慢性腰痛者の運動恐怖は,腰の曲げ伸ばし動作を緩慢にさせる

PRESS RELEASE 2019.5.27

慢性腰痛者には“腰を曲げるのが怖い”と訴える方が多く,これは「運動恐怖(Kinesiophobia)」と呼ばれています.畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授,森岡 周 教授および大学院生と研究員らは,東京大学医学部付属病院緩和ケア診療部 住谷昌彦 准教授,甲南女子大学理学療法学科 西上智彦 准教授,壬生 彰 助教らと共同で,地域在住の慢性腰痛者における運動恐怖が,運動にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしました.この研究成果はEuropean Spine Journal誌(Kinesiophobia modulates lumbar movements in people with chronic low back pain: a kinematic analysis of lumbar bending and returning movement)に掲載されています.

研究概要

“運動恐怖”とは,「動かすと痛くなりそうで怖い」あるいは「(再)損傷をしそうで動かすのが怖い」という感情です.この運動恐怖は,慢性腰痛者の日常生活動作を悪くすることが明らかになっていましたが,具体的に,どのような運動異常をもたらすのかは分かっていませんでした.
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授,森岡 周 教授らは,地域在住の慢性腰痛者を対象に「腰の曲げ伸ばし」動作を計測しました(下図1).その結果,運動恐怖がある慢性腰痛者は「動き始めに時間がかかる」ことと,「腰の曲げ伸ばし方向を切りかえるのに時間がかかる」ことを明らかにしました.“運動恐怖”は目には見えないものではありますが,それが運動に表出されていることを明らかにしたとともに,運動恐怖をシンプルな運動計測で客観的に捉えらえたこととなります.

本研究のポイント

腰の曲げ伸ばし運動における「運動の開始」と「運動方向の切り返し」は,運動恐怖によって修飾されることを明らかにしました.

研究内容

無線タイプの電子ゴニオメーターを用いて,地域在住の慢性腰痛者を対象に「腰の曲げ伸ばし」動作を計測しました(下図1).計測に参加した慢性腰痛者は,「合図の音が鳴ったら,できるだけ大きく・速く腰を曲げて,スグにもとの姿勢に戻って下さい」と指示をされて運動タスクを実施しました.

fig.1

図1:腰の曲げ伸ばし動作と解析区間

 

そして,本研究では,腰の曲げ伸ばし運動を,以下の4つの相に分けて分析をしました.

Phase 1: 合図音から腰曲げ動作が始まるまで
Phase 2: 腰曲げ動作開始から腰曲げの速度が最大になるまで
Phase 3: 腰曲げ動作最大速度の時点から腰伸ばし動作の速度が最大になった時点まで
Phase 4: 腰伸ばし動作最大速度の時点からもとの姿勢に戻るまで

fig.2

図2:各動作相における時間を比較した結果

その結果,運動恐怖がある慢性腰痛者においてのみ,Phase 1とPhase 3に時間がかかることが明らかになりました.これは,運動への“躊躇(initial hesitation)”あるいは“凍結(freezing-like behavior)”のような現象であり,いずれも腰椎を過剰に保護しようとしたがゆえにもたらされると考えられています.

本研究の臨床的意義および今後の展開

“運動恐怖”は目に見えづらいものではありますが,それを運動計測によって客観的に捉えた点は,非常に臨床的意義があります.今回は,地域在住の慢性腰痛者が対象でしたので,過去の研究と比較しても,顕著な運動障害は認められませんでしたが,運動開始あるいは運動方向の切り返しは,腰痛が重症化する前にも出現する初期症状であることが考えられます.今後は,これをリハビリテーションによって改善させることができるのかが検証される予定です.

論文情報

Osumi M, Sumitani M, Otake Y, Nishigami T, Mibu A, Nishi Y, Imai R, Sato G, Nagakura Y, Morioka S.

Kinesiophobia modulates lumbar movements in people with chronic low back pain: a kinematic analysis of lumbar bending and returning movement.

Eur Spine J. 2019 May 21. doi: 10.1007/s00586-019-06010-4.

