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2017年の地域・一般の方へ一覧

2017.06.23

日本老年学会にてKAGUYAプロジェクト研究成果を発表!

第30回日本老年学会にて、KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査に基づく研究成果を発表しました!     6月14日~16日、名古屋国際会議場にて、第30回日本老年学会が開催されました。この学会は、2年に1度開催され、老年系の7学会(日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本基礎老化学会、日本老年歯科学会、日本老年精神医学会、日本ケアマネジメント学会、日本老年看護学会)で構成された合同学会という形式で行われています。 KAGUYAプロジェクトではプロジェクト高齢者ベースライン調査のデータを用いて、この合同学会において第59回日本老年医学会学術集会に2報、第59回日本老年社会科学会大会に1報、第22回日本老年看護学会学術集会に1報、それぞれ発表を行いました(通算6,7,10,11報目)。     KAGUYAプロジェクトに参画する研究者は多職種にわたるため、このような合同学会でなければなかなか一堂に会した発表は難しく、貴重な機会となりました。また、本学会においては、「『治し支える医療』へ向けて、医学と社会の大転換を」を共通テーマにしており、特に多職種連携に関することが多くディスカッションされていました。   本プロジェクトにて発表した演題について、筆頭演者からご紹介いたします。   演題名:地域在住高齢者のソーシャル・キャピタルと抑うつとの関連(口演)(第59回日本老年医学会) 演者:文鐘聲(看護医療学科)、高取克彦(理学療法学科)、山崎尚美(看護医療学科)、松本大輔(理学療法学科)、宮崎誠(教育基盤センター)   KAGUYAプロジェクトでは、「ソーシャル・キャピタル」(地域のつながり)を主眼に見ていますが、本発表はその中でも「互酬性の規範」と呼ばれるもの(本研究では具体的に「情けは人の為ならず」に同意するか、実践しているか)が精神的な健康(抑うつ)にどう影響を及ぼすかを解析しました。その結果、抑うつ群は非抑うつ群に比べて年齢が高く、生活習慣病に多くかかっており、社会経済的状況も良くないことが明らかになりました。また、「情けは人の為ならず」に同意することだけでは抑うつに影響せず、実践するほど抑うつを低下させることも明らかになりました。今後も、両者の違いに注目して解析を進めていきたいと思います。     演題名:新興住宅地域と旧村地域におけるソーシャル・キャピタルと健康の地域間格差―KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査 (ポスター)(第59回日本老年社会科学会) 演者:文鐘聲(看護医療学科)、山崎尚美(看護医療学科),高取克彦(理学療法学科),松本大輔(理学療法学科),宮崎誠(教育基盤センター),吉田浩子(広陵町地域包括支援センター)   本発表では、旧村地域と新興住宅地域の2つに分け、健康状態等を比較しました。旧村地域の平均年齢が新興住宅地域に比べて2歳ほど高く、高次生活機能が低く、生活習慣病の罹患などが高いことがわかりました。また、ソーシャル・キャピタルの側面においては、近所付き合いの度合いは旧村地域が高く、趣味・サークル活動は新興住宅地域が高いという特徴も明らかになりました。今後、その特徴を踏まえた計画を練る必要があります。KAGUYAプロジェクトでは、いくつかの事業を町内で展開していきますが、その際の資料となることでしょう。         演題名:地域高齢者における自己認識年齢と健康関連指標および日常生活活動能力との関係 (ポスター)(第59回日本老年医学会) 演者:高取克彦、松本大輔(理学療法学科)、宮崎誠(教育基盤センター),山崎尚美,文鐘聲(看護医療学科)   昨年度に学会員となり,今回初めて研究成果発表での学会参加をいたしました。私は「地域高齢者における自己認識年齢と健康関連指標および日常生活活動能力との関係」という演題でのポスター発表でした。一般演題およびセミナーなどにおいては「フレイル」をキーワードとしたものが非常に多く,「特定高齢者」などの表現が使われていた時代からの急速な考え方の変化を実感しました。常連的に参加する理学療法士やリハビリテーション専門職中心の学会と異なり,老年内科医や看護師,保健師,栄養士など多職種が参加される学会は非常に刺激的でした。 KAGUYAのライバルともなる学官連携プロジェクトも多く存在しましたが,住民リーダー育成,認知症カフェの展開などの介入を含む点がKAGUYAの独自性と強みであると実感しました。来年度も引き続き他のプロジェクトに負けない研究成果を発表していきたいと思います。         演題名:高齢住民のエンパワーメント力と認知症の認識との関連性―KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査―(ポスター)(第22回日本老年看護学会) 演者:山崎尚美、文鐘聲(看護医療学科)、高取克彦、松本大輔(理学療法学科)、宮崎誠(教育基盤センター)、南部登志江、島岡昌代、寺田美和子、福森貢、松本泉美(看護医療学科)、吉田浩子(広陵町地域包括支援センター)   第22回日本老年看護学会学術集会において、示説発表をいたしました。今回は「高齢住民のエンパワーメント力と認知症の認識との関連性」について発表しました。一般演題としては、「End-of-Life Care」「最後までその人らしく輝いた人生」、認知症関連では「若年性認知症」「当事者とともにつくる」「認知症カフェ」に関する発表や講演が多く、看護職は認知症の人の代弁者になることが強く求められていると思いました。     評価尺度についての意見交換やエンパワーメント力の育成のための基礎データとなることの示唆をいただき、大変有意義な学会となりました。 このように、KAGUYAプロジェクトは多方面からの解析、考察を行っています。地域住民のみなさまが健康で幸せに暮らしていけるよう、これからも研究を続けていきたいと考えています。  看護医療学科 准教授 文 鐘聲         教授  山崎尚美  理学療法学科 准教授 高取克彦         助教  松本大輔

