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地域連携センタ―の新着情報一覧

2022年の地域連携センタ―の新着情報一覧

2022.05.20

「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科

3年ぶりの現地開催!各地での学びを共有しました   看護医療学科では、4回生統合発展科目として、その人の顔の見える看護や保健医療を体験することで、看護の本質を考えることを目的とした「離島・へき地医療体験実習」を宇陀市、川上村、五條市大塔町、山添村にご協力をいただいて実施しています。                 過去2年間は、コロナ禍の影響により臨地に赴くことが不可能となり、実習目標を到達できるようリモートを活用して臨地の住民への健康支援を展開されている機関や人々とやりとりをしながら実施し、発表会もリモート開催でした。今年度は3年ぶりに、各臨地の方々のご理解とご協力をいただいて、それぞれの地域に赴き各市地域毎に特色ある学びを展開しました。5月18日(水)には、離島・へき地医療体験実習発表会を学内で対面開催し、学生間で学びの共有を行いました。             新型コロナウイルス感染症の動向を鑑み、へき地への訪問期間を短縮した地域やコロナ前を変わりない日程で住民の方を対象とした健康チェックやインタビューを実施できた地域などそれぞれでの活動状況には違いがありましたが、短期間の地域においても、住民の健康支援機関や支援者、そして住民の方に目的を持った関わりをさせていただきました。             現地での学生は、地区踏査を通して地域の環境を観察し、人々と触れ合うことで五感を通してへき地で暮らす人々の生活のありさまと支援者の思いを感じ、またその体験を通して、得た情報整理からへき地の健康課題を導き出し、健康ニーズに沿ったケアの提供を考えることができました。以上を通して、生活者である対象理解とそれらの人々の健康やQOLの向上を図っている医療保健福祉関係者の思いや活動の意味への理解、そして看護者となる学生そのものの看護の考え方が深まったのではないかと思います。これら学生の学びは、発表できちんとスライドに示されていました。         それを示す例として、へき地医療体制は、医療の確保が困難であり、へき地診療所、巡回診療や医師派遣など、地域により様々な体制が取られていることや、緊急時の救急搬送システムが構築されていることやへき地における看護の役割として、診療の補助にとどまらず、健康相談や生活上の指導、予防意識を高める働きかけが重要であると示されていました。             またへき地で暮らす人々の、顔の見える関係性や、関係諸機関との連携、豊かな自然との触れ合い、伝統行事を大切に継承される地域の人々の思いの深さなどから、人のつながりの大切さを再認識していました。   これらのことから、子どもから高齢者まですべての人に対して、保健、医療、福祉との連携としての地域包括ケアシステムを構築していくことの重要性と住民同士でお互いに支え合うへき地の人々の暮らしは、地域の強みであることを学びとしてまとめていました。           私は、今年度の4月に本学に着任したばかりですが、この実習に向けた準備期間での学内実習や臨地での実習期間中、主体的に学ぶ学生たちの姿と発表会で聞く人にわかりやすく発表する姿、質問への応答も的確にしている様子を見て、4回生としてこれまで積み上げてきた学びを統合し発揮することができていると確かな成長を感じ感銘を受けました。     発表会終了後、実習を担当した教員より「実習という体験にとどまらず、これを機会にまた実習地域との関わりを継続してほしい」とコメントがあったように、卒業後もつながる関係性ができれば、この実習の真の成果となることと思います。     ▼山添村児童館館長様より頂いた手描きの書と絵     コロナ禍にも関わらず実習を受け入れてくださいました、宇陀市、川上村、五條市大塔町、山添村の皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。                              看護医療学科 准教授 前田則子       【関連記事】 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(山添村)レポート~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)レポート~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポートvol.2~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポートvol.1~看護医療学科

