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理学療法学科の新着情報一覧

理学療法学科の新着情報一覧

2025.08.05

<理学療法学科 4回生> 学内就職合同説明会を開催しました!

2025年8月2日(土)、本学にて理学療法学科4回生を対象とした「学内就職合同説明会」を午前と午後の2部制で開催しました。 全国から45の病院にご参加いただき、大変充実した内容となりました。まずは全体会として各病院から2分間づつ、病院の概要や特徴についての説明があり、学生たちは各病院の雰囲気や方針を比較しながら話を聞くことができました。 その後は食堂に移動してブース形式での個別説明が行われ、学生は関心のある病院のブースを訪れ、採用担当者の方から直接お話を伺うことができました。 現場のリアルな声を聞き、現場の雰囲気、待遇条件や新人教育など、より詳しい情報を得ることができ、就職活動に向けた理解を深める良い機会となりました。 参加した学生からは、 「就職について本格的に考えることができるようになった」 「病院選択の視野が広がった」 「HPでは得られない情報を得ることができた」 などといった声も聞かれ、充実した時間となったようです。 ご参加いただいた病院の皆様、ご協力ありがとうございました。そして学生の皆さん、今回の学びを今後の進路選択に是非活かして頑張ってください!   【全体会の様子】   【個別ブースの様子】

2025.08.04

日常生活に不可欠な“両手を同時に独立して動かす能力”の発達変化~ニューロリハビリテーション研究センター

一方の手で定規を押さえながら、他方の手で線を引く。一方の手で紙を持ちながら、他方の手でハサミで切る。あるいは、一方の手でお皿を保持しながら、他方の手でスプーンで食べ物をすくう。このように、両手を同時に異なる動きで使う“両手同時独立制御能力(Simultaneous Independent Bimanual Coordination)”は、日常生活において不可欠な動作スキルであり、その発達には運動制御や注意機能など多様な神経基盤が関与しています。しかしこの能力が、子どもにおいてどのように発達するのかについては、これまで十分に解明されていませんでした。畿央大学大学院健康科学研究科の信迫悟志 教授らの研究チームは、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手で同時に異なる描画を行う「両手結合課題(bimanual circles–lines coupling task)」を用いて、この能力の発達過程を詳細に検討しました。その結果、年齢の増加とともに“両手を同時に独立して動かす能力”が徐々に向上することが明らかになりました。また、この課題で得られた指標は、標準化された微細運動技能テストによって測定された“両手協調運動技能”の得点とも有意に関連していることが示されました。 この研究成果は、Frontiers in Human Neuroscience誌(Developmental Changes in Independent Bimanual Coordination: Evidence from the Circles–Lines Coupling Task in Children Aged 5–13 Years)に掲載されています。   本研究のポイント 両手を同時に別々に動かす「両手同時独立制御能力」は、5〜13歳の間に徐々に向上することが示された。 「両手同時独立制御能力」は、両手を協調させて目的を達成する両手協調運動技能と有意に関連していた。 両手結合課題(BC課題)は、特別な設備を必要とせず短時間で実施可能であり、発達期における両手協調運動技能の評価ツールとして有用である。   研究概要 本研究では、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手を同時に異なる動きで使う「両手同時独立制御能力(Simultaneous Independent Bimanual Coordination)」の発達変化を調査するため、両手結合(bimanual circles–lines coupling task: BC)課題を実施しました。この課題では、以下の2条件を設定しました(図1) 片手条件:利き手でタブレット上に垂直線を繰り返し描く(図1_左) 両手条件:同様に利き手で垂直線を描きながら、同時に非利き手で紙の上に円を反復描画する(図1_右) 図1.  