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健康科学専攻(博士後期課程)の新着情報一覧

2019年の健康科学専攻(博士後期課程)の新着情報一覧

2019.07.03

畿央大学に滞在中のタイ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは7月3日(水)から約1か月、タイのチュラロンコ-ン大学から研究者を受け入れています。     Ph.D. Anchalee Foongchomcheay Assistant Professor, Physiotherapist Department of Physical Therapy Faculty of Allied Health Scicences Chulalongkorn University   アンチャリーさん(以下アンさん)に、今回の滞在にいたった経緯や訪問目的をくわしく伺いました。   Q.1 アンさんと畿央大学は何がきっかけでつながったのでしょうか? APTSA(アジア理学療法学生連盟)で畿央大学の松本先生が学生を連れてチュラロンコーン大学に来られたのが最初のきっかけです。そのご縁で後日、松本先生には私たちの学生に誤嚥にナラん!体操のレクチャーをお願いしました。 その後、国際的な研究交流を推進していく中で、森岡周教授の論文を読んでニューロリハビリテーション研究センターのことを知り去年訪問したのですが、2時間ほどしか見学できませんでした。ニューロリハビリテーションをチュラロンコーン大学で推進する足掛かりにするために、今回は大学の補助を受けて1か月滞在させていただくことにになりました。   ▼理学療法学科松本大輔准教授とアンさん   Q.2 勤務先の「チュラロンコーン大学」はどんなところですか? チュラロンコーン大学は100年以上の歴史がある国立大学で、国内で最も古く、最も大きな総合大学です。大学名は王の名前にちなんでいますが、その王はイギリスやポルトガルをはじめとする多くの国を歴訪して見識を広め、大学の設立や郵便システムの構築、電車などの交通インフラ整備など多方面で貢献されました。科学的なエビデンスや研究に基づいた知識を備えた人材を育成し、優秀な卒業生を輩出することで国を豊かにしていく、という考え方は今でも根付いています。 ※ちなみに同大学は世界大学ランキングで7年連続1位(タイ国内)に輝いており、「タイの東大」とも呼ばれています。   Q.3 アンさんはチュラロンコーン大学で日頃どのように働かれているのでしょうか? 私は理学療法士や作業療法士、放射線技師などを養成するAllied Health Sciences(本学でいう健康科学部)という学部の、理学療法学科に所属しています。大きく分けて私は「学生のため」「患者さんのため」「社会のため」に働いています。理学療法学科の学年定員は60名。教員一人が担当できる学生の上限が7名と決まっており、少人数教育を行っています。医学部には附属病院もあるのですが、それとは別に学科に小さなクリニックが併設されていて、週12時間はそこで勤務し、臨床で患者さんと向き合っています。その他、地域での活動や論文執筆なども社会活動として業務の一部としてカウントされます。国際化を進めることも大きな方針になっていて、今回の滞在は大学から補助を受けて実現しています。   Q.4 タイ国内の環境や理学療法士の役割はいかがですか? 日本ほどの「超」高齢社会ではありませんが、日本の10年遅れくらいのペースでタイは高齢者社会に突入していきます。少子化も進んでいて、日本と同じような社会環境にあると言えます。以前研修で日本には160,000人の理学療法士がいると聞きましたが、タイには6,000人ほどしかいません。単純に人口で割ると日本は国民280人に1人の理学療法士がいるのに対し、タイでは30,000人に1人という状況です。医療費削減ともあわせて病気の予防や健康増進といった分野でも理学療法士の力が必要になってきます。訪問リハに行っても浴室やトイレに手すりがない住宅も少なくなく、建築やユニバーサルデザインの知識を培ったり、多職種と連携しながらリハビリテーションやQOLの向上をめざしていく必要があります。理学療法士の専門知識はもちろん、お互いの仕事の内容や役割を知り、チーム医療を実践していく必要性を教えています。   Q.5 今回畿央大学に滞在する目的や体験したいことを教えてください。 リハビリを通して患者さんの症状が改善していくときに、「いったい脳で何が起こっているんだろう?」と疑問を持つようになり、ニューロリハビリテーションにも興味を持つようになりました。患者さんのQOLを改善していく上では、ニューロリハビリテーションの視点は重要な要素になると感じています。ニューロリハビリテーション研究センターにあるような研究設備は、残念ながらチュラロンコーン大学にはありません。1か月の滞在では研究を具体的に進めるには時間が足らないので、センターにどんな研究機材が揃っていて、どんな実験が可能で、何が計測できるのかをしっかり把握すること、それによって私たちの研究とどうリンクできるのかを考えることが今回の最大の目的です。   Q.6 今後の研究に関する展望を教えてください。 帰国後にはニューロリハビリテーション研究センターの施設や設備で出来ることをベースに、具体的な研究計画を練って提案することが今回の訪問の具体的な成果になっていきます。願わくば、研究協力のような形で畿央大学とコラボした研究ができないか、森岡センター長の力をお借りして模索していきたいと考えています。   ▼左からアンさん、森岡センター長、トルコから短期留学中のブルジュさん   アンさんが目的を達成できるよう、畿央大学もしっかりサポートしていきたいと思います。 日本での生活が馴染んできた頃に、奈良での生活について改めてインタビューをお届けする予定です。   【関連記事】 畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター トルコ人研究者に日本や理学療法のあれこれを聞いてみた!~Burcu Dilekさんロングインタビュー 

