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看護医療学科の新着情報一覧

2021年の看護医療学科の新着情報一覧

2021.10.29

就職レポートNo.631(病院/看護師)看護医療学科

就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第631弾! 看護医療学科11期生(22卒)  T.Aさん、 R.Oさん 病院(看護師)  勤務   (左:大西さん、右:荒本さん) ※撮影時のみマスクを外しています。   【その病院に決めた理由】 (荒本)実習でお世話になった病院であり、教育制度・雰囲気も理解していたことから「この病院なら自分のしたい看護ができるのではないか」と考えたため。また三次救急医療機関のため、より高度な症例に携わることができ、自分のキャリアアップにも繋がると考えたため。 (大西)基礎看護技術の定着のための研修がしっかりしていて自主的にスキルアップし続けることのできるような環境が整えられていることや、以前から小児看護師になりたいと思っており高度な小児医療に取り組む病院で働きたいと考えていたのでこの病院に決めました。     【就職活動を振り返って】 (荒本)苦労したのは面接練習です。相手に自分の伝えたいことを上手く伝えることができず、 面接練習を何度もしました。その中で「何を相手に一番伝えたいのか」を常に念頭に置いておくことで、自然と自分の意思を上手く伝えれるようになったと思います。 (大西)病院に出すエントリーシートの作成にとても苦労しましたが、キャリアセンターの方のご協力などで看護を目指した理由や看護に対する考え方など自分の中にある芯のようなものを再確認することができ、とても良い経験となりました。その節は本当にありがとうございました。     【就職活動でPRしたポイント】 (荒本)自分のPRポイントは元気の良さだと思っていました。そのため、面接では自分の意見を相手の目を見てはっきり伝えること、マスク越しでもわかる笑顔を作ることを心がけていました。 (大西)エントリーシートでは自分の今までの経験をどう看護に活かすかというのを書いて自分の考えをしっかり持っていることをアピールし、面接では男性は女性に比べて声が低いので暗い人と思われないように声を1トーン高くして真面目にかつ元気よく受け答えをして「私は元気で真面目な好青年ですよ!」ということをアピールしました。     【キャリアセンターと就職サポートについて】 (荒本)本当にありがたかったです。1月に就職活動を開始し、4月の就職試験まで何度もエントリーシート添削・面接練習をして頂きました。その度に西畑さんは自分を元気づけてくださり、不安なく採用試験に臨むことができたと思います。 (大西)看護医療学科だけではなく他学科の学生の就職サポートをしていてとても忙しいはずなのに、ESに書いた内容や自分の思いなど親身に相談に乗ってもらえてとてもよかったです。     【後輩へのアドバイス・メッセージ】 (荒本)病院選びを早めにした方がいいです。自分がどこの病院に行きたいかを予め決めている方が就職試験までの行動を計画することができ、ゆとりを持った準備を行うことができます。自分も行きたい病院は2つに絞っていたので、計画を立てながら就職活動ができました。 (大西)病院の採用試験は早いところで3月から始まる病院もあります。看護の分野の中でも自分のしたいことなどをざっくり決めておき、それに合った病院を早めに探しておくのが良いと思います。実習が終わり次第すぐにキャリアセンターに行けばキャリアセンターの先生に付きっ切りでサポートしてもらえるのでESや面接の対策を立てやすいです。本当に早い者勝ちなので頑張ってください。    

2021.10.22

理学療法特別講演会「2020東京五輪の活動報告」をアーカイブ配信します(在学生・卒業生限定)

11月末までの見逃し配信が決定!   理学療法学科卒業生のリカレント教育として、畿桜会(同窓会)主催で実施されている「理学療法特別講演会」。第14回となる今回のテーマは『2020東京五輪の活動報告~理学療法サービス部門としてのレガシー~』とし、TOKYO2020MEDスタッフとして参加した教員・卒業生3名を講師に招いて、2021年10月13日(水)19時30分よりオンライン開催されました。     都合が合わずに参加できなかったという声を受けて、講演会(約60分)のアーカイブ配信を行うことになりました。お申込みいただいた方(在学生・卒業生・修了生・教職員)にのみメールにて視聴用URLをお送りしますので、希望される方は下記からお申込みください。   ※視聴期間は11月末までです。  ※今後のイベント企画の参考とするため、視聴後にはアンケート回答をお願いいたします。 ※後半の座談会についてはアーカイブ配信の対象外となります。   ▶アーカイブ配信を申込む   【関連記事】 第14回理学療法特別講演会「2020東京五輪の活動報告」を開催しました。 10/13(水)第14回理学療法特別講演会「2020東京五輪の活動報告」を開催します。 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。

