理学療法学科の新着情報一覧
2022.09.30
【事前予約制】第20回畿央祭を10/22(土)、23(日)に開催します
対面・オンラインを併用して開催! 昨年は対面企画については在学生限定での開催でしたが今年は学外の方にもご参加いただけるよう、人数限定・事前申込制(申込先着順)で開催いたします!対象者の属性や参加企画によって申込フォームが異なりますので、下記ページをご覧の上、事前予約をお願いいたします。 ▼クリックでジャンプします 地域・一般の方向け「ウェルカムキャンパス」 卒業生対象「畿桜会総会・同窓会サロン」 在学生対象 保護者対象 受験生・高校生対象「ミニオープンキャンパス in 畿央祭」 開催日時 2022年10月22日(土)・23日(日) 10:00~17:00 各プログラムの内容やタイムテーブルは畿央祭特設HPで随時更新していきます! 畿央祭ホームページ 1.地域・一般の方向け「ウェルカムキャンパス」 10月1日(土)事前予約スタート! ご希望のプログラムに参加していただいた前後には、畿央祭の他のプログラムにもご参加いただけます。申込先着順となりますので、予めご了承ください。 ウェルカムキャンパス 2.卒業生対象「畿桜会総会・同窓会サロン」※10/23のみ コロナ禍で対面開催できていなかった「畿桜会総会」を、畿央祭の2日目に、3年ぶりに対面で行うことになりました。また、総会に引き続いて「同窓会サロン」も開催します。恒例のガラガラ抽選会も! 畿桜会ホームページ 3.在学生対象 10/3(月)事前予約スタート! 9/28(水)に発信されたKiTssのお知らせをご覧の上、事前予約をしてください。 畿央祭ホームページへ 4.保護者対象 10/3(月)事前予約スタート! 申込方法は、9/29発送の「後援会だより」をご確認ください。 畿央祭ホームページへ 5.受験生・高校生対象 10月3日(月)事前予約スタート! 高校生の方向けには、ミニオープンキャンパスを開催します。畿央祭の雰囲気を楽しめるオープンキャンパスはこの2日間限定です! 入試総合サイトへ
2022.09.20
10/21(金)第15回理学療法特別講演会「脳卒中急性期のリハビリテーションを語ろう」をオンライン開催します。
2022.09.19
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.5
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。 初日は座学での講義、2日目に車椅子・片麻痺・視聴覚障害体験など、3日目には、「シッティングバレー」「ゴールボール」「ボッチャ」の3競技を実際に体験しました。最終日の9月7日(水)は、この実習で学んだことを踏まえて、新しいアダプテッドスポーツを創ることにチャレンジしました。 4回の講義を終え、最後は講師を務めた本学の理学療法学科の卒業生かつ大学院健康科学研究科修了生でもある加納希和子さん(大阪市舞洲障がい者スポーツセンター)にコメントをいただきました。 加納さんコメント スポーツ実習II・B(アダプテッド・スポーツ)の講師として母校の教壇に立たせていただいたことに大変感慨深い思いです。準備期間と初日は緊張と緊張でいっぱいでしたが(笑)、自分自身も楽しんで講義にのぞむことができました。改めてこのような機会を頂けたこと、ご支援くださった先生方、職員の皆さまに感謝申しあげます。 私が今回担当したアダプテッド・スポーツですが初めて聞いた学生さんも多かったと思います。(学生さんが書いてくれた全4回のブログをまだ読んでない方は、是非読んでみて下さい。(^ ^)) アダプテッド・スポーツにはこれが正解!っていうのは無いと思います。携わる人達がいる分、何通りもの方法があって最初に実施した方法もどんどんアップデートして柔軟に変化させていく必要があると思います。4日間という限られた時間の中で、それぞれの分野のスペシャリストを目指す学生達が学部や学科を越えてディスカッションする姿を感心して見ていました。 この講義をきっかけに、これからスポーツを通して障がいを持った方や沢山の人々と関わり楽しむ機会を是非作って頂ければと思います。 4日間、本当にお疲れさまでした!! *写真撮影時のみマスクを外しています。 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.4 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.09.09
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.4
