看護医療学科の新着情報一覧
2019.07.05
看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 事前校内プログラムレポ―トVol.1
看護医療学科 海外インターンシップ研修 ~事前校内プログラム オーストラリアの文化・医療の発表会~ 看護医療学科では海外インターンシップが、2019年8月24日(土)から8月31日(土)、オーストラリアで行われます。海外インターンシップの目的はオーストラリアの文化・風習に触れ、その中で築かれた保健・医療・福祉制度に関する事情や課題を知ることで日本の制度や保障との比較をすることです。また、グローバル化に対応できる看護職者として、世界共通語である英語力の向上やコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。 研修訪問先は、オーストラリア ヴィクトリア州 メルボルンで、今年は2回生8名がこの研修に参加します。 事前校内プログラムとして、参加する学生が研修先の「歴史や文化・風習」・「保健・医療福祉制度」・「高齢者や家族支援」・「幼少期からの世代間交流」「日本の医療制度・保障の比較」についてそれぞれ調べ、語学力UPの為、英語でプレゼンに挑戦しました。 ▼英語でプレゼンに挑戦! ▼遅い時間の授業ですが、みんな頑張っています。 ▼いくつかの小グループに分かれてプレゼンしました。 たくさんの質問が出たので、次回の事前プログラムまでにはブラッシュアップし、再度プレゼンテーションを行います。次回はもっと上手に英語で話せる学生が増えるはずです。頑張りましょう! 最後に、この研修に参加している学生の意気込みを以下に紹介します。 「私たち2回生8人は、本日3週間ぶりに海外インターンシップ研修で集まりました。各々でオーストラリアの医療や歴史についてのパワーポイントを制作し、発表を行いました。初めての発表でとても緊張しましたが、アットホームな雰囲気でみんな質問や、意見が出ていました!実際にオーストラリアに行くまで、あと2ヶ月を切りました。テストや課題など大変な中、忙しくて実感があまりありませんが、みんなで楽しく準備をしています!」 看護医療学科2回生 中田萌・森屋奈菜実 看護医療学科講師 對中百合 ●過去の看護医療学科の海外インターンシップの記事はコチラから
2019.07.02
「病院インターンシップ実習発表会」学生レポート!~看護医療学科
こんにちは!2019年6月28日(金)に病院インターンシップ実習発表会があり、これですべての実習が終わりました~!みんなお疲れさま!! 1回生夏の「チーム医療ふれあい実習」から始まり、1回生後期の「基礎看護学実習」、3回生後期に半年にわたる各領域実習、そして4回生になって「離島・へき地医療体験実習」と「病院インターンシップ」…やっとここまでたどり着くことができました。実習中はしんどいこと、つらいこともあったり朝起きる時間がものすごく早いなど大変でしたが、実習メンバーや仲のいい友達、実習担当の先生、家族などたくさんの人に支えていただきながら、乗り越えることができたと思います。長かった実習が、今思い返せばいい思い出もあり、あっという間だったと思います。 さて、今回の病院インターンシップでは、統合分野ということもあり、 実際の現場で看護師はどのように優先順位を決め、時間管理を行っているのだろう? 病棟内での連携はどのように取っているのだろう? チーム医療での看護師の役割は? というような目標を個々やメンバー間で決めて実習に臨んできました。2週間の実習が終わり、それぞれの病院での学びを共有するために、発表会が開かれました。発表会にはお忙しいところ、多くの先生方が授業の合間を縫って来てくださいました。ありがとうございました! 発表したいことが多く、限られた時間の中で、各病院で学んだことをすべて伝えることは難しいと思うほど、多くのことを学ぶことができた実習でした。 今までの実習では考える機会の少なかった「複数の患者さんを受け持った際の看護師がどのように優先順位を立て、時間管理をおこなっているのか」について、実際のメンバー看護師のシャドーイングや実際に2人や3人の患者を受け持たせていただくことで、考え学ぶことができました。 また、チームで働く看護師のシャドーイングを通して、チームにおける看護師の立場や役割について学ぶことができたと思います。 学びもたくさんありましたが、課題を見出すことができた実習でもありました。 次に白衣を着るのは、それぞれが看護師として就職する病院の白衣。正直、まだそんな実感もありません…(笑) 実習を受けてくださった病院、指導してくださった先生方、支えてくれた家族や友人に感謝の気持ちを忘れず、今までの実習での学びを大切にして、期待に応えられるように頑張りましょう! 国家試験の全員合格をめざして、頑張っていきます! みなさん、本当にお疲れさまでした!! 看護医療学科4回生 湊本みのり 【関連記事】 市立東大阪医療センターの合同災害訓練に、学生が患者役として参加!~看護医療学科 ホスピス見学実習での学びを共有!~看護医療学科「終末期ケア論」
