理学療法学科の新着情報一覧
2019.09.03
「第10回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室
田平研究室(大学院)健康科学研究科修士課程の太田です。2019年8月24日(土)~25日(日)に「第10回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を滋賀県大津市のKKRホテルびわこにて開催いたしました。両日とも天候に恵まれ、会場のクラブハウスやホテルからは琵琶湖が一望できる最高のロケーションで行われました。 本研究大会は毎年、田平教授をはじめ研究室の在学生と卒業生で行っており、臨床研究や基礎研究の発表、修士・博士論文の進捗状況などを発表しています。今年は田平教授、在学生3名、卒業生8名、計12名が参加し2日間で11演題が発表されました。 発表内容は呼吸循環器疾患を中心とした臨床研究や活動報告、最近のトピックスとして電子タバコについてなど多岐にわたる興味深いものでした。また、海外での学会発表を控えている卒業生の英語発表もあり、良い刺激を受けました。私を含む在学生は研究テーマに関する発表を行いました。田平教授、卒業生の先輩方からは多くの的確なご指摘をいただき、今後研究を進めていく上で非常に参考となるものでした。 懇親会は夜遅くまで、研究や日々の臨床での悩みから趣味や家庭の話まで、いろいろな話題で盛り上がり田平研究室の結束力と温かい雰囲気を感じました。 8月末の残暑厳しい時期の開催でしたが、琵琶湖から吹いてくる爽やかな風と参加者の皆さんの和気あいあいとした雰囲気で、暑さも忘れて楽しく、また非常に充実した2日間となりました。 健康科学研究科 修士課程 太田信也 【関連記事】 第9回呼吸・循環リハビリテーション研究大会レポート 「第8回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第7回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 田平研究室で第6回呼吸・循環呼吸リハビリテーション研究大会開催~健康科学研究科 第5回呼吸・循環呼吸リハビリテーション研究大会-大学院:田平研究室- 畿央大学 呼吸・循環呼吸リハビリテーション研究大会-大学院:田平研究室- 畿央大学呼吸・循環リハビリテーション研究大会 -大学院:田平研究室-
2019.09.02
令和元年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催!~理学療法・看護医療・健康栄養学科
チーム医療ふれあい実習を終えて チーム医療に携わる専門職としての資質や態度を養い、職種間の協働の重要性について学ぶ「チーム医療ふれあい実習」は、本学の特色ある学びの一つになっています。今年度は令和元年8月19日(月)~23日(金)に、看護医療学科1回生、理学療法学科1回生、健康栄養学科臨床栄養コース2回生の学生総勢186名が、学科の枠を超えてグループを編成し、チーム医療が実践されている医療現場(10施設)で実習を行い、最終日には冬木記念ホールで実践発表会を行い、それぞれの学びを共有しました。 実際の現場での実習を通して、さまざまな気づき、学びがあったようです。以下、各学科の学生たちの学びの様子を紹介します。 看護医療学科 今回の実習では、放射線科、薬剤科、検査科、リハビリテーション科などの各部署や、病棟、外来の見学をさせていただきました。そこでは、チーム医療や、コミュニケーションの大切さを学びました。部署の見学をさせていただいた際、より良い医療を患者さんに提供するために、各職種が専門性を発揮し他職種と連携して、様々な視点からみることが大切だと学びました。 病棟では、患者さんのケアやカンファレンスの場面も見学させていただきました。その中でも共通していた点は、コミュニケーションの大切さです。患者さんや家族の方と話す機会も作ってくださいましたが、ニュースなどに対する私の知識が乏しく、話を続けることができませんでした。このことから、幅広い世代の方が対象であることを理解し、知識を増やして、時と場合に合わせたコミュニケーションをとることの重要性を学びました。また、医療者が患者さんの言葉や反応を見逃さず、目的をもって接しておられたことがとても印象に残っています。看護師はカンファレンスなどで、他職種と患者さんをつなぐ仲介役も担っていました。以上のことから、患者さんだけではなくチーム医療を行う上で、医療従事者間でのコミュニケーションの大切さも学びました。また、実習を行うことができたのは病院の皆さま、患者さんやそのご家族の協力があったからだと実感しました。 今回の実習を通して、自分自身の欠点を知り、各職種の専門性を知ることの重要性も学びました。今回の経験を活かして、他学科との関わりを大切にし、今後の学びに繋げていきたいと思います。そして、協力して下さった方々への感謝の気持ちを忘れないようにします。本当にありがとうございました。 