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看護医療学科の新着情報一覧

2015年の看護医療学科の新着情報一覧

2015.08.26

看護医療学科4回生が国立ハンセン病療養所を訪問!~「健康学特論」

8月25日(火)から2日間、岡山県にある国立療養所長島愛生園と邑久光明園を訪問!   「健康学特論」(看護医療学科保健師資格必須科目)の主な到達目標は、人権と医療問題に関しての基本的知識や、マイノリティの健康問題、ヘルスプロモーションに関する知識を習得することにあります。 日本における医療には輝かしい成果がある反面、目を覆いたくなるような現実もあります。その厳しい現実の一つ、人権を徹底的に踏みにじった歴史である「ハンセン病問題」を学び、実際にハンセン病療養所を見学することにより、日本でのハンセン病の「隔離」と「差別」の歴史を直接目で見ることは、一医療従事者としてこの歴史を繰り返さないようにするため重要です。保健師資格の指定規則対応科目「健康学特論」では授業の一環として、2015年8月25日(火)より2日間、岡山県にあるハンセン病療養所である国立療養所長島愛生園と邑久光明園を訪ねました。   初日である25日は、台風15号の影響で雲行きは怪しかったものの、雨に見舞われずに大学を出発することができました。     しかし、途中から雨が降りだし、「人間回復の橋」と呼ばれる邑久長島大橋を渡る頃には結構降っており、おまけにかなり強い風が吹いておりました。   ▲邑久長島大橋(1988年にできた橋。写真奥、バスの中から撮影)   昼食後、この雨と風がどうなることかと思いながら、13時より研修が始まりました。 当初は歴史館の見学からでしたが、幸い雨が降っていなかったこともあり、園内(屋外)の見学から始めることとしました。 現在は使用されていませんが、当時の隔離の歴史を見るべく、見学を開始しました。ガイドはハンセンボランティアゆいの会の羽原敏徳さん。まずはじめに、「収容桟橋」から。この桟橋は、当時のハンセン病患者が島に隔離される際に使われた桟橋です(当時、患者以外の桟橋は別にありました)。そのすぐ近くには回春寮(収容棟)があります。隔離収容されたはじめの1週間ほどはここに入れられ、クレゾール消毒風呂に入れられたそうです。   ▲収容桟橋                         ▲回春寮(収容棟)   その後、監房跡へ。この監房は、主に逃走しようとした入所者を捕まえ、懲戒検束した場所です。授業では事前に習ったものの、疾病の療養所に監房があったこと、その実物を前に、見学した学生たちは絶句していました。 次に、納骨堂に行きました。学生全員が線香をともし、療養所でお亡くなりになった方々にお祈りをしました。それぞれお墓があるはずなのに、そのお墓に入れない現実について、メモをとりつつ説明を聞き入っていました。 ▲監房跡                          ▲納骨堂   なんとか雨の影響を受けずに無事、歴史館(旧事務本館)に到着し、説明を受けました。 ▲歴史館(旧事務本館)   研修の最後には、長島愛生園入所者自治会会長の中尾伸治さんのお話をお伺いすることとなりました。中尾さんは奈良県のご出身で、入所後の生活および今なお残る差別について、語っていただきました。ハンセン病は治る病気であること、現在の入所者でハンセン病の患者はいないこと、しかしながら後遺症に苦しんでいること、今なお強い差別が残っていること。学生も真剣な表情で聞き入っていました。   外は高潮警報が発令される中、少し雨風にはさらされましたが、なんとか無事研修を終えることができました。その後、宿泊施設である岡山いこいの村の研修室にて班ごとのディスカッションを行い、カンファレンスを行いました。カンファレンスでは、学生各々がこの理不尽な差別について熱く語りあいました。   最後になりましたが、本日台風の中、温かく迎えてくださった長島愛生園の方々に厚く感謝申し上げます。 翌日は引き続き、同じく長島にある邑久光明園を見学します。学生一同、実りあるものにしたいと思います。 看護医療学科 准教授 文鐘聲

