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理学療法学科の新着情報一覧

理学療法学科の新着情報一覧

2016.08.08

卒業生の研究結果がClinical Rehabilitation誌に掲載されました!

畿央大学大学院健康科学研究科修士課程修了生(理学療法学科3期生)の尾川達也(西大和リハビリテーション病院勤務)氏らは、患者にとって価値のある重要な生活目標を評価し、リハビリテーション目標と関連付けながら治療を進めていく「ライフゴール」という概念を用いることが、入院患者の不安の軽減や治療への参加意欲に効果的であることを明らかにしました。 この研究成果は、Clinical Rehabilitation誌(Short-term effects of goal-setting focusing on the life goal concept on subjective well-being and treatment engagement in subacute inpatients: A quasi-randomized controlled trial)に掲載されています。 なお、本研究テーマである「ゴール設定」に関する研究は、リハビリテーションにとって大変意義があると評価され、Clinical Rehabilitation誌の '30th Anniversary Issue'に掲載されています。   ■研究概要 ライフゴール概念は病気の後遺症などによって変化した環境へ適応していくために、患者が重要としている生活目標を評価して、それをリハビリテーションに取り入れるものであり、心理機能や動機づけへの効果が期待されています。しかし、リハビリテーションで実施している目標設定にライフゴール概念を追加した効果は検討されていませんでした。そこで、研究グループは通常のリハビリテーションに目標設定介入を追加しないControl1群、目標設定介入を追加したControl2群、ライフゴール概念に焦点を当てた目標設定介入を追加したLife Goal群の3群を設定し、ライフゴール概念の短期的な効果を調べました。その結果、ライフゴール概念を追加することで不安や治療への参加意欲により効果のあることを明らかにしました。   ■本研究のポイント ライフゴール概念を取り入れた目標設定を実施することで、通常の目標設定よりも治療への参加意欲に効果があった。   ■研究内容 今回、リハビリテーションで実施する目標設定にライフゴール概念を追加した効果を検討するために、以下の3群を設定しました。 【図1 本研究で設定した3群】 目標設定介入: Goal Attainment Scalingを使用し週1回のフィードバックを実施 ライフゴール概念: 患者のライフゴールを評価しリハビリテーション目標との関連付けを実施     4週間の介入の結果、心理面(不安)に関しては、目標設定介入を追加したControl2群とLife Goal群で不安の軽減が認められましたが、Life Goal群の方がより効果量が大きい結果となりました。一方、治療への参加意欲に関してはLife Goal群が他の2群と比較してより高値を示しており、リハビリテーションの目標設定にライフゴール概念を追加することで治療への参加意欲により効果があることを明らかにしました。 【図2 各群の不安と治療への参加意欲の変化】 HADS: Hospital Anxiety and Depression Scale; PRPS: Pittsburgh Rehabilitation Participation Scale **: P<0.01, *: P<0.05   ■本研究の臨床的意義 今回の結果は、リハビリテーションにおけるライフゴール概念の有効性を示す知見のひとつになるものとして期待されます。今後はより長期的な介入効果を明らかにすることが望まれます。