看護医療学科1回生 丸谷麻友 健康栄養学科 今回のチーム医療ふれあい実習では、チーム医療として看護師、理学療法士、管理栄養士をはじめ多くの職種がどのような役割を担っているのかを実際に見学させていただきました。患者さんに栄養指導をする場面を見学させていただいた際には、患者さんだけでなくご家族にも栄養指導を行うことにより、家族全体で患者さんの栄養サポートができるということや、患者さんからは聞き出せない情報を、ご家族から得られることが多いなどの利点を学びました。そして栄養指導にご家族の同席を促すために、看護師が日程を調整するなどといった連携が取られていることを知りました。 また実際に食事介助の場面で様々な食事形態も見ることができ、患者さんの嚥下機能を言語聴覚士が評価して多職種と情報を共有し、管理栄養士がその情報に基づいて献立を考え、看護師や言語聴覚士が食事介助をするという連携を知りました。 毎日の実習終了後にはグループでのカンファレンスを行い、看護師、理学療法士、管理栄養士をめざす視点から感じたことや学んだことを共有することで、自分だけでは気づくことができなかった考えや学びがあり、多職種間での情報交換の重要性に気づきました。このように実際に医療現場で実習させていただいたことでたくさんのことを学ぶことができましたが、同時にたくさんの課題も見つかりました。医療現場で働く管理栄養士になるために今回の実習で得たたくさんの学びや課題をこれからの勉強に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。 健康栄養学科2回生 井原雪那 理学療法学科 今回の実習では検査部、薬剤部、栄養科、外来、病棟、リハビリテーション科を見学させていただき、各専門職同士の連携などチーム医療の大切さを学びました。部署での見学ではそれぞれの専門職が役割を果たし、医療ミスを防ぐための取り組みや他職種との連携の仕方を学びました。 リハビリテーション科では、現場で活躍されている理学療法士に付いて実際に患者さんに治療を行っている様子を見学させていただきました。患者さんやそのご家族への話し方、接し方を勉強させていただきました。お話を聞かせていただいた他職種の方々は理学療法士がリハビリ中にご家族のことや不安事など踏み入ったことを聞いてくれて、その情報がすごく助かっていると仰っており、患者さんとの結びつきが強い職業だと思いました。 そして、今回の実習を通してまだまだ勉強をして様々な知識を蓄える必要があると感じました。例えば、患者さんと接する際に、病気などについて質問された時に答えられなければ、信頼を得ることが出来ず、十分なリハビリが行えないと思います。また、患者さんやご家族を安心させることも出来ません。他にも、チームとして他の医療職と連携する際にも、自分が欲しい情報や今患者さんの為にどの医療職と協力すればいいかを判断する為にも、理学療法士以外の医療職の知識も必要だと思いました。 実際の現場を体験する事で、将来自分が理学療法士となった時の姿を具体的にイメージする事が出来るようになりました。今回の実習で学んだ事を生かし、患者さんから信頼される理学療法士となる為に今後も努力していきたいと思います。 理学療法学科 1回生 西﨑陽花、畑凛太郎、松田羽奏 このチーム医療ふれあい実習は、1・2年次に行うEarly Exposure Programという側面があります。Early Exposureの教育効果として、 低学年のうちから現場に出て、実際に働いている専門職の姿を見る。 自分たちが将来専門職としてかかわる患者さんたちと関わる。 医療の現場で起きていることと、大学で学んでいることとのつながりを感じる。 など、学生のモチベーションにつながりやすいと言われています。 自ら学ぶという姿勢は、誰かに言われてすぐにできるようなものではなく、学生それぞれに適切に働きかけることにより、徐々に高まっていくものです。彼らの感想から、本実習が学生のモチベーションを高め、「こんな専門職になりたい」という想いをつくる手助けになったのではないかと感じております。 また、多学科混成の学生・教員チームで実習に臨み、それぞれの専門職の役割や立場としての意見・考え方を知るだけでなく、みんなで患者さんを支えていくことの意味に気づいてくれたと思います。 2010年に厚生労働省から「チーム医療の推進について」という報告書でチーム医療の重要性が示されました。本学では2008年から、今年で12回目のチーム医療ふれあい実習を無事終えることができました。 最後に、この場を借りて、ご協力いただきました患者様、施設・指導者の方々に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。 理学療法学科 准教授 松本大輔 【関連記事】 平成30年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催しました! 平成29年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催しました! 平成28年度「チーム医療ふれあい実習」を終えて
