「シンポジウム企画 × プロジェクト研究報告会」を開催しました
2019年3月2日 「シンポジウム企画 × プロジェクト研究報告会」を開催しました.今回は「身体性・社会性システムからニューロリハビリテーションを考える」というテーマで,プロジェクト研究として実施してきたこれまでの研究成果を中心に,以下の内容を報告させて頂きました.
松尾 篤:「社会におけるコミュニケーションの役割」
信迫悟志:「発達性協調運動障害の病態分析から見える必要なニューロリハとは?」
前岡 浩:「痛みと情動とリハビリテーション」
大住倫弘:「疼痛に対するニューロリハの“具体的”な効果」
冷水 誠:「社会心理学的知見から考える運動学習戦略の検証」
岡田洋平:「姿勢,歩行制御の障害を理解するための行動および神経生理学的分析」
森岡 周:「身体意識の視点から神経障害の種々の病態を捉える」
多岐にわたった研究プロジェクトのようにみえるかもしれませんが,身体性・社会性システムからニューロリハビリテーションを考える取り組みは一貫しており,どちらが疎かになってもニューロリハビリテーションとして成り立たないことが再確認されました.例えば,“痛み”は身体的問題のみならず,情動的問題にもアプローチする必要があり,それは自分を取り巻く社会のかかわりによって大きく左右されることが報告されました.あるいは,“運動学習”は1人で黙々と練習をするだけでなく,激励や技術共有といったコミュニケーションが欠かせないことも報告されました.このように,ニューロリハビリテーションを“身体性”と“社会性”の両面から考えることによって,その解釈が立体的になり,リハビリテーションの奥深さをみることができると考えています.
このような背景も含め,来年度から再スタートする「ニューロリハビリテーションセミナー」では,“人間理解”と“リハビリテーション”を一緒に学ぶ機会にしていこうと考えています.こちらはホームページ・Facebookで後日お知らせ致しますので,今後ともどうぞ宜しくお願い致します.
文責)大住倫弘
脳卒中後の上肢運動機能に関連する運動イメージ能力
PRESS RELEASE 2019.2.19
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長の森岡 周教授らの研究グループは,両手協調運動課題(bimanual circle-line coordination task:BCT)を用いて,脳卒中片麻痺患者を対象に,運動イメージ能力,上肢運動機能,そして,日常生活における上肢の使用頻度ならびに動作の質との関係を調べました.一側上肢で直線を描きながら,反対側上肢で円を描くと,それに干渉されてしまい,直線が楕円化するといった現象が確認されています.BCTはそれをもとに開発された課題ですが,本研究では,対象者に非麻痺側上肢で直線を描いてもらいながら,麻痺側上肢で円を描くイメージを求め,その際の楕円化の程度を調べ,その楕円化の程度を運動イメージ能力の定量的指標としました.結果として,中等度〜軽度の上肢運動障害を有している脳卒中患者において,運動イメージ能力は,麻痺側上肢の日常生活における使用頻度を増大させ,その使用の際の動作の質に直接的に関係していることがわかりました.そしてそれら2つの要因を媒介し,上肢運動機能に間接的に関係することがわかりました.この成果は2月18日付けで米国科学誌『Annals of Clinical and Translational Neurology』(Motor‐imagery ability and function of hemiplegic upper limb in stroke patients)に掲載されました.
本研究のポイント
■ bimanual circle-line coordination task(BCT)は,麻痺側上肢の運動イメージ能力を定量的に評価できる手法である.
■ 脳卒中患者における麻痺側上肢の運動イメージ能力は,日常生活における麻痺側上肢の使用頻度・動作の質に関係し,それらを媒介して上肢運動機能に関係する.
研究内容
本研究ではBCTを用いて,運動イメージ能力を定量的に調べ,運動イメージ能力が片麻痺上肢の運動機能や麻痺肢の使用頻度などに関係するかを明らかにしたものです.
対象は脳卒中片麻痺患者31名でした.BCTにはタブレット型PCを使用し,その課題は(1)unimanual-line(U-L):非麻痺側のみで直線を描く条件,(2)bimanual circle-line(B-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描く条件,(3)imagery circle-line(I-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描くイメージを行う3条件(図1)で行い,各々12秒間3セット,ランダムに実施しました.描かれた直線を記録し,その軌跡を1周期ごとに分解し,その歪みを数値化するためにovalization index(OI =[X軸データの標準偏差/Y軸データの標準偏差]×100)を算出しました.