2021.10.13

ハンセン病当事者家族から「疾病と差別」を学ぶ~看護医療学科「健康学特論」

畿央大学健康科学部看護医療学科では、2015年度より保健師対象科目「健康学特論」において、受講者と岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園に直接赴き、納骨堂に献花し、往時に使用されていた収容施設や監房等も見学、そして、現在も入所されている回復者(ハンセン病はすでに治っていますが、社会との断絶により療養所に残らざるを得なかった人々)の話に耳を傾けて参りました。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で現地に向かうことができませんでしたが、国立療養所長島愛生園歴史館学芸員の田村朋久さん、東京・東村山市にある国立ハンセン病資料館学芸員の金貴粉さんに遠隔で講演をしていただきました。   2021年度こそは現地に行きたかったのですが、残念ながら今年度もそれはかないませんでした。しかしながら今年度は田村朋久さん、金貴粉さんに遠隔講演を引き続きお願いし、加えて、新たに対面授業として、2021年9月25日(土)に、元ハンセン病家族訴訟原告団副団長の黄光男(ファン・グァンナム)さんにお越しいただき、お話を伺うことができました。     ハンセン病をめぐる国内の動きは近年、大きなうねりを見せてきました。2019年11月、ハンセン病家族補償法が可決され、ハンセン病をめぐる差別の解消に向けた啓発を行うため、名誉回復の対象に「家族」を加える「改正ハンセン病問題基本法」も成立しました。その中心におられたのが黄光男さんでした。   ハンセン病にかかる法律は、1907年「癩予防ニ関スル件」制定後、変遷を経て、1953年「らい予防法」になりました(1996年に廃止)。現憲法下でのこの法律は、療養所への強制隔離等を定めた非人道的なものでした。そのような中、黄光男さんは1955年に大阪府で生まれました。黄さんが1歳のとき、ご家族がハンセン病になってしまったのですが、大阪府職員による数次にわたる「入所勧奨」により、家族は離ればなれになってしまいます。9歳のときにまた一緒に暮らせるようにはなりましたが、そこには「大きな溝」ができ、それを埋めることはできなかったそうです。   黄さんは、大阪府の職員や近所の一般市民が一体になってハンセン病患者を社会から追いやったのだと話されました。2001年の熊本地裁判決で国の過ちが認められ国は謝罪しましたが、一般市民、県や市の職員たちの中に、国と同様に謝罪し責任を感じた人が何人いただろうか、ハンセン病患者はかわいそうな人たちと同情をさそうような問題ではなく、自分にも加害責任があったかもしれないということが問われるのだと続けられました。中でも、「力をもった者の言うことを鵜呑みにせず、『おかしいことはおかしい』と声をあげる勇気をもつことが大事」であると学生たちに強調されました。   ハンセン病は、当事者である患者さんに対する差別がいまだなくならない現状がありますが、それだけではなく、そのご家族にも差別、そしてそれに伴う甚大な「人生被害」があったのです。ご自身の家族関係のことを例に挙げながら、黄さんは切々と語られました。また、ギターを手にされ、ご自身が作詞作曲した「閉じ込められた生命」、「思いよ とどけ」などの弾き語りを披露していただきました。学生たちはその歌、その思いに聴き入っていました。     2021年10月9日(土)の午前は、国立療養所長島愛生園歴史館の田村さんに「人権が尊重される社会のために~ハンセン病問題から学ぶ」と題した講演に続き、長島愛生園のバーチャル見学ツアーを岡山から遠隔でしていただきました。歴史館、収容桟橋、収容所(回春寮)、監房跡、納骨堂、恵の鐘、十坪住宅、愛生学園跡、一朗道、新良田教室を巡ることができました。画面上の見学ツアーではありましたが、その分、これまで直接足を運べなかった多くの場所も見ることができ、入所者さんの解説も併せて聴くことができました。     同日午後は、国立ハンセン病資料館の金貴粉さんに「ハンセン病問題と在日朝鮮人」というテーマで東京から講演をいただき、3人の外部講師の先生方による講演の締めくくりをしていただきました。それぞれの講演ではハンセン病問題のみならず、新型コロナウイルス感染症にまつわる差別問題も言及があり、ハンセン病問題と根は同じであることを学ぶことができました。     3人の外部講師による盛りだくさんの講演を聴き、学生も考えることが多かったようです。最後に、学生たちの感想をご紹介いたします。   【学生の感想】 「直接講演を聞くと、より現実に起こったことなのだということを実感し、とても胸が締め付けられました。差別されてきた人たちの心の傷は一生消えないものであり、改めて自分で考えて行動できる人にならないといけないと思いました。」   「講師の方々の話を聴き、ハンセン病患者さんやそのご家族がどのような思いで生きてきたのかということを知ることができました。二度と同じような出来事を繰り返してはいけないと強く感じました。関心を持ち、正しい知識をもつことが大切だと強く感じました。」   「講演を聞き、ハンセン病の裏で偏見や差別が存在し、その偏見や差別に、多くの人が苦しんだということがよく分かりました。特に衝撃的だったのは、療養所内でまるで囚人のごとくハンセン病患者が生活していたことです。このことを知り、国全体として差別していたのだということがよく分かりました。そして、新型コロナウイルスが蔓延する現在で、感染者に対して同じようなことを繰り返さないことが、ハンセン病の歴史について学んだ私たちがまずするべきことだと考えました。」   「情報リテラシーが十分ではなく、差別などの行動をとる人にどのように正しい知識を与えるか、つまりハンセン病の知識が欠けている人に対しどのようにアプローチをかけていくのかが今の課題であると考えました。」   「私は、多くの講演を聞いて、今もそれぞれの家のお墓に帰れず、療養所の納骨堂に遺骨が納められている遺骨が多いという事を知り、自分の親族にハンセン病患者はいなかったのか母に尋ねました。母は、私の親族にはいないという事を話し、また、ハンセン病の差別に対して、講演で聞いたような知識を持っており、その頃の間違っていた考え方や政策について話し合うことができました。私は、自分が親になった時、今回の私と母のように子と差別と偏見の話をし、今後繰り返さないようつなげたいと思います。」     受講生たちは本科目の主たる内容である「医療問題と人権」の一端を深く学び、胸に刻むことができたと思います。「関心を持つ」「正しい知識を持つ」ことが非常に大事であると学生たちも話していました。 コロナ禍において、再び「疾病と差別」の問題がクローズアップされています。今後も、まだ社会に残る差別の解消に向けた取り組みにかかわり、人道・人権尊重を主体とした医療従事者養成に寄与していきたいと考えております。   最後に、黄光男さん、田村朋久さん、金貴粉さんには貴重なお時間をいただきありがとうございました。改めてお礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。   看護医療学科 准教授 文鐘聲   【関連記事】 国立療養所長島愛生園でハンセン病回復者の現状を体感する~看護医療学科「健康学特論」 ハンセン病療養所長島愛生園を見学~看護医療学科 国立ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科「健康学特論」 ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科 日本における感染症対策ーハンセン病の歴史ーを学ぶ~看護医療学科