2019.09.02
理学療法学科 海外インターンシップ2019 in 台湾に向けて!その1
理学療法学科では、今年度で4回目となる「海外インターンシップ」を行います。 3回生10名、教員4名で令和元年9月5日(木)~11日(水)の7日間の日程で台湾を訪れます。現地では、国立台湾大学、中国医薬大学、輔仁大学の理学療法学科との交流や、英語での講義・実習・プレゼンテーションに加えて、高齢者の方のデイケアセンターにも訪問させていただく予定です。 インターンシップに向けて、今年の4月から毎週木曜5限に集まり、現地でのプレゼンテーションや余興などの準備を進めてきました。プレゼンテーションでは、「日本の理学療法」と「日本の観光地」というテーマで2班に分かれ、英語でのスライドや発表原稿の作成に取り組んできました。 また、英語のスキルを高めるために、毎週木曜の昼休憩にも集まり、1人ずつ英語で発表を行ったり、小グループに分かれて英語でのコミュニケーションの練習もしたりしてきました。 学内活動の初めには、学科長の庄本先生から台湾の歴史や日本との交流についてレクチャーをしていただき、台湾の成り立ちから現在に至るまで、様々なことを学ぶことができました。 さらに、オーストラリアから帰られた瓜谷先生に、英語のトレーニングやアイスブレイキングもしていただきました。英語しか使ってはいけないコミュニケーションに苦戦しましたが、ゲーム感覚で、みんなで楽しく英語に親しむことができました! これらの経験を踏まえ、初めての英語でのプレゼンテーションに戸惑いながらも、先生方のアドバイスをもとに全員で協力し合いながら、より良い発表ができるよう練習を繰り返し行っています。 9月5日(木)の台湾出発に向けて、引き続き準備を進めていきたいと思います!! 理学療法学科3回生 石川江里 濱田琴乃 【関連記事】 海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員と施設見学へ!~理学療法学科 海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員・学生が来学!~理学療法学科 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 vol.4~教員総括~ 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 現地リポートvol.3 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in台湾 現地リポートvol.2 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 現地リポートvol.1 フランスの理学療法学生が来校!~理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾に向けて!
2019.08.28
同窓会レポート~のほほん会(理学療法学科1・2期生)
畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)では、卒業後の同窓生のつながりを活性化することを目的に、一定数以上集まる同窓会の開催を補助しています。 ▶同窓会開催にかかわる補助について(大学ホームページ) 今回は、理学療法学科1期生から届いた同窓会レポートをお届けします! 今年も理学療法学科1期生・2期生有志で恒例の「のほほん会」を盛大に開催することができました。私たち1期生は今年で大学を卒業して13年目になりました。 我ら同士は何年たっても気持ちは若いままです。それでいて心はいつも強い絆で結ばれています。 昨年よりも1人子どもが増え、集合人数は大人・子ども合わせて48名になりました。 民宿を一棟借りていますが、人数が増えすぎて部屋数が足らない状態で、家族同士相部屋になるほどの人数に!!1年ぶりの再会で皆が楽しく過ごせました。1年間の状況報告や家族のことが会話の中心になり、一晩ではでは語りきれない程の話を夜遅くまでしました。家族全員で宴会、恒例の花火大会も行うことができました。 友人から「毎年家族で来ることが楽しみで、これがあるから仕事も頑張れる」や「皆が集まる時間がとても大事に思える」「学生時代のことを思い出しながらお酒を飲むことができて幸せ」などハッピーな会話が自然に出てくることが嬉しく感じました。 幹事である私も、皆さんからそのような言葉を聞けて幹事冥利に尽きます。来年もまた同じ場所で皆と顔を合わせ語らい、騒ぎ、何十年もずっと仲のいい友人関係を継続していきたいです。 理学療法学科1期生 中川和明
2019.08.19
4大学合同ゼミ合宿レポート~理学療法学科瓜谷ゼミ
