理学療法学科の新着情報一覧
2021.01.15
就職レポートNo.616(病院/理学療法士)理学療法学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第616弾! 理学療法学科15期生(21卒) R.S さん 病院(理学療法士) 勤務 【その病院に決めた理由】 この病院は私が総合臨床実習にてお世話になった病院です。コロナ禍で実習期間が3週間と短かったのにも関わらず、短い期間の中で多くの経験が出来るようにと見学の時間を多くしてくださったことや、親切かつ熱心に指導していただいた点からこの病院を志望しました。 また、私は病期に関してこだわりがそれほどなかったので、法人内に急性期から維持期までそれぞれの病期に対応した病院があり、入職後の研修過程で急性期と回復期の両方を経験できることも非常に魅力に感じました。 【就職活動を振り返って】 私は、実習中からこの病院にしようと考えていたので、他の病院への見学はしませんでした。随時募集だったため、実習後1か月ほどでこの病院に連絡し、試験の日程を組んでもらいました。 実習先ではありましたが、試験は病院ではなく法人本部にて受けるとのことだったので、かなり緊張しました。しかし当日は、自分が伝えたいことを言えたら結果はついてくると考えると、それほど緊張せずに試験に臨めました。 【就職活動でPRしたポイント】 高校時代野球部で主将だったことを言い、そこから自分が意識して行ってきたことを伝えました。 何をPRするかも大切ですが、最も大切なのは、自分の熱意をしっかりと伝えることだと思います。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 随時募集だったこともあり、初めて連絡を入れてから試験までの期間が1週間と短かったので、履歴書を書いたり、面接練習をしたりとバタバタしました。 しかし、キャリアセンターの皆さんのアドバイスやサポートもあって、試験当日は自信をもって臨むことが出来ました。そのため積極的にわからないことは相談するといいと思います。とても力になってくれます。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 病院を即決できる人、病院を選ぶのに時間がかかる人様々だと思いますが、どんな時でも先生方、キャリアセンターの皆さんは相談に乗ってくれるし、応援してくれます。 最終的に決定するのは自分ですが、その過程で悩むことがあれば色々な人に意見を求めて、たくさん考えてください。 時には息抜きも大切なので遊ぶときはしっかり遊んでください。 メリハリをもって頑張れば、きっといい結果が待っています。がんばってください。
2021.01.12
臨床実習指導者会議をオンラインで開催!~理学療法学科
令和3年1月9日(土)に令和2年度の理学療法学科臨床実習指導者会議を開催しました。 今回は関東で緊急事態宣言が発令された状況下での会議だったので、オンライン(Zoomウェビナー)での開催となりました。このような形で開催するのは初めてであり、スムーズに開催できるか不安を抱えながら、本学職員にもサポートいただき準備を進めてまいりました。大きなビデオカメラに、パソコンが6台、外部モニターが3台、教職員の持ち込みPC8台と、万全の態勢で挑んだのですが、それでも会議終了までは緊張の連続でした。 会議には、100施設以上の病院や施設、医療センターの先生方にご参加いただき、Web会議システムを利用し、会議が進行されました。国家試験結果、就職状況、昨年度の実習状況報告、実習要項の説明、新型コロナ感染症の対策、提出議題に対する応答や全体を通しての質疑応答などが行われました。質疑応答はシステム上のQ&A機能を活用し、活発に意見交換も行われました。ただ、システムに慣れていない先生方やタイピングでの入力が難しい機器などもあったかと思われますので、今後の課題とさせていただきます。 平時に増して、コロナ禍での大変な臨床業務状況にも関わらず、臨床実習指導者会議にご参加いただいたこと、誠にありがとうございました。私たち教員は、日常において学内教育を行っていくにあたり、いかにすれば学生の身になる教育となるか、成長につなげられるかを試行錯誤しております。その学生たちの大学生活での成長の中で、臨床実習を受け、戻ってきたときの成長の大きさは言葉に表せないほどの変化があります。ですので、本学の臨床実習に関わっていただいている施設や実習指導者の方々、ケースを担当して指導していただく先生方、またそのような関わりがなくても、学生の表情を観て、ひと言声をかけていただいたり、励ましていただいたりしている関連部署の先生方、皆様に感謝の気持ちが増すばかりです。 現在は厳しい状況ですが、平時の診療参加型臨床実習が困難で、見学中心の実習となることがありましても、学外実習を行なったことによる教育効果は大きいと思われます。本学としては、感染等の悪影響を与えることのない実習実施を、あきらめずに模索し、対策していければと考えています。様々な業務に携わる中で、このように本学の臨床実習に協力いただいている実習施設および先生方に深く感謝申し上げます。また、私たちが出来る様々な情報提供や専門知識・技術の提供を行っていけるよう精進し、お互いが少しでもメリットのある関係を築けるよう精進してまいります。 この度は、本学臨床実習指導者会議にご参加いただき、誠にありがとうございました。 理学療法学科 教授 今北英高