2021.10.04

令和3年度 看護医療学科卒業研究発表会をオンライン開催!

2021年10月2日(土)、看護医療学科『2021年度 卒業研究発表会』がTeamsを使用して、リモートで開催されました。自宅に居ながらの研究発表会への参加、そして、スムーズな司会進行、質疑応答へと、この2年間のコロナ禍での学びと経験・ICTスキルも活かしたものとなりました。   今年度の卒業研究発表会について、午前・午後の発表について、学生からのレポートをお届けします。    【上仲ゼミより:午前の部】 看護医療学科4回生(上仲ゼミ)です。看護医療学科では3回生前期から看護研究の授業を受けたのち、12月頃にゼミ担当教員(1ゼミにつき4~5名の学生)が決定し、約9か月間かけて卒業研究を進めました。研究は、文献研究を中心として、これまでに講義や実習を通して学んだことが、実際にはどのように研究され、成果として公表されているのか分析し、論文としてまとめました。昨年に引き続きオンラインでの発表会となりましたが、先生方や3回生の皆さんもたくさん聴講してくださり、ありがとうございました。 午前の部では、救急医療、母子医療、地域保健医療など幅広い研究が発表されました。 その様子について、一部ではありますが報告させていただきます。     就職活動や実習、国家試験の勉強など多忙な中での卒業研究で大変でしたが、どの学生も興味深いテーマの研究で、約9か月間の研究成果を、工夫を凝らして発表していました。 今回の発表会で他の学生の研究を聴くことで、新しい知識を得ることもでき、とても良い機会になりました。この学びを今後、看護師として働くうえで活かしていきたいです。 学生生活も残り半年、今後は国家試験に向けて頑張っていきます! 来年度、卒業研究に取り組む3回生の皆さんは現在、実習で大変な日々を過ごしていると思いますが、実習で遭遇した疑問や課題を大切にして、各々の卒業研究に活かしていただきたいと思います。頑張ってください!   上仲ゼミ:岡本彩花・北村綾菜・豊田莉己・孫田彩香   【堀江ゼミより:午後の部】 ゼミの所属が1月に決まってから、多くの論文を読み、ゼミ担当の先生やゼミメンバーと意見交換の場を設け、研究を進めていきました。その中で、悩むことも多くありましたが、ゼミ担当の先生やゼミメンバーからの助言を受けることで、納得のいく卒業研究論文を完成させることができました。 私たち堀江ゼミは午前に発表し、午後からは各ブロックに分かれ、他のゼミの発表を聞きました。「出生前診断にて胎児異常を診断された母親の心理過程」「精神科での身体拘束と心身への影響」「終末期がん患者の家族が求めるケア」「認知症高齢者に対する動物介在療法の効果に関する文献的考察」など、様々なテーマの発表を聞きました。   [ブロック7:上仲・乾ゼミ]   [ブロック6:須藤・小林ゼミ]   学生それぞれの発表から、自分自身が研究したテーマとは異なるテーマの研究についても知識や理解が深まりました。 この卒業研究で学んだことを、来年4月から看護師として働く現場で、または進学した先で役立てていきたいと思います。   堀江ゼミ:石井愛実・小山美咲・田中陽菜・山中もも   【関連記事】 令和2年度 看護医療学科卒業研究発表会、初めてオンラインで開催! 令和元年度 看護医療学科卒業研究発表会を開催! 平成30年度卒業研究発表会を開催!~看護医療学科 山崎・林田・對中・大友・文ゼミ 平成29年度卒業研究発表会を開催!~看護医療学科

2021.09.30

11/27(土)日本産業衛生学会「中小企業安全衛生研究会第55回全国集会」が開催されます(対面、オンライン)

