JAPAN PAIN WEEK 2025にて本学関係者が登壇・受賞しました!

2025年12月4日~6日に,東京都江東区の東京ビッグサイトにて「JAPAN PAIN WEEK 2025」(JPW2025)が開催されました.本大会は第47回日本疼痛学会,第18回日本運動器疼痛学会,第29回日本ペインリハビリテーション学会,第30回日本口腔顔面痛学会による本邦の疼痛関連では初の4学会合同開催で,全国から約1300名が参加されました.

畿央大学大学院およびニューロリハビリテーション研究センターからも多くの大学院生・修了生・研究員・教員が参加し,研究発表や講演,そして受賞という形で大きな成果を収めました.

学会での主な講演・発表

■シンポジウム/教育講演

初日には,大住倫弘准教授が「慢性疼痛の脳波ネットワーク異常とリハビリテーション」というテーマでシンポジウムに登壇され,脳波を活用した慢性疼痛の神経病態解明やリハビリテーション応用への展望について話題提供されました.

2日目には客員研究員の西祐樹氏(現・長崎大学生命医科学域(保健学系) 助教)が「慢性疼痛患者の運動特性から考える運動療法の新展開」というテーマでシンポジウムに登壇され,個別最適化を目指す運動療法の新たな展開について提言されました.また,「痛みを有する患者に対する物理療法」について,私(佐々木遼)が教育講演を担当いたしました.

3日目には大住倫弘准教授が「義手の身体化の背景にある脳内メカニズム」というテーマでシンポジウムに登壇され,身体所有感の誘起プロセスについて,医工連携研究の知見を紹介されました.

 

■一般演題/受賞

一般演題でも多数のメンバーが発表しました.本学およびニューロリハビリテーション研究センター所属メンバーの発表演題は以下の通りです.

<客員研究員>

西 祐樹:しびれ同調経皮的電気神経刺激の即時効果を規定する臨床指標:末梢・中枢神経障害を対象とした疾患横断的決定木分析

佐藤 剛介:経頭蓋交流電気刺激が脳波リズムと疼痛閾値に与える影響

<研究員>

佐々木 遼:サーマルグリル錯覚はプレゼンティーイズムのスクリーニングツールとなりうるか:小型機器の信頼性・妥当性を含めた検討

<大学院生>

田中 智哉:人工膝関節置換術後における痛みと身体性の関係性に基づくサブタイプ分類

森川 雄生:高周波電気刺激で誘発された中枢感作に伴う空間的注意と脳ネットワークの変化

江田 朱里:脊髄損傷後に出現する触覚アロディニアに特徴的な脳波成分の分析

古賀 優之:人工膝関節全置換術の周術期における運動恐怖の縦断経過分類と疼痛および運動学的指標の特徴―予備的研究―

海藤 公太郎:療法士として働く非特異的腰痛有訴者の患者教育ニーズに関するパイロット混合研究

内沢 秀和:亜急性期脳卒中後疼痛に対する早期経皮的電気刺激(TENS)介入の有効性:単一症例ABABデザインによる時系列分析

南川 勇二:しびれ同調経皮的電気神経刺激によるしびれ感・アロディニアの改善と長期持続効果:脳波所見を含めた症例報告

 輝かしい受賞

その中で,客員研究員の西祐樹氏(現・長崎大学生命医科学域(保健学系) 助教)が「しびれ同調経皮的電気刺激の即時効果を規定する臨床指標:末梢・中枢神経障害を対象とした疾患横断的決定木分析」というテーマで発表し,奨励賞を受賞しました.多職種が参加する合同学会の中で,本学関係者が受賞したことは大変喜ばしい成果です.

 終わりに

来年度開催のJAPAN PAIN WEEK 2026(12月3日~5日,東京ビッグサイト)では大住倫弘准教授が第30回日本ペインリハビリテーション学会の大会長を務められます.合同学会に向けて,より一層盛り上げていきたいと思います.

今後も,畿央大学大学院とニューロリハビリテーション研究センターが疼痛領域,そして社会に貢献できるよう,臨床・研究・教育ともにさらに精進してまいります.

 

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

研究員 佐々木 遼