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企業・行政の方へ一覧

2022年の企業・行政の方へ一覧

2022.11.03

【人間環境デザイン学科×河合町】少子高齢化時代における郊外駅前のリ・デザインを提案!~ランドスケープ演習

人間環境デザイン学科3回生対象で、非常勤講師の松下岳生先生が担当している「ランドスケープ演習」は、「ランドスケープデザインとは何か」という基本的な知識を身につけ、関連領域を含めたこれからの屋外空間のあり方を学ぶことを目的としています。2022年度後期は、9月28日(水)に畿央大学と包括連携協定を締結した河合町の地域課題解決につながる提案を学生が授業内で実施することとなりました。 5週目の授業にあたる10月31日(月)には、河合町が現在どのような課題を抱えているのかを実際に現地を訪れ、役場の方々に解説いただくことで理解を深める機会を設けました。河合町役場 森嶋企画部長と岡田政策調整課長に同行いただき、河合町の人口の推移やニュータウンを含んだ町の変遷、主な駅周辺の紹介をしていただくことで、学生は河合町への理解を深めることができました。     ▼河合町総合福祉会館豆山の郷   ▼廃校となった河合第三小学校     河合町の様々な場所を訪れた後、今回のランドスケープ演習の課題エリアとなっている河合町役場と池部駅周辺の実地調査を行ないました。池部駅周辺の現状を確認するだけでなく、河合町役場敷地内にある旧豆山荘も実際に訪れ、学生はどのような郊外駅前エリアのリ・デザインが可能か思いを巡らせました。     ▼河合町役場と日本庭園   ▼河合町役場横にある池部駅   ▼河合町役場と豆山荘   今回の調査はSTEP1「敷地調査・分析」にあたり、グループで情報をまとめた後、STEP2「コンセプトやゾーニング」、STEP3「実際のリ・デザイン案の作成」と学びを深め、最終講義にあたる1月23日(月)には、河合町役場の方々にも授業に参加いただいて、講評会を実施します。   今回のランドスケープ演習の取組は、学生の実践的な学びのための授業であるだけでなく、畿央大学の地域連携事業でもあり、大学の知を地域社会に還元していくための取組でもあります。   人間環境デザイン学科では、今回のような地域とつながった実践的な学びを授業の中で多く取り込んでおり、コロナ禍では実施が困難であった学外での調査も今後行う中で、学生に社会で実際に役だつ学びを深めてもらいます。     ▼豆山荘からの風景     【関連記事】 河合町と包括連携協定の調印式を行いました。 | 畿央大学 (kio.ac.jp) 今年も畿央大学付属広陵こども園の子どもが使うスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 畿央大学付属広陵こども園の園児のためのスツール(椅子)完成!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 「奈良きたまちインターカレッジコンペティション2022」を開催!~人間環境デザイン学科「フィールドワーク演習」 神戸ファッション美術館で「宝塚歌劇」の衣装を体感!~人間環境デザイン学科「服飾史」 「アパレル構成実習Ⅲ」授業レポート~人間環境デザイン学科    

2022.10.07

ノートPC無償貸与の取り組みが、マイクロソフト社のホームページで紹介されました。

  本学は他大学に先駆け2014年度から新入生全員へのノートPCを無償貸与する先進的な取り組みを進めています。2022 年度の一斉貸与PCにはマイクロソフト社の「Surface Laptop Go」を採用しました。Surface Laptop Goの新入生全員への無償貸与は国内大学初です。   この度、本学での導入事例ならびにICT活用の取組みや効果について取材いただいた内容が、マイクロソフト社のホームページに掲載されました。   Surface Laptop Go を採用し、社会を担う人材育成を強化。畿央大学の ICT 活用におけるノート PC の 1 人 1 台貸与がもたらす効果とは     本学では新入生全員へのノートPCだけでなく、Microsoft 365 Education や Microsoft Azure といったマイクロソフトのソリューションを導入し、ICT環境を整備しています。   また、2021年4月に今後の社会ニーズに応えられる幅広い教養をもった人材育成のために「次世代教育センター」を立ち上げ、2021年8月には教養科目「情報処理演習」が関西私大5校のみとなる文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」に初年度で認定されました。     畿央大学は医療・デザイン・教育分野においても今後必要不可欠となるICTスキルを兼ね備えた実学のスペシャリスト育成を、今後も進めてまいります。   【関連記事】 2022年度全新入生向け無償貸与PCに、マイクロソフトのSurface Laptop Go採用を決定!(国内大学初) 入学生全員にノートPCを無償貸与する理由って?(YouTube)