2015.08.25

就活レポート~就職活動の現場から~No.287

就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就活レポート」、第287弾! 看護医療学科4回生 瀧井 智尋さん 病院内定       【その病院施設に決めた理由】 実習に行った際の病棟の看護師どうしの雰囲気がよく、看護師さんの患者さんへの関わり方がとても密であり、教育体制がしっかりしていたため、この病院に興味を持ちました。そして、実習で行かせてもらった病棟だけでなくほかの病棟の雰囲気なども気になったため、随時開催の見学会にも参加し、改めて雰囲気も良く教育体制もしっかりしていると感じたためこの病院に決めました。   【就職活動を振り返って】 私は就職活動を行うスタートが遅く、本格的に動き始めたのは四月の半ばであったため周りがもう就活にむけて情報収集や履歴書、見学会などに行っているのを聞いて焦っていました。そこから五月の採用試験に向けてバタバタで準備をしたのでそれが一番大変でした。この就職活動では、三回生からでもある程度は自分の気になる病院について調べておき、見学会や採用試験の日程などを把握し、実習などが入ってくる前に就職活動を始めることによって自分の気持ちに余裕がある状態で試験を受けることが大切だなと学びました。   【就職活動でPRしたポイント】 私は面接で自己PRをする際にバイトのことをからめて、普段から人に対して思いやりの心をもって接しているということをアピールしました。自分の短所と長所は何かを分析した上で、周りの人から見ての自分の長所なども聞くことによって自分の長所を自信をもって面接で伝えられることができるので、自分はどんな人なのかということを周りの人に聞いてみるのをおすすめします。   【キャリアセンターと就職サポートについて】 ぎりぎりになってやっぱり違う病院にしようかなと迷い始めた私にゆっくり納得ができるまで考えたら大丈夫、自分の直感を信じてみるのも大事というように親身にアドバイスしてくださいました。また、履歴書や採用試験までの添削や面接練習もぎりぎりだったのでバタバタだったのですが時間をとって添削やアドバイスなどしてくださり、最後の面接練習では何を答えるにしても自信をもって言い切ること!それさえできれば大丈夫!という谷口さんのアドバイスのおかげで当日ははきはきと受け答えができ見事内定をもらうことができたので谷口さんに本当に感謝しています。   【後輩へのアドバイス・メッセージ】 面接で受け答えをする際に質問に対する答えに自分のエピソードを付けるのですが、その際にエピソードの幅があったほうがいいためボランティアや学祭の実行委員など多くのことを経験しておくことをおすすめします。私自身エピソードがバイトくらいしかなく苦労したので、、、。就職活動はできるだけ早めから始めておいたほうが気持ちに余裕をもって就職活動をすることができると思います。ですが就職活動だけでなく、今しかない貴重な時間なので友人と遊んだりする時間もたくさんつくって残りの学生生活を思う存分楽しんでください!!      

2015.08.24

就活レポート~就職活動の現場から~No.284

就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就活レポート」、第284弾! 看護医療学科4回生 村上 真世さん 病院内定     【その病院を決めた理由】 私は急性期病院で、強く希望する科がまだはっきりしていなかったため、総合病院に就職したいと思っていました。病院インターンシップに参加した際に、看護師さんが優しく、その姿に惹かれました。この病院でなら、自分の理想とする看護師になれると思い選びました。また、PNS制度を導入しており、教育制度が整っていることも病院を決めた理由です。   【就職活動を振り返って】 就職をどのようにしたら良いかわからなくて、手探りで気になる病院の見学やインターンシップに参加していました。実習を通して、理想の看護師像などを考え、自分がこの病院で働いたら、その夢に近づくかを考えて病院を決めました。   【就職活動でPRしたこと】 アルバイトを通して学んだことや孤児院でのボランティアなど、学生時代に力を注いだことを看護師になったときにどのように活かせるかを考え、アピールしました。   【キャリアセンターと就職サポートについて】 履歴書の書き方を一から教えていただき、細かな添削をしてもらいました。しっかりと履歴書を書くことで、自分を振り返ることができ、面接でも返答を言えるようになりました。私は緊張すると、とても声が小さくなってしまうのですがキャリアセンターの岡田さんに面接練習を何度か行ってもらい自信をもって、本番に挑むことができました。   【後輩へのメッセージ】 私は保健師を選考していたこともあり、4月から実習が入っていて、なかなか思うように見学会やインターンシップに参加することができませんでした。春休みを有効に使い早め早めに行動することが大事だと思います。理想の看護師像を描き、この病院で働きたいという気持ちを伝えて、笑顔で臨んだら大丈夫だと思います。がんばってください!