2019年8月10日(土)~11日(日)の2日間、畿央大学瓜谷ゼミ、埼玉医科大学大久保ゼミ、埼玉県立大学高崎ゼミ、桐蔭横浜大学成田ゼミの四校合同でゼミ合宿を行いました。 <1日目:8/10(土)> 「奈良県社会教育センターまなびやの森・かつらぎ」にて各校の学生が取り組んでいる卒業研究の発表を行いました。約40名が集まり、それぞれの行った研究結果や途中経過について発表し、ディスカッションを行いました。瓜谷ゼミからは4回生の卒業研究2演題と博士課程の大学院生の研究1演題を発表しました。 様々な視点から意見を交わし、研究のレベルをさらに向上させるために何が必要かということや、現状での自分たちのレベルを把握することで、今後の学びに対する姿勢を見直し、向上させなければならないという意識を高めることができたと思います。 また、夜のバーベキューでは、他大学の同期、先輩方と交流を深めるとともに、様々な先生から普段では聞けないような話をしていただき、有意義な時間となりました。 バーベキュー終了後も学部生、大学院生、教員での熱い議論を重ね深夜まで語り合いました。 <2日目:8/11(日)> 1日目に引き続き、場所を移して畿央大学にて勉強会を行いました。 桐蔭横浜大学、埼玉医科大学、現役のPTの方々に研究内容を発表していただき、お互いに刺激しあえる良い会となりました。 最後の懇親会まで含めた2日間で、自分たちもさらなる飛躍にむけて、より勉学・研究に励み、1年間頑張っていこうという気持ちになりました。 今回のゼミ合同合宿を通してより意識を高めることができた貴重な機会となりました。 理学療法学科3回生 瓜谷ゼミ 塩崎壮人 【関連記事】 大阪行岡医療大学池田研究室との合同ゼミを開催!~理学療法学科瓜谷ゼミ 環境省「エコチル調査」の一環で運動教室を開催!~理学療法学科瓜谷ゼミ
2019.08.08
畿央大学に滞在中のタイ人研究者にインタビュー!後編~ニューロリハビリテーション研究センター
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは7月3日(水)から約1か月、タイのチュラロンコ-ン大学から研究者を受け入れています。 前回はアンチャリーさん(以下アンさん)に来日した目的などを伺いましたが、実際に畿央大学に来てみてどうだったのか、インタビューさせていただきました。 Ph.D. Anchalee Foongchomcheay Assistant Professor, Physiotherapist Department of Physical Therapy Faculty of Allied Health Scicences Chulalongkorn University Q.1 今回の滞在では、期待していた成果は得られたのでしょうか? 今回の目的は、タイにはないニューロリハビリテーションにかかわる最新の設備や実験方法などを把握し、そういった最新の知見を「臨床」「教員」「学生」の3方面にうまく還元していくことです。 チュラロンコーン大学で私はニューロリハビリテーション関連科目のチームリーダーを務めていますが、ニューロリハの重要性についてはまだ認知されているとは言えません。一方で脳卒中になったり、それによって何らかの麻痺を生じる患者数もタイ国内で増加傾向にあります。脳科学をベースにしたリハビリテーションへの理解と実践は、Well-Being(身体的・精神的・社会的に良好な状態)の視点でも大変重要だと考えています。森岡センター長、大住准教授の協力もあり、この1か月でどんな研究ができるのか概要をつかむことができました。これらをタイの臨床・教育現場に持ち帰ること自体が大きな成果になると考えています。文化の違いによる研究倫理的な問題や、日本語版しかないアプリケーションをどうするのかといった具体的な課題も見えてきました。 ただ1か月はやはり短すぎるので、トルコから来ているブルジュさんのようにできれば3か月で実際に研究もしてみて…というのが理想的だと思います。 Q.2 畿央大学や奈良での生活はいかがでしたか? 日本全般に言えることですが、まずホスピタリティが素晴らしいですね。言葉がうまく通じなくても、人々が親切であたたかく、自分の家にいるように感じられるのが日本の好きなところです。森岡センター長が自宅で手巻き寿司パーティーを開いてくれたり、大学職員の方が有志でお茶会を開いてくれたり…とおもてなしの心に感謝しています。 ▼手巻き寿司体験 ▼お茶会の様子 それからとにかく平和で安全ですね。先日、奈良にある長谷寺(大学最寄駅から電車1本)に足をのばしました。色とりどりの花がきれいで、長い階段を登った景色も素晴らしかったです。岐路についた夕方には商店街もほとんど閉店してすれ違う通行人も一人くらいでしたが、身の危険を感じることはありませんでした。タイでは暗い夜道を歩くのは避けなければならないので、穏やかな時間を過ごすことができました。 ▼アンさんが撮影した長谷寺の花 それからよく言われることですが、日本の交通機関は完璧ですね!理学療法学科松本大輔准教授と一緒に和歌山の白浜はまゆう病院を訪問したのですが、奈良から和歌山まで日帰りで時間通りに帰ってこれました。電車の順延が日常茶飯事でスケジュールが組めないタイではありえないことです(笑) ▼白浜はまゆう病院にて。 