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。 初日は座学での講義、2日目に車椅子・片麻痺・視聴覚障害体験など、3日目には、「シッティングバレー」「ゴールボール」「ボッチャ」の3競技を実際に体験しました。最終日の9月7日(水)は、この実習で学んだことを踏まえて、新しいアダプテッドスポーツを創ることにチャレンジ!学生からのレポートです。 ■1・2限目 テーマを決めて新しいアダプテッドスポーツを創造する 以下の①と②③のどちらか一方をテーマとして、班で新しいアダプテッドスポーツを創りました。 ①視覚障害の小学生を含んでの遊び ②子どもから高齢者まで一緒に楽しめるスポーツ ③身体障がい者のうち、肢体不自由の人が一緒に楽しめるスポーツ 高齢者体験や視覚障害体験、車椅子体験など、これまでの授業で体験したことから、どのようなことができて、どのようなことが難しいのかを考えながら創作しました。 これまでの3日間で学んだことをもとに、場所やルール、使用する道具などに注意し、各班納得のいくアダプテッド・スポーツを創ることができました。 ■3・4限目 発表・体験 1、2時間目で考えたアダプテッド・スポーツを各班発表し、実際に体験しました。 例えば、音を頼りに進む遊びや、座った状態でできるボール遊びなどです。 視覚障害でも楽しめ、それを通して健常者が視覚障害を体験することができたり、子どもでも理解しやすい簡単なルールにしたりと、各班アダプテッドスポーツとして誰でも楽しめるように考えられた遊びやスポーツだったため、体験していて楽しかったです。 学年・学科の違いから、普段関わることが少ない学生と一緒に学び、考え、体験することができ、充実した時間を過ごすことができました。 スポーツ実習II・B「アダプテッド・スポーツ」の授業を通して、自分が思っていた以上に恐怖を感じる場面や、難しいと感じる場面が多く、適切なサポートが必要だと実感しました。 これから困っている人がいた際には、この授業で学んだことを生かし、適切な対応を心がけたいと思います。 現代教育学科1回生 茨田 淨子 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.09.07
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。 初日は座学での講義、2日目に車椅子・片麻痺・視聴覚障害体験などを行い、9月6日(火)実施の3日目は、「シッティングバレー」「ゴールボール」「ボッチャ」の3競技を体験しました。1回目より講師を担当している理学療法学科卒業生で大学院健康科学研究科修了生の加納希和子さん(スポーツ認定理学療法士、中級障がい者スポーツ指導員)に加え、同じく舞洲障がい者スポーツセンターでスポーツ指導員をされている三上大成さんに指導していただきました。 ▼講師の三上大成さん シッティングバレー シッティングバレーは、臀部を地面につけて行うバレーのことです。臀部を地面につけたまま素早く移動することが難しく、なかなかラリーを続けることができませんでした。また、レシーブをするときに臀部を浮かしてしまうことも多くあり、立たないようにすることが難しかったです。 サーブやレシーブを練習してから、みんなでゲームをしました。最初はなかなかボールがつながりませんでしたが、人数やボールを変えるなど工夫をしてみると、だんだんとラリーが続くようになり、ゲームらしくなっていきました。私たち健常者になじみのあるバレーボールと変わらないのに、座っているというだけでとても難しく感じました。 ゴールボール ゴールボールは、視覚障害者を対象としたスポーツで、ボールから鳴る鈴の音を頼りにボールを止めて投げることを繰り返します。ボールは重たく勢いがついているので、全身を使ってボールを止める必要があり、体を張ったスポーツだなと思いました。 また、コートには自分の位置がわかるようタコ糸で印がされていますが、ゲームをしていると見失ってしまい、正面や自分の位置などがわからなくなりました。味方ともっと声を掛け合うなどしっかりと連携することや、怖がらずに思い切ってボールを止めたりすることが大切だなと思いました。 ボッチャ ボッチャは、自分のチームのボールを白色のジャックボールに近づけて点数を獲得するスポーツです。ボッチャ特有の技もあり、三上先生に得点の数え方等細かく実演してくださいました。 ボッチャのボールは想像よりも重たく、投げるときの力加減が難しかったです。投げる練習をした後、みんなでゲームをしました。チーム内で利き手、非利き手、車いすと投げる役割を3つに分けましたが、普通に投げたり、車いすに乗って投げたりすると投げやすく、とても良い一投ができることが多くありました。しかし、利き手ではない手で投げると思っていた方向に飛ばなかったり、投げる力が弱すぎたりしました。ゲームは接戦が続き、白熱して楽しかったです。 今回3つのゲームを行いましたがそれぞれコートを作るところから始め、ルール説明を受けて投げ方などを練習し、みんなでゲームをしました。 始めはみんなとてもぎこちなく、声掛けなども少なかったですが、最後にはみんなで声を掛け合い、楽しくゲームをすることができました。どのスポーツでも、チーム内でコミュニケーションをとったり、お互いに声を掛け合ったりしながら、全力で楽しむことが、楽しくスポーツをする秘訣だと思いました。 三上先生、加納先生、本日はありがとうございました。 現代教育学科 2年生 長谷川慈 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.09.01