2019.06.27
日本老年看護学会第24回学術集会で教員が研究成果を発表!~看護医療学科
2019年6月6日(木)~8日(土)まで日本老年看護学会第24回学術集会(開催:仙台国際センター)に参加しました。 今年度は、日本老年医学会や日本ケアマネジメント学会、日本歯科学会などとの同時開催であり、相互乗り入れ可能で視野を広げた討論ができるように企画運営されていました。日本老年看護学会への参加は1,964名、合同開催された8学会の中で最も多い参加者となり、高齢社会の進行とともに看護の役割への関心が益々高まっていることがうかがえました。会場は仙台国際センターをメインに、市内5か所にわかれ、多くの講演やシンポジウムが、繰り広げられました。看護以外の学会に参加する機会があり、たいへん有意義な時間になりました。その一部をご紹介いたします。 会長講演では「対話・協働・調和の視点で考える老年看護学の未来」日本老年看護学会の大塚眞理子理事長が講演されました。大塚先生は以前に、老々介護のご夫妻への訪問看護に行き詰まり、悩んだ際に「聞く」「聴く」「訊く」ことによってご夫婦への理解が深まり、看護の方向性が見えてきたというご経験があって、いかに「対話」が大切であるかということを実感されたそうです。そして、「対話」によって老年者と応答し、目標を共有して一緒に行う「協働」と、多様な状況のバランスをとりながらチャレンジし、振り返り、またチャレンジして不確かなことを確実にしていくという「調和」を大切にされてきたとのことでした。 老年者・家族と看護者との対話・協働、また、他の専門職や多職種、地域の人々と看護者の対話・協働からそれぞれに調和がうまれること、老年看護の目標である「老年者の豊かな生の創出」のためには「支えあいのある調和的な環境づくり」が必要であるということを再認識しました。 6月7日(金) には老年精神医学会、 “希望と尊厳をもって生きる”のシンポジウムに参加しました。このシンポジウムでは、認知症の当事者の方々がシンポジストとして、自身の体験を含めて援助と被援助の枠組みをこえて、新しい関係性を発信する企画となっていました。とりわけ、認知症の当事者による“ぴあサポート”、つまり同じ経験を持つ仲間同士のサポートの報告が印象的でした。認知症と診断され落ち込んでいる方を勇気づけることは、思いのほか簡単なものではありません。自身の体験をもとに共感的に関われる当事者の強みを生かしての先進的な取り組みが紹介されました。進行を務められた丹野智文さんは、38歳で若年性認知症と診断されましたが、現在はネッツトヨタの広報部として全国各地から海外においても認知症の啓発活動に携わっています。丹野さんは当事者の気持ちを置き去りにして物事を決めないでほしいことやできることまで奪わないでほしいことを強調されていて、自分たちのケアのあり方を振り返る機会になりました。 丹野さんには、今年度10月に畿央大学においてもご講演いただく予定です。 6月7日(金)、本学看護医療学科の山崎教授は、教育講演で座長を務めました。2011年3月11日に発生した東日本大震災における、宮城大学老年看護学領域の「仮設住宅で暮らす高齢者の健康と生活を支えてきた地域支援の取り組み」について、新潟県立看護大学の小野幸子教授から学生とともに復興支援に取り組んだ具体的で示唆に富んだご講演を聴くことができました。自らも被災しながら支援されていた皆々様のご努力に心を打たれました。また、小野先生らとともに当時、宮城県女川仮設住宅や仮設グループホームでの復興支援に携わってこられた山崎教授は、復興は物理的な問題ではなく、被災者の心には今もまだ孤独や寂しさとの葛藤のなかで生活していることを忘れてはならないと講演をまとめられていました。この学術集会の大会長である大塚眞理子先生が、ご挨拶でようやく学会を担当できるようになったとおっしゃった深い意味を改めて実感しました。 また、島岡助手も、これまで継続して取り組んできた“へき地での認知症カフェ”の実践について示説発表をしました。