2021.01.08
因果関係が明らかな状況下での他者の存在による因果帰属の変化~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
「責任転嫁」は行為結果の原因が曖昧な状況によって起こる社会的問題であることはよく知られています。しかしながら、因果関係が明らかな状況においても責任転嫁が生じるかどうかは不明でした。この潜在的な責任転嫁の可能性を畿央大学大学院博士後期課程の林田一輝 氏と森岡 周 教授はtemporal bindingという手法を用いて検証しました。この研究成果は、Frontiers in Psychology誌(Changes of Causal Attribution by a Co-Actor in Situations of Obvious Causality)に掲載されています。 研究概要 責任転嫁はよく知られた社会現象であり、医療現場においては人命に関わる問題を引き起こします。これまでの研究では、他者の存在によって結果の原因が曖昧になることで、責任帰属が低下していました。しかしながら、自己と他者の両方が結果の原因であることが「明白」な状況であっても、責任転嫁をもたらすかどうかは不明でした。この潜在的な責任転嫁の可能性を知覚的な因果帰属の指標であるtemporal binding(TB)という手法を用いて検証しました。TB効果が低い場合には、責任転嫁が増加していることを示します。因果帰属に及ぼす他者の存在の影響を調べるために、参加者はALONE条件(参加者のみ)またはTOGETHER条件(参加者と他者)の2つの実験条件を実施しました。これらの条件間では「行動が共有されているかどうか」という点だけが異なっており、両条件とも結果の原因が参加者であることは明白な状況でした。参加者の行為結果に対して責任感を感じさせるために、他者に大きな金銭的損失を与えるHigh harm条件と小さな金銭的損失を与えるLow harm条件、金銭的損失を与えないBaseline条件の設定をし、参加者に罪悪感を惹起させる手続きを行いました。実験の結果、他者に大きな金銭的損失を生じさせてしまう条件(High harm条件をTOGETHER条件で実施した場合)では、TB効果が低い値を示しました。つまり、自分のせいで他者に損害が生じた場面にもかかわらず、「他者の損失は自分のせいではない」という責任転嫁が生じました。本研究では、結果の原因が明らかであっても、他者と行動を共にすることによって知覚的な因果帰属が変化することが示唆されました。このことは、非人道的な状況における責任転嫁のメカニズムを理解する上で重要であると考えられます。 本研究のポイント ■ 因果関係が明らかな状況下でも他者との行為の共有は知覚的な因果帰属を変調させる可能性がある。 研究内容 画面上にクロスが1秒間表示された後、1秒ごとに数字をカウントし、数字が3を表示したら、参加者はキーを押すように指示されました。そのキー押しから少しの時間遅延があり、音が鳴りました。ここの時間遅延は、ランダムに200、500、700msが設定されましたが、参加者は1~1000msまでのランダムな時間遅延であると伝えられていました。 図1:実験タスク 参加者はどれだけの時間遅延であったかを推定し、キーボードを用いてその値を回答しました。この時間遅延が短く感じる程、行為(キー押し)と結果(音)の因果帰属が高いことを示します。音の周波数は300Hz、1000Hz、3000Hzのいずれかであり、それぞれの周波数に金銭的損失額が関連付けられていました。金銭的損失額は、損失なしのBaseline条件、1円損失のLow harm条件、200円損失のHigh harm条件の3つの条件で構成されました。ここで提示される周波数(金銭的損失額)の順序は予測不可能でした。Low harm条件またはHigh harm条件の音が鳴ったとき、参加者は時間遅延を推定した後に、実験者が実際に金額を減らす手順を確認しました。参加者は、他者が元々いくら持っていて、いくらお金が減るかについては知らされていませんでした。参加者は、ALONE条件とTOGETHER条件でそれぞれ81回の試行を行いました。10回の練習試行では、周波数と金銭的損失額の関連づけを十分に理解していることが確認されました。実際には、TOGETHER条件では実験者が使用したキーが反応せず、金銭的損失もありませんでした。これらの事実は、すべての実験終了後に参加者に知らされました。(図1)。 この実験の結果、High harm条件を他者と一緒に実施すると(High harm条件×TOGETHER条件)、推定遅延時間が有意に延長しました(図2)。この推定遅延時間が短いほど、自分がボタンを押したという責任を感じていることを表していることから、High harm条件×TOGETHER条件で推定遅延時間が延長することは、他者の損害を自分のせいではないという責任転嫁が生じていることを表しています。