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。講師を務める加納希和子さんは本学の理学療法学科の卒業生かつ大学院健康科学研究科修了生です。現在は大阪市舞洲障がい者スポーツセンターで理学療法士(スポーツ認定理学療法士、中級障がい者スポーツ指導員)として活躍、東京五輪にもTOKYO2020MEDスタッフとして参加されました。 初日の座学での講義に続いて、2日目となる8月31日(水)はいよいよ実技に突入!当日の様子を参加学生にレポートしていただきました。 1限目 体育館での車椅子体験 通常の車椅子だけでなく、バスケットボールなどで使用される競技用の車椅子体験も行いました。 通常の車椅子では、介助者にとってはちょっとした段差を持ち上げているように感じる部分が、体験者(乗っている側)になると身体が後ろに倒れ、物凄い大きな段差を超えたような感覚でした。 また競技用の車椅子は、タイヤに角度がついているため小回りがよく効く上に、ブレーキがないため自らが器用に動かすことができますが、腕力がとても必要でした。 車椅子は座っているため全身の力を上手く使うことが難しく、手や足などどこかが使えない場合1人で動かすには想像以上の力が必要で、今まで知らなかったしんどさを味わいました。 2限目 高齢者体験・ 片麻痺体験 P棟1階の理学療法実習室から、ペアで自由に校内をまわりました。 私は片麻痺体験をしたのですが、特に階段を下ることに時間がかかりました。身体が前のめりになり、自分がいつも見ている階段よりも傾斜が高いように感じて怖かったです。 校舎内の階段でも段差の高さや踏み場の幅が異なるものが多いため、体験者自らがその都度足を伸ばして確認する、足を斜めにして上手く上り下りするなどの細かな工夫が必要でした。 ▼高齢者体験の様子 ▼片麻痺体験の様子 3限目 視覚障害体験 2限目と同じく理学療法実習室からペアで自由に校内をまわりました。体験者はアイパッチを付けて介助者の腕や肩に手を乗せて校内を歩きました。 視覚が使えないのなら聴覚といったように、使える他の感覚が普段よりも増して研ぎ澄まされたような気がしました。加納先生から教えていただいたように「あと3段で踊り場に着きます」「9時の方向に曲がりましょう」と常に介助者が分かりやすい言葉に言い換えて体験者に伝えることが大変でした。 今日の実技体験を通して、普段私達があまり気にしていない部分により深く着目することができました。街中で自らが支える側になった際、どんな対応をすれば相手が安心できるのか、また相手がどのようなことをしたい・知りたいのか互いの意思疎通が本当に大切だと学びました。「寄り添う・支える」ということは、一度相手と同じような体験をして知り得た知識の上で周りを見て行動しないと、相手にとっては本当の意味で「寄り添う・支える」ことができていないのではないかと身に染みて感じました。 これから困った人を見つけた際には、この実技体験から学んだことを生かして、先を見通した行動や丁寧な声掛けを相手にできるよう頑張りたいと思います。 健康栄養学科 1回生 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.08.31
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 8月30日(火)からは「アダプテッド・スポーツ」がスタートしました! アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。初日はアダプテッド・スポーツとパラスポーツの理解、スポーツ大会と障がいのクラシフィケーション、年齢・障がいによる身体機能とリスク管理について座学での講義を行いました。 講師を務める加納希和子さんは本学の理学療法学科の卒業生かつ大学院健康科学研究科修了生です。現在は大阪市舞洲障がい者スポーツセンターで理学療法士(スポーツ認定理学療法士、中級障がい者スポーツ指導員)として活躍、東京五輪にもTOKYO2020MEDスタッフとして参加されました。 ▼講師の加納希和子さん <受講した学生の感想> 私は小さいころからソフトテニスをしていました。その影響で車いすテニスを見ることも多々あり、他のパラスポーツももっと知りたいと思いこの授業を履修しました。また東京オリンピックにも理学療法士・メディカルスタッフとして参加された福本先生、加納先生のお話が聞けるということにも魅力を感じたからです。 