第52回日本理学療法学術大会で約30演題が発表されました!
2017年5月12日(金)〜14日(日)に幕張メッセで開催された第52回日本理学療法学術大会に参加・発表してきましたので,私(水田直道 健康科学研究科 修士課程)がレポートさせて頂きます.
今大会で理学療法士学会・各分科学科が合同で開催される最後であり,参加者は約6500人と非常に多くの先生方が参加されておりました.
本大会のテーマは『理学療法士の学術活動推進』と題され,講演では研究デザインや研究意義,質の高い理学療法研究の進め方,理学療法教育など学術活動に即した内容が充実していました.
3日間の会期中には,ニューロリハビリテーション研究センターから約30演題の研究成果が報告されました.
⇒ 演題一覧は2017年度研究業績(国内学会)をご参照下さい.
中でも,今回は森岡周教授から『脳卒中片麻痺上肢における運動イメージ能力と運動機能ならびに身体使用頻度との関係』のタイトルで,運動イメージ能力が片麻痺上肢の運動機能や麻痺肢の使用頻度に関係するかという視点で研究成果の紹介が行われました.発表セッションの構成から発表時間,質疑時間とも10分間と他の発表演題と比較して与えられた時間が豊富であり,非常に充実したディスカッションの場であったように感じました.
また,ニューロリハビリテーション研究センター特任助教の大住倫弘先生が日本運動器理学療法学会学術集会 学術集会長賞を受賞されました.大住倫弘先生は運動器疼痛疾患のリハビリテーションに関する臨床研究を中心に行っており,このような内容が学会で認められたことは,本学のニューロリハビリテーション研究を推し進めていくうえで,非常に大きな原動力になるものと感じます.また基礎理学療法学会が企画する『若手研究者(U39)による最先端研究紹介』でシンポジストとしても登壇され,幻肢痛や複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Symdrome:CRPS)に出現する運動異常の解析結果を報告されました.
ちなみに私は,神経理学療法学会で『脳卒中患者における歩行のTrailing Limb Angleの構成因子-予備的研究-』というタイトルで発表させて頂きました.神経理学療法学会では脳卒中症例の歩行改善に向けた取り組みが多く発表され,近年急速に普及しているロボットリハビリテーションや装具療法に関する発表も散見されました.この分野は介入研究による科学性の追求に加え,歩行の病態特性に応じたサブタイプに分類を通してそれぞれの特性に応じた介入戦略を検証していく必要があり,ロボットリハビリテーションに代表される『練習量』に焦点を当てた戦略に加えて歩容や歩行パターンなど『質』まで包含した検証を取り組んでいく必要があると強く感じました.
本学会を通して多くを学ぶことができましたが,特に同じ領域の研究をされている方々と未来志向的にディスカッションできたことが一番の収穫でした.今後は自身の研究の質をさらに高め,リハビリテーションという文脈の中で社会的に意義のある研究に挑戦していきたいと思いました.
最後になりましたが,この様な貴重な経験ができたのは,畿央大学の研究活動に対する手厚い支援と森岡周教授をはじめとする多くの方々のご指導やご協力があってのものです.
この様な環境で学ばせて頂いたことに深く感謝致します.
ありがとうございました.
畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程 水田直道