 

問い合わせ先

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
准教授 大住倫弘(オオスミ ミチヒロ)
Tel: 0745-54-1601
Fax: 0745-54-1600
E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp

心理的因子と痛みの関係における中枢性感作の媒介効果

PRESS RELEASE 2019.4.11

中枢性感作は,心理的因子とともに痛みを増悪する因子であることが報告されています.しかし,中枢性感作と心理的因子がどのような関係性で痛みを増悪しているかは明らかにされていませんでした.畿央大学大学院博士後期課程の重藤隼人氏と森岡周教授らは,外来を受診している筋骨格系疼痛患者を対象に媒介分析を用いて,心理的因子が中枢性感作をもたらして痛みを重症化させていることを明らかにしました.この知見は,今後中枢性感作に焦点をあてた介入手段の重要性を示唆するものとして期待されます.この研究成果は,Pain Research and Management誌(The Mediating Effect of Central Sensitization on the Relation between Pain Intensity and Psychological Factors: A Cross-Sectional Study with Mediation Analysis)に掲載されています.

本研究のポイント

■ 心理的因子が中枢性感作をもたらして,痛みを重症化させているという仮説を,媒介分析を用いて検証した.
■ 媒介分析の結果,不安,抑うつ,破局的思考と痛みとの関係において中枢性感作の媒介効果を認めた.

研究内容

外来受診患者を対象に,中枢性感作の評価として「中枢性感作」(Central Sensitization Inventory:CSI),「痛み」(Short-form McGill Pain Questionnaire-2:SFMPQ2),「破局的思考」(Pain Catastrophizing Scale-4:PCS),「不安・抑うつ」(Hospital Anxiety and Depression Scale:HADS),「運動恐怖」(Tampa Scale for Kinesiophobia-11:TSK) を評価しました.独立変数を「不安」,「抑うつ」,「破局的思考」,「運動恐怖」,従属変数を「痛み」,媒介変数を「中枢性感作」としたブートストラップ法による媒介分析を行いました.

媒介分析の結果,各心理的因子と疼痛強度における総合効果は「不安」,「抑うつ」,「破局的思考」,「運動恐怖」で認められましたが,直接効果は「破局的思考」のみ認められ,他の心理的因子では認められませんでした.また,媒介変数を「中枢性感作」とした間接効果は「不安」,「抑うつ」,「破局的思考」で認められました (図1)

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図1:心理的因子と痛みの関係における中枢性感作の媒介効果

本研究の臨床的意義および今後の展開

本研究成果は,心理的因子によって増悪する痛みが中枢性感作を介して引き起こされていることを示唆するものです.そのため,中枢性感作に焦点をあてた介入手段の重要性を提唱する臨床研究となります.

論文情報

Shigetoh H,Tanaka Y,Koga M,Osumi M,Morioka S

The Mediating Effect of Central Sensitization on the Relation between Pain Intensity and Psychological Factors: A Cross-Sectional Study with Mediation Analysis.

Pain Research and Management 2019

問い合わせ先

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

第2回 京都大学大学院 大畑研究室 合同研究会

3月22日(金),京都大学にて畿央大学大学院 神経リハビリテーション学研究室 研究交流会が開催されました.今回は京都大学へお尋ねし,大畑光司先生の研究室の大学院生から現在取り組まれている研究の紹介を行って頂きました.また,畿央大学から大学院生の藤井(慎),尾川,田中(陽)からも研究紹介を行い,双方の研究に関して意見交換を行いました.

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最初に大畑研究室の大学院生から,「脳卒中後片麻痺者の開扉課題に必要な能力」について野木さんが,「脳卒中後片麻痺者のまたぎ動作」について鶴田さんが,「脳性麻痺児に対するHONDA歩行アシストの効果」について川崎さんより話題提供して頂きました.それぞれの研究が現在進行形で取り組まれている研究内容であり,念密な実験の手続きなど,大変興味深く聴講することができました.森岡教授からもそれぞれの発表に対して意見やアドバイスを発しておられ,活発なディスカッションが行われました.

最後に,畿央大学から「意思決定場面で生じている患者参加の課題解決」について尾川が,「慢性疼痛の日内律動性」について田中が,「立位姿勢制御の特徴分類」について藤井が話題提供させて頂きました.それぞれの研究紹介に対して,大畑先生との意見交換だけでなく、大畑研究室の大学院生からの意見も発せられ、発表時間が超過しても議論が続く程の充実した会となりました.異なる研究室の方からのご指摘やご意見は非常に新鮮であり,日頃塾考できていないような内容の議論を通してそれぞれの研究をさらに良い方向へ進めていくきっかけになったと思います.

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大畑先生の研究室との合同研究会は今回で2回目でしたが,前回の話題提供とは異なる内容も多く,新たな視点を得ることができました.短い時間の中で開催された会でしたので,もっとディスカッションしたい気持ちを抑えつつも,建設的な意見交換が活発に行われたことに喜びを感じ,それぞれがリハビリテーションという文脈に置き換えて研究成果を発信していければと思います.