BC課題   本研究に参加した8歳の右利き女児の例。通常、図の両手条件にあるように、利き手で描いた垂直線は、非利き手の円運動の影響を受けて、楕円形に歪んでしまう。したがって、両手条件でこの歪みの程度が少ないことは、両手を同時に別々に動かす能力が高いことを表す。 通常、両手条件においては、非利き手による円運動のプログラムからの干渉(影響)により、利き手で描かれた直線が楕円状に歪む現象が見られます。本研究では、この線の歪みの程度を楕円化指数(Ovalization Index: OI)として算出しました。OIは、0に近いほど直線性が保たれ、100に近いほど正円に近づくことを意味します。さらに、両条件間のOIの差分を両手干渉効果(Bimanual Coupling Effect: BCE)として定量化しました。BCEの値が小さいほど、両手を同時に独立して動かす能力が高いことを示します。さらに、協調運動技能の標準化検査の手先の器用さテストを実施し、BCEとの関連も検討しました。   研究内容 本研究では、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手で異なる運動を同時に行う能力を評価するためのBC課題(図1)および微細運動技能検査(利き手スキル、非利き手スキル、両手スキル、利き手の運筆スキル、総合)を実施しました。BC課題(片手条件、両手条件)で測定された利き手の運動軌跡の歪みをOIとして算出し、両条件間のOIの差をBCEとして定量化し、年齢との関係性および微細運動技能との関連性を検討しました。その結果、全ての年齢群において両手条件のOIは片手条件よりも有意に高く、BCEの存在が確認されました。そして、片手条件および両手条件のOIは年齢とともに有意に低下し、運動軌跡の直線性が向上していくことが示されました(図2)。また、BCEも年齢と有意な負の相関を示し、年齢の増加に伴い干渉効果が弱まり、両手を同時に独立して制御する能力が徐々に発達することが示唆されました(図3)。   図2. 年齢群間比較結果   図3. 年齢とBC課題変数との相関関係   さらに、年齢を統制したうえでの偏相関分析では、BCEおよび両手条件でのOIが、両手協調運動技能と有意に関連していることが明らかとなりました(図4)。   図4. 年齢を制御したBCEと両手協調運動技能との偏相関関係   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究では、両手で異なる運動を同時に行う「両手同時独立制御能力」が、5歳から13歳にかけて徐々に発達することが、行動レベルで明らかになりました。またこの能力は、左右の手を協調させてひとつの目的を達成する「両手協調運動技能」とも有意に関連していることが示されました。 この「両手同時独立制御能力」の発達には、前頭−頭頂ネットワーク、前頭前野(実行機能・注意制御)、脳梁を介した左右の大脳半球間の情報伝達・抑制機構、という3つの神経的成熟が関与すると考えられており、本研究結果は、これらの神経基盤の発達過程を行動的に捉えたものと位置づけることができます。 さらに、既存の標準化された協調運動技能検査では、年齢に応じて異なる課題や道具を用意する必要がありますが、BC課題はタブレットと紙、ペンのみで実施可能であり、年齢にかかわらず同一の手順で短時間に評価が可能です。こうした特徴から、BC課題は発達期における両手協調能力の発達段階を簡便かつ定量的に評価できる実用的な手法として有用である可能性が示されました。今後は、この課題を特別な支援を必要とする子どもたちにも応用することで、運動機能のより的確な評価や、リハビリテーション、運動学習支援への実践的な活用が期待されます。   論文情報 Nobusako S, Hashizoe K and Nakai A (2025) Developmental changes in independent bimanual coordination: evidence from the circles–lines coupling task in children aged 5–13 years. Front. Hum. Neurosci. 19:1620941. doi: 10.3389/fnhum.2025.1620941   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 信迫悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp

2025.07.14

「実習前医療接遇マナー講座 <看護医療・理学療法・健康栄養学科合同>を実施しました

2025年7月7日(月)、看護医療学科・理学療法学科の1回生、健康栄養学科の2回生を対象とした「実習前医療接遇マナー講座」が開催されました。これは、来月に初めての学外実習を控えた学生たちが、医療現場における基本的な接遇やマナーを身につけ、患者さんや医療スタッフと円滑な関係を築くための大切な学びの機会です。 講師として、株式会社CAREER LABO代表取締役の小松仁美様をお招きし、第一印象の重要性や適切な言葉づかい、実習中の厳守すべきマナー、報告・連絡・相談の基本など、医療現場で求められる接遇マナーについて、実践や学生によるワークを交えながら丁寧にご指導いただきました。 学生たちは、医療従事者としての自覚を深め、「実りある実習を目指す医療従事者としての心構え」を整える貴重な機会となりました。           今後も、キャリアセンターでは社会人としての基礎力を高めるガイダンスを充実させ、将来の現場で即戦力となる人材の育成に力を入れていきます。

2025.07.03

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.99~ 勉強会を開催しました!

こんにちは!健康支援学生チーム※の理学療法学科3回生 中部 真微です。今回は2025年5月29日(木)に行われた勉強会ついてご紹介いたします。   ※TASKは“Think, Action, Support for Health by Kio University”の略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 5月の勉強会の内容をご紹介 4回生の池山さんによる海外サッカーチームの見学報告会 今年度のTASKについて コグニサイズについて(東生駒地域包括支援センターの職員の皆様とコラボイベント開催に向けて) 今回の勉強会は、今年度から幹部として活動をはじめたメンバーによる初めて勉強会を開催させていただき、1~4回生のTASKメンバーの皆さんが楽しんで参加していただけるよう、沢山の内容を盛り込んだ勉強会となりました。   池山さんによる海外サッカーチームを実際に見学された際に実際に選手の体を触ったり、現場の空気間などの貴重な体験や学びについてのお話や、TASK自身の今回の勉強内容として用意させていただいた「コグニサイズ」(コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防を目的とした運動と認知課題を組み合わせた取り組み です)についての発表に興味をもって聞いてくださっていました。     発表の後は、学んだ内容を活かし参加してくださったメンバーでグループを作り実際にコグニサイズを用いた運動のアイデアを出し合ったり、積極的にコミュニーションをとったり年齢関係なく親睦を深めることが出来ました。     皆さんとても和気あいあいとした雰囲気で今後のTASKとしての活動がとてもますます楽しみになる、そんな勉強会となりました!   理学療法学科 3回生 中部 真微   ◆メールアドレス task@kio.ac.jp ◆
X(Twitter)   @kio_task ◆
Instagram           @kio_task   TASK(健康支援学生チーム)活動レポートはこちらで詳しくご覧いただけます。

