2019年の理学療法学科の新着情報一覧
2019.02.22
冬のスポーツ実習2019(in 白馬村)レポート vol.3
2019年2月19日(火)~22日(金)まで、長野県北安曇郡白馬村の白馬五竜スキー場にて、「スポーツ実習B・Ⅱ」が開講されています。受講する1回生116名、助力(2・3回生)24名、教員12名あわせて152名が参加しています。 実習3日目の様子を学生目線でお届けします!! 3日目:2/21(木) 昨日よりは肌寒い環境でしたが、2日目同様天気にも恵まれました! 本格的な練習が始まり、それぞれスキーやスノーボードにも慣れ、グループによってはゴンドラに乗って上からの景色を見たり、そこから滑ったりできるグループもでてきて、それぞれ自分達の成長を実感することができました。 初心者グループの私たちは、講習初日は転んでばかりでしたが、インストラクターの「れみちゃん」さんの指導のおかげでターンも出来るようになりました!コツコツ練習したら誰でもスノーボードが出来るということを実感しました! 実習前は他学部の人達と仲良くできるか不安でしたが、ストレッチの前にじゃんけん大会で盛り上がるなど、3日目にもなると皆で楽しく過ごすことができました。 実習最終日、みんなが怪我無く楽しめますように☆ 理学療法学科1回生 宇野流弥、川端一穂、多賀井日菜、谷口真由香 【関連記事】 冬のスポーツ実習2019(in 白馬村)レポート vol.2 冬のスポーツ実習2019(in 白馬村)レポート vol.1
2019.02.21
冬のスポーツ実習2019(in 白馬村)レポート vol.2
2019年2月19日(火)~22日(金)まで、長野県北安曇郡白馬村の白馬五竜スキー場にて、「スポーツ実習B・Ⅱ」が開講されています。受講する1回生116名、助力(2・3回生)24名、教員12名あわせて152名が参加しています。 実習2日目の様子を学生目線でお届けします!! 2日目:2/20(水) 初日は大雨でしたが、僕らの強い思いがゲレンデの神様に届いて、快晴となりました☼ さぁ畿央大学がゲレンデへの駆け出します! 周りを見渡せば雪に縁のない田舎者の僕達が初めて見る大雪原でした! 初めてスキーブーツを履いたり、ボードに触れてみたり、初めての体験ばっかりでした。 担当インストラクターのいなぞうさんに、転倒の仕方を基礎の基礎からご指導いただきました! 午前中は慣れずにいた動作も、午後になれば段違いにレベルアップしました!フリー滑走でもスノボの経験のある友達に教えてもらったりして、スキルも上がりましたが友情がまた一段と深まりました。 僕達はとてつもない恩人方にささえられ、無事に2日目を生き延びることができました。 明日も楽しみながら成長して、4年後にはインカレに出場できるぐらいまで頑張りたいと思います(笑) 人間環境デザイン学科1回生 正楽仁哉、森田舜 【関連記事】 冬のスポーツ実習2019(in 白馬村)レポート vol.1
2019.02.21
脳卒中後の上肢運動機能に関連する運動イメージ能力~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長の森岡 周教授らの研究グループは、両手協調運動課題(bimanual circle-line coordination task:BCT)を用いて、脳卒中片麻痺患者を対象に、運動イメージ能力、上肢運動機能、そして、日常生活における上肢の使用頻度ならびに動作の質との関係を調べました。一側上肢で直線を描きながら、反対側上肢で円を描くと、それに干渉されてしまい、直線が楕円化するといった現象が確認されています。BCTはそれをもとに開発された課題ですが、本研究では、対象者に非麻痺側上肢で直線を描いてもらいながら、麻痺側上肢で円を描くイメージを求め、その際の楕円化の程度を調べ、その楕円化の程度を運動イメージ能力の定量的指標としました。結果として、中等度〜軽度の上肢運動障害を有している脳卒中患者において、運動イメージ能力は、麻痺側上肢の日常生活における使用頻度を増大させ、その使用の際の動作の質に直接的に関係していることがわかりました。そしてそれら2つの要因を媒介し、上肢運動機能に間接的に関係することがわかりました。この成果は2月18日付けで米国科学誌『Annals of Clinical and Translational Neurology』(Motor‐imagery ability and function of hemiplegic upper limb in stroke patients)に掲載されました。 本研究のポイント ■ bimanual circle-line coordination task(BCT)は、麻痺側上肢の運動イメージ能力を定量的に評価できる手法である。 ■ 脳卒中患者における麻痺側上肢の運動イメージ能力は、日常生活における麻痺側上肢の使用頻度・動作の質に関係し、それらを媒介して上肢運動機能に関係する。 研究内容 本研究ではBCTを用いて、運動イメージ能力を定量的に調べ、運動イメージ能力が片麻痺上肢の運動機能や麻痺肢の使用頻度などに関係するかを明らかにしたものです。 