2022.05.11

イオン「大和郡山フェア」で学生が考案した「大和丸なすピザ」を販売します。

大和郡山産の野菜使用「大和丸なすピザ」を共同開発 イオン大和郡山店「大和郡山フェア」で4種類販売!   大和郡山市、イオン大和郡山店と奈良県内の管理栄養士養成課程(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)の学生で構成された食育ボランティアサークル「ヘルスチーム菜良(なら)」は大和の伝統野菜「大和丸なす」をはじめとした大和郡山産野菜を使用したピザを各大学が共同開発し、「4大学対抗ピザバトル」と銘打ち、イオン大和郡山店「大和郡山フェア」期間中の6月4日(土)・5日(日)に販売いたします。   本学が商品開発しました「柚子香る白味噌風味の彩りピッツァ」は、柚子の香りと白味噌風味のホワイトソースで仕上げ、野菜の彩があざやかです。また、他大学にない本学独自の特徴として、学生のみで商品開発したのではなく、2017年度の本企画開始よりレシピ監修をしていただいている石窯焼きピッツェリアサンプーペー松原朱美シェフの指導のもと、店舗で試作しながら商品開発いたしましたので、試作段階より完成度が高いとイオン担当者様よりお褒めの言葉をいただきました!!   日 時 2022年6月4日(土)・5日(日)  イオン「大和郡山フェア」 場 所 イオン大和郡山店 (大和郡山市下三橋町741)     大和郡山市三橋地区で戦後まもなくから栽培されている大和の伝統野菜「大和丸なす」は、東京、大阪、京都の料亭などでも用いられる高級食材として好評を得ていますが、地元奈良では販売機会が少なく、知名度アップが課題となっています。また、大和郡山市では地産地消促進計画に基づき、地産地消の推進を、奈良県では特定農業振興ゾーンとして「大和丸なす」の生産地である大和郡山市三橋地区が設定され「新たなレシピ開発による個人消費(大和丸なすファン)の拡大」をめざして取り組んでいます。これに加え、一昨年度からのコロナ禍で県外料亭等での消費が減り、地元での消費が緊急の課題となっています。   本企画は、2017年度から、イオンモール大和郡山で開催される大和郡山フェアにおいて、「大和丸なす」のPRと大和郡山産野菜の摂取量増加をめざし、大和の伝統野菜「大和丸なす」をはじめとした大和郡山産野菜を使用したピザ開発に取り組んでおり、今回で5回目となります(2020年度はコロナ禍で中止)。   4大学対抗ピザバトルでは、①地元産野菜の使用や素材の良さを生かす地域性、②アイディア、斬新さ、面白さの独創性、③彩り、見た目、美味しさの味覚、④調理のしやすさや幅広い年代への普及度、⑤栄養バランス の5点について、専門の審査団体が試食等を行った上で採点を行い、優勝ピザを決定いたします(2021年度の優勝は近畿大学)。畿央大学からは、以下のピザを商品開発いたしました。   畿央大学ヘルスチーム菜良:「柚子香る白味噌風味の彩りピッツァ」   柚子の香りと白味噌風味のホワイトソースで仕上げ、野菜の彩りがあざやかです。 本ピザのコンセプトは 「和と洋の融合」です。「大和丸なす」を初めて食べる学生も多く、その大きさとしっかりとした食感、美味しさに驚いていました。この食感を最大限に生かすため「和食」の「なす田楽」にこだわりました。なす田楽で使われる味噌は、赤味噌ではなく、お雑煮、生麩など関西で馴染みがあり、塩分控えめな白味噌に変え、「洋」のホワイトソースで馴染ませ、さっぱりと仕上げるため「柚子」を使いました。「大和丸なす」をはじめ、大和郡山市産小松菜、しいたけ、玉ねぎといった地元野菜の魅力が詰まり、れんこん、パプリカなど彩りも楽しめる自信の1品です。本学の他、4大学の個性的な4種類のピザ、ぜひ一度食べ比べてお好みのピザを見つけてください。         【問い合わせ先】 畿央大学 健康科学部 健康栄養学科 野原  潤子 Tel: 0745-54-1601   Fax: 0745-54-1603 E-mail: j.nohara@kio.ac.jp