白浜はまゆう病院は病院の清潔感や電子カルテ、MRI、ドライブシュミレーターなど機器が充実していることだけでなく、スタッフが非常に多く、リハビリ室が活気にあふれていることなどタイとの違いを知り、非常に参考になったそうです。将来的にはアンさんの学生さんにもぜひ見学してもらいたい…とおっしゃっていました。リハビリテーション室長の中本先生をはじめ、たくさんの先生方にご丁寧に案内いただき、誠にありがとうございました。(左:理学療法学科2期生 平先生) Q.3 滞在中に一番困ったことは? 不動産会社の方とのコミュニケーションですね。英語ができない方だったので、スマホを使って翻訳したり、どうしても通じないところは日本語が得意な友人に連絡してやりとりをしたり…と、カギをもらったりインターネットにつなぐだけで数時間かかってしまいました(苦笑)でも非常にフレンドリーな方で忍耐強く対応いただいたので、感謝しています。 キャンパス内に宿泊設備が備わっているのがベストですが、それが難しければキャンパス近くのお勧め宿泊リストを作成していただけるとより親切ですね。私はタイ以外での生活経験があるので大丈夫でしたが、初めて日本に来る方なら不便さを感じるかもしれません。アパートから大学まで徒歩約30分の距離も大変でしたが、「健康に良いはず!」と自分に言い聞かせて歩き続けました(笑) 体調が悪くなって病院で診てもらった時には、職員の方が同行して間に入って対応いただいたので、大変助かりました。 Q.4 日本食が好きと伺っていましたが、食生活はいかがでしたか? もともと寿司が大好きでしたが、今回はいろいろな種類のおにぎりや焼き鳥にもチャレンジしました。ランチは毎回学食で食べていましたが、唐揚げを使ったメニューなどを中心にすべておいしかったです。タイでは100円あれば豪勢な昼食が食べられるので、比べるとどうしても高く感じますが(笑) ▼学食で食べた唐マヨ丼 ▼日本のうどんやアイスは毎日でも食べられるくらい好きだそうです。 Q.5 今後の計画を教えてください。 タイに帰る前に来日予定の親戚と少し大阪周辺を観光する予定です。森岡センター長の協力も得ながら、今後も研究ベースでのコラボレーションや若手教員・大学院生が交流する可能性などを検討していきたいと思います。 Q.6 最後に畿央大学関係者や学生にメッセージをお願いします! 母国を出れば自然と「違い」に目が行きます。日本とタイでも文化や価値観、医療や社会福祉、保険制度など他分野にわたってたくさんの違いを発見することができます。ただ、いろんな違いを知っていく中で、国境や文化をこえて「共通していること」もあると気づくことができます。こういった相違点や共通点を知ることが問題解決の糸口になったり、私たちの生活に利益をもたらしたりしてくれるのだと考えています。 もしチュラロンコーン大学での教育や研究に興味がある方がいらっしゃれば、大学を通してご連絡ください。今回のご縁を大切にしていきたいと考えています。 アンさん、ありがとうございました!今回の滞在が、チュラロンコーン大学でのニューロリハビリテーション実践につながっていくことを期待しております。 【関連記事】 畿央大学に滞在中のタイ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター トルコ人研究者に日本や理学療法のあれこれを聞いてみた!~Burcu Dilekさんロングインタビュー
2019.08.07
畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!後編~ニューロリハビリテーション研究センター
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは5月末から8月までの約3か月間、トルコより研究者を受け入れています。Dr.Burcu(発音:ブルジュ)は今回畿央大学に来て2ヶ月が経過し、目標としていた研究も一段落しました。今後の研究のために帰国後も共同して研究を進めていくことができるよう、帰国に向けた準備をしています。 PhD.Burcu DİLEK Assistant Professor, Physiotherapist University: Istanbul Medipol University Department: Physical Therapy and Rehabilitation ▶来日時のインタビュー(前編)はこちら 今回のインタビューでは、研究のことだけではなく、畿央大学および奈良に滞在中に経験したことや訪れた場所、そしてこれからの目標などをうかがいました。 Q.1 7/23(火)には教職員有志によるお茶会を開催しました。いかがでしたか? 本物のお茶はとても飲みやすく、苦みは感じませんでした。和菓子もとても美味しかったです。とくに「あさがお」という和菓子は、口当たりがとても繊細で今まで食べたことのないものでした。茶室にはとても伝統を重んじる特別なものを感じました。静かで程よい緊張感が漂い、床の間の掛け軸や生け花、茶道具、着物、全て新鮮で、茶室での作法ひとつひとつがとても意味のあるものだと感じることができました。