科目コード | 科目区分 | 科目分類 | 配当回生 |
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760000 |
共通科目 |
1回生 前期 |
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授業コード | 科目名 | 単位 | |
760001 |
先端ヘルスサイエンスセミナー |
1 |
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代表担当者名 | |||
植田 政嗣 |
科目内容 |
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〔授業の到達目標〕 内外の最先端の健康科学に関連する学際的な研究手法を学び、積極的な討論を経て、博士論文作成に必要な知を涵養する。 〔授業科目内容の概要〕 2分野共通必修科目として、本学大学院の特に優れた研究業績を挙げている専任教員から,それぞれの領域における最先端の研究テーマに関する詳細な研究手法をオムニバス形式で学び,教員・学生一体となった討論の中から博士論文作成の能力を獲得する。 〔授業計画〕 [1]植田政嗣(1回) 4/15 日本人の3大死因であるがん、心臓病、脳血管疾患は喫煙、偏食、運動不足、ストレスなどの生活習慣との関わりが強いが、生まれながらの体質すなわち遺伝性背景とも密接に関連している。がん・生活習慣病発症要因としての遺伝子変異、遺伝子多型の解析手法や臨床的意義を内外の知見を含めて解説する。 [2]森康浩(2回)4/22、4/29 健康科学分野における研究では遺伝子が注目されているが、それに伴い遺伝子から生成されるタンパク質についての解析も重要度を増している。第1回はタンパク質の発現、局在、抽出、発現定量、相互作用など代表的なタンパク質解析技術の原理や実用例などを総じて概説する。また、研究を実施する上で研究対象の選定は研究デザインの根幹を成すものである。第2回では近年目覚ましい進歩を遂げている3次元培養技術としてオルガノイド研究を取り上げ、研究対象の選定という観点からその変遷とオルガノイド研究の意義や展望について実用例を挙げながら紹介する。 [3] 乾富士男(1回)5/13、松本大輔(1回)5/20 1回目は「行動遺伝学」について紹介する。わが国ではあまり知られていない学問分野であるが,この分野の学問的な基礎を築いた,Francis Galton,Karl Pearson,Ronald A Fisherの名前は聞いたことがあるであろう。これらの先人の関心は“氏か育ちか”であった。つまり,人の行動(疾患,性格,知能など)が遺伝によるか環境によるかを解明することで,疾患発症のメカニズムを解明でき,治療や予防に応用できる。特に,双生児のペア間の差異に注目した双生児研究法はこの疑問に答える唯一の方法である。2回目は,「行動遺伝学の10大発見」の紹介と双生児研究法を用いた予防医学に関する研究の実例を紹介することで,様々な研究分野への応用のヒントを提供する。 [4]永澤 健(2回)5/27、6/3 ヒト生体における運動時の生理機能の変化と適応機構に関する最新の研究成果から注目すべき項目を取り上げ、解説・紹介する。非侵襲的手法による生体計測技術の進歩は、これまでブラックボックスであった運動時におけるヒト骨格筋の代謝・循環応答の機序解明に大きく貢献してきた。本講では近赤外分光法,磁気共鳴分光法,ポジトロンCTなどの先端的手法を用いた運動生理機能学の研究成果を学ぶとともに、疾病予防や治療への応用についても討論することで健康科学領域に関する広い視野を修得する。 [5]大住 倫弘(2回)6/10、6/17 “効果検証”を重んじるリハビリテーション研究では、効果の可視化が求められるが、「疼痛」という極めて主観的な体験はどのように定量化すればよいだろうか。あるいは、多様に出現する疼痛の愁訴をどのようにカテゴライズすればよいだろうか。このような問いに太刀打ちできる研究スキルを身につけておかなければ、リハビリ研究の質を高めることは難しいであろう。本講義では「脳機能イメージング手法」「運動学的分析」「心理物理学」「多変量解析」などをリハビリ研究に応用するプロセスを紹介して、上記のような問いを解決するための手掛かりを概説する。 [6]根津智子6/24、根津智子・岡本和美7/1 少子高齢化の加速化や医学の進歩により、疾患の治癒や延命とともに予防医学や公衆衛生学の重要性が増している。1回目は、公衆衛生向上に資する疫学研究の基礎を学ぶとともに、近年関心が高まっている健康関連QOL(quality of life)について、測定の意義や手法、活用事例を紹介する。2回目は、公衆衛生活動の実践例として、近年の課題である児童虐待の防止や予防活動について、小児科臨床医の活動を紹介する。 [7]前原佳代子(2回)7/8、7/15 ゲノムとは、ある生物がもっている遺伝情報の総体である。その生物固有の設計図がゲノムDNAの塩基配列に書き込まれている。第1回では、遺伝子工学の基礎となる代表的なDNA操作技術の原理・手法を概説する。第2回では、革新的なDNA改変技術であるゲノム編集の基本的な原理や研究・医療・産業での利用を、また、膨大な塩基配列情報を利用したオミックス解析や網羅的ゲノム関連解析(GWAS)を解説する。 [8]冬木正紀(2回)7/22、7/29 ライフテクノロジーとは、生活の質的向上のための使い勝手の良い技術を研究・開発する健康科学の新分野であり、ロボット・AI応用・生体工学を包含する。このライフテクノロジーの最前線と研究手法を解説する。1回目の講義では「次世代型生活支援デバイス」と題して、人工筋肉やAIを用いた各種の次世代型生活支援デバイスの開発の最前線を紹介する。2回目は「光のライフテクノロジー」と題して、紫外光を用いた人工関節の作製や、近赤外光やヘラヘルツ光など可視光よりも長い波長のレーザーを用いた簡便で新しい疾患分子同定や生体内投薬等の最先端の研究を、研究手法に重点をおいて解説する。 〔授業外学修の指示〕 〔使用教材〕 なし 〔参考図書〕 なし 〔成績評価の方法・基準〕 課題レポート・討議内容・出席状況により総合的に評価する。 〔学生へのメッセージ〕 |
履修に関して留意すること |