図1: BCT課題の概要
A: 3条件の概要,U-L condition;非麻痺側上肢で直線を描く課題,B-CL condition;非麻痺側上肢で直線を描きつつ麻痺側上肢で円を描く課題,I-CL condition;非麻痺側上肢で直線を描きつつ麻痺側上肢で円を描くイメージを行う課題.B: 代表的なケースの軌跡,向かって左はU-Lの軌跡,右はI-CLの軌跡.I-CLのovalization indexからU-Lのovalization indexを減算した値をImage OI(運動イメージ能力)と定義しました.
運動麻痺の評価にはFugl-Meyer Motor Assessment(FMA),日常生活での使用頻度にはMotor Activity Log(MAL)のAmount of Use(AOU),動作の質にはMALのQuality of Movemen(QOM)を用いて評価しました.
OI値は,ULに対してBCLおよびICLで有意な増加を認めました.BCLとICLの間には有意差が見られず,BCLあるいはICLのOI値からULのOI値を減算したImage OI値においても,BCLとICLの間に有意差が見られませんでした.ゆえに,脳卒中片麻痺患者においても,運動イメージ能力を有していることが明らかになりました.
FMAとAOUの値を用いてクラスター分析した結果,2つのクラスター(クラスター1:10名,クラスター2 :21名)に分けられました.このうち,クラスター2のみFMAとAOUあるいはQOMに有意な相関が得られました.
クラスター2のデータを用いて媒介分析を行ったところ,媒介なしの場合ではImage OIとFMAの間に有意な相関が認められましたが,AOUあるいはQOMを媒介させると,それらの間に有意な相関が示されず,Image OIとAOUあるいはQOMの間に有意な相関,そして,AOUあるいはQOMとFMAの間に有意な相関が確認されました(図2).
図2: 媒介分析の結果
媒介なしの場合ではImage OIとFMAの間に有意な相関をみとめましたが,AOUあるいはQOMを媒介させると有意な相関がみられなくなりました.一方,AOU媒介モデル(A)では,Image OIとAOUの間に有意な相関,AOUとFMAの間に有意な相関を認めました.他方,QOMモデル(B)においてもImage OIとQOMの間に有意な相関,QOMとFMAの間に有意な相関を認めました.AOUあるいはQOMを介したImage OIとFMAの間接効果は,ブーストラップ信頼区間(95%CI)から有意な正の効果を示すことがわかりました.
これらの結果から,脳卒中片麻痺患者において,運動イメージ能力の存在を定量的に確認することができました.一方で,運動イメージ能力は運動麻痺の程度に直接には関係しないものの,麻痺肢の使用頻度や動作の質に関係し,それらを媒介し,運動麻痺の程度に間接的に関係することが明らかになりました.
本研究の臨床的意義および今後の展開
本研究結果は,脳卒中後の運動イメージ能力の向上が麻痺肢の使用頻度を増加ならびに動作の質を改善させ,それに基づき運動障害が改善することを示唆するものですが,その関係性を明確なものとするためには,縦断的調査を試みる必要があると考え,現在,それに取り組んでいます.
論文情報
Morioka S, Osumi M, Nishi Y, Ishigaki T, Ishibashi R, Sakauchi T, Takamura Y, Nobusako S.
Motor‐imagery ability and function of hemiplegic upper limb in stroke patients
Annals of Clinical and Translational Neurology 2019
問い合わせ先
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
徒手牽引の鎮痛効果-信号検出理論による検証-
PRESS RELEASE 2019.1.15
徒手牽引は鎮痛手段の1つとして用いられていますが,その鎮痛効果が“主観的なバイアス”によるものか“徒手牽引そのもの”による効果なのか明らかになっていませんでした.畿央大学大学院博士後期課程の重藤隼人氏と森岡周教授らは,信号検出理論に基づく実験で,徒手牽引はAδ線維由来の一次痛に対して主観的なバイアスよりも,徒手牽引そのものによって鎮痛効果が引き起こされていることを明らかにしました.この知見は,徒手牽引を介入手段として選択する際の意思決定に役立つ基礎的知見になるものと期待されます.この研究成果は,Pain Medicine誌(Experimental Pain Is Alleviated by Manual Traction Itself Rather than Subjective Bias in the Knee: A Signal Detection Analysis)に掲載されています.
研究概要
徒手牽引は臨床場面で鎮痛を目的とした治療に用いられています.しかし,徒手牽引の鎮痛効果が主観的なバイアスによるものか、徒手牽引によるものかは明らかにされていませんでした.また,徒手牽引に伴う触刺激自体も鎮痛効果を有しているとされていますが.徒手牽引と触刺激の鎮痛効果の違いは明らかになっていませんでした.そこで,疼痛研究分野で応用されつつある「信号検出理論」と呼ばれる心理物理学的手法を用いて,徒手牽引および触刺激のAδ線維由来の一次痛およびC線維由来の二次痛に対する鎮痛効果が,疼痛感受性の低下によるものか,主観的なバイアスによるものかを鑑別し検討しました.その結果,徒手牽引は一次痛に対して鎮痛効果を有し,触刺激は一次痛および二次痛に対して鎮痛効果を有していることがわかりました.そして,徒手牽引の一次痛の鎮痛効果は,主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下によって引き起こされていることが明らかになりました.