その中でも振舞われたお茶を飲みきることには、哲学的な深い意味を感じました。実際に後から、今回準備をしてもらっていたすべてに「歓迎」というテーマがあり、本当に特別な機会を用意してもらったことを知った時はとても感動しました。床の間に飾られた掛け軸には、“一期一会”と書かれており、その意味を知った時には、とてもシンプルな純粋さを感じました。お茶の味、お茶碗のデザイン、招かれたメンバーなど今日このひとときがまさに“一期一会”だと教わり、とても印象深く残っています。 Q.2 今回の滞在中に訪れた場所でどこか印象に残っているところはありますか。 前回日本に来た際も訪れましたが、やはり豊かな自然に囲まれた長谷寺ですね。他の神社などにも足を運びましたが、長谷寺に来ると「戻ってくるべき場所に戻ってきた」ような感覚になり、とても落ち着くことができます。階段を登っていくと本堂があり、その中にある十一面観世音菩薩の説明を読むと、11の顔を持って困っている人々を見逃さないという思いやりがある観音様だと説明されており、この観音様にもどこか神秘的な共感の気持ちを抱きます。 Q.3 今回は3か月という長めの滞在でしたが、違いはありましたか? 前回の滞在は2週間程度しか時間がなかったということと、全てのことが初めての経験だったので、自分にとって良いものも悪いものも選ぶ余裕がありませんでした。加えて、時差ボケが一週間くらいしてようやくおさまってきたと思ったらすぐに帰国…という感じだったので、軽く混乱したまま時間が過ぎてしまった、というのが正直な印象です。ただ、その短い時間の中でも観光をしたり、カラオケや居酒屋に行ったり、さまざまな日本食を楽しむといった経験ができたので、非常によい時間を過ごさせていただきました。 今回は期間が長いということと、前回の経験をもって落ち着いて自分にとって望ましい選択をすることができるので、非常に有意義な時間を過ごすことができています。一つ例えを出すと、今は自分にとって「どんなたこ焼きが好みか」ということが分かるようになり、王寺駅の近くにあるお気に入りのお店に今回も数回訪れ、店主とも仲良くなりタコの形をしたおもちゃをもらいました(笑) Q.4 今回の滞在はいかがでしたか?今後の展望などもあわせて教えてください! “Beyond my expectation” 期待していたよりもはるかにいい経験ができました。これは森岡教授や大住准教授、そして畿央大学の皆さんのおかげです。トルコに戻った後は、今回の経験を活かし、まずは所属しているMedipol Universityにはない装置の購入をしてもらえるように上司の教授に今回の研究内容を伝え、その価値を理解してもらう必要があります。実験の手順などを再現するためにはその装置が必須であり、これまで知らなかった分析手法やソフトウェアの使用によって、現在トルコではあまり実施されていない「痛みと脳のメカニズム」の関係を明らかにしていくことが出来ると思います。トルコでは自分の研究だけに集中するのは難しいのですが、今回の来訪で森岡教授とニューロリハビリテーション研究センターの協力により自分自身が進めていきたい研究に集中する時間と機会を持てたことは、今後の研究を展開するうえで本当に良い経験となりました。 ブルジュさん、インタビューありがとうございました。畿央大学での経験が、今後の教育や研究に生かされていくことをお待ちしています! 【関連記事】 畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター トルコ人研究者に日本や理学療法のあれこれを聞いてみた!~Burcu Dilekさんロングインタビュー
2019.08.01
2019年度 運動器リハビリテーションセミナー「基礎実習編」を開催しました。
2019年7月28日(日)、運動器リハビリテーションセミナー「基礎実習編」が開催されました。 この講習は昨年度から、膝関節における超音波エコー解剖学実習とブタの膝関節を用いた機能解剖学実習の2本立となっております。 「膝関節の超音波エコー解剖学」 担当:理学療法学科 福本貴彦准教授 解剖学実習では、超音波エコーの基礎知識や基本的な使用方法に加え、超音波エコーを用いた膝関節の解剖学を学びました。講義は参加者にも実際に超音波エコーを使用していただくことでさらに理解が行いやすくなっていました。昨今では理学療法士が超音波エコーを臨床や研究、スポーツ現場等で用いられる機会が多くなっており即実践に生かしていただける内容となりました。 「膝関節の機能解剖学実習」 担当:理学療法学科 今北英高教授 機能解剖学実習では、ヒトの膝関節に酷似している新鮮なブタの膝関節を解剖しながら、関節運動学、靭帯や半月板の機能や特性を実際に触れながら体験していただきました。大半の理学療法士は教科書上で学んだ知識をもとに臨床をおこなっていますが、今回ご参加いただいた方には実際に組織に触れることでさらにイメージや理解が深まったとのご意見を多くいただきました。 さらに急遽ですが、関西医科大学麻酔科学講座診療教授の中本達夫先生にも来学いただき、解剖でのご指導に加え、ミニレクチャーを実施していただけました。