2017.06.21

2017年度「マミポコ・キッズ」第3・4回活動報告!~現代教育学科

こんにちは、マミポコ・キッズです!私たちは畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行っています。今回は、2017年度前期の第3回・第4回活動の様子を振り返ってご紹介します!   第3回:5月28日(日) 第3回はお天気に恵まれ、第2グラウンドで外遊びをしました。ボールとひもを使ってする「まみぽこりれー」では、どうしたらボールをうまく運べるかグループの友達と相談して、協力して遊ぶことができました。   【まみぽこりれー】ゴールを目指してみんなでダッシュ!       【ごーるをめざせ】しっぽを取られないようにうまく逃げ切れたかな?     第4回:6月11日(日) 第4回では、地域の方にご協力をいただき、あやとりやお手玉など、伝統的な遊びを教えていただいて、一緒に楽しく遊ぶことができました。風車や紙飛行機など、子どもたちが自分で作って遊んだおもちゃは、お家でも遊べるように持って帰ってもらいました。   【ちいきあそび】地域の方に伝承遊びを教えてもらったよ!       【ロンドンばし】地域の方も一緒に一つの輪になって遊んだよ!     最後のゲームの「ロンドン橋」では、うたを歌いながら地域の方も一緒にみんなで一つの輪になって遊ぶことができました。   毎回の活動では、多くのスタッフの方々に参加していただいています。今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願いします。 現代教育学科 3回生 竹田卓司(ぐれいと) 2回生 元神有未(ゆーみん) 2回生 樋口茉悠(ぶい) 【関連リンク】 マミポコ・キッズ

2017.06.20

看護医療学科×奈良県川上村~村おこしで無料の「七夕コンサート」を開催!

看護医療学科の4回生配当科目「離島・へき地医療体験実習」の実習地であり、看護医療学科の卒業生が保健師として活動している奈良県川上村では、教員も地域包括ケアに関する実践研究を行っています。   【関連記事】 看護医療学科教員が、川上村の地域包括ケアシステム構築に向けての研修会企画・講師を担当! 平成27年度 離島・へき地医療体験実習発表会~看護医療学科   その一連の流れの村おこしイベントとして、川上村教育委員会事務局にも協力をお願いして、7月8日(土)に川上村の川上総合センターやまぶきホールで「七夕コンサート」(無料)が開催されることになりました。コンサート会場に笹と七夕飾りを用意して、参加してくださる皆さんに短冊に願いを書いていただけるよう、畿央大学の学生がお手伝いします。 ピアノコンサートの演奏者には、韓国研究の中でご縁をいただいたHakuei・Kim(ハクエイ・キム)氏に依頼しました。   ▲クリックでチラシにリンクします。   日本の韓国統治時代に日本人でありながら韓国の人々と文化を愛し韓国陶磁器の発掘を行い美術品としての価値を見出した日本人に、浅川巧氏がいます。その浅川氏の生涯を描いた映画「道―白磁の人」のテーマ曲を作曲したピアニストがHakuei氏です。私がHakuei氏を知るきっかけになったのもこの映画で、映画のシーンに寄り添うような美しいメロディに感動したことを今でも覚えています。 ジャズピアニストとしては、トリオ「トライソニーク」を結成し、韓国の打楽器チャンゴ奏者で有名なミン・ヨンチ氏とコラボレーションした「新韓楽」で国内外を問わず幅広く活動し、そのテクニックは高く評価されています。 今回は、特別に川上村の自然と七夕に合せて厳選した曲を披露してくださいますので、その美しいピアノの音色をこころゆくまで楽しんでいただきたいと思います。    開催日時  2017年7月8日(土)14時開演(13時開場)  会場  奈良県川上村総合センター やまぶきホール  ピアノ演奏者  Hakuei・Kim(ハクエイ・キム)氏  参加費  無料(定員になり次第締め切り)  申込み方法  電話で、川上村教育委員会まで申込みしてください。  ☎0746-52-0144  受付時間 平日9:00~17:00 <受付7/6(木)まで>   また当日は、会場近くの丹生川上神社上社の1年に一度の大祓式・七夕灯篭祭も合わせて開催されます。川上神社の境内上空には、満天の星が輝き、流れ星を観ることができます。 ぜひ川上村に来て、美しい自然と音楽と星空を堪能してください!   看護医療学科 教授 松本泉美

