博士後期課程の今井亮太さんがJPTA 第2回日本基礎理学療法学会学術大会でシンポジストを務めました!

平成27年11月14・15日と神奈川県立保健福祉大学でJPTA 第2回日本基礎理学療法学会学術大会・JPTF 日本基礎理学療法学会 第20回学術大会 合同学会が行われました.本研究室から,領域別ミニシンポジウムに私,今井亮太がシンポジストとして招待され,また石垣智也(博士後期課程)も演題発表として参加しました.シンポジウムでは,神経生理学領域「運動錯覚を用いた理学療法の可能性」というテーマの下,オーガナイザーは,門馬博先生(杏林大学保健学部)でした.柴田恵理子先生(札幌医科大学保健医療学部)は「感覚入力を用いた脳卒中麻痺患者に対する新しい治療アプローチ」,今井は「振動刺激を用いた整形外科患者への介入の可能性」について発表しました.  発表した内容は,修士課程から継続して行っている橈骨遠位端骨折術後患者への運動錯覚の効果について提示しました.

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術後翌日より,腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで,痛みの感覚的側面や情動的側面,関節可動域の改善,さらに2ヵ月後まで効果が持続しているため,痛みの慢性化を防ぐことができる可能性について述べました.これらは今までに報告した内容であり,現在評価している新たなデータである日常生活動作にも改善効果があることも示しました.さらに,患者を対象に,脳波を用いて効果メカニズムの検討を行っている事例データを提示しました. 参加されている臨床家の方をはじめ,他大学や他領域の研究者の方から発表の場だけではなく,懇親会でも貴重な質問,アドバイス,ご指摘を頂きました.本当にありがとうございました.今までは痛み領域の学会を中心に演題発表をしていましたが,様々な領域の場で発表することが研究をしていくうえで重要になると感じました.

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この合同学会のテーマは『研究から臨床へ〜基礎理学療法学の挑戦〜』となっています.基礎研究から臨床へ応用し,そして臨床研究からの問題点をまた基礎研究で示す.この繰り返しがリハビリテーションの質を向上させている,と改めて感じました.
理学療法士として働いている限り,基礎研究や臨床研究を通じて情報を得て,目の前の患者様により良いリハビリテーション提供することが求められます.基礎と臨床,その両研究がなければリハビリテーションは発展しないと考えると,一つでも世の中に貢献できるよう臨床・研究に精進していきたいと思います.

最後に,このような機会を与えてくださいました,大会長の菅原憲一先生(神奈川県立福祉大学),学術集会長の中山恭秀先生(東京慈恵会医科大学附属第三病院)に感謝申し上げます.
また、日頃よりご指導を頂いております森岡周先生(畿央大学)にも感謝申し上げます。

畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室
博士後期課程 今井亮太