変形性膝関節症に関する他分野でのアプローチは新鮮で、痛みに対する知識、視点、考え方、どれをとっても興味深い内容でした。 今後も運動器リハビリテーションに対する幅広い知識を畿央大学の教育研究者が情報提供したいと考えています。 今年度のプログラムでは2019年10月27日の「評価編」、2020年1月26日の「臨床応用編」が開催予定、また参加者も募集しておりますので、ぜひ皆様ご参加ください!! ●今後の運動器リハビリテーションセミナー詳細 畿央大学健康科学研究科 博士後期課程 久保峰鳴 【関連記事】 2019年度 畿央大学運動器リハビリテーションセミナー「基礎編」を開講しました。 平成30年度運動器リハビリテーションセミナー「臨床編」を開講しました。 平成30年度運動器リハビリテーションセミナー「臨床実践編 (膝関節)」を開講しました。 平成30年度 運動器リハビリテーションセミナー「エビデンス編」を開講しました。
2019.07.31
トルコ人・タイ人研究者に学ぶ理学療法!~理学療法学科3年次配当「理学療法研究法」
理学療法学科3回生の履修科目である「理学療法研究法」では、研究課題の見つけ方や研究計画の立て方・研究倫理など研究の基礎について学んでいます。また、グループで決定したテーマに合わせて文献を検索し、日本語論文および英語論文の抄読会を行ったり、論文をまとめてプレゼンテーションを行ったりもしています。 今回、ニューロリハビリテーション研究センターに研究のためにトルコから来られたBurcu先生と、タイから来られたAnn先生に英語で講義をしていただきました。 Burcu先生は、トルコのイスタンブールにあるMedipol大学の先生で、トルコの理学療法の現状や大学の理学療法学科のカリキュラム、そして現在ニューロリハビリテーション研究センターで行なっている研究についてお話していただきました。Medipol大学はとても大きく、学生数も多くて、最先端の大学のような印象でした。 Ann先生は、タイのチュラロンコーン大学の先生で、タイの歴史や理学療法の現状、そしてAnn先生の専門である研究についてお話していただきました。Ann先生の研究は、地域在住の高齢者を対象に、Timed Up & Go Test(TUG)を用いた身体能力と年齢などの関連性を検討した研究でした。TUGなど大学で学んだ評価方法が出てきたので、分かりやすかったです。 Burcu先生もAnn先生も、私たちが理解しやすい英語で話してくださったので、トルコやタイの理学療法の現状や、私たちとのカリキュラムの違いも理解することができました。研究をしていくことがこのような国際的な交流を作り出すということと、研究をすることで自分の視野が広がることを実感することができました。 Burcu先生、Ann先生、貴重なお話をしていただき、本当にありがとうございました! 理学療法学科3回生 石川江里 【関連記事】 畿央大学に滞在中のタイ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター トルコ人研究者に日本や理学療法のあれこれを聞いてみた!~Burcu Dilekさんロングインタビュー
2019.07.19
予測-結果の不一致と運動主体感の関係〜ニューロリハビリテーション研究センター
「この行為を引き起しているのは自分だ」という感覚を“運動主体感”といいます。運動主体感は、予測と実際の感覚結果が一致することによって引き起こされる感覚であることが知られています。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周 教授と大住倫弘 准教授らは、明治大学理工学部の嶋田総太郎 教授、慶應義塾大学の前田貴記 講師らと共同で、予測-結果の一致だけで運動主体感が構成されていない可能性を実験的に示しました。この研究成果は,PLoS One誌(The relationship and difference between delay detection ability and judgment of sense of agency)に掲載されています。 研究概要 「この行為を引き起しているのは自分だ」という“運動主体感”は、「この行為によってどのような感覚が引き起こされるか」という予測と、実際の感覚結果の一致によってもたらされる感覚と考えられてきましたが、互いがどれほど密接な関係にあるのかは不明でした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周 教授と大住倫弘 准教授らは、明治大学理工学部の嶋田総太郎 教授、慶應義塾大学の前田 貴記 講師らと共同で、予測-結果の不一致に気づく時間窓と、予測-結果の不一致によって運動主体感が損なわれる時間窓との関係を調査しました。その結果、予測-結果の不一致に気づきやすい被験者ほど運動主体感を損ないやすい傾向があることが確認されましたが、互いの関係は決して強固なものではないことも明らかにされました。