看護医療学科の新着情報一覧
2019.01.07
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.65~11月度勉強会テーマは「糖尿病」!
こんにちは!健康支援学生チームTASK※看護医療学科2回生の余田小春です。 2018年11月29日(木)に「知れば活かせる!糖尿病について」をテーマに11月度勉強会を行いました。 ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 "糖尿病"とは発症要因から大きく1型、2型に分けられ、日本人では糖尿病患者さんの約95%が2型糖尿病といわれており、「ストレス」、「肥満」、「運動不足」、「暴飲暴食」などの生活習慣に関わる病です。 "糖尿病"と聞いて、聞いたことはあるけれど実際はどういうものであるか分からない、という方は多いと思います。 今回の勉強会を通して"糖尿病"について知り、教育や医療の現場、日常の生活に活かせるようになりました。 ▼勉強会を終えた後にみんなでTASKのT! 看護医療学科2回生 余田小春 ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。
2019.01.04
教育・教授活動に関する自主学習会を行いました~看護医療学科教員レポート
平成30年12月25日(火)行われた全学FD研修会に引き続き、14:40から16:00まで、K204ゼミ室において教育・教授活動に関する自主学習会を開催しました。 助言者として、鈴木克明先生(熊本大学教授システム学研究センター長・大学院教授システム学専攻長)をお招きしました。 参加者は、看護医療学科、健康栄養学科、人間環境デザイン学科、現代教育学科の教員など15名が参加し、日々の教授活動に対する質問や授業や演習設計など教育上の悩みなどフリートークの機会としました。鈴木先生からはまさに「目からうろこ」といった斬新的なアドバイスを頂き大変、有意義な時間を過ごしました。 鈴木先生が何度も強調されたことは「基礎から教えるのではなく、応用から学修して基礎にもどる」ことの意義でした。従来の看護医療学科のカリキュラムでは、1回生は「人体の構造と機能」など専門基礎科目と「基礎看護学」を中心にカリキュラムが組まれています。その後、2回生で専門基礎科目の「疾病の成り立ちと回復の促進」で病態や治療などについて学び、専門科目である「成人看護学・母子看護学・老年看護学・精神看護学・地域看護学」の対象論で概論的なことを学びます。更に2回生の後期から3回生の前期にかけて援助論でそれぞれの対象に対する援助の実際を学び、3回生の後期から臨地実習の中で今まで学んできたことを統合し、実践に役立つ知識と技術を身に付けます。しかし高校を卒業したばかりの1回生にとって、最初に学ぶ専門基礎科目は医学用語ばかりで難しく、またその知識が看護にどのように結びつくかイメージし難いため面白みに欠けます。 鈴木先生のご提案は、2回生・3回生で学ぶ各領域の看護学を1回生で学びます。その際、1人の模擬患者の事例を提示して、病態や治療など自分達で調べるようにしておきます。すると、学生は自ら学び、知識が深まるというものです。その後に専門基礎科目を学修すると、一度自分で調べた医学用語なので理解しやすく、知識の定着が容易にできるということです。 更に、講義についても、「教員がかみ砕いて説明している間では学生は自ら学習しない。毎回小テストを先に行い、自分で調べるようにすると理解が進み、学習したことも忘れないし国家試験対策にもつながる」、また演習科目については、「小テストの代わりにパフォーマンス課題を実施することも効果的である」との助言をいただきました。 演習や実習などにおいて、少し先に体験した学生(先輩が後輩に)にその内容を説明すると、説明を受けた側(後輩)、説明した側(先輩)ともに学びが深まる『ピアチューター』が効果的という報告もありました。このことは、本学の健康支援学生チームTASKが実践している方法であり、認知症カフェや学外ボランティア活動などのフィールドワークにおいても、活用できる教授方法だと考えました。 今回の自主学習会を通して、学生を惹き付ける魅力的な授業について深く考える機会となりました。また、学生の学びが深まるように、授業に対して様々な工夫を凝らし、日々悩み模索しながら学生に関わっている教員の皆様に感銘を受けました。 今回の学びを今後の糧として自己研鑽していきます。 看護医療学科助手 島岡昌代 ●畿央大学FD研修会についての記事はコチラ!
