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理学療法学科の新着情報一覧

理学療法学科の新着情報一覧

2014.07.04

大学院生の論文が、神経心理学雑誌に掲載!~健康科学研究科

6月25日発行の「神経心理学」(2014 Vol.30 No.2)に私が修士課程在籍中に行った研究内容をまとめました「脊髄損傷者の下肢運動イメージ能力」が掲載されました。 (http://www.neuropsychology.gr.jp/journal/journal_j.html)     本論文では、脊髄損傷者を対象として下肢の運動イメージ能力について調べました。運動イメージの評価にはTime dependent motor imagery スクリーニングテスト(TDMI)とThe Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire(KVIQ)の2種類を用いました。TDMIは運動イメージの時間的側面を評価し、KVIQは運動イメージの鮮明度を「視覚イメージ」と「運動感覚イメージ」に分けて評価します。分析では、脊髄損傷者をさらに完全損傷者と不全損傷者に分類して運動イメージ能力の比較を行いました。結果は、脊髄損傷者で運動イメージの時間的側面は維持されていましたが、不全損傷者では視覚イメージが低下していることが明らかにされました。それとは逆に、完全損傷者では健常者と同様に視覚イメージが運動感覚イメージより高い鮮明度を示す傾向にあることがわかりました。 今回の研究は、脊髄損傷者の運動イメージの特徴を明らかにした初めてものであり、脊髄損傷者の病態を理解する上での有用な資料になることを期待しています。今後は、脊髄損傷者に対する運動イメージを利用した治療法を模索・提案していくとともに脊髄損傷者の様々な病態について理解を深めていけるよう研究を進めていきたいと考えています。   普段、私は理学療法士として病院に勤務し、脊髄損傷者のリハビリテーションの援助をさせていただいております。そのような日常で感じた疑問に関して、大学院の研究で明らかにすることができ、うれしく思っております。掲載された論文が、少しでも脊髄損傷後のリハビリテーションに生かされることを願っております。 また、掲載された「神経心理学」は、1985年に創刊された歴史ある雑誌です。神経心理学は、脳損傷や発達障害による高次脳機能障害を中心とした脳に関連する様々な内容を取り挙げる分野になります。脊髄損傷自体では脳損傷が伴うわけではありませんので、脊髄損傷後の脳機能について取り挙げられることは少ないのが現状です。その中で、私の論文が神経心理学に掲載されたことは、非常に光栄に思っております。理学療法士のフィールドのみならず、色々な立場の方に見ていただけることは、これからの私の研究の糧になると感じています。さらに、今後も社会に貢献していけるよう研究に取り組み、公表していきたいと思います。     最後に、研究に快く協力してくださった脊髄損傷者の皆様、ご指導いただきました森岡 周教授、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志客員講師、研究内容についてアドバイスしてくれた研究室の仲間達にこの場をかりてお礼を申し上げます。   畿央大学大学院 健康科学研究科博士後期課程 神経リハビリテーション学研究室 佐藤剛介

2014.06.25

第24回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!

2014年(平成26年)5月25日に理学療法学科卒業生による勉強会KSM(Kio Study Meeting)が開催されました。   畿央大学6期生の藤原がブログを担当させていただきます。 KSMは畿央大学理学療法学科の卒業生が立ち上げた勉強会ですが、現在は4期生、6期生のメンバーが参加しており、急性期・回復期・クリニック・デイサービス・訪問サービス・自費診療領域などさまざまな臨床領域で働いている卒業生、また経験年数もさまざまで、広い視点でのテーマ・ディスカッションができています。   前回から中枢領域・整形領域・自由テーマといったようなテーマを絞って、体系的に行っています。 今回は中枢テーマでは佐藤さんによる「延髄レベルでの出血にて障害を生じた症例に関する発表」、自由テーマでは中田さんによる「腰痛症患者の評価、治療戦略といった実技」の2本でした。   佐藤さんの症例検討は、画像所見から予測した疾患の障害像の予測から実際の患者さんの動作をみんなで行い、身体機能面での評価の検討やそれぞれの視点から問題点の抽出を行い治療戦略を立案しました。多くの視点からのディスカッションができその患者様のADL(Activities of Daily Living/日常生活動作)向上に向けて前向きな意見交換ができました。     次に、中田さんの実技では、参加メンバーで腰痛を持っている3名を被験者として、みんなで問題点を話し合い、実際に治療を行い、治療効果を検討しました。 それぞれの訴えやアライメントなどを実際にみんなで検討することでより理解が深まり臨床の幅が広がりました。     さまざまな環境で経験を重ねたメンバーが、そのひとの症状や生活を改善する、といったひとつの目標に対して、経験や知識、技術、考えを共有することで、また臨床での患者様に反映できています。 学校でのつながりを深めることができる環境に本当に感謝です。   理学療法学科6期生 藤原 菜津 【今までの記事】 第23回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第22回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第21回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!  