2025.07.02

脊髄損傷によるしびれ感に対するしびれ同調経皮的電気神経刺激の効果 -N-of-1試験による効果検証-~ニューロリハビリテーション研究センター

脊髄損傷患者の多くはしびれ感が併発し、その改善に難渋することから生活の質や治療満足度が低下します。この喫緊の課題に対して、我々はしびれ同調経皮的電気神経刺激(TENS)を開発しましたが、プラセボ効果の影響は検討できていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターおよび長崎大学生命医科学域(保健学系)の西祐樹らは、N-of-1試験によりしびれ同調TENSがプラセボ効果よりも有意にしびれ感が改善することが明らかにしました。この研究成果はThe Journal of Spinal Cord Medicine誌(Tailored transcutaneous electrical nerve stimulation improves dysesthesia in individuals with spinal cord injury: A randomized N-of-1 trial)に掲載されています。 本研究のポイント 脊髄損傷によるしびれ感に対して、しびれ同調TENSおよびプラセボ効果を比較検証した。 集団および個人内ともに、プラセボ効果と比較してしびれ同調TENSはしびれ感を改善した。 しびれ同調TENSはしびれ感のみならず、アロディニアもプラセボ効果より有意に改善した。   研究概要 脊髄損傷患者において、しびれ感は主に両側に生じる一般的な合併症であり、日常生活活動や生活の質が著しく低下します。しびれ感に対する第一選択治療は薬物療法ですが、その効果は限定的で、副作用の報告もあります。そのため、しびれ感は未解決の問題(アンメット・ニーズ)と位置づけられてきました。これに対し、我々は、しびれ同調経皮的電気神経刺激(しびれ同調TENS)を開発しました。本介入は電気刺激のパラメータを個人のしびれ感に一致させるテーラーメイドな介入であり、しびれ感が改善することを先行研究にて報告しています(Nishi et al., Front Hum Neurosci 2022, Front Hum Neurosci 2024)。一方、従来の電気刺激療法では、電気刺激本来の効果のみならずプラセボ効果の影響が報告されており、しびれ同調TENSにおいても同様の作用が推察されます。しかしながら、しびれ同調TENSにおけるプラセボ効果の影響は明らかになっていませんでした。一般的に、プラセボ効果の影響はランダム化比較試験により検証されますが、個人への一般化が制限され、個人内介入効果が不明瞭になる可能性があります。そこで、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターおよび長崎大学生命医科学域(保健学系)の西祐樹らは、N-of-1試験により、しびれ同調TENSの集団および個人内の効果を検証しました。その結果、集団レベルおよび個人レベルの両方で、しびれ同調TENSはプラセボ効果よりもしびれ感を改善することを初めて明らかにしました。   研究内容 本研究の目的は、脊髄損傷によるしびれ感に対して、しびれ同調TENSとプラセボ効果を集団および個人内で検証することでした。そこで、脊髄損傷患者6名を対象に、無作為化プラセボ対照N-of-1試験を実施しました。各試験はしびれ同調TENSとプラセボ効果を反映するSham-TENS(各7日間、1日60分刺激)の2つの治療で構成され、各介入はランダムな順序で2セット行われました。主要評価としてしびれ感の主観的強度をNumerical Rating Scale(NRS)毎日評価し、副次評価として各期で短縮版マクギル痛み質問表(SF-MPQ-2)を評価しました。統計解析では、プラセボ効果(Sham-TENS)を差分したしびれ同調TENSの介入効果(しびれ感NRS)を集団―個人内で検証するために、階層的ベイズモデルを実施しました。また、しびれ感を含めた疼痛関連症状への波及効果(SF-MPQ-2)はベイズt検定を用いてしびれ同調TENSとSham-TENSで比較しました。その結果、しびれ同調TENSは集団レベルおよび個人レベルの両方で、臨床的に意義のある最小変化量を高確率(96~100%)で上回りました(図1)。また、Sham-TENSと比較して、しびれ同調TENSは触るだけで痛いアロディニア、チクチク感、しびれ感に関するSF-MPQ-2の項目で決定的証拠(Bayes Factor10 > 1000)としてのしびれ感の改善を示しました。以上の結果は、しびれ同調TENSがしびれ感を有する脊髄損傷患者という集団に有効であるとともに、テーラーメイドな治療のため、各個人の多様なしびれ感(ビリビリ・チクチクの内省や強度)にも有効であることを示唆しています。   図1. A)プラセボ効果(Sham-TENS)を差分したしびれ同調TENSにおける改善効果の確率密度関数。 点線は臨床的に意義のある最小変化量であり、臨床的に意味のある治療効果の確率は、点線の右側の曲線領域で表される。B) 改善効果確率の累積プロット。図1Aの確率密度関数を累積的に表現することで、しびれ同調TENSの改善効果を確率として解釈することができる。   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、しびれ同調TENSが、非薬物療法としてしびれ感に対する新規標準介入となる可能性があることを支持しています。今後は大規模な介入効果検証や他疾患のしびれ感に対する効果検証を行う予定です。   論文情報 Yuki Nishi, Koki Ikuno, Yuji Minamikawa, Michihiro Osumi, Shu Morioka Tailored transcutaneous electrical nerve stimulation improves dysesthesia in individuals with spinal cord injury: A randomized N-of-1 trial The Journal of Spinal Cord Medicine, 2025.   関連する先行研究 Nishi Y, Ikuno K, Minamikawa Y, Igawa Y, Osumi M, Morioka S. A novel form of transcutaneous electrical nerve stimulation for the reduction of dysesthesias caused by spinal nerve dysfunction: A case series. Front Hum Neurosci. 2022;16:937319. Published 2022 Aug 24. doi:10.3389/fnhum.2022.937319   Nishi Y, Ikuno K, Minamikawa Y, Osumi M, Morioka S. Case report: A novel transcutaneous electrical nerve stimulation improves dysesthesias and motor behaviors after transverse myelitis. Front Hum Neurosci. 2024;18:1447029. Published 2024 Nov 6. doi:10.3389/fnhum.2024.1447029   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 西 祐樹 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2025.06.25

