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2026.10.23

【重要】台風30号接近に伴うお知らせ(10/26の補講およびクリーンキャンペーンの対応について)

台風30号が10月26日(月)に接近する可能性が示されています。 この日は補講日ですので、3時限以降に補講が設定されていますが、気象警報等が発令された際の対応は以下のとおりです。   暴風警報、特別警報または防災気象警報警戒レベル4以上の警報が、 10ː00以前に解除された場合は3時限から授業を実施 12ː00以前に解除された場合は4時限から授業を実施 12ː00の時点で解除されていない場合は全日休講 となります。休講となった場合の補講再設定については後日改めてお知らせします。   なお、同日にはクリーンキャンペーンも実施が予定されていますが、10/25(日)16:00の時点で実施可否を判断します。 中止の場合は参加対象団体に連絡しますので留意してください。 学生支援センター

2026.10.20

Matthieu Guemann准教授が研究のため畿央大学を訪問しました ~ 健康科学研究科

2026年10月12日(月)~15日(木)、オルレアン大学のMatthieu Guemann准教授(フランスの理学療法士)がニューロリハビリテーション研究センターに滞在しました。 今回は、私たちが研究・実践している仮想現実(Virtual reality: VR)を用いたリハビリテーションをより良いものにするため、Matthieu Guemann准教授がフランスで試作した新たなデバイスを、同センターで試す機会となりました。   このVRリハビリテーションシステムは、麻痺した手があたかも動いているような錯覚を誘発するものです。今回の研究では、この錯覚をより鮮明に体験できるようにすることをめざしました。   とても粘り強く、ひとつひとつの事象を丁寧に解釈する姿に感銘を受けました。また、このような国際交流は大学院生にとっても貴重な機会となったようで、同センター全体の士気も高まったように感じます。今後も交流を続け、新たなリハビリテーションの創出を目指していきたいと考えています。   実験中のMatthieu Guemann准教授       Matthieu Guemann准教授とニューロリハビリテーション研究センターにて   本学大学院生と食事会で交流しました   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター    健康科学研究科 教授 大住 倫弘 関連記事 第24回日本神経理学療法学会学術大会に参加しました ― 本学関係者が最優秀賞・優秀賞を受賞 第20回Motor Contorol研究会に大学院生が参加しました! ~ ニューロリハビリテーション研究センター 科学研究費助成事業・学術変革領域研究(A)「顔身体のデザイン」第2回領域会議が開催されました! ~ ニューロリハビリテーション研究センター 第16回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~ 健康科学研究科 田平研究室 第1回日本理学療法学会連合学術総会で森岡 周 教授が臨床研究学術賞を受賞、本学関係者が各専門領域の主要企画で活躍! 記念講演を終えて~森岡周教授が第1回日本理学療法学会連合学術総会「臨床研究学術賞」に 田原本町との連携を強化 -健康づくりと地域課題の解決を推進~健康科学研究科・ウェルネス共創研究センター 在外研究員レポート~オルレアン大学における特別講義と学術交流 地域リハビリテーション研究室の教員・院生が第35回奈良県理学療法士学会で講演・研究成果を発表し、学会賞を受賞!~健康科学研究科・ウェルネス共創研究センター    

2026.10.20

伝統漆喰壁の補修実践ワークショップ 第4回・第5回を実施しました ~ 人間環境デザイン学科

香芝市穴虫の古民家を会場に実施してきた「伝統漆喰壁の補修実践ワークショップ」。第4回(2026年7月18日(土))、第5回(2026年8月8日(土))の実習を行い、いよいよ漆喰壁の仕上げを迎えました。   ▶第1回ワークショップはコチラ ▶第2回・第3回ワークショップはコチラ 第4回 漆喰の材料づくり 第4回は、前回に引き続き中塗りの作業を進めるとともに、漆喰の材料づくりを行いました。     今回使用する漆喰の材料は、消石灰、麻スサ、海藻です。現在は既製品の漆喰も広く使われていますが、今回は伝統的な方法で材料を一からつくります。     まず、海藻を大きな鍋で2~3時間かけて煮込み、漆喰の糊(のり)となる成分を抽出します。煮込んだ海藻をザルで濾(こ)した後、細かくほぐした麻スサを加えて攪拌(かくはん)します。さらに消石灰と水を加え、均一になるまで丁寧に練り混ぜていきました。           一つひとつの工程は単純に見えますが、材料の仕込みには想像以上の時間と労力がかかります。漆喰を壁に塗る前に、これほど多くの作業が必要になることを実感しました。 第5回 漆喰塗り 最終回となる第5回は、いよいよ漆喰塗りです。   一般的な白漆喰は2回塗りを基本とし、下塗りの後に仕上げ塗りを行います。仕上げでは、鏝(こて)を強く押し当てて表面を繰り返し押さえることで、次第に滑らかで光沢のある表面へと仕上げていきます。   今回補修する住宅の壁は、一般的な白漆喰ではなく、より高度な技術が求められる「二分黒(にぶぐろ)」仕上げです。   まず、土と石灰、スサを混ぜた材料を下地として薄く塗り付けます。その上に、下地が乾かないうちに墨を混ぜた仕上げ用の漆喰を塗り重ねていきます。下地と仕上げを一体化させながら、均一な色と滑らかな表面をつくるには、材料の状態を見極める経験と繊細な鏝使いが求められます。           学生たちも実際に鏝を手に取り、職人の指導を受けながら漆喰塗りに挑戦しました。職人が簡単そうに行う作業も、実際にやってみるとなかなか思うようにはいきません。伝統左官技術の難しさと奥深さを改めて感じる実習となりました。     ワークショップを終えて 全5回にわたって実施してきた今回のワークショップ。土づくりから荒壁付け、中塗り、漆喰の仕込み、仕上げ塗りまで、一連の工程を体験することができました。   実習を通じて特に印象的だったのは、実際に壁を塗る作業以上に、材料づくりや下地の準備に多くの時間と労力が費やされていることです。伝統的な左官仕事では、材料の性質を見極め、適切に調整し、一つひとつの工程を丁寧に積み重ねることが求められます。   そして、こうした目に見えない部分での仕事が、最終的な仕上がりの美しさだけでなく、壁の耐久性にも大きく関わっていることを学びました。   長期間にわたる実習でしたが、伝統的な建築技術がなぜこれほどの時間を必要とするのか、その理由を、身をもって理解する貴重な機会となりました。     最後になりましたが、ご指導いただいた左官職人の皆さま、実習にご協力いただいた関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。   関連記事 【プロジェクトゼミ】暑さに気づくディスプレイと遊具をデザイン!(観察編)~ 人間環境デザイン学科 東ゼミ 畿央大学付属広陵こども園の子どもたちと染色体験!~人間環境デザイン学科村田ゼミ 「佐味田みんなの縁側」の絵描きワークショップ ~ 河合町×佐味田自治会×畿央大学 人間環境デザイン学科 陳ゼミ×現代教育学科 中村ゼミ 「第57回 毎日・DAS学生デザイン賞」 大学生の部 金の卵賞<建築部門>において、白木 滉大さんの卒業制作が入選 ~ 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 伝統漆喰壁の補修実践ワークショップ 第2回・第3回を実施しました ~ 人間環境デザイン学科 大学キャンパスを地域に開放!「真美ヶ丘ピンポンコモンズ」の夏イベント開催(2回目) 〜 人間環境デザイン学科×理学療法学科 「0.5思いやり備蓄」エコバッグロゴデザインプロジェクト表彰式を開催しました ~ 人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科「海外インターンシップ」 台湾ワークショップ2026報告会を実施しました 【プロジェクトゼミ 】奈良県立桜井高等学校の歴史的建築物を実測調査 ~ 人間環境デザイン学科 前川ゼミ    

2026.10.19

10月25日(日)看護実践研究センター認知症ケア部門講演会『これからの介護と私について考える 高齢の家族との付き合い方』を開催します。

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2026.10.19

11/7、8、15公募推薦選抜

2026.10.19

【快挙】科研費の新規採択率で全国8位になりました!

