大学院生が21st ESCOPで発表してきました!
9月25日から28日にかけてスペインのテネリフェで開催された21st conference of the European Society for Cognitive Psychologyにおいて,宮脇裕(博士後期課程)と私(林田一輝 博士後期課程)が演題発表をしてきましたのでここに報告させていただきます.
本大会はヨーロッパで2年に1度行われる歴史ある学会であり,認知科学や神経科学を主に扱っています.学会会場はビーチの真横にあり,日本人の私には独特の雰囲気に感じましたが,リラックスしながら議論を促進させることが目的であったようです.今回の学会では様々な内容のセクションが組まれていましたが,身体性やagencyのみを取り上げたシンポジウムがいくつもあり非常に興味深く拝聴させていただきました.特に「Acting in a Complex World – Emerging Perspectives on Human Agency.」と題されたセッションのシンポジストは,社会性の心理学をagencyの観点で研究しているWilfried Kunde教授のグループで構成されており,日頃より論文を参考にしている方々の講演を聴くことができました.どのシンポジストもイントロダクションからリサーチクエッションへの流れが明確で,20分の講演時間で提示される結果のスライドは1つか2つであり,複雑な内容をいかにシンプルに伝えるかという点で非常に勉強になりました.私は「Diffusion of responsibility and the outcomes on sense of agency」という題でポスター発表をさせていたただきましたが,まさに社会性とagencyに着目した内容であり,Kunde教授のグループの数人の方に聴いていただけました.特に私が修士の頃より注目しているRoland Pfister博士に直接発表を聴いていただいたことは相当な報酬となりました.その他の一般演題でもagencyの発表はいくつもあり,質問にいけないほど活発に議論されているものもありました.今回の学会に参加して自身の取り組んでいる研究領域が注目されているのは確かですが,研究として取り扱うことが本当に難しいものだと痛感しました.相応の成果を出し,研究領域の発展につながるよう尽力していきたいと思います.
宮脇 裕(博士後期課程)
「Cue integration strategy for self-other sensory attribution in motor control」
林田一輝(博士後期課程)
「Diffusion of responsibility and the outcomes on sense of agency」