本学看護医療学科松本泉美教授が世話人を務める「日本産業衛生学会 中小企業安全衛生研究会第55回全国集会」が本学にてオンラインと併用して開催されます。詳細はチラシPDFをご覧ください(画像クリックでもPDFが開きます)。     期  日 令和3年11月27日(土)10時~16時半 会  場 畿央大学 KB04講義室(座席指定)、Web開催  ※Web開催のみの可能性あり 主  催 日本産業衛生学会中小企業安全衛生研究会  代表世話人 錦戸典子(東海大学医学部看護学科教授)  担当世話人 松本泉美(畿央大学健康科学部看護医療学科教授) 後  援 奈良産業保健総合支援センター  (その他大阪・兵庫・滋賀・京都も依頼予定) 畿央大学看護実践研究センター 参 加 費 無料 ※ただし、会場参加(定員 120 名)、     Web 参加(定員 90 名)で定員設定 研修単位 会場実施の場合、午後の特別報告は  日本医師会認定産業医生涯(専門)単位  *単位認定は会場参加のみとなります。   産業保健看護専門家制度単位 2 単位(Web 参加可能) 演題申込 参加申込 表題を「第 55 回全国集会参加希望」として、 別紙に①氏 名、②所 属、③連絡先、 ④一般演題発表希望の有無、⑤日本医師会認定産業医単位希望者は認定番号、 ⑥会場参加か Web 参加などを明記の上、 E-mail: kio6350832@gmail.com 又は Fax: 0745-54-1600(畿央大学代表) あてに送信下さい。 なお、演題発表希望者には頂戴したメールアドレスに執筆要領をお送りいたします。 Web 参加者には後日参加方法を連絡いたします。   申込用紙はこちら    演題申込み締切:  令和 3 年 11 月 12 日(金)*抄録提出期限となります。 参加申込み締切:  令和 3 年 11 月 22 日(月)ただし、定員になり次第締切ります。    【注意事項】 1. 会場は密を避けるため人数制限(会場収容人員 300 名中 120 名*座席指定)があり、定員となりましたら締切ります。 2. Zoom を使用した Web 参加併用型での開催ですが、Web 参加も人数制限(90 名)があります。これについても定員となりましたら締切ります。 3. 今後の新型コロナの感染状況により Web 開催のみとなる可能性もあります。 4. 申請中の研修単位は会場参加のみの場合もありますのでご注意ください。(web 参加証での認定がなされない日本医師会認定産業医研修単位)。 日本産業衛生学会産業看護部会産業保健看護専門家制度研修単位は専門研究[統括管理]2 単位が認定されました。こちらは、web 参加でも可能ですので、認定単位表と参加証を別途事務局までご請求ください。 5. 会場では、入室時に体温と健康状況のチェック、1 時間に 1 回の換気を行い、感染防止に努めます。当日までの 2 週間以内に発熱や咳・味覚障害等のCOVID-19 感染が疑われる症状がある場合、または、無症状でも濃厚接触者となっている場合は、会場参加を見合わせてください。その際には、会場参加からweb 参加への登録変更を必ずお願いします。また会場参加の方でCOVID-19 ワクチン接種済の場合には、証明書画像をスマホ等に保管していただき、受付の際にご提示ください。 6. Web 参加ではご自身のパソコン・スマートフォンなどで Zoom が使用できるようZoom のダウンロードを準備として各自していただきますようお願いします。 7. 配信した画像や音声の録画・録音、再利用は固く禁止致します。 8. Web 参加の場合は当日の開始 10 分前には事前に連絡します URL にアクセスをお願いします。お問い合わせ先:第 55 回全国集会用下記アドレスに直接メールにてご連絡ください。 E-mail:kio6350832@gmail.com TEL:0745-54-1601 (代表) ⇒代表電話ですので看護医療学科 松本へと電話応対者に必ずお伝えください。 FAX: 0745-54-1600(畿央大学代表)  送信先看護医療学科松本へ *当日のキャンセルにつきましては、電話連絡での対応はできませんので、できるだけ大会参加用のメールアドレスへの連絡または集会用 LINE への連絡(参加申し込み者に連絡)をお願いします。