2014.06.24

運動器リハビリテーションセミナー(基礎編)を開催しました!

2014年6月22(日)、『運動器リハビリテーションセミナー2014』基礎編を開催いたしました。       このセミナーは2012年度から始まり、今年で3年目になります。セミナーは基礎・応用・臨床・実践の4編構成になっており、リハビリテーション専門職種に対して運動器を基礎から最新の知見までを系統立てて学べるようになっていますが、今年度からは臨床編を「下肢」、実践編を「歩行」に重点をおき、更に専門的な学びをめざしています。 当日はあいにくの雨模様でしたが、熱心に聴講されていました。近畿圏を中心に全国から参加いただいた約45名のほとんどは20~30代の理学療法士で、若い世代のモチベーションの高さを実感し、そのパワーを分けてもらったように思います。運動器リハビリテーションセミナーは、リカレント教育として畿央大学理学療法学科卒業生の受講者が多いのが特徴ですが、今回は5月末に完成したばかりの新校舎P棟P203教室を利用して行われ、卒業生にとっても新しい校舎で最新の知見を学ぶ良い機会になったようです。   1限目は峯松亮先生が「骨の知識」について、運動器リハビリテーションの基礎となる解剖学を中心に話されました。       2限目は今北英高先生による「筋の知識」について、先生自身が昨年取り組んでこられたアメリカでの在外研究での研究結果なども交え、最新の知見を学びました。     3限目は瓜谷大輔先生が「関節の知識」について、靭帯のバイオメカニクス的特性や骨密度などを関連付けて分かりやすく講演されました。       4限目は福本貴彦先生から「バイオメカニクスの知識」について力学的な観点からのリハビリについてお話されました。     受講者アンケートでは、運動器の基礎を再度復習でき最新知見が取得できた、体幹について学びたいなどのご要望をいただきました。運動器リハビリテーションセミナーは、それぞれの分野のスペシャリストが全力で講演しておられます。講師陣も若い人たちに負けないように引き続き切磋琢磨し、「畿央大学運動器リハビリテーションセミナー」をより発展させていきたいと考えております。引き続き、応用編(8月)、臨床編:下肢(10月)、実践編:歩行(2015年2月)と続きます。現在も、継続して受付しています。ご来場をお待ちしております。    

2014.06.18

平成26年度 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(基礎編)を開催しました。

平成26年6月14日(土)、15日(日)に「平成26年度  畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(基礎編)」を開催いたしました。   今年度のスタートとなる「基礎編」は、明日からの臨床現場ですぐに使えるような情報というわけではなく、その名の通り「基礎」に重点を置き、脳の構造と機能に関する情報をメインとしたセミナーです。 日本全国から約300名(うち卒業生約20名)の皆さんにご来場いただきました。 「基礎編」は、講師陣がリハビリテーションに必要な情報を選択した内容となっていましたので、今回の「基礎編」を理解することによって、「応用編」や「臨床編」で紹介される内容の理解により一層の深みが出てくると思います。 脳の構造と機能は非常に複雑なこともあり、やや情報過多となってしまったかもしれません。 そのため、セミナーで配布する資料には引用元が記載されており、必要な時に詳細を調べたりすることができるよう作成されています。 その結果セミナー後も、それぞれの臨床場面にフィッティングする情報を利用していくことができるというわけです。       また、初日のセミナー終了後には、学生食堂(新館)にて、約70名が集い、懇親会を行いました。   今年度のニューロリハビリテーションセミナーは、まだ始まったばかりです。 これに続く「応用編」「臨床編」「研究編」も良い情報を提供したいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 特任助教 大住倫弘