2017.06.19

京阪奈地区の大学で初!クックパッドに「公式キッチン」を開設しました。

クックパッドは、日本最大の料理レシピの投稿・検索サービスです。投稿レシピ数は260万品以上、月間利用者数は6,000万人を超え、20~40代女性の多くが利用しています。   この度、畿央大学では、2017年5月に京阪奈地区の大学では初となる公式キッチンを開設することとなりました。本学健康栄養学科では、企業や行政と協力し地域の課題解決と学生の実学教育をコラボした連携プロジェクトを推進し、毎年多くのレシピが誕生しています。一部のレシピは実際に商品として提供・販売され、お客様から好評をいただいています。畿央大学健康栄養学科公式キッチンでは、管理栄養士のタマゴである学生たちが連携プロジェクトで考案したレシピを中心に随時公開していきます。    ▼クリックで公式キッチンに移動します       健康栄養学科の学生の学びが詰まったレシピを、日々の食事や食育などにお役立てください。       【企業・行政との連携プロジェクト】 近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」が始動しました。 近鉄連携 西名阪自動車道香芝サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。 近鉄連携 阪和自動車岸和田サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。 橿原市・橿原商工会議所連携「橿原産イチゴを使った新商品」が販売されます。 奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第6回料理教室」を開催しました。 田原本町連携「味間いもを使ったメニュー開発プロジェクト」で生まれた2品を、やどかり市で無料提供しました。

2017.06.13

8/24(木)教職員のための夏の公開講座を開催します。

校内研修では経験できないような「教育課題」について、大学の教員による講義を開催し、教職員の方々に日々の教育実践に役立つ研修の機会を提供します。参加を希望される先生方におかれましては、実施要項をご確認の上、お申し込みください。   番号日時内容講師 1 平成29年 8月24日(木) 10時30分~12時 (受付10時~) 会場:P棟2階 P203講義室 【定員】先着60名  学校の生涯学習から生涯学習の学校へ 今日、生涯学習抜きの学校は考えられなくなりました。とはいえ、学校と生涯学習は、今なお微妙な関係です。そもそも、学校での生涯学習とは、いったい何を、どのようにすることなのでしょう。先生にとって、生徒にとって、保護者にとって、地域の人にとっての生涯学習とは何かを考えることで、あらためて学校が生涯学習に果たす役割を共に考えたいと思います。  教育学部 現代教育学科  教授 前平 泰志 2 平成29年 8月24日(木) 13時~14時30分 (受付12時半~)  会場:P棟2階 P202講義室 【定員】先着60名 特別支援教育の最前線とその課題 2014(平成26)年の1月に「障害者の権利に関する条約」がわが国においても批准され、日本の各地でインクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育が取り組まれている。インクルーシブ教育の国際的動向をふまえ、日本の特別支援教育がどのような現状にあり、どのような課題があるか検討していきたいと思います。  教育学部 現代教育学科  教授 渡邉 健治   【実施要領】 受講対象 県内の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教職員 会  場 畿央大学 P棟2階 P203教室(講座1) および P202教室(講座2) 募集定員 各講座60名(先着順) 申込方法 官製はがき、Fax、もしくはE-mailにて、①~④を記入の上、下記へ申し込んでください。 ①講座番号 ②氏名(フリガナ) ③連絡先の電話番号 ④所属学校名 を記入のうえ、下記へ申し込んでください。   〒635-0832 北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 畿央大学教育推進部 教職員向け公開講座係Fax:0745-54-1600 E-mail:kikaku@kio.ac.jp 申込締切 平成29年8月10日(木) 主  催 畿央大学 後  援 奈良県教育委員会   お問い合わせ 畿央大学教育推進部 教職員向け公開講座係 Tel:0745-54-1601   ※個人情報については、本イベントの受付整理以外には使用いたしません。 ※当日午前7時現在で奈良県内のいずれかの地域で警報が発令されている場合、講座は中止します。