認知症カフェの参加者が認知症を受け止め前向きな言動や日常生活の中に行動を取り入れるなど、変容が見られている事、またへき地での活動を継続することが今後の課題であるなどの発表をされていました。会場からは、認知症カフェの広報活動についてどのように行ったのかの質問があり、地域特有のご近所付き合いによる誘い合わせや回覧板などが有効だったとの話をし、座長からは、地域を活性化させる貴重な実践だとのコメントがありました。 6月8日(土)、山崎教授が「グループホームの終末期ケアにおける看護職のための教育内容の検討」について成果報告を致しました。この研究は、約12年において取り組んできた認知症高齢者グループホームの終末期ケアにおける教育介入の内容を検討することを目的とした研究です。介護職と看護職の連携促進のための①教育プログラムおよび②教育効果の測定するために終末期ケアの質指標を作成し、Action Researchとして介入した実践研究の報告でした。研修プログラムの内容や介入方法についての質疑応答がありました。 看護医療学科助手 杉本多加子 【関連記事】 第1回国際交流企画 韓国・大邱市からの訪問団を迎えました~看護実践研究センター 2019年度 奈良県認知症ケア専門士会総会&第13回研修会を開催しました!~看護医療学科 2019年度第1回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科 2019年度第1回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 御所」を開催!~看護医療学科
2019.06.14
10/19(土)・20(日)第17回畿央祭「繋~つながり~」を開催します。
手と手を取り合い、最高の学園祭へ! 実行委員がお送りする畿央祭のイベント情報ページです。プログラムや企画などの詳細が 決まり次第、随時更新していきます!畿央祭は当日だけでなく、準備から力を合わせて行っています。畿央祭を一から作り上げる学生の様子は実行委員ブログでご覧になれます!! 日時 10月19日(土)10:00~17:00 10月20日(日)10:00~16:00 会場 畿央大学 アクセスはこちら 駐車場はありませんので、 公共交通機関を利用してご参加ください。 大学周辺道路や近隣商業施設への駐停車は地域住民の皆様へのご迷惑となりますので、ご遠慮くださいますようお願い申し上げます。 同時開催 ウェルカムキャンパス ミニオープンキャンパス ▼クリックで拡大します。 子ども向け企画 「ハピネスワールド」 両日開催 アリーナ(体育館)では、「ぞうさん」「ダンボールめいろ」「ボールプール」「紙飛行機飛ばし」、小体育館では「魚釣り」「ぬりえ」「プラバン」「スライム」「幼児コーナー」を開催!アリーナ前では「ヨーヨー釣り」も実施します!様々な遊びが盛りだくさん!ぜひご参加ください! 吉本お笑いLIVE 20日(日)10:00~11:00 女と男、藤崎マーケット、アインシュタイン ※出演者は、都合により変更になる場合がございます。ご了承下さい。 畿央祭のテーマと実行委員長からのメッセージ 第17回畿央祭テーマ:繋〜つながり〜 繋〜つながり〜には、畿央祭を通じてクラス、学科、学年を超えて繋がり、その繋がりがいつかまた別の場所でなにかが生まれるきっかけになればという願いを込めました。また、去年のテーマである掌を受け、畿央生が手を取り合って、繋がり、輪を作って、2019年度の畿央祭を作り上げられたらなという意味も込めました。令和1発目の畿央祭です!最高の畿央祭を作っていきます!ぜひお越し下さい! 第17回畿央祭実行委員長 稲本 百花 畿央祭に向けて頑張る、実行委員たちの奮闘記!畿央大学公式ブログ「KIO Smile Blog」でご覧いただけます。 ●昨年の記事・写真はこちらから! 第16回畿央祭・ウェルカムキャンパスを開催しました。
2019.06.05
国保中央病院「緩和ケアホーム飛鳥」での見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」