一日目は座学ばかりでしたが、とても内容の濃いものでした。障害の程度に合わせて位が分けられていたり、平等に競技ができるようにされていることなど初めて知ることもたくさんありました。その中で私がもっとも印象に残っていることは「教科書に記載していることだけが正解ではない」ということです。「一人一人を知るなかで、その人の個性が見つかる」と加納先生がおっしゃっていました。 ▼講義の様子 これから理学療法士になるための知識を吸収するだけではなく、ボランティア活動などにも積極的に参加し、たくさんの個性を持った人と接し、経験を積む必要があるなと改めて感じることができました。明日からは実技がメインとなってくるので、楽しみながら学習できたらいいなと思います! 理学療法学科 1回生 櫻井 瑞希 【関連記事】 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.08.25
しびれ感に対する新たな経皮的神経電気刺激の効果~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
しびれ感は「感覚神経伝導路の障害によって起こる自発性異常感覚」と定義される神経症状であり、ADL(日常生活動作)やQOLが著しく阻害されます。長崎大学生命医科学域(保健学系)および畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員の西 祐樹らは、しびれ感に対する新たなリハビリテーション介入として“しびれ同調TENS”を開発し、脊髄機能不全症例における即時効果を明らかにしました。この研究成果はFrontiers in Human Neuroscience(A novel form of transcutaneous electrical nerve stimulation for the reduction of dysesthesias caused by spinal nerve dysfunction: A case series)に掲載されています。 研究概要 脊髄損傷や頚椎症性脊髄症等の脊髄機能不全を呈する多くの患者において、ビリビリ、チクチク、ヒリヒリと表現されるしびれ感が生じます。しびれ感は「感覚神経伝導路の障害によって起こる自発性異常感覚」と定義され、ADLやQOLが著しく阻害されます。そのため、しびれ感に対する治療介入の必要性は極めて高いといえます。しかしながら、しびれ感に対する薬物療法は効果が乏しく、有害事象のリスクが高いことがシステマティックレビューにおいて報告されています。また、リハビリテーションによる改善は困難とされており、しびれ感に対する体系的な介入は十分に確立されていないのが現状でした。 長崎大学生命医科学域(保健学系)および畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員 西 祐樹らは、経皮的神経電気刺激(TENS)の周波数と強度をしびれ感に同調させる“しびれ同調TENS”を開発し、即時的効果を検証しました。その結果、しびれ同調TENSによりしびれ感が著明に改善したことを明らかにしました。加えて、しびれ感の改善に伴い、感覚障害や触るだけで痛い症状(アロディニア)の改善も認めました。 本研究のポイント ■脊髄機能不全によるしびれ感に対して、TENSの周波数と強度をしびれ感に一致させる”しびれ同調TENS”を行った。 ■その結果、しびれ感だけでなく、感覚障害やアロディニアも改善した。 ■既存のTENSの理論では説明できない新たな作用機序による効果の可能性がある。 研究内容 脊髄損傷や頚椎症性脊髄症等の脊髄機能不全症例9名に対して、まず電気刺激に対するしびれ感の評価を行いました。具体的には経皮的神経電気刺激(TENS)の周波数と強度を、主観的なしびれ感の細かさ(ビリビリ、チクチクの間隔)と強度に同調させる手続きを行います。これにより、しびれ感をニューロンの発火頻度を反映する「周波数」と動員される神経線維数を反映する「刺激強度」というパラメータにて定量的にしびれ感を評価することが可能になります。そして、しびれ感に同調したTENS(しびれ同調 TENS)の実施前および実施中にマクギル痛み質問票ならびに定量的感覚検査(QST)を行いました。 図1.しびれ同調TENSによる効果 しびれ感や感覚障害、アロディニアに対して、しびれ同調TENSが従来の高周波TENSよりも効果があることを示しています。 その結果、しびれ同調TENSにより即時的にしびれ感の著明な改善が観察されました。多くの症例において「しびれ感とTENSによる電気が流れる感覚が打ち消し合ってどちらもなくなった」と表現しており、感覚障害や触るだけで痛いアロディニアも有意に改善されました。