2019.07.03

第14回日本訪問リハビリテーション協会学術大会で大学院生が最優秀賞に!~健康科学研究科

2019年6月29日(土)・30日(日)に開催された第14回日本訪問リハビリテーション協会学術大会で、本学健康科学研究科博士後期課程に在籍する尾川達也さん(西大和リハビリテーション病院理学療法士)が昨年度発表した演題に対して最優秀賞を受賞されました。おめでとうございます!   演題「訪問リハビリテーション利用者における社会参加の実態-屋外歩行の自立可否による特徴の比較-」     ご本人の学会参加レポートは、ニューロリハビリテーション研究センターHPでご覧になれます。   【関連リンク】 ニューロリハビリテーション研究センター教員・大学院生一覧

2019.06.18

畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは5月末から8月までの約3か月間、トルコより研究者を受け入れています。 ▼左から森岡周センター長、Burcuさん、大住倫弘准教授 PhD.Burcu DİLEK Assistant Professor, Physiotherapist University: Istanbul Medipol University Department: Physical Therapy and Rehabilitation Dr.Burcu(発音:ブルジュ)は2018年2月にも2週間ほど本学に滞在し、研究面での交流を深め、今回の短期留学に至りました。所属されているMedipol Universityでは手の治療や慢性痛について研究されていますが、今回はニューロリハビリテーション研究センターとの共同研究として『痛みへの恐怖が運動に影響を及ぼす脳メカニズムを明らかにする』をテーマに研究に取り組まれます。 滞在中は研究センターの施設・設備を利用して研究に取り組んでおり、大学院生と研究のディスカッションも予定されています。また、理学療法学科の授業にもゲストスピーカーとして登壇していただき、海外における理学療法などについて講演いただく予定です。事務局も外国人研究者対応のモデルケースとして今後の大学運営に役立てられるよう、生活面のサポートなど積極的に関与しています。 教育、研究、大学運営と畿央大学にとっても好影響があり、大きな相乗効果を生んでいます。3か月という限られた時間ですが、Burcuさんの活躍に期待しています! (以下、ブルジュさんに今回の来訪についてインタビューを行いました。) 今回、畿央大学にどのような目的で訪れ、3か月どのような研究をされるのか教えてください。 Q.1 トルコでは普段どのような研究をされているんでしょうか? 研究のメインテーマは「痛みと運動イメージ」で、現在は新たな研究計画を考えようとしているところです。しかし、トルコでは多くの授業や学生指導を担当しており、なかなか研究に時間を割くことができていません。将来的には、検討中の研究を病気や、慢性疼痛を抱える人々に適用していきたいと考えています。 トルコの大学では、痛みに関する研究において理学療法士が筋電計などの機器を研究に活用する機会はあまりないので、新たな研究計画の検討を始めることが非常に難しい状況でした。そのため、先進的な取り組みを行っている研究者がどのように痛みに対してアプローチしているかを知る必要があると考え、ウェブサイトで記事や論文などを探していたところ、森岡教授や今井亮太さん(博士後期課程修了生)と出会うことができ、昨年、畿央大学を訪れることができました。 ▼昨年の訪問時に、来日するきっかけになった今井さんと Q.2 今回の来日では、どのような研究をされるんでしょうか? ニューロリハビリテーション研究センターの大住准教授とともに、痛みへの恐怖が運動に及ぼす影響をデータとして集めるために、EEG(脳波)を計測する手順を作成し、同時にECG(心電図)を計測する準備を行ないました。ちょうど今日、最初の研究対象者を迎え、人が痛みに対してどのような反応を示すかを調べました。ボタンを押すと痛みが強くなる条件下でボタンを押す前に脳がどのような反応を示すかを調べます。このような実験はトルコでは行われていませんし、森岡教授が行われているような研究はまず行われていません。 Q.3 今後の研究に関する展望を教えてください。 畿央大学で学んでいることは非常に貴重なことで、将来トルコでも同じような研究ができるではないかと考えています。