つまり、因果関係が明らかな状況においても責任転嫁が生じたということになります。 図2:ALONE 条件とTOGETHER条件の各金銭的損失条件の関係。推定遅延時間が小さい程、因果帰属(自分がボタンを押して音が鳴るという因果帰属)の増幅を示す。High harm条件において、ALONE条件よりもTOGETHER条件で推定遅延時間の有意な延長を認めた。***p < 0.001,**p < 0.01 本研究の意義および今後の展開 本研究は他者との行為共有が知覚的な因果帰属を変調させる可能性を示唆しました。責任転嫁のメカニズムはまだまだ不明なことが多く、本研究結果は社会的な行為結果の因果帰属変容プロセス解明の一助になることが期待されます。 関連する先行研究 Hayashida K, Nishi Y, Masuike A, Morioka S. Intentional Binding Effects in the Experience of Noticing the Regularity of a Perceptual-Motor Task. Brain Sci. 2020 Sep 22;10(9):659. 論文情報 Hayashida K, Miyawaki Yu, Nishi Y and Morioka S. Changes of Causal Attribution by a Co-Actor in Situations of Obvious Causality. Front Psychol. 2021 問い合わせ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 林田 一輝(ハヤシダ カズキ) E-mail: kazuki_aka_linda@yahoo.co.jp 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2021.01.08
就職レポートNo.610(病院/理学療法士)理学療法学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第610弾! 理学療法学科15期生(21卒) K.S さん 病院(理学療法士) 勤務 【その病院に決めた理由】 私は実習が全て回復期だったのですが、回復期だけでなく他の病期もみて一連の回復過程が知りたいと思い、就職先は総合病院でいろいろな疾患が見れる病院を探しました。その中で法人内異動が積極的で、様々な疾患を経験することができる当院を見つけました。 そこは、リハビリの報酬に関係なく必要な方には積極的にリハビリを行っており、患者様に寄り添った理学療法の提供に取り組んでいました。また、見学時に他の病院よりもセラピストやリハビリ室の雰囲気が柔らかく、何よりもとてもお話ししやすい雰囲気づくりをしてくださったところに魅力を感じて当院を志望しました。 【就職活動を振り返って】 コロナウイルスの影響で募集する時期が早かったり、見学できなかったりして焦ってしまって何を妥協したらいいのかが分からなくなることがとても多かったです。自分が求めていることと妥協できないことを明確にすることや先生や友達に話すことで自分の気持ちを整理して行きたい病院を決めることができたと思います。 また、複数の病院に見学に行ったので、各病院を比較することでより自分がしたいことや求めていることが明確になったので、選択肢を多く持っていることが大切だと感じました。 【就職活動でPRしたポイント】 法人内異動という病院側が求めていることと自分がしたいことが一致していたので、積極的に異動していろいろな経験を積みたいということは一番強く伝えました。 また、疾患層は病院にいる医者でかなり左右されるけれど、病院の特色やセラピストの人柄は簡単に変わるものではないので、その特色や人柄で自分が惹かれた当院の良さを述べ、そのうえで一緒に働きたいということを伝えました。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 書類を出す期限ギリギリまで受ける病院を決めることが出来なかったのですが、時間を割いて話を聞きながら一緒に考えを整理してくださったので、後悔せずに受ける病院を決定できたと思います。また、履歴書や小論文の添削も丁寧にしてくださり、就職活動を全力でサポートしていただきました。 キャリアセンターには先輩の就活体験記や病院の資料がたくさんあるので、候補の病院を探すのにとても役立ちました。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 病院見学に行った時点で、好印象を持っていただけていたので、病院見学での態度や振る舞いは大切だと思いました。 自分がどんな病院に行きたくて、求めていることや妥協できないことをはっきりさせておいたら、自分の意思をしっかり示せると思います。 また、見学の時に質問を用意して聞きたいことをしっかり聞いておくことで、自分が知りたいことを知れるだけでなく、相手にとっても自分がどういうこと考えているか伝わりやすいと感じました。 焦らずしっかり悩んで行きたい病院見つけてください!!頑張って!!