対象は脳卒中片麻痺患者31名でした。BCTにはタブレット型PCを使用し、その課題は(1)unimanual-line(U-L):非麻痺側のみで直線を描く条件、(2)bimanual circle-line(B-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描く条件、(3)imagery circle-line(I-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描くイメージを行う3条件(図1)で行い、各々12秒間3セット、ランダムに実施しました。描かれた直線を記録し、その軌跡を1周期ごとに分解し、その歪みを数値化するためにovalization index(OI =[X軸データの標準偏差/Y軸データの標準偏差]×100)を算出しました。 図1: BCT課題の概要 A: 3条件の概要、U-L condition;非麻痺側上肢で直線を描く課題、B-CL condition;非麻痺側上肢で直線を描きつつ麻痺側上肢で円を描く課題、I-CL condition;非麻痺側上肢で直線を描きつつ麻痺側上肢で円を描くイメージを行う課題。B: 代表的なケースの軌跡、向かって左はU-Lの軌跡、右はI-CLの軌跡。I-CLのovalization indexからU-Lのovalization indexを減算した値をImage OI(運動イメージ能力)と定義しました。 運動麻痺の評価にはFugl-Meyer Motor Assessment(FMA)、日常生活での使用頻度にはMotor Activity Log(MAL)のAmount of Use(AOU)、動作の質にはMALのQuality of Movemen(QOM)を用いて評価しました。 OI値は、ULに対してBCLおよびICLで有意な増加を認めました。BCLとICLの間には有意差が見られず、BCLあるいはICLのOI値からULのOI値を減算したImage OI値においても、BCLとICLの間に有意差が見られませんでした。ゆえに、脳卒中片麻痺患者においても、運動イメージ能力を有していることが明らかになりました。 FMAとAOUの値を用いてクラスター分析した結果、2つのクラスター(クラスター1:10名、クラスター2 :21名)に分けられました。このうち、クラスター2のみFMAとAOUあるいはQOMに有意な相関が得られました。 クラスター2のデータを用いて媒介分析を行ったところ、媒介なしの場合ではImage OIとFMAの間に有意な相関が認められましたが、AOUあるいはQOMを媒介させると、それらの間に有意な相関が示されず、Image OIとAOUあるいはQOMの間に有意な相関、そして、AOUあるいはQOMとFMAの間に有意な相関が確認されました(図2)。 図2: 媒介分析の結果 媒介なしの場合ではImage OIとFMAの間に有意な相関をみとめましたが、AOUあるいはQOMを媒介させると有意な相関がみられなくなりました。一方、AOU媒介モデル(A)では、Image OIとAOUの間に有意な相関、AOUとFMAの間に有意な相関を認めました。他方、QOMモデル(B)においてもImage OIとQOMの間に有意な相関、QOMとFMAの間に有意な相関を認めました。AOUあるいはQOMを介したImage OIとFMAの間接効果は、ブーストラップ信頼区間(95%CI)から有意な正の効果を示すことがわかりました。 これらの結果から、脳卒中片麻痺患者において、運動イメージ能力の存在を定量的に確認することができました。一方で、運動イメージ能力は運動麻痺の程度に直接には関係しないものの、麻痺肢の使用頻度や動作の質に関係し、それらを媒介し、運動麻痺の程度に間接的に関係することが明らかになりました。 本研究の臨床意義および今後の展開 本研究結果は、脳卒中後の運動イメージ能力の向上が麻痺肢の使用頻度を増加ならびに動作の質を改善させ、それに基づき運動障害が改善することを示唆するものですが、その関係性を明確なものとするためには、縦断的調査を試みる必要があると考え、現在、それに取り組んでいます。 論文情報 Morioka S, Osumi M, Nishi Y, Ishigaki T, Ishibashi R, Sakauchi T, Takamura Y, Nobusako S. Motor‐imagery ability and function of hemiplegic upper limb in stroke patients Annals of Clinical and Translational Neurology 2019 問合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2019.02.19
大学業界初の「親子インタビュー動画」を同時リリースしました。
2019.02.18
畿央大学短期留学プログラム2019(カナダ) 現地リポートvol.1~出発編!