そういう意味で、森岡教授やニューロリハビリテーション研究センターには非常に感謝していますし、畿央大学の全面的な協力にも感謝しています。私をすごく歓迎してくれていますし、おかげさまでとても快適に過ごすことができています。ここにきてまだ間もないですが、すでに実験などの手順について多くのことを学ぶことができ、分析手法も学ぶことができました。いつかはこの手順を病気の治療に活かしたいと思いますし、疼痛に対する理解も進んでいくと思います。 現状は、多くの痛みの状況がまだまだ解明されていません。しかし、私たちは痛みの状況を知るための新たな特別な手順を作り出すことができるかもしれないと考えています。そのような研究がトルコでも行えたら望ましいなと考えています。実際、トルコでも同じような装置はあるのですが、単体で使う手法しか持っていません。ニューロリハビリテーション研究センターが行なっている複数の機器を同時に動かし、一度に多くのデータを得る方法を学ぶことができたらよいなと考えています。トルコではそういった方法はまだ一般的ではありません。しかし、痛みが起こった時の筋肉の反応時間や心臓の動きなどを同時に知る必要があり、それらのデータを一度に得る必要があります。これからまだまだ時間はかかるかもしれませんが、ここでの経験をいかして、トルコでも同じような実験環境を作り上げたいと望んでいます。 次回は、ブルジュさんの日本での生活についてインタビューを実施する予定です! 【関連記事】 トルコ人研究者に日本や理学療法のあれこれを聞いてみた!~Burcu Dilekさんロングインタビュー 

2019.06.11

ニューロリハビリテーションセミナー“リハビリテーションのための人間理解”を開催しました。

2019年6月8日(土)、3年ぶりに『ニューロリハビリテーションセミナー』が開催され、全国各地から300人以上の方が参加してくださいました。   前回のまでのニューロリハビリテーションセミナーでは、「○○の脳内機構」や「○○のニューロリハビリテーション」というタイトルでセミナーを開催していましたが、休止中の3年間に『そもそも、人間の行動あるいは認知・社会性の根本的理解が必要ではないか?』という考えに至り、今回のセミナーでは“リハビリテーションのための人間理解”ということを主眼に構成しました。そのため、今回のセミナーでは、認知・運動制御・学習・社会性・身体性・発達から人間を理解することを試みました。     以下、今回の“リハビリテーションのための人間理解”講義内容と簡単な概略です。   ●「生活の基盤となる注意のメカニズム」(森岡 周)  “注意”の機能を細かく分類しながら、それぞれのメカニズムについて概説。 ●「社会とつながる脳と心のメカニズム」(松尾 篤)   社会ネットワークのサイズ・共感・利己/利他的・感情などについて概説。 ●「運動学習をもたらす身体メカニズム」(冷水 誠)  運動学習の種類とそれぞれの神経メカニズムについて概説。 ●「自己および環境から影響される痛みのメカニズム」(前岡 浩)  痛みが心理社会的背景によって影響を受けること示したエビデンスを紹介。 ●「しなやかな歩行を支えるメカニズム」(岡田洋平)  単なる平地歩行だけでなく、あらゆる環境で臨機応変に歩くことのできるメカニズムを概説。 ●「身体性を形づくる感覚運動メカニズム」(大住倫弘)  身体性を形づくるのは、感覚運動の統合だけではなく、それより高次な認知的要素が必要であることを概説。 ●「子どもの健やかな発達メカニズム」(信迫悟志) 自他区別・身体表象・共感・視点取得・利他性などの発達を幅広く概説。   今回のセミナーは、講師にとっても非常に挑戦的な構成にしており、どこまで参加された皆さんと共有できるか心配しておりましたが、アンケートの回答をみていると、セミナー形式にして正解だったと実感しています。また、個別対応での質疑応答では、非常にハイレベルな質問が飛び交い、こちらも更に研究をしていかなければならないと体感しつつ、皆さんの日々の努力に感激するところでした。今後とも、皆さんとディスカッションできることを楽しみにしいますので、次回(2020年 2月22日『人間理解からリハビリテーションへ』)も、どうぞ宜しくお願い致します。   2/22(土)開催「人間理解からリハビリテーションへ」は、2019年12月中旬に受付を開始する予定です。