2021.01.07
大学院生が第18回日本神経理学療法学会学術大会で口述発表し優秀賞を受賞!~健康科学研究科
2020年11月28日(土)~29日(日)にWeb開催された第18回日本神経理学療法学会学術大会において、私、水田直道(博士後期課程)が発表してまいりました。 本学会は2,400名ほどが参加され、特別講演や教育講演、一般演題では多くの議論がなされておりました。またWCPT(世界理学療法連盟)の下部組織として、神経領域専門学会を有する国が集まったInternational Neurological Physical Therapy Association (INPA)を形成されており、INPAの理学療法の実情について国外の講演者の話を伺うことができました。アジアでINPAに参加している国が少ない中、日本がリーダーシップを取っていくという本学会の意思を認識することができ、大変共感することができました。 本学会のテーマでもある「理学療法士の意思決定 -2020年のシュプレーヒコール-」というタイトルで学術大会長講演を聴講しましたが、神経系理学療法のこれまでの歴史やこれから解決すべき課題が明示され、私自身これから神経系理学療法の発展のために取るべき行動を再確認することができました。 今回私は、「脳卒中患者における歩行の関節運動学的特徴と筋シナジーパターン」という演題で発表を行い、一般演題発表の中で優秀賞に選ばれました。発表では、脳卒中患者における歩行中の筋シナジーパターンの障害特性(サブタイプ分類)と関節運動学的特徴の関係性について調査した結果を報告しました。多くの演題の中から優秀賞に選んでいただけたことは、日々の取り組みを認めてもらえたことだと大変嬉しく思います。今後も歩行のリハビリテーションの発展に繋がるような研究を続けていけるよう、日々精進していきたいと思います。 また、博士後期課程に在籍している高村優作氏も所属先(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)の演題にて、奨励賞を受賞しました。 本研究の実施・発表にあたり、指導教員である 森岡 周 教授をはじめとする多くの方々にご指導およびご支援いただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。 ~発表演題~ 『脳卒中患者における歩行の関節運動学的特徴と筋シナジーパターン』 水田直道、蓮井成仁、西祐樹、比嘉康敬、中谷知生、田口潤智、森岡周 畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程3年 水田直道
2020.12.24
慢性腰痛患者の筋活動異常は疼痛関連因子と複合的に絡み合って能力障害を引き起こす~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
慢性腰痛患者の筋活動の特徴として、立位でおじぎの姿勢をした時に、腰の筋肉をリラックスさせることができないことが報告されています。しかしながら、このような慢性腰痛患者に特徴的な筋活動が、痛みへの恐怖心、破局的思考などの疼痛関連因子とどのように組み合わさって能力障害を引き起こしているのかについては十分に明らかになっていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の 重藤 隼人 氏と森岡 周 教授らは、慢性腰痛症例を対象に筋活動異常と疼痛関連因子の評価を行い、おじぎをした時に腰の筋肉をリラックスできないことが、疼痛関連因子と複合的に組み合わさることで能力障害が起こりやすくなるという関連性をアソシエーションルール分析で明らかにしました。この研究成果は、PLOS ONE誌 (Combined abnormal muscle activity and pain-related factors affect disability in patients with chronic low back pain: An association rule analysis)に掲載されています。 研究概要 慢性腰痛患者の筋活動の特徴として、立位で体幹を屈曲した(おじぎをした)時に、完全屈曲位(おじぎをした状態)を保持した時に腰の筋肉をリラックスさせることができないことが報告されており、これは「屈曲弛緩現象の低下」と呼ばれています。加えて、慢性腰痛患者は、腰の曲げ伸ばしの反復動作時に特定の部位の筋肉のみが活動し、背筋群を全体的にまんべんなく使うことができないことが報告されています。一方で、慢性腰痛患者の痛みや能力障害には、心理的因子や身体知覚異常などの多角的な因子が関連することが報告されています。しかし、慢性腰痛患者に特徴的な筋活動が、疼痛関連因子とどのように組み合わさることが能力障害に影響を及ぼすのかについて十分に明らかになっていませんでした。本研究では、筋活動と疼痛関連因子の評価を行い、アソシエーションルール分析を用いて、筋活動異常と疼痛関連因子の能力障害に対する影響度および筋活動異常と疼痛関連因子が組み合わさることで影響度が変化するかといった複合的な関連性を検証しました。その結果、屈曲弛緩現象の低下が疼痛関連因子と複合的に組み合わさることで能力障害がより起こりやすくなるという複合的な関連性があることを明らかにしました。 本研究のポイント ■ 慢性腰痛患者の筋活動異常と疼痛関連因子の能力障害に対する複合的な関連性をアソシエーションルール分析で検討した。 ■ 単独因子としては、屈曲弛緩比率の低下が最も能力障害に関連する因子として抽出された。 ■ 複合的な関連性としては、屈曲弛緩比率の低下が痛み・心理的因子・身体知覚異常と関連することで、より能力障害に影響する複合的な関連性を示した。 研究内容 慢性腰痛患者を対象に、疼痛関連因子の評価と筋活動の評価を行いました。疼痛関連因子の評価として、疼痛:腰部の疼痛(NRS pain)、痛みの性質(SFMPQ-2)、心理的因子:破局的思考(PCS-4)、不安・抑うつ(HADS)、運動恐怖(TSK-11)、腰部の運動恐怖(NRS fear)、自己効力感(PSEQ-2)、身体知覚異常:FreBAQ、能力障害:RMDQを評価しました。