2022.04.05

香芝市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました〜理学療法学科

  新型コロナウイルス感染症の流行により、介護予防に重要な役割を果たす地域高齢者の「通いの場」の多くが活動中止になっています。そこで、コロナ禍により生活不活発となり体力低下となる状態(フレイル)を予防し、通いの場へ再び参加できるようになるまでの間、自宅で1人でもできる簡単で低強度のオリジナル体操を作成することになり、香芝市地域包括支援センターの依頼により昨年度から監修として関わらせて頂きました。 体操は10分程度で立位でも座ってもできる簡単な内容ですが、作成委員会には市の保健師や事業を委託された健康運動指導士といった専門職だけでなく介護予防リーダー「KEEP香芝」の皆さんも参加され、体操のモデルとしても登場されております。市の作成する公式コンテンツ作成に、本学での介護予防リーダー養成講座から誕生した住民リーダーの皆さまと共に取り組めたことは感慨深いものがあります。長年、本学と市との連携事業として実施している「介護予防リーダー養成講座」は今年度も実施予定であり、このオリジナル体操を新たな強みとした新たな担い手の育成にも取り組んでいきます。   【関連記事】 平成30年度「広陵町・香芝市×畿央大学 介護予防リーダー養成講座」修了式を行いました。     体操は香芝市公式Youtubeチャンネルで公開されており、またコロナ禍において高齢者が生活不活発にならないように過ごすためのポイントをお話ししたミニ講座も同時にアップされております。現在、香芝市ではご当地体操として身近に感じていただくために広報誌を通じて体操の名称が募集されていますので,良いネーミングがありましたら是非ご応募して頂ければと思います(採用されると香芝市マスコットキャラクター、カッシーのグッズが当たります)。   体操動画:https://youtu.be/Lvj37RgQQIw コロナ禍におけるフレイル予防について:https://www.youtube.com/watch?v=JHDIXglhojo     これまでも介護予防体操は奈良県の「誤嚥にナラん!体操」を初めとして天理市の「STEP体操」などいくつか制作に関わらせて頂きましたが、少しでも地域高齢者の健康寿命延伸や地域の活性化に繋がるように研究と地域貢献活動の二本柱で活動し続けて行きたいと考えております。   理学療法学科 高取克彦 地域リハビリテーション研究室ホームページ https://kio-community-rehab.studio.site/

2022.02.28

大和高田の多世代交流拠点「きらきら☆ステーション」活動紹介!~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ

こんにちは!畿央大学人間環境デザイン学科4回生の正楽仁哉と森田舜です。 前報の「大和高田『きらきら☆ステーション』完成までの道のり~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ」に続き、きらきら☆ステーションでの活動について報告したいと思います! 『きらきら☆ステーション』は大和高田さざんかホールにある空きレストランをリノベーションした多世代交流拠点です。現在は地元の有志で構成された「きらステ会」のみなさんを中心に私たち大学生がサポートしながら、毎週木曜日に開放時間を設けています。   昨年度は、新型コロナウイルスへの感染予防の観点から、オンラインでの活動しか行えませんでしたが、2021年7月29日(木)にようやくオープンすることが出来ました!!   オープニングセレモニーを行うにあたり、何か月も前から「きらステ会」の皆さんと、オンライン会議をしてきました。 会場設営から司会進行まで、初めてのことばかりだったため、リハーサルを行い何度もシミュレーションを行いましたが、少し不安を感じながらオープニングセレモニーを迎えました!「きらステ会」のメンバーがオリジナル来賓バッチを制作していただいたり、立て看板を作るなど、皆さんの想いが詰まったセレモニーになりました。     ▲きらステ会のメンバーお手製の来賓バッチ   オープニング記念イベントでは、おはなしろうそくの会とブレンドoneの皆さんによる絵本の読み聞かせを行っていただき、子どもも大人も楽しい時間を過ごしました。     8月からは毎週木曜日、1部(10:30~12:00)2部(12:30~14:00)の2部制で感染症対策に十分注意しながら開催しました。 絵本の読み聞かせや大人も子供も参加できるヨガイベントなど、様々なイベントも実施され、少しずつリピーターの方も見られるようになりました。 「きらステ会」の方々が思考を凝らしながら、飾り付けてくださっている季節を感じる飾り付けも、訪れる人が楽しみにしている魅力の一つです。特に押し花絵は「きらステ会」メンバーのお一人の作品で、巧みな技法に思わずうっとりしてしまいます。   ▲写真左:お手製の押し花絵、写真右:クリスマスの飾り付け   残念ながら、1月からは、新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて、しばらくお休みをいただいています。また、再開した際には、ぜひ一度、お話をしたり、絵本を読みに、きらきら★ステーションに遊びにきてください!   ※写真撮影時のみ、マスクを外しています   【関連記事】 大和高田『きらきら☆ステーション』完成までの道のり~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ

2022.02.14

近隣のウォーカビリティが低い地域の女性は社会参加が少ないことを明らかに~広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトでの2750名の調査結果から

徒歩で出かけられる先が少ない地域の女性は社会参加が少ない 地域在住高齢者における近隣のウォーカビリティと社会参加との関連性:KAGUYAプロジェクトの横断研究から~理学療法学科・看護医療学科・ヘルスプロモーションセンター   わが国において、健康日本21(第2次)では、健康寿命の延伸に加え、健康格差*の縮小も目標として掲げられています。健康寿命の延伸とは、つまり要介護状態にならないように予防することで、今までに要介護状態になるリスクに関連する要因についての研究は多く行われてきました。一方、健康格差について、都市部・農村部での比較や都道府県・市町村間での結果は示されてきましたが、格差の縮小のためには、それぞれの市町村内のより小地域での検討が必要であると考えられます。また、介護予防には社会参加が重要になり、近年、社会参加と近隣のウォーカビリティ**との関連が指摘されているものの、市町村内での地域差を検討したものは少ないのが現状です。 本学理学療法学科の松本大輔 准教授、高取克彦 教授、看護医療学科の山崎尚美 教授、文鐘聲 准教授らは、地域在住高齢者を対象にした調査を行い、女性においてWalkScore®を用いた近隣ウォーカビリティが社会参加と関連することを明らかにし、Geriatrics & Gerontology International誌(IF:2.730)に発表しました。   *健康格差:地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差 **ウォーカビリティ:簡単に言うと、歩きやすさ。単に歩道が整備されていることを指すだけでなく,その地域で歩いて買い物ができるなどの日常生活の過ごしやすさやウォーキングなど健康行動を促進されることも含まれる。   研究概要 A町在住の高齢者2,750名を調査し、WalkScore®***を用いた近隣のウォーカビリティと社会参加の関連について検討しました。また、性別でその関連に違いがあるかを分析しました。   ***WalkScore®(WS):住所を入力すると,Google マップ上で近隣の施設(商業施設・公園・学校など)までの距離をもとに,徒歩でアクセスできる度合いを100点満点で評価する。50点未満では、徒歩30分圏内に出かける先が少なく、車が必要になる地域とされる。   本研究のポイント 高齢者に対する調査によって、年齢、社会経済状況や疾患、日常生活機能を調整しても、近隣のウォーカビリティが低いとスポーツ、趣味などの社会参加は、男性では有意差は認められないものの、女性で約20%有意に低いことが明らかとなりました。   図1 ウォーカビリティ高い地域と低い地域での社会参加割合の比較 男女とも、ウォーカビリティが低い地域に住んでいる方は高い地域に比べ、社会参加者の割合が有意に少ない(図1)。   図2 性別ごとの社会参加とウォーカビリティが低い地域との関連(有病割合比) 関連する要因として年齢、社会経済状況や疾患、日常生活機能を調整しても、スポーツ、趣味などの社会参加は、男性では有意差は認められないものの、女性で約20%有意に低いことが明らかとなりました。(図2)。   本研究の意義および今後の展開 本研究は高齢者の社会参加と近隣のウォーカビリティの関連を小地域で示した数少ない研究です。ウォーカビリティが低い地域に住んでいる女性は社会参加が少ないということが明らかになりました。このような地域に特化した社会参加への支援を含むまちづくりが必要であると考えられます。今後はより地域施策に還元できるような研究に発展させていきたいと思います。   謝辞 研究にご協力いただきました住民の皆様,役場の方々に感謝申し上げます。 この事業は、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成27 年度~平成31 年度)「ソーシャル・キャピタル創出とヘルスケアデータ一元化による地域包括ケアシステム研究拠点の形成」の助成を受けて実施されました。   論文情報 Matsumoto, D, Takatori, K, Miyata, A, et al. Association between neighborhood walkability and social participation in community-dwelling older adults in Japan: A cross-sectional analysis of the keeping active across generations uniting the youth and the aged study. Geriatr. Gerontol. Int. 2022; 1– 10.    第63回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員が発表!~理学療法学科・健康科学研究科 雑誌「老年内科」で本学と生駒市・広陵町とのコホート研究が紹介されました~理学療法学科   問い合わせ先 畿央大学 健康科学部 理学療法学科 准教授 松本大輔 d.matsumoto@kio.ac.jp