2019.05.27

慢性腰痛者の運動恐怖は、腰の曲げ伸ばし動作を緩慢にさせる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

慢性腰痛者には“腰を曲げるのが怖い”と訴える方が多く、これは「運動恐怖(Kinesiophobia)」と呼ばれています。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授、森岡 周 教授および大学院生と研究員らは、東京大学医学部付属病院緩和ケア診療部 住谷昌彦 准教授、甲南女子大学理学療法学科 西上智彦 准教授、壬生 彰 助教らと共同で、地域在住の慢性腰痛者における運動恐怖が、運動にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしました。この研究成果はEuropean Spine Journal誌(Kinesiophobia modulates lumbar movements in people with chronic low back pain: a kinematic analysis of lumbar bending and returning movement)に掲載されています。   “運動恐怖”とは、「動かすと痛くなりそうで怖い」あるいは「(再)損傷をしそうで動かすのが怖い」という感情です。この運動恐怖は、慢性腰痛者の日常生活動作を悪くすることが多くの研究で明らかになっていましたが、具体的に、どのような運動異常をもたらすのかは分かっていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授,森岡 周 教授らの研究グループは、地域在住の慢性腰痛者を対象に「腰の曲げ伸ばし」動作を計測しました(下図1)。その結果、運動恐怖がある慢性腰痛者は、「動き始めに時間がかかる」ことと、「腰の曲げ伸ばし方向を切りかえるのに時間がかかる」ことを明らかにしました。“運動恐怖”は目には見えないものではありますが、それが運動に表出されていることを明らかにしたとともに、運動恐怖をシンプルな運動計測で客観的に捉えられることを明らかにしたこととなります。 本研究のポイント 腰の曲げ伸ばし運動における「運動の開始」と「運動方向の切り返し」は、運動恐怖によって修飾されることを明らかにしました。 研究内容 無線タイプの電子ゴニオメーターを用いて、域在住の慢性腰痛者を対象に「腰の曲げ伸ばし」動作を計測しました(下図1)。具体的には、計測に参加した慢性腰痛者は、「合図の音が鳴ったら、できるだけ大きく・速く腰を曲げて、すぐに元の姿勢に戻って下さい」と指示をされて運動タスクを実施しました。   図1:腰の曲げ伸ばし動作と解析区間   そして、本研究では、腰の曲げ伸ばし運動を以下の4つの相に分けて分析をしました。 Phase 1: 合図音から腰曲げ動作が始まるまで Phase 2: 腰曲げ動作開始から腰曲げの速度が最大になるまで Phase 3: 腰曲げ動作最大速度の時点から腰伸ばし動作の速度が最大になった時点まで Phase 4: 腰伸ばし動作最大速度の時点からもとの姿勢に戻るまで     図2:各動作相における時間を比較した結果   その結果、運動恐怖がある慢性腰痛者においてのみ、Phase 1とPhase 3に時間がかかることが明らかになりました。このことは、運動への“躊躇(initial hesitation)”あるいは“凍結(freezing-like behavior)”のような現象であり、いずれも腰椎を過剰に保護しようとしたゆえにもたらされると考えられています。  本研究の臨床意義および今後の展開 “運動恐怖”は目には見えづらいものではありますが、それを運動計測によって客観的に捉えた点は、非常に臨床的意義があります。今回は地域在住の慢性腰痛者が対象でしたので、過去の研究と比較しても顕著な運動障害は認められませんでしたが、運動開始あるいは運動方向の切り返しは、腰痛が重症化する前にも出現する初期症状であることが考えられます。今後は、これをリハビリテーションによって改善させることができるのかが検証される予定です。  論文情報 Osumi M, Sumitani M, Otake Y, Nishigami T, Mibu A, Nishi Y, Imai R, Sato G, Nagakura Y, Morioka S. Kinesiophobia modulates lumbar movements in people with chronic low back pain: a kinematic analysis of lumbar bending and returning movement. Eur Spine J. 2019 May 21. doi: 10.1007/s00586-019-06010-4. 問合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 准教授 大住 倫弘(オオスミ ミチヒロ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp

2019.05.23

2019年度 運動器リハビリテーションセミナー「基礎編」を開講しました。

今年で8年目となる「畿央大学運動器リハビリテーションセミナー」が、始まりました。 今年度も4回のセミナーを予定しており、『患者様の見立て方』にフォーカスを当てたコンテンツをご用意しました。 2019年5月19日(日)は「基礎編」として、『医療画像について』『骨と生活習慣病』『運動器の痛みとリハビリテーション』『Fascia(ファシア)』の講義を行ないました。 「医療画像について」 担当:理学療法学科 福本准教授 医療画像の原理や撮影方法など、特に超音波検査について時間を割き、今後の理学療法現場における超音波検査の 有用性と展望について講義をしました。 「骨と生活習慣病」 担当:理学療法学科 峯松教授 骨の基礎的な部分から生活習慣病に至る経緯と骨への影響、また、その評価、いわゆる「見立て」に関して講義をしました。 「運動器の痛みとリハビリテーション」 担当:理学療法学科・畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 前岡准教授 運動器の疼痛に関して、神経系からの疼痛の考え方を運動器リハビリへ応用するための評価方法について講義をしました。 「Fascia(ファシア)」 担当:理学療法学科 今北教授 『Fasciaってご存知ですか?』から講義が始まり、近年注目されているFasciaについてわかりやすく解説し、国際Fascia学会で受賞された自身の基礎実験データなどを提示し、臨床現場への応用についても講義をしました。     毎回のことですが、受講者の方々は大変熱心に聴講していただきました。 次回は基礎実習として豚検体を使用した膝の解剖実習とエコー実習(7月28日)を開催します。 その後、評価編(10月27日)、評価応用編(2020年1月26日)と続きます。 ●今後の運動器リハビリテーションセミナー詳細 評価から問題点を抽出し、問題点を打開するためのリハビリテーション(理学療法)プログラムを構築することは日々臨床で実施されていることと思います。その際、いわゆる『見立て』が重要であることは周知の事実かと思います。 リカレントともに最新情報を得ることで日々臨床に活用いただければと考えております。 各回、若干の空きがありますので、お早めにお申し込みください。スタッフ一同、お待ちしております。   理学療法学科 准教授 福本貴彦   【関連記事】 平成30年度運動器リハビリテーションセミナー「臨床編」を開講しました。 平成30年度運動器リハビリテーションセミナー「臨床実践編 (膝関節)」を開講しました。 平成30年度 運動器リハビリテーションセミナー「エビデンス編」を開講しました。