筋活動は表面筋電図を用いて、立位体前屈課題時(図1)の脊柱起立筋の筋活動を測定し、腰の筋肉のリラックス度合いの指標である屈曲弛緩比率:FRR、筋活動部位の偏りの指標である筋活動分布変動性を算出しました。 図1:立位体前屈課題 各変数は等頻度区間法で「高値」・「低値」の2群に分類し、アソシエーションルール分析を用いて、筋活動異常と疼痛関連因子の能力障害に対する影響度および筋活動異常と疼痛関連因子が組み合わさることで能力障害に対する影響度が変化するかといった複合的な関連性を検証しました。アソシエーションルール分析では、Confidence:ルールの正確性、Support:ルールの出現率、Lift値:ルールの有用性、の3つの指標に基づいてルールを抽出しました。複合的な関連ルールの抽出は、ルールの正確性の指標であるConfidenceが80%以上であることを条件に抽出し、階層的クラスター分析を用いて類似したルールにまとめました。 単独の変数では、屈曲弛緩不良のLift値が最も大きく(Lift値:1.64)、最も能力障害に影響する変数として抽出されました。 *全体の中で能力障害の症例が抽出される確率と比べると、FRR低値の症例の中から能力障害の症例が抽出される確率の方が64倍大きいことを示しています。 図2:能力障害に関連するルール 複合的な関連ルールを抽出した結果、「屈曲弛緩不良」ルール、「抑うつ」ルール、「運動恐怖」ルール、「中枢性感作症候群」ルール、「破局的思考」ルールが抽出されました(図2)。特に「屈曲弛緩不良」ルールではLift値が最大で2.18まで増加がみられ、能力障害に対する影響が強くなっていることを示しています。 本研究の意義および今後の展開 本研究成果は、慢性腰痛患者の筋活動異常が疼痛関連因子と関連することで能力障害に強く影響するサブグループが存在することを示唆するものです。そのため、今後はこれらの複合的な関連性が経時的な経過にどのように影響するか検討するとともに、疼痛関連因子を考慮した慢性腰痛患者の筋活動に対するアプローチを提唱する臨床研究を進めていく予定です。 論文情報 Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M and Morioka S Combined abnormal muscle activity and pain-related factors affect disability in patients with chronic low back pain: An association rule analysis PLoS One 2020 問い合わせ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 重藤隼人 E-mail: hayato.pt1121@gmail.com 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2020.12.22
発達性協調運動障害を有する児は本当に視覚に頼りがちなのか!?~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
飛んでくるボールをキャッチするためには、視覚によってボールの位置と速度を捉えることが重要になります。しかしながらボールを捕捉し返球する際には、ボールの大きさや重さ、性状といったプロパティを手の感覚(体性感覚)で捉えることの方が重要になります。このようにヒトは、現在遂行している運動にとって最も重要な感覚情報を、常に提供され続ける五感の中から取捨選択することによって、運動を成功に導きます。しかしながら、発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder: DCD)を有する児においては、運動を実行する際に、五感の中でも視覚に頼りすぎる傾向があり、その視覚依存傾向が運動の不器用さに繋がっていることが示唆されていました。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志 准教授らは、中井昭夫 教授(武庫川女子大学)、前田貴記 講師(慶應義塾大学)らと共同で、DCDを有する児の感覚依存特性を定量的に調べる初めての研究を実施しました。この研究成果は、Human Movement Science誌(Increased visual bias in children with developmental coordination disorder: Evidence from a visual-tactile temporal order judgment task)に掲載されています。 研究概要 DCDとは、協調運動技能の獲得や遂行に著しい低下がみられる神経発達障害の一類型であり、その症状は、字が綺麗に書けない、靴紐が結べないといった微細運動困難から、歩行中に物や人にぶつかる、縄跳びができない、自転車に乗れないといった粗大運動困難、片脚立ちができない、平均台の上を歩けないといったバランス障害まで多岐に渡ります。DCDの頻度は学童期小児の5-6%と非常に多く、注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、学習障害などの他の神経発達障害とも頻繁に併存することが報告されており、近年では脳性麻痺ともリスクファクターを共有する連続体である可能性も指摘されています。またDCDと診断された児の過半数が青年期・成人期にも協調運動困難が残存するとされており、DCDの病態理解と有効なハビリテーション技術の開発は、ニューロリハビリテーション研究における喫緊の課題の一つとされています。 運動を遂行する際には、その運動を成功させるのに最も重要な感覚に優先性をつける必要があります。昼間の明るいところで歩く際には視覚から得られる情報は重要になりますが、暗闇で歩く際には視覚に頼れないので、その分、身体感覚や平衡感覚、あるいは聴覚から得られる情報に重きを置くことになります。