2022.02.07

一人称VR体験プロジェクト「高齢者住まい看取り研修」を開催しました~畿央大学看護実践センター

2022年2月1日(火)に畿央大学看護実践センターと奈良県認知症ケア専門士会の共催で、「一人称体験プロジェクト 高齢者住まい看取り研修」が開催されました。 コロナ禍のため集合研修が中止となり、残念ながらVRゴーグルの活用はできませんでしたが、オンライン(Zoom)上でVRの映像を視聴しました。参加者は、介護福祉士、看護師をはじめとする17名の参加となりました。   講師は株式会社シルバーウッドの大野彩子氏で、内容はVRを活用したケースメソッド方式を軸に、90歳の高齢者の視点で救急医療を疑似体験したり、介護職の視点で実際に起きた看取りの事例を疑似体験して、その後にディスカッションするというものでした。 看取りまでのあらゆる事態に適した最善策について、「自分だったらどうするか」「本人視点ならどうか」といった姿勢で体験者自身の考えや気づきを促す内容でした。   ▲高齢者住まい看取り研修の参加者(使用許諾の上、掲載しています)   参加者から、 「在宅での看取りのめざすところを体系的に学ぶことができた。」 「初めてのVR体験で感情移入ができた。また客観的にみることで、普段自分が行っている対応と比較できた。」 「自分の考えは間違っていない、ブレないようにしようと再確認できた。」 「ACP*というと難しいなあと感じるが、凄いことをしようと思わなくても、小さなことからチームで取り組んでみたい。」 「対話を重ねる、時間作るなど、本人はもちろん見送る側の心の準備を支援することも重要だということが再確認できた。」 など、多くの声がありました。   看取りを経験したことがない人は、看取りに対して「得体のしれない不安感・恐怖感」を抱えていることが多く、映像で本人や介護職の視点から疑似体験し、ディスカッションすることで、漠然とした不安感や恐怖感が、自分自身やチームの課題化につながるように感じました。 日本人の死亡場所の8割は病院です.医療機関では看取り期においても栄養や水分を補う点滴などの医療処置が必ずと言っていいほど行われています。しかし、病院で行われる医療には苦痛や煩わしさを伴うものも多く、高齢者住まいにおける自然な老衰死という新たな選択肢を求める声も少なくありません。「老いのプロセスを病にすり替えない」ためにも、無益な延命医療を行わない本人主体の看取りは地域社会のニーズとも言えると思います。 高齢者住まいにおける看取りとは、本人の意思や希望を確認し、家族や専門職はその意思を徹底的に支えることが重要であると学ぶことができました。   畿央大学看護実践研究センター長 山崎尚美 奈良県認知症ケア専門士会 理事 南部登志江   *ACP(アドバンスケアプランニング)とは、「将来の意思決定能力の低下に備えて、今後の医療・ケア、療養について、本人と家族など大切な人および医療・ケア提供者が本人の価値観や選好に基づき、どのように生きたいかの人生・生活の目標を共有しながら話し合うプロセス」である。 「高齢者住まい看取り研修」の公式サイト   【参考資料】ACPの手引き ※画像をクリックすると、PDFが開きます   奈良県認知症ケア専門士会 事務局 樋野 幸子 【関連記事】 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター 第15回 奈良県認知症ケア専門士会オンラインセミナー「〜コロナ時代におけるこれからの看取り〜」参加者レポート 奈良県認知症ケア専門士会第14回研修会 講演会&VR認知症体験レポート