地域リハビリテーション研究室主催 OPENLABOセミナー「地域共生社会におけるリハビリテーション専門職の役割~地域包括ケアから地域共生社会へ~」

申込フォームはこちら   研究室HPはこちら

2025.06.25

筋肉かるたで“知識”と“絆”を強化!~ 理学療法学科 2・3回生交流会レポート ~

理学療法学科2・3回生の交流会を開催!   理学療法学科では、2・3回生を対象にした特別交流イベントを開催しました。この企画は1回生歓迎のための交流会とは異なり、“知識を実践へとつなげるステージ”にいる上級生同士の学び合いを目的としたものです。国家試験や実習を意識しながら、学年の垣根を越えて互いに成長し合える、理学療法学科ならではの企画となりました。 白熱の「筋肉かるた」バトル イベントの中心はオリジナル競技の“筋肉かるた”!でした。 筋肉の起始・停止、作用、運動学など、理学療法士に欠かせない知識が詰まったこのかるたは、楽しさの中にしっかりとした学びが盛り込まれています。     ゲームは、2・3回生混合チームでの対抗戦形式で、筋肉を特定するための間違えそうなな3つのキーワードをたよりに素早く反応し、該当する札を取り合います。「早とちりで間違えると、お手付きで一回休み」ルールもあり、優勝チームは学科長からいただいた高級お菓子がゲットできるとあって、白熱した競技となり、3回生同士でも凄絶な札の奪い合いがみられました!!     また、ペアを組んだ先輩が後輩にアドバイスをしながらサポートする場面もあり、知識だけでなく信頼関係も深まったのではないかと思います。   「茶話会」で絆を深めました! ゲームのあとは、チームに分かれて茶話会を実施しました。実習の体験談や試験に向けた勉強方法、日々の学習リズムなど、3回生の“リアルな声”を聞ける貴重な時間となりました。     今まであまり接点がなかった2回生たちにとっても、気軽に相談できる雰囲気がありました。2回生にとっては、1年後の自分の姿を思い描きながら、今後の学びに向けた具体的な目標を持つ機会となったのではないかと思います。     参加した2回生の声 ● 「3回生の先輩方と楽しく筋肉かるたをしたり、テストや勉強のことについてお話をしたりすることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。これから色々なテストが控えていますが、先輩方もこのテストを乗り越えたのだと考え、自分なりに前向きに頑張って行こうと思います!」     ● 「3回生の先輩方と様々な企画を通して交流することができ、とても貴重な時間となりました。特に筋肉かるたでは、先輩方の凄さを改めて実感し、モチベーションアップにつながりました。その他、勉強方法などもたくさん教えていただいたので、これから実践していきたいと思います!」   今回のイベントを通して・・・ 2回生は、基礎知識の定着から実践へ、3回生は、知識の再確認と後輩への支援、という2・3回生の双方向の学びだけではなく、先輩への憧れ/先輩としての覚悟という成長を刺激する機会になったのではないかと思います。   今後も理学療法学科では、こうした学びの循環を大切に、学生一人ひとりの成長を支えていきたいと思います。   理学療法学科 教授 冷水 誠 准教授 松本 大輔 関連記事 中国の理学療法、リハビリテーション事情について~理学療法学科 第15回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 1回生・2回生交流会を開催しました ~ 理学療法学科 ~ TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.97~新入生対象説明会&歓迎会を開催!