2015.08.11

ベビーマッサージとマタニティヨガの特別講演~助産学専攻科

ベビーマッサージとマタニティヨガの特別講演   7月7日(火)に、インストラクターの森田先生に来ていただき、ベビーマッサージ、マタニティヨガの講義を受講しました。   ★ベビーマッサージ★ ベビーマッサージとは、肌と肌で触れ合う親子のスキンシップのひとつです。赤ちゃんに優しく声をかけながら行うことでお母さんの愛情をたくさん受け、情緒豊かで安らかな心が育ちます。 また、それだけでなく、赤ちゃんの皮膚を刺激することで脳や全身の発達も促されます。 私たちも実際に赤ちゃんの人形に声をかけながら、ベビーマッサージを体験しました。     はじめは、見よう見まねで行っていましたが、ベビーマッサージにおいて大事なことは手技や手順ではなく、愛情を持って赤ちゃんに触れたり話しかけたりすることだと教えていただき、楽しくマッサージができました。   ★マタニティヨガ★ マタニティヨガとは、妊娠中の精神・肉体・呼吸を整え、心と体の安定を目指すプログラムです。 マタニティヨガのポーズをとることで、腰痛、肩こり、便秘、足のつりなどの妊娠中の不快症状の予防や、お産の姿勢の練習が自然に身につくという効果があります。     写真にあるように精神を整え、リラックスを促すポーズが多かったですが、中には私たちでも少しきついポーズがあり、やはり出産には体の柔軟性も大切だと実感しました!   助産学専攻科 長﨑理紗

2015.08.11

平成27年度 離島・へき地医療体験実習発表会~看護医療学科

平成27年度 離島・へき地医療体験実習の学び 発表会を開催しました!   本学の特色ある取り組みである「離島・へき地医療体験実習」は、交通や医療などの利便性が十分でない地域における住民の生活フィールドに学生が赴き、地域住民の生活に直接触れ、医療(看護)・保健・福祉の実際を理解し、住民の生活と健康観や価値観・健康との関連を考え、住民の生活基盤に立った看護のあり方など看護の本質を考えることを目的としています。   今年は、実習時期が7月末に変更となり、継続実習している鳥羽市の菅島や神島、五條市の大塔地区、野迫川村のほか、新たに宇陀市大宇陀地区、川上村が加わった6地域で実習をしました。インターン実習や地域看護学実習など4回生での看護実習を終了して休む時間もなく、学生は地域の理解や実習の行動計画作成、メインとなった骨密度測定をマスターするほか、パンフレット作成や交流会の準備等、めいっぱいのスケジュールで準備に取りかかりました。   そして迎えた実習初日には、貸し切りバスにたくさんの荷物を積み込み、離島では鳥羽駅まで電車で行き、佐田浜港から船で現地に向かいました。7月末なのに台風の影響で雨にたたられた実習となりましたが、地域で唯一の医療機関である診療所や保育所や学校、保健福祉機関、住民のお宅や集いの場を訪問し、関係者や住民の方に話を聞かせていただき、生活の現状を把握し、健康との関連や住民の方の思いや意識を理解しました。   ▼川上村での骨密度測定と結果説明風景 [雨にもかかわらず、会場から遠い地区からもご近所同士やご家族連れで来てくださいました。]      今回、新たな実習地域となった大宇陀地区では、病院での退院支援会議への参加や一人暮らしの高齢者のお宅を訪問し、学生が転倒しそうになるほど急な山道の場所で生活されていても「ここが良い」というお話を聞かせていただき、自分の生活したい場所で生きることの意味を考えさせられました。しかし現実的には、交通の不便な離島や山間部では、「元気で自分の足で歩けないと、この地で生活できない」ということを住民の方が一番よくわかっているという厳しい現実を理解した発表がありました。   ▼宇陀市大宇陀地区でひとり暮らしの老人宅の奉仕作業に汗する学生たち     乳幼児から高齢者までの全ての発達段階にある人々の生活の実態や健康状態や思いのほか、関わる医療・教育・保健福祉の専門職方々のお話を関連づけて健康課題を考え、年々人口が減少し高齢化が深刻な地域で看護者として何が必要か、何ができるかを検討していました。健康課題が深刻でも、住民同士での助け合い・支え合いなどのつながりの強さや生まれ育った地域で自分たちの力で必要なことをしていこうとされている住民の方々の強みを肌で感じることができ、看護者として対象となる人の生活や価値観を大切にしながら、関係者と連携し継続して予防の視点も持ち支援していく必要性を学んだという発表が多くありました。   ▼発表会風景   どの地域でも学生たちを温かく迎えてくださって、骨密度測定や交流会に参加された方から、「今日ここに来て良かった。また来年も来てほしい。」と嬉しい言葉をいただき、学生も感激していました。   現地に行く前は具体的な実習のイメージがつかめず、他力本願的な様子も見えた学生たちでしたが、現地で色々な方たちや場所を訪問してお話を聞かせていただき、骨密度測定や健康チェックなどでの関わりを通して、自分たちがアプローチしていくことが結果として現われる過程の中で積極的に関わることができるようになっていき、成長とたくましさを感じた毎日でした。発表内容も実習の目的や目標に焦点が当てられており、発表会に参加した現地を知らない教員や学生が聞いてもその地域の特性が理解できる内容になっていました。   今回の実習に際し、ご理解ご協力いただきました地域の関係者の皆様、住民の皆様、理学療法学科の松本先生に改めて感謝いたします。ありがとうございました。  看護医療学科 教授 松本 泉美 【関連記事】 離島・へき地医療体験実習がスタートしました!~看護医療学科 学生広報スタッフblog vol.176~離島・へき地医療体験実習レポート♪