2022.10.07

日本初の乳がん術後女性のための使い捨て入浴着が「グッドデザイン賞」を受賞!

人間環境デザイン学科の村田浩子教授、小松智菜美助手、看護医療学科中西恵理講師、理学療法学科福森貢教授、村田ゼミの学生らの研究グループが開発した乳がん術後女性のQOL向上を支援する「入浴着」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しました。本学としては初めての快挙となります。 受賞したのは株式会社GSIクレオスとの産学連携で生まれた「BATHTIME TOPS」です。   ▼左から中西講師、小松助手、村田教授、福森教授 入浴着「BATHTIME TOPS」 発売元:株式会社GSIクレオス 「入浴着」を2021年6月に学会発表して以降、NHKなどのメディアや「ピンクリボンのお宿」の会合でも紹介され、宿泊施設の「アメニティ」の一つとして採用されるなど活用が広がっています。今回の受賞に際し、「入浴着」(商品名:BATHTIME TOPS )は「乳がん術後患者のために開発されたプロダクトで、リサーチの元、入浴時の快適性や着脱を考慮し、手術痕をカバーするための形の工夫がなされ、必要な機能を取り入れ実現していることが評価された。程よい厚みの不織布生地ですっきりと機能的に仕上げ、使い捨てであることや価格も含めバランス良く仕上げている。」と、評価されました。 「入浴着」は、「ケアとデザイン」をテーマに10月22日(土)から11月7日(月)まで西武百貨店池袋本店で開催される「暮らしのデザイン展2022 ケアとアートとデザインと」に、本年度受賞したケアに関するデザインとして展示されます。   受賞のコメント(村田教授) 「乳がん術後の女性も気兼ねなく大きなお風呂に入れるようにしたい」という看護医療学科の中西先生からの提案で始まった入浴着の研究で、2022年度グッドデザイン賞をいただくことができました。 グッドデザイン賞に応募したきっかけは、私たちが開発した入浴着をより多くの方に知っていただきたい、そして温浴施設で入浴着を着用して入浴を楽しめるようになって欲しいと考えたことからでした。研究が始まった2016年当時は入浴着の認知度は低く、奈良県の入浴施設では入浴着はほとんど普及していませんでした。私たちは乳がん患者の方、入浴施設の方への調査を行い入浴着に求められる要件を探ると同時に、入浴着にふさわしい素材を探して数多くの生地メーカーを回りました。「疎水性の繊維」を見つけると、生地を編んでもらい入浴着を試作、試着を繰り返しましたが、なかなか入浴着に求められるお湯切れがよい生地を実現することが出来ませんでした。そのような中、偶然にも本入浴着に使用している不織布との出会いがあり、一気に研究が進展しました。コロナ禍であったことから衛生的、清潔をキーワードに「持ち込み式入浴着」から「使い切り入浴着」の開発へと舵を切ることにしたのです。この入浴着は小さな衣料ですが、乳がん患者さんからいただいた声、入浴施設からの要望、研究チームの願いなどが沢山詰まっています。素材、デザイン、着脱、清潔、着用感など色々な工夫を行ったことで、グッドデザイン賞として評価されたのだと思います。     県内では奈良健康ランドや杉の湯さんから始まり、ピンクリボンのお宿でもある和倉温泉 加賀屋さんでも導入され、大手ECサイトでの取り扱いも広がり、新聞やテレビでも取り上げていただきました。乳がんになった友人の娘さんが偶然この入浴着を見つけて購入し、実際に利用していると聞き、この研究が人の役に立っていることを実感しました。誰もが温泉を安心して楽しめる環境になることを祈っています。 最後に本入浴着を開発するにあたり、ご協力いただいたみなさまに心から感謝申し上げます。   グッドデザイン賞 1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。受賞のシンボルである「Gマーク」は、良いデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。 問い合わせ先 人間環境デザイン学科 教授 村田 浩子 Email:h.murata@kio.ac.jp   商品に関しては、株式会社GSIクレオスまで直接お問い合せください。 マテリアル部 営業第二課 Tel:03-5643-3140 0120-50-6036 関連記事 グッドデザイン賞ホームページ(バスタイムトップス) 日本初、乳がん術後女性のQOL向上を支援する「使い捨て入浴着」が商品化されました。 【プレスリリース】日本初、乳がん術後女性のQOL向上を支援する「使い捨て入浴着」を開発 人間環境デザイン学科