以前からDCDを有する児では、運動において視覚情報に頼る傾向があり、この視覚情報への依存度の増加が運動パフォーマンスに悪影響を及ぼしている可能性が示唆されていました。しかしながら、これらはいずれも行動観察に基づく示唆であり、DCDを有する児が本当に他の感覚と比べて視覚に依存する特徴を持っているという確固たる証拠はありませんでした。そこで畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志 准教授らの研究チームは、定型発達(Typically developing: TD)児とDCDを有する児に参加して頂き、感覚依存特性を定量的に調査しました。その結果、DCDを有する児は、TD児と比較して、視覚依存傾向が有意に強いことが示されました。加えて、感覚依存特性と微細運動スキル(手先の器用さ)との間には相関関係が認められ、これは視覚依存傾向が増加するほど、微細運動スキルが低下することを示しました。 本研究のポイント ■ DCDを有する児は、触覚よりも視覚に依存する傾向を示した。 ■ 触覚よりも視覚に依存する傾向が強いほど、微細運動機能は低下していた。 研究内容 6~11歳までのDCDを有する児19名*と年齢と性別を揃えたTD児19名が本研究に参加し、視覚-触覚時間順序判断課題**を実施してもらいました(図1)。この課題では、視覚刺激(光)と触覚刺激(振動)が様々な時間間隔(刺激開始非同期)で呈示され、子どもたちは視覚と触覚のどちらの感覚刺激が早く呈示されたのかを回答します。例えば、実際には触覚刺激が先に呈示されたのに、「視覚刺激の方が早かった」と回答すれば、それは視覚を優先する傾向が強いというように、感覚依存特性(視覚と触覚のどちらに知覚の偏りがあるか)を定量化する課題です。この課題の成績を解析することで得られる主観的等価点(視覚が早いと回答する割合と触覚が早いと回答する割合が丁度50%となる時間間隔)が感覚依存特性の定量指標となりました。 *視覚障害も触覚障害もない。 **Keio Method: Maeda T. Method and device for diagnosing schizophrenia. International Application No.PCT/JP2016/087182. Japanese Patent No.6560765, 2019. 図1:視覚-触覚時間順序判断課題(Keio method: Maeda et al. 2019) 触覚刺激よりも視覚刺激の方が早く呈示される条件、視覚刺激よりも触覚刺激の方が早く呈示される条件、および視覚刺激と触覚刺激が同期して呈示される条件があり、参加児は視覚刺激と触覚刺激のどちらが先に呈示されたかを回答した。 結果として、DCDを有する児は明らかな視覚依存傾向を示し、TD児ではやや触覚に依存する傾向を示しました(図2)。このことは、TD児では、視覚と触覚がほぼ同時に与えられた際に、「触覚刺激が早かった」と答える割合が多いのに対し、DCDを有する児では、「視覚刺激が早かった」と答える割合が多いことを意味しました。加えて以前の研究(Nobusako et al. Brain Sci, 2020)と一致して、感覚依存特性と微細運動スキルとの間には相関関係が認められ、視覚依存傾向が強くなるほど、微細運動スキルは低下していました。以前より微細運動スキルには、手先の触覚情報が重要とされており、それを反映した結果と考えられました。 図2:DCDを有する児とTD児における感覚依存特性の違い 本研究の意義および今後の展開 本研究は、DCDを有する児では触覚障害がないにも関わらず、触覚よりも視覚に依存しやすい特徴を持っていることを定量的に初めて明らかにし、この視覚依存特性の増加と微細運動スキルの低下には相関関係があることを示しました。このことは視覚よりも他の感覚を優先しなければならないような運動においては、とりわけ運動の不器用さが強調される可能性を示唆しています。 今後は、DCDを有する児で観察された視覚依存特性の原因(なぜ視覚に優先性を置くのか?)、視覚依存特性の利点と欠点の明確化(視覚依存特性はどのようなことにメリットがあり、逆にどのようなことにはデメリットがあるのか?***)、そして感覚依存特性の変化が協調運動技能の獲得や遂行に及ぼす影響について調べるさらなる研究が必要です。 ***今回の研究では、視覚依存特性の増加は微細運動スキルにはマイナスの影響を与えていましたが、他の活動(行動面、認知面)にはポジティブな影響を与えている可能性があります。 関連する論文 Nobusako S, Tsujimoto T, Sakai A, Shuto T, Furukawa E, Osumi M, Nakai A, Maeda T, Morioka S. Manual Dexterity is not Related to Media Viewing but is Related to Perceptual Bias in School-Age Children. Brain Sciences. 2020 Feb 13;10(2):100. 論文情報 Nobusako S, Osumi M, Furukawa E, Nakai A, Maeda T, Morioka S. Increased visual bias in children with developmental coordination disorder: Evidence from a visual-tactile temporal order judgment task. Human Movement Science. 2021; 75: 102743. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 准教授 信迫悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp
2020.12.14
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.84~11月の勉強会は「旬と栄養」と「測定器具の使い方」!