2015.08.11

第1回パーソン・センタード・ケアを共に深める会 講演会のご報告

平成27年8月8日(土)12:45~17:00に、畿央大学の冬木記念ホールにて、「第1回パーソン・センタード・ケアを共に深める会」が、社会福祉法人 太樹会 和里(にこり)の8周年記念事業として、奈良県認知症ケア専門士会(会長 山崎尚美畿央大学教授)協賛で開催されました。 211名の参加があり、本学の看護医療学科(老年看護学分野)教員5名もお手伝いをしました。   主催者挨拶に続き、奈良県認知症ケア専門士会会長の山崎尚美教授が挨拶されました。   記念講演Ⅰでは、ケアパートナーとしての誇り~介護の常識を見直し、明日へつなぐ介護を創ろう~と題して、菊地 雅洋氏(愛称“masa”)の講演でした。北海道登別市 特別養護老人ホーム 緑風園 総合施設長、登別市介護認定審査会委員などをされており、「介護・福祉情報掲示板」、ブログ「masaの介護福祉情報裏板」が好評で、週末は全国各地へ講演に飛び回る介護業界のカリスマ講師です。具体的な高齢者ケアの内容に、会場でもあちらこちらでうなづかれる姿が見られました。   記念講演Ⅱは、NPOパーソン・センタード・ケアを考える会の村田康子氏が パーソン・センタード・ケア~VIPSをどういかすか~というテーマで講演されました。   記念講演Ⅲでは、認知症介護研究・研修大府センターの中村裕子氏が、認知症とともに生きる人の理解に近づくために~認知症ケアマッピング(Dementia Care Mapping)DCMとは~というテーマで講演されました。現場の事例などを交えて話され、わかりやすい内容でした。   途中天候が悪くなり雷が鳴り、パソコンが一時中断するというアクシデントはありましたが、研修は中断されることなく続行されました。 9月も3つの講演会がありますが、それぞれに充実した講演会になりそうです。ご期待ください!