2022.01.27

「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター

認知症の人の世界について理解を深めるため、奈良県認知症ケア専門士会および(株)シルバーウッドの方の協力を得て、2022年1月13日(木) 『VR認知症オンライン体験』を実施しました。本学からは看護医療学科の2回生99人が『VR認知症体験』を受講しました。 昨年に引き続き、午前中は一般の方の参加が、午後からは看護医療学科2回生99人が老年看護学援助論Ⅰの授業の一環としてオンライン下で参加しました。参加された皆さんの感想をご紹介させていただきます。   【一般の方(午前の部)】 2022年1月13日(木)に奈良県認知症ケア専門士会主催の「認知症の一人称体験プロジェクトオンライン研修」がZoomで行われました。講師は、株式会社 シルバーウッドの大谷匠先生で、動画を視聴した後に数人のグループに分かれ、①どのような経験をしたか、②どのような気持ちになったか、③他の人のかかわりをどう思ったか等について、ディスカッションをする参加型体験研修会でした。   ▲講義中のスライド   1つ目の「私たちをどうするのですか」という動画では、対象者が車から降りることに躊躇しているため、職員が「大丈夫ですよ」「つかまってください」と手を差し伸べて声をかけていました。普段よく見かける光景ですが、動画による本人の目線では、高いビルの上にいて恐怖や不安を感じている様子が体験できました。大谷先生は、「認知症の人は、空間失認障害などがある場合も多く、本人は降りるのが怖いことから介助者の手を振り払ったり、拒否するなどの行動をとっており、それがスタッフにとっては介護拒否や暴言・暴力とうつることもある」と言われていました。 私たちは認知症の人に対して、相手のペースや意思を尊重しながら援助する大切さは理解していますが、今回の研修で、本人の症状や言動からしっかり状況や気持ちをアセスメントできていないことも多いとわかりました。 2つ目の「ここはどこですか」という電車に乗っている動画では、「今、どこにいるのか」「どこで乗り換えたらよかったかな?」と不安になっていたが聞きにくい様子でした。駅員さんは笑顔で改札口などを説明してくれましたが、自分の不安や困りごとを聞いてはくれませんでした。そこに女性が「何かお困りですか?」「乗り換え口まで案内しますよ」との言葉をかけてくれて、ほっとされていました。大谷先生は「コミュニケーション不良により、BPSD(認知症の行動・心理症状)がおこることもある」と言われていましたが、当事者が疎外感を持たないようなかかわりの難しさを学びました。 今回の研修で、認知症の方の症状や基本的な対応方法についてわかっているつもりでしたが、本人の立場に立ってその思いを理解できていないままで支援していることも多いとわかりました。支援者主体の支援ではなく、本人の不安や思いに沿った援助となるようあらゆる視点から推察していくことの必要性を改めて実感することができました。   奈良県認知症ケア専門士会 南部登志江   【学生の感想(午後の部)】 学生たちの新鮮な目での感想を紹介します。 ▲VR認知症オンライン体験した学生たち(使用許諾の上、掲載しています)   認知症の方と関わる際にどう接したらいいのかわからない人が多いと思いました。私もその1人でした。でも、丹野さんの本を読み、VR体験や平井さんの話を通して、この方は認知症だから・・・と認知症だけにとらわれて関わるのではなく、普段どおりに接したらいいことを学びました。そして、危険から守るために先回りして行動を制限するのではなく、当事者の方が困っていたら手助けをしたいと思いました。 また、レビー小体型認知症の症状で幻覚があるのは知っていましたが、実際にレビー小体型認知症の視点のVR体験を通じて、消えるまで本物と見間違えるくらいとてもリアルだったり、可愛いものから怖いものまで様々なものが見えることを知りました。教科書では学べないことを知ることができました。 VR体験中のファシリテーターの方の講義の中で、当事者の家族は当事者を心配する気持ちから当事者の安全を優先し、自立や快適さを制限してしまいがちであり、当事者の自由も制限されることによるストレスからBPSDも進行してしまうことを学びました。 当事者の講義について 認知症の当事者である平井正明氏は講演の中で、BPSDを悪化させないために、出来なくなったことには固執せず素直に周りの助けを借りたり、工夫をして、自分の変化に一喜一憂せず受け入れてストレスを感じない生活を常に心がけていると話されていました。自分のやりたい事、出来る事に主体的に楽しく取り組み、出来ないところだけ助けてもらうような水平の関係性でいることはストレスを溜めないために大切なことであり、認知症になっているか、なっていないかを意識しすぎなくても良いのだということを学びました。 看護医療学科2回生 高島 さくら   看護実践研究センターでは、引き続きオンラインで、2月1日(火)13:30~16:30 に一人称体験プロジェクト 高齢者住まい看取り研修会、2月21日(火) 14:00~16:15発達障害の一人称体験研修会を予定しています。 参加費は無料ですが、事前申し込みが必要です。多数のご参加をお待ちしています。 畿央大学看護実践研究センター     【関連記事】 第15回 奈良県認知症ケア専門士会オンラインセミナー「〜コロナ時代におけるこれからの看取り〜」参加者レポート 奈良県認知症ケア専門士会第14回研修会 講演会&VR認知症体験レポート

