理学療法学科6期生の同窓会を開催しました。

2021/11/05更新

2021年10月31日(日)、理学療法学科6期生の同窓会を開催しました。

今回の6期生同窓会は、「コロナ禍」においてどのような形式で開催するのが社会通念上、妥当なのかというところから数回のミーティングを経て、企画していきました。また、卒業後10年を迎える節目の年に至り、それぞれの10年間の歩みを話し合えるような場所を作り上げる同窓会となりました。

COVID-19の世界的パンデミックによって、世界はここ数年で想定された技術革新が一気に進んだと言われています。その中でも企業のテレワークに見られるように、ICTによるオンライン会議や空間的距離を越えた仕事が当たり前にできる世の中へとシフトしています。

「だったら、同窓会もオンラインでできるのでは?」「どうせオンラインでやるなら、遠隔でなかなか会えない同期生も呼び掛けてみよう」「子育てで悩む人とか、業務上の悩みを抱えた人とかが気軽に参加できる形式にしてみよう」など、オンラインならではのアイデアがいくつか出たところで、今回の同窓会の草案が出来上がりました。大まかな草案が出来た頃、筆保君から、「学部生の時に松本先生が『10年後の未来を考える』っていう講義してくれたの覚えてる? 今回の同窓会のコンセプトが10年を振り返るのなら、先生にお話ししてもらうのはどうだろうか?」という提案がありました。満場一致で賛成した私たちは、早速、松本先生にご登壇のお願いをして、先生からは快諾のお返事でした。ここまで草案が出来上がった段階で、今回の同窓会は以下のような形式で執り行うこととしました。

・zoomを用いたオンライン形式

・一部:松本先生の特別講演と同期5名による10年間の取り組みを発表

・二部:オンライン上での飲み会

・途中入室、途中退出は完全に自由とし、ざっくばらんな参加とする

当日の内容については、以下のようなポスターを伊藤君が作ってくれました。

 

それでは、本題の同窓会レポートを記します。

まず、トップバッターは松本先生の特別講義です。先生の講義では、「人生100年時代について」、「キャリアや家庭の両立」、「自分のために考え・見つめ直す時間をつくる」、「大切なことの優先順位やワークライフシナジーを考える」などの項目について、メッセージを頂きました。先生とは、先生が畿央大学に入職された年に同じく入学した学生であることもあって、お互いに親近感を持っており、そんな先生からのメッセージには染み入るものがありました。講義の最後には「6期生チーム一弾丸となって、頑張ってください」、「Health for All, All for Health -すべての人に健康を、健康のために全力を!」という熱いメッセージを頂きました。先生には事前のミーティングにお時間を頂いたり、オンライン同窓会ならではの投票システムを用いた参加型講義の提案なども頂いたり、企画段階から本当にお世話になりました。

 

 

次に伊藤君の発表では、「マネジメントむずない?問題」を議論しました。理学療法士としての研鑽や成長とは別に、組織を管理していかなければならないことはキャリア上の壁として立ちはだかります。マネジメントを独学的にもOJT的にも学んでいかなければ対処できないなかでの、難しさやその葛藤について、各々の立場や観点から話し合いました。

筆保君の発表では、「理学療法士のキャリア形成におけるジェネラリストとスペシャリストの是非」について、議論しました。大学病院で勤務するなかで見えてきたジェネラリストの汎用性とその限界を感じていること、学際的なキャリアを積んでいても、年齢的に無理が出来なくなってきていること、よりスペシャリティを追求するのがこれからは良いのか?などは、昨今の私たちの業界でもよく議論の壇上に上がるものでした。

松田君からは、今変革期であり過渡期を迎えている、「理学療法実習のあり方や組織内での教育体制」について、彼自身が大阪教育大学の大学院で学んだ知見も踏まえて解説してくれました。理学療法士にとって教育とは、学生指導・新人教育・組織内教育・患者教育など、そのキャリアで必ず触れる概念です。そうでありながら、教育ということについて学問的で体系的な学習をしていないことについて、意見を交わし、考えを補完することができました。

池野君(旧姓:上田)からは、民間会社において、網羅的に在宅リハや管理業務を経験して感じた「社員の健康増進やメンタルヘルスへの関り」について話題提供がありました。実例を交えて検討していく中で、キャリアと並行して形成するライフスタイルやプライベートとのバランスの取り方、組織のメンバーについてどれだけ理解できているのか、ストレスに対処する方策は何か、といった検討の中で、今回の同窓会がそんな同期の悩みの共有場所になれれば、継続していく意義もあり、この度の同窓会の主旨にも合うのでは?といった具合で、今回の同窓会を集約した内容でした。

最後に山本君の発表では、「この10年を振り返ること」といった命題に対し、自作資料は手書きのメモとzoomの背景画像のみ、という革新的な方法で、答えていました。人生のターニングポイントになった出来事・きっかけ・人との出会い(主に松本先生)は、過去を振り返る中で出てくる。その振り返りこそが現在の自身の立ち位置や仕事に直結しており、キャリアを確立させるのでは?と話されていました。

 

ここまで進んだところで白熱した第一部は大幅に時間を押してしまい、第二部に移行したのが何時だったのか忘れましたが、後は各自、夕食やお酒を飲みながら、近況報告などを交わしました。第二部の中心的な話題では、オリンピック選手村で理学療法士として、国選手のサポート経験をした小山君(旧姓:村上)の大会期間中の話でした。先端機器に触れられることや先端技術を持った同僚との交流、選手村内の様子や自身が診た選手が今まさにテレビの向こう側で活躍している姿を観ることへの感動など、興奮冷めやらぬ話を沢山聞かせてくれました。

今回のオンライン同窓会に参加した同期生は述べ人数25名ほど(恐らく)でした。オンラインならではの成果であったとも考えられますし、コロナ禍でも同窓会ができるという証明にもなりました。次回以降の課題も見えましたし、その点で、初めての試みとしては十分収穫のある同窓会になりました。

長々とレポートしましたが、この度の同窓会は、オンラインで顔の見える環境が作れるICT技術は勿論、企画段階から相談に乗っていただいた畿桜会事務のみなさん、快く講演をして下さった松本先生のご協力の賜物であったかと存じます。これからも、同窓の繋がりを大切に、そして今回の試みを持続していけるように試行錯誤していこうと思います。

関係者各位の皆様に御礼申し上げて、レポートの締めくくりとさせて頂きます。

 

畿央大学健康科学部理学療法学科6期卒業生(2012年3月卒業) 松岡(旧姓:小西)佑

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