この結果は、運動主体感は単なる予測-結果の一致だけで構成されている感覚ではなく、それ以外の要因によって修飾されることを示唆するものです。 本研究のポイント 運動主体感は、予測-結果の一致/不一致だけによって左右されるものではない可能性を示した。 研究概要 1.予測-結果の不一致に気づく時間窓の計測 健常大学生を対象に、映像遅延システム(図1)の中で人差し指を1回だけ動かしてもらいます。映像遅延システムでは、被験者の手の鏡像をビデオカメラで捉えて、そのカメラ映像を「映像遅延装置」経由でモニターへ出力させます。出力されたモニター映像を鏡越しに見ることによって自分の手を見ることができます。また、映像遅延装置によって作為的に映像出力を時間的に遅らせることができます。この遅延時間を100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000ミリ秒の10条件設定をして、被験者がどのくらいの遅延時間で遅延に気づくことができるのかを定量化しました(図3左)。 図1:映像遅延システム 2.予測-結果の不一致によって運動主体感が損なわれる時間窓の計測 健常大学生を対象に、Agency attribution task(Keio method: Maeda et al. 2012, 2013)を実施してもらいました(図2).被験者のボタン押しによって画面上の■がジャンプするようにプログラムされており、さらにボタン押しと■ジャンプの間に時間的遅延を挿入することができ、この遅延時間を100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000ミリ秒の10条件設定をしました。そして、被験者は“自分が■を動かしている感じがするかどうか”を回答するように求められ、被験者がどのくらいの遅延時間で運動主体感が損なわれるのかを定量化しました(図3左)。 図2:Agency attribution task(Keio method) そして、「遅延に気づく時間窓」と「運動主体感が損なわれる時間窓」の相関関係を算出したところ、お互いに一定の関係が認められるものの、その関係は決して強固なものではありませんでした(図3右)。 図3:「遅延に気づく時間窓」と「運動主体感が損なわれる時間窓」の関係 本研究の臨床的意義および今後の展開 運動主体感はリハビリテーションを進める上で欠かすことのできないものです。その運動主体感のメカニズムの一端を明らかにすることができましたが、どのような要因によって運動主体感が修飾されるのかは、今後の研究で明らかにしていかなければなりません。 関連する先行研究 Shimada S et al. Rubber hand illusion under delayed visual feedback. PLoS One. 2009 Jul 9;4(7):e6185. Maeda T, Kato M, Muramatsu T, Iwashita S, Mimura M, Kashima H. Aberrant sense of agency in patients with schizophrenia: forward and backward over-attribution of temporal causality during intentional action. Psychiatry Res. 2012 Jun 30;198(1):1-6.Maeda T, Takahata K, Muramatsu T, Okimura T, Koreki A, Iwashita S, Mimura M,Kato M. Reduced sense of agency in chronic schizophrenia with predominantnegative symptoms. Psychiatry Res. 2013 Oct 30;209(3):386-92. 論文情報 Osumi M, Nobusako S, Zama T, Yokotani N, Shimada S, Maeda T, Morioka S. The relationship and difference between delay detection ability and judgment of sense of agency. PLoS One. 2019 Jul 9;14(7):e0219222. なお、本研究は明治大学理工学部 嶋田総太郎教授、慶應義塾大学 前田 貴記 講師らと共同で行われたものです。また、本研究は文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」の支援(研究課題番号 17H05915)を受けて実施されました。 問い合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授/センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp