第14回日本神経理学療法学会学術集会で大学院生が最優秀賞・優秀賞に選出されました!
平成28年11月26・27日に宮城県仙台市の仙台市民会館にて第14回日本神経理学療法学会学術集会が開催されました.本学会は「脳卒中理学療法最前線」というテーマにて開催され,1000人を超える方が参加されておりました.会場では2日間にわたり活発な議論が繰り広げられており,学会全体を通してとても興味深い演題やシンポジウム,講演ばかりでした.これらを通して,臨床場面における症例の病態や症候症状の適切な分析と,理論的背景に基づく仮説検証的な介入の適応判断の重要性について改めて考えさせられました.
本研究室からは植田さん(客員研究員),渕上さん(博士後期課程),竹下さん(修士修了生),高村さん(博士後期課程),私(藤井 慎太郎 修士課程)が発表いたしました.演題名は以下の通りです.
<口述発表>
竹下和良「一側上下肢を用いた車いす駆動が大脳半球間活動の対称性に及ぼす影響 ―機能的近赤外線分光法(fNIRS) を用いた検討―」
高村優作「能動的注意と受動的注意からみた半側空間無視の病態特性 ―クラスター分析による特徴抽出―」
藤井慎太郎「能動的注意と受動的注意からみた半側空間無視の病態特性 ―縦断記録による回復過程の把握―」
<ポスター発表>
植田耕造「橋出血後一症例の自覚的視覚垂直位の経時的変化」
渕上健「脳卒中片麻痺者における運動観察時のモデルの違いによる影響」
またメインシンポジウムである「高次脳機能障害に対する理学療法の最前線」では,信迫悟志特任助教より「失行-limb apraxia-」というテーマで情報提供がありました.講演では失行の定義,分類,予後,病態メカニズムなどに関する最新の知見について情報提供がありました.また,先生が現在臨床場面において検証中の研究についても一部紹介があり,今後の失行研究における新たな展開を予感させるものであり大変興味深く聴講することができました.
私は多施設共同研究として大学院で研究を進めている半側空間無視の病態を能動/受動的注意システムからみた研究を,共同で進めている高村さんと横断・縦断的研究として発表してきました.またセレクション討議型演題にて,半側空間無視の慢性化症例に対するニューロモジュレーションを併用した介入方法についても共同研究者により発表があり,共同研究チームとして半側空間無視に対する評価から介入まで一貫した発表をすることができました.
さらに,本発表内容で私が最優秀賞,高村さんが優秀賞を頂くことが出来ました.日頃より様々なご指摘,ご指導,研究協力を頂きました共同研究施設の皆様をはじめ,河島客員教授,森岡先生に深く感謝申し上げます.ありがとうございました.今後はこの賞に恥じないように日々研鑚を重ね,より多くの成果を報告できるように努力し続けていきたいと思います.
畿央大学大学院健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室
修士課程2年 藤井 慎太郎