最後になりましたが、ご多忙のなか快くご対応してくださった大畑先生ならびに大畑研究室の皆様、本会の調整役を務めてくださった大学院生の川崎さん,そして、このような機会を与えてくださった森岡教授に深く感謝を申し上げます.

博士後期課程 1年 水田直道

第7回身体性システム領域全体会議で発表してきました

平成31年2月28日から3月2日に岩手で開催された”第7回身体性システム領域全体会議”に森岡周教授,信迫悟志助教,大住倫弘助教,西祐樹さん(博士後期課程)と私(宮脇裕,博士後期課程)が参加発表してきましたので,ここに報告させていただきます.

本領域は,脳科学とリハビリテーション医学の融合をシステム工学が仲介することで,「身体性システム科学」という新たな学際領域を創出することを目的としたプロジェクトです.本会議では,これまでの集大成として各研究機関が,その研究成果を発表しました.私たちも2日間にわたり主体感などに関する研究を発表し,多くの研究者と貴重な情報交換をすることができました.

本会議で発表された研究成果は,主体感や運動制御のメカニズムに関する基礎的なものから,臨床応用を試みたものまで多岐にわたり,それらに施された工夫と英知を感じられたことは,私にとって何事にも代えがたい貴重な経験となりました.そして一分野に限定されないその多彩な研究手法を学べたことは,研究の幅を広げる上で良いきっかけとなりました.本領域はこれで終了となりますが,私自身,この会議を通して素晴らしい研究者との強固な繋がりを得ることができました.この場で得た経験と繋がりを今後の活動に活かし,リハビリテーションへ貢献する研究を創造していきたいと思います.

今回,私が発表させていただいた脳卒中後遺症の主体感に関する研究成果は,近々論文投稿を行い,引き続き臨床研究に邁進したいと思います.

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このような貴重な経験ができたのは森岡教授をはじめとする研究室の仲間の日頃のご指導およびご支援と,畿央大学の手厚いバックアップがあったからであり,この場をお借りして,深謝申し上げます.

博士後期課程 宮脇裕

「シンポジウム企画 × プロジェクト研究報告会」を開催しました

2019年3月2日 「シンポジウム企画 × プロジェクト研究報告会」を開催しました.今回は「身体性・社会性システムからニューロリハビリテーションを考える」というテーマで,プロジェクト研究として実施してきたこれまでの研究成果を中心に,以下の内容を報告させて頂きました.

松尾 篤:「社会におけるコミュニケーションの役割」
信迫悟志:「発達性協調運動障害の病態分析から見える必要なニューロリハとは?」
前岡 浩:「痛みと情動とリハビリテーション」
大住倫弘:「疼痛に対するニューロリハの“具体的”な効果」
冷水 誠:「社会心理学的知見から考える運動学習戦略の検証」
岡田洋平:「姿勢,歩行制御の障害を理解するための行動および神経生理学的分析」
森岡 周:「身体意識の視点から神経障害の種々の病態を捉える」

報告会写真

多岐にわたった研究プロジェクトのようにみえるかもしれませんが,身体性・社会性システムからニューロリハビリテーションを考える取り組みは一貫しており,どちらが疎かになってもニューロリハビリテーションとして成り立たないことが再確認されました.例えば,“痛み”は身体的問題のみならず,情動的問題にもアプローチする必要があり,それは自分を取り巻く社会のかかわりによって大きく左右されることが報告されました.あるいは,“運動学習”は1人で黙々と練習をするだけでなく,激励や技術共有といったコミュニケーションが欠かせないことも報告されました.このように,ニューロリハビリテーションを“身体性”と“社会性”の両面から考えることによって,その解釈が立体的になり,リハビリテーションの奥深さをみることができると考えています.

このような背景も含め,来年度から再スタートする「ニューロリハビリテーションセミナー」では,“人間理解”と“リハビリテーション”を一緒に学ぶ機会にしていこうと考えています.こちらはホームページ・Facebookで後日お知らせ致しますので,今後ともどうぞ宜しくお願い致します.