2018.12.27
2019年2月21日(木)第17回畿央大学公開講座のご案内
健康と教育のスペシャリストを育成する畿央大学では、2019年2月21日(木)に「認知症」をテーマに下記の要領で『第17回畿央大学公開講座』を開催します。受講料は無料ですので、ぜひ皆様奮ってご参加ください。 講座内容 認知症の正しい理解 -認知症かなと思ったときの対応- 健康科学部 看護医療学科 教授 山崎尚美 昨今、認知症の人は462万人を迎え、MIC(認知症予備軍)の人を含めると800万人時代と言われています。そして、認知症は今ではわが国だけではなく世界的にも注目されています。 畿央大学では、「認知症に強い畿央大学」をスローガンに2013年から地域に根差した認知症カフェの運営・企画や認知症サポーター養成講座、若年性認知症サポート事業、奈良県認知症ケア専門士会などにおいて、認知症の啓発活動や専門職に対する研修、認知症アプリケーションの開発および介護者の相談事業を行ってきました。 当日は、認知症を正しく理解するために①認知症に関するミニ講義、②模擬患者による演習、③簡単なもの忘れのチェック を予定しています。特に「認知症にならないためのヒケツ」や「認知症になったときにしておく準備」については参考になると思います。 多数の参加をお待ちしています。 開催日時 ■開催日時 2019年2月21日(木)14:00~15:10 【 受付13:30~ 】 ※ 1月7日(月)から申込を開始します。 ■定 員 200名(先着順) ■開催場所 畿央大学 P棟2階 P201講義室 ■参加費用 無料 ※筆記用具をご持参ください。 申込方法(1/7から申込受付開始) ① 氏名(ふりがな)、② 年齢、③ 住所、④ 電話番号(FAX番号)をご明記の上、E-mail、FAX、はがき、いずれかの方法でお申し込みください。 ※医療系職種に従事されている方はその旨ご記入ください。 お問合せ・申込先 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 畿央大学教育推進部 公開講座係 E-mail:uketsuke@kio.ac.jp TEL:0745-54-1601 FAX:0745-54-1600 ※受講証の発行は致しません。当日直接本学にお越しいただき、公開講座受付で会場をご確認ください。 ※公共交通機関を利用してご参加ください。 ▼ポスターPDF(画像をクリックするとPDFデータがご覧頂けます)
2018.12.26
2回生対象「第7回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
看護医療学科では、1回生の前期から2回生の前期にかけての1年半で基礎看護学について学び、講義や演習を通して基礎看護技術の修得をめざします。 2回生後期は、3回生後期の各看護学実習に向けて、講義を中心に学びを積み重ねていきます。演習などで基礎看護技術を実施する機会が少なくなるため、意識して練習する機会を持たなければ、せっかく修得した技術もやがて忘れてしまいます。 そこで、学生が自分の基礎看護技術の修得状況の現状を把握し、各看護学実習に向けて意欲的に自己学修に取り組むきっかけとなれば…と考え、「基礎看護技術自己学修会」を企画・開催しました。 平成30年12月7日(金)は、「フィジカルアセスメント(バイタルサインの測定と呼吸音・腹部の観察)」をテーマに自己学修会を行い、27名の学生が参加しました。 1回生後期の履修科目である「フィジカルアセスメント」では、健康上の問題を有する患者さんの身体を観察し、得られた情報から患者さんがどのような状態であるのかを考え、必要な援助を導き出すための視点や方法を学修します。具体的には、脈拍測定や血圧測定、呼吸音の聴診や腹部の観察方法等、患者さんの全身状態を観察するために必要な知識と技術について、学修します。 今回の学修会では、バイタルサイン測定と腹部の観察に加えて、フィジカルアセスメントモデル「フィジコ」と、呼吸音聴診シミュレータ「ラング」を用いた呼吸音の聴診を実施しました。 「フィジコ」と「ラング」は医学教育用シミュレータで、それぞれ健康上の問題を有する患者さん特有の症状を再現することができます。参加した2回生は、教員のアドバイスを受けつつ真剣な様子で取り組んでいました。 【参加した2回生の感想】 昨年の授業時に学び、2回生になってからも何度か復習したはずなのに、すっかり曖昧になってしまった知識を今回の学修会で復習することができました。