本研究のポイント
■ 信号検出理論による解析によって,鎮痛効果を疼痛感受性と主観的なバイアスの影響に鑑別した.
■ 徒手牽引はAδ線維由来の一次痛に鎮痛効果を有し,触刺激はAδ線維由来の一次痛およびC線維由来の二次痛に鎮痛効果を認めた.
■ 徒手牽引の一次痛に対する鎮痛効果は,主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下による影響が大きかった.
研究内容
健常成人を対象に,1)徒手牽引×Aδ線維,2)触刺激×Aδ線維,3)徒手牽引×C線維,4)触刺激×C線維,の4条件の実験を実施しました.介入(図1)前後に疼痛強度の選択課題を実施させます.この課題では,「低強度」・「高強度」の2つの刺激強度を設定し,ランダムに「低強度」もしくは「高強度」の電気刺激を被験者に実施し,被験者は電気刺激が「低強度」・「高強度」どちらであったか回答を行いました.
回答は下記の4パターンに分類され,各回答の割合を解析に用いました.
Hit:高強度を高強度と回答
Miss:高強度を低強度と回答
False Alarm:低強度を高強度と回答
Correct Rejection:低強度を低強度と回答
本研究ではHit率(Hitの割合)の低下を鎮痛効果と定義しています.
信号検出理論による解析では,Hit率およびFalse Alarm率を用いて,d`(感度)とC(バイアス)を算出することができ,d`の低下が識別能力の低下(≒疼痛感受性の低下)による鎮痛を示し,Cの低下が主観的なバイアスの増大による鎮痛を示しています.
図1:徒手牽引(A),触刺激(B)
実験の結果,徒手牽引ではAδ線維でHit率の低下を認め,触刺激ではAδ線維およびC線維でHit率の低下を認めました(図2).鎮痛効果を認めた徒手牽引のAδ線維のd`(感度)とC(バイアス)に着目すると,C(バイアス)よりもd`(感度)の変化が大きく認められました(図2).つまり,徒手牽引によるAδ線維由来の痛みの軽減は,主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下によって引き起こされていました.
図2:A.Aδ線維での徒手牽引・触刺激前後のHit率とFalse Alarm率,d`(感度)とC(バイアス).
B.C線維での徒手牽引・触刺激前後のHit率とFalse Alarm率,d`(感度)とC(バイアス).
*p<0.05. #p<0.10.
本研究の臨床的意義および今後の展開
本研究成果は,徒手牽引はAδ線維由来の痛みに対して有効であり,その鎮痛効果は主観的なバイアスによるものではなく徒手牽引そのものによって引き起こされていることを示唆するものです.徒手牽引による鎮痛効果が,主観的バイアスによるものではないという事実は,臨床的には意義がある基礎研究と考えられます.
論文情報
Sigetoh H, Osumi M, Morioka S.
Experimental Pain Is Alleviated by Manual Traction Itself Rather than Subjective Bias in the Knee: A Signal Detection Analysis
Pain Medicine 2019
問い合わせ先
畿央大学大学院健康科学研究科
博士後期課程 重藤隼人(シゲトウ ハヤト)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
脳卒中後に生じる高次脳機能障害『半側空間無視』 のあらたな評価手法を開発
PRESS RELEASE 2019.1.11
畿央大学大学院博士後期課程の大松聡子氏,森岡 周教授,国立障害者リハビリテーションセンター神経筋機能研究室の河島則天室長(畿央大学大学院健康科学研究科客員教授)らの研究グループは,脳卒中後に生じる高次脳機能障害の一つである「半側空間無視」症状の新たな評価手法を開発しました.半側空間無視は損傷を受けた脳と反対側の空間の物体やできごとが認識できなくなる不思議な症状で,症状が慢性化すると日常生活に大きな支障を来します.大松氏たちは,視線分析によって半側空間無視症状を簡便かつ定量的に評価できる手法を開発し,その有用性に関する重要な知見を得ました.従来の検査は紙面検査や日常生活の行動観察によるもので,検査に時間を要することや,重症度の高い患者の評価が困難であるなどの限界点がありました.開発手法は,PC画面上に提示された対の左右反転画像を見ているときの視線の分布特性を分析することで無視症状の程度や特徴を捉えるもので,今後,臨床場面での活用が期待されます.この成果は1月5日付けで英国科学誌『Cortex』に掲載されました.