2015.08.07

地域看護学実習報告会~看護医療学科

皆さんこんにちは! 看護医療学科4回生の喜島です☆ 今回は看護医療学科4年次に履修する地域看護学実習(選択制の保健師課程履修生対象)についてご紹介します。 保健師課程は、2回生後期から選択科目の履修が始まり、4回生では現在26名が履修しています。 4回生の4~5月中に公衆衛生看護学方法論Ⅱ、公衆衛生看護学活動論Ⅱ、公衆衛生看護学管理論という保健師必修の3科目を集中講義形式で履修し、講義時間外でのグループワークや課題への取り組みを経て、いよいよ6月から実習がスタートしました! 地域看護学実習の実習期間は2週間で、そのうちの1週間は全員がグループに分かれ、後期に実習する市町村実習の市町村別の管轄である奈良県内3か所の保健所へ行きました。 残りの1週間は、産業保健実習または学校保健実習で、どちらを選択するかは学生の希望によりますが、前者は事業場(工場等)へ、後者は小学校(特別支援学級)と高校で実習をしました。     この地域看護学実習を全て終え、7月8日(水)に学びの報告会が開かれました☆   この発表会の目的は、実習での学びを整理し全体で共有することで、各自が体験できなかった内容についても理解を深め、実習目標の達成を図ることです。学習したことを資料にまとめ、わかりやすく他者に報告できるということも含まれています。 では各実習ごとでの学びをお知らせします!   ○保健所実習 皆さんは保健所がどういう所かご存じですか? 保健所は管轄市町村全体を対象として、広域的、専門的な保健活動を行う機関で、その主要なものとして感染症・精神保健・難病・健康増進の各保健活動や健康危機管理などがあります。 今回の実習では、難病・感染症・精神疾患を持ちながら家庭で療養されている方の家庭訪問を経験させていただきました。 難病を抱えながら自宅で療養されている方は、それぞれに症状の現れ方や進行の早さが全く違います。初期には病気を受け入れることへの援助や病状の進行への不安に対する傾聴を行い、病状が進んで意思疎通が困難になった方に対しては、コミュニケーション機器を用いて、自分の意思を伝えられるよう援助するなど症状の進行状況での関わる時期や介護する家庭の状況によっても保健師の支援内容は異なっていました。 他にも母子や感染症の方への訪問事例など、自分たちが経験できなかった分野についてもこの発表会を通して学ぶことができました。 保健師は様々な状況にある対象者に寄り添い、その人に適用できる様々な制度などのシステムや社会資源、支援する人をつないで、地域でその人らしく生活できるように援助する役割があるのだと学びました。   ○産業保健実習(健康診断事後措置、生活習慣病予防対策、メンタルヘルス対策など) 私は産業保健の分野で、工場で働く労働者を主な対象として、健康診断の結果からその人が疾病に移行することを防止し、より健康となるための個別保健指導をさせて頂きました。学生は健診結果から健康状態と労働や生活の状況の関連を観て保健指導計画を立てますが、準備した計画通りに行おうとしてしまうことが、共通の課題として挙がっていました。事前に必要な支援内容を考えていても、対象者の方が心配していることや知りたいことは異なっているので、まず対象者の方のニーズを把握し、それに沿った支援内容の提案を行うことやそのための知識の引き出しを多く持っておくことが必要なのだと痛感しました。 産業保健では、事業場により労働内容や労働環境や企業が求めるものも異なっていることが発表を通して理解できました。その中で保健師は労働者の健康をまもるために、個人だけでなく組織にも働きかけてその対策の必要性をデータで示し、保健師の活動の必要性を理解してもらうことが必要であり、根拠に基づいた費用対効果を考えた提案をしないと企業側が動きにくいというジレンマを抱える様子が分かりました。     ○学校保健実習(保健管理、安全管理、組織活動、障がいに応じた生活・学習支援など) 学校保健の現場では、養護教諭だけでなく、教職員や学校医、カウンセラーなどの多くの関係者が組織的に学校保健活動を行っている様子が分かりました。場合によっては、支援の必要な児童生徒の主治医や卒業した学校・園の教職員、児童相談所、保健所とも連携を取っていることも知りました。養護教諭は、健康に関する専門家であるとともに教員でもあるという二つの立場を生かして、それらの中心的役割を担い、また、児童生徒だけでなく教職員の健康管理も行うという、産業保健分野に似た役割を担っていることも分かりました。 障がいや疾病を抱えていても、教育を受ける権利は保障されていますが、地域の学校で学び共に育っていきたいという本人や保護者の思いがあります。それを学校保健の現場で、学校内外の多くの関係者が協働し、支援していることを学ぶことが出来ました。 また、発達障害等の障がいは早期発見が大切であり、地域の保健師が専門的療育指導を早期に受けられるよう支援する重要な役割を担っている事も学ぶ事が出来ました。     発表について、先生方からも「実習で体験していないことについても保健活動の目的や活動の実際はどうなってるのかという視点で学んでいくようにしよう」、「健康課題はいつも考えよう」等と温かい(厳しい?)ご指導も頂きました。 発表で共有された学びと、浮き彫りになった自分たちの課題。そして先生方からの助言をしっかりと自分のものに出来るよう、今後も頑張りたいと思います! 実習にご協力いただいた皆様、ありがとうございました!   看護医療学科4回生 喜島一将

