュニティを構築している。これらの経験を活かし,実践者の社会的実践もふまえて講義する。 |
履修に関して留意すること |