2017.06.05

【満員御礼】8/29(火)ひらめき☆ときめきサイエンス「運動中の体の不思議を探る」を開催します。

運動中の体の不思議を探る~健康をつくる運動と栄養のサイエンス入門~ 定員に達したため、申込みを締め切りました。 運動すると心臓はドキドキするのはなぜでしょうか?筋肉をつけるには何を食べたらよいのでしょうか?このプログラムでは、運動中のからだのしくみを観察して、健康をつくる運動と栄養について科学の目から考えます。また、自分の食事バランスを調べて、体力をつくるためには何をどれだけ食べたらよいかを学びます。健康運動の実技も体験し、ランチタイムでは大学生との交流を行います。みなさんの健康を支える運動と栄養のサイエンスを一緒に学びましょう。   日 時 2017年8月29日(火)10:00~15:40 ▲クリックで拡大します。  会 場 畿央大学L101教室、生理機能実習室など    →アクセスはこちら 内 容 運動中の体の不思議を探る ~健康をつくる運動と栄養のサイエンス入門~ ※詳細内容(タイムテーブル等)は、 右のチラシをご参照ください。 対 象 小学校5・6年生 (原則、保護者同伴) 定 員 30名(先着順、参加無料) 持ち物 筆記用具、ノート、タオルなど   ▼昨年の「ひらめき☆ときめきサイエンス(運動中のからだのしくみを発見しよう~健康をたもつ運動と栄養の科学~」の様子を見る   【参加申込方法】                    ① 小学生本人の氏名(ふりがな)、②性別、③学校名・学年、④〒住所、電話番号、⑤保護者の氏名、⑥保護者の同意の有無⑦家族同伴の有無(有の場合、氏名・人数)をご明記のうえ、ハガキ、ファックス、もしくはメールでお申込みください。   【宛先】 〒635-0832  奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2  畿央大学教育推進部 サイエンス係あて FAX:0745-54-1600 E-mail:uketsuke@kio.ac.jp   【申込み締め切り】平成29年8月12日(土)   【お問い合わせ】  畿央大学教育推進部  ひらめき☆ときめきサイエンス係  TEL:0745-54-1601   ※個人情報については、本イベントの受付整理以外には使用いたしません。 ※本イベントは独立行政法人日本学術振興会の選定助成事業です。

2017.05.20

平城京天平祭「さくら茶会」に参加しました!~茶道部

5月3日(水・祝)~5日(金・祝)の3日間にわたり、平城旧跡・大極殿で開催された「平城京天平祭」が開催されました。 天平祭初日に、畿央大学茶道部(指導顧問:健康栄養学科冬木啓子先生、部員、OB・OG、あわせて20名以上)が、「さくら茶会」に参加しました。畿央大学は、2011年から毎年参加しており、今回で7年目です。     今年も300名を超すお客様をお迎えし、お一人お一人に寄り添える心を大切にして、お茶席を務めさせて頂きました。普段の練習の成果をこのような機会に披露できることは、私たち学生にとって大きな励みになります。スタッフの皆様はじめ多くの方々にお見守り頂きながら、おもてなしの心の大切さを学ぶことができる貴重な体験ができましたことを感謝しております。 健康栄養学科2回生 井戸上優希     【関連記事】 平城京天平祭2017「天平行列」に参加!