文部科学省より令和8年度科学研究費助成事業(通称「科研費」)の採択結果が公表されました。本学からは22件が採択され、採択率に関しては40.0%となりました。全国平均26.7%を大きく上回るだけでなく、全国で8位、大学の中でも全国3位という素晴らしい結果となりました。また、今年度は科研費の申請数・採択数ともに過去最高となりました。これにより継続中の研究課題とあわせて、41件もの研究が科研費の支援を受けています。 【科研費について】人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究資金」です。これまでノーベル賞受賞者も科研費による支援を受けてきたこともあり、日本の研究を支える最大の事業です。 科研費新規採択率は一つの例ですが、全国的に見ても本学の研究力は非常に高いレベルにあり、高い研究力に裏付けられた質の高い教育が提供されている客観的な証明の一つと言えます。 科研費新規採択率ランキング 順位 機関名 採択率 採択件数 1 一橋大学 47.5% 84 2 基礎生物学研究所 47.4% 27 3 東京外国語大学 43.2% 38 4 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 43.0% 40 5 国立遺伝学研究所 42.1% 24 6 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 41.8% 46 7 国立研究開発法人国立循環器病研究センター 40.3% 54 8 畿央大学 40.0% 22 9 国立医薬品食品衛生研究所 39.6% 21 10 東京大学 39.2% 1,318 11 日本女子大学 38.9% 28 12 京都大学 37.8% 881 13 お茶の水女子大学 37.6% 38 14 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 37.4% 43 15 立教大学 37.2% 58 16 電気通信大学 37.1% 69 17 神奈川県立保健福祉大学 36.5% 19 18 分子科学研究所 36.5% 23 19 北陸先端科学技術大学院大学 36.1% 30 20 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学) 35.9% 23 ※新規応募件数が50件以上の研究機関を対象 ※ランキングは文部科学省ホームページから引用   関連リンク 令和8年度科学研究費助成事業の配分について(第2回目):文部科学省 令和9年度科研費応募採択支援策を実施しました|KIO Smile Blog  

2026.10.19

第24回畿央祭実行委員Blog vol.4 ~ 学長先生に開会式のご挨拶をお願いしました!

こんにちは!畿央祭 展示部署 統括の山本 実衣那です。   2026年10月5日(月)、畿央祭当日の「開会式のご挨拶」を依頼するため学長先生に再度ご挨拶に伺いました。     学長先生からは快く「開会式のご挨拶」の依頼を承諾してくださいました。     そして、各部署の準備状況や現在の課題、その課題への対策についてお話しさせていただきました。     具体的には以下の内容をお話させていただきました。 アリーナ部署では子どもたちが怪我をしないための安全性、おむつ替えのスペースを安心して使っていただくための対策について 模擬部署では安全面から出店者への検便、貸し出す包丁の用意について 展示部署では雨が降った時に備えた防水、作品が倒れないための工夫について 舞台部署では屋外ステージでの雨が降った時の対応について       学長先生から課題についてもご指摘いただき、新たな視点で各部署を見つめ直す機会となり、有意義な時間となりました。   また、「頑張ってください」と励ましのお言葉をいただき、大変心強く感じました。     実行委員全員が力を合わせ、唯一無二の最高の畿央祭となるように、今後も準備を進めてまいります!   第24回畿央祭は2026年10月24日(土)、10月25日(日)の開催です。 皆様のご来場お待ちしております✨     ◆畿央祭2026HPはコチラ ◆畿央祭2026Instagramはコチラ 第24回 畿央祭 副実行委員長/展示部署統括 現代教育学科 2回生 山本 実衣那   ▶畿央祭実行委員会に関連するブログ記事はコチラ

2026.10.16

2月13日(土)第26回 畿央大学公開講座を開催します

  本学では、地域の皆さまに生涯教育の場を提供し、地域社会に貢献することを目的とした「畿央大学公開講座」を毎年開催しています。理学療法学科と看護医療学科の教員から、それぞれの研究テーマに関する講座をお届けします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。 申込フォーム 第26回畿央大学公開講座(2/13) 講座① 人生を支える「歩く」の科学 ~脳と身体が織りなす巧みさと不思議~ 【日時】2027年2月13日(土)10:00-11:00 【講師】健康科学部 理学療法学科 岡田 洋平 教授 「歩く」ことは単なる移動手段ではなく、行動範囲を広げ、人生を豊かにする大切な営みです。歩くことで買い物や旅行を楽しみ、人と出会い、新しい景色や出来事に触れることができます。その一方で、歩行は脳、神経、筋肉、関節、そして目や耳などの感覚器官が瞬時に連携することで成り立つ極めて巧妙な運動です。 本講座では、「ヒトはどのように歩いているのか?」をテーマに、歩行やバランスの仕組みを最新の科学的知見を交えてわかりやすく解説し、歩く力を維持・改善するための運動や転倒を防ぐためのポイントもご紹介します。「歩く」という身近な営みの奥深さを知ることで、人生を自分らしく歩み続けるためのヒントをお持ち帰りいただければ幸いです。 講座② 軽度認知症の方の人生最終段階における意思決定をどう支えるか?~ 現場の現状とこれからの課題~ 【日時】2027年2月13日(土)11:20-12:20 【講師】健康科学部 看護医療学科 對中 百合 准教授 病気になっても、最期まで「自分らしく生きたい」という願いを、私たちはどのように支えることができるでしょうか。認知症になっても、その人らしい人生を支えるために、私たちにできることを一緒に考えてみませんか。 本講座では、軽度認知症の方が人生の最終段階で直面する意思決定について、研究から見えてきた現場の知見を交えながらお話しします。言葉で思いを伝えることが難しくなっても、日々の表情やしぐさ、何気ない言動には本人の気持ちを知る手がかりがあります。特別養護老人ホームなどの事例をもとに、本人の意思を尊重した支援や、ご家族への寄り添い方、将来に備えた話し合い(人生会議)を実践するためのヒントをご紹介します。 第26回畿央大学公開講座【2月13日(土)】 会 場 畿央大学 受講料 無料 申込 方法 下記【申込フォーム】より必要事項を入力のうえお申し込みください。 申込フォーム なお、E-mailでもお申込みいただけます。件名を「公開講座参加希望」として、下記5点を明記のうえrenkei@kio.ac.jpに送信をお願いします。 ①氏名 ②年齢 ③住所(市町村まで) ④電話番号 ⑤参加希望講座番号 問合せ 畿央大学 社会連携推進部 公開講座係 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 【E-mail】renkei@kio.ac.jp 【Tel】0745-54-1602   公開講座チラシ   【関連記事】 第25回畿央大学公開講座「地産地消の町と建築/多文化社会のスウェーデンの現状~その光と影~」 第24回畿央大学公開講座「野菜のふしぎ/メンタルヘルスを護る生活習慣」 第23回畿央大学公開講座「妊娠・出産とウィメンズヘルス」/「ロックと映画で見るイギリス」 第22回畿央大学公開講座「入浴着にできること」を開催しました。 第21回畿央大学公開講座「うま味とコクの新常識/古都奈良と近代建築」を開催しました。 第20回畿央大学公開講座「コロナ時代におけるこれからの認知症ケア」をオンライン開催しました。 第19回畿央大学公開講座「感染症を知ろう~新型コロナウイルスとこれからの生活~」をオンライン開催しました。 第18回畿央大学公開講座「当事者とともに創る認知症ケア」を開催いたしました。 第17回畿央大学公開講座「認知症の正しい理解」を開催しました。 第16回畿央大学公開講座を開催しました。 第15回畿央大学公開講座B・C(2日目)を開催しました。 第15回畿央大学公開講座 講座Aを開催しました。 第14回畿央大学公開講座を行いました。 第13回畿央大学公開講座を開催しました。 第12回畿央大学公開講座「健康長寿のための食と運動」を開催しました。

2026.10.15

痛みに過敏になると注意も変化する-実験的な痛覚過敏に伴う注意の偏りと脳波変化-~ニューロリハビリテーション研究センター

痛みは身体の危険を知らせるだけでなく、私たちの注意の向け方にも影響します。畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程の森川 雄生氏、大住 倫弘教授らの研究グループは、健康な成人を対象に、一時的な痛覚過敏状態をつくり、時間順序判断課題と安静時脳波を用いて、身体への注意と脳機能がどのように変化するのかを調べました。その結果、痛みに敏感になった側の刺激を相対的に早く知覚するようになることが分かりました。さらに、両側楔前部の安静時脳波由来のネットワーク指標が増加し、その変化と身体内への注意との間に関連がみられました。この研究成果はPLOS One誌(High-frequency stimulation–induced secondary hyperalgesia shifts temporal order judgment and increases precuneus nodal degree in healthy adults)に掲載されています。   研究概要 痛みは、身体に生じた危険を知らせる重要な警告信号です。そのため、痛みが生じている身体部位の情報は、ほかの感覚情報よりも優先して処理されることがあります。一方で、痛みに対する感受性が高まった「痛覚過敏」の状態で、身体への注意がどのように変わり、その変化が脳のはたらきとどう関係するのかは、これまで十分に分かっていませんでした。 そこで本研究では、健康な成人の前腕に高頻度電気刺激(high-frequency stimulation:HFS)を行い、一時的な痛覚過敏状態を誘発しました。HFSの前後には、左右の前腕へわずかな時間差をつけて刺激し、どちらを先に感じたかを答えてもらう「時間順序判断課題」と、安静時脳波の測定を行いました。 その結果、HFS後には、痛みに敏感になった側の刺激を相対的に早く知覚する方向へ時間順序判断が変化しました。これは、痛みに敏感になった身体部位の情報が優先的に処理された可能性を示しています。 さらに脳波を解析すると、注意や自己・身体に関連した情報処理に関わる楔前部で、θ(シータ)帯域のノード次数(nodal degree)がHFS後に増加していました。nodal degreeは、ある脳領域がほかの脳領域とどの程度つながっているかを表すネットワーク指標です。そして、楔前部の変化が大きい人ほど、HFSを行った側を相対的に早く知覚する方向への変化も大きいことが分かりました。一方で、こうした変化と本人が感じた痛みの強さとの間には、明確な関連は認められませんでした。 研究グループは、これらの結果から、痛覚過敏によって生じる変化は単に「痛みが強くなる」ことだけではなく、痛みに敏感になった身体部位へ注意を向けやすくなる変化を伴い、その背景には、楔前部における安静時脳波のネットワーク指標が関わっている可能性があると考えています。   本研究のポイント 一時的な痛覚過敏を誘発すると、HFSを行った側の刺激を相対的に早く知覚する方向へ時間順序判断が変化しました。 HFS後には、θ(シータ)帯域における両側楔前部のノード次数(nodal degree)が増加しました。 楔前部の変化が大きい人ほど、痛みに敏感になった側を相対的に早く知覚する方向への変化も大きいことが分かりました。   研究内容 本研究では、健康な成人を対象に、前腕へのHFSによって一時的な痛覚過敏状態を誘発し、その前後で身体への注意と安静時脳波を評価しました。HFS前には、pinprick刺激による痛みに対する感受性を評価し、閉眼安静時脳波を測定した後、時間順序判断課題を行いました。その後、前腕にHFSを10 trains実施し、再びpinprick刺激、安静時脳波、時間順序判断課題を行いました。   図1.一時的な痛覚過敏状態を誘発し、注意と脳活動の変化を調べた実験 健康な成人を対象に、HFSの前後で痛みに対する感受性、時間順序判断課題、安静時脳波を評価しました。