毎年この時期に行われる、短期語学留学(春期)が始まります。行き先はカナダのヴィクトリア。西海岸の静かな街です。2019年2月16日(土)から3月7日(木)までの20日間の語学研修プログラムです。 昨年10月に募集を開始した参加者は17名。これまで5回のオリエンテーションを重ね、現地での生活(特に安全について)やホームステイ先でのマナー、緊急時の対応や現地で必要な英語表現などについて学んできました。日本で学んだことを現地で実際に使ってみる経験がこれから始まります。 これから2週間の語学研修と5日間の自由時間について参加者から順次レポートしてもらいます。 現代教育学科 准教授 竹下幸男 【学生からのレポート:出発編】 健康科学部理学療法学科1回生の近藤隆世です。 初日の空港での様子や、バンクーバーからヴィクトリアまでのフェリーでの様子を報告します。 伊丹空港から羽田空港に到着後、次のフライトまで時間があったので、空港で軽く夜ごはんを食べました。食べ終わった後は英語での自己紹介を考えたり、ホストファミリーに対する質問(洗濯を週に何回するか など)を事前にまとめたりしました。 理学療法学科からの参加が私だけだったので知っている人がいませんでしたが、他の学部の人にたくさん話しかけてもらえたので嬉しかったです。英語の知識も共有することができ、良い時間を過ごすことができました。 バンクーバー空港から車でフェリーターミナルへ行き、フェリーの乗船時間までフェリーターミナルにあるマーケットで時間を過ごしました。軽食やお土産が充実していたので、ぜひ訪れてもらいたいです。 バンクーバーからヴィクトリアまではフェリーで一時間半ほどですが、寒い中デッキに出て楽しみました。天気が曇りだったのが少し残念でしたが、またヴィクトリアからバンクーバーまで乗る機会があるので、その時は晴れるといいなと思います。とても大きなフェリーで、中にはカフェやギフトショップもあるのであっという間に時間が過ぎていきました。 不安な気持ちが大きいですが、ホストファミリーと楽しく過ごして、英語もたくさん話したいと思います! 理学療法学科1回生 近藤隆世 【関連記事】 ●過去のイギリス短期語学留学の記事はコチラから! ●過去のカナダ短期語学留学の記事はコチラから!
2019.02.13
「広陵町・香芝市×畿央大学 介護予防リーダー養成講座」を開講しました。
平成31年2月12日(火)10:40より本学にて、包括連携協定を締結している広陵町、香芝市および畿央大学が連携して行う「広陵町・香芝市×畿央大学 介護予防リーダー養成講座」の開講式および第1回目の講座が開催されました。 広陵町としては第5回目、香芝市としては第4回目の取り組みとなり、今年度は広陵町からは6名、香芝市からは9名が参加されます。3月下旬までに本学にて全11回の講座を受講し、講座終了後には介護予防リーダー KEEP(Koryo/Kashiba Elderly Encouragement Project)として認定され、介護予防の担い手として実際に地域の健康づくり(地域イベントやサロン等)に貢献されます。人材育成にとどまらず、活動の機会とフォローアップまでを行うことが本講座の大きな特長です。 畿央大学では、この取り組みに理学療法学科の高取克彦准教授と松本大輔助教が全面協力し、「KAGUYAプロジェクト」(私立大学戦略的研究基盤形成支援事業)の一環として協働していきます。 ▼理学療法学科 高取准教授 開講式では広陵町増田福祉部長と香芝市黒越健康福祉部長のご挨拶があり、これからの広陵町、香芝市の健康づくりのリーダーとして活躍し、地域を元気にする中心となるよう期待の言葉がかけられました。 開講式に続いて第1回目の講義があり、広陵町および香芝市の介護福祉課職員の方から、介護予防の現状と課題について説明がされました。その後、自己紹介とグループワークが行われ、最初は緊張気味の参加者もグループワークを通じて徐々に笑顔が見られ、和やかな雰囲気になりました。 全11回の長丁場ですが、本学も積極的にサポートしていきます。 【関連リンク】 広陵町・香芝市×畿央大学「介護予防リーダー養成講座」説明会が開催されました。 平成30年度開講式の様子 KAGUYAプロジェクト紹介リーフレット 広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトfacebookページ 畿央大学ヘルスプロモーションセンター
2019.01.30
海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員と施設見学へ!~理学療法学科