来年の実習のことを考えると復習しなければならないことでいっぱいだと実感しました。疾患と呼吸の特徴を結び付けて教えてくださったり、先生方の経験を踏まえてバイタルサインの観察のポイントを教えてくださったり、参加できてよかったと感じました。 先生方と仲間と会話を交えながら楽しい雰囲気で復習することができました。「わからへんなあ~」と悩みながらも去年の授業を思い出して懐かしくなりました。これからますます勉強に励み頑張っていこうと改めて考えることができました。 奥田帆乃夏・杉永妃那乃 久しぶりにバイタルサイン測定をしました。半年前までできていたことが、全然できなくなってしまっていたので、自己学修会に参加して良かったです。今までに習った技術を忘れてしまわないように練習が必要だなと感じました。 吉良奈穂 約半年ぶりにバイタルサイン測定を行ってみると、基準値を曖昧にしか覚えていなかったり、血圧計使用前の点検であったり、対象者に聴診器を当てる前に冷たくないように温めておくなど、忘れていることがたくさんありました。来年の臨地実習前に慌てなくてすむように日頃から練習しておくことが大切だと気がつきました。 桑野朋佳 健康上の問題を有する患者さんに適した援助を実施するためには、患者さんがどのような健康状態であるのかを把握し、必要な援助を導き出せる力が重要となります。 今後も、基礎看護技術を修得できるよう努力を積み重ね、3回生後期の各看護学実習で、一人ひとりの患者さんにより良い援助を実践できることを願っています。 看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理 【関連記事】 2回生対象「第5回・第6回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「母性看護学援助論Ⅱ」教員による授業レポート!~看護医療学科 3回生対象「第4回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第3回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
2018.12.07
「第5回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」を開催しました~看護医療学科
平成30年11月28日(水)~12月1日(土)、「第5回 韓国老人福祉(認知症ケア)研修」が畿央大学で開催されました。 この研修は、韓国の老人医療現場における医療のクオリティー向上のために海外の老人医療現場における研修プログラムを実施し、老人医療の先進的なシステムなどを取り入れたいという大韓老人療養病院協会からの依頼で、看護医療学科老年看護学領域の山崎尚美教授が企画した研修会です。韓国の老人療養病院で勤務する看護職や管理者などの医療関係者が、日本の高齢者の認知症ケアを学び、医療現場の見学を通して韓国の高齢者医療の発展につなげる目的で、韓国から9施設37名が畿央大学および施設での研修に来られました。 1日目:11月28日(水) 大阪に入国された一行は、大阪城や大阪市内を観光された後、畿央大学に訪れました。畿央大学では、はじめに冬木正彦学長から歓迎の挨拶がありました。以前の訪問の際に友好の証としてお土産で頂いたハフェタルというお面について触れ、「韓国と関係の深いこの地にある畿央大学に来られたことをとても歓迎します。これからも交流が続きますように」と述べられました。また、今回はチマチョゴリの飾りに使われているノリゲが入った素敵な額をお土産に頂きました。 次に、山崎尚美教授が「日本の認知症ケアにおける現状と課題」について講演をされました。講演の中では、畿央大学老年看護学教員で行っている4つの認知症カフェの取り組みについても紹介がありました。また、認知症の人への理解が深まるように、認知症の人への対応や治療法、認知症の人自らが語ることの意味などについてもわかりやすく説明され、皆さん熱心に聞き入っておられました。 その後、大韓老人療養病院協会のユンジェホ氏から「日本の地域包括ケアで見たコミュニティ・ケア」の講義があり、最後に参加者や病院の紹介をそれぞれの参加者が発表されていました。 2日目:11月29日(木) 午前中は、老人介護福祉施設 『和里(にこり)』を見学されました。和里は、10人程度の少人数が生活するユニットケアを行っており、関西をはじめとする施設職員の研修なども多く受け入れています。