このしびれ感とともにTENSの感覚までも減弱する現象は、従来の下降性疼痛抑制系やゲートコントロール理論では説明できず、新たなメカニズムによりしびれ感が改善している可能性があります。一方、体性感覚誘発電位が消失している、つまり重度感覚障害の症例においては、しびれ感にTENSを同調させることができず、適応とはなりませんでした。これらのことから、知覚に関連した脳領域におけるしびれ感の抑制や、しびれ感に関連した末梢神経線維を選択的に遮断するbusy line effectが作用メカニズムとして推察されます。 本研究の臨床的意義および今後の展開 しびれ同調TENSは、治療に難渋してきたしびれ感に対する新たな介入手法であり、リハビリテーションの介入領域を拡大する可能性があります。今後はしびれ同調TENSの長期的効果の検証や作用機序の解明に取り組む予定です。 論文情報 Nishi Y, Ikuno K, Minamikawa Y, Igawa Y, Osumi M, Morioka S A novel form of transcutaneous electrical nerve stimulation for the reduction of dysesthesias caused by spinal nerve dysfunction: A case series Frontiers in Human Neuroscience, 2022 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 西 祐樹 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp
2022.08.23
「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室
2022年8月20日(土)~21日(日)に「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を大阪府吹田市の大和大学にて開催しました。 ※撮影時のみマスクを外しています。 本研究大会は毎年、田平教授をはじめ在学生と卒業生を中心に行っており、修士・博士論文の進捗状況の報告や研究計画のプレゼンテーションなどを実施しています。昨今のCOVID-19の影響で一昨年は中止、昨年度は完全webでの開催でしたが、今年度は万全の感染対策を実施した上で、対面とwebのハイブリッド形式での開催となりました。私は残念ながらwebでの参加となりましたが、現地参加とweb参加と併せて28名の参加があり、大盛況のうちに終了となりました。 発表内容は呼吸・循環器系に関する報告を中心に小児リハビリテーションの発表など多岐に渡り、どれも非常に興味深い内容でした。発表に対して、田平教授をはじめ、卒業生や在学生からも厳しくも温かく鋭い質問が多く寄せられて、今後研究をおこなっていく上で非常に有意義なディスカッションが行われました。 COVID-19の影響で、様々な活動が制約され、この3年間で私たちの生活様式も大きく変化しましたが、少しずつではありますがようやく従来の形を取り戻すことができており、喜びを感じております。webでのミーティングは非常に簡便で、利便性の面では非常に有用ですが、やはり、直接顔を合わせて行うディスカッションはその場にいないと体感できない熱量や雰囲気・緊張感を味わうことができ、とても貴重な経験だな、と今まで当たり前だった日常のありがたさを改めて痛感しています。COVID-19の国内情勢を鑑みて、残念ながら懇親会は行えず寂しい気持ちもありましたが、来年こそは懇親会も行えることを信じて、日々の研究活動に励んでいきたいと思います。 8月の厳しい暑さの中での開催でしたが、厳しい暑さに負けない研究室の熱さで非常に充実した2日間を送ることができました。 当研究室の活動に興味のある方は是非ご連絡をいただければと思います。呼吸・循環リハビリテーション分野における日々の臨床的疑問を共に解決していきましょう!研究室スタッフ一同お待ちしています。 畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程 野中 裕樹 【関連記事】 「第10回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第9回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」レポート 「第8回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第7回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室
2022.08.17
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.87~オープンキャンパスでカラダチェックコーナーを担当!