文責)大住倫弘

脳卒中後の上肢運動機能に関連する運動イメージ能力

PRESS RELEASE 2019.2.19

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長の森岡 周教授らの研究グループは,両手協調運動課題(bimanual circle-line coordination task:BCT)を用いて,脳卒中片麻痺患者を対象に,運動イメージ能力,上肢運動機能,そして,日常生活における上肢の使用頻度ならびに動作の質との関係を調べました.一側上肢で直線を描きながら,反対側上肢で円を描くと,それに干渉されてしまい,直線が楕円化するといった現象が確認されています.BCTはそれをもとに開発された課題ですが,本研究では,対象者に非麻痺側上肢で直線を描いてもらいながら,麻痺側上肢で円を描くイメージを求め,その際の楕円化の程度を調べ,その楕円化の程度を運動イメージ能力の定量的指標としました.結果として,中等度〜軽度の上肢運動障害を有している脳卒中患者において,運動イメージ能力は,麻痺側上肢の日常生活における使用頻度を増大させ,その使用の際の動作の質に直接的に関係していることがわかりました.そしてそれら2つの要因を媒介し,上肢運動機能に間接的に関係することがわかりました.この成果は2月18日付けで米国科学誌『Annals of Clinical and Translational Neurology』(Motor‐imagery ability and function of hemiplegic upper limb in stroke patients)に掲載されました.

本研究のポイント

■ bimanual circle-line coordination task(BCT)は,麻痺側上肢の運動イメージ能力を定量的に評価できる手法である.
■ 脳卒中患者における麻痺側上肢の運動イメージ能力は,日常生活における麻痺側上肢の使用頻度・動作の質に関係し,それらを媒介して上肢運動機能に関係する.

研究内容

本研究ではBCTを用いて,運動イメージ能力を定量的に調べ,運動イメージ能力が片麻痺上肢の運動機能や麻痺肢の使用頻度などに関係するかを明らかにしたものです.
対象は脳卒中片麻痺患者31名でした.BCTにはタブレット型PCを使用し,その課題は(1)unimanual-line(U-L):非麻痺側のみで直線を描く条件,(2)bimanual circle-line(B-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描く条件,(3)imagery circle-line(I-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描くイメージを行う3条件(図1)で行い,各々12秒間3セット,ランダムに実施しました.描かれた直線を記録し,その軌跡を1周期ごとに分解し,その歪みを数値化するためにovalization index(OI =[X軸データの標準偏差/Y軸データの標準偏差]×100)を算出しました.

図1
図1: BCT課題の概要
A: 3条件の概要,U-L condition;非麻痺側上肢で直線を描く課題,B-CL condition;非麻痺側上肢で直線を描きつつ麻痺側上肢で円を描く課題,I-CL condition;非麻痺側上肢で直線を描きつつ麻痺側上肢で円を描くイメージを行う課題.B: 代表的なケースの軌跡,向かって左はU-Lの軌跡,右はI-CLの軌跡.I-CLのovalization indexからU-Lのovalization indexを減算した値をImage OI(運動イメージ能力)と定義しました.

 

運動麻痺の評価にはFugl-Meyer Motor Assessment(FMA),日常生活での使用頻度にはMotor Activity Log(MAL)のAmount of Use(AOU),動作の質にはMALのQuality of Movemen(QOM)を用いて評価しました.
OI値は,ULに対してBCLおよびICLで有意な増加を認めました.BCLとICLの間には有意差が見られず,BCLあるいはICLのOI値からULのOI値を減算したImage OI値においても,BCLとICLの間に有意差が見られませんでした.ゆえに,脳卒中片麻痺患者においても,運動イメージ能力を有していることが明らかになりました.
FMAとAOUの値を用いてクラスター分析した結果,2つのクラスター(クラスター1:10名,クラスター2 :21名)に分けられました.このうち,クラスター2のみFMAとAOUあるいはQOMに有意な相関が得られました.
クラスター2のデータを用いて媒介分析を行ったところ,媒介なしの場合ではImage OIとFMAの間に有意な相関が認められましたが,AOUあるいはQOMを媒介させると,それらの間に有意な相関が示されず,Image OIとAOUあるいはQOMの間に有意な相関,そして,AOUあるいはQOMとFMAの間に有意な相関が確認されました(図2).

 

図2

図2: 媒介分析の結果
媒介なしの場合ではImage OIとFMAの間に有意な相関をみとめましたが,AOUあるいはQOMを媒介させると有意な相関がみられなくなりました.一方,AOU媒介モデル(A)では,Image OIとAOUの間に有意な相関,AOUとFMAの間に有意な相関を認めました.他方,QOMモデル(B)においてもImage OIとQOMの間に有意な相関,QOMとFMAの間に有意な相関を認めました.AOUあるいはQOMを介したImage OIとFMAの間接効果は,ブーストラップ信頼区間(95%CI)から有意な正の効果を示すことがわかりました.

 

これらの結果から,脳卒中片麻痺患者において,運動イメージ能力の存在を定量的に確認することができました.一方で,運動イメージ能力は運動麻痺の程度に直接には関係しないものの,麻痺肢の使用頻度や動作の質に関係し,それらを媒介し,運動麻痺の程度に間接的に関係することが明らかになりました.

本研究の臨床的意義および今後の展開

本研究結果は,脳卒中後の運動イメージ能力の向上が麻痺肢の使用頻度を増加ならびに動作の質を改善させ,それに基づき運動障害が改善することを示唆するものですが,その関係性を明確なものとするためには,縦断的調査を試みる必要があると考え,現在,それに取り組んでいます.

論文情報

Morioka S, Osumi M, Nishi Y,  Ishigaki T, Ishibashi R, Sakauchi T, Takamura Y, Nobusako S.
Motor‐imagery ability and function of hemiplegic upper limb in stroke patients

Annals of Clinical and Translational Neurology 2019

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畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
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徒手牽引の鎮痛効果-信号検出理論による検証-

PRESS RELEASE 2019.1.15

徒手牽引は鎮痛手段の1つとして用いられていますが,その鎮痛効果が“主観的なバイアス”によるものか“徒手牽引そのもの”による効果なのか明らかになっていませんでした.畿央大学大学院博士後期課程の重藤隼人氏と森岡周教授らは,信号検出理論に基づく実験で,徒手牽引はAδ線維由来の一次痛に対して主観的なバイアスよりも,徒手牽引そのものによって鎮痛効果が引き起こされていることを明らかにしました.この知見は,徒手牽引を介入手段として選択する際の意思決定に役立つ基礎的知見になるものと期待されます.この研究成果は,Pain Medicine誌(Experimental Pain Is Alleviated by Manual Traction Itself Rather than Subjective Bias in the Knee: A Signal Detection Analysis)に掲載されています.

研究概要

徒手牽引は臨床場面で鎮痛を目的とした治療に用いられています.しかし,徒手牽引の鎮痛効果が主観的なバイアスによるものか、徒手牽引によるものかは明らかにされていませんでした.また,徒手牽引に伴う触刺激自体も鎮痛効果を有しているとされていますが.徒手牽引と触刺激の鎮痛効果の違いは明らかになっていませんでした.そこで,疼痛研究分野で応用されつつある「信号検出理論」と呼ばれる心理物理学的手法を用いて,徒手牽引および触刺激のAδ線維由来の一次痛およびC線維由来の二次痛に対する鎮痛効果が,疼痛感受性の低下によるものか,主観的なバイアスによるものかを鑑別し検討しました.その結果,徒手牽引は一次痛に対して鎮痛効果を有し,触刺激は一次痛および二次痛に対して鎮痛効果を有していることがわかりました.そして,徒手牽引の一次痛の鎮痛効果は,主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下によって引き起こされていることが明らかになりました.

本研究のポイント

■ 信号検出理論による解析によって,鎮痛効果を疼痛感受性と主観的なバイアスの影響に鑑別した.
■ 徒手牽引はAδ線維由来の一次痛に鎮痛効果を有し,触刺激はAδ線維由来の一次痛およびC線維由来の二次痛に鎮痛効果を認めた.
■ 徒手牽引の一次痛に対する鎮痛効果は,主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下による影響が大きかった

研究内容

健常成人を対象に,1)徒手牽引×Aδ線維,2)触刺激×Aδ線維,3)徒手牽引×C線維,4)触刺激×C線維,の4条件の実験を実施しました.介入(図1)前後に疼痛強度の選択課題を実施させます.この課題では,「低強度」・「高強度」の2つの刺激強度を設定し,ランダムに「低強度」もしくは「高強度」の電気刺激を被験者に実施し,被験者は電気刺激が「低強度」・「高強度」どちらであったか回答を行いました.
回答は下記の4パターンに分類され,各回答の割合を解析に用いました.
Hit:高強度を高強度と回答
Miss:高強度を低強度と回答
False Alarm:低強度を高強度と回答
Correct Rejection:低強度を低強度と回答
本研究ではHit率(Hitの割合)の低下を鎮痛効果と定義しています.
信号検出理論による解析では,Hit率およびFalse Alarm率を用いて,d`(感度)とC(バイアス)を算出することができ,d`の低下が識別能力の低下(≒疼痛感受性の低下)による鎮痛を示し,Cの低下が主観的なバイアスの増大による鎮痛を示しています.

fig.1

図1:徒手牽引(A),触刺激(B)

実験の結果,徒手牽引ではAδ線維でHit率の低下を認め,触刺激ではAδ線維およびC線維でHit率の低下を認めました(図2).鎮痛効果を認めた徒手牽引のAδ線維のd`(感度)とC(バイアス)に着目すると,C(バイアス)よりもd`(感度)の変化が大きく認められました(図2).つまり,徒手牽引によるAδ線維由来の痛みの軽減は,主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下によって引き起こされていました

fig.2

図2:A.Aδ線維での徒手牽引・触刺激前後のHit率とFalse Alarm率,d`(感度)とC(バイアス).

        B.C線維での徒手牽引・触刺激前後のHit率とFalse Alarm率,d`(感度)とC(バイアス).
        *p<0.05. #p<0.10.

本研究の臨床的意義および今後の展開

本研究成果は,徒手牽引はAδ線維由来の痛みに対して有効であり,その鎮痛効果は主観的なバイアスによるものではなく徒手牽引そのものによって引き起こされていることを示唆するものです.徒手牽引による鎮痛効果が,主観的バイアスによるものではないという事実は,臨床的には意義がある基礎研究と考えられます.

論文情報

Sigetoh H, Osumi M, Morioka S.
Experimental Pain Is Alleviated by Manual Traction Itself Rather than Subjective Bias in the Knee: A Signal Detection Analysis

Pain Medicine 2019

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畿央大学大学院健康科学研究科
博士後期課程 重藤隼人(シゲトウ ハヤト)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
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脳卒中後に生じる高次脳機能障害『半側空間無視』 のあらたな評価手法を開発

PRESS RELEASE 2019.1.11

畿央大学大学院博士後期課程の大松聡子氏,森岡 周教授,国立障害者リハビリテーションセンター神経筋機能研究室の河島則天室長(畿央大学大学院健康科学研究科客員教授)らの研究グループは,脳卒中後に生じる高次脳機能障害の一つである「半側空間無視」症状の新たな評価手法を開発しました.半側空間無視は損傷を受けた脳と反対側の空間の物体やできごとが認識できなくなる不思議な症状で,症状が慢性化すると日常生活に大きな支障を来します.大松氏たちは,視線分析によって半側空間無視症状を簡便かつ定量的に評価できる手法を開発し,その有用性に関する重要な知見を得ました.従来の検査は紙面検査や日常生活の行動観察によるもので,検査に時間を要することや,重症度の高い患者の評価が困難であるなどの限界点がありました.開発手法は,PC画面上に提示された対の左右反転画像を見ているときの視線の分布特性を分析することで無視症状の程度や特徴を捉えるもので,今後,臨床場面での活用が期待されます.この成果は1月5日付けで英国科学誌『Cortex』に掲載されました.

研究概要

半側空間無視は,脳卒中後に生じる高次脳機能障害の一つで,損傷を受けた大脳半球の反対側の空間にある物体や事象を無視してしまう神経症状です.脳卒中後のリハビリテーションでは,紙面検査や行動観察によって無視症状についての評価を行うことが一般的ですが,検査実施に時間を要すること,患者側に集中力や認知的負荷を強いることなどの問題点があり,加えて重症度の高い患者では評価が困難であるなどの限界点があります.空間無視,という言葉に表れるように,この症状は空間上の物体や事象を認識できなくなる症状で,筆記検査や言語での回答を要求するような検査手法では,症状の特性を捉える上で限界があります.今回発表した論文では,視線分析を用いて直観的かつ定量的に無視症状を捉えるための手法を開発し,その有用性についての検証を行いました.単に様々な画像を注視した際の視線分析を行うのではなく,左右を反転させた対の画像を用い,注視対象の空間配置に応じて視線がどのように推移するかを分析する工夫を施しました(図1).

図1

図1:開発手法の概要
患者さんにコンピュータスクリーン上に提示される画像をただ見るのみ,という課題を行いました(A).提示される画像は,図Bで示される元画像6種類(B)に,それぞれを左右反転した画像,計12画像でした.分析は,対の左右反転画像の視線データを合わせ,平均したものを視線偏向(°)として用いました(C ).