和里でのユニットケアの実際や看護・介護の実際を見学されました。 午後は、『平成まほろば病院』や、介護老人保健施設『鷺栖の里』を訪問され、看護・介護の実際を見学されました。また、「平成記念会の褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)対策」として、平成記念病院の皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN:創傷(Wound)、ストーマ(Ostomy)、失禁(Continence)にかかわる専門の知識や技術を有する看護師)の西内みゆき看護師から実際の褥瘡対策実績を交えて褥瘡対策の取り組みについて講義を受けられました。 3日目(11月30日)は朝から奈良東病院やふれあいの里を見学され、その後は奈良観光を楽しまれました。そして4日目(12月1日)に京都観光をした後、帰国の途に就かれました。 急速に高齢化率が上がる韓国において、これらの研修会が韓国のより良い高齢者看護に繋がるのだと考えると、見本となる自分達も今一度高齢者看護について見つめ直し、学生にしっかりと日本の高齢者看護の良い点を教授し、悪しき習慣は払拭していかねばと襟を正しました。 看護医療学科 助手 島岡昌代 【関連記事】 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。
2018.11.29
国立ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科「健康学特論」
看護医療学科2回生の34名は「健康学特論」(看護医療学科2年次後期 保健師課程科目:文鐘聲准教授)の授業において、在日外国人の健康問題やハンセン病の歴史、今なお残るハンセン病への差別や偏見について学習をしました。 ハンセン病は、ごく弱い感染力しか持たない感染症の一種で、現在は日本国内での新規患者はほとんどいません。戦後すぐに抗生剤が導入されたことにより劇的に治癒しましたが、治療が遅れた患者さんは感染症そのものは治っても、後遺症として知覚麻痺などの末梢神経障害を残してしまいました。また、人への感染の危険性はないにもかかわらず、1996年まで療養所への隔離を強制する法律が残っていて、人権上非常に問題がありました。 2018年11月21日(水)には、大阪からバスに乗り、約3時間。岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園を訪問させていただきました。療養所のある長島へ向かうには、邑久長島大橋と呼ばれるわずか135mほどしかない橋を渡ります。ちょうど30年前にこの橋は開通されましたが、それ以前までは橋はなく、完全に隔離された島となっていたため、「人間回復の橋」とも言われています。 長島愛生園歴史館では、学芸員の田村朋久さんより、入所者の方が4年掛けて作られた、療養所の立体地図をもとに、園内の説明をしていただき、その後館内の見学を行いました。 療養所内で実際に使われていたお金や着物(療養所では当時、ハンセン病患者を社会と完全に隔離するため現金や衣類などは一切持ち込めず、療養所内のみで使えるお金や衣類を使用していました。)、療養者が書いた手紙、詩、俳句、当時の写真などが展示されており、療養所内での生活や療養者の心情などハンセン病についてより詳しく知ることができました。 実際に田村さんに解説をしていただきながら、園内を歩いて見学させていただきました。 収容所桟橋では、多くのハンセン病患者とその家族が別れを経験したところで、「ハンセン病を患った子どもが母親に『旅行に行こう』と言われ、喜んで向かったところがこの長島であった。桟橋を渡る頃にはもう母親は帰ってしまった。」という実際にあったお話を聞きました。 続いて、収容所を見学しました。ハンセン病患者は長島に上陸した後、消毒を行うためにクレゾールという消毒液が入った、小さな消毒風呂に入らなければいけませんでした。 急な坂道を上がり、納骨堂で黙祷しました。 ハンセン病患者であることから、社会からの大きな差別を受け、故郷に帰りたくても、家族のことを思い、帰ることができず療養所内で亡くなった方がたくさんいらっしゃるということに心が痛みました。 高台に上がり、小豆島や晴れていたら淡路島まで見ることができるところに「恵の鐘」というものがありました。石材と砂を運び上げる作業を、療養所入所者と職員で行い、1935年に竣工されたそうです。