2022.01.14

2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター

看取りまでのプロセスを疑似体験   2022年2月1日(火)、畿央大学看護実践研究センターと奈良県認知症ケア専門士会が共催して、高齢者住まい看取り研修会を開催します。 介護職や高齢者本人の立場となり実際に看取りまでのプロセスを疑似体験していくことで、看取りに対する「よくわからないからこその不安」を軽減できます。看取りで何よりも重要なのは本人の意思です。早くから本人の意思を確認することの大切さ、認知症があっても本人の意思確認が最後までできることを理解し、看取りを自分ごととして捉えてもらうような工夫をしています。是非ご参加ください。   開催日時 2022年2月1日(火) 13:30~16:30(先着30名) 対  象 看取りへの理解を深めたい専門職、一般、学生 参 加 費 無料 締  切 2022年1月21日(金)   ▼セミナーチラシPDF(画像をクリックすると、PDFデータおよび申込書がご覧いただけます)       申込方法【以下のいずれかの方法でお申し込みください。】 申込フォーム(下記QRコード)もしくは、申込書FAXにて、お申込みください(メールアドレス必須)。 開催前に参加用URLを、申込メールアドレス宛に送信します。 【FAX】 0745-53-0635(和里あて) 【QRコード】     問い合わせ先 奈良県認知症ケア専門士会事務局 E-mail:dcq@nicori.or.jp TEL:0745-52-0125  FAX:0745-53-0635

2022.01.14

2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター

「発達障害の一人称体験」   2022年2月21日(月)、畿央大学看護実践研究センターと奈良県認知症ケア専門士会が共催して、発達障害の一人称体験の研修会を開催します。  発達障害のいくつかの特性を一人称体験します。発達障害を「学ぶ」のではなく、「体験する」ことで、日々の対話のすれちがいに気づき、新しい関係づくりにつなげることをめざします。是非ご参加ください。   開催日時 2022年2月21日(月) 14:00~16:15(定員50名) 対  象 発達障害への理解を深めたい専門職、一般、学生 参 加 費 無料 締  切 2022年2月14日(月)    ▼セミナーチラシPDF(画像をクリックすると、PDFデータおよび申込書がご覧いただけます)         申込方法【以下のいずれかの方法でお申し込みください。】 申込フォーム(下記QRコード)もしくは、申込書FAXにて、お申込みください(メールアドレス必須)。 開催前に参加用URLを、申込メールアドレス宛に送信します。 【FAX】 0745-53-0635(和里あて) 【QRコード】     問い合わせ先 奈良県認知症ケア専門士会事務局 E-mail:dcq@nicori.or.jp TEL:0745-52-0125  FAX:0745-53-0635