2019.04.11

心理的因子と痛みの関係における中枢性感作の媒介効果~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

中枢性感作は、心理的因子とともに痛みを増悪する因子であることが報告されています。しかし、中枢性感作と心理的因子がどのような関係性で痛みを増悪しているかは明らかにされていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の重藤隼人氏と森岡周教授らは、外来を受診している筋骨格系疼痛患者を対象に媒介分析を用いて、心理的因子が中枢性感作をもたらして痛みを重症化させていることを明らかにしました。この知見は、今後中枢性感作に焦点をあてた介入手段の重要性を示唆するものとして期待されます。この研究成果は、Pain Research and Management誌(The Mediating Effect of Central Sensitization on the Relation between Pain Intensity and Psychological Factors: A Cross-Sectional Study with Mediation Analysis)に掲載されています。  本研究のポイント ■ 心理的因子が中枢性感作をもたらして、痛みを重症化させているという仮説を、媒介分析を用いて検証した。 ■ 媒介分析の結果、不安、抑うつ、破局的思考と痛みとの関係において中枢性感作の媒介効果を認めた。  研究内容  外来受診患者を対象に、中枢性感作の評価として「中枢性感作」(Central Sensitization Inventory:CSI)、「痛み」(Short-form McGill Pain Questionnaire-2:SFMPQ2)、「破局的思考」(Pain Catastrophizing Scale-4:PCS)、「不安・抑うつ」(Hospital Anxiety and Depression Scale:HADS)、「運動恐怖」(Tampa Scale for Kinesiophobia-11:TSK) を評価しました。独立変数を「不安」、「抑うつ」、「破局的思考」、「運動恐怖」、従属変数を「痛み」、媒介変数を「中枢性感作」としたブートストラップ法による媒介分析を行いました。   媒介分析の結果、各心理的因子と疼痛強度における総合効果は「不安」、「抑うつ」、「破局的思考」、「運動恐怖」で認められましたが、直接効果は「破局的思考」のみ認められ、他の心理的因子では認められませんでした。また、媒介変数を「中枢性感作」とした間接効果は「不安」、「抑うつ」、「破局的思考」で認められました (図1)    図1:心理的因子と痛みの関係における中枢性感作の媒介効果  本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、心理的因子によって増悪する痛みが中枢性感作を介して引き起こされていることを示唆するものです。そのため、中枢性感作に焦点をあてた介入手段の重要性を提唱する臨床研究となります。  論文情報 Shigetoh H,Tanaka Y,Koga M,Osumi M,Morioka S The Mediating Effect of Central Sensitization on the Relation between Pain Intensity and Psychological Factors: A Cross-Sectional Study with Mediation Analysis. Pain Research and Management 2019  問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2019.04.02

平成31年度入学式を行いました。

2019(平成31)年4月2日(火)、畿央大学健康科学部334名、教育学部203名、健康科学研究科28名(修士課程23名、博士後期課程5名)、教育学研究科修士課程2名、助産学専攻科10名、臨床細胞学別科3名、あわせて580名の新しい畿央生が誕生しました。学部は午前10時、大学院・専攻科・別科は午後3時から入学式を行いました。       冬木記念ホールで開催された学部の入学式では、学科長が新入生を一人ひとり呼名し、冬木正彦学長による入学許可をいただきました。         学長式辞では「建学の精神『徳をのばす、知をみがく、美をつくる』を実践し、充実した大学生活を送ってほしい」と述べられました。 続いてご来賓の山村吉由広陵町長、香芝市の吉田弘明市長、岡﨑亜矢子後援会長よりエールをいただきました。       新入生代表の理学療法学科1回生の大澤一輝さんから宣誓、在学生代表の長あかりさんから歓迎の言葉があり、閉式となりました。       閉式後には、学部長・学科長・1回生の担任の教員紹介、畿央パフォーマンスチーム「KiPT」とアカペラ部「ADVANCE#」による学歌披露・歓迎LIVEパフォーマンスで新入生を歓迎しました。        午後3時からは大学院健康科学研究科・教育学研究科・助産学専攻科および臨床細胞学別科の入学式が行なわれました。入学生全員の名前が読み上げられ、入学を許可された後、それぞれの研究科長・専攻科長・別科長から祝辞をいただき、より高度な学びと研究活動に向けての決意を固める日となりました。         公式Facebookページでは入学式のフォトレポートをご覧になれます。