2016.08.02

身体運動制御学/高次脳機能学とニューロリハビリテーション研究会を開催しました。

2016年7月30日(土)、31日(日)に、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター主催の『第2回 身体運動制御学とニューロリハビリテーション研究会』と『第1回高次脳機能学とニューロリハビリテーション研究会』が開催されました。     招待講演として、井澤淳先生(筑波大学)、今水寛先生(東京大学大学院)、前田貴記先生(慶應義塾大学)、吉田正俊先生(生理学研究所)にご登壇頂きました。     井澤先生からは、「計算論からアプローチする運動学習・運動障害・機能回復」と題して、運動学習の計算理論、計算論的にみた様々な疾患における運動障害のメカニズムと機能回復の可能性について、お話頂きました。特に運動学習における2つのコンポーネントである内部モデル(順モデル)と再最適化のお話は、臨床で認められる患者さんの運動障害の様態と非常にマッチしており、参加された臨床セラピストの視点が広がったと思います。 今水先生からは、「認知・運動学習と脳のネットワーク」と題して、内部モデルが小脳で形成されること、運動学習におけるfast dynamicsを担う前頭-頭頂ネットワーク、slow dynamicsを担う小脳、そして運動学習前のresting stateから個人の運動学習能力を予測できることまで、非常に美しい研究成果の数々をご紹介頂きました。 前田先生からは、「自己意識の神経心理学」と題して、身体所有感や運動主体感に関することを神経心理学的にご説明して頂きました。また、運動主体感の定量的評価である「Keio Method」についても詳しくご解説して頂きました。また質問時間では非常に活発な意見交換が行われ、非常に良い雰囲気でした。 吉田先生からは、「マカクザルを用いた半側空間無視動物モデル」と題して、半側空間無視に関連する病巣について分かりやすくご説明して頂き、自身のマカクザルでの半側空間無視研究をご紹介して頂き、脳のネットワークとして捉える重要性について解説して頂きました。   またケースディスカッションや指定演題では、植田耕造先生(星ヶ丘医療センター)、菊地豊先生(脳血管研究所美原記念病院)、生野公貴先生(西大和リハビリテーション病院リハビリテーション科)、高村優作先生 (村田病院リハビリテーション科)にご登壇頂き、Lateropulsionを呈する症例、脊髄小脳変性症、半側空間無視のケーススタディおよび臨床研究をご紹介頂きました。どの先生も充実したサーベイから得られた豊富な知識に基づく仮説・検証作業を臨床実践されていました。     ポスターセッションでも研究者、臨床家などの垣根を超えたディスカッションが繰り広げられていました。 このように、第1線の研究者と臨床家が一堂に会して議論することで、未来のリハビリテーションが作られていくのだと思います。お集まり頂いた皆様に感謝致します。  

2016.08.02

運動器リハビリテーションセミナー「上肢・体幹編」を開講しました。

7月24日(日)、運動器リハビリテーションセミナー上肢・体幹編を開催いたしました。 全国各地から、臨床現場で活躍されている先生方75名が参加され、初夏の熱い日差しに勝るとも劣らない熱量で熱心に受講いただきました。 上肢・体幹編では、肩関節、肘・手関節、腰椎・骨盤帯を対象部位として、本学理学療法学科より福本先生と瓜谷先生、健康科学研究科修了生で他機関にて活躍されている粕渕先生と山野先生が、運動療法の基礎と国内外の研究動向や自身の研究知見などをご紹介いたしました。 今回取り扱った内容はスポーツや産業理学療法、運動器障害と呼吸器系・泌尿器系の機能障害との関連など、非常に多岐にわたるものでした。     講座で紹介した内容が、従来の理学療法の枠組みを超えて理学療法学を応用的に実践していくきっかけとなれば幸いです。 次回は10月30日(日)に「下肢編」を開催します。 多くの皆様のお越しをお待ちいたしております!!

2016.07.23

理学療法学科10期生×SAPS同窓会レポート!

2016年7月9日(土)、今年3月に卒業した理学療法学科10期生のメンバーで、学生による理学療法研究会であるSAPS(理学療法研究会:Studying About Physical therapy by Students)の勉強会と飲み会を実施しました。   勉強会は午後から始まり、今年卒業したSAPS同期生11名のうち4名が集まりました。現在臨床を行う上で悩んでいること・苦労したことや工夫していることなどを話し合い、意見交換などを行う非常に実りあるディスカッションの場となり、漠然としたおおざっぱな内容から具体的な対策や意見まで、幅広く話し合うことができました。     勉強会後は、難波で飲み会を行い、飲み会からは同期生10名が集まり大いに盛り上がりました。 約4ヶ月ぶりに顔を合わせるメンバーもおり、まずは学生時代の話に花が咲いて、それぞれが懐かしい想い出に思いをよせながら、とても幸せな時間を過ごしました。 また、社会人1年目ならではの悩み事や失敗談など、なかなか普段は話せないようなことも学生時代に苦楽を共にした仲間になら気兼ねなく話せ、すっきりとした気持ちになれました。   これからそれぞれ忙しくなっていくとは思いますが、学生時代の頃に戻って笑い合える、このような会を定期的に実施していければと思っています。   理学療法学科10期生 SAPS7期 代表 北川 瞭     ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。

2016.07.11

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.27~7月勉強会「たのしいストレッチをつくろう」!

