畿央大学水泳実習事故に関わる損害賠償訴訟の調停成立について(令和8年1月7日)
平成28年7月29日(金)、畿央大学が橿原市総合プールで行っていた水泳実技実習中に、教育学部4回生(当時)寺岡頑希さんが溺水し、多くの方の祈りもむなしく、緊急搬送された病院において、同年8月17日(水)に逝去されるという重大な事故が発生しました。本事故の詳細は、「畿央大学水泳実習事故調査報告書」記載の通りです。
本件事故に関わり、ご両親より本学に対して、損害賠償請求の訴訟がなされましたが、この度、大阪地方裁判所第20民事部より、職権による調停の提案があり、原告、被告共にこれを受け入れ、2026(令和8)年1月7日付けで、訴訟が終結しましたことをご報告申し上げます。決定書は以下の通りです。
裁判所は、本件実習の引率・指導に当たった教員には、監視義務を怠った過失ないし注意義務違反があり、本学には使用者責任が認められ、損害賠償責任を免れないとの判断を示しました。
本学は、この判断を厳粛に受け止め、改めて、寺岡頑希さん並びにご両親をはじめ、ご家族や関係の皆様に深く謝罪の意を表すとともに、同様の事故を二度と起こさないよう、再発防止に向けた取組を今後とも徹底してまいります。
なお、本学では、組織として安全管理の在り方を総点検し、以下の再発防止策を実施しています。
・ イベント等実施計画書の運用
学内外でイベント(正課、正課外を含む)を実施する際に、企画者に提出を求め、リスクレベルを3段階に分けて設定し、特に危険性の高い取組や海外での取組については、安全管理措置を記載した実施計画書の提出を求め、関係部署による確認、改善対応指示等を実施し、状況に応じ、事後報告書の提出を求めるなど大学組織としてリスク管理を徹底しています。また、毎年、4月当初の全教職員会議では、事故を振り返りながら、イベント等実施計画書の運用の重要性について再確認を行っています。
・ 教職員対象の研修会の実施
事故のあった7月29日を「安全について改めて確認し合う大切な日」と定め、毎年、全教職員を対象に研修会を実施しています。2025年度は、奈良県教育委員会事務局から学校安全担当の指導主事を講師に迎え、「学校行事等での安全に関する講習会」を実施しました。
・ 子どもの生命を守ることのできる学生の育成
教員免許取得を目指すすべての学生を対象に、4回生科目「教職実践演習」において、水泳事故防止に関する専門的な学習を実施しています。また、全学必修科目「生命倫理」では、生命の尊さを認識することなどを授業の到達目標に定め、教育学部の授業では、「学校管理下での事件・事故」についての学習をしています。
さらに、また、教育学部の独自科目「体育科実践演習(つくろう!体育科)」は、体育科における安全管理を内容とする授業を行い、学生が将来、教員になった際に、しっかりとした安全指導ができる力の育成に努めています。
寺岡頑希さんが残してくれた教訓を風化させることなく、本学のなかで末永く継承し、取組を実施していくことを改めて決意するとともに、寺岡頑希さんのご冥福を心よりお祈り致します。
令和8年5月13日
畿央大学学長 冬木 正彦