2019年1月26日(土)に理学療法学科の学生が海外インターンシップで訪れた中国医薬大学(CMU)の教員と学生が畿央大学を訪問してくださいました。 翌日1月27日(日)、Yu-Jung Cheng先生と松本は和歌山県にある白浜はまゆう病院へ見学に行きました。 白浜はまゆう病院は、一般病棟、回復期リハ病棟、介護療養病棟だけではなく介護保険によるデイケアセンター、訪問看護ステーションなど幅広く、地域を支える病院です。リハビリテーションスタッフは約80名と紀南地域では最も多いようです。 白浜はまゆう病院は本学の実習地でもあり、卒業生も就職させていただいていることと、中国語ができるスタッフがいらっしゃることもあり、今回の海外からの見学も快く受け入れてくださり、リハビリテーション室長の中本先生をはじめ、たくさんの先生方にご案内いただきました。 ▲病棟によっては患者様も天然温泉に入ることができるようです。 ▲病棟からの景色は最高です。夏には花火も見えるようです。 ▲運転技術を評価する機器 特に台湾の高齢化率は12~3%と日本に比べると低いですが、急激に増加していることから、台湾でも近年、介護保険制度が制定されました。そこで、台湾でも介護保険下での理学療法士の活躍が求められていることから、非常に関心が高く、多くの質問をされていました。 また、Yu-jung先生から台湾では日本と比べ、臨床実習の期間は1.5倍以上長いことや、理学療法士自身が個人PTクリニックをひらく方が増えてきていることなどを病院の先生方に紹介してくださいました。 このように、実際に現場を見て情報交換することで、国を超えお互いの良いところを共有し、参考になる可能性があることを感じることができました。 この場をお借りして、ご協力いただきました白浜はまゆう病院の先生方、関係者の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。 理学療法学科助教 松本大輔 【関連記事】 海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員・学生が来学!~理学療法学科 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 vol.4~教員総括~ 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in台湾 現地リポートvol.3 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in台湾 現地リポートvol.2 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 現地リポートvol.1 フランスの理学療法学生が来校!~理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾に向けて!
2019.01.28
海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員・学生が来学!~理学療法学科
2019年1月26日(土)、理学療法学科の学生が「海外インターンシップ」で訪れた中国医薬大学(CMU)の教員と学生が、畿央大学を訪問してくださいました! まずは、インターンシップのメンバーである今北先生、宮本先生、松本と昼食を共にした後、健康支援センターで骨密度チェックをしました。本学学生は健康診断で毎年測定しますが、今まで測ったことがなかったようで、学生全員、同年代の平均以上で喜んでいました。 また、ニューロリハビリテーション研究センターや運動負荷試験に関連する機器の説明をした後、今北先生のラボで研究機器の紹介をし、一通り案内が済んだところで、理学療法実習室で本学学生からの歓迎会へ。 本学学生たちがお菓子だけではなく、たこやき・おはぎなども準備して楽しみに待っていたのですが、久しぶりに英語を使うので、お互い戸惑う場面もありました。 そこで、CMUの学生4名は本学の3年生よりも一足早く日本の病院実習をしているということで、「新しく覚えた日本語は何ですか?」と聞くと、「しんどい…」と答えてくれました。 どの国の学生も理学療法の実習は大変なようです… 指導者の先生とは、英語でのコミュニケーションで患者さんとなかなかお話できていないということだったので、即興で本学学生から日本語講座が始まりました。 Repeat after me! Watashi no namae wa ○○ desu! Yoroshiku Onegaishimasu! 少しずつ緊張がほぐれ、みんなでお菓子を食べながら日本での病院実習や観光のことなどを話し、交流することができました。 そして、今回はYu-Jung Cheng先生から“Basic Research in Physical Therapy-An Example of Low level LASER Therapy-”と題し、動物実験を用いた物理療法に関する研究の紹介をしていただきました。専門的な内容でしたが、かなりシンプルにまとめて下さっていたことと、同じ専門分野の今北先生の通訳かつ補足もあり、なんとか理解することができました。 本学学生からは、「なぜ基礎研究を始めようと思ったのですか?」