2014.06.17

平成26年度の奨励賞授与式を執り行いました。

平成26年度冬木智子特別奨励賞・畿央大学特別奨励賞の授与式が、6月12日(木)昼休み、C棟エントランスホールにて執り行われました。     「冬木智子特別奨励賞」は、冬木智子理事長の私財の寄附により設立された特別奨励基金により、冬木学園各校に在籍し、学業・人物・諸活動で優秀な成績を上げた学生に、表彰状ならびに奨励金20万円を贈るものです。畿央大学では、各学科から1名、合計5名が選ばれました。 「畿央大学特別奨励賞」は、学業成績、人物ともに優秀な学生に対し、さらなる活躍を期待し、表彰状ならびに奨励金10万円を贈るもので、各学科2~4回生の各1名(教育学部は各2名)、合計18名が選ばれました。     教職員、学生たちが見守るなか、冬木智子理事長より表彰状と奨励金が一人ひとりに手渡されました。 授与後の挨拶のなかで、理事長は、卒業後の社会の中で、建学の精神である「徳をのばす、知をみがく、美をつくる」を実践し、ひろげていくことを願っており、在学中は、リーダーとしての自覚を持って、一層勉学と諸活動に励んで活躍してください、と語られました。     受賞した学生は、「とてもうれしいです。一層がんばります。」と決意を新たにしていました。 授賞された学生のみなさん、おめでとうございました。

2014.06.11

本学大学院生が日本理学療法学術大会で優秀賞を受賞しました!

2014年5月30日~6月1日に、パシフィコ横浜にて「第49回日本理学療法学術大会」が行われました。   基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法と分野が多岐にわたり、演題数は1500程度あります。今学会は、日本における理学療法士の学会で1番大きな学術大会です。   その中、「第48回日本理学療法学術大会(昨年度の学術大会での発表に対して)の表彰式」が行われました。 畿央大学から、冷水誠理学療法学科准教授、私(今井亮太)が優秀賞を授与しました。     このような名誉ある賞を受賞でき、本当に心から嬉しく思います。受賞の連絡を頂いたときは、喜びよりも驚きの方が大きかったことを覚えています。私は臨床4年目、また修士課程2年目であり研究歴は非常に短いです。こんな自分が優秀賞を受賞して大丈夫であろうかと、心配になり不安にもなっています。しかし、これに恥じぬように精進していくしかないと思っています。 本学の神経リハビリテーション学研究室では、多岐にわたる分野で研究がされています。そのため、予演会などでは、様々な視点から活発な意見交換が行われます。また本研究室では、他人の研究でも自分の研究のように考えています。このような背景が、優秀賞に導いてくれたと思っています。   理学療法学科の冷水准教授は、基礎理学療法部門での受賞であり、演題名は「立位バランス学習における自己運動観察によるフィードバック効果の検証」です。これは、効果的な運動学習をもたらす視覚フィードバックを用い、自分の運動を観察させるビデオフィードバック学習と、他者の運動を観察することで運動学習効果がある観察学習との学習効果の違いに関して、脳活動を含めて明らかにされています。結果、バランス学習において他者観察による観察学習効果ではなく、自己観察によるフィードバックによって有意な学習効果が認められました。これは、自己観察により自己の運動感覚情報との誤差を視覚的に明確に認識することができ、次の試行に対して修正した新たな自己運動イメージを形成することができたことによるものと考えられます。これを裏付けるように、課題試行時の脳活動では、他者観察群が運動イメージに関連した領域の広範な活性化を認めたのに対し、自己観察群ではこれらの限局した領域の活性化が認められていました。理学療法の意義として、健常成人を対象としたバランス学習において、簡便なビデオを用いた自己観察学習が有効である可能性を身体パフォーマンスおよび脳活動レベルにおいて見いだすことができましたので、今後、症例研究を進めることにより、臨床上有用なバランス学習における介入手段への発展に繋がると考えられます。   私は物理療法部門での受賞であり、演題名は「撓骨遠位端骨折術後に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果」です。これは、術後患者に対し、あたかも自分の手が動いているかのような錯覚を惹起させることで、痛みや不安などの心理面、関節可動域の改善が得られるかどうか検証しています。結果、運動錯覚を生じさせない群よりも運動錯覚を生じさせた群の方が1週間後の痛み、心理面、関節可動域に有意な改善が見られました。また1ヵ月、2ヵ月後まで評価しており、そこでも有意な改善が認められました。手術後翌日より、運動に対する痛み経験や不安を持つ患者に対して、腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで、運動に対する不安や恐怖感を改善させることにより、痛みや関節可動域の改善につながることを確認しました。理学療法の意義として、疼痛理学療法においては、対象の不動期間、痛み経験、破局的思考、不安を考慮することが重要になります。腱振動刺激は痛みの知覚をさせることなく、運動錯覚を惹起させることが可能であり、術後翌日といった早期介入が可能な有効な手段であります。急性疼痛の軽減だけでなく、痛みの慢性化の発生を防ぐことができる可能性があることを臨床研究で示しました。     最後に、研究を最後までご指導し、優秀賞に導いて下さいました森岡周教授をはじめ、本学の神経リハビリテーション学研究室の皆様に深くお礼を申し上げます。ちなみに、森岡教授は発表前から「この演題であれば絶対優秀賞を獲得できる」と言われていました。今後も森岡教授のご指導のもと、少しでも社会に貢献できるように研究室の皆様と切磋琢磨し、取り組んでいきます。 畿央大学 大学院健康科学研究科 修士課程2年 今井 亮太(畿央大学理学療法学科卒業生)   【関連記事】 本学ニューロリハ研究センターのメンバーが、日本理学療法学術大会で25演題について発表!