こんにちは!健康支援チームTASK※、健康栄養学科2回生の多山知世菜です。 ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 7月6日(水)にTASKの勉強会を開催しました。今回のテーマは「たのしいストレッチをつくろう」です。 新メンバーを迎えて早2か月が経ったということで、今回の勉強会では1回生にTASKメンバーともっともっと親しくなってもらうことを目的としていました。 まず最初に班に別れて自己紹介をして名前を覚えてきたところでアイスブレイクを行いました。班で一列に並び、○○さんの後ろの○○さんの後ろの○○ですという風に覚えた名前をどんどん答えていくゲームです。1回生はすんなりと答えてくれていましたが、上回生はあれれ…?盛り上がりをみせました! 盛り上がったところで今回のテーマであるストレッチづくりへ。 班で自由にストレッチをいくつかつくってもらい発表するといったもので、これが意外と難しく苦戦しながら考えてくれていました。どの班も面白い発想と工夫を凝らしたストレッチを発表してくれて、とてもよかったです。今回の勉強会も学科や学年を超えて楽しむことができ有意義な時間となりました。 そして今回の勉強会から2回生が担当を受け持つことになり、上手くできず上回生に助けてもらう姿も見られました。2回生が主体となって行うことがどんどん増えていく中で、TASKのメンバーとして1回生をしっかりと引っ張っていきたいと思います。 次回の勉強会も楽しみながら学びましょう!

2016.07.05

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.26~ヘモグロビン、骨密度、体組成の測定方法を学ぶ!

こんにちは。健康支援学生チームTASK、人間環境デザイン学科3回生の藤田 直樹です。 ※TASKはThink, Action, Support for Health by Kio Universityの略称で、学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 6月27日(月)にTASKの勉強会を行いました。1回生は2回生からヘモグロビン、骨密度、体組成の測定の仕方を学びました。 1回生からは5月の勉強会のときよりも積極的に学ぶ姿勢が伝わってきました。学科を越えてペアを組み実際を想定した測定をしてみたり、被験者への気配り、測定結果の見方など経験しながら楽しい雰囲気の勉強会になりました。 これから広陵町での活動や学校内での測定にこの経験が活かせるようにしてほしいと思います。 次回は7月6日(水)です。内容はたのしい体操をつくるです。 次の勉強会も楽しみながら、学びましょー!!

2016.07.01

平成28年度 理学療法特別講演会のお知らせ

特別講演会は、毎年、畿央大学卒業生に向けてリカレント教育(卒業後も幅広い知識を養う)を兼ねて行っています。   今回の理学療法特別講演会では、現在、平成記念病院での臨床に加えて、畿央大学大学院の客員研究員としてご活躍されている徳田光紀先生(畿央大学理学療法学科1期生)をお招きし、大腿骨頚部骨折術後の理学療法についてご講演頂きます。大腿骨頚部骨折に対する理学療法の最新知見と徳田先生が実践している疼痛コントロールや筋力増強のための物理療法研究も含めてお話し頂きます。   なお本講演は、受講料1000円にて卒業生以外の医療関係者にも公開させて頂きます。   日 時 2016(平成28)年12月18日(日)  14:00~18:00  (13:30~受付) 会 場 畿央大学 L棟1階 L103講義室 講演 14:00~16:00 「大腿骨頚部骨折術後の理学療法の理論と実際」 徳田光紀 先生 平成記念病院 リハビリテーション科 主任 / 畿央大学大学院健康科学研究科 客員研究員 懇親会 16:20~18:00 講演会終了後、懇親会を予定しています。軽食・ソフトドリンクを用意しています(無料) 受講料 全て無料 (卒業生以外は1000円)   申込方法 下記①~⑥を明記のうえ、下記宛先にメールで申込みしてください。受講証の発行は致しません。当日、直接会場にお越しください。 ①氏名(ふりがな) ②卒業年度 ③住所(郵便番号から) ④電話番号 ⑤メールアドレス ⑥所属先(団体名、病院名等) 申込み締め切り 2016年12月14日(水)必着   宛先 E-mail:dousoukai@kio.ac.jp (畿桜会同窓会事務局) (件名に「理学療法特別講演会」と明記) お問合せ TEL:0745-54-1603(担当:増田、伊藤) ※公共交通機関を利用してご参加ください。