2021.08.30

令和3年度「チーム医療ふれあい実習」レポート

畿央大学では、理学療法学科1回生、看護医療学科1回生、健康栄養学科臨床栄養コース2回生の学生が、入学後早期にチーム医療の実際にふれ、職種間の協働の重要性にについて学ぶ「チーム医療ふれあい実習」を行っています。昨年度に引き続き今年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、ほとんどの学生が臨床の場で実習を行うことが困難となりました。そのため、学内という限られた環境であっても学生にとって有意義な学びの機会となるよう、各教員が工夫を凝らしたプログラムを実施しました。 今回、看護実習室を模擬病棟と見立てて、病気を体験した方やそのご家族にご協力いただき「病を持つ人へのインタビュー」を実施しましたので、ご紹介します。     事前学習として闘病記を読み、病を持つ人とはどのような人なのか、そのような人を支える医療者のあり方についてグループワークを行います。病気を体験したことがない学生にとっては、このグループワークが病気を体験した方の想いを知る機会となります。 インタビュー当日は、このグループワークでの学びや疾患について学習した内容をもとに、各グループで質問内容を考え何度もインタビューの練習を行いました。また、学生自身がベッドメイキングをし、模擬病棟として看護実習室の環境を整えました。 インタビュー前は、かなり緊張した様子の学生たちでしたが、ご協力いただいた皆様方の温かい笑顔に緊張もほぐれた様子でした。積極的に質問するだけでなく、学習したコミュニケーション技術を活用することができた反面、フェイスシールドとマスクを着用してのコミュニケーションの難しさを実感した場面もありました。また、お子さんが小児科病棟で長期入院されていた方は、入院中のお子さんの記録、看護師さんからプレゼントされたカード、「勇気のビーズ(Beads of Courage®)」を見せてくださり、医療者に励まされた体験を語ってくださいました。 どのグループも設定していた時間では足りないほど、充実したインタビューを実施できました。     参加した学生からは、以下のような感想がありました。   今回病を持つ方々にお話を聞いて、医療従事者が実際に行っていることや、視点の違いについて学ぶことができました。また、コミュニケーション能力について改めて見直すきっかけになりました。どれだけ教科書の勉強をしていてもいざ行動に移すとなると難しく、実際に体験することで感じることや学ぶことが大きかったです。今後は話を聞いて考えたことを、考えて終わりではなく、自分が何をできるのかを常に考え、行動していきたいと思います。貴重な時間をありがとうございました。 池上 真由   病をもつ方に直接お話しを聞く機会は今回が初めてでした。病気に気づいた時の気持ちや病の経験についてお話を聞くことができ、とても良い経験になりました。また、医療者に求めることについても聞くことができ、自分たちがめざすべき医療者像をイメージすることができました。貴重な時間を割いていただきありがとうございました。 上垣 穂乃佳   初めて実際に病を持つ方とお話をする機会を用意してくださり、教科書で学習するだけではわからなかった、実際の医療現場のイメージやそれぞれの患者さんが抱く思いを知ることができました。今回の実習で、立派な医療従事者になろうと改めて強く思い、頑張ろうと思うことができました。 梅澤 津柚乃   病を持つ方々から話を聞いて、自分たちが想像していたことよりももっと細かいところや、身近なところで辛さを感じていることがわかりました。私は病名を聞いた時には、その治療の際の副作用などが辛いと予想していました。しかし話を聞いて、治療の前段階や、外見での辛さなど、予想していなかった答えが返ってきました。このことから、私たちは患者さんとは違う視点で見ていることがわかりました。話を聞いて、今まで自分が見ていた視点とは違う視点から病を持つ方々の気持ちを知ることができました。そして、病を持つ方自身が前向きな気持ちでいることができるのは、身近な人の支えのおかげという話も聞かせていただきました。家族の次に患者さんの気持ちの近くにいるのは看護師であり、少しだけの会話であっても積み重ねていくと大きいものになっていくので、小さなことの積み重ねで患者さんに寄り添っていくことが大切であると思いました。今後医療従事者になるにあたって、今日お話していただいたことを生かして、患者さんから信頼してもらえるような看護師になります。 吉森 玖実     今回の実習は「学内でどれだけのことが学べるのだろうか」と、教員自身も不安を抱えながらのスタートとなりました。しかし、多くの皆様方にご協力をいただき、学生自身の「学びたい」という強い想いも相まって、実習開始時には想像もしなかったような学生の成長を見ることができました。一人ひとりの学生がしっかりと自分の役割を果たし、まさに「チーム医療」という姿を見せてもらいました。 今回の実習での学びを忘れずに、患者さんを尊重し、患者さん中心のチーム医療が提供できる医療者となってくれることを願っています。   理学療法学科 准教授 前岡浩 健康栄養学科 助教 柴田満 看護医療学科 講師 中西恵理   【関連記事】 令和元年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催!~理学療法・看護医療・健康栄養学科 平成30年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催しました! 平成29年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催しました! 平成28年度「チーム医療ふれあい実習」を終えて

2021.08.16

熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科

令和3年7月15日(木)、数多くの分娩介助を経験されておられる助産師の江口美智子先生から「分娩介助の応用」について演習を通して教えて頂きました。     まず、会陰保護技術について教えて頂きました。会陰保護技術とは、分娩時に赤ちゃんの頭や体が会陰(外陰部から肛門の間)を通過する際に会陰の損傷を防ぐ目的で行われるものです。今回は熟練の助産師さんの会陰保護技術における“ワザ”を教えて頂き、演習を行いました。最初は、左右の手の力加減が難しく苦戦しましたが、練習する度に徐々に出来てきました。また、分娩台の高さを調整することも大切であることを学びました。   次に、陣痛の痛みでパニックになる産婦さんや呼吸法が上手くできない産婦さんへの対応について学びました。演習ではパニックになっている産婦さんに対してどの様な声かけをすれば良いのか戸惑いました。産婦さんに力が入り過ぎてしまうと、赤ちゃんが急速に娩出されて危険であり、また会陰裂傷の原因となってしまいます。手技だけでなく産婦さんへの声かけも意識することの重要性を学びました。 また、分娩中にパニックを起こさないよう妊娠中から呼吸法などを練習し、陣痛や出産に対する母親の不安を軽減させていくことが必要であると学びました。   最後に、肩甲難産における対処法について教えていただきました。肩甲難産は、赤ちゃんの頭が娩出された後、肩が出るのが困難な状態のことで、母子の命に関わる危険性もあります。今回はこの肩甲難産への対処法であるHELPERR(ヘルパーアール)について教えて頂きました。赤ちゃんやお母さんの危機が迫る中での人員確保や次々に方法を変えて実施・評価することの難しさを実感しました。     今回の講義を通して、手技はもちろんのこと、声かけなど産婦さんに寄り添うことの大切さを学びました。現在はコロナ禍で母親学級、両親学級など出産前の準備ができず、分娩中にパニックになってしまう産婦さんもおられると聞きました。産婦さんたちが落ち着いて分娩にのぞめるよう、妊娠中から母親に寄り添い、分娩中も声かけなどを意識して取り組むことを大切にしていきたいです。   ご指導いただきました江口先生、木内先生、安栖先生、ありがとうございました。   ※撮影時のみマスクを外しています。   助産学専攻科 木村優見 鶴岡理紗   【関連記事】 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」