2019.03.18

平成30年度 卒業パーティーレポートvol.1~理学療法学科編

平成30年度卒業証書・学位記・修了証書授与式が3月15日(金)、冬木記念ホールにて挙行され、566名の卒業生が巣立ちました。今年度から卒業パーティーは学科・専攻科にわかれて開催することになりました。 第1弾は「理学療法学科」です!       理学療法学科13期生の西谷真由子です。3月15日(金)、ホテルモントレグラスミア大阪にて卒業パーティーが開催されました!理学療法学科は卒業パーティーを"謝恩会"とし、4年間お世話になった先生方へたくさんの感謝を込めて先生18名、大学院生を含む卒業生94名の合計102名が参加しました。 森岡先生による乾杯の掛け声とともに一気に盛りあがった会場は、友達と写真を撮る人、先生と思い出話を語り合う人、とにかく食べまくる人など…それぞれの楽しい時間を過ごしました。     各ゼミから個性溢れる先生方へのビデオメッセージでは、先生のあるあるネタやあいうえお作文などで感謝の気持ちを表しました。私たちらしく、少しの感動と多くのネタが盛り込まれたビデオメッセージに、先生方はもちろん、会場全体がたくさんの笑いに包まれました。     大学院生からは、それぞれの指導教員である庄本先生・森岡先生・岡田先生に記念品が贈呈されました。     臨床に出ても更なるステップアップを求めて、修士・博士後期課程を修了された先輩方を拝見し、私たち学部生にも大きな刺激となりました。学部生からはゼミ担任の先生方へ花束やアルバム、記念品が贈呈され、卒業研究でたくさんの苦労や楽しさを分かち合った担任の先生を前にし、涙ぐむ学部生もいました。       先生方お一人ずつからいただいたメッセージでは4年間の出来事1つ1つ鮮明に思い出し、苦しかった試験も、楽しかった学生生活も全て13期生のみんなと共に乗り越えてきたんだと改めて気付きました。また、先生方にはいつもそんな私たちのそばで私たちの成長を見守って下さっていたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。 そんな笑いあり、涙ありの卒業パーティーは庄本先生の『閉会!!!』の言葉で、無事閉会しました。     私たちはそれぞれが抱いていた理学療法士になりたいという夢を、畿央大学で、素晴らしい先生方のもとで、素晴らしい仲間と共に、叶えられたことを誇りに思います。今後も大学生活で学んだことを決して忘れず、患者様のために日々勉強を重ねていきたいと思います。       お世話になった先生方、これから先もずっとずっと私たち13期生の成長を見守っていてください!!!! そして、さらに大きくなった姿でまたお会いできることを楽しみにしています!ありがとうございました。   理学療法学科13期生 西谷真由子       ●大学公式facebookページで卒業式のフォトレポート!(facebookアカウントをお持ちでない方もご覧になれます)   ≪他学科の卒業パーティーレポート≫ 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.5~健康栄養学科編 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.4~看護医療学科編 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.3~現代教育学科編 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.2~人間環境デザイン学科編

2019.03.18

平成30年度卒業証書・学位記・修了証書授与式を行いました。

平成30年度卒業証書・学位記・修了証書授与式が3月15日(金)、冬木記念ホールにて挙行され、健康科学部317名(理学療法学科64名・看護医療学科91名・健康栄養学科98名、人間環境デザイン学科64名)、教育学部215名、助産学専攻科8名、大学院26名(健康科学研究科修士課程16名、博士後期課程4名、教育学研究科修士課程6名)の合計566名を送り出しました。         午前10時に開式し、国歌・学歌の斉唱の後、学部学科ごとの代表者に卒業証書・学位記・修了証書が手渡されました。その後、学長表彰が行われ、特に優秀な成績を修めた学生が各学科から1名選ばれ、表彰状と記念品が手渡されました。     冬木正彦学長による式辞では、「卒業してからも、建学の精神である『徳をのばす、知をみがく、美をつくる』を実践し、常に仲間との絆や支えてくださる周囲の皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、社会で大いに活躍してください。」という言葉が送られました。 続いて山村吉由広陵町長、岡崎亜矢子後援会長、唄大輔畿桜会長よりご祝辞をいただきました。         その後、学生自治会である畿友会長の大津留黎さんが在学生を代表して送辞を、卒業生を代表して現代教育学科の松岡紗夜さんが答辞を述べました。         卒業生の皆さん、おめでとうございます。 大学公式facebookページに式典のフォトレポートを掲載しておりますので、合わせてご覧ください。 (facebookアカウントをお持ちでない方もご覧になれます)