[書評]標準理学療法「神経理学療法学 第2版」(医学書院)

標準理学療法学 専門分野 神経理学療法学 第2版(医学書院)

http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=104493

標準理学療法「神経理学療法学 第2版」(医学書院)は,脳卒中などの神経疾患を有する症例のリハビリをする上で重要な基礎的知識が網羅されているだけでなく,機能障害レベルで解説されている.
すべての項目に共通して,分かりやすい図表で整理されているだけでなく,リハビリ現場でも実践できるように細かく解説されている.ここまでのクオリティの教科書が完成するまでに,どれほどの時間が費やされたのかを想像しただけで感動すらしてしまう.特に,「ケースで学ぶ神経理学療法」の章では,実際の症例の評価から介入までの思考プロセスが具体的にまとめられており,執筆者の本気さを感じざるを得ない.
新しい症例を担当する時,あるいはリハビリ評価・介入に悩んだ時に,本棚から取り出して読んでいる姿を鮮明に想像できるほど,“臨床現場に1冊は置いておくべき教科書”に仕上がっている.この教科書に記載されていることが理学療法士の共通知識になれば,神経疾患に悩む患者さんに対する理学療法の水準が高くなり,今よりもリハビリテーションの現場が実りあるものになることでしょう.

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文責 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 

助教 大住倫弘