看護医療学科3回生の履修科目である「終末期ケア論」では、毎年磯城郡田原本町宮古にある国保中央病院に併設される「緩和ケアホーム飛鳥」をたずねて見学実習を行っています。国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥は平成17年5月に奈良県で初めての緩和ケア病棟として開設されました。田園風景に囲まれ、豊かな自然と澄んだ空気が心地よいこの施設は、昨年公開された映画「かぞくわり」のロケ地にもなった場所です。 今年は見学希望者7名と担当教員が飛鳥をたずねて施設内の見学や、看護師長からホスピスケアの実際についてお話をうかがいました。今回は多くの学びがあった見学実習の様子をレポートします。 ▲見学に参加した7名の学生はホスピスケアに強い関心を持っています 緩和ケアホーム飛鳥を訪れた2019年6月1日(土)は真夏を思わせるような気候でしたが、飛鳥の庭には、目にもまぶしい緑の木々がそよ風に揺られる景色がひろがり爽やかさを感じました。この庭園の木や花はボランティアさんが、心を込めて手入れをされています。 ▲バリアフリーでベッドや車いすでも出入りができるガーデン この日は、4月から緩和ケアホーム飛鳥の病棟師長に着任された牧野真弓師長が、ホスピスでのケアについて事例を用いて詳しく講義してくださいました。牧野師長は、緩和ケア認定看護師として多くの患者さんや家族そして遺族ケアに携わって来られています。 ▲牧野師長より講義をいただく様子 緩和ケアホーム飛鳥は、医師や看護師を中心としたチーム医療のもと、積極的な治療に対して反応しなくなった末期がんの患者さんへの身体的・精神的ケアや家族も含めたQOL向上を目指した全人的ケアを展開されています。それらは、次のような基本理念に基づいて実践されています。 ・あなたの人格のすべてを受け入れます ・あなたの思いや考えを大切にします ・あなたの生活を尊重します ・あなたの苦痛、その他の不快な症状を緩和します ・ご家族に対して心の安らぎが得られるよう支援いたします 学生は、基本理念を頭にいれて、牧野師長が紹介してくれた事例に聞き入っていました。 事例の中では、昭和20年8月6日に広島での被爆経験をもつ患者さんが、歩くことができなくなり徐々に弱っていく中で、「もう一度広島に行きたい」と言う希望をかなえられた経過が紹介されました。その希望を聞いたとき、飛鳥の医師や看護師はまず「家族の協力を得て広島に行くことが可能かどうか」について慎重に話し合ったそうです。ご家族の賛同が得られて、いよいよ出発というときに備えて、疼痛や呼吸困難などの終末期に出現する身体症状をコントロールするための方法を考え、万が一訪問中に体調不良になった場合に、訪問先で診療や入院ができるような態勢を整えられたそうです。移動に欠かせない車いすも院内から貸し出しができるように手配して、患者さんは無事に広島を訪問されたそうです。満足そうな笑顔で戻ってこられた患者さんは、「被爆者は亡くなったら、ネームプレートが慰霊碑に刻まれることになっている。自分の名がどこに刻まれるのかを見ておきたかった」と訪問の目的を語られたそうです。それからほどなく患者さんは逝去されましたが、遺族から、慰霊碑に刻まれたネームプレートの写真を見せてもらったときに、医師や看護師は、この訪問が患者さんや家族のQOL向上につながったことを感じられたそうです。 このほかにも多くの、末期がん患者さんと家族が繰り広げた物語を聞かせていただき、学生は大きく心を動かされたようです。 しかし、緩和ケア病棟に入院したからといって、事例の患者さんのように自分が希望したことができるわけではないのが現状です。それについて牧野師長よりテレビドラマで放映された一つの場面を用いて説明がありました。 ▲講義では、テレビドラマでの場面から考える機会も! 緩和ケア病棟に入院したからと言って、必ずしも何かしたいことを見つけて実現するのがすべてではなく、患者さんが「今を生きる」その時間が苦痛から解放されて、日常生活に必要な援助が過不足なく提供されることが大切なことです。そのために、緩和ケアホーム飛鳥では「残り少ない時間を大切に過ごされている皆さんが、よく生きることにできる限りの援助をしています」とむすばれました。 また、講義の最後には牧野師長が大好きな言葉「医師が治せる患者は少ない。しかし、看護できない患者はいない。息を引き取るまで、看護だけはできるのだ」という引用文を紹介していただきました。 この言葉を聞いた学生たちはあらためて、看護の奥深さを感じたようです。 講義のあとは、施設内を見学しました。 一般病棟では、見慣れないファミリーキッチンや瞑想室などホスピスに特徴的な空間を見せていただきました。瞑想室は、患者さんの傍にずっといることで気持ちに閉塞感を感じたり、多くの課題や考えが頭をもたげてストレスフルな状況にある家族が、ひと時何もない空間で緊張を解くための空間です。学生も瞑想室に体験入室させていただきました。 ▲瞑想室に体験入室し「無になれました」と話す学生 ▲ファミリーキッチンで、自分で作った小豆を家族に調理してもらっていた患者さんのエピソードを聞く 施設内を見学した後は、年に一度開催されている遺族会で上映される映像を見せていただきました。ホスピス・緩和ケアにおいて「遺族ケア」は大切なプログラムであり、患者さんが旅立たれたあとの喪失感や悲しみを理解し、家族がまた自分の新しい生活にむけて進んでいくことを支援するための取り組みとなっています。見学実習を終えた学生は終末期にある対象や家族と自身の向き合い方について新たな学びを得たようでした。 ▲遺族会の映像を見て、遺族から故人にあてたメッセージを見せていただく ▲牧野師長さんと記念撮影「ありがとうございました」 わが国の、緩和ケア病棟入院料届け出受理施設(認可されたホスピス・緩和ケア病棟)数は415施設、病床数は8423床となっています(2018年)。一方がんで死亡する人の総数は年間370,000人を超えていることから、私たち看護師は、一般病床や在宅でも終末期がん患者のケアを担っていかなければなりません。学生のみなさんが社会に出たとき、今回の見学実習での学びや自身の心に響いたことを忘れずに対象と向き合ってくれることを願っています。 最後になりましたが、お忙しい中、貴重な学びの機会を下さった牧野看護師長様はじめ国保中央病院皆様に感謝いたします。 看護医療学科 終末期ケア論担当 對中百合・大友絵利香 【関連記事】 「エンゼルメイク」を学ぶ!~看護医療学科「終末期ケア論」 「グループホームの看護職のための終末期ケア研修会」を開催!~看護医療学科 ホスピス見学実習での学びを共有!~看護医療学科「終末期ケア論」
2019.05.31
第1回国際交流企画 韓国・大邱市からの訪問団を迎えました~看護実践研究センター
看護実践研究センター(センター長 看護医療学科 教授 山崎尚美)は、看護実践学の発展・社会的地位の向上、地域住民の健康増進や卒業生を含めた医療職・福祉職の資質向上の具現化と、現在まで行ってきた認知症ケア・地域包括ケア・国際交流などの研究や事業を系統的にスマート化し、教職員にとって進めやすい環境の整備をめざし、2019年4月1日に設立されました。また、5月19日には、開設記念シンポジウムを開催しました。 2019年5月29日(水)には、いよいよセンターの活動が本格的に開始いたしました。記念すべき第1回の企画として執り行った国際交流企画について報告します。 ▲事前に奈良の歴史に触れた訪問団が大学に到着 今回の研修目的は、韓国大邱市近郊の4か所の療養病院(注;日本では回復期リハビリテーションや療養型病床の機能を持つ病院)で勤務する医療・介護職が日本における地域コミュニティの中での認知症ケアについて理解するというものです。訪問団一行は、本学での講義にくわえて奈良県内の回復期リハビリテーション病院や併設される高齢者福祉施設の見学を通して、奈良県における認知症ケアについて最新の知見や医療・介護システムを学び、自国でのシステム整備や実践の向上をめざします。 ▲開式に先立って植田健康科学部長より韓国語も交えた挨拶! 研修には、現地コーディネーター、通訳を含む34名が参加されました。講義に先だって、植田学部長から開式のご挨拶があり、訪問団の代表と名刺交換ならぬお土産交換が行われました。 ▲両国の認知症看護発展を願ってお土産交換 そして、山崎尚美センター長から「日本の認知症ケアシステム」に関する講義が始まりました。講義の中では、1970年代に認知症高齢者は、十分なケアを受けることができず身体拘束・薬剤投与など現在では考えられないような状況に置かれていたこと、ケアを模索し続けた1980年代を経て1990年に認知症対応型共同生活介護施設としてのグループホーム誕生を機にようやく認知症の人の人権を大切にしたケアの実践が具現化された経緯が詳しく説明されました。そして2000年の介護保険制度発足からの約20年間で、認知症に対する国民の理解の変化や認知症になってからも住み慣れた地域で暮らすことをめざした政策の紹介もされました。 とりわけ、新オレンジプランに含まれる基本的な考え方のなかの認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデルなどの研究開発およびその成果の推進に対して、畿央大学が取り組んでいるKAGUYAプロジェクトにおける軽度認知症診断アプリの開発や、認知症カフェについての内容は、参加者の関心が非常に高いものでした。 ▲認知症ケアの変遷と現状について熱く語る山崎センター長 認知症カフェについて研究を進めている島岡昌代老年看護学助手より、日本の認知症カフェの種類や認知症カフェが本人にとって・家族にとって・地域にとってどのようなメリットがあるのかが説明されました。