などの質問があり、CMUの学生も日頃授業では聞けない先生の専門的な話を興味深く聞いていました。 また、そこで話が盛り上がり、急遽、今北先生が先日受賞された筋膜(Fascia)の研究の紹介をしていただくことになりました。臨床現場でよくある疑問の解決につながるような実験結果で、両学生たちにとって、これからの実習や臨床の参考になったようでした。 最後は私たちからCMUの先生・学生へ、大学のパンフレットや畿央グッズのプレゼント!メモ帳や付箋・ボールペンなど実習に使えるものばかりで喜んでいました。 実習中・試験期間中と忙しくても、顔を合わせて、「試験頑張って」「実習頑張ってね」とエールを交わし、国は違えど同じ夢をもつ友達がいることで、お互いにとって、さらに頑張る力になったのではないかと思います。 海外インターンシップが終わった後も、SNSなどで連絡を取り合いながら、このように学生達が再会することが出来て、さらに仲良くなれるのも、本学ならではの取り組みではないかと思います。 現在2回生に対し参加者を募集しているところですので、次回も有意義な授業にできるように準備を進めたいと思います。 理学療法学科助教 松本大輔 【関連記事】 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 vol.4~教員総括~ 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in台湾 現地リポートvol.3 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in台湾 現地リポートvol.2 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 現地リポートvol.1 フランスの理学療法学生が来校!~理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾に向けて! 海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員・学生が来学!~理学療法学科
2019.01.15
徒手牽引の鎮痛効果を「信号検出理論」で検証~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
徒手牽引は鎮痛手段の1つとして用いられていますが、その鎮痛効果が“主観的なバイアス”によるものか“徒手牽引そのもの”による効果なのか明らかになっていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の重藤隼人氏と森岡周教授らは、心理物理学的手法である信号検出理論による実験で、徒手牽引はAδ線維由来の一次痛に対して主観的なバイアスよりも、徒手牽引そのものによって鎮痛効果が引き起こされていることを明らかにしました。この知見は、徒手牽引を介入手段として選択する際の意思決定に役立つ基礎的知見になるものと期待されます。この研究成果は、Pain Medicine誌(Experimental Pain Is Alleviated by Manual Traction Itself Rather than Subjective Bias in the Knee: A Signal Detection Analysis)に掲載されています。 研究概要 徒手牽引は臨床場面で鎮痛を目的とした治療に用いられています。しかし、徒手牽引の鎮痛効果が主観的なバイアスによるものか、徒手牽引によるものかは明らかにされていませんでした。また、徒手牽引に伴う触刺激自体も鎮痛効果を有しているとされていますが。徒手牽引と触刺激の鎮痛効果の違いは明らかになっていませんでした。そこで、疼痛研究分野で応用されつつある「信号検出理論」と呼ばれる心理物理学的手法を用いて、徒手牽引および触刺激のAδ線維由来の一次痛およびC線維由来の二次痛に対する鎮痛効果が、疼痛感受性の低下によるものか、主観的なバイアスによるものかを鑑別し検討しました。その結果、徒手牽引は一次痛に対して鎮痛効果を有し、触刺激は一次痛および二次痛に対して鎮痛効果を有していることがわかりました。そして、徒手牽引の一次痛の鎮痛効果は、主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下によって引き起こされていることが明らかになりました。 本研究のポイント ■ 信号検出理論による解析によって、鎮痛効果を疼痛感受性と主観的なバイアスの影響に鑑別した。 ■ 徒手牽引はAδ線維由来の一次痛に鎮痛効果を有し、触刺激はAδ線維由来の一次痛およびC線維由来の二次痛に鎮痛効果を認めた。 ■ 徒手牽引の一次痛に対する鎮痛効果は、主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下による影響が大きかった。 