2015.08.07

学生広報スタッフBlog vol.176~離島・へき地医療体験実習レポート♪

こんにちは☆ 学生広報スタッフの、きーさんです(^ω^) 今回は、看護医療学科4回生必修の「離島・へき地医療体験実習」のレポート! この実習は、「地域住民と密着した全人的医療が実践されている離島やへき地を実習場所とし、その現場の保健医療の状況を体験することにより、地域で「生活する人々」の健康問題を統合的に捉え、保健・医療・福祉の連携をふまえた生活の質の向上を目指した看護活動を展開する能力を養うとともに看護の役割を理解する。」という内容です(シラバスより抜粋)。 以前の記事でも紹介しましたが、伊藤明子前学科長がそのご経験を踏まえ、看護医療学科の開設時からカリキュラムに取り入れられた畿央大学の特徴的な科目なんです♪【学生広報スタッフBlog vol.165~看護医療学科伊藤学科長退任記念講演】   実習は、大きく分けて事前学習と臨地実習、そして発表会の3部構成☆ きーさんら14名のグループは、奈良県南西部にある五條市大塔地区へ行く事になりました(^^)   【事前学習】7月13日~17日 学内の事前学習では、文献や自治体のホームページ等から実習地がどんなところなのかを調べます☆ そこから健康課題は何か、実際に現地でどのような活動を行い、どんな情報を得たいか等をまとめていきます。 私たちは、家庭訪問と交流会、健康診断・体力測定を行う事にしました。 ▲主担当の乾先生を交えて打ち合わせ            ▲血糖値測定の練習中♪   ▲健康診断の配置や担当を決めています☆          ▲貼り紙作成中~♪   【臨地実習】7月21日~24日 さあいよいよ現地での実習!3泊4日!! もちろん旅行ではなく実習なのですが、やはりテンションは上がりますね♪♪   ▲移動はバスか徒歩で(^^)                ▲現地は山間部☆ 斜面にも家が立ち並んでいます   大学からバスで約2時間。五條市大塔地区は山あいの集落で、元々は大塔村として独立していました。 高齢化と人口の流出が続き、2005年に五條市に編入。現在は約320人の人口で、地区の高齢化率は60%程度になっています。林業が盛んで、星空が綺麗に見えることを活かした観光施設もありました。 2011年9月の水害では死者7人、行方不明者4人という甚大な被害を受け、今年3月まで仮設住宅に入居していた方もおられました。   <家庭訪問> 事前に五條市役所大塔支所の保健師より情報を頂き、家庭訪問をさせて頂きました。 坂が多く、自動車やバイクが無いと生活が大変であると感じたこの地域で、毎日畑で野菜を作って近所の人と分け合ったり、買い物を頼んだりしながら助け合って生活している様子を聞く事が出来ました。 また、地区は人口が少ない分、ほとんどの人がお互いを知っており、仮設住宅でも周りは知人ばかりで心強かったとも話されていました。 高齢であるにも関わらず、足腰が丈夫な方が多いとの印象を受けました。 坂を毎日上り下りしたり、畑仕事をしたりする事で丈夫になるのかも知れないし、丈夫でなくなるとこの地区に住み続けられなくなる(転出せざるを得なくなる)から、丈夫な方ばかりが残っているのかも知れない。私たちは、そのどちらも可能性として考えました。   ▲アポ無しですが、玄関先で話して下さいました♪      ▲近所付き合いがとても濃厚☆   ▲炎天下の坂道を行く                   ▲雨の中、地図を片手に目的の家を探す     ▲この山肌が削れた部分は、4年前の水害で地すべりが起きた箇所。家庭訪問させて頂いたある人は、地すべりで山が動く瞬間を見たと、またある人はこの地すべりで親族を亡くしたと話して下さいました。   <交流会> 交流会はバーベキュー♪ 家庭訪問で案内チラシを配布して広報した結果、7人が参加して下さいました(^^)   参加者と学生で親睦を深めさせて頂いたのはもちろん、参加者同士でも久しぶりに顔を合わせて近況を話し合う姿も見られ、楽しく過ごして頂けたと自負しています♪   <健康診断・体力測定> 交流会に引き続き、健康診断・体力測定を実施しました☆ 新たに6人が加わり、13人が参加!血圧や血糖値、骨密度を測定した他、歩行速度や握力の計測等も実施。 