2014.06.09

本学ニューロリハ研究センターのメンバーが、日本理学療法学術大会で25演題について発表!

2014年(平成26年)5月30日~6月1日にかけて、神奈川県のパシフィコ横浜にて第49回日本理学療法学術大会が開催され、森岡教授を中心とした畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター(以下、研究センター)の多くのメンバーが参加・発表を行いました。 本学会は、日本理学療法士協会が主催する理学療法に関する最も大きな学術大会であり、ニューロリハビリテーションのみならず、理学療法に関する多種多様な分野の学術的発表が行われます。   研究センターからは学部卒業生から院生、修了生そして教員までと非常に多くの者が演題発表を行い、関連演題も合わせると25演題にもおよぶ新たな知見を世に示すことができました。 なかでも、優秀な演題のみが選ばれる「セレクション発表」といわれるものがあり、これには林田(学部卒業生)・辻本(修士課程修了生・現生理学研究所)・今井(修士課程)・片山(修士課程)・大住(博士課程)の5演題が選ばれ、理学療法の更なる発展に向けた活発な意見交換を行いました。   また、大会での発表後は研究センターがより円滑に機能し、前向きな研究活動を行うために、総勢30名での懇親会も開催されました。 研究センターの特徴の1つとして、各々の地位や立場に関係なく非常に仲が良いという点が挙げられます。そのため、真面目な研究に関する話以外にも、お酒の場ならではの、くだけた話でも皆で共に盛り上がることができ、研究センター内の絆を更に強めることが出来ました。     また、この場には、研究センターと共同で研究を進めている、国立障害者リハビリテーションセンター研究所の河島則天氏も参加してくださいました。 ここでは、研究センター内だけでの研究に留まらず、広く対外的に繋がりをもつことで、更に社会的意義のある研究へと発展させることのできる、前向きな場を得ることができました。   このように学会においては演題発表のみならず、他の研究機関や領域の研究者との交流も非常に重要な参加目的であります。 今回も多くのメンバーが自身の発表や意見交換を通じて、新たな問題意識や仮説を共有することによって、対外的な繋がりを新たに作ることができ、多くの研究機関とのコラボレーションに向けた大きな一歩を得ることができました。 このような対外的に新たな可能性を見出せるのは、研究センターの全員が単に研究実績のためだけでなく、真に臨床や社会に対して還元できる研究成果を見出したいという、強い未来志向的な意志があるためではないでしょうか。 その結果、領域や所属の垣根を超えて、前向きなコラボレーションを実現させていくのではないかと、私自身、身を以て実感することができた学会でありました。 そして、このような環境に身を置くことができる、本学大学院の環境の良さに関しても改めて実感することができ、今後の研究活動への意欲をより一層高めることができました。   最後に、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターは、未来志向的な意思のもと、センター内のみに留まらず、広く対外的な繋がりを形成し、真に臨床や社会に還元できる研究成果を公表できるよう、今後も更なる研究活動に励んでまいりたいと思います。      畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程2年 石垣 智也