研究内容 健常成人を対象に、1)徒手牽引×Aδ線維、2)触刺激×Aδ線維、3)徒手牽引×C線維、4)触刺激×C線維、の4条件の実験を実施しました。介入(図1)前後に疼痛強度の選択課題を実施させます。この課題では、「低強度」・「高強度」の2つの刺激強度を設定し、ランダムに「低強度」もしくは「高強度」の電気刺激を被験者に実施し、被験者は電気刺激が「低強度」・「高強度」どちらであったか回答を行いました。 回答は下記の4パターンに分類され、各回答の割合を解析に用いました。 Hit:高強度を高強度と回答 Miss:高強度を低強度と回答 False Alarm:低強度を高強度と回答 Correct Rejection:低強度を低強度と回答 本研究ではHit率(Hitの割合)の低下を鎮痛効果と定義しています。 信号検出理論による解析では、Hit率およびFalse Alarm率を用いて、d`(感度)とC(バイアス)を算出することができ、d`の低下が識別能力の低下(≒疼痛感受性の低下)による鎮痛を示し、Cの低下が主観的なバイアスの増大による鎮痛を示しています。 図1:徒手牽引(A)、触刺激(B) 実験の結果、徒手牽引ではAδ線維でHit率の低下を認め、触刺激ではAδ線維およびC線維でHit率の低下を認めました(図2)。鎮痛効果を認めた徒手牽引のAδ線維のd`(感度)とC(バイアス)に着目すると、C(バイアス)よりもd`(感度)の変化が大きく認められました(図2)。つまり、徒手牽引によるAδ線維由来の痛みの軽減は、主観的なバイアスよりも疼痛感受性の低下によって引き起こされていました。 図2:A.Aδ線維での徒手牽引・触刺激前後のHit率とFalse Alarm率、d`(感度)とC(バイアス). B.C線維での徒手牽引・触刺激前後のHit率とFalse Alarm率、d`(感度)とC(バイアス). *p<0.05. #p<0.10. 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、徒手牽引はAδ線維由来の痛みに対して有効であり、その鎮痛効果は主観的なバイアスによるものではなく徒手牽引そのものによって引き起こされていることを示唆するものです。徒手牽引による鎮痛効果が、主観的バイアスによるものではないという事実は、臨床的には意義がある基礎研究と考えられます。 論文情報 Sigetoh H, Osumi M, Morioka S. Experimental Pain Is Alleviated by Manual Traction Itself Rather than Subjective Bias in the Knee: A Signal Detection Analysis Pain Medicine 2019 問合せ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 重藤隼人(シゲトウ ハヤト) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2019.01.11
大学院生の研究成果が神経科学分野で権威ある雑誌「Cortex」に掲載されました。
脳卒中後に生じる高次脳機能障害「半側空間無視」 のあらたな評価手法を開発 畿央大学大学院博士後期課程の大松聡子氏、森岡 周教授、国立障害者リハビリテーションセンター神経筋機能研究室の河島則天室長(畿央大学大学院健康科学研究科客員教授)らの研究グループは、脳卒中後に生じる高次脳機能障害の一つである「半側空間無視」症状の新たな評価手法を開発しました。半側空間無視は損傷を受けた脳と反対側の空間の物体やできごとが認識できなくなる不思議な症状で、症状が慢性化すると日常生活に大きな支障を来します。大松氏たちは、視線分析によって半側空間無視症状を簡便かつ定量的に評価できる手法を開発し、その有用性に関する重要な知見を得ました。従来の検査は紙面検査や日常生活の行動観察によるもので、検査に時間を要することや、重症度の高い患者の評価が困難であるなどの限界点がありました。開発手法は、PC画面上に提示された対の左右反転画像を見ているときの視線の分布特性を分析することで無視症状の程度や特徴を捉えるもので、今後、臨床場面での活用が期待されます。 この成果は1月5日付けで、神経科学分野で権威ある英国科学誌『Cortex』に掲載されました。 国立障害者リハビリテーションセンター プレスリリース 畿央大学 プレスリリース 研究概要 半側空間無視は、脳卒中後に生じる高次脳機能障害の一つで、損傷を受けた大脳半球の反対側の空間にある物体や事象を無視してしまう神経症状です。脳卒中後のリハビリテーションでは、紙面検査や行動観察によって無視症状についての評価を行うことが一般的ですが、検査実施に時間を要すること、患者側に集中力や認知的負荷を強いることなどの問題点があり、加えて重症度の高い患者では評価が困難であるなどの限界点があります。