そして、畿央大学が今年度から委託事業として取り組みを続けている「KIOオレンヂカフェ㏌御所」の紹介がされました。韓国の認知症カフェは、決まった場所はあるが、そこに自由に行きたい人が集まって来て、自然にみんながつどい語らうのが一般的で、日本のように誰かが主催または企画した場所に人が集まるスタイルとは異なっているようです。 ▲日本の認知症カフェについて島岡助手より説明 この研修では、地域コミュニティにおける認知症ケアについても取り上げられており、地域包括ケアシステムの中での認知症施策の実際について本学の地元である広陵町と奈良県東部にある宇陀市の例が紹介されました。 広陵町の高齢化率は日本全国平均とほぼ肩を並べていますが、今後高齢化と要介護が必要な人の割合が増加することが見込まれているという背景の中で、要介護状態や認知症になったときにどこで介護を受けたいかという調査結果に対し、参加したみなさんは大きく頷いていました。 そして、宇陀市でモデル事業として運用が開始されたICTを活用した医療・介護・福祉連携システムが大友より紹介され、「認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らす」ことをめざした取り組みの現状が伝えられました。 ▲地域包括ケアシステムの中での認知症ケアの実際を紹介 研修の最後に、認知症高齢者とその家族の在り方について映像を通して深め、この日の研修を終了しました。 ▲研修終了後参加者と記念撮影 看護実践研究センターでは、今後も看護実践や研究を介した国際交流に取り組んでいきたいと考えています。そのために、質の高い看護ケアのあり方や社会背景の変化に対応できるエビデンスに基づいた実践を探求してまいります。 看護実践研究センター長:山崎尚美 老年看護学:上仲久、島岡昌代、杉本多加子 急性期看護学:林田麗、大友絵利香 【関連記事】 韓国の認知症安心センター・認知症カフェ視察と講演レポート~看護医療学科教員 「第5回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」を開催しました~看護医療学科 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科
2019.05.28
「エンゼルメイク」を学ぶ!~看護医療学科「終末期ケア論」
看護医療学科3年次に選択科目として開講している「終末期ケア論」ですが、今年は58名の履修登録がありました。この授業では、死にゆく対象の理解を深め、適切な援助技術を理解することをめざしています。 2019年5月24日(金)の授業では、臨死期の看護技術の一つであるエンゼルメイク(逝去時に身体や頭髪をきれいに整え、故人の生前の表情や血色に近いメイク)演習をしました。 闘病による苦しみから解放された方の表情を柔らかくするためのマッサージをしています。 グループでの演習ですが、メンバーと協力しながら、ファンデーションの色を決め、丁寧にメイクしています。 この科目は6名男子学生が履修しています。普段したことがないメイクに戸惑う様子がありましたが、女子学生のアドバイスを受けながら実施していました。 メイクが完成すると、学生間で「もっと赤みがあるほうがいいのでは?」「口紅が赤すぎるのでは?」と客観的に評価していました。 エンゼルメイクを実施した人形を見てみると、1人、1人お顔が違います。それぞれ、穏やかな顔をしています。学生は演習を通して、エンゼルメイクが遺族のケアにつながることを実感したと思います。 死にゆく対象がその人らしく過ごし、穏やかな最期を迎えるために、今後も学生と共に学び、考えていきたいと思います。 看護医療学科講師 大友絵利香・對中百合 【関連記事】 「グループホームの看護職のための終末期ケア研修会」を開催!~看護医療学科 ホスピス見学実習での学びを共有!~看護医療学科「終末期ケア論」 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」
2019.05.27
3回生対象「第10回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