2014.06.06

本学大学院生の論文が「Behavioural Brain Research」に受理されました。

現在、畿央大学神経リハビリテーション学研究室(大学院:森岡研究室)に在籍しております、博士後期課程の大松です。   先月、私がまとめた論文、“Activation of the serotonergic system by pedaling exercise changes anteior cingulate cortex activity and improves negative emotion.”が“Behavioural Brain Research (IF: 3.327)” に受理されました。   この研究は、私が修士課程の時に行った実験を論文にまとめたものです。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=ohmatsu+s     本研究は、運動の日課がある人に対し中等度のペダリング運動を行うことで、緊張・不安といった不快情動の軽減、活力といった快情動の増強といった情動面に対する効果に関して、主観的な情動面の変化、尿中セロトニン生成量、EEGの測定(前頭葉非対称性、sLORETA解析によるhight-alpha波帯域での前帯状回の活動減少)から検証しました。 今回の結果から、ペダリングといった周期的運動により5-HT神経が活性化され、その結果ACCの活動が低下し、情動の変化をもたらすのではないかと示唆されました。今後、森岡研究室では運動による下降性疼痛抑制のメカニズムの解明につなげて発展させていく予定です。   この論文が受理されたBehavioural Brain Researchは、行動神経科学の分野における国際的かつ複数の学問から構成される学際的な学術雑誌で,IF3点代と比較的影響度の高いものとなっています。自分の研究が,世界の方々の目に触れることに感動すると同時に、さらなる研究に励んでいきたいと身の引き締まる思いです。修士課程入学当時は、全く研究をしたこともなく、漠然と臨床現場で疑問に思うことを少しでも明らかに出来たら嬉しいという思いでした。当時思い描いていた研究の内容とは少し形が変わりましたが、周囲のサポートにより徐々に形になっていきました。研究について全くの素人だった私が、国際雑誌に自分の論文が掲載されたのは、教授の指導や授業による知識はもちろん、異なる専門性や知識を持った研究室のメンバーと多くのディスカッションを行っていく中で、より良いものに作り上げていけたからだと強く感じます。     最後に、この研究や論文作成の全過程で指導して下さった森岡周教授をはじめとする、本学の神経リハビリテーション学研究室のメンバー、また尿中セロトニンに関して助言や指導して頂きました坂田進教授、西井康惠助手に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、今後も研究室のメンバーとリハビリテーションの専門家として互いに切磋琢磨し、少しでも社会に貢献できるような研究を行えるよう前進していきたいと思います。 畿央大学大学院 健康科学研究科博士後期課程 大松 聡子

2014.06.04

新校舎(P棟新築・R棟増築)が完成しました。

平成25年8月に着工したP棟新築工事及びR棟増築工事が約8.5ヶ月の工事を無事に終えて完成しました。 平成26年5月29日(木)吉日大安には、冬木智子理事長はじめ冬木学園役員及び関係者、清水後援会会長、株式会社日建設計関係者(基本設計・工事監理業務請負会社)、株式会社大林組関係者(実施設計・施工請負会社)の立会いの下、竣工式が執り行われ、これからの畿央大学の発展が祈念されました。     P棟は地上3階建て鉄筋コンクリートと鉄骨の複合構造の建物となっており、2階と3階でC棟に接続されています。1階は理学療法実習室、運動機能実習室、ニューロリハビリテーション研究センターがあります。運動療法実習室と運動機能実習室は実習や研究活動、学生の自己学習の場としての活用に加え、元気塾等の取り組みにおいても活用されます。 ニューロリハビリテーション研究センターは、ガラス張りの個人研究室にオープンラボが併設され、大学院生や研究員、外部からこられる研究者等が交流できるスペースとなっています。さらに、脳波計やfNIRSやtDCSなどの脳神経科学に関する研究機器が配備されるシールドルームや測定室が設置されており、オープンラボとあわせて高いレベルでの研究活動が期待されます。 2階には210人収容の大講義室が1室、120人収容の講義室が2室、50人収容の講義室が1室配置されました。なお、講義室には集中管理をすることで操作方法が簡単便利になった視聴覚機器が設置され、より教育効果が期待できる環境となります。 3階には3面ガラス張りでタブレットPCを完備したアクティブラーニングルームと壁面一体がホワイトボードとなっているゼミ室5室を配置。ディスカッションやプレゼンテーションでの使用、参加型学習、体験型学習といった受身ではない能動的な取り組みを促す新たな学習環境が整備されました。また、その他には個人研究室と院生研究室、講義室が配置されています。     R棟は地上3階建の鉄筋コンクリート造となっており、2階部分でC棟とL棟と接続されています。 1階には木目調の床とテーブルに、赤・白・黒の椅子が色鮮やかに配置された新たな食堂ができました。既存の食堂は定食や丼ぶり、麺類主体で限られたメニューしかありませんでしたが、新たな食堂は好きなものを選択できるカフェテリア方式の提供となっており、自分なりのランチが楽しめます。なお、照明は全てセンサー方式で省エネにも配慮しています。 2階には講義室と学生の福利厚生施設である畿友会室、クラブボックスが配置されました。 3階は人間環境デザイン学科の教員が入居する個人研究室とデザイン実習室、デザインゼミ室が配置されています。教員と学生の居室が近いことは、よりきめ細やかな対応や指導が行われ、密接な関係の構築に結びつくことが期待できます。     開学当初はC棟とL棟からはじまった校舎建築もD棟、E棟、K棟の建築を経て今回で5期目の校舎建築となりました。着実に前進してきたキャンパス整備も一段落となります。貴重な学生生活を送る学び舎として大切にし、またこの学び舎からすぐれた教育や研究の成果を社会に送り出していきたいと考えています。   ▲クリックで、キャンパスマップに移動します。