2016.06.16

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.25~6月は外部講師による勉強会!

こんにちは!健康支援学生チームTASK※、健康栄養学科3回生の村上と横田です!6月11日(土)におこなわれたTASK勉強会について報告します。今回のテーマは「ウィメンズヘルスとキャリアデザイン」ということで、神戸国際大学の荒木先生にお越しいただき、講演をしていただきました。 ※TASKはThink, Action, Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 まずはじめに、1年後・5年後・10年後に自分がどうなっていたいかをそれぞれ紙に書きました。次に、妊娠や出産時の母体の身体的・精神的変化などについてスライドを用いて説明してくださいました。先生自身の経験談を交えてお話ししてくださったので、教科書や授業ではなかなか学ぶことのできないことまで知ることができました! 続いてキャリアデザイン、特に主に社会での女性の働き方について教わりました。例として、理学療法士として働いている妊婦さんにおける出産過程の現状が挙げられていたのですが、妊婦さんを配慮する制度があるのにもかかわらず、それを知らない人が多いことで6割の妊婦さんが勤務先の施設とのトラブルを経験しているということに驚きました。日本では、男女平等に働こうという意識が完全には浸透していないため、女性が働きにくい環境となっていることを知りました。とても印象に残っているのは、女性が出産後退職しそのまま専業主婦になった人と比べて、大学卒業後60歳の定年退職まで正社員で働き続ける人のほうが約2億円多く生涯賃金を得られる、ということです!びっくりですね! 最後に、今回のお話を聞いて、もう一度1年後・5年後・10年後の自分について考え直し、紙に書きました。それをグループの人たちで見せ合い、共有しましたが最初に書いた時よりも、なりたい自分を明確にかけていた人が多かったです! 自分の将来について具体的に考えるよいきっかけとなりました(^^) \最後にみんなでお決まりの、TASKのT~!/ ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2016.06.15

学生広報スタッフblog vol.209~理学療法学科の新入生歓迎会レポート!

こんにちは、学生広報スタッフのKです。最近、梅雨入りして雨が降ることが多くなりましたね。理学療法学科1回生は大変なテストも一段落してきたのではないのでしょうか!   報告が遅くなりましたが、今回は少し前にあった理学療法学科の新歓について書こうと思います!5月28日(土)に、石川河川公園で新入生歓迎会をしました。1回生はほぼ全員参加する形で、あわせて約120名が集まりました!     途中から雨も降りだして中々火がつかなかったりしたのですが、何とか1回生が来るまでに間に合いました。いろんな1回生と話すことができたり、2回生同士でも知らないことがわかったりと、楽しくおいしくBBQを楽しむことができました!     BBQの後は、レクリエーション!グループ対抗の4択クイズとジェスチャーゲームを行いました。 4択クイズでは、理学らしい「胸鎖関節は何関節でしょう?」という問題から「畿央大学の校歌に畿央大学は何回出てくるか?」「大地の林檎とは何の野菜でしょうか?」までさまざまな問題が出題されました。 ジェスチャーゲームは、班の代表が一人前に出てジェスチャーをし、ほかの人が一緒になって考えるのですが、お題が「骨盤の挙上」などのこれまた理学っぽいものからスマートフォンなど様々なものがあり、たくさん笑わせていただきました!笑     毎年同じ場所で何年も行われている理学療法学科の新歓ですが、企画者さんや今回準備にたくさんの時間を割いてくれた人のおかげで、今年もみなさんが本当に楽しめた新入生歓迎会になったのではないでしょうか! 私は今回皆さんのキラキラの笑顔を写真に収めることができてとても楽しかったです。これからどんどん忙しくなると思いますが、この貴重な機会をきっかけに縦と横の交流を大事にできたらいいですね!   ▼企画した理学療法学科2回生