2021.08.16

産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」

令和3年7月28日(水)に「助産診断技術学Ⅱ」の科目で、健康科学部長で産婦人科医師である植田政嗣先生に、会陰縫合理論と縫合技術について教えていただきました。     講義では、会陰裂傷の原因や処置、会陰切開の適応、会陰縫合の実際についてスライドやビデオを用いて教えていただきました。ビデオでは、会陰切開・縫合を受けたお母さんの体験談もありました。会陰切開や会陰縫合は、お母さんと赤ちゃんの安全のために行われることがあります。しかし、お母さんにとっては、大きな痛みや怖さを伴うものであり、傷は治っても記憶として残り続けてしまうことがあると改めて学びました。実際に処置を行うのは医師ですが、助産師も処置の実際について理解しておくことでお母さんに寄り添うことができるのだと学びました。     演習では、実際に会陰縫合で使用する縫合糸と針を用いて、糸結びの方法を教えていただきました。はじめは見様見真似でしたが、分からないところは植田先生が丁寧に教えてくださり、学生同士でも協力しあいながら演習に取り組みました。また、会陰縫合で使用する持針器の扱い方についても学び、糸の結び方を習得することができました。 そして、最後に一人ずつ会陰裂傷モデルで会陰縫合の練習をしました。     今回の講義や演習を通して、会陰裂傷や会陰切開、会陰縫合の負担の大きさを改めて感じました。 会陰裂傷を起こしてしまうと、会陰切開時に比べて縫合に時間がかかり、お母さんにとってより大きな負担となってしまいます。そのため、助産師には、できるだけ会陰裂傷を起こさないように努める役割があると実感し、責任の重さを学ぶことができました。     助産学専攻科 中田萌香 山下華奈   【関連記事】 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」

2021.08.11

4回生から3回生へ、ホスピスケアについて学びの伝達~看護医療学科「終末期ケア論」

「終末期ケア論」は、看護医療学科3回生前期の必修科目として開講しています。この授業では、がんで大切な家族を失った遺族の体験を聴く、がん終末期の対象の療養場所やそれぞれの場でのサポートを考えるなど、看護実践の場で終末期ケアを行う医療人として学びを深めることを目指した授業構成をしています。 その一つに、病院インターンシップ実習をホスピス・緩和ケア病棟で経験した4回生から、3回生に学びの紹介を行うという授業があります。 今回は、授業の様子を4年生の学生がレポートします。   4回生は、6月に2週間の病院インターンシップ実習を経験しています。今回は、COVID-19の影響を受けて、国保中央病院飛鳥で実習予定であった3名は、オンライン中心の実習となりましたが、終末期がんの患者さんとその家族、または遺族のケアについて事例を用いた場面設定を行い、ロールプレイやディスカッションを通して多くの学びを得ました。     ■国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥実習生から3回生へ  国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥でリモート実習をさせていただいたグループでは、「死のシミュレーション体験」を実施しました。「死のシミュレーション体験」とは、自分の大切なものを事前に14個抽出しておきます。今回は、喉にしこりがあることに気づいた時から受診、治療を行い、死を迎えるまでのストーリーを聴き、大切な局面で大切なものを一つずつ手放しながら、自身の最期を迎える疑似体験をしました。   ▲大切なものを一つずつ悩みながら手放す様子   「死のシミュレーション体験」は、私たちが実習中に、国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の立ち上げ時から、数年間ホスピスで勤務をされた山崎優美代看護師(現:医療法人拓誠会 辻村病院医療介護統括室)からの講義を受けた際に経験させてもらったものです。 自分たちが、この経験で終末期患者さんのつらさに少しは近づくことができたと実感したため、この授業で3回生に紹介しました。3回生が少しでもリアルに体験してくれるよう、ストーリーも自分たちで工夫をして創り上げました。     実施後のグループ討議では、それぞれの3回生の学生がそれぞれの価値観に基づいて、喪失するものを選んだことを話し合ってくれました。このことから、患者さんにもそれぞれの価値観があるということが学べたと思います。また、たくさんの喪失体験をされる終末期の患者さんの大切なものを1つでも多く守ることができるように関わることも看護師としての重要な役割です。 短い時間ではありましたが、3回生の学生の心に何か一つでも学びや気づきがあり、それらを後期から始まる領域別実習に活かしてほしいと思います。また、看護の道をめざす人にとって、少しでも「看護師の在り方」「生と死」について考えるきっかけになれば嬉しいです。   ▲死のシミュレーション体験後に自分たちの思いを語り合う3回生   看護医療学科4回生 小柳明梨・山内蒼生・李美憂   ■市立東大阪医療センター緩和ケア病棟実習生から3回生へ  市立東大阪医療センターの緩和ケアで実習させて頂いたグループでは、一般病棟とは少し違った緩和ケア病棟の構造や特徴、実際に働く師長さんや、リーダー看護師の役割、コロナ禍の緩和ケア病棟、実習を受けての自分たちの看護観などについてお話させて頂きました。     常に患者さんの目標や思いを第1に考えている緩和ケア病棟で、人に寄り添うということの本質を学ばせて頂きました。またコロナウィルスによって患者さんは面会の制限や、季節のイベントの中止などの影響を受けています。このような状況の中で緩和ケア病棟の看護師さんは患者さんへの温かみのある関わりを常に考えられていました。これから領域別実習に臨まれる3回生の皆さんに、私たちが感じた診療の補助や療養の世話だけではない、患者さんに寄り添うという看護師の大切な役割を少しでも伝えることが出来ていれば嬉しいです。私たちも、3回生の皆さんの前でお話することで、これまでの学びをより深めることが出来ました。今後も自身の看護観について深く考えていきたいと思います。   ▲ディスカッションする3回生の学生に質問を投げかける様子    看護医療学科4回生 井藤舞咲・田渕結夏・外園舞   【関連記事】 逝去時の看護を学ぶ-エンゼルケア演習 ~看護医療学科「終末期ケア論」 看取りを体験した遺族に対する看護の課題~看護医療学科「終末期ケア論」