研究概要
半側空間無視は,脳卒中後に生じる高次脳機能障害の一つで,損傷を受けた大脳半球の反対側の空間にある物体や事象を無視してしまう神経症状です.脳卒中後のリハビリテーションでは,紙面検査や行動観察によって無視症状についての評価を行うことが一般的ですが,検査実施に時間を要すること,患者側に集中力や認知的負荷を強いることなどの問題点があり,加えて重症度の高い患者では評価が困難であるなどの限界点があります.空間無視,という言葉に表れるように,この症状は空間上の物体や事象を認識できなくなる症状で,筆記検査や言語での回答を要求するような検査手法では,症状の特性を捉える上で限界があります.今回発表した論文では,視線分析を用いて直観的かつ定量的に無視症状を捉えるための手法を開発し,その有用性についての検証を行いました.単に様々な画像を注視した際の視線分析を行うのではなく,左右を反転させた対の画像を用い,注視対象の空間配置に応じて視線がどのように推移するかを分析する工夫を施しました(図1).
図1:開発手法の概要
患者さんにコンピュータスクリーン上に提示される画像をただ見るのみ,という課題を行いました(A).提示される画像は,図Bで示される元画像6種類(B)に,それぞれを左右反転した画像,計12画像でした.分析は,対の左右反転画像の視線データを合わせ,平均したものを視線偏向(°)として用いました(C ).
図中に示すような対の左右反転画像を自由に見ている(Free viewing)ときの私たちの視線は,画面の右空間に注視対象があれば右空間に集中し,画像の左右空間を反転することで注視対象が左に移れば視線もまた,左空間に集中します(図1C,図2:健常群).一方,半側空間無視をもつ患者群では,右空間に注視対象があるときこそ右に視線が集中するものの,画像を左右反転させ,注視対象が左に移ったとしても対象を探索できず,依然として右空間を注視するような特徴を持ちます(図2:無視群).私たちはこの特性を利用して,無視症状の特徴を捉えることを試みました.左右反転画像を用いるメリットは,元画像と左右反転画像に含まれる物理的(輝度や色彩など),認知的要素(意味性や文脈など)を統一した状態で,左右の空間的位置関係のみを反転できる,ということになります.また,画像間の視線分布の違いに表れるように,注視対象の特性(生物or無生物,単数or複数,配列の方向性や意味性)により,無視空間への視線配分に変化を認めました(図2).つまり,半側空間無視症例が見せる『無視空間』は空間上の固定された範囲で生じるのではなく,画像に含まれる情報や要素に応じて変化することを示唆しています.これらの結果は,左右反転画像を用いた視線分析が,評価の視点だけでなく,リハビリテーション介入を考える上での重要な情報を提供し得るものと考えられます.
図2:研究結果の概要
画像ごとの視線分布の結果です.視線のカラーマップ(上:健常群,下:無視群)は赤くなっている箇所が,長く注視されていた部分です.折れ線グラフは,横軸が画像の横軸に対応しており,縦軸は横軸の各左右位置を見ていた時間の割合を示した図です.健常者は画像が反転すると視線も反転して,どちらも類似した箇所を見ていますが,無視群は右に偏った特徴があります.ただし,少女や金魚の画像では,他群と類似した視線分布となっていることが分かります.
図3:全画像を通じた結果
本論文で開発した左右反転画像の注視点分析による評価結果は,無視のない群と比較して無視群の視線が有意に右へ偏向しており,かつ通常臨床で使用される行動性無視検査(BIT)結果と有意な相関を示しました.開発手法は所要時間が数分足らずで実施可能で,かつ覚醒レベルの停滞や全般性注意障害,認知機能面の低下を合併しているような,BIT検査の実施が困難な症例にも実施可能です.本論文の対象のうち2名は,BIT検査が実施困難でしたが,開発手法による評価が実施可能でした.今後,臨床場面での無視症状の把握に活用することが期待できます.
関連記事
本研究成果は.国立障害者リハビリテーションセンター プレスリリースにも掲載されています.