図中に示すような対の左右反転画像を自由に見ている(Free viewing)ときの私たちの視線は,画面の右空間に注視対象があれば右空間に集中し,画像の左右空間を反転することで注視対象が左に移れば視線もまた,左空間に集中します(図1C,図2:健常群).一方,半側空間無視をもつ患者群では,右空間に注視対象があるときこそ右に視線が集中するものの,画像を左右反転させ,注視対象が左に移ったとしても対象を探索できず,依然として右空間を注視するような特徴を持ちます(図2:無視群).私たちはこの特性を利用して,無視症状の特徴を捉えることを試みました.左右反転画像を用いるメリットは,元画像と左右反転画像に含まれる物理的(輝度や色彩など),認知的要素(意味性や文脈など)を統一した状態で,左右の空間的位置関係のみを反転できる,ということになります.また,画像間の視線分布の違いに表れるように,注視対象の特性(生物or無生物,単数or複数,配列の方向性や意味性)により,無視空間への視線配分に変化を認めました(図2).つまり,半側空間無視症例が見せる『無視空間』は空間上の固定された範囲で生じるのではなく,画像に含まれる情報や要素に応じて変化することを示唆しています.これらの結果は,左右反転画像を用いた視線分析が,評価の視点だけでなく,リハビリテーション介入を考える上での重要な情報を提供し得るものと考えられます.

図2

図2:研究結果の概要

画像ごとの視線分布の結果です.視線のカラーマップ(上:健常群,下:無視群)は赤くなっている箇所が,長く注視されていた部分です.折れ線グラフは,横軸が画像の横軸に対応しており,縦軸は横軸の各左右位置を見ていた時間の割合を示した図です.健常者は画像が反転すると視線も反転して,どちらも類似した箇所を見ていますが,無視群は右に偏った特徴があります.ただし,少女や金魚の画像では,他群と類似した視線分布となっていることが分かります.

図3

図3:全画像を通じた結果

 

本論文で開発した左右反転画像の注視点分析による評価結果は,無視のない群と比較して無視群の視線が有意に右へ偏向しており,かつ通常臨床で使用される行動性無視検査(BIT)結果と有意な相関を示しました.開発手法は所要時間が数分足らずで実施可能で,かつ覚醒レベルの停滞や全般性注意障害,認知機能面の低下を合併しているような,BIT検査の実施が困難な症例にも実施可能です.本論文の対象のうち2名は,BIT検査が実施困難でしたが,開発手法による評価が実施可能でした.今後,臨床場面での無視症状の把握に活用することが期待できます.

関連記事

本研究成果は.国立障害者リハビリテーションセンター プレスリリースにも掲載されています.

http://www.rehab.go.jp/hodo/japanese/content_30.html?fbclid=IwAR2979FNyV60L3oN0Ov-YFlDAT-JPpI-fnCY44WUNsXYs8bHQRGjw8jMQYg

論文情報

Ohmatsu S, Takamura Y, Fujii S, Tanaka K, Morioka S, Kawashima N. Visual search pattern during free viewing of horizontally flipped images in patients with unilateral spatial neglect. Cortex 113: 83-95, 2019
DOI: https://doi.org/10.1016/j.cortex.2018.11.029

 

なお、研究成果の一部は既に実用化され,株式会社クレアクトより製品販売されています.
https://www.creact.co.jp/item/welfare/attention/usn_attention/attention-top

問い合わせ先

畿央大学大学院健康科学研究科
博士後期課程 大松 聡子(オオマツ サトコ)
Tel: 04-2995-3100(内線7190) Fax: 04-2995-3132
E-mail: ohmatsu-satoko@rehab.go.jp

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

国立障害者リハビリテーションセンター
研究所運動機能系障害研究部
神経筋機能障害研究室長
河島 則天(カワシマ ノリタカ)
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感覚運動の空間的不一致による異常知覚と運動制御に関わる神経活動

PRESS RELEASE 2019.1.10

脳卒中や慢性疼痛患者における身体性変容の要因の1つとして,感覚情報の予測と実際に入力される感覚情報との間の不一致(感覚運動の時間的および空間的不一致)が考えられています.健常者においても,感覚運動の“時間的”不一致を生じさせると,四肢の重さの知覚変容,しびれ,奇妙さや嫌悪感の惹起に加えて,運動の正確性も低下することが明らかにされています(Katayama and Morioka et al 2018).しかしながら,感覚運動の“空間的”不一致による異常知覚と運動制御に関わる神経活動は明らかになっていませんでした.
畿央大学大学院博士後期課程の片山脩氏と森岡周教授らは,健常者を対象に感覚運動の空間的不一致課題を実施し,感覚運動の空間的不一致による異常知覚と運動制御異常には,前補足運動野および帯状皮質運動野におけるベータ波帯域の神経活動性の低下が関わっていることを脳波の三次元画像解析(eLORETA)を用いて明らかにしました.この知見は,脳卒中や慢性疼痛患者の病態解明に貢献し,新たなニューロリハビリテーション技術開発に向けた基礎的知見になるものと期待されます.この研究成果は,Neuroscience Letters誌(Neural activities behind the influence of sensorimotor incongruence on dysesthesia and motor control)に掲載されています.