こんにちは、健康支援学生チームTASK※の理学療法学科2回生の相川真波と竹本有花です! 新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響もあり、今回の勉強会は対面とオンラインの併用で行いました。11月の勉強会のテーマは「旬と栄養」と「測定器具の使い方」でした。 健康の基礎となる食事で、普段意識できていない旬について知ってもらうことで、季節を感じ、より楽しい食事にしてもらうために、旬と栄養というテーマで勉強会を実施しました。さらに、コロナ禍により実施できてなかった健康測定の方法について、感染予防の観点も含め、実施しました。 ※TASKは、Think、Action、Support、for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 旬とは、ある特定の食材について、他の時期よりも新鮮に食べられる時期のことであり、旬の食材は値段も安くなりやすく、消費者にとっても嬉しい時期です。収穫の時期によって「はしり」「さかり」「なごり」の3つに分けられています。たいていの人が「旬」として意識しているものは「さかり」の時期です。旬の食材には、「価格が安い」「栄養価が高い」「おいしく感じる」という3つの利点があります。例えば、栄養素については、旬でない時期に比べて、旬の時期は栄養価が倍増する特徴があります。 このような旬について知らないことも多くあり、新たな知識を身に着けることで、旬についての興味が深まりました。 ▼発表時の対面参加者の様子 ▼パワーポイント資料(旬の食材の栄養素の変化:「KAGOME」公式サイト参照) 測定器具の使い方では、「体組成計」「長座体前屈」「ヘモグロビン濃度」の測定方法の確認を行いました。事前に全ての測定で、対面での実施可能と判断し、換気や消毒などの感染対策を徹底して実施しました。対面とオンラインの併用のため、対面の参加者が実際に測定を行い、オンライン参加者が測定方法を説明するという方法で実施しました。参加者それぞれが、感染対策を踏まえた測定方法をしっかり理解でき、実践への良い準備となりました。 今回は、対面とオンラインの併用が初めてということもあり、試行錯誤もありましたが、良い勉強会になったと思います。 発表において、クイズを行うなどオンライン参加者と対面参加者ともに楽しめる工夫なども行うことができました。また、オンライン参加者は対面で行うことができない分、測定器具の使い方について説明するという役割を設けることで、見ているだけでなく、対面参加者と一緒になって学べたと思います。 しかし、発表者はオンライン参加となったため、対面参加者の反応を見ながら発表を進めることができませんでした。これから対面とオンラインを併用する機会が増える可能性もあります。その際には今回の気づきを生かし、より良い勉強会にしていきたいと思います。 ▼健康測定の様子 さて、このコロナ禍の現在、本来のTASKとしての活動(測定会や勉強会、新入生歓迎会など)が行えていない状況です。TASKというチームを残すためにも、こういった勉強会にちょっとだけ参加していただけるだけですごく支えになります。対面とオンラインの併用も考えていますので、皆様のご参加、これからもお待ちしております! 「TASKってなに?」という方→Twitterで、「TASK(健康支援学生チーム)」と検索してみてください! また、畿央大学のホームページから、TASKの過去の取り組みを見てもらうこともできます! 「どうやって参加すればいいの?」という方→Outlookのメールから検索ディレクトリを使用して、「task」と検索してみてください。 ◎参加申し込みだけではなく、質問もこちらのメールで受け付けています! 理学療法学科2回生 相川真波・竹本有花 ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。
2020.12.08
慢性腰痛症例の筋活動と疼痛関連因子の経時的な関連性~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
慢性腰痛患者には、立位で体幹を屈曲した時に、完全屈曲位で背筋群が弛緩する屈曲弛緩現象が減弱・消失することが報告されています。また、完全屈曲位から体幹を伸展させる時に背筋群の筋活動が増強もしくは減弱することも報告されています。これらの慢性腰痛患者に特徴的な筋活動と疼痛関連因子の関連性は十分に明らかになっておらず、特に経時的な変化については、同時に変化するのか、どちらかの要素が先行して変化するのかといった経時的な関連性は検討されていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の 重藤 隼人 氏と森岡 周 教授 らは、慢性腰痛症例を対象に経時的に筋活動と疼痛関連因子の評価を行い、シングルケースにおけるcross-lag correlation analysisを用いて、筋活動異常の改善と疼痛関連因子の改善が同時に生じることを明らかにしました。この研究成果は、Journal of Pain Research誌 (Temporal Associations Between Pain-Related Factors and Abnormal Muscle Activities in a Patient with Chronic Low Back Pain: A Cross-Lag Correlation Analysis of a Single Case)に掲載されています。 研究概要 慢性腰痛患者の筋活動の特徴として、立位で体幹を屈曲した時に、完全屈曲位を保持した時に背筋群が弛緩する屈曲弛緩現象が減弱・消失することや、完全屈曲位から体幹を伸展させる時に背筋群の筋活動が増強もしくは減弱することが報告されています。また、慢性腰痛患者の痛みや能力障害には心理的因子や身体知覚異常などの多角的な因子が関連することが報告されています。しかし、慢性腰痛患者の筋活動と疼痛関連因子の間の経時的な関連性は明らかにされていませんでした。