2025.06.25

脳卒中後失行症における感覚−運動統合の障害と保持された明示的行為主体感の乖離~ニューロリハビリテーション研究センター

脳卒中後にみられる四肢失行は、運動麻痺や感覚障害がないにもかかわらず、意図的な行為が困難になる高次脳機能障害の一つです。この障害の背景の一部には、運動と感覚の統合の不具合、すなわち「感覚−運動統合」の破綻があるとされていますが、それがどのように「自分が自分の行為を引き起こしている」という感覚(=行為主体感、Sense of Agency: SoA)に影響するかは不明でした。畿央大学大学院の信迫悟志 教授、森岡周 教授らは、嶋田総太郎 教授(明治大学)、前田貴記 講師(慶應義塾大学)らと共同で、左半球脳卒中患者を対象に、「感覚−感覚統合」および「感覚−運動統合」の時間的な処理幅(=時間窓)と、明示的なSoAの時間窓を比較する実験を実施しました。その結果、失行を有する患者では「感覚−運動統合」の時間窓が著しく歪んでいる(=遅延検出が困難)一方で、明示的なSoAの時間窓は保持されていることが示されました。この研究成果は、Frontiers in Human Neuroscience誌(Distorted time window for sensorimotor integration and preserved time window for sense of agency in patients with post-stroke limb apraxia)に掲載されています。   本研究のポイント 失行症を有する患者では、「自己運動」と「視覚フィードバック」との時間的一致/不一致を検出する能力(=感覚−運動統合の時間窓)が著しく歪んでいた。 一方で、「受動運動」と「視覚フィードバック」との時間的一致/不一致を検出する能力(=感覚−感覚統合の時間窓)と「自分の行為によってその結果が生じた」と明示的に感じられる時間幅(=明示的SoAの時間窓)は保持されていた。 感覚−運動統合の時間窓の歪みは失行の重症度と有意に相関していたが、感覚−感覚統合の時間窓や明示的SoAの時間窓にはそのような相関は認められなかった。 感覚−運動統合の破綻とSoAの保持という乖離は、失行患者において高次の認知的補償機構(メタ認知や概念的推論)が働いている可能性を示唆する。   研究概要 脳卒中後にみられる失行症は、運動麻痺や感覚障害がないにもかかわらず、日常生活上の様々な意図的な動作(ジェスチャー、パントマイム、模倣、道具使用)が困難となる高次脳機能障害です。その背景には、自己の運動と感覚的な結果との統合(感覚−運動統合)の障害があるとされますが、それが「自分の行為によって結果が生じた」と感じる意識経験(SoA)にどのような影響を及ぼすかは明らかではありませんでした。 本研究では、左半球脳卒中後の患者を対象に、感覚−感覚統合、感覚−運動統合、および明示的なSoAの時間窓を定量的に測定する2つの心理物理課題を実施し、その関連性を検討しました。その結果、感覚−運動統合にのみ障害がみられた一方で、SoAの時間窓は保たれており、SoAにおける高次認知的補償機構の存在が示唆されました。   研究内容 本研究では、左半球脳卒中患者20名(失行群9名、非失行群11名)を対象に、2つの心理物理課題を用いて、感覚-感覚/感覚-運動統合と明示的SoAの時間窓を比較検討しました。失行の有無はApraxia screen of TULIA (AST)により評価されました。 遅延検出課題: この課題では、参加者には、左示指の受動運動および能動運動に対するその映像フィードバックの遅延を検出してもらいました。映像遅延は0〜600msまでの7段階(100ms刻み)で設定され、各条件下で遅延の有無を強制選択で回答してもらいました(図1)。 その結果、失行群では能動運動に対する視覚フィードバックの遅延を検出する感覚−運動統合の時間窓(能動-DDT)が有意に延長しており(遅延検出が困難),その判断の明瞭さ(能動-steepness)も緩やかであることが示されました。一方で、受動運動に対する視覚フィードバックの遅延を検出する感覚−感覚統合の時間窓(受動-DDT)とその判断の明瞭さ(受動-steepness)には群間差が認められませんでした(図3、図4)。   図1. 遅延検出課題   明示的SoA課題: この課題では、参加者のボタン押しによって、画面上の正方形の図形(□)がジャンプします。ただし、実際にはボタンを押してから□がジャンプするまでに、0〜1000ミリ秒の間で設定された11(100ms刻み)遅延がランダムに挿入されます。各試行の後、参加者は「自分のボタン押しによって□がジャンプしたと感じたかどうか」について、“はい/いいえ”で主観的に回答します。この回答をもとに、どの程度の時間的遅延まで「自分のボタン押しが□ジャンプの原因である」と感じられるか、すなわちSoAが保たれる時間幅(=SoAの時間窓)を定量的に評価しました(図2)。 その結果、失行群と非失行群の間で、SoAの時間窓(PSE)や判断の明瞭さ(SoA-steepness)に有意差は認められず、明示的なSoAは保持されていることが示されました(図3、図4)。   図2. 明示的SoA課題 ※Keio Method: Maeda T. Method and device for diagnosing schizophrenia. International Application No.PCT/JP2016/087182. Japanese Patent No.6560765, 2019.   図3. 遅延検出確率曲線と明示的SoA判断曲線   図4. 群内・群間比較結果   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、脳卒中後失行症を呈した患者において、感覚−運動統合に明らかな障害がある一方で、明示的なSoAは保持されているという乖離を、初めて実証的に示しました。この結果は、SoAが単一の過程ではなく、低次の感覚−運動レベル(予測誤差の検出など)から高次の認知的判断レベル(自己帰属の判断)までの階層的なプロセスで構成されているという近年の理論枠組みを支持するものです。とりわけ、低次レベルに障害があっても高次の判断が保持されうるという点は、SoAの可塑性や補償のあり方を理解するうえで重要な示唆を与えます。本研究は、失行という病態を通じて、ヒトにおけるSoAの生成メカニズムをより深く理解するための貴重な手がかりを提供するものです。   論文情報 Nobusako S, Ishibashi R, Maeda T, Shimada S and Morioka S. Distorted time window for sensorimotor integration and preserved time window for sense of agency in patients with post-stroke limb apraxia. Front. Hum. Neurosci. 2025.   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 信迫悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp

2025.06.19

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.98~東生駒地域包括支援センターを見学、健康増進のための畑カツも体験!

こんにちは。健康支援学生チーム※の理学療法学科3回生 中山と2回生 田子・渡部・岡崎です。   ※TASKは“Think, Action, Support for Health by Kio University”の略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 今回は東生駒地域包括支援センターとのコラボイベントへ向けた見学の内容・様子についてご紹介します。     生駒市東生駒地域包括支援センターの職員の皆さまがTASKの活動に関心を寄せてくださり、このたびコラボイベントの実施についてお声がけをいただきました!   今回はそのイベント前に「地域包括支援センター」についての知識を深めるために5月27日と6月10日の2回に分けて見学に行かせていただきました。   包括の方々からの歓迎を受け、まず見学では地域包括支援センター職員の方に地域包括支援とは、またその役割・業務内容・東生駒で行われている活動内容についてお話いただきました。   東生駒地域包括支援センターでは、活動の一環として畑活動や囲碁将棋教室・男性対象の筋トレなどさまざまな憩いの場づくりとともに健康増進を目的とした活動をされていました。   ▼東生駒包括の皆さんと筋肉ポーズ  生駒市役所介護保険課の方も来てくださいました!   ▼ ケアプラン作成や介護予防のための取り組みなど業務の幅広さを実感!   今回私たちは実際に畑活動に参加し、また畑活動をされている高齢者の方とお話させていただきました。参加したメンバーが自分から積極的に地域の方々とコミュニケーションをとっている様子が見られ、とても有意義な時間を過ごせました。   ▼ 畑カツに参加しました!   不整地を歩く,しゃがむなど身体機能がかなり求められることを実感しました。   ▼ 畑までの道のりも坂道があり、理学療法士をめざす学生目線で思うことも色々ありました。   ▼ 2日目は雨のため畑カツはなし。代わりに包括で地域の方々との交流会ができました。 参加学生からのコメント ● コミュニケーションを通して気づいたこと、新たな視点が得られたのではないかと思います。そして授業では学ぶ機会の少ない地域包括支援について現地で見聞きすることで、知識を深められ、イベントへ向けての体操考案のヒントにもなったと感じています。   実際に生駒市に行き、地域包括支援センターの取り組みの一つである畑作業を地域の方々と一緒にしてきました。 自分にとって地域との関わりということを今まであまり意識したことがなく、今回経験したこと全てが新鮮でとても楽しい、充実した時間でした。この経験を、学内での勉強にも活かしていきたいと思います!   理学療法学科 2回生 田子 輝   ● 地域包括支援センターが行っている健康増進のための活動内容とその活動の一環として野菜を育てている地域の人達とお話させて頂きました。皆さんとお話していく中で野菜を作るために畑に行ったりするだけで運動になっていることや、交流の場になっていることを感じました。特にその時に作りたいと思ったものをすぐに反映して作っていたことを聞いて、意見をすぐ取り込めるような柔軟な関わり方が素敵だなと感じました。このような取り組みが体の健康だけでなく心の健康にも良い影響を及ぼしているのかなと思いました。   理学療法学科 2回生 岡崎 日菜乃   ● 東生駒地域包括支援センターを訪問し、包括支援センターの役割や地域での取り組みについて学ばせていただきました。実際に地域の高齢者の方々のお話を拝聴し、学内の講義では得られない多くの気づきがありました。特に印象に残ったのは、ある出来事をきっかけに家にこもりがちになった高齢者男性が、包括センターの自立支援を目標とした活動に参加することで、次第に元気を取り戻していかれたというお話です。今では、その活動のボランティアとして他の方々を支える側に回っておられるというお話を聞き、非常に心を打たれました。   「支援される側から支援する側へ」その変化は、本人の努力だけでなく、地域生活支援センターの丁寧で温かなサポートがあってこそ実現できたものだと思います。こうした取り組みは、地域に笑顔や感謝の輪を広げる原動力になっていると感じました。   今回の経験を通して、支援とは一方的なものではなく、関わり合いの中で人が成長し、前向きになっていけるものだということを改めて実感しました。私自身も今後、誰かの力になれる存在を目指して学び続けたいと思います。   理学療法学科 2回生 渡部 寧彩   ▼ 皆さんのお話を聞いて地域における包括支援センターの大切さを感じました 担当教員からのコメント ● TASKの通常の体力測定・健康チェックイベントとは異なり、施設見学および、スタッフ・地域の高齢者の方との交流する機会をいただきました。まだ授業では学んでいない地域包括支援センターの役割を、具体的な業務・活動やある方のストーリーを含めてご紹介いただき、印象に残ったのではないかと思います。   また、高齢者の方とフリートークのお時間では、学生も高齢者の方も少し緊張がみえましたが、スタッフの方のサポートをいただきながら、楽しくコミュニケーションができていました。   今回の活動は、地域包括支援センター、地域の高齢者の皆様のご厚意で、実現することができました。学生たちにとって、授業では経験できない貴重な時間を過ごすことができましたことに、改めて感謝申し上げます。   理学療法学科/ヘルスプロモーションセンター 准教授 松本 大輔   ● 9月には東生駒地域包括支援センターの担当圏域にてTASKオリジナルの介護予防教室を計画しています。普段実施されている「いきいき百歳体操」をTASKバージョンにアレンジするように現在,3回生メンバーを中心に頑張っています。体操の中に脳トレの要素を入れることができないか検討している様です。   我々教員は前に出過ぎず,学生達オリジナリティを尊重しながらサポートしていくつもりです。皆様応援してあげてください!   理学療法学科/ヘルスプロモーションセンター 教授 高取 克彦   ◆メールアドレス task@kio.ac.jp ◆
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Instagram           @kio_task   TASK(健康支援学生チーム)活動レポートはこちらで詳しくご覧いただけます。  

