令和5年度事業活動収支計算書

令和5年度の主な教育活動収支の内訳

令和5年度貸借対照表(令和6年3月31日現在)

主な財務比率比較

冬木学園財務状況の公開について
令和5(2023)年度の冬木学園の業務および財産の状況について監事監査を受けたうえで、令和6(2024)年5月28日の理事会において、令和5(2023)年度事業報告と収支決算が審議承認され、 同日、評議員会に報告されました。事業報告書および計算書類は、学園のHPに掲載させていただいております。
【事業活動収支計算書について】
令和5(2023)年度は、畿央大学広陵こども園の開園、大学の空調機更新工事等を計画通り実施しました。経常的な収支構造の中で安定的に学園運営が行なわれており、「事業活動収支計算書」に基づき、収支の概略を説明します。
教育活動収支に関しまして、「学生生徒等納付金」は、大学部門がほぼ横ばいの状態(3,159百万円、対前年度+46百万円、101.5%)で、募集停止により3年生のみ在校の高校部門において 26百万円(対前年度▲28百万円、47.3%)となり、今年度開園したこども園部門については、その収入構造から園児納付金は限定的(22百万円)であり、学園全体で3,208百万円(対前年度+40百万円、101.3%)となりました。「手数料」については、大学の令和6(2024)年度入学に向けた募集施策及び志願者の減少に伴い検定料収入が減少(対前年度▲27百万円、72.0%)し、学園全体で69百万円となった。「寄付金」については、大学の受配者指定寄付金の変動により、学園全体で 27百万円(対前年度▲7百万円、79.4%)となりました。「経常費等補助金」は、大学はほぼ横ばい(415百万円、対前年度▲7百万円、98.3%)で、高校は減少(対前年度▲21百万円、71.7%)しましたが、新設のこども園は 213百万円となり、学園全体として684百万円(対前年度+184百万円、136.8%)となりました。こども園の新設に伴う補助活動の実施により、大学の受託事業の増加も含め「付随事業収入」は、学園全体で 50百万円(対前年度+34百万円、313.1%)となりました。退職者数による退職金団体からの交付金の変動等から「雑収入」は 119百万円(対前年度▲14百万円、88.9%)となり、「教育活動収入計」は 4,160百万円(対前年度+209百万円、105.3%)となりました。
教育活動支出に関しまして、「人件費」ついては、専任教職員数の増減として大学専任教員3名増、高校専任教員5名減(募集停止関連)、こども園専任教員26名増(新設)、事務職員1名増となりました。新設のこども園に関しては、非専任の教員及び事務職員も多く抱える状況となりました。学園全体の教員人件費は 1,455百万円(対前年度+72百万円、104.4%)、職員人件費は 442百万円(対前年度+22百万円、105.3%)、役員報酬は増減なし(8百万円)、退職給与引当金繰入額は 32百万円(対前年度+7百万円、131.1%)、退職金は 97百万円(対前年度▲17百万円、85.1%)となり、「人件費」に関し、トータルで 2,036百万円であり、対前年度+85百万円(104.4%)で推移しました。
「教育研究経費」については、大学においては教育活動がコロナ禍から通常に戻り、消耗品、旅費交通費等が増加したことや、施設修繕等の増加などにより 1,145百万円(対前年度+47百万円、104.3%)となりました。高校は募集停止により77百万円(対前年度▲24百万円、76.3%)で、新規のこども園は 67百万円となり、学園全体では 1,290百万円(対前年度+86百万円、107.2%)となりました。「管理経費」については、こども園新設に伴う補助活動費等の増加により学園全体で 319百万円(対前年度+9百万円、102.9%)となりました。
それらを合計した「教育活動支出計」は、3,645百万円(対前年度+180百万円、105.2%)となり、「教育活動収支差額」は、514百万円(対前年度+28百万円、105.9%)の収入超過となりました。
教育活動外収支に関し、収入においては「受取利息・配当金」は、36百万円(対前年度比130.7%)となり、教育活動外支出は無く、「教育活動外収支差額」は、36百万円の収入超過となりました。
「教育活動収支差額」と「教育活動外収支差額」の合算である「経常収支差額」は、551百万円(対前年度+37百万円、107.3%)の収入超過となりました。
特別収支に関し、前年度は大きな額(309百万円)であったこども園施設整備補助金の今年度分 13百万円と、大学で施設関連の補助金採択分(7百万円)、大学の科学研究費補助金を財源として購入し移管された機器等を中心とした「現物寄付」の10百万円等を合わせた「特別収入計」は、31百万円(対前年度▲292百万円、9.8%)となりました。「特別収支差額」は、11百万円(対前年度▲308百万円、3.5%)の収入超過となりました。