その結果をそれぞれにフィードバックし、今後の健康増進に役立てて頂きます。   <番外編> 実習時間終了後は、記録を書きつつもグループメンバーで楽しみました♪ ▲宿泊場所「星のくに」は自然豊かな立地♪         ▲大きなヒキガエルと記念撮影!   ▲カンファレンスもしっかり実施!             ▲探検・・いや、地区踏査!(^^) この実習を通して、高齢であったりへき地であったりする事で不自由となる様々な事を、地域の強いつながりでお互いにカバーし合い助け合って生活されている様子が分かりました。 しかし、元々の過疎化に加え、災害をきっかけに地域から出て行かれた方もいて、集落には空き家が点在していました。災害は地域の強いつながりを加速度的に壊す影響をもたらしたのだと考えました。 また、交流会や健康診断・体力測定に快く参加して下さった方が大勢おられた事にとても嬉しく感じました。 訪問看護・介護等の事業者が無い事、救急搬送に時間がかかる事や職業病(林業)である振動障害について、健康課題として見えてもきました。   【報告会】8月5日 実習を通して得られた学びを紹介し、共有するための報告会です☆   ▲他グループの発表を聞き、学びを深める。         ▲河野学科長からの講評☆   ▲私たちの発表の様子♪ 盛りだくさんの実習内容を約20分に凝縮し、お伝えしました(^^) この発表会には、来年この実習に臨む事となる看護医療学科3回生も参加していました。   何人かから感想をもらったのでご紹介します! Aさん 「とても保健師的な内容だと感じました! 保健師をとってない子達は有意差など「?」になってましたが、私は数値化されててとてもわかりやすかったです!(笑) 地域ごとの特徴や郷土と健康問題が結びつけられてて、納得できました! 写真があると雰囲気も感じられてとても良かったです\( ˙▿˙ )/」 Bさん 「どの発表の人も、その地域の写真がたくさん入ってて分かりやすかったです! 発表を聞いて楽しそうという印象しかなく、絶対いきたいなと思いました!」 Cさん 「発表を聞いて、看護師や医療機関の少なさに驚きました。しかし、そういう場での医療者によるサポートは少なく、地域のつながり、インフォーマル的なサポートが大切であると学びました。インフォーマルなサポート、お互いを思いあうことが、高齢者の孤独を防げるのではないかと思いました。」   続いて、私たちのグループの副リーダー、藤原さんからの感想をご紹介 (ちなみに、藤原さんはインターン実習の記事も書いてるんですよ♪) 「五條市大塔地区グループで副リーダーをさせて頂いた藤原です。グループ内での役割としては、リーダーと共に14名をまとめる役割といえます。離島へき地実習では人対人の看護のあり方について学びましたが、わたしはこの実習の中で、グループ内での人対人の関係づくりや協力づくりも学べたと思います。例えば、みんなの意見を聞いたり、時間を調整したり、役割を与えたり、一番に発言し、みんなが意見を言いやすい環境を作ったり…。グループの中心となりながら実習に取り組みました。3泊4日の中で、14名をまとめるのはとても大変でしたが、リーダーと協力しながら無事に実習を終えることができました☆実習が終わってからは「色々動いてくれて本当にありがとう!」とグループのみんなに言われ、自分の中でも達成感を感じることができた実習でした^ ^自分の役割を全うするのはこんなに達成感が得られるものなんだ!!と感じ、看護師になっても自分の役割が与えられた時は、人対人との関係づくり、協力づくりを考えながら自分の役割を全うしていこうと強く思いました。」     この実習を通して私たちは、将来病気をしても大塔地区に残ることができる環境が必要だと考えました。その人らしい健康な生活を守るためには、介護事業や訪問看護などを充実させることが必要です。そして更に、健康な人がより健康に過ごせるよう働きかけることが大事であると考えました。 畿央大学が最初にこの地域で実習させて頂けるようになってから今までの間、先生方や先輩たちと地域の方々との良好な関係が築かれて来たからこそ、私たちがこうした素晴らしい学びを得られたのだと思います☆ 発表会に来てくれていた後輩たちが、これをしっかり受け継いで行ってくれると幸いです(^^)   関係者の皆様、本当にありがとうございました!!