空間無視、という言葉に表れるように、この症状は空間上の物体や事象を認識できなくなる症状で、筆記検査や言語での回答を要求するような検査手法では、症状の特性を捉える上で限界があります。 今回発表した論文では、視線分析を用いて直観的かつ定量的に無視症状を捉えるための手法を開発し、その有用性についての検証を行いました。単に様々な画像を注視した際の視線分析を行うのではなく、左右を反転させた対の画像を用い、注視対象の空間配置に応じて視線がどのように推移するかを分析する工夫を施しました(図1)。 【図1 開発手法の概要】 患者さんにコンピュータスクリーン上に提示される画像をただ見るのみ、という課題を行いました(A)。提示される画像は、図Bで示される元画像6種類(B)に、それぞれを左右反転した画像、計12画像でした。分析は、対の左右反転画像の視線データを合わせ、平均したものを視線偏向(°)として用いました(C )。 図中に示すような対の左右反転画像を自由に見ている(Free viewing)ときの私たちの視線は、画面の右空間に注視対象があれば右空間に集中し、画像の左右空間を反転することで注視対象が左に移れば視線もまた、左空間に集中します(図1C、図2:健常群)。一方、半側空間無視をもつ患者群では、右空間に注視対象があるときこそ右に視線が集中するものの、画像を左右反転させ、注視対象が左に移ったとしても対象を探索できず、依然として右空間を注視するような特徴を持ちます(図2:無視群)。私たちはこの特性を利用して、無視症状の特徴を捉えることを試みました。左右反転画像を用いるメリットは、元画像と左右反転画像に含まれる物理的(輝度や色彩など)、認知的要素(意味性や文脈など)を統一した状態で、左右の空間的位置関係のみを反転できる、ということになります。また、画像間の視線分布の違いに表れるように、注視対象の特性(生物or無生物、単数or複数、配列の方向性や意味性)により、無視空間への視線配分に変化を認めました(図2)。つまり、半側空間無視症例が見せる『無視空間』は空間上の固定された範囲で生じるのではなく、画像に含まれる情報や要素に応じて変化することを示唆しています。これらの結果は、左右反転画像を用いた視線分析が、評価の視点だけでなく、リハビリテーション介入を考える上での重要な情報を提供し得るものと考えられます。 【図2 研究結果の概要】 画像ごとの視線分布の結果です。視線のカラーマップ(上:健常群、下:無視群)は赤くなっている箇所が、長く注視されていた部分です。折れ線グラフは、横軸が画像の横軸に対応しており、縦軸は横軸の各左右位置を見ていた時間の割合を示した図です。健常者は画像が反転すると視線も反転して、どちらも類似した箇所を見ていますが、無視群は右に偏った特徴があります。ただし、少女や金魚の画像では、他群と類似した視線分布となっていることが分かります。 【図3 全画像を通じた結果】 本論文で開発した左右反転画像の注視点分析による評価結果は、無視のない群と比較して無視群の視線が有意に右へ偏向しており、かつ通常臨床で使用される行動性無視検査(BIT)結果と有意な相関を示しました。開発手法は所要時間が数分足らずで実施可能で、かつ覚醒レベルの停滞や全般性注意障害、認知機能面の低下を合併しているような、BIT検査の実施が困難な症例にも実施可能です。本論文の対象のうち2名は、BIT検査が実施困難でしたが、開発手法による評価が実施可能でした。今後、臨床場面での無視症状の把握に活用することが期待できます。 論文情報 Ohmatsu S, Takamura Y, Fujii S, Tanaka K, Morioka S, Kawashima N. Visual search pattern during free viewing of horizontally flipped images in patients with unilateral spatial neglect. Cortex 113: 83-95, 2019 補足情報 研究成果の一部は既に実用化され、株式会社クレアクトより製品販売されています。 https://www.creact.co.jp/item/welfare/attention/usn_attention/attention-top 問合せ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 大松 聡子(オオマツ サトコ) Tel: 04-2995-3100(内線7190) Fax: 04-2995-3132 E-mail: ohmatsu-satoko@rehab.go.jp 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp 国立障害者リハビリテーションセンター 研究所運動機能系障害研究部 神経筋機能障害研究室長 河島 則天(カワシマ ノリタカ) Tel: 04-2995-3100(内線2520) Fax: 04-2995-3132 E-mail: nori@rehab.go.jp