SNS
資料
請求
問合せ

健康科学専攻(博士後期課程)の新着情報一覧

2022年の健康科学専攻(博士後期課程)の新着情報一覧

2022.12.23

慢性腰痛者における運動恐怖は予測的姿勢制御を乱してふらつきの原因になる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

予測的姿勢調節(APA)は運動を効率的に実行する上で重要な機能ですが、慢性腰痛者のおけるAPAと運動・姿勢制御との関連性は明らかになっていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 西 祐樹 客員研究員とセンター長 森岡 周 教授らは、運動恐怖によるAPAの変化はその後の運動・姿勢制御に影響することを明らかにしました。この研究成果はScandinavian Journal of Pain(Anticipatory postural adjustments mediate the changes in fear–related behaviors in individuals with chronic low back pain)に掲載されています。   研究概要 慢性腰痛者では、運動恐怖によって“凍結行動”と呼ばれる運動時の腰部に対する過剰な保護や運動の緩慢化が生じます。一方、運動には身体の動揺が伴うため、運動実行前に姿勢を調整する“予測的姿勢調節(Anticipatory postural adjustment: APA)”によって効率的かつ正確に運動を制御できることが知られています。 しかしながら、慢性腰痛者の腰部運動においてAPAがどのように機能しているのかは明らかになっていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 西 祐樹 客員研究員 と センター長 森岡 周 教授 らは、 地域在住の慢性腰痛者を対象に重心動揺計上で体幹の屈曲伸展運動を計測しました。その結果、運動恐怖がAPAを媒介してその後の運動・姿勢制御に悪影響を及ぼしていることが明らかになりました。この成果は慢性腰痛による運動制御の更なる病態理解に寄与しました。   本研究のポイント ■ 慢性腰痛者および健常高齢者の体幹屈曲伸展運動における予測的姿勢制御や運動・姿勢制御を測定した。 ■ その結果、慢性腰痛者では予測的姿勢調節の機能の低下が生じていた。 ■ 加えて、運動恐怖のよる予測的姿勢調節の変化はその後の運動・姿勢制御に影響していた。   研究内容 慢性腰痛者48名および健常高齢者22名は体幹の屈曲伸展運動を行い、電子ゴニオメーターで腰部の角度を計測し、重心動揺計で足圧中心(COP)を計測しました(図1)。     COPの偏位開始から運動の開始までのAPAの期間を抽出するとともに、体幹屈曲伸展運動の運動および姿勢制御変数を算出しました。その結果、健常高齢者と比較して慢性腰痛者では、屈曲伸展の切り替え時間(運動制御)およびAPA時間が延長しました。加えて、課題前後でCOPの位置(姿勢制御)は前方に偏位していました。つまり、慢性腰痛者では、体幹の屈曲により前方に偏位したCOPが体幹の伸展に伴って正中へ偏位せず、前方位置に残存する現象が観察されました。次に、これらの変数を投入した媒介分析の結果、慢性腰痛者の切り替え時間はAPAの有意な間接効果と運動恐怖の直接効果を受け(部分媒介効果)、COPの前方偏位はAPAを介した運動恐怖の有意な間接効果を受けること(完全媒介効果)が明らかとなりました(図2)。       これらは運動恐怖症による「凍結行動」のような過剰な保護戦略は、予測的姿勢調節の機能不全をきたし、その後の運動および姿勢制御の変化に影響することが考えられています。   本研究の臨床的意義および今後の展開 慢性腰痛者では運動制御のみならず臨床場面で見落とされやすい姿勢制御においても運動恐怖によって凍結様の過剰な保護が生じることが明らかになりました。加えて、運動・姿勢制御には運動が始まる前の予測的な姿勢調節が影響していました。本研究成果は、慢性腰痛のさらなる病態理解に寄与する可能性があります。   論文情報 Nishi Y, Osumi M, Morioka S Anticipatory postural adjustments mediate the changes in fear-related behaviors in individuals with chronic low back pain Scand J Pain, 2022   関連する論文 Osumi M, Sumitani M, Otake Y, et al. Kinesiophobia modulates lumbar movements in people with chronic low back pain: a kinematic analysis of lumbar bending and returning movement. Eur Spine J. 2019;28(7):1572-1578.   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.12.14

修了生が学術大会長賞に!第9回日本予防理学療法学会学術大会・第9回地域理学療法学術大会参加レポート~健康科学研究科

2022年11月19(土)〜20日(日)に第9回日本予防理学療法学会学術大会、12月3日(金)~4日(日)にかけて第9回日本地域理学療法学術大会が開催されました。昨年に引き続き、コロナウイルス感染症の影響により、シンポジウム、特別講演などは現地からのライブ配信、一般演題は事前に録画した発表資料を登録するという形で行われました。   畿央大学地域リハビリテーション研究室からは、第9回日本予防理学療法学会学術大会では一般演題として高取克彦教授(畿央大学健康科学研究科)が発表されました。 また、第9回日本地域理学療法学術大会では客員研究員の仲村渠亮先生(修士課程修了/淀川キリスト教病院)、私 山本泰忠(博士後期課程1年/宝塚リハビリテーション病院)、武田広道助教(博士後期課程修了/京都橘大学)が一般演題(セレクション演題を含む)として発表し、松本大輔准教授(畿央大学)がシンポジストとして発表されました。 特に武田広道先生の発表演題は本学術大会にて学術大会長賞を受賞されました。         <高取克彦> 「地域高齢者におけるsubjective ageと運動定着および新規要介護発生との関係〜KAGUYAプロジェクト〜」 本研究は高齢者の主観的年齢(subjective age)を評価し、3年後の新規要介護認定発生との関係を調べたもので、主観的年齢が若いと感じる高齢者は、そうでない者と比較して、週一回以上の運動定着率が高く、要介護発生が少ないことを明らかにしたものです。         学術大会長賞受賞演題 <武田広道> 「要支援・要介護高齢者のアパシーが在宅運動プログラムのアドヒアランスに及ぼす影響」   本研究は要支援・要介護高齢者を対象にアパシー(やる気がなくなったり無気力になること)が運動継続性に及ぼす影響を検討したものです。その結果、ベースライン時にアパシーのある高齢者は在宅運動プログラムの実施頻度が少ないことが明らかになりました。在宅運動を処方する際は、心理面にも着目して行動変容介入をする必要があると考えられます。     <松本大輔> 「知っておきたい 地域理学療法(学)のエビデンス」     松本先生は地域理学療法ガイドラインの作成に関わられており、その中で訪問理学療法のエビデンスについて紹介されておりました。わが国のエビデンス構築に向けて、まずはガイドラインを知ること、丁寧な評価と介入を記録すること、研究スキルを磨くことを強調されておりました。地域理学療法では、研究を行う上で困難なハードルがいくつかあると思いますが、学術大会を通じて私たちの共通認識を再確認させていただくことができました。     <仲村渠亮> 「転倒により大腿骨近位部骨折を呈した地域在住高齢者の家屋種類と骨密度に着目した比較分析」     本研究は大腿骨近位部骨折を呈した地域在住高齢者を対象に家屋種類と骨密度の関係性を検討したものです。その結果、市営住宅在住高齢者のみ骨密度に関係なく、年齢が低い時期に転倒による骨折が多いことが明らかになりました。転倒予防を検討する際には家屋環境などの外的要因に着目する必要があると考えられます。     <山本泰忠> 「地域在住高齢者の通いの場におけるオピニオンリーダーの存在と参加者の身体的健康度との関連について」   本研究は地域在住高齢者を対象にオピニオンリーダーが身体的フレイルに及ぼす影響を検討したものです。その結果オピニオンリーダーがいる通いの場グループでは身体的フレイルに該当する高齢者が多いことが明らかとなりました。本研究において、オピニオンリーダーのいるグループでは、そうでないグループと比較し女性が多いことや居住年数が高いことも明らかとなりました。オピニオンリーダーのいるグループでは、地域のより虚弱で介入が必要な高齢者を通いの場へ参加を促しているという可能性が考えられました。     第9回地域理学療法学術大会は「社会課題解決のための地域理学療法実践と技術の発展」というテーマで開催されました。同学術大会では年々演題のテーマが集約されつつある印象を持っており、臨床現場での課題が共通認識として捉えられてきている印象を持ちました。そして、高取研究室の修了生である武田広道先生(京都橘大学)が学術大会長賞を受賞されました。改めまして、おめでとうございました!私もより一層研究活動に取り組んで参りたいと思います。学術大会に引き続き参加し、偏った知識、考えにならないように情報をアップデート&発信していきたいと思います。   畿央大学大学院博士後期課程 山本泰忠 畿央大学 地域リハビリテーション研究室HP     【関連記事】 令和4年度 広陵町・香芝市・畿央大学 介護予防リーダー養成講座を開催しました~理学療法学科 生駒市の地域リハビリテーション活動支援事業に向けて卒業生が集結!~地域リハビリテーション研究室with TASK 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 香芝市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました〜理学療法学科 第8回日本予防理学療法学会学術大会で大学院生と客員研究員が発表!~健康科学研究科 第63回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員が発表!~理学療法学科・健康科学研究科  

2022.11.14

患者教育と運動指導が腰痛による運動制御障害を改善させるか?~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

腰痛によって引き起こされる「身体を動かすことへの恐怖心(運動恐怖)」は、体幹の運動制御障害に悪影響を与えることが知られています。また、運動恐怖に対する介入として、痛みの神経生理学に基づいた患者教育や運動指導が有用とされています。しかしながら、これら介入によって生じる腰痛症状の改善と体幹の運動制御障害の変化や、その時間的関連性は明らかとされていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程 修了生の藤井 廉 氏と森岡 周 教授らは、腰痛を有する就労者1例に対して一連の介入を実施し、運動恐怖が改善したとしても、運動制御障害が残存した場合、やがて腰痛症状が再発する可能性を示しました。 この研究成果は、SAGE Open Medical Case Reports誌(Changes in task-specific fear of movement and impaired trunk motor control by pain neuroscience education and preliminary single-case study of a worker with low back pain)に掲載されています。 研究概要 運動恐怖(身体を動かすことへの恐怖心)は、腰痛症状を慢性化させる要因であることが報告されています。腰痛を有する就労者においては、この運動恐怖が作業動作時の体幹の運動を乱すことで、腰部への負荷を大きくし、やがて労働能力の低下をもたらすと考えられています。 畿央大学大学院博士後期課程 修了生の藤井 廉 氏、森岡 周 教授らの研究チームは、腰痛を有する就労者1例に対して、痛みの神経生理学に基づいた患者教育と運動指導を用いた介入を実施し、運動恐怖と体幹の運動制御障害の変化を詳細に分析しました。その結果、介入によって運動恐怖は改善しましたが、運動制御障害は変化を認めませんでした。フォローアップ終了後(介入後からおよそ8ヶ月後)も同様の傾向を示しており、最終的には痛み強度の増加を認めました。本症例の一連の経過から、運動制御障害が残存した場合、やがて腰痛症状が再燃する可能性が示されました。 本研究のポイント ■ 腰痛を有する就労者1例に対して、痛みの神経生理学に基づいた患者教育と運動指導による介入を実施しました。 ■ 介入によって、運動恐怖をはじめとした腰痛症状は改善しましたが、運動制御障害は不変なままでした。 ■ 運動制御障害が残存したまま就労を継続することによって、いずれ腰痛症状が再燃する可能性が示されました。 研究内容 本研究の対象は、慢性腰痛を有しながらも就労を継続していた20歳代の男性介護士でした。「重い物を持ち上げる際、痛みはあまり感じないが、腰を動かすことに怖さがある」といった訴えを認めていました。 研究デザインはABAデザインを適用し、A1期:ベースライン期、B期:介入期(痛みの神経生理学に基づいた患者教育と運動指導)、A2期:フォローアップ期としました。評価は、重量物持ち上げ動作の運動学的解析と、作業動作中に生じた課題特異的な運動恐怖を測定しました。 介入の結果、介入期以降で、課題特異的な運動恐怖や体幹運動の緩慢さ(最大体幹屈曲・伸展角速度)、その他腰痛症状(痛み強度や能力障害)に改善を認めました。その一方で、体幹の運動制御障害(運動の一致度)は不変なままでした。さらに、フォローアップ期以降においても、これらの指標は同様の傾向を示し、最終的には痛み強度の増悪を認めました(図1)。 本研究より、一連の介入によっても、運動制御障害は改善しづらく、その問題が残存したまま就労を継続することで、やがて腰痛症状の再燃に影響する可能性が示されました。   図1.各評価指標の時系列的変化 ベースライン期、介入期、フォローアップ期、フォローアップ期終了後から3ヵ月・8ヶ月時点で収集された評価指標を、時系列に示しています。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本症例研究では、介入によって運動恐怖は改善しましたが、運動制御障害は不変なままでした。そして、運動制御障害が残存することによって、やがて腰痛症状が再燃する可能性が示されました。今後の展開として、運動恐怖をさらに詳細に分析することで運動制御障害が残存した要因を明確にするとともに、運動制御障害を改善するためのアプローチ方法を開発しその効果を検証していく必要があると考えています。 論文情報 Fujii R, Imai R, Shigetoh H, Tanaka S, Morioka S. Changes in task-specific fear of movement and impaired trunk motor control by pain neuroscience education and exercise: A preliminary single-case study of a worker with low back pain. SAGE Open Med Case Rep. 2022 Oct 24;10:2050313X221131162. 関連する先行研究 Ren Fujii, Ryota Imai, Shinichiro Tanaka, Shu Morioka. Kinematic analysis of movement impaired by generalization of fear of movement-related pain in workers with low back pain. PLoS ONE. 2021; 16 (9): e0257231. Ren Fujii, Ryota Imai, Hayato Shigetoh, Shinichiro Tanaka, Shu Morioka. Task-specific fear influences abnormal trunk motor coordination in workers with chronic low back pain: a relative phase angle analysis of object-lifting. BMC Musculoskelet Disord. 2022; 23 (1): 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.11.02

行為と結果の規則性の知覚感度の発達変化~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

定型発達乳児は生後の発達早期に、自己の運動とその結果の繋がり、すなわち行為と結果の規則性が知覚できるとされています。例えば、頭上にあるモビールと足首を絹紐で結びつけられた生後9~12週齢の赤ちゃんは、自分の足を動かすとモビールが動くことに気付き、それが楽しい報酬となり、足の運動をより活発にしていきます。このように自分の行為と外部刺激との間の規則的な関係性を検出する能力である「行為と結果の規則性の知覚」は既に乳児期に存在することが分かっていますが、その後、幼児期から青年期に渡って一定なのか、あるいは発達変化するのかは分かっていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志 准教授らは、温文(Wen Wen) 特任准教授(東京大学)、中井昭夫 教授(武庫川女子大学)らと共同で、行為-結果の規則性の知覚感度の発達変化について調査しました。この研究成果は、Scientific Reports誌(Developmental changes in action-outcome regularity perceptual sensitivity and its relationship to hand motor function in 5-16-year-old children)に掲載されています。 研究概要 自分の行為と外部刺激との間の規則的な関係性を検出する能力のことを、行為と結果の規則性の知覚と呼びます。最近、行為と結果の規則性の知覚は、コンパレータモデル以外の運動主体感(Sense of Agency: SoA)を生成する重要な情報源として注目されており、また適応的運動学習パフォーマンスにも関与することが示されています。行為-結果の規則性の知覚は、コンパレータモデルに基づく運動制御過程とは異なり、各動作の結果を正確に予測する必要がない点で重要です。上述したように、生後9~12週齢の乳児は、自分の足を動かすとモビールが動くことに気付くと、それを報酬として、足の運動をより活発にしていきます。また生後2~4ヶ月の乳児では、おしゃぶりを吸うと視覚や聴覚フィードバックが与えられるようにすると、その吸啜行動が増強されます。このように、行為-結果の規則性を検出する能力は、生後2~4カ月の乳児にも備わっていることが明らかになっていますが、この時期の乳児は最低限の運動能力しかなく、目標とする動作に必要な正確な順・逆モデルを持ちません。したがって、乳児が示す探索行動(足の運動や吸啜行動)の強化は、自身の行動と外界の事象との間に規則的な関係があると認識することに起因すると考えられています。しかしながら、その行為-結果の規則性の知覚が、その後の幼児期から青年期にかけて発達的に変化するか否かは不明でした。そこで畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志 准教授らは、5~16歳における行為-結果の規則性の知覚感度を調べました。その結果、年齢の増加に伴い規則性の知覚感度は向上し、9~16歳児の規則性の知覚感度は、5~6歳児と比較して高いことが明らかになりました。加えて、手先の器用さが低下した児では、手先の器用さが中程度から高い児と比較して、規則性の知覚感度が低下していることも示されました。 本研究のポイント ■ 行為-結果の規則性の知覚は、5~6歳児ではまだ未成熟であった。 ■ 5~16歳において、規則性の知覚感度は年齢の増加と共に発達向上する。 ■ 5~16歳において、手先の器用さが低下した児では、規則性の知覚感度が低下している。 研究内容 5~16歳までの子ども200名は、温文(Wen Wen) 特任准教授(東京大学)が開発した行為-結果規則性検出課題(図1)を完了しました。この課題において、子どもたちはタッチパッド上で10秒間自由に指を動かし、モニターに表示された3つのドットのうち、自分がコントロールすることができる/自分の指の動きを最も反映していると感じられたドット(検出目標ドット)を検出することが求められました。1つの検出目標ドットには、子どもが制御できる/指の動きを反映する割合に応じて、7制御条件(0、20、40、50、60、80、100%)が設定され、それぞれ6試行、合計で42試行ありました。他の2つのドットは0%制御のディストラクタードットになっていました。この課題の成績から、規則性検出閾値(Regularity Detection Threshold: RDT)を算出し、行為-結果の規則性の知覚感度の定量指標としました。加えて、微細運動技能(M-ABC2 Manual dexterity test)も測定されました。   図1:行為-結果規則性検出課題   結果、5~6歳児のRDTは、9~16歳児と比較して高値を示し、5~6歳児ではまだ行為-結果の規則性の知覚が未成熟であることが明らかになりました(図2)。またRDTの低下と年齢の増加との間には、有意な相関関係が示され、5~16歳において、年齢の増加と共に行為-結果の規則性の知覚感度は発達向上することが示されました。そして、低微細運動技能を示した児では、中-高微細運動技能を示した児と比較して、行為-結果の規則性の知覚感度が低下していることも示されました(図3)。   図2:各年齢帯における規則性の知覚感度   図3:各微細運動技能群における規則性の知覚感度 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、幼児期から青年期にかけて、行為-結果の規則性の知覚感度が発達向上することを初めて明らかにし、5~6歳では行為-結果の規則性の知覚がまだ未成熟であることを示しました。今後は、成人期や老年期も含めて、ヒトの一生における行為-結果の規則性の知覚の変化とそれがSoAの生成や運動制御/運動学習にどのように関与するかについて明らかにしていく必要があります。また脳性麻痺、発達性協調運動障害、自閉症スペクトラム障害を有する児では、運動障害があり、SoAの変容があることも示されています、したがって、これら障害と行為-結果の規則性の知覚感度との関係性について調べ、これら障害のさらなる病態理解と有効なリハビリテーション手段開発に貢献していく必要があります。 論文情報 Nobusako S, Wen W, Nagakura Y, Tatsumi M, Kataoka S, Tsujimoto T, Sakai A, Yokomoto T, Takata E, Furukawa E, Asano D, Osumi M, Nakai A, Morioka S. Developmental changes in action-outcome regularity perceptual sensitivity and its relationship to hand motor function in 5-16-year-old children. Sci Rep. 2022 Oct 20;12(1):17606. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 准教授 信迫悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp

2022.11.01

瓜谷准教授の研究成果が2年連続で学会表彰されました!~健康科学研究科

理学療法学科・健康科学研究科の瓜谷です。 昨年度開催された第9回日本運動器理学療法学会学術大会で発表した演題が優秀賞に選ばれ、10月22日~23日に開催された第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会 で表彰していただきました!         受賞した演題は「Arthritis Self-Efficacy Scale日本語8項目版の信頼性・妥当性の検証」というタイトルの研究発表です。海外で用いられている関節炎患者さんの自己効力感を評価するアンケートの日本語版を作成し、変形性膝関節症の患者さんにおける信頼性と妥当性を調査した研究です。       また第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会で発表した演題も優秀賞に選んでいただきました! こちらは「変形性膝関節症患者の主観的Stiffnessの関連因子:システマティックレビュー」というタイトルの研究発表です。変形性膝関節症の患者さんがよく訴える、膝のこわばりに関連する因子は何かを、これまでに発表されている先行研究を網羅的に調査することによって明らかにした研究です。         大変光栄なことに、2年連続で発表演題を優秀賞に選んでいただきました!         研究にご協力いただいた被験者の方々、共同研究者の方々や様々な形で研究にご協力いただいた方々に、心から感謝申し上げます。 現在は大学院生の指導に占める時間が大きくなってきていますが、私自身も引き続き、質の高い、人々の役に立つ研究を進めていきたいと思います。   理学療法学科 瓜谷大輔   【関連記事】 「第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会」に教員・大学院生が参加!~健康科学研究科 変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で客員研究員が奨励賞を受賞!~健康科学研究科 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 第61回近畿理学療法学術大会で大学院生が優秀賞と奨励賞を受賞!~健康科学研究科  

2022.10.27

「第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会」に教員・大学院生が参加!~健康科学研究科

2022年10月22日~23日に第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会が東京工科大学蒲田キャンパスでハイブリッド開催されました。   畿央大学からは瓜谷大輔准教授と瓜谷研究室の粕渕賢志さん(博士後期課程3年)、佐々木紀奈子さん(修士課程2年)、熊部翔さん(修士課程2年)、座間味栄治さん(修士課程1年)、私、山藤滉己(修士課程1年)が口述・ポスター発表をしてきましたので報告させていただきます。     本学会では「徒手理学療法のエビデンスと技術 “Cutting Edge”」をテーマで行われました。特別講演、教育講演、シンポジウム、口述・ポスター発表において、日々の臨床における新たな取り組みや評価治療における問題点・研究手法などを提示して活発な議論がなされました。   シンポジウムでは瓜谷大輔准教授が「徒手理学療法と研究法」をテーマに、徒手理学療法領域における研究において科学性を担保する徒手理学療法研究の科学性を高めるための内容についてご講演をされました。   大学院生の発表に対しては症例報告・研究内容に対する多くの意見・アドバイスを頂き、我々の今後の研究テーマを発展させるための知識を得る事ができた良い学会発表となりました。     また、瓜谷大輔准教授が昨年度の第9回日本運動器理学療法学会学術大会で優秀賞に選ばれた演題が本学会で表彰され、さらに第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会でも大会優秀賞を受賞されました。   今回の発表演題名は以下になります。 発表演題 ●瓜谷大輔准教授 「変形性膝関節症患者の主観的stiffnessの関連因子:システマティックレビュー」(口述) 「徒手理学療法と研究法」(シンポジウム)   ●粕渕 賢志(博士後期課程3年) 「慢性足関節不安定性を有する者における足関節同時活動と運動力学的動態の関係」(ポスター)   ●熊部 翔(修士課程2年) 「外側広筋における筋疲労に伴う筋浮腫の変化について」(ポスター)   ●佐々木 紀奈子(修士課程2年) 「筋電図評価を用いて可動域運動方法を工夫した橈骨頭骨折の一症例」(ポスター)   ●山藤 滉己(修士課程1年) 「人工膝関節置換術後の QOL に関わる複合的な要因の探索」(口述)   ●座間味 栄治(修士課程1年) 「外傷性左示指伸筋腱損傷で握力に支障が生じた症例」(口述)     最後になりましたが、今回の学会発表をするにあたり、瓜谷大輔准教授をはじめとする多くの先生方・先輩方のご指導と畿央大学のご支援・ご協力があってのものです。この場を借りて深く感謝申し上げます。   畿央大学大学院健康科学研究科修士課程1年 山藤滉己     【関連記事】 変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で客員研究員が奨励賞を受賞!~健康科学研究科 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 第61回近畿理学療法学術大会で大学院生が優秀賞と奨励賞を受賞!~健康科学研究科  

2022.10.04

卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

最前線で活躍する卒業生が隔月で講演! 第3回テーマは、「チーム医療と理学療法士」 理学療法学科では今年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。 リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。 他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。 第1回の徳田‎光紀さん(1期生/平成記念病院)、第2回の飛田良さん(4期生/滋賀医科大学医学部附属病院)に続き、第3回は尾川達也さん(3期生/西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部主任)を講師に迎え、「チーム医療と理学療法士について~患者を中心とした医療に向けて」をテーマに講演いただきました。卒業後は理学療法士として臨床で働きながら大学院健康科学研究科に進学され(博士後期課程在籍中)、日本地域理学療法学会でも理事を務めるなど幅広く活躍中で、現在は主に回復期、訪問リハを中心に担当されています。     「チーム医療が大切」であることは当たり前であるものの、入職後になかなかうまくいかないことの方が多かったという尾川さん。「患者さん中心」といいながら患者さんを「リハを受ける側」と暗黙的に認識していたことや、退院後により良い暮らしをめざす回復期以降は患者さんの主体性が必要不可欠であることなどを、ご自身の失敗談を交えながら、理学療法士として大切にしていることを惜しみなく披露していただきました。     また「患者さんのために」という正義感が強すぎると、ともすれば患者さんの意見をじゅうぶんにくみ取らずに「自分が良いと思うリハ」に陥ってしまう可能性や、チーム医療の中では自分の意見を主張するより他職種の立場や意見を建設的に取り入れていくことが患者さんのためになることなど、目からウロコのリアルなアドバイスが満載でした。また、医療職の中で患者さんといちばん一緒に長い時間を過ごす理学療法士の責任とやりがいも、話の端々から伝わってきました。障害だけではなく「その人」にきちんと目を向けることの大切さを改めて共有する貴重な機会になったのはないでしょうか?   1回生はちょうど夏に「チーム医療ふれあい実習」を終えたところ、3回生は4月から長期実習に出るタイミングということで、真剣に話に聞き入る姿が印象的でした。   尾川さんから後輩の皆さんへのメッセージ   当日のセミナーでは、『患者さんのために、理学療法士として、チームの中でできること』について、畿央大学を卒業後に経験した私自身の失敗談を基にお話しさせていただきました。私からのメッセージとして、患者さんのために一生懸命、理学療法士として働くことは大前提ですが、   ・患者さんはリハビリを受ける側ではなく当事者であること ・患者さんは他の職種と同様にチーム医療の一員であること ・『患者さんのために…』という想いは、時に悪い方向にも働く可能性があること   をお伝えさせていただきました。 そして、チーム医療を実践する際は、理学療法士の専門性を主張することが重要なのではなく、理学療法士の “あなた” がチームの中で何ができるのかが問われます。 是非、理学療法士が理学療法以外で『患者さんのために何ができるか?』についても、仲間と一緒にディスカッションしてみてください。きっと、参考書で勉強するだけでは見えない、チーム医療の可能性を感じることができると思います。 これから実習に行ったり、就職して臨床現場に出ると、上手くいかないこともたくさん経験して、気持ちが落ち込む時も必ずあります。 そんなときもリハビリテーション専門職として、今、皆さんの心の中にある倫理感を信じて、乗り越えていってください。 最後になりますが、理学療法士って本当にやりがいのある仕事ですよ。 セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。       ▼左から松本先生、尾川さん、同じく卒業生でもある瀧口先生       次回は10月29日(土)13:00~14:30、吉田李沙さん(1期生/salon Fluffy経営)を講師に迎え「女性理学療法士が活躍できる場所 ∼自分らしく働く∼ 」をテーマに講演いただきます。男子学生もぜひ積極的にご参加ください。 4回目以降も「畿央生限定」のスペシャルトークをお届けします!       【関連リンク】 理学療法学科 大学院健康科学研究科 大学病院で働くということ~理学療法学科 第2回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催 第1回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part1~「学生時代」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part2~「臨床現場・大学院」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part3~「教員」編

2022.09.20

10/21(金)第15回理学療法特別講演会「脳卒中急性期のリハビリテーションを語ろう」をオンライン開催します。

2022.08.25

しびれ感に対する新たな経皮的神経電気刺激の効果~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

しびれ感は「感覚神経伝導路の障害によって起こる自発性異常感覚」と定義される神経症状であり、ADL(日常生活動作)やQOLが著しく阻害されます。長崎大学生命医科学域(保健学系)および畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員の西 祐樹らは、しびれ感に対する新たなリハビリテーション介入として“しびれ同調TENS”を開発し、脊髄機能不全症例における即時効果を明らかにしました。この研究成果はFrontiers in Human Neuroscience(A novel form of transcutaneous electrical nerve stimulation for the reduction of dysesthesias caused by spinal nerve dysfunction: A case series)に掲載されています。 研究概要 脊髄損傷や頚椎症性脊髄症等の脊髄機能不全を呈する多くの患者において、ビリビリ、チクチク、ヒリヒリと表現されるしびれ感が生じます。しびれ感は「感覚神経伝導路の障害によって起こる自発性異常感覚」と定義され、ADLやQOLが著しく阻害されます。そのため、しびれ感に対する治療介入の必要性は極めて高いといえます。しかしながら、しびれ感に対する薬物療法は効果が乏しく、有害事象のリスクが高いことがシステマティックレビューにおいて報告されています。また、リハビリテーションによる改善は困難とされており、しびれ感に対する体系的な介入は十分に確立されていないのが現状でした。 長崎大学生命医科学域(保健学系)および畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員 西 祐樹らは、経皮的神経電気刺激(TENS)の周波数と強度をしびれ感に同調させる“しびれ同調TENS”を開発し、即時的効果を検証しました。その結果、しびれ同調TENSによりしびれ感が著明に改善したことを明らかにしました。加えて、しびれ感の改善に伴い、感覚障害や触るだけで痛い症状(アロディニア)の改善も認めました。 本研究のポイント ■脊髄機能不全によるしびれ感に対して、TENSの周波数と強度をしびれ感に一致させる”しびれ同調TENS”を行った。 ■その結果、しびれ感だけでなく、感覚障害やアロディニアも改善した。 ■既存のTENSの理論では説明できない新たな作用機序による効果の可能性がある。 研究内容 脊髄損傷や頚椎症性脊髄症等の脊髄機能不全症例9名に対して、まず電気刺激に対するしびれ感の評価を行いました。具体的には経皮的神経電気刺激(TENS)の周波数と強度を、主観的なしびれ感の細かさ(ビリビリ、チクチクの間隔)と強度に同調させる手続きを行います。これにより、しびれ感をニューロンの発火頻度を反映する「周波数」と動員される神経線維数を反映する「刺激強度」というパラメータにて定量的にしびれ感を評価することが可能になります。そして、しびれ感に同調したTENS(しびれ同調 TENS)の実施前および実施中にマクギル痛み質問票ならびに定量的感覚検査(QST)を行いました。 図1.しびれ同調TENSによる効果 しびれ感や感覚障害、アロディニアに対して、しびれ同調TENSが従来の高周波TENSよりも効果があることを示しています。   その結果、しびれ同調TENSにより即時的にしびれ感の著明な改善が観察されました。多くの症例において「しびれ感とTENSによる電気が流れる感覚が打ち消し合ってどちらもなくなった」と表現しており、感覚障害や触るだけで痛いアロディニアも有意に改善されました。このしびれ感とともにTENSの感覚までも減弱する現象は、従来の下降性疼痛抑制系やゲートコントロール理論では説明できず、新たなメカニズムによりしびれ感が改善している可能性があります。一方、体性感覚誘発電位が消失している、つまり重度感覚障害の症例においては、しびれ感にTENSを同調させることができず、適応とはなりませんでした。これらのことから、知覚に関連した脳領域におけるしびれ感の抑制や、しびれ感に関連した末梢神経線維を選択的に遮断するbusy line effectが作用メカニズムとして推察されます。 本研究の臨床的意義および今後の展開 しびれ同調TENSは、治療に難渋してきたしびれ感に対する新たな介入手法であり、リハビリテーションの介入領域を拡大する可能性があります。今後はしびれ同調TENSの長期的効果の検証や作用機序の解明に取り組む予定です。 論文情報 Nishi Y, Ikuno K, Minamikawa Y, Igawa Y, Osumi M, Morioka S A novel form of transcutaneous electrical nerve stimulation for the reduction of dysesthesias caused by spinal nerve dysfunction: A case series Frontiers in Human Neuroscience, 2022 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 西 祐樹 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.08.23

「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室

2022年8月20日(土)~21日(日)に「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を大阪府吹田市の大和大学にて開催しました。       ※撮影時のみマスクを外しています。     本研究大会は毎年、田平教授をはじめ在学生と卒業生を中心に行っており、修士・博士論文の進捗状況の報告や研究計画のプレゼンテーションなどを実施しています。昨今のCOVID-19の影響で一昨年は中止、昨年度は完全webでの開催でしたが、今年度は万全の感染対策を実施した上で、対面とwebのハイブリッド形式での開催となりました。私は残念ながらwebでの参加となりましたが、現地参加とweb参加と併せて28名の参加があり、大盛況のうちに終了となりました。         発表内容は呼吸・循環器系に関する報告を中心に小児リハビリテーションの発表など多岐に渡り、どれも非常に興味深い内容でした。発表に対して、田平教授をはじめ、卒業生や在学生からも厳しくも温かく鋭い質問が多く寄せられて、今後研究をおこなっていく上で非常に有意義なディスカッションが行われました。       COVID-19の影響で、様々な活動が制約され、この3年間で私たちの生活様式も大きく変化しましたが、少しずつではありますがようやく従来の形を取り戻すことができており、喜びを感じております。webでのミーティングは非常に簡便で、利便性の面では非常に有用ですが、やはり、直接顔を合わせて行うディスカッションはその場にいないと体感できない熱量や雰囲気・緊張感を味わうことができ、とても貴重な経験だな、と今まで当たり前だった日常のありがたさを改めて痛感しています。COVID-19の国内情勢を鑑みて、残念ながら懇親会は行えず寂しい気持ちもありましたが、来年こそは懇親会も行えることを信じて、日々の研究活動に励んでいきたいと思います。   8月の厳しい暑さの中での開催でしたが、厳しい暑さに負けない研究室の熱さで非常に充実した2日間を送ることができました。   当研究室の活動に興味のある方は是非ご連絡をいただければと思います。呼吸・循環リハビリテーション分野における日々の臨床的疑問を共に解決していきましょう!研究室スタッフ一同お待ちしています。     畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程 野中 裕樹     【関連記事】 「第10回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第9回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」レポート 「第8回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第7回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室

1 2 3 4