毎日、朝夕の6時に自動で鐘が鳴るようですが、今回特別に学生が鐘を撞かせていただきました。 その後、集会所で大阪ご出身の長島愛生園入所者の方にお話をお聞きしました。 療養所に入所するまでの生活や、療養所へ来た理由、ハンセン病が治癒してから現在までの暮らしなど詳しく話していただき、社会からの差別など胸が苦しくなるようなお話もたくさんありました。差別をした人、ハンセン病を隔離する法律を作ったことについて恨んでいるか、という学生の質問に対して、「誰も恨んでいない。この時代に生まれたことは運命。自分だけではなく、病気をもつ人など、苦しんでいる人は世の中にたくさんいるということを認識できた。過去のことをどう考えても仕方ない。運命だと思えるようになった。」という前向きなお言葉もあり、入所者の強い考えにも驚きました。 短い時間でしたが、長島愛生園を見学させていただき、学習をするまで全く知らなかったハンセン病の歴史や人権について、より深く学ぶことができました。 ハンセン病に限らず、社会の中では多くの差別や偏見があります。誤った認識をしている人がいることによって差別や偏見の目は広がっていくのではないかと考えています。今回学習したことを活かして、まず私たちが正しい知識を持ち、差別や偏見が今後無くなり、人が自由に平等に生活できるような取り組みをしていきたいと思います。 看護医療学科2回生 谷村彩 安田悠未 【関連記事】 ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科 日本における感染症対策ーハンセン病の歴史ーを学ぶ~看護医療学科 ハンセン病療養所長島愛生園を見学~看護医療学科 「ハンセン病療養所訪問学習を通しての学び」報告会を開催しました。~看護医療学科
2018.11.26
「グループホームの看護職のための終末期ケア研修会」を開催!~看護医療学科
平成30年11月23日(金)9:40~12:10、L102教室でグループホームの看護職のための終末期ケアに関する研修会が行われました。 主催は文部科学省基礎研究C 代表:山崎尚美教授の「グループホームの終末期ケアにおける看護連携を強化する教育支援システムの開発」によるものです。 祝日の早い時間でやや寒い日にもかかわらず、施設の施設長、介護福祉士、看護師など35名の参加がありました。はじめに主催者の山崎教授が、研修会の説明および研究協力の依頼などを行ったあと、4人の講師による講演が行われました。 最初は愛知県立大学看護学部副学長である百瀬由美子教授が、「認知症高齢者の終末期ケア」について講演されました。 内容は高齢者の死亡場所の多様化の現状と課題について、特に高齢者の尊厳ある終末期ケアに関して厚生労働省の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」などを引用しながら、高齢者の思いはそれぞれ多様であることから、職員皆で話し合いケアを行うチームケアの重要性について話をされました。また看護職の役割として、苦痛の緩和や快適な生活環境の提供、精神的安寧が大切であること、高齢者が尊厳ある死を迎えるためにはアドバンスケアプランニング(ACP)の概念である、あらかじめ、どのように看取りを迎えたいのかを話しておくことの重要性も話をされました。 次に、愛知県立大学看護部の藤野あゆみ准教授が、「倫理と意思決定支援」について話をされました。 高齢者の尊厳を守るためには、現状における最善の生き方や死について選択し実践するため、自分で意思決定できない人の意思や思いを代弁する支援が必要であり、認知症の人の特性を踏まえた意思決定をすることが重要であると話されました。 そのためには、認知症の人が何をできるのか、どうしたらできるのかを把握し、認知能力に応じて理解できるような個々の高齢者の強みを活かしながら説明をすることが必要であり、そしてチームは早期から繰り返し本人の意思を聞き、見通しをもって継続的支援を行っていくこと、その都度記録を残しておくことなど話されました。 また、シェアードディシジョンメイキングという家族とスタッフがお互いに情報を共有しながら一緒に治療方針などを決定するなど、本人の人生をたどりながら家族およびスタッフの合意をめざすことの重要性を話されました。 3番目に、愛知県立大学看護部の天木伸子講師が、「一般病院における認知症を持つ人の終末期ケア」について話をされました。 施設での終末期ケアも増えていますが、病院で最期を迎える認知症高齢者は7~8割と多いようです。