第14回日本訪問リハビリテーション協会学術大会で大学院生が発表しました.

6月29日から30日にかけて,新潟で開催された第14回日本訪問リハビリテーション協会学術大会に石垣智也(客員研究員)と私(尾川達也 博士後期課程)で演題発表をしてきましたので報告させていただきます.
本学会はPT・OT・STだけでなく,訪問リハビリテーションに関わる様々な職種が参加されており,演題の内容も社会参加や介護負担感,終末期医療,チーム連携,社会資源の活用,人材育成など多岐に渡っていました.また,教育講演やシンポジウムも数多く企画され,その中で立命館大学総合心理学部の齋藤清二先生からは「臨床におけるナラティブとエビデンス」というテーマでご講演がありました.お話しの中ではエビデンスやEBMの正しい理解,ナラティブとエビデンスをどのように統合していくかなどについて,現場の先生に分かりやすく伝えていただきました.

当研究室から発表した演題は,どちらも「訪問リハビリテーションにおける意思決定」をテーマとしており,私の方は現場の実態調査から多くの利用者が受動的な役割となっていること,石垣からは利用者と共に意思決定を行うShared Decision Makingの実践程度と患者満足度が関係するという内容でした.どちらの演題も質疑の時間だけでなく,終了後にも興味を持って頂いた先生方から声をかけて頂き,訪問リハビリテーションの分野で課題となっていること,そして,その解決に向けて今後も進めていかなくてはいけないと強く思った学会でした.また,私自身が学会参加で最も重要だと思っていることは,現場の課題解決に向けて取組んでいる他府県の先生方と出会い,その先生方と協力していける関係を築くことだと考えています.そして,本学会ではそのような先生とも出会うことができ,今後一緒に仕事ができる喜びも感じることができました.

最後になりましたが,私が昨年度に本学会で発表した「訪問リハビリテーション利用者における社会参加の実態-屋外歩行の自立可否による特徴の比較-」という演題が最優秀賞に選出して頂きました.これは非常に光栄なことであり,早急に原著論文として公に出せるよう進めていきたいと思います.

ogawa
今後も自身の研究活動とともに,本邦の訪問リハビリテーションにおけるエビデンス構築に向けて,覚悟をもって取り組んでいきたいと思います.

<発表演題:口述発表>
尾川達也:「訪問リハビリテーション利用者と理学療法士における意思決定の実態,および参加促進に向けた課題の抽出」
石垣智也:「訪問リハビリテーションにおける患者満足度と共有意思決定の実践程度との関係-疾患特性による予備的検討-」

博士後期課程 尾川達也