2025.06.19

パーキンソン病の起立動作能力低下に関連する臨床症状および生体力学的特性の解明~ニューロリハビリテーション研究センター

パーキンソン病(PD)患者の起立動作(Sit-to-Stand: STS)障害は、上肢補助なしで評価することにより、時間延長、起立失敗、離臀(りでん)失敗へと段階的に進行しますが、それぞれの段階に特異的な臨床症状および生体力学的要因は明らかにされていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の岩井將修氏と岡田洋平教授らは、PD患者と健常者を対象に、上肢補助なしでのSTS動作を床反力計により評価しました。その結果、STS動作の段階的な進行には、体重移動能力の段階的な低下が関連することを示しました。また、STS動作の遅延は、臀部加速などの生体力学的異常と関連し、起立失敗は下肢寡動や足部の早期減速と、また離臀失敗は、姿勢制御機能の低下が強く関連することも示しました。本研究により、PD患者のSTSの障害の早期の進行に伴い、主たる関連要因が変化することが初めて明らかになりました。これらの知見は、動作障害の段階に応じた評価と予防的介入の基盤となるため、臨床的意義が極めて高いものです。本研究成果はMovement Disorders Clinical Practice誌(Clinical and Biomechanical Factors in the Sit-to-Stand Decline in Parkinson’s Disease)(IF: 4.0)に掲載されました。   本研究のポイント パーキンソン病患者の上肢補助なしの起立動作(Sit-to-Stand: STS)を、成功群・起立失敗群・離臀失敗群に分類し、床反力計による生体力学的要因の評価と臨床評価により各段階の特徴を検討した。 STS能力の段階的な低下に伴い、体重移動能力も段階的に低下することが示された。 各段階には特異的な生体力学的要因や臨床症状が関与しており、時間延長には臀部加速の低下、起立失敗には下肢寡動と足部早期減速、離臀失敗ではバランス機能の低下が特に関与することが示された。   研究概要 パーキンソン病(Parkinson’s disease: PD)患者の起立(Sit-to-Stand: STS)動作の障害は、早期から段階的に進行することが知られていますが、各段階における臨床症状や生体力学的特性の違いは十分に解明されていませんでした。PD患者のSTS動作の障害の進行を予防するためには、早期の異常を的確に捉え、その関連要因について理解することは極めて重要です。 畿央大学大学院博士後期課程の岩井將修氏と岡田洋平教授らは、PD患者と健常高齢者を対象に、上肢補助なしのSTS動作を床反力計で解析しました。その結果、PD患者ではSTS動作能力が段階的に低下し、時間延長、起立失敗、離臀失敗へと進行すること、および各段階で異なる主因子が関与することを初めて明らかにしました。具体的には、STS動作の遅延には体重移動能力の低下や臀部加速の異常が、起立失敗には下肢寡動と足部早期減速が、離臀失敗にはバランス機能の低下が関連していました。本研究は、PD患者のSTS障害の進行様式とそれに関与する要因を体系的に明示した初の研究であり、段階別の個別介入設計に資する重要な知見です。   研究内容 本研究では、パーキンソン病(Parkinson’s disease: PD)患者における起立動作(Sit-to-Stand: STS)の障害が、上肢補助なしの動作では、時間延長・起立失敗・離臀失敗と段階的に進行することに着目し、それぞれの段階に関連する臨床症状および生体力学的因子を明らかにすることを目的としました。本研究では、健常高齢者とPD患者を対象に上肢補助なしSTS動作の評価を床反力計上で実施し、健常高齢者群、STS動作成功群、起立失敗群、離臀失敗群の4群に分けました(図1)。     生体力学的指標としては、体重移動能力や加速、減速力やその発揮のタイミング、反復動作の頻度などを計測しました(図2)。また、臨床評価として、各運動症状(Movement Disorder Society-sponsored revision of the Unified Parkinson’s Disease Rating Scale part 3:MDS-UPDRS part3)、バランス能力(Mini-Balance Evaluation Systems Test: Mini-BESTest)、下肢筋力の評価を実施しました。     その結果、STS動作の段階的な進行には、体重移動能力の段階的な低下が関連することを示しました。また、STS動作の遅延は、臀部加速などの生体力学的異常とも関連し、起立失敗は下肢寡動や足部の早期減速と、また離臀失敗は、姿勢制御機能の低下が強く関連することも示しました(図3)。     これらの結果から、STS動作の早期の障害の段階的な進行には、臀部から足部への体重移動能力の低下が一貫して関与することが示されたが、各段階において、特異的に関連する運動力学的要因や臨床症状が存在する可能性が示唆されました。本研究結果は、PDのSTS障害の早期の異常を捉え、有効な予防介入戦略を検討する上で基盤となる重要な知見となると考えられます。   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究結果は、PD患者のSTSの早期の障害とその変化、そして関連する臨床症状や生体力学的特性に関する理解を促す基礎的な知見となり、障害の進行を予防するための介入戦略を検討する上で極めて重要な知見である。今後は、本研究結果を踏まえたPDのSTS障害に対する介入の効果検証や着座動作の障害に対する検討も進めていく予定である。   論文情報 Masanobu Iwai, Shigeo Tanabe, Soichiro Koyama, Kazuya Takeda, Yuichi Hirakawa, Ikuo Motoya, Yuta Okuda, Yutaka Kikuchi, Hiroaki Sakurai, Yoshikiyo Kanada, Mami Kawamura, Nobutoshi Kawamura, Yohei Okada. Clinical and Biomechanical Factors in the Sit-to-Stand Decline in Parkinson’s Disease Movement Disorders Clinical Practice, 2025   問い合わせ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 岩井 將修 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授 岡田 洋平 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: y.okada@kio.ac.jp

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