こんにちは。TASK※(健康支援学生チーム)、理学療法学科4年の吉田衣里と、1年の森岡真優です。2022年8月13日(土)、14日(日)に行われたオープンキャンパスにて、高校生や保護者を対象としたカラダチェックコーナーをTASKが担当しました。今回実施した測定内容は、体組成、骨密度、ヘモグロビンの3項目です。 ※TASKは”Think、 Action、Support for Health by Kio University”の略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 ▼体組成測定の様子 大変暑い中、多くの方がカラダチェックコーナーに足を運んでくださいました。機械の調子が悪く、お待たせしてしまう時間帯もありましたが、TASKスタッフ同士で連携することで大きなトラブルなく無事に終了することができました。 ご協力いただきました皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。 ▼骨密度測定の様子 最近は暑い日が多く、屋外での運動が困難であると考え、自宅内でできる軽めの運動をメインに指導させていただきました。「それならできそうやわ」「娘とやってみます!」とおっしゃってくださる方が多く、みなさんの運動意欲向上を肌で感じることができ、とても嬉しかったです。 今回、初参加のメンバーが多い中での運営でしたが、対象者の方と積極的にコミュニケーションをとり、落ち着いた対応ができていたのでとても頼りになりました。1、2年生メンバーの今後の活躍に期待しています! 私は残りの活動で、2つの目標「一人でも多くの方の健康をサポートする」「1、2年生に活動の魅力を伝える」を達成できるように頑張ります。(吉田) ▼骨密度測定の様子 私にとっては2回目の活動でした。 初めて参加させていただいた時よりは少し心に余裕ができ、来場者様に楽しんでいただけるように積極的にお話することができました。ですが、まだまだ測定結果のご説明や配慮など至らない点も多く、その際は先輩方がたくさんサポートしてくださり、安心して活動に臨むことができました。 また今回特に印象に残っていることは、測定終わりに来場者様が、「自分の身体の状態も知ることができたし、来て本当に良かった」とおっしゃってくださったことです。「将来医療従事者として働くんだ」という実感が湧き、今よりもさらに頑張りたいと思うきっかけとなったので、このお言葉は私にとって非常に嬉しいものでした。 一方でたくさん来ていただけることは大変ありがたいことですが、人数が増えるほど、目の前の測定に必死になり、周りの状況を把握できなくなってしまったときがあったので、今度からはもっと視野を広くして来ていただいた方々全員により一層楽しんでいただけるような空間づくりに努めたいと思います。 これからもTASKの活動に積極的に参加して、来ていただいた方にご満足いただけるように、そしてTASKをもっと認知していただけるように頑張ります。(森岡) ▼骨密度測定の様子 ▼最後はお決まりのTASKの「T」ポーズ! 「TASKって何?」という方は、畿央大学のホームページからTASKの過去の取り組みを見てみてください! 「参加してみたい!」という方はOutlookのメールから検索ディレクトリを使用して、「task」と検索し、連絡してきてください。参加申し込みだけでなく、質問もこちらのメールで受け付けています。 ◆メールアドレス task@kio.ac.jp ◆Twitter @kio_TASK 友達を誘ってワイワイ楽しく活動しましょう! 理学療法学科4回生 吉田衣里 理学療法学科1回生 森岡真優 【卒業後もつながるTASK】 生駒市の地域リハビリテーション活動支援事業に向けて卒業生が集結!~地域リハビリテーション研究室with TASK