本研究では、経時的に筋活動と疼痛関連因子の評価を行い、シングルケースにおけるcross-lag correlation analysisを用いて、筋活動と疼痛関連因子の間の経時的な関連性を検証しました。その結果、筋活動異常の改善と疼痛関連因子の改善が同時に生じることを明らかにしました。 本研究のポイント ■ 慢性腰痛を有する1症例の筋活動と疼痛関連因子の経時的な関連性をシングルケースにおけるcross-lag correlation analysisを用いて検討した。 ■ 立位体前屈における屈曲弛緩現象の低下の改善と身体知覚異常の改善が同時期に生じるを示した。 ■ 体幹を伸展する時の筋活動の改善と痛み、心理的因子、能力障害の改善が同時期に生じることを示した。 研究内容 慢性腰痛を有する1症例を対象に、疼痛関連因子の評価と筋活動の評価を経時的に行いました。疼痛評価としてShort-form McGill Pain Questionnaire-2 (SFMPQ-2)、心理的因子の評価としてÖrebro Musculoskeletal Screening Questionnaire-12 (OMSQ-12)、身体知覚異常の評価としてFremantle Back Awareness Questionnaire (FreBAQ)、能力障害の評価としてPatient-Specific Functional Scale (PSFS)を評価しました。筋活動は表面筋電図を用いて、立位体前屈課題時の脊柱起立筋の筋活動を測定し(図1)、屈曲弛緩現象の指標である屈曲弛緩比率:FRR、完全屈曲位(完全屈曲相)での筋活動、伸展させている時(伸展相)の筋活動を算出しました。 図1:立位体前屈課題 経時的に測定した筋活動と疼痛関連因子の経時的な関連性を検討するために、シングルケースにおけるcross-lag correlation analysisを行いました。 図2:筋活動指標と疼痛関連因子の同時期における相関係数 各図形は〇:疼痛、△:能力障害、◇:身体知覚異常、□:心理的因子と筋活動指標との相関係数を示しています。塗りつぶされた図形は有意な相関関係であったことを示しています。 本研究の意義および今後の展開 本研究成果は、慢性腰痛患者の経時的な疼痛関連因子の変化が経時的な筋活動の変化に影響することを示唆するものです。そのため、今後はサンプルサイズを増やしてさらなる経時的な関連性の特徴を検討するとともに、疼痛関連因子を考慮した慢性腰痛患者の筋活動に対するアプローチを提唱する臨床研究を進めていく予定です。 論文情報 Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M and Morioka S Temporal Associations Between Pain-Related Factors and Abnormal Muscle Activities in a Patient with Chronic Low Back Pain: A Cross-Lag Correlation Analysis of a Single Case Journal of Pain Research 問い合わせ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 重藤隼人 E-mail: hayato.pt1121@gmail.com 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2020.12.02
令和2年度 理学療法学科卒業研究発表会を開催!~学生レポート
2020年11月6日(金)に開催された理学療法学科卒業研究発表会。参加した4回生からレポートが届きました! 理学療法学科4回生、梶原ゼミの石原優と溝端由衣です。理学療法学科卒業研究発表会についてレポートさせていただきます。 【卒業研究発表会当日までの取り組み】 理学療法学科では3回生前期に「理学療法研究法」という授業で、グループ毎に実際に総説論文を作ることで論文の探し方や読み方を学びました。その後、先生方のゼミ紹介を通して興味を持ったゼミを自ら選択し、それぞれのゼミに配属されました。3回生後期には「理学療法研究法演習」という授業で本格的にゼミ活動が始まりました。ゼミでは日本語や英語の文献抄読を通して興味のあることについて調べたことを発表し合い、次に、研究テーマについて、お互いで話し合って決めた後に発表へ向けて、取り組んできました。 私たちが所属する梶原ゼミでは月経痛を主なテーマとし、縦断研究と横断研究の2つの研究方法に分けて調査しました。縦断研究では月経痛に対して自分たちが考案したプログラムの効果検証を、横断研究では月経痛と生活習慣との関連の検討を行いました。 事前に決めていたテーマに沿って研究計画を練り、計画に沿って対象者の方からデータを集め、そのデータを統計ソフトで解析しました。そこで出た結果を、先行研究や資料を参考にしながらまとめていきました。 【発表会当日】 今年度は、16のゼミから全31演題の発表が行われました。1演題につき、7分の発表と3分の質疑応答の時間が設けられ、質疑応答では、4回生や先生方から様々なご質問をいただきました。 昨年の先輩方の発表で研究のイメージを膨らませていましたが、今年はコロナ禍ということもあり様々な制限があったために、本来のやりたいと思っていた研究が出来なかったゼミもありました。そんな中、研究内容や方法について、ゼミの仲間や担当の先生と試行錯誤を繰り返し、無事に発表会を迎えることが出来ました。 今回の研究で得られた経験や知識を生かし、これからそれぞれの道で患者さんのために最善の医療を届けられるように切磋琢磨していきたいと思います。 最後に、ご指導頂きました先生方並びにご協力頂いた方々に厚く御礼申し上げます。 理学療法学科4回生 石原優・溝端由衣 【関連記事】 令和2年度 理学療法学科卒業研究発表会を開催!~教員レポート ●昨年度の卒業研究発表会はコチラ!