挑戦と革新:第22回日本神経理学療法学会学術大会での輝かしい成果

先日開催された[第22回日本神経理学療法学会学術大会](https://www.gakkai.co.jp/jsnpt22/) が2100名以上の参加者を集め,大きな成功を収めて閉幕しました.本学関係者の活躍が光る素晴らしい大会となりましたので,その成果をご報告いたします.

大学院修了者ならびに在学生の輝かしい受賞

本学大学院健康科学研究科の修了生および在学生が,666演題の中から,見事に受賞の栄誉を手にしました.

最優秀賞(1名)
– 宮脇 裕 氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人間拡張研究センター,畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター;2021年3月本学大学院博士後期課程修了,森岡周研究室)
– 演題名:運動主体感の減少が脳卒中後の上肢使用量にもたらす影響とは?

優秀賞(3名のうち2名)
– 藤井 慎太郎 氏(西大和リハビリテーション病院;2024年9月本学大学院博士後期課程修了予定,森岡周研究室)
– 演題名:パーキンソン病患者における歩行障害の特徴―重心追尾型歩行計測システムを用いた運動学的特徴に着目して―
– 三枝 信吾 氏(東海大学文明研究所,畿央大学大学院博士後期課程在籍,森岡周研究室)
– 演題名:回復期脳卒中患者はなぜ歩行を重要と認識しているか―半構造化インタビュー法を用いた質的研究―

奨励賞(5名のうち2名)
– 奥田 悠太 氏(公益財団法人脳血管研究所美原記念病院;2023年3月本学大学院修士課程修了,岡田洋平研究室)
– 演題名:脊髄小脳変性症患者の歩行中における転倒発生状況の検討
– 赤口 諒 氏(摂南総合病院;2024年9月本学大学院博士後期課程修了予定,森岡周研究室)
– 演題名:脳卒中症例の物体把持動作の特徴-予測制御の成否と過剰出力・動作不安定性との関連に着目して-

これらの受賞は,本学の教育・研究プログラムの質の高さを示すとともに,修了生たちの継続的な努力と成長を表しています.

セレクション演題選出者

博士後期課程(森岡周研究室)に在籍中の乾 康浩 氏と立石 貴樹 氏(武蔵ヶ丘病院;2024年3月本学大学院修士課程修了予定)は,惜しくも受賞には至りませんでしたが,666演題の中から25題しか選ばれないセレクション演題に選出されたことは,大きな評価に値します.特筆すべきは,乾氏が2年連続でこの選出を受けたことです.

新たな研究の潮流

今大会では,最優秀賞に「脳卒中後片麻痺患者の身体性(運動主体感)の変容」に関する研究が,優秀賞に「脳卒中後片麻痺患者の主観的意識経験に関する質的研究」が選ばれました.これは,[新学術領域研究](https://www.kio.ac.jp/information/2015/07/7-14.html)および[CREST研究](https://www.kio.ac.jp/topics_press/81710/)から進展している神経理学療法学の分野の新たな方向性を模索していることを示唆しています.

未来への展望

本学では,これらの最新の研究動向を踏まえ,より革新的かつ包括的な理学療法教育・研究を目指してまいります.学生の皆さんには,この分野の無限の可能性に挑戦し,自らの「粘り」で,こうした先輩たちに続くように,新たな知見を切り開いていってほしいと思います.

最後に,今回の成果を支えてくださった全ての関係者の皆様に心からの感謝を申し上げます.皆様の継続的なサポートが,本学の研究者たちを大きく後押ししています.

今後も本学は,理学療法学,ならびに世界の科学の発展に寄与し,社会に貢献できる人材の育成に全力を尽くしてまいります.高校生の皆さん,現場で働いている皆さん,研究者の皆さん,ぜひ本学の取り組みにご注目ください.

 

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長

森岡  周

写真:向かって左 宮脇氏

 

写真:向かって左から2番目が藤井氏,右端が三枝氏

 

写真:向かって左端が赤口氏,そのとなりが奥田氏