論文情報
Ohmatsu S, Takamura Y, Fujii S, Tanaka K, Morioka S, Kawashima N. Visual search pattern during free viewing of horizontally flipped images in patients with unilateral spatial neglect. Cortex 113: 83-95, 2019
DOI: https://doi.org/10.1016/j.cortex.2018.11.029
なお、研究成果の一部は既に実用化され,株式会社クレアクトより製品販売されています.
https://www.creact.co.jp/item/welfare/attention/usn_attention/attention-top
問い合わせ先
畿央大学大学院健康科学研究科
博士後期課程 大松 聡子(オオマツ サトコ)
Tel: 04-2995-3100(内線7190) Fax: 04-2995-3132
E-mail: ohmatsu-satoko@rehab.go.jp
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
国立障害者リハビリテーションセンター
研究所運動機能系障害研究部
神経筋機能障害研究室長
河島 則天(カワシマ ノリタカ)
Tel: 04-2995-3100(内線2520) Fax: 04-2995-3132
E-mail: nori@rehab.go.jp
感覚運動の空間的不一致による異常知覚と運動制御に関わる神経活動
PRESS RELEASE 2019.1.10
脳卒中や慢性疼痛患者における身体性変容の要因の1つとして,感覚情報の予測と実際に入力される感覚情報との間の不一致(感覚運動の時間的および空間的不一致)が考えられています.健常者においても,感覚運動の“時間的”不一致を生じさせると,四肢の重さの知覚変容,しびれ,奇妙さや嫌悪感の惹起に加えて,運動の正確性も低下することが明らかにされています(Katayama and Morioka et al 2018).しかしながら,感覚運動の“空間的”不一致による異常知覚と運動制御に関わる神経活動は明らかになっていませんでした.
畿央大学大学院博士後期課程の片山脩氏と森岡周教授らは,健常者を対象に感覚運動の空間的不一致課題を実施し,感覚運動の空間的不一致による異常知覚と運動制御異常には,前補足運動野および帯状皮質運動野におけるベータ波帯域の神経活動性の低下が関わっていることを脳波の三次元画像解析(eLORETA)を用いて明らかにしました.この知見は,脳卒中や慢性疼痛患者の病態解明に貢献し,新たなニューロリハビリテーション技術開発に向けた基礎的知見になるものと期待されます.この研究成果は,Neuroscience Letters誌(Neural activities behind the influence of sensorimotor incongruence on dysesthesia and motor control)に掲載されています.
研究概要
脳卒中,慢性疼痛患者では患肢に対する知覚変容や運動制御の低下が生じます.この要因の1つとして,運動指令に基づいて脳内で生成される感覚情報の予測と,運動により実際に入力される感覚情報との間に生じる不一致(感覚運動の時間的および空間的不一致)が考えられています.実験的に感覚運動の時間的不一致を生じさせると,健常人であっても知覚変容や運動の正確性が低下することが明らかにされていました(Katayama and Morioka et al 2018).しかしながら,感覚運動の空間的不一致による異常知覚と運動制御に関わる神経活動は明らかになっていませんでした.今回,健常者を対象に実験的に感覚運動の空間的不一致を生じさせ,異常知覚と運動制御に関わる神経活動を検討しました.その結果,感覚運動の空間的不一致により様々な異常知覚が惹起され,その中で奇妙さが有意に強く惹起されました.さらに,運動制御においては運動の正確性が低下することを確認しました.これらの異常知覚と運動制御には,前補足運動野と帯状皮質運動野のベータ波帯域の神経活動性の低下が関わっていることを脳波の三次元画像解析により明らかにしました.
本研究のポイント
■ 感覚運動の空間的不一致により,奇妙さをはじめとした異常知覚が惹起される.
■ 感覚運動の空間的不一致により,運動の正確性が低下する.
■ 異常知覚と運動制御に前補足運動野と帯状皮質運動野のベータ波帯域の神経活動性の低下が関わる.
研究内容
健常成人を対象に,片面がホワイトボードでもう片面が鏡となったボードを両上肢の間に設置し両手関節の掌背屈運動を実施させます(図1).一側の手関節を背屈した際にもう一側を掌屈させる条件(図1D)では,鏡の後ろに隠された手関節の運動方向と,鏡に映る鏡像の運動方向が空間的に不一致した状態となります.この条件設定によって,ヒトの感覚運動ループを実験的に錯乱させることができ,“患肢の知覚変容”という状況を設定することができます.
図1:実験の条件設定
実際の実験では,A:ホワイトボード一致条件,B:ホワイトボード不一致条件,C:鏡一致条件,D:鏡不一致条件(感覚運動の空間的不一致条件)の4条件で手関節の反復運動を被験者に実施してもらいました.運動中の手関節の運動を電子角度計で計測し,身体に対する異常知覚についてアンケートで定性的に評価しました.
実験の結果,感覚運動の空間的不一致条件で,奇妙さが他の条件と比較して強く惹起され,多数の異常知覚が惹起されました(図2).さらに,手関節における運動の正確性の低下が確認されました.
図2:惹起した異常知覚とその数の比較および運動の正確性の比較
脳波活動は,感覚運動の空間的不一致条件では,前補足運動野と帯状皮質運動野のベータ波帯域の神経活動性の低下を認めました(図3).
図3:感覚運動の空間的不一致条件の神経活動領域
本研究の臨床的意義および今後の展開
本研究成果は,脳卒中や慢性疼痛患者の異常知覚や運動制御の低下に前補足運動野と帯状皮質運動野の神経活動性が関わっていることを示唆するものです.そのため,理学療法や作業療法の際には,感覚運動の空間的不一致を最小限にしながら臨床介入を進めることの重要性を提唱する基礎研究となります.今後は,実際に患肢の知覚変容や運動制御の低下が生じている症例を対象に神経活動性の検証をしていく予定です.
論文情報
Katayama O, Nishi Y, Osumi M, Takamura Y, Kodama T, Morioka S.
Neural activities behind the influence of sensorimotor incongruence on dysesthesia and motor control.
Neuroscience Letters 2019
問い合わせ先
畿央大学大学院健康科学研究科
博士後期課程 片山 脩(カタヤマ オサム)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: b6725634@kio.ac.jp
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
[書評]標準理学療法「神経理学療法学 第2版」(医学書院)
標準理学療法学 専門分野 神経理学療法学 第2版(医学書院)
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=104493
標準理学療法「神経理学療法学 第2版」(医学書院)は,脳卒中などの神経疾患を有する症例のリハビリをする上で重要な基礎的知識が網羅されているだけでなく,機能障害レベルで解説されている.
すべての項目に共通して,分かりやすい図表で整理されているだけでなく,リハビリ現場でも実践できるように細かく解説されている.ここまでのクオリティの教科書が完成するまでに,どれほどの時間が費やされたのかを想像しただけで感動すらしてしまう.特に,「ケースで学ぶ神経理学療法」の章では,実際の症例の評価から介入までの思考プロセスが具体的にまとめられており,執筆者の本気さを感じざるを得ない.
新しい症例を担当する時,あるいはリハビリ評価・介入に悩んだ時に,本棚から取り出して読んでいる姿を鮮明に想像できるほど,“臨床現場に1冊は置いておくべき教科書”に仕上がっている.この教科書に記載されていることが理学療法士の共通知識になれば,神経疾患に悩む患者さんに対する理学療法の水準が高くなり,今よりもリハビリテーションの現場が実りあるものになることでしょう.
文責 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
助教 大住倫弘
[書評]身体性システムとリハビリテーションの科学(東京大学出版会)
「身体性システムとリハビリテーションの科学」が東京大学出版会から刊行されています.
身体性システムとリハビリテーションの科学①運動制御
http://www.utp.or.jp/book/b376573.html
身体性システムとリハビリテーションの科学②身体認知
http://www.utp.or.jp/book/b378019.html
運動制御とはすなわち身体認知である(運動制御=身体認知).
ヒトの運動制御を理解する上で,コンパレータモデルを欠かすことはできない.コンパレータモデルは,実際の感覚フィードバックが利用可能になる前に運動の感覚的結果を予測することによって,感覚フィードバック制御による遅延を防ぎ,運動システムに安定性を提供し,迅速なオンライン補正の手段を提供する.具体的には,運動関連脳領域によって生成された運動指令は,身体に伝達される.その際,同時に運動指令のコピー信号から運動結果の感覚的予測が生成され,頭頂葉や小脳に伝達される.次に頭頂葉や小脳では,予測された感覚フィードバックと実際の感覚フィードバックとの比較が行われる.その際,運動結果の感覚的予測と実際の感覚フィードバックとの間に不一致が生じると,展開中の運動指令をリアルタイムで補正/修正するエラー信号が生成される.このエラー信号は,運動精度を向上させるためのトレーニング信号として機能する.ヒトは生後から日常生活においてこのプロセスを反復し続けることにより,頭頂葉や小脳に内部モデルを形成する.内部モデルとは運動の記憶であり,運動の実施前に“この運動を行ったらどのような感覚的結果が返ってくるか”を予測することを可能にする.したがって,このコンパレータモデル/内部モデルのことをフォワードモデルとも呼ぶ.
一方で,予測された感覚フィードバックと実際の感覚フィードバック(視覚,体性感覚など)が時間的・空間的に一致することによって,身体意識が生成される.より具体的には,感覚フィードバック(視覚,体性感覚)間の時空間的一致は,“この身体は自分自身のものだ”という感覚,すなわち身体保持(所有)感(Sense of Ownership:SoO)を生成する.そして運動指令と実際の感覚フィードバック間の時空間的一致は,“この運動や行為の結果生じた外部の事象は,自分自身の主体的運動・行為に起因したものだ”という感覚,すなわち運動主体感(Sense of Agency:SoA)を生成する.
したがって運動制御と身体認知は,コンパレータモデルによって統一的に理解することができ,冒頭に示したように,まさに運動制御と身体認知は現象の表と裏の関係といえる.
本書は2014年から5年計画で発足した文部科学省新学術領域研究「脳内身体表現の変容機構の理解と制御(略称:身体性システム科学)」で得られた成果をまとめた書籍であり,日本が世界に誇る一流の脳科学者,システム工学者,リハビリテーション医学者によって執筆されている.
本書は,①運動制御,②身体認知の2冊で構成されており,脳科学,システム工学,リハビリテーション医学のそれぞれの視点から,冒頭で述べた運動制御と身体認知の表裏一体の関係性を詳述している.
また脳卒中後片麻痺,統合失調症,先天性無痛症,幻肢痛,ジストニア,身体失認,失行などの症候における身体性の変容について,そしてVirtual Reality Trainingなどの最新リハビリテーション技術についても解説してあり,とりわけリハビリテーション専門職にとっては非常に関心の深い内容となっている.
これからのリハビリテーションにおいて,冒頭で述べた運動制御と身体認知の表裏一体の関係性の理解は必要不可欠であり,本書は,今後のリハビリテーションの方向性を示す羅針盤ともいえる書籍である.
文責 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
助教 信迫悟志
[Journal Club]ミラーセラピーによる身体所有感の惹起に視覚情報が強く影響する
Liu Y, Medina J
Integrating multisensory information across external and motor-based frames of reference
Cognition. 2018 173:75-86.
四肢切断後の幻肢痛や複合性局所疼痛症候群に対して,鏡を用いたリハビリ(ミラーセラピー)の有効性が報告されています.ミラーセラピーでは,幻肢(患側肢)と健側肢との間に鏡を設置し,鏡に映った健側肢を覗かせた状態で健側肢の運動をしてもらうことで,鏡に映った健側肢があたかも患側肢であるかのような錯覚(身体所有感*)を惹起します.
*身体所有感とは「この身体は私の身体である」という自己の身体に関する意識のことです.
今回紹介する研究では「ミラーセラピーによる四肢への身体所有感の惹起に,視覚と運動感覚(固有感覚)のどちらが強く影響するのか」を明らかにするために3つの実験を行われました.
第1実験では,健常人31名を対象に鏡を挟んで以下の4条件で手指の屈曲/伸展運動を実施しました.
条件a:両手掌を下に向けた肢位で両手指を同じ方向に屈曲/伸展運動(視覚・固有感覚一致条件)
条件b:両手掌を下に向けた肢位で両手指を反対方向に屈曲/伸展運動(視覚・固有感覚不一致条件)
条件c:右側の手掌を下に向け,左側の手掌を上に向けた肢位で両手指を反対方向に屈曲/伸展運動(視覚不一致・固有感覚一致条件)
条件d:右側の手掌を下に向け,左側の手掌を上に向けた肢位で両手指を同じ方向に屈曲/伸展運動(視覚一致・固有感覚不一致条件)
鏡に映った鏡像に対する身体所有感の評価として,固有感覚ドリフトと質問紙が用いられました.固有感覚ドリフトは以下の方法で測定されました.各条件の前後に鏡と天板で隠された左手の示指の位置を右手で回答させました.この際に,実際の左示指の位置と回答した左示指の位置の差を固有感覚ドリフトとしました.つまり,回答した左示指の位置が実際の位置よりも鏡寄りに変位した距離(固有感覚ドリフト)が大きいほど鏡像に対する身体所有感が強まったことを示します.
質問紙では,過去の身体所有感に関連する研究を参考に「鏡の手が私の左手であるかのように感じた」といった7項目をVAS(0mm:全く感じない~100mm:非常に強く感じる)で評価されました.
第1実験の結果は,固有感覚ドリフトは視覚・固有感覚一致条件(条件a)が視覚・固有感覚不一致条件(条件b)と比較して有意に大きい(身体所有感の増大)を認めました.視覚不一致・固有感覚一致条件(条件c)と視覚一致・固有感覚不一致条件(条件d)の比較では視覚情報が一致した条件dが有意に大きな固有感覚ドリフトを認めました.また質問紙においても同様の傾向がみられました.
第1実験の結果から,ミラーセラピーにおける身体所有感の惹起には,視覚情報の一致が重要であることが示されました.そこで第2・第3実験では,運動感覚への感覚情報の重みづけを強くすることで,身体所有感の惹起に関係する感覚情報の重みづけが視覚情報から運動感覚(固有感覚)情報に移行するかが実験されました.具体的には実験二では運動する指の本数を1本から4本に増やし,実験3では示指の運動に対してバネを取り付けて,運動抵抗を増やすことで運動感覚への感覚情報の重みづけが行われました.