2016.06.14

平成28年度ニューロリハビリテーションセミナー機能編Aが開催されました。

日本全国から300名をこえるセラピストが集結! 2016年6月9日(土)、10日(日)の2日間にわたり、「ニューロリハビリテーションセミナー機能編A」が開催されました。北は北海道から南は沖縄まで日本全国から300名をこえる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師など臨床で働くセラピストが畿央大学に集結しました。申込開始後すぐ満席になるほどの人気のセミナーですが、今年もわずか12分で定員に達しています。 1日目は松尾篤教授による「情動の神経機構」から始まりました。『(情動は、)理屈じゃない』をオープニングに紹介され、理屈ではない「情動」を科学した知見についてご紹介頂きました。続いて、前岡浩准教授よる「記憶の神経機構」では、認知症をはじめ何らかの記憶に問題を認める事例の基礎となる記憶に関わる中枢神経領域およびネットワーク、神経科学的メカニズム、分子メカニズムについてお話しして頂きました。第3講座、大住倫弘助教の「視覚・体性感覚の神経機構」では、視覚や体性感覚処理やそれらの変換・統合過程に特異的な症状の認められる視覚性運動失調、自閉症、慢性疼痛疾患の幅広い知見を交えながら講義して頂きました。初日最後の森岡周教授による「注意の神経機構」では、「注意」研究の歴史や方法論から始まり、「注意」のトップダウン処理・ボトムアップ処理に関わる脳領域や神経ネットワークについて、基礎研究と主に半側空間無視に関する臨床研究の両面から解説して頂きました。 2日目は言語聴覚士である河村民平客員研究員による「言語の神経機構」からスタートし、音・語の認知、語の意味処理、文章の理解と生成、言語の学習という一連の流れで説明して頂きました。そして、信迫悟志助教による「上肢運動制御の神経機構」では、到達運動に関わる背側‐背側経路、把握運動に関わる背側‐腹側経路の神経メカニズムに基づいて、物体を見てからそれに対して到達・把握運動が生じるまでのプロセスを概説して頂きました。第3講座、岡田洋平准教授による「姿勢制御の神経機構」では、ヒトの姿勢制御に重要である前庭感覚、視覚、固有感覚、触覚などの各論を概説して頂き、ヒトは状況に応じてそれらの感覚をどのように重みづけているのか、その神経機構はどのようなものなのかを紹介して頂きました。そして、機能編Aラストの講座である冷水誠准教授による「運動学習の神経機構」では、誤差学習に関わる小脳の機能から丁寧に噛み砕いて講義して頂き、学習についての神経システムにおける最新の知見を紹介して頂きました。 セミナー期間中には昼休みの時間を利用してニューロリハビリテーション研究センターや実験室の見学会をしたり、初日の夜には懇親会をしたりと、参加された先生方と研究センタースタッフが交流する機会にも恵まれました。 10月には「機能編B」、2017年2月には「病態・臨床編」が開催されます。参加される先生方のお役に少しでも立てるように内容をさらに洗練させていく予定です。 また研究センター主催で7月30日(土)・31日(日)に身体運動制御学/高次脳機能学とニューロリハビリテーション研究会が開催予定で、招待講演、指定演題発表、ポスター発表などセミナーとは異なる学びの場、研究の場を提供いたします。ぜひご参加ください。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 助教  大住倫弘

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