2022.09.30

【事前予約制】第20回畿央祭を10/22(土)、23(日)に開催します

  対面・オンラインを併用して開催! 昨年は対面企画については在学生限定での開催でしたが今年は学外の方にもご参加いただけるよう、人数限定・事前申込制(申込先着順)で開催いたします!対象者の属性や参加企画によって申込フォームが異なりますので、下記ページをご覧の上、事前予約をお願いいたします。 ▼クリックでジャンプします 地域・一般の方向け「ウェルカムキャンパス」 卒業生対象「畿桜会総会・同窓会サロン」 在学生対象 保護者対象 受験生・高校生対象「ミニオープンキャンパス in 畿央祭」 開催日時 2022年10月22日(土)・23日(日) 10:00~17:00 各プログラムの内容やタイムテーブルは畿央祭特設HPで随時更新していきます!   畿央祭ホームページ   1.地域・一般の方向け「ウェルカムキャンパス」   10月1日(土)事前予約スタート! ご希望のプログラムに参加していただいた前後には、畿央祭の他のプログラムにもご参加いただけます。申込先着順となりますので、予めご了承ください。   ウェルカムキャンパス   2.卒業生対象「畿桜会総会・同窓会サロン」※10/23のみ   コロナ禍で対面開催できていなかった「畿桜会総会」を、畿央祭の2日目に、3年ぶりに対面で行うことになりました。また、総会に引き続いて「同窓会サロン」も開催します。恒例のガラガラ抽選会も!   畿桜会ホームページ   3.在学生対象 10/3(月)事前予約スタート! 9/28(水)に発信されたKiTssのお知らせをご覧の上、事前予約をしてください。   畿央祭ホームページへ   4.保護者対象 10/3(月)事前予約スタート! 申込方法は、9/29発送の「後援会だより」をご確認ください。   畿央祭ホームページへ   5.受験生・高校生対象   10月3日(月)事前予約スタート! 高校生の方向けには、ミニオープンキャンパスを開催します。畿央祭の雰囲気を楽しめるオープンキャンパスはこの2日間限定です!   入試総合サイトへ

2022.09.29

河合町と包括連携協定の調印式を行いました。

畿央大学は2022年9月28日、河合町役場において「河合町・畿央大学との包括的な連携協力に関する協定書」を取り交わす調印式を行いました。     この調印式には河合町から清原和人町長、谷本昌弘議長、田中敏彦副町長、清原正泰教育長、森嶋雅也企画部長、本学から冬木正彦学長、植田政嗣健康科学部長、前平泰志教育学部長、三井田康記地域連携センター長、小野巧大学事務局長に出席いただきました。協定の趣旨について説明された後、清原町長と冬木学長が協定書に署名いたしました。     現時点では具体的な取り組みとして、 授業「ランドスケープ演習」を通した地域課題の解決につながる取組 河合町特産の大和の黒豆「KAWAI BLACK」を活用したレシピ提案 お互いの街を知り交流を深めるための「竹馬クイズラリー」 を既に行っています。 今後は河合町と畿央大学相互が人的・知的資源の交流・活用を図り、河合町におけるまちづくり、健康づくり、子育て支援や教育等の充実等多岐にわたる分野で協力し、地域社会の総合的な発展と大学の学術研究の深化に継続して努めてまいります。   河合町との包括的な連携協力は奈良市・香芝市・大和高田市・御所市・橿原市・広陵町・斑鳩町・宇陀市・田原本町に続き10市町村目となります。   【関連リンク】 自治体等との協定一覧 【広陵町×河合町】小学生を対象とした「竹馬★クイズラリー」を実施しました!~人間環境デザイン学科清水ゼミ 河合町の親子減塩教室「みんなで減塩マスターになろう!」に参加しました!~ヘルスチーム菜良~

2022.09.12

【Q&Aを公開しました】畿央大学現代教育研究所主催「学びを結ぶオンラインセミナー」を開催しました。

記事の最後にセミナーでいただいたご質問に対する講師の回答を追加させていただきました。あわせてご参考にしていただければ幸いです。 畿央大学現代教育研究所では、学校現場における教育力向上の一助になる活動の一環として、2013年から研究所研究員による解説と実践を交えたワークショップを重ねてきました。今年度はコロナ禍のため、昨年度に引き続いてオンライン形式で、2022年8月12日(金)に開催いたしました。   今年度のセミナーは、テーマ「GIGAスクール時代のICT活用実践」と題して、午前はICT活用に関する講義、午後からは道徳科と算数科に分かれて、のべ24(15+9)名の先生方に参加いただきました。 当日の様子をご紹介させていただきます。 「ICT活用に関する講義」 講師:西端 律子(畿央大学教育学部 教授/教育学研究科 教授)     近年、全国の小中学校ではタブレット端末で「何ができるか」ではなくタブレット端末をもちいて効果的な授業実践を行うため、学年や学校としてどのように取り組むべきかが課題となっています。 その課題について、畿央大学のコロナ前からの先進的な取り組みや西端先生が関わっておられる地域の小学校のICTに関する取り組みが紹介されました。ここ数年間で教育現場のICT化が進み、子どもたちが情報機器を使い慣れていることがよく分かりました。   以下、講義の概略を紹介します。   情報活用能力の定義 初等教育の根幹で3R’s( =Read, Write, Arithmetic)として示された「よみ」、「かき」、「計算」の能力に、情報化の時代とともに情報活用能力「情報及び情報手段を主体的に選択し、活用していくための個人の基礎的資質 (昭和62年・1987年) 」が追加されました。さらに平成20年(2008年)告示の学習指導要領では情報教育に関する内容の充実が示され、学校現場での児童生徒の学習用、教員の業務用ともにコンピュータの整備が進められました。 平成29年(2017年)告示の学習指導要領で示された「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなぐ「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に欠かせない資質・能力の一つとして示されるようになっています。 ICTの活用と合理的配慮 令和2年(2020年)後半より、多くの自治体で一人1台のコンピュータと普通教室の無線LANが使用できる環境が整備されました。こうした状況において、ICT環境は、従来のコンピュータと同じ目的での使用、他のメディア方法との組合せによる使用、児童・生徒の学習環境としてカスタマイズしての使用と展開してきました。 また、社会や学校における合理的配慮の必要性が増すにつれ、従来の紙の教科書を基本に検索や動画などの機能を追加し、学習者個別にカスタマイズできるデジタル教科書の開発と導入なども実現しています。そこでは、多くの人にとって読みやすいUD(ユニバーサルデザイン)フォント、文字と背景色の反転機能なども可能になっています。 大学での教員養成 学校でのICT環境整備に伴い、教員養成にも情報分野に関わる資質・能力が求められるようになっています。 2021年実施の教員採用試験では、情報分野の筆記試験の実施、ICT実技の試験、プログラミング系の資格を有する受験者への加点などが導入され、2022年度からは「情報通信技術を活用した教育の理論及び方法」 が教員養成課程の免許で必修科目として新設されました。 情報活用能力のさらなる育成に向けて 文部科学省は、学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力の育成体系表例とカリキュラム・マネジメントモデルの活用(令和2年 2020年) において、例えば小学校における、情報の発信、情報の整理のための「知識及び技能」、情報を活用するための「思考力、判断力、表現力等」、情報と情報をつくりだす人を大切にしようとする「学びに向かう力、人間性」等の資質・能力を働かせる児童の姿で情報活用能力を示しています。 大学でも、情報に関わる資質・能力の指導ができる学生の育成に取り組んでいくことになります。   小学校現場でも、6年間を通して育てる情報活用能力に関する教育課程表を作成する試みが行われるなど、課題は「ICT環境でなにができる」から「ICT環境をどう活用する」に移っています。 ただ「何かのメディアを使って教える」ということそのものは昭和34年(1959)頃の学校現場へのテレビと教育番組の普及から継続的に発展してきたものでもあります。 映像がテープからディスクに保存できるようになり、カメラがデジタル化されることによりフィルムが無くなり、様々な身近な機器のデジタル化が進んできましたが、私達学校や学校の教員は(ときに戸惑いながらも)対応してきました。   私達大学の研究組織が、今後も発展を重ねていくICT環境とその活用について、学校現場の先生方の取り組みに資することができるよう研究と成果の発信を重ねていきたいと考えています。   受講された先生方も、現場ですでにICTを活用されている方が多く、講師の西端先生に質問をされたり、受講生同士でもアプリの情報共有をしたりするなど積極的な意見交換がされました。 本セミナーにて見つけた成果を各学校でも実践いただければと思います。   午後からは、算数コース、道徳コースに分かれ、具体的な実践づくりとその運用について協議をしました。各コースの活動を紹介します。   「算数科における活用」 講師:椎名 美穂子(畿央大学教育学部 教授)   実際に小学校算数のデジタル教科書(体験版)を用いて、①第2学年(すきなあそびしらべ)②第4学年(直方体と立方体)課題に取り組みました。   数学的活動で重視されている問題発見に焦点を当て、数学的に考えるための算数科における体験的なICT活用の研修を行いました。データの活用と図形の2領域を中心に、Microsoft Excelを用いたデータ処理・グラフ表現から問いを引き出す発問を考え、連続的な図形の変化における導入場面の指導案作成とその共有をしました。また、参加者からは「立体図形」の先進的な教材を通して、立体構造や空間認知につながる問題発見について協議し、数学的な思考のプロセスの重要性を実感していたことがうかがえました。   「道徳科における活用」 講師:塩家 崇生(畿央大学 客員研究員/伊丹市立鴻池小学校主幹教諭)     道徳科における一人一台端末を活用した授業実践が増えてきています。その中でも共有機能を用いた活用が多いことがうかがえます。児童生徒の考えを視覚的に捉えることができるようになったことで、教師はそこで知り得た情報を授業で生かしていくことが求められるようにもなっています。   全員で自己紹介を兼ねて、それぞれの地域や学校種別・学年等における実際の道徳の授業のあり方を情報共有することから始まりました。   塩家先生の行っている実例を題材にして、端末活用で集められた子供たちの考えをどのように生かし、授業の展開に結びつけていくのかについて参加者で考えました。   また、端末活用における効果だけではなく課題にも触れ、それを活用することの意義についても考えるきっかけとなりました。   セミナー終了後、ご参加の皆様にはアンケートを通してご意見を頂きました。その中からいくつかを紹介します。 ●講話と共に、グループワークで具体的な授業づくりを基に他地域の先生方と交流できたことがとても嬉しかったです。「無料」というのもありがたかったです。他の教員も誘ったのですが、お盆前という時期で参加できない方が多かったのが残念でした。大変勉強になる研修会をありがとうございました。   ●少人数での受講となり講師の先生方とのやり取りができたり、発言させて頂く機会が多くあったりと主体的にセミナーに参加させていただくことができました。今回初めて貴校のセミナーに参加させていただきましたが、今後開催される予定でしたら継続的に参加していきたいと思いました。ご準備や運営をありがとうございました。   ●この度は、研修会ありがとうございました。コロナ禍ですので、オンラインでしていただけてとてもありがたかったです。オンラインですることにより、遠隔地であっても参加できますので、今後もこの方法でしていただけるとありがたいです。講師の先生には、出向いていただきありがとうございました。道徳の研修、とてもためになりました。特別支援の先生が多く、普通校の先生にも、もっと参加していただきたいですね。そのためには、現地とオンラインのハイブリットが良いのかもしれません。また、時期ですが、研修前に学校に出勤すると、2年目研修、中堅研修と何人かの先生がおっしゃっていたので、その方たちは申し込みできないなあと思いました。   ●西端先生に、今回の午前中の研修で色々アプリ等も紹介していただきありがとうございました。とても参考になりました。その中で、私は現在重度重複の肢体不自由の生徒を担当していますがいます。ビックマックを使って画面を動かしたり、音を聴いたりするアプリ(花火、金魚を動かす)を使っていますが、なかなか画面が見れないのが現状です。テレビにつなげば良いですが、テレビにも数に限りがあります。また、画面を直接触っているのを観ながらできればと思うのですが、両方の手のひらが上を向いている状態です。何か良い方法があればよろしくお願いいたします。また、特別支援学校の先生を対象とした、研修等も考えていただけるとありがたいです。今回の研修ですが、午前、特に午後の道徳人数が少なかったのは残念でした。特に小学校、中学校の先生方のお話も聞きたかったです。以上色々と書かせていただきましたが、もっと沢山の先生方に畿央大学の先生のお話を聴いていただきたかったです。私は再任用出先が限られていますので。また、来年楽しみにしております。ありがとうございました。 【9/12追加】アンケートでいただいたご質問への回答を公開しました 西端教授への質問と回答 Q:私は現在重度重複の肢体不自由の生徒を担当しています。ビックマックを使って画面を動かしたり、音を聴いたりするアプリ(花火、金魚を動かす)を使っていますが、なかなか画面が見られないのが現状です。テレビにつなげば良いですが、テレビにも数に限りがあります。また、画面を直接触っているのを観ながらできればと思うのですが、両方の手のひらが上を向いている状態です。何か良い方法があればよろしくお願いいたします。   A:ご質問ありがとうございます。 まず、全体の状況、特にご質問の生徒の状況を把握できておりませんので、不適切な部分もあるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。 タブレットの画面を見ながら、自分の手で操作したい、ということでよいでしょうか。 掌が上向きということですので、例えば、指の第二関節あたりで接触することは可能でしょうか。扉をノックするときに指を曲げるイメージです。他の指も触ってしまうようであれば、軍手をはめて、該当の指のところのみ穴をあけるという方法もあります。 またペンを挟めるようであれば、逆手(手の甲側にペン先がくる)で持つ方法もありかと思います。 おそらくiPadをお使いなのでは?と思いますが、もし、視線入力装置が学校にあるのであれば、そちらをトライしてみる方法もあるのではないでしょうか。 いろいろなノウハウをお持ちの先生もいらっしゃいますので、機会がありましたら、情報共有の場を提供したいと思います。 今回はご参加ありがとうございました。 重ねて御礼申し上げます。   塩家研究員への質問と回答 Q1:道徳の授業で障害者問題についてどのような題材で授業をされていますか。   A:基本的には、教科書の教材を使って授業をおこなっております。 車いすにのって生活している人物、事故で身体の機能が奪われてしまった実在の人物やパラリンピックに出場されている選手等が教材になっています。教科書会社が、それぞれの教材ごとに関連する内容項目を設定しておりますので、それを基にしてねらいを設定し、授業を展開させています。   Q2:重度、重複(胃ろう、気管切開)のものを含む児童、生徒に対しての道徳の授業はどのような内容をするか。   A:私自身は、重度、重複のものを含む児童に対しての指導経験がありません。ただし、基本的には授業にはねらいがあり、子どもたちの対話を通してどうやって深めていくかが重要だと考えます。環境にもよるかと思いますが、特別支援学級の子供たちのみで授業をおこなうのか、またそうでないのかによっても変わります。 前者なら、教材選びから考えられるかなと思います。特別支援学級の担任の先生が特別支援学級の6年生の児童3名に対して1年生の教材を使って道徳科授業を行っているという話を聞きました。目の前の子どもたちの実態に応じた教材選びと展開を考えることが重要でしょう。 後者なら、インクルーシブ的視点が必要だと考えます。板書、ICT機器の活用、思考ツール、グループ活動等の工夫が必要です。   Q3:いじめ等の問題を道徳の授業でどのように取り上げているか。   A:道徳の教科化には、大津市のいじめ事件が大きく影響を与えています。ただ、道徳科では、「いじめ」を行う行動や言葉について指導する時間ではありません。行動や言動等の奥底にある心の部分(内面的資質)を育成する時間です。 「いじめ」はしない、させない、許さない…これは子どもたちも分かっています。だからこそ、「いじめは絶対しない」という決意表明だけで、本当に豊かな心の育成につながるとは思えません。 教科書会社によって内容は違いますが、いじめを想起させる教材は存在します。そこにはQ1-Aでも述べました内容項目が設定されています。それを基にねらいを設定し授業を展開していきます。   Q4:先生の学校で道徳の授業時間を年間どれぐらい取っておられるか、1年生と6年生を特にお聞きしたいです。私自身、道徳は教科化になったものの、コロナ禍になって、なおざりになっているように思えてなりません。   A:教科化となったことで、年間35時間(1年生は34時間)の道徳科授業【量的確保】と、「考え、議論する」道徳に向けた授業改善【質的転換】が求められています。 道徳科は、各教科や特別活動等の道徳教育の要です。 道徳科は、考える道徳教育。 そして、各教科や特別活動等では、体験による道徳教育です。 学習指導要領解説にも書かれている通り、道徳科の指導は、学校の道徳教育の目標を達成するために行うものであることから、学校においては、校長が道徳教育の方針を明確にし、指導力を発揮して、全教師が協力して道徳教育を展開するため、道徳教育の推進を主に担当する教師(道徳教育推進教師)を中心として、道徳教育の全体計画に基づく道徳科の年間指導計画を作成する必要があります。 私の勤務校では、学校評価で「内容項目を意識して道徳科授業をおこなっているか」という項目があります。 その結果から、学校全体で道徳教育について見直したり、また校内研修をおこなったりしました。 まずは、学校の先生が道徳科授業に対してどのような意識をもっておられるのかの実態調査、そしてそのデータからどうやって改善を図っていくのかを管理職や、教育課程、学校評価担当等と連携を図っていかれるのがよいかと思います。     畿央大学現代教育研究所では、今後も研究成果を現場の先生方のお役に立てるようなイベントを企画してまいります。 引き続き、よろしくお願いいたします。       【関連記事】 「学びを結ぶオンラインセミナー」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅦ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅥ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅤ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅣ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅢ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅡ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅠ」開催報告

2022.07.11

8/12(金)畿央大学現代教育研究所主催「学びを結ぶオンラインセミナー」を開催します。

2022.01.21

小学校教諭77.8%、公立幼・保97.0%、養護教諭40.0%が現役合格!〜2022年3月卒業生

2022年度公立学校教員採用試験が終了しました。教育学部現代教育学科4回生のうち、70名が公立小学校教諭、5名が養護教諭、6名が特別支援学校教諭の採用試験に現役で合格しました。小学校の現役合格率は過去最高となる77.8%となり、コロナ禍の厳しい環境で3年連続で7割を超える合格率を残してくれました。あわせて看護医療学科で養護教諭に1名、健康栄養学科で栄養教諭に2名、人間環境デザイン学科で家庭科教諭に1名が合格をはたしています。 公立幼稚園教諭・保育士(公務員)の採用試験でも32名が合格を手にしました。公立幼・保の現役合格率は97.0%(4年連続となる9割超)ときわめて高い水準で推移しています。 3回生前期からコロナ禍に突入した現4回生ですが、教採・公務員対策室では学科教員と連携して学生を支援してきました。頑張った学生が一番の主役ですが、対面・オンラインの種別を問わずあらゆる手でサポートを尽くしてきた先生方に敬意を表します。講師等の採用も含めて、最後の一人まで応援していきます。 後期が始まり3回生の対策も本格化しています。どんな状況でも、夢に向かって頑張れ、畿央生! 教採・公務員対策室 公立学校教員採用試験 現役合格率ならびに都道府県・市別の合格者数 小学校教諭77.8% 合格者70名/受験者90名(現代教育学科) →コロナ禍で過去最高の現役合格率を達成! →3年連続で7割以上が現役合格! 都道府県・市 1次受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 42 40 2 38 19 堺市 6 4 - 4 3 大阪府 21 18 - 18 14 京都府 2 2 - 2 2 大阪市 17 11 - 11 11 京都市 1 1 - 1 1 滋賀県 17 12 4 8 2 兵庫県 3 3 - 3 2 神戸市 1 1 - 1 1 和歌山県 6 6 1 5 5 三重県 12 12 6 6 3 愛知県 26 26 13 13 8 岡山県 9 8 5 3 2 岡山市 1 1 - 1 1 高知県 82 60 7 53 31 鳥取県 27 26 19 7 6 神奈川県 2 2 - 2 1 横浜市 4 4 - 4 1 茨城県 3 3 2 1 1 千葉県 13 10 9 1 1 北九州市 3 3 2 1 1 北海道 1 1 - 1 1   養護教諭40.0% 合格者6名/受験者15名(現代教育学科・看護医療学科) →看護医療学科でも1名が現役合格! 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 7 4 - 4 1 大阪府 4 1 - 1 1 大阪市 3 1 - 1 1 滋賀県 5 4 1 3 2 高知県 15 3 - 3 3 鳥取県 3 2 - 2 1   特別支援学校教諭100% 合格者6名/受験者6名(現代教育学科) →初の全員合格を達成! 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 3 3 - 3 2 大阪府 4 4 - 4 3 滋賀県 1 1 - 1 1 三重県 1 1 - 1 1 高知県 5 5 2 3 2 鳥取県 4 3 - 3 3 神奈川県 2 2 - 2 1   栄養教諭50.0% 合格者2名/受験者4名(健康栄養学科) 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 2 2 - 2 1 三重県 3 1 - 1 1   中学校・高校(家庭科)教諭100% 合格者1名/受験者1名(人間環境デザイン学科) 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 1 1 - 1 1   公立幼稚園教諭・保育士採用試験 自治体別の合格者数 公立幼稚園教諭・保育士97.0% 合格者32名/受験者33名(現代教育学科) →4年連続で9割以上が現役合格! 畿央大学付属広陵こども園、2023年4月に開設! 都府県・市(町) 1次受験者 1次合格者 辞退者 最終合格者 奈良県香芝市 13 12 7 4 奈良県大和高田市 7 7 3 3 奈良県橿原市 6 4 - 2 奈良県生駒市 4 4 1 1 奈良県大和郡山市 11 11 - 4 奈良県天理市 5 5 2 3 奈良県葛城市 2 2 0 2 奈良県宇陀市 1 1 - 1 奈良県河合町 1 1 - 1 奈良県明日香村 1 1 - 1 大阪府大阪市 6 4 - 4 大阪府吹田市 11 9 3 5 大阪府豊中市 7 7 - 3 大阪府松原市 4 4 1 3 大阪府藤井寺市 3 3 - 3 大阪府八尾市 3 3 - 3 大阪府柏原市 3 2 - 2 大阪府堺市 2 2 - 1 大阪府和泉市 1 1 - 1 京都府京都市 1 1 - 1 兵庫県神戸市 3 3 - 1 三重県伊賀市 2 2 - 2 徳島県鳴門市 1 1 - 1   注1. 過年度卒業生を含みません(すべて2022年3月卒業見込者)。 注2. 2022年1月21日現在の判明者数です。今後変動する場合があります。 注3. 一部試験での1次試験免除者を含みます。   →公立学校教員採用試験(1次試験)速報〜2022年3月卒業予定者 →小学校教諭71.2%、公立幼・保94.6%、養護教諭36.4%が現役合格!~2021年3月卒業生