「経常収支差額」と「特別収支差額」を合算した「基本金組入前当年度収支差額」は、562百万円(対前年度▲270百万円、67.5%)の収入超過となりました。貸借対照表の概要のとおり、138百万円の基本金を組入れ、「当年度収支差額」は、424百万円(対前年度+38百万円、110.1%)の収入超過となりました。
以上により、「前年度繰越収支差額」の5,191百万円に「当年度収支差額」を加えた「翌年度繰越収支差額」は、5,616百万円となりました。
また、資金収支計算書における「翌年度繰越支払資金」(貸借対照表「現金預金」と一致)は、「前年度繰越支払資金」から 341百万円増加し、9,085百万円となりました。
比率でみると、「事業活動収支差額比率(基本金組入前当年度収支差額/事業活動収入)」は、13.3%(前年度19.4%、全国平均4.6%)で自己資金を充実させ、財務健全化が図られています。「学生生徒等納付金比率(学生生徒等納付金/経常収入)」は、76.5%(前年度79.6%、全国平均73.5%)とこども園の収入構造により多少緩和されたが比率は高く、畿央大学単体では83.4%となっています。学生生徒等納付金は、補助金や寄付金と比較して、外部要因に影響を受けにくい財源であり、比率が高いことで収入の安定性につながっているが、適切な外部資金の収入拡大も重要な継続検討事項です。「人件費比率(人件費/経常収入)」は、48.6%(前年度49.0%、全国平均50.9%)で適正な水準を維持できています。
【貸借対照表について】
「有形固定資産」に関し、畿央大学付属広陵こども園アトリエ棟及び園庭等の建設に伴い、「建物」38百万円及び「構築物」53百万円を計上しました。老朽化による大学空調設備等の更新、契約期間満了に伴うプリンタ複合機の更新、講義室視聴覚機器買換等による計上と除却並びに減価償却による減少をトータルした「有形固定資産」総額は、11,501百万円(前年度末から
11百万円の減少)となりました。「特定資産」に関しては、第3号基本金引当特定資産のみ9百万円増加し 5,158百万円となりました。本年度末の「固定資産」総額は 16,665百万円で、前年度末から
2百万円の減少となりました。
「流動資産」に関し、「現金預金」は 9,085百万円(前年度末から
341百万円の増加)、「有価証券」は 1,166百万円(前年度末から 207百万円の増加)となりました。「未収入金」は 222百万円で、前年度末との変動(107百万円の増加)は、退職金団体からの交付金の差異等によります。本年度末の「流動資産」総額は 10,475百万円で、前年度末から 655百万円の増加となりました。
以上により、「資産」(固定資産と流動資産)の部の合計は 27,141百万円で、前年度末から 653百万円の増加となりました。
「負債」に関し、「固定負債」としては、リースでのプリンタ複合機調達契約の更新により、新たな契約期間が始まったことで「長期未払金」が30百万円(前年度末から 30百万円の増加)となりました。「退職給与引当金」は 401百万円(前年度末から 11百万円の増加)となりました。「未払金」については、前年度末と比較して 100百万円の増加(406百万円)となり、他科目と合わせ「流動負債」は 1,213百万円(前年度末から 49百万円の増加)となりました。
以上により、「負債」(固定負債と流動負債)の部の合計は 1,646百万円で、前年度末から 90百万円の増加となりました。
「基本金」に関しまして、「第1号基本金」は、こども園に関する建物、構築物等の組入れや、大学のエアコン更新による組入れ、リース契約更新に伴うプリンタ複合機調達による組入れなどに、更新や老朽化により除却した資産の取崩しを相殺し、トータルで 19,284百万円(前年度末から
129百万円の増加)となりました。「第3号基本金」は、特別寄付金の教育振興基金への組入れにより 348百万円(前年度末から 9百万円の増加)となりました。期末の「基本金」総額は 19,879百万円で、前年度末から 138百万円の増加となりました。
翌年度への「繰越収支差額」については 5,616百万円の収入超過で、前年度末から超過額は424百万円増加しました。「基本金」と「繰越収支差額」の合計である「純資産」合計は 25,495百万円となり、前年度末から 562百万円増加しました。
比率でみると、「流動比率(流動資産/流動負債)」は、862.9%(前年度末843.0%、令和4(2022)年度医歯系を除く大学法人平均値(以下「全国平均」という。)263.2%)で、非常に高い支払能力を維持しています。「負債比率(総負債/純資産)」は、6.5%(前年度末6.2%、全国平均13.3%)、「純資産構成比率(純資産/(負債+純資産))」は93.9%(前年度末94.1%、全国平均88.3%)で、財政の高い安定性が維持されています。それらの結果として、「基本金比率(基本金/基本金要組入額)」も99.8%(前年度末99.8%、全国平均97.2%)と、高い数値となっています。