HFSによって前腕に一時的な痛覚過敏状態を誘発し、身体への注意と脳活動がどのように変化するかを調べました。   時間順序判断課題では、左右の前腕にごく短い時間差をつけて刺激し、どちらを先に感じたかを参加者に答えてもらいました。この課題を用いることで、左右どちらの身体部位の情報がより早く処理されているのかを調べました。 HFS後には、HFSを行った側の刺激を相対的に早く知覚する方向へ時間順序判断が変化しました。このことから、痛みに敏感になった身体部位に注意が優先的に向けられていた可能性が考えられます。 脳波については、64チャンネル脳波計で記録した安静時脳波から大脳皮質の活動を推定し、脳領域間の関係をネットワークとして解析しました。その結果、theta帯域において両側楔前部のnodal degreeがHFS後に増加しました。さらに、両側楔前部のnodal degreeの変化が大きかった人ほど、HFSを行った側を相対的に早く知覚する方向への変化も大きいことが示されました。   図2.痛覚過敏に伴う注意の偏りと楔前部の脳波ネットワーク指標の変化 A: HFS後には、HFSを行った側の刺激を相対的に早く知覚する方向へ時間順序判断が変化しました。B: 安静時脳波の解析では、θ(シータ)帯域において、両側楔前部のノード次数(nodal degree)がHFS後に増加しました。ノード次数は、ある脳領域がほかの脳領域とどの程度つながっているかを表すネットワーク指標です。赤丸は両側楔前部を示します。C: HFSを行った側を相対的に早く知覚する方向への変化が大きい人ほど、両側楔前部のノード次数の増加も大きいという関連が認められました。   健康な成人を対象に、HFSの前後で痛みに対する感受性、時間順序判断課題、安静時脳波を評価しました。HFSによって前腕に一時的な痛覚過敏状態を誘発し、身体への注意と脳活動がどのように変化するかを調べました。これらの結果から、実験的に誘発した急性の感作状態では、感作された身体部位への注意の変化と、楔前部における安静時脳波由来のネットワーク指標の短期的な変化が関連する可能性が示されました。   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究では、一時的な痛覚過敏状態において、痛みに敏感になった身体部位への注意の変化と、楔前部における安静時脳波由来のネットワーク指標の変化が関連することを示しました。痛みを評価するときには、「どのくらい痛いか」という痛みの強さが中心になります。しかし今回、時間順序判断で捉えた注意の変化や楔前部の脳ネットワーク指標の変化は、本人が感じた痛みの強さとは明確な関連を示しませんでした。つまり、痛みによって起こる変化を理解するには、痛みの強さだけを見るのではなく、身体のどこに注意が向けられているのかという認知的な側面も捉える必要があると考えられます。 今後は、より多くの対象者で今回の結果を確認するとともに、時間順序判断課題を行っている最中の脳活動を測定することで、注意の変化と脳活動がどのような時間関係で生じるのかを詳しく調べていく必要があります。こうした研究を重ねることで、痛みを単なる「強さ」だけではなく、注意や認知を含めた多面的な現象として理解することにつながると考えています。   論文情報 Yuki Morikawa,Michihiro Osumi High-frequency stimulation–induced secondary hyperalgesia shifts temporal order judgment and increases precuneus nodal degree in healthy adults PLoS One. 2026 Sep 25;21(9)   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 博士後期課程 森川 雄生 教授 大住 倫弘 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp

2026.10.15

脳卒中患者の実生活における上肢活動量パターンの特定-ウェアラブルセンサーを用いた横断研究-~ニューロリハビリテーション研究センター

脳卒中患者では、運動麻痺が回復しても日常生活では十分に上肢を使用できない場合があります。しかし、同程度の運動麻痺の重症度であっても、実生活での手の活動にどのような違いがあるのかは十分に明らかになっていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の南川 勇二氏と森岡 周教授らの研究チームは、脳卒中患者101名の両手首に加速度計を装着し、24時間の実生活における上肢活動量を計測しました。その結果、運動麻痺の重症度と上肢活動量の組み合わせから、6つの異なるサブグループが存在することを明らかにしました。さらに、そのサブグループには麻痺側上肢に対する注意や利き手などによって、上肢活動量が異なる可能性が示されました。この研究成果は学術誌Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation(Identifying heterogeneous patterns of real-world upper limb use beyond motor severity: a cross-sectional sensor-based study in people with subacute stroke)に掲載されています。   研究概要 脳卒中後には、上肢の運動機能が回復しても、日常生活の中で麻痺した手が十分に使われないことがあります。また、同程度の運動機能を有する患者であっても、実生活での上肢の使い方には大きな違いがみられることが知られています。その背景には、運動機能だけでなく、麻痺側上肢への注意や使用習慣、利き手との関係など、さまざまな要因が関与している可能性があります。そのため、脳卒中患者の上肢機能を理解するには、練習場面での上肢機能評価だけでなく、実生活で実際にどのように使っているかを捉えることが重要です。 畿央大学大学院博士後期課程の南川 勇二氏、西 祐樹氏、生野 公貴氏、森岡 周教授らの研究チームは、亜急性期脳卒中患者101名を対象に、両手首に装着した加速度計を用いて24時間の日常生活における上肢活動を測定し、運動麻痺の重症度と実生活での上肢活動量の関係から6つの特徴的なサブグループを明らかにしました。 その結果、同程度の運動麻痺であっても上肢活動量が異なるサブグループが存在し、中等度の運動麻痺では学習性不使用が示唆されるグループ、軽度の運動麻痺では上肢への不注意と関連して使用の非対称性が大きいグループなどが認められました。また、臨床評価を用いた分析から、上肢機能、日常生活での上肢使用の質、上肢への不注意、麻痺側と利き手の関係などが、各グループを特徴づける要因として示されました。 本研究は、従来の運動麻痺の重症度だけでは捉えきれない、実生活における上肢活動の多様性を明らかにした点に新規性があります。さらに、ウェアラブルセンサーによる客観的な上肢活動の評価と従来の臨床評価を組み合わせることで、患者ごとの特徴をより詳細に把握し、実生活での上肢活動に応じた個別的なリハビリテーションにつながる可能性を示しました。   本研究のポイント 脳卒中患者101名を対象に運動機能と実生活での上肢活動の関係から6つのサブグループを明らかにした。 同程度の運動機能であっても上肢活動には異なる特徴がみられ、運動機能だけでは実生活での上肢活動を十分に捉えられないことが示された。 上肢機能に加え、上肢への不注意、利き手との関係などがサブグループを特徴づける臨床的特徴として示された。   研究内容 本研究では、脳卒中患者における運動麻痺の重症度と実生活での上肢活動量との関係を明らかにし、その特徴に基づくサブグループを特定することを目的としました。亜急性期脳卒中患者101名を対象に、両手首にリストバンド型の3軸加速度計を24時間装着し、日常生活における両上肢の活動を客観的に測定しました。加速度データから、麻痺側と非麻痺側の活動強度の対称性を示す指標である上肢活動強度比を算出し、上肢運動麻痺の重症度を評価するFugl-Meyer Assessment(FMA-UL)と組み合わせてクラスター分析を行いました。 クラスター分析の結果、FMA-ULと実生活での上肢活動量の組み合わせから、6つの特徴的なクラスターが明らかになりました(図1)。   図1.運動機能と実生活での上肢使用に基づく6つのサブグループ   重度の運動麻痺に伴って麻痺側上肢の活動量が少ないクラスターだけでなく、同程度の運動麻痺でありながら、上肢使用の左右差が大きく異なるクラスターが認められました。また、運動麻痺の重症度が軽度であっても麻痺側上肢の活動量が少ないクラスターや、比較的両上肢を左右対称に使用するクラスター、麻痺側上肢をより強く使用するクラスターなど、多様な活動パターンが確認されました(図2)。   図2.各クラスターにおける24時間の上肢活動量パターンの代表例 6つのクラスターそれぞれについて、24時間の日常生活における両上肢の活動を1秒ごとに可視化した代表例。日常生活における麻痺側・非麻痺側上肢の活動強度の比を示す上肢活動強度比を示し、中央の0に近いほど両上肢を対称的に使用していることを示す。縦軸は両上肢の活動強度の和を示し、色が暖色となるほどその活動パターンが多くみられたことを示す。同程度の 運動麻痺の重症度(FMA-UL)であっても、実生活での上肢活動には異なるパターンがみられている。   さらに、各クラスターを特徴づける臨床的要因を検討するため、上肢機能評価であるAction Research Arm Test(ARAT)、Motor Activity Log(MAL)、上肢への不注意の有無、感覚機能、心理面、麻痺側と利き手との関係などの複数の臨床評価を用いた決定木分析を行いました。その結果、ARATを中心に、上肢への不注意、MAL、麻痺側と利き手との関係などが、各クラスターを特徴づける臨床的指標として示されました(図3)。   図3.臨床評価による6つのクラスターの特徴 各クラスターを特徴づける臨床的特徴を決定木分析により示した。最終的に分岐した後の割合は、それぞれの条件を満たした患者が各クラスターに分類された割合を示す。   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、脳卒中患者では同程度の運動機能を有していても、実生活における上肢の使い方には多様なパターンが存在することを示した重要な知見です。この結果は、脳卒中患者の上肢機能を評価する際に、従来の運動機能評価だけでなく、実生活でどのように上肢使用しているかを評価することの重要性を示しています。また、上肢への不注意や日常生活での主観的な上肢使用状況、麻痺側と利き手との関係など、運動機能以外の臨床的特徴も考慮することで、患者ごとの特徴に応じた個別的なリハビリテーションにつながる可能性があります。 今後は、今回明らかになったサブグループの上肢活動量が回復過程の中でどのように変化するのかを縦断的に調査するとともに、それぞれのサブグループに応じた介入方法や長期的な機能予後との関係を検証していく必要があります。 論文情報 Yuji Minamikawa, Yuki Nishi, Koki Ikuno, Shu Morioka Identifying heterogeneous patterns of real-world upper limb use beyond motor severity: a cross-sectional sensor-based study in people with subacute stroke Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation. 2026 Oct 5   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 博士後期課程 南川 勇二 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

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