研究概要

脳卒中,慢性疼痛患者では患肢に対する知覚変容や運動制御の低下が生じます.この要因の1つとして,運動指令に基づいて脳内で生成される感覚情報の予測と,運動により実際に入力される感覚情報との間に生じる不一致(感覚運動の時間的および空間的不一致)が考えられています.実験的に感覚運動の時間的不一致を生じさせると,健常人であっても知覚変容や運動の正確性が低下することが明らかにされていました(Katayama and Morioka et al 2018).しかしながら,感覚運動の空間的不一致による異常知覚と運動制御に関わる神経活動は明らかになっていませんでした.今回,健常者を対象に実験的に感覚運動の空間的不一致を生じさせ,異常知覚と運動制御に関わる神経活動を検討しました.その結果,感覚運動の空間的不一致により様々な異常知覚が惹起され,その中で奇妙さが有意に強く惹起されました.さらに,運動制御においては運動の正確性が低下することを確認しました.これらの異常知覚と運動制御には,前補足運動野と帯状皮質運動野のベータ波帯域の神経活動性の低下が関わっていることを脳波の三次元画像解析により明らかにしました.

本研究のポイント

■ 感覚運動の空間的不一致により,奇妙さをはじめとした異常知覚が惹起される.
■ 感覚運動の空間的不一致により,運動の正確性が低下する.
■ 異常知覚と運動制御に前補足運動野と帯状皮質運動野のベータ波帯域の神経活動性の低下が関わる.

研究内容

健常成人を対象に,片面がホワイトボードでもう片面が鏡となったボードを両上肢の間に設置し両手関節の掌背屈運動を実施させます(図1).一側の手関節を背屈した際にもう一側を掌屈させる条件(図1D)では,鏡の後ろに隠された手関節の運動方向と,鏡に映る鏡像の運動方向が空間的に不一致した状態となります.この条件設定によって,ヒトの感覚運動ループを実験的に錯乱させることができ,“患肢の知覚変容”という状況を設定することができます.
図1

図1:実験の条件設定

実際の実験では,A:ホワイトボード一致条件,B:ホワイトボード不一致条件,C:鏡一致条件,D:鏡不一致条件(感覚運動の空間的不一致条件)の4条件で手関節の反復運動を被験者に実施してもらいました.運動中の手関節の運動を電子角度計で計測し,身体に対する異常知覚についてアンケートで定性的に評価しました.

実験の結果,感覚運動の空間的不一致条件で,奇妙さが他の条件と比較して強く惹起され,多数の異常知覚が惹起されました(図2).さらに,手関節における運動の正確性の低下が確認されました.

図2

図2:惹起した異常知覚とその数の比較および運動の正確性の比較

 

脳波活動は,感覚運動の空間的不一致条件では,前補足運動野と帯状皮質運動野のベータ波帯域の神経活動性の低下を認めました(図3).

図4

図3:感覚運動の空間的不一致条件の神経活動領域

 

本研究の臨床的意義および今後の展開

本研究成果は,脳卒中や慢性疼痛患者の異常知覚や運動制御の低下に前補足運動野と帯状皮質運動野の神経活動性が関わっていることを示唆するものです.そのため,理学療法や作業療法の際には,感覚運動の空間的不一致を最小限にしながら臨床介入を進めることの重要性を提唱する基礎研究となります.今後は,実際に患肢の知覚変容や運動制御の低下が生じている症例を対象に神経活動性の検証をしていく予定です.

論文情報

Katayama O, Nishi Y, Osumi M, Takamura Y, Kodama T, Morioka S.
Neural activities behind the influence of sensorimotor incongruence on dysesthesia and motor control.

Neuroscience Letters 2019

問い合わせ先

畿央大学大学院健康科学研究科
博士後期課程 片山 脩(カタヤマ オサム)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: b6725634@kio.ac.jp

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
センター長 森岡 周(モリオカ シュウ)
Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600
E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

[書評]標準理学療法「神経理学療法学 第2版」(医学書院)

標準理学療法学 専門分野 神経理学療法学 第2版(医学書院)

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文責 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 

助教 大住倫弘