しかしながら,結果はいずれも第1実験と同様となり,ミラーセラピーにおける身体所有感の惹起には,視覚情報の一致が強く関わることが示されました.
今回の研究結果は,身体所有感の低下を認める疼痛患者や脳卒中患者などに対するリハビリテーションにおいて視覚情報を用いることの重要性を示唆するものと思われます.
第23回日本基礎理学療法学会学術大会で大学院生が発表しました!
12/15,16に京都で開催された第23回日本基礎理学療法学会学術大会で宮脇裕さん(博士後期課程)と私(林田一輝 博士後期課程)が演題発表をしてきましたのでここに報告させていただきます.
本大会は分科学会が独立して行う最初の開催であり,テーマは「身体運動学を極める」とされ,基礎理学療法学会が研究領域とする領域のうち特に身体運動学に焦点を当てられて講演が企画されていました.大会長の市橋教授からは「筋の運動学-筋の機能とトレーニング-」と題されたテーマで話題提供があり,臨床におけるトレーニングにおいて非常に示唆に富むものであり,興味深く拝聴しました.
私は「運動課題に伴う予測が運動主体感および運動パフォーマンスに与える効果」という題で身体性に関する発表をさせていただきました.私自身,理学療法学会での口述発表は数年ぶりで,口述発表において方法論を伝えることの難しさを改めて痛感しました.また,会場からはいくつか的確な質問をしていただきました.頂戴した意見も含めて,今回発表した内容を早く論文化していきたいと思います.
また,本研究室の修了生である西勇樹さんが第52回日本理学療法学術大会において発表した内容が奨励賞を受賞しました.今年度,本研究室からは神経分野,地域分野,基礎分野の3つの分科学会で受賞することになります.同研究室のメンバーが受賞されることは非常に嬉しく励みにもなっています.私自身,後に続けるよう努力していきたいと思います.
奨励賞
西 勇樹(修了生)
「慢性疼痛患者における交感神経変動と内受容感覚の関係性」
宮脇 裕(博士後期課程)
「感覚の自他区別が運動制御に及ぼす影響-自他区別課題開発のための予備的研究-」
林田一輝(博士後期課程)
「運動課題に伴う予測が運動主体感および運動パフォーマンスに与える効果」
博士後期課程 林田一輝
第6回日本運動器理学療法学会学術大会で発表してきました!
第6回日本運動器理学療法学会学術大会(博多)で大住倫弘助教,今井亮太さん(客員講師),藤井廉さん(修士課程),重藤隼人(博士後期課程)が発表して参りました.今年度から初めての分科学会での開催となり,日本運動器理学療法学会,徒手理学療法部門,ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法部門が共催しての開催となり,各分野に特化した講演・セミナー・シンポジウム,そして演題発表も一般演題・ポスター演題に加えて,症例報告があったのが特徴的でした.私は基調講演を聴講させていただき,北海道文教大学大学院の宮本重範先生からは「運動器理学療法の趨勢と今後に期待すること」というテーマで,徒手理学療法分野を中心に世界の理学療法および日本の理学療法の変遷と今後の課題についての講演がありました.医学の進歩や研究分野での新たな発見に伴い,我々の評価・治療の対象や方法論も大きく変化しており,今後も世界の動向,社会のニーズに目を向けていく重要性を再認識しました.九州大学大学院の整形外科医である中島康晴先生からは「整形外科医から理学療法に望むこと」というテーマで,チーム医療としてメディカルスタッフの相互の協調・連携の重要性を述べるとともに,理学療法士と新しいエビデンスの構築に向けて共同研究を行いたいと述べていたのが印象的でした.また,今回は私たちの研究室からは主に疼痛関連の研究をしているメンバーで発表を行ってきましたが,疼痛の専門的な学会で議論されている内容が運動器理学療法学会の中では十分に知れ渡っていない現状も再認識でき,今後広く議論ができるように様々な場面で発表や議論の機会をもち,論文化して形にしていくことが重要であると感じました.運動器理学療法の発展および社会に貢献できるように,今後も研究活動を進めていきたいと思います.
我々の演題名は以下であり,いずれも様々な意見をいただき多くの議論ができたと感じております.
<ポスター演題>
大住倫弘「地域在住の腰痛有訴者における腰椎屈曲-伸展運動の運動学的特徴-運動恐怖に着目して-」
今井亮太「術後1週間の痛み改善度は1カ月後の痛みの予後と関連する」
藤井廉「痛み関連恐怖による重量物持ち上げ動作の動作特性」
<一般演題>
重藤隼人「疼痛強度における中枢性感作と心理的因子の関係性」
博士後期課程 重藤隼人