2014.05.26

宇陀市連携「子ども元気体操づくり・子ども体力測定」プロジェクトがスタートしました!

健幸都市“ウェルネスシティ宇陀市”構想に賛同して、大学をあげてお手伝いしています!   健幸都市“ウェルネスシティ宇陀市”とは、市民の誰もが健康で幸せと思えるまちを表し、人々が身体面の健康だけでなく、生きがいを感じ、安心して豊かな生活を送れるまちをめざす考え方です。「健幸」をまちづくりの基本に据えた政策を連携しながら実行することにより、健康長寿の市を実現します。(企画構想リーフレットより) また、奈良県においても「子どもを夢中にさせる運動遊び推進事業 ~からだは幼児期からの取組!~ 」を推奨しており、健康づくりは高齢者ばかりでなく子どもからというのが主流になってきています。   畿央大学は、健幸都市“ウェルネスシティ宇陀市”構想に賛同して、理学療法学科、健康栄養学科、現代教育学科の教員・学生らでチームを組んで支援しています。まず子どもから元気に!ということで、「子ども元気体操づくり」、そしてその体操の効果判定のためにも、「子どもの体力測定」を大学独自のノウハウで実施することになりました。       2014(平成26)年5月24日(土)宇陀市最大の約180名規模の幼保児童を擁する大宇陀幼児園では保護者参観日としていただき、子どもたちが隣接するふれあい交流ドーム体育館内で25m走・ボール投げ・足指握力等の測定をしている間、保護者には園内リズム室を使って畿央大学教員による講演会を実施しました。子ども体力測定は同園の規模が大きいため当日はこれら3つの測定に、宇陀市子ども支援課、園の教員多数とともに畿央大学学生健康支援メンバー(TASK)10名(指導教員:理学療法学科松本大輔助教)らが担当しました。     この日に体力測定したのは、大宇陀幼児園の3歳児未満を除く園児(約150名)で、A・B2つのチームに分かれて同じメニューを2回交互に実施する形で時間効率よく、体力測定・講演会・親子一緒にレクリエーション(ダンス・ふれあい遊びなど)を行いました。 保護者への講演として、まず理学療法学科准教授福本貴彦先生は「知っておいてほしい、運動発達とケガへの対応」と題して、幼児期の脳の発達と身体能力、万一ケガしたときの応急処置方法、歩行運動のための足指握力の大切さなどについて講義していただきました。続いて、健康栄養学科助教柴田満先生は「元気に体操!しっかり水分補強」と題して、この夏の時期に高齢者とともに子どもに起きやすい熱中症(熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病などの種類)についての発生時の特徴や注意事項について説明していただきました。     大宇陀幼児園があるのは心の森総合福祉公園の入口で、体力測定をしたふれあい交流ドーム、野球もできそうな広大な広場、パターゴルフ場、大温泉浴場あきのの湯、特別養護老人ホームなどが大自然あふれる緑の中に配置されています。最後に、畿央大学と宇陀市子ども支援課と園のスタッフみんなで、大宇陀幼児園をバックに記念撮影しました。初夏のさわやかな土曜の一日、充実した保護者参観日になりました。

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