大学院生がSociety for Neuroscience – NEUROSCIENCE2025 (SfN2025)に参加しました!
2025年11月15日~11月19日にかけて,アメリカ・サンディエゴにて,神経科学分野の世界最大級の国際学会である「SfN2025(Society for Neuroscience)」が開催されました.
本学会には,南川勇二さん(畿央大学大学院 博士後期課程),吉川里彩さん(畿央大学大学院 修士課程),江田朱里さん(同 修士課程)が参加し,いずれもポスター発表を行いました.
会場には世界中から研究者が集まり,来場者数は約20,121名と,まさに世界規模の学会でした.広大な会場の各所で,連日絶え間なく活発な議論が交わされていました.世界で活躍する日本の研究者も多く参加されており,初の国際学会参加であった本学の大学院生も,国内外を問わずそれぞれの分野で活躍される著名な研究者と意見交換を行うことができ,大変有意義な時間を過ごすことができました.



以下に各参加者のコメントを載せています.
各参加者からのコメント
■南川 勇二さん
今回,私は「脳卒中後の上肢協調活動分析 ― 前腕・上腕活動量計測を用いた新たな試み ―」というテーマでポスター発表を行いました.他分野の研究者の方々にも興味を持っていただき,研究内容について多くのご質問やご意見を頂くことができました.また,脳画像解析や脳波解析,心理実験課題を用いた上肢研究など,本研究センターで取り組んでいるテーマや手法と近い研究が世界中から数多く集まっており,世界最先端の研究に直接触れることができました.その一方で,自身の研究をより発展させ,世界水準の研究を目指していきたいという思いが一層強まりました.
今回が私にとって初めての国際学会参加でしたが,会場の雰囲気や研究者同士の活発なディスカッションを通して得られた「わくわく感」の余韻は,今も続いています.今後も国際学会への参加に積極的にチャレンジし,研究活動に還元していきたいと思います.

■吉川 里彩さん
私は,「脳画像解析・脳波解析を用いた半側空間無視の回復過程」というテーマでポスター発表を行いました。臨床場面でみられる半側空間無視の症状を,脳のネットワークレベルからどのように理解できるのかを検討した内容で,これまで取り組んできた縦断的な評価を中心に紹介しました。SfNは基礎研究の発表が多い印象ですが,その中でも臨床研究に関心を持つ研究者の方々がブースに立ち寄ってくださり,意見交換を行うことができました。臨床研究だからこそ扱えるデータや視点に対して関心を示していただき,今後の研究の進め方を考えるうえで多くのヒントを得られたと感じています。また,会場では注意機能やネットワーク解析に関連した多様な発表に触れることができ,日本国内だけではなかなか出会えない研究テーマやアプローチを知る貴重な機会となりました。
初めての国際学会参加で不安もありましたが,多くの研究者と直接ディスカッションできたことは,大きな励みになりました。今後も,半側空間無視の回復過程をより多面的に捉えられるよう,脳画像解析・脳波解析の技術を高めながら臨床研究を継続していきたいと思います。

■江田 朱里さん
私は「脊髄損傷後に生じるアロディニアに特徴的な脳波成分の分析」についてポスター発表してきました.私にとっては初めての国際学会であり,全てのポスターを見ようとするとヒールを履いた足では筋肉痛になってしまう程の広大な学会会場や,ポスターの発表時間が4時間もあり多くの研究者がとめどなくディスカッションをしている雰囲気に圧倒される日々でした.会場では多くの若手研究者が発表をしていたことに,親近感が沸いたとともに,彼らに劣らない様にさらに研究の精度を高め臨床的意義のある研究発表ができるように励みたいと思いました.今回以上に深みのあるディスカッションができる様に,今後も研究活動や英語スキルの習得に努めたいと思います.

最後に,今回の報告にあたり,森岡周教授ならびに大住倫弘准教授に手厚いご指導をいただきました.この場をお借りして深く感謝申し上げます.
畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター
南川 勇二