3回生を対象とした「第10回基礎看護技術自己学修会」を開催しました。 2019年5月24日(金)、3回生を対象とした「第10回基礎看護技術自己学修会」を行い、45名の学生が参加しました。今年度の学修会は、学生がより主体的に取り組むことをねらいとして、各自で学修する内容を計画・実施する形式に変更しています。 4月の学修会では、援助の実施以前に、必要物品の準備であたふたする様子も見られましたが、回数を重ねるごとに準備から実施・後片付けまでの一連の流れが、スムーズに行えるようになってきました。また、「麻痺のある患者さんを想定した寝衣交換」といった、基本的な技術を元に応用も考えて援助を実施している学生もいました。その様な中で、「寝衣の袖を脱がせることができない」「身体の下に処置用シーツが敷けない」「シーツが濡れてしまった」「床に水をこぼしてしまった」と、学生が戸惑う様子がところどころで見受けられました。 頭の中で考えていた計画や、テキストで調べていた方法も、いざ実践してみると思うようにいかないことが多々あります。健康な学生同士であっても上手くいかないのですから、健康障害を持つ患者さんへの援助がいかに難しいものであるのか、想像に難くないことだと思われます。 今回の学修会は、学生が自分自身で考えた援助を実践し、「考えていたような援助ができなかった」という体験からの学びを得る機会となったのではないかと思います。学修会では失敗を恐れずにチャレンジし、様々な体験を重ねて、基礎看護技術の修得をめざしてほしいと思います。そして、一人ひとりの学生が、3回生後期の各看護学実習で、患者さんに適したより良い援助を提供できるよう心から願っています。 看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理 【関連記事】 3回生対象「第9回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第8回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 市立東大阪医療センターの合同災害訓練に、学生が患者役として参加!~看護医療学科 教育・教授活動に関する自主学習会を行いました~看護医療学科教員レポート
2019.05.24
7/13(土)助産学専攻科主催「マタニティ・カフェ」のご案内
畿央大学助産学専攻科は今年で開設8年目となり、これまで52名の助産師を育成してまいりました。本学専攻科の教育の特徴の一つは、入学時に学生が描いた理想の“めざす助産師像”に、近づくために自己と他者を理解しながら、自らの助産師としてのアイデンティティを一歩一歩育んでいくことを大切にしていることです。そして、妊産婦の皆様に心から寄り添える助産師に成長して欲しいと一番に願っております。また、助産師にとって必要な知識や技術は、その専門性の高い外部講師をお招きし、更に最新で確実な情報のもと学修しております。その甲斐ありまして、臨床から高い評価を頂けることが多くなってまいりました。このことは、講師の皆様および学生の努力と、臨床指導者の皆様、そして、何よりも助産師学生のケアに快諾いただきました妊産婦ならびにご家族の皆様のご協力のおかげと思っております。 今回、ご協力いただきました地域の妊産婦及びご家族の皆様の健康向上のため、マタニティカフェを開催することにいたしました。産婦人科医の植田政嗣先生(本学健康科学部長)、「世にも珍しいマザークラス」を全国で開催しておられる助産師の佐藤香代先生(国際医療福祉大学大学院 助産学分野教授)をお招きしております。 先着約50名ですが、是非ご参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。 日 時 2019年7月13日(土)13:00~15:30 会 場 畿央大学 L202教室・L203教室 第1部13:00~13:20 「婦人科医のワンポイントアドバイス」 講師:産婦人科医 植田政嗣先生(畿央大学健康科学部長) 第2部13:20~14:50 「世にも珍しいマザークラス」(奈良初開催) 講師:助産師 佐藤香代先生(国際医療福祉大学大学院助産学分野教授) 第3部15:00~15:30 「カフェしながら何でもトーク」 定員 50名 受講料 無料 申込方法 kio-josan@kio.ac.jpまで下記内容をメールでお送りください。 ①ご氏名(ご一緒に参加する方も) ②出産予定日 ③ご住所 ④電話番号 ⑤駐車場ご使用の有無 ※お送りいただきました個人情報は、今回のマタニティ・カフェ以外には使用いたしません。 ▼画像クリックでPDFが開きます。
2019.05.24
「畿央大学看護実践研究センター開設記念シンポジウム」を開催しました。