2021.08.03

5カ国を結んで学ぶ!コロナ禍の保健医療福祉の実際と課題~看護医療学科「国際看護論」

令和3年7月30日(金)の第15回「国際看護論」の授業では、ベトナム(ハノイ市)・台湾(雲林県)・韓国(ソウル市)・スウェーデン・オーストラリア(メルボルン)と、日本(奈良:畿央大学)をZoomでつなぎ、国際的な看護の実際を学びました。 各国の看護の本質は日本と同じであるものの、実際の看護の実践の仕方や働く環境は大きく異なることを学びました。   この日は、『現地の看護職の講義を聞き、コロナ禍における先進国と後進国の保健医療福祉 の実際と課題を知る』という目標に基づき、『COVID-19は人々にどのような影響をもたらしたのか』という主題に基づき、5人のゲストスピーカーの方に各テーマに沿って紹介していただきました。   まず、世界の中のわが国(日本)の現状について山崎先生から講義をうけました。   写真:WHO 世界の感染状況より引用   世界では上記の図のような感染状況にあり、日本では2019年2月にロイヤルプリンセス号の発症からスタートしており、現在第5波が到来しています。そこで、さらなる感染予防対策の重要性とワクチン接種の促進を促していますが、なかなか進んでいない現状にあります。 さらに、医療従事者や看護職に対するコロナ差別や行動制限、病院や高齢者ケア施設では面会制限が続き、特に在宅にいる高齢者はステイホームによるサルコペニアやフレイルの進行、認知機能の低下による弊害が懸念されています。反面、看護職の仕事が国内でもクローズアップされて社会的地位を確保することにもつながるのだと思いました。当初の感染経路は国によって異なっていますが、私たち医療者は感染者の方の一日も早い回復を願うことと、医療従事者に対する偏見や差別がなくなる世の中であってほしいと思いました。   そして世界の先進国・後進国はどうなのか、現地で生活する看護職・福祉職の方に現地からの報告を聞きました。   ①ベトナム(ハノイ市) まず、リーティビッチ・ホップ氏から「コロナ禍におけるベトナムの高齢者看護」のプレゼンテーションがありました。 ベトナムでは、海外帰国者による感染拡大から始まりましたが、現在も大半は海外からの持ち込みであり現地の人の感染者数は少ないという報告でした。しかし、新型コロナワクチンの接種率が東南アジアで最も少なく、日本と比べると、高齢者の新型コロナワクチン接種が進んでいない現状があることがわかりました。そのため、現在は1日に5,000人以上もの新規感染者が発生していることから医療崩壊が起こっており、医学生・看護学生・検査学生も応援として現場にかかわっていることを知りました。 日本では学生が実習以外で実際の医療現場に関わることはないため、ベトナムとの違いに驚きました。また、集団接種が行われていますが、37℃という気温が高い中で行っているため、医療従事者の方々は疲弊しているというベトナムの現状を学ぶことができました。 コロナ対策としては、買い物チケットというものがあり、買い物チケットに記載されている日にしか買い物に行くことができなかったり、施設ではこれまで屋内で行われていたレクリエーションは屋外で行われるようになったりと密になるのを避け、人との接触をできるだけ減らすための取り組みがされていることを学びました。   ▲講義の様子(写真上)、ベトナムの買い物チケット(写真中)、ベトナムのナーシングホームでの感染防止(写真下)   ②台湾(雲林県) 次に、陳玲類氏・同時通訳 葛芝岑氏から「コロナ禍における台湾の高齢者看護」のプレゼンテーションがありました。 台湾では、パイロットの感染からはじまり、ホテルなどの観光業者から新型コロナウイルスの感染が急激に拡大しており、働き方の変化や生活習慣の変化が余儀なくされていました。しかし、台湾では、オードリー・タン氏の「高齢者を含めてだれ一人取り残さない社会を創る」ことをフレーズにデジタル化とワクチン接種のシステム化を図った官僚としての働きが世界中からも注目されており、昨年の早期からマスク配付の管理やワクチン接種を遂行されていました。 働き方の変化ではテレワークを中心に行い、仕事全体を減少させるといった取り組みが行われており、生活習慣の変化ではマスクをつける生活が日常的となり、5人以上の集まりを減らす、検温や手洗いをしっかりするなど、台湾の衛生福利部・政府や地域が感染防止に向けて、感染対策に全力で取り組んでいると学ぶことができました。 また、新型コロナウイルスの影響は看護にも大きな影響を与えていました。居宅サービスでは、実際に利用者の家に訪問することが困難であるため、リモートでレクリエーションを実施するための工夫をされていました。レクリエーションで使用する教材は利用者の家にはないため、居宅レクリエーションバックというものを作っていました。これを利用者の家にまで届け、自宅でも楽しんでレクリエーションが実施できる工夫についても学ぶことができました。その他にも居宅サービスでは、生活に関わる支援や生活の豊かさの向上、生活訓練、認知トレーニングにも視点を向けサービスの提供を行うために活動されていました。   ▲講義資料(台湾での生活の変化について)   ③韓国(ソウル市) 次に、ユン・ジェホ氏から「コロナ禍における韓国の保健医療福祉施策」の講義をしていただきました。 新型コロナウイルスの影響は、大邱の教会から感染が始まり教会の礼拝が関与していましたが、日本と感染状況はあまり変わらず、本年度の7月にもまたコロナウイルス感染者が増加してきていることがわかりました。   日本と韓国での医療の違いは、大きく3つある事を知りました。 1.健康保険と老人長期療養保険(介護保険)の保険者は1つである(国民健康保険公団) 2.