2015.07.27

FD活動:研究授業「国際看護論」を実施しました。

大学教育では、全学的な教学マネジメントが求められており、本学においても教育推進室を中心に教育改革に取り組んでいます。特に教員が授業内容・方法を改善し向上させるために組織的に取り組むFD(Faculty Development)活動については、教育推進室の下にある「授業改善専門部会」が担当しています。 FD活動の具体的活動としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などがあります。(文部科学省中教審答申用語集より抜粋) 今回は、FD活動の具体的一例である教員相互の授業参加である『看護医療学科の研究授業』を紹介いたします。   [概要] 日時:7月11日(土) 1限目 9:00-10:30 担当:看護医療学科 堀内美由紀教授 対象:看護医療学科 4回生[必修科目] 科目:「国際看護論」 単元:「世界のつながりを体験する」 授業形式:演習 参観者数:教員16人   [内容] 学生たちは、袋の中に用意された国名が書かれた紙を引いて教室に入りました。今回は10か国での「貿易ゲーム」です。ゲーム中は世界の各国の国民になり、限りある資源を駆使して他国と貿易を行い、自国の富を増やします。ゲームの中盤、運命のカードによって、ある国は他国から侵略を受けたり、経済破綻したり、またある国は天災によって資源を失う経験をしました。その一方、政府開発援助(ODA)によって国に活気が生まれた国もありました。 世界の健康格差の背景には貧困の問題があります。学生たちはこれまでの講義で学んだ、資源分配が不平等である世界の現状や貧困の連鎖を断ち切る難しさ(貧困の悪循環)、経済発展における知識や技術の重要性、政府開発援助(ODA)の効果的な執行などについてゲームを通して再確認しました。     なお、次回は7月28日(火)4限14:40-16:10に授業研究が行われる予定です。 今後とも、授業内容の質向上のためさまざまな取り組みを実施いたします。     看護医療学科 授業改善委員 山崎尚美 授業担当者 堀内美由紀

2015.07.27

奈良県母性衛生学会に参加し、ゼミ生が卒業研究を発表!~看護医療学科(廣金ゼミ・鷲尾ゼミ)

平成27年7月25日(土)猛暑の中、12:30より、奈良県下の医師、助産師、看護師、看護師・助産師養成所の教員及び学生が集合し、奈良県医師会館にて奈良県母性衛生学会が今年も開催されました。毎年、看護医療学科の鷲尾ゼミでは、卒業研究発表に向けて本学会を聴講させていただいています。今年度は、廣金ゼミとともに、昨年度ゼミ生が行った卒業研究を1題ずつ発表しました。   発表者 藤田 百合恵 看護医療学科平成27年3月卒業・(現)助産学専攻科学生 『児童虐待ハイリスク家庭』について発表させていただきました。発表後には臨床の立場からご意見をいただくこともでき、改めて児童虐待の奥深さと社会全体で取り組んでいくことの重要性を感じました! 初めての経験で緊張も大きかったですが、とてもいい経験となりました!   発表者 竹田 亜柚 看護医療学科3月卒業・(現)助産学専攻科学生 『看護医療学科の時に行った出生前教育の在り方』についての発表をさせていだたきました。無事発表を終え、質問をいただき、研究の難しさや奥深さを感じました。今回の研究にあたって、ゼミの鷲尾先生には、たくさんの指導やアドバイスをいただきました。発表はとても緊張しましたが、学びの多い良い経験になりました。   2人とも緊張しながら発表していましたが、会場からのご意見や質問に、はきはきと答えており、とても頼もしく感じました。発表後には、一般社団法人奈良県助産師会の宮田英子会長(後列 向かって左から5人目)とともに、参加者全員で写真撮影をしていただきました。 参加者 前列 廣金ゼミ学生1名、鷲尾ゼミ学生4名[(現)看護医療学科学生] 後列 助産学専攻科 美甘祥子講師、昨年度の廣金ゼミ学生1名、鷲尾ゼミ学生3名[(現)助産学専攻科学生]、看護医療学科 廣金和枝准教授、私(鷲尾弘枝)   今回参加したゼミ生からの感想です。 「初めて学会に参加させていただき発表を見せていただき、私の興味がある助産分野だったので、すごく楽しく勉強になりました。先輩方の発表は内容も理解しやすく、スライドも見やすかったです。また、研究の内容も現在、問題になってるものばかりで看護師、助産師になった時にこの学会を聞いているか聞いていないかで、対象者に大きく違った関わりができると感じました。助産師の方の発表で難しく十分に理解できない内容もありましたが、学会とはどんな雰囲気かというものを感じ取ることができ、良い学びができたと思います。」 看護医療学科4回生 小畠彩(鷲尾ゼミ)   「初めて学会というものに参加させていただき、発表を聞かせていただくことで、母性看護の向上のため、学生から助産師の方まで幅広く研究されていることを知りました。就職してからも、常に向上心を持ち、しっかりと頑張って行きたい、と思いました。」 看護医療学科4回生 中川由美(鷲尾ゼミ)     現在、看護医療学科のゼミ生は、4年次配当の離島・へき地医療体験実習の真っ最中ですが、10月3日(土)看護医療学科の卒業研究発表会に向けて、これからラストスパートです。今日の学びを活かして頑張っていきましょう! 看護医療学科 講師 鷲尾弘枝

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