2019年4月1日に開設した「畿央大学看護実践研究センター」のキックオフイベントとなる開設記念シンポジウムを5月19日(日)に開催しました。来賓に公益社団法人奈良県看護協会会長の平葉子様、本学名誉教授の伊藤明子様、愛知県立大学副学長の百瀬由美子様ほか多数お迎えし、さらに卒業生10名を含む約100名の参加者にお越しいただきました。 最初に冬木正彦学長による開催の挨拶があり、引き続いて、山崎尚美看護実践研究センター長による挨拶とセンター設立の経緯、センターの目的や組織、事業内容と本日のシンポジウムの趣旨について説明がありました。 「看護実践研究センターは、看護実践学の発展・社会的地位の向上、地域住民の健康増進や卒業生を含めた医療職・福祉職の資質向上の具現化と、現在まで行ってきた認知症ケア・地域包括ケア・国際交流などの研究や事業を系統的にスマート化し、教職員にとって進めやすい環境の整備を目指し、設立されました。また、このセンターが研究機関として機能することで看護実践学に基づく看護学のさらなる発展を期待し、今後、認知症ケア部門・地域包括ケア部門・助産学部門・卒後教育部門・国際交流部門の5つの部門で事業展開を行っていきます。 本日は看護実践研究センター事業の第一回目として、『認知症高齢者の緩和ケア』に関するシンポジウムを認知症部門・卒後教育部門・国際交流部門合同で企画しました。 卒業生・医療現場の方々・地域住民の皆様とともに部門担当者一同、一丸となって邁進していく所存でございます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」 山崎センター長の挨拶の後、本年3月まで老年看護学准教授として勤務されていた南部登志江先生(現 森之宮医療大学教授)よりお祝いの花束が贈呈されました。 ▼南部先生からの花束贈呈 第一部 講演「意思決定支援コミュニケーションツールの開発」 講師:Ms. Julie Paul (オーストラリア緩和ケアNP(AIPEACS CEO)) オーストラリアで先駆的に緩和ケアの教育活動をされているジュリー・ポールさんにお越しいただき、アドバンスト・ケア・プランニング(ACP)の意義・あり方・意思決定支援ツールの開発の現状についてご講演いただきました。 ▼ジュリー・ポール氏による講演 第二部 シンポジウム「これからの緩和ケアのあり方-実践者の立場から再考する-」 シンポジストとして緩和ケア病棟に勤務されている卒業生の中嶋優弥さん(看護医療学科3期生)とグループホームやナーシングホームで緩和ケア認定看護師として活動中の看護医療学科の大友絵利香講師の二人から病院と施設のそれぞれの立場から認知症の方の緩和ケアの実践について報告していただきました。それぞれの講演の後、参加者の方との質疑応答の時間を持ち、最後にジュリー・ポールさんからシンポジストの実践内容に対するコメントをいただきました。参加者の方からは、「看護の力を感じた」「ケアの振り返りができた」といった意見も頂戴しました。 ▼シンポジストの中嶋優弥氏(本学看護医療学科3期生) ▼シンポジストの大友絵利香氏(緩和ケア認定看護師) ▼質疑応答の様子 第三部 情報交換会 第三部では情報交換会が開催されました。約40名が一堂に会し、認知症の人を介護する家族、実習施設の指導者様、研修企画者、臨床実践家などの参加者の方々がご活躍されている領域でのご紹介をいただき、互いに交流を深め、終始和やかな雰囲気の会となりました。最後にセンターの各部門担当者が今後の抱負を説明し、閉会となりました。 ▼情報交換会の様子 認知症の方の意思決定支援は、終末期になってからでは困難をきたしますが、ジュリー・ポールさんから意思決定支援の具体例としてメルボルンと日本の「意思決定支援カード」の意義について学ぶことができ、また今後の日豪共同研究企画の紹介がされました。臨床の場から、中嶋さんからは意思決定支援のあり方として「認知症だから何もわからないのではなく、軽度な時期にケア提供者が最大限の工夫をすること、殊に穏やかになることを助けること、そのためには本人に聞くことが大切である」という認知症ケアの基本や、また大友講師からは認定看護師の役割とともに、緩和ケアの実践の中で「特別でない日常の中での死を学ぶ」姿勢を看護師は持つこと、そうすることで認知症高齢者が「大切にされていると実感してもらえる」関わりが重要であることを学びました。 【関連記事】 第2回看護医療学科卒後教育研修会を開催しました。 看護医療学科開設10年記念講演会・第1回卒後教育研修会を開催しました。 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。