2017.05.20

経頭蓋直流電流刺激によって社会的認知機能が向上することを明らかに~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

経頭蓋直流電流刺激により社会的認知機能が向上することを明らかに 自閉症スペクトラムに関連する社会性の神経メカニズムを説明する基礎的知見へ   「自他区別」、すなわち自分の思いや考えと他者の思いや考えは異なることがあると理解した上で、他者の考えや意見を参考にしつつ、自身の考えや意見をより良いものにしていく能力は、社会生活において重要です。一方で、「視点取得」すなわち他者の視点に立って物事を考える能力は、他者の意図や感情といった心的状態を適切に理解する上で重要です。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志らは,経頭蓋直流電気刺激(transcranial Direct Current Stimulation:以下,tDCS)を用いて、右頭頂-側頭接合部および右下前頭皮質の神経活動を促進すると、「自他区別」や「視点取得」といった社会的認知機能が向上することを明らかにしました。これは、社会性の神経基盤を説明する基礎的知見になるものと期待されます。この研究成果は、Frontiers in Behavioral Neuroscience誌(Transcranial direct current stimulation of the temporoparietal junction and inferior frontal cortex improves imitation-inhibition and perspective-taking with no effect on the Autism-Spectrum Quotient score)に掲載されています.   研究概要 自閉症スペクトラムは、主に社会性に困難を認める発達障害です。自閉症スペクトラムの神経科学的な説明として、右頭頂-側頭接合部(Temporo-Parietal Junction:以下、TPJ)や右下前頭皮質(Inferior Frontal Cortex:以下、IFC)の機能不全が指摘されています。TPJは他者の心的状態を見出したり推論したりする能力(メンタライジング)の中核領域とされています。IFCは、模倣や共感の神経基盤とされるミラーシステムの主要領域です。 「自他区別」や「視点取得」のような社会的認知能力を客観的かつ定量的に測定するのには、困難が伴います。そんな中、自他区別能力を反映する課題として、模倣抑制課題(図1)があります。この課題は、画面上に表示された数字に従って、人差し指か中指を持ち上げる課題です(①なら人差し指、②なら中指)。その際、指示と動画が一致している条件と異なっている条件があります。通常、ヒトは目前の他者の運動を真似ることよりも、他者の運動と異なる運動をすることの方が難しくなります。これは模倣や共感を担うミラーシステムの自動的活性化によるためとされています。したがって、ミラーシステムの働きによって、一致条件の反応時間や正答率は促進され、逆に不一致条件では他者運動に干渉を受けて、反応時間が遅くなったり、正答率が低下します。つまり他者の運動につられてしまうわけです。この影響を「模倣干渉効果」と呼び、それが小さくなるほど自他区別がしっかりできていることの一指標となります。   図1:模倣抑制課題 また視点取得課題(図2)では、素早く他者の視点に立って物事を見る能力を定量的に測定することができます。図2の視点取得条件をご覧ください。あなたはラックの手前に立っています。ラックの向こう側では、男性があなたに向かって「1番大きなコップに触れてください」と指示を出しています。実際、1番大きなコップは青丸で囲んだコップですが、この条件では指示を出している男性からはそのコップが見えていないことに気が付く必要があります。そして、男性が言っている1番大きなコップとは、赤丸で囲んだコップだと認識する必要があります。     図2:視点取得課題 信迫らの研究グループは、DCSという脳活動を修飾することできるニューロモデュレーション技術を用いて、自閉症スペクトラムにおいて機能不全が指摘されているTPJとIFCの脳活動を一時的に促進させた際の模倣抑制、視点取得、そして自閉症スペクトラム指数(Autism spectrum Quotient:以下,AQ)に与える影響について検討を行いました。AQとは、個人の自閉症傾向を測定するスクリーニング検査です。その結果、TPJ刺激とIFC刺激の両方において模倣抑制と視点取得が促進されることが示されました。一方で、AQには影響を及ぼさないことも示されました。   本研究のポイント tDCSによるニューロモデュレーション技術によって、自他区別や視点取得に関係する大脳皮質領域を明らかにした。   研究内容 本研究ではtDCSを用いて、TPJとIFCの神経活動を一時的に促進する手続きを加えることで示される模倣抑制や視点取得、AQへの影響を検討しました。実験では、右TPJを刺激する群と右IFCを刺激する群の二群を設定し、それぞれプラセボ刺激(脳活動に影響を及ぼさない刺激)を加え、模倣抑制課題と視点取得課題の正答率、反応時間およびAQを測定しました。その結果、TPJ刺激とIFC刺激の両方の群において、AQに対しては影響を及ぼさないものの、模倣抑制と視点取得の反応時間を促進することが示されました(図3,4).     図3:模倣抑制課題の結果     図4:視点取得課題の結果 模倣抑制は、眼前の他者運動を抑制して指示に従う必要があるため、他者を抑制し、自己を促進する課題とも言えます。一方で、視点取得は自分の見えを抑制して他者の視点に立つ必要があるため、自己を抑制し、他者を促進する課題とも言えます。このように一見すると対照的な課題ですが、本研究ではTPJとIFCの両方が両課題に関与していることが示されました。この研究結果に対して研究グループは、IFC(ミラーシステム)とTPJ(メンタライジング)は社会的認知において競合するシステムではなく、所与の行動的状況において適切な社会的相互作用を確実にするために、お互い相乗的・相補的に働くシステムであると考察しています。   本研究の意義および今後の展開  本研究成果は、自閉症スペクトラムに関連する社会性の神経メカニズムを説明する基礎的知見のひとつになるものと期待されます。本研究により、TPJとIFCの両方が自他区別と視点取得に貢献していることが明らかになりましたが、自閉症スペクトラム傾向を反映するAQとの関連については未だ明らかになっておらず、この点に対する更なる研究が望まれます。また、本研究成果は、模倣抑制や視点取得といった運動・行動課題による訓練が社会性の向上につながる可能性も示唆しており、今後は社会性向上を目指したニューロリハビリテーションに関する研究も望まれています。   論文情報 Satoshi Nobusako, Yuki Nishi, Yuki Nishi, Takashi Shuto, Daiki Asano, Michihiro Osumi, Shu Morioka. Transcranial direct current stimulation of the temporoparietal junction and inferior frontal cortex improves imitation-inhibition and perspective-taking with no effect on the Autism-Spectrum Quotient score. Frontiers in Behavioral Neuroscience. 2017   問合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 特任助教 信迫 悟志(ノブサコ サトシ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp

2017.05.19

2017年度「マミポコ親子ひろば」初回の活動報告!

近隣の未就園児の親子を対象に、第2、第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。 5/9(火)に、今年度最初の「マミポコ親子ひろば」を開催し、以下の内容で交流を楽しみました。 ◯自由遊び ◯絵本『だるまさんの』 ◯ふれあい遊び『ひっつきもっつき』 ◯体操『わ~お!』     当日は、1組の親子が参加してくださいました!子どもの人数よりも学生数が多かったのですが、滑り台やままごとセットなどで楽しそうに遊んでくれていたのでとても良かったです。 これから参加してくださる親子が増えてくると、保護者同士、子ども同士など様々な交流の場になっていけると思います。 多くの方に参加していただけるように頑張りますのでよろしくお願いします。   次回の活動は、5月23日(火)に和室で行います。ご参加をお待ちしております! なお、今年度は定員にまだ余裕がありますので新規のご参加を受付しています。お申し込みはコチラから、お願いします。   現代教育学科3回生 笹井綾子

2017.05.12

池田未来さん(現代教育学科1回生)がチアリーディング世界選手権大会で金メダルの快挙!

  2017年4月26日(水)~5月1日(月)アメリカ・フロリダ州において開催された「2017World Cheerleading Championships」および「THE CHEERLEADING AND DANCE WORLDS CHAMPIONSHIP」に教育学部1回生の池田未来さん(所属:WORLD WINGS)が日本代表として出場し、共に金メダルを獲得する快挙を遂げました。     現代教育学科幼児教育コースに在学する池田未来さんは、「色んな子どもがいる中で子どもや親に信頼される保育士になりたい。」という想いから畿央大学へ進学しました。今回の快挙に対して池田さんからコメントをいただきました。     「とてもうれしかったです。昨年は1位のアメリカとは1point差の銀メダルでしたので、今年は必ず金メダルを獲得したかったです。予選終了時3位の日本は3連覇がかかる1位アメリカと14point差という大差でしたが、『こころで勝つ』次に『技で勝つ』とみんなで声をかけあい、ジャッジメントシートからその日中に表現方法などを再度分析し、本選では大差をはねのけて奇跡の大逆転勝利!金メダルを獲得できました。」   【左】国別世界大会ICU Would Cheerleading Championship 2017にTEAM JAPANとして出場し、金メダル獲得!  【右】クラブチームの世界一を決めるTHE DANCE WORLDSに出場し、金メダル獲得!       2016年12月6日、国際オリンピック委員会(IOC)はムエタイとチアリーディングの2団体をIOC承認団体として暫定的に認めています。これにより、将来オリンピック競技として追加される可能性が非常に高くなりました。今後も池田さんの活躍に期待しています!  

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