混合診療可能、韓方医療も給付(行為、薬) 3.病床数が自由、療養病院あり(病院単位)、医療人ではなくても病院の開院が可能   このことから、韓国では“政府が行う給付の管理が激しい”ことや“病院の競争がより激しい”ということがわかりました。日本では、病院や診療所の開院は医師・歯科医師または助産師と限られているので、誰でも開院ができることを知って非常に驚いたと同時に、違いを学ぶことができました。 また、新型コロナウイルスにより、日本と同様に韓国でも生活が変化していたこともわかりました。例えば、出前料理や自宅で料理をすること、会食が減り一人で飲むことが増加していました。韓国での生活の変化は日本と似ていると感じました。 ユン・ジェホ氏の講義で特に印象に残ったことは、アプリケーションの変化でした。韓国では、ワクチンの予約やワクチン証明書、残りのワクチン数の確認などすべてスマートフォンのアプリで行うことができ、ITの活用がとても普及されていると驚きました。しかし、IT活用が増加したことによって、ITをうまく活用できない人も増加しているという課題もあることを学びました。   ▲韓国の感染の特徴(上)と地域別の感染状況(下)   ④スウェーデン 次に、スウェーデン在住の長谷川佑子氏から「スウェーデンの感染防止対策」を講義していただきました。スウェーデンでは、医療はチームワーク・チームケアが重視されています。「アンダーナース」といって患者さんのケアを中心に行う人がおり、看護師の介入が必要でないときはアンダーナース任せることを知りました。 また、看護師はチームのリーダーとしてアンダーナースの指導や教育を担っており、コロナ禍で働くことへの不安が募っているアンダーナースの不安を軽減することも看護師の役割であるため、コロナウイルスで疲弊しているスタッフのマネジメントをすることが大変であったとおっしゃっていました。また、日本では頑張ることが美しいとされていますが、スウェーデンでは頑張ることは患者さんやほかのスタッフのストレスとなるため、「リラックスして仕事をする」ことがベストであり、日本の医療スタイルとの違いを学びました。 現在のスウェーデンでは2回目の新型コロナウイルスのワクチン接種率が約50%と進んでおり、新規感染者も1.2人と少なく7月からはICUもほぼ通常に機能していると学びました。マスクも1割ほどしか着用していないことを知り、日本ではほぼ全員がマスクを着用しているため、スウェーデンでは感染が再度拡大しないのかとても心配になりましたが、国によって価値観の違いなのだと実感できました。   ▲スウェーデンの感染防止対策(写真上) 、現在のスウェーデン国内のホリデイの様子(写真下)   ⑤オーストラリア(メルボルン) 最後にオーストラリアのJulie.Paul氏による「コロナ禍におけるメルボルンの感染防止対策」についてです。英語でのプレゼンテーションだった為、理解する為に緊張して聴講しました。オーストラリアでは、パンデミックの影響により、合計約800人の命が奪われたことを知りました。2020年、オーストラリアでのほとんどの死因は新型コロナウイルスによるものであり、ビクトリア州では高齢者介護が大多数を占めていたそうです。不十分な感染管理、スタッフの枯渇、病理検査の遅延、契約の追跡の延長などが理由として挙げられていました。ロックダウンを阻止するために、日本と同じように「テイクアウトのみの飲食店」「病院、施設への訪問制限」「社会的距離のルール(1.5メートル)」「可能な限りリモートワーク」などを行って対策していることがわかりました。 世界的に注目されているコンタクトトレーシングの活用により、新型コロナウイルス蔓延遅延に努めていることもわかりました。パンデミックから得た教訓は、今後社会が同じような規模で惨禍に襲われたときの対策に活かす必要があると感じました。   ※コンタクトトレーシング:陽性患者と濃厚接触した可能性があることを、そのデバイスのユーザーに知らせる技術。 【引用】ICT技術を活用した新型コロナウイルス感染症対策:(2021年7月30日).   ▲講義資料(コンタクトトレーニングの紹介)   以上のように、本日のグローバルな視点での遠隔授業はとても興味深い内容であり、多くの学びを得ることができ、貴重な時間となりました。看護の本質は同じであっても、国によって取り組みの内容や医療や福祉では多くの違いがありました。しかし、どの国も人々の健康を守ることにおいて様々な取り組みをされていることは同じであると学ぶことができました。これから現場に出ていく者として日本だけでなく、世界にも目を向け学び続けていきたいと思います。   授業を受けた他の学生からのアンケートもご紹介させていただきます。(回答者からアンケートの承諾済のものを抜粋) ■ 海外からもオンラインを使用し講義をしていただけたことに驚きました。昨年度からオンライン型の講義を複数の講義で行い、対面とは異なる課題もあると思いましたが、国際的な交流をするにあたって非常に便利な点もあると思いました。 ■ 最後のシンポジウムはなかなか聞くことのできない話を聞くことができたとともに、新たな授業形式で大変興味深かったです。コロナ禍で直接は会えないからこそ、インターネットを活用して海外の方の話を聞くというのは今の時代に最適な授業だったと思いました。 ■ 国際看護論で学んだ内容は興味深いことばかりで、おもしろかったです。またこれまで知らないことがほとんどで、今後視野を広げて働くためにも海外のことを知ることはとても大切なことだと思いました。   看護医療学科4回生 下辻穂加 竹中絵理 德田真奈  冨松里帆 村上有希  

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