一般病院における認知症を持つ人への終末期ケアでの医療者の役割として、症状・苦痛に対して迅速な医療的対応ができるというメリットを生かして、過剰でもなく過小でもない適切な医療を提供することがあげられます。取り除ける呼吸困難や痛み、食欲不振などの苦痛を適切に緩和すること、可能な限り早く今までの暮らしに戻れるようにすることが必要であると話されました。身体的苦痛でつらい思いをしていないか、本人の状態や表情などから状態を把握し援助するとともに、安心や快をもたらすケアをすることが大切であり、質評価指標を使うなど、援助の振り返りをしていくことなどが重要であると話されました。 4番目は山崎尚美教授で、平成29年の厚生労働省医局長による新たな「情報通信機器(ICT)を利用した死亡等のガイドライン」から、今まで医師のみにより行われていた死亡確認が、看護師により「死亡の確認」「死亡診断書の代筆」ができるようになったこと、グループホームにおける「看取り加算」や、「看護師がいることによる加算」など、最近のグループホームにおける看取りについて説明されました。 このことから介護職と看護職の連携がさらに重要となっており、職種間の言葉でのやり取りからそれぞれの思いを出しあい、それぞれが自分たちは何ができるのかを考え、責任をもってそれぞれの仕事をすることが連携であると話されました。 また、看取り後のカンファレンスは本人が亡くなってから行うことが多いけれども、亡くなる以前から定期的に行うことが必要なのだと話されました。終末期ケアにおける介護職が看護職に期待する役割や看取り時の看護職の役割など、研究で得られた内容も話をされました。 参加者から、医師との連携のあり方、意思決定の具体例、グループホーム看護職と訪問看護師の役割分担の内容など、実際に看取りをしていて困難な事例をもとに、多数の方から積極的に質問がありました。 2017年には高齢化率が27.7%となり、超高齢社会である我が国において、高齢者の終末期ケアをどのように考え、どのようにかかわっていくのかを学び、施設や病院での看護職の役割を改めて考える機会となりました。 看護医療学科 准教授 南部登志江 【関連記事】 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。
2018.11.22
2回生対象「第5回・第6回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
看護医療学科では、1回生の前期から2回生の前期にかけての1年半で基礎看護学について学び、講義や演習を通して基礎看護技術の修得をめざします。 2回生後期は、3回生後期の各看護学実習に向けて、講義を中心に学びを積み重ねていきます。演習などで基礎看護技術を実施する機会が少なくなるため、意識して練習する機会を持たなければ、せっかく修得した技術もやがて忘れてしまいます。 そこで、学生が自分の基礎看護技術の修得状況の現状を把握し、各看護学実習に向けて意欲的に自己学修に取り組むきっかけとなれば…と考え、「基礎看護技術自己学修会」を企画・開催しました。 平成30年10月26日(金)は、「仰臥位から端坐位への体位変換・車椅子への移乗介助」をテーマに自己学修会を行いました。仰臥位(仰向け寝)から端坐位(ベッドに腰をかける)への体位変換や車椅子への移乗介助は、実際の看護場面においても実施する機会が多く、患者さんが、安全に安楽に車椅子に移乗するためには、看護者が確実に技術を修得していることが重要です。 参加した20名の学生のほとんどが「あれ?忘れてる…?」と苦戦している様子がうかがえましたが、教員からのアドバイスを受けつつ何回も練習し、徐々にスムーズに実施できるようになりました。 【参加した2回生の感想】 自己学修会に参加すると「できる」と思っていたことのほとんどを忘れていました。今回、復習することができてよかったです。授業のような雰囲気ではなく友達と「どうだったっけ?」と相談しながらできるので、楽しく復習できました! 坂本知香 一度修得したと思っていた技術も一年経ち、いざ実施してみるとスムーズにできなかったり、正確に実施できなかったりしました。一度復習したことによって技術の再確認ができました。参加してよかったです。残りの学修会も頑張ります。 千福杏奈 体位変換や車椅子への移乗など、去年何度も練習していたので私は「できる」と思っていましたが、実際にこの学修会に参加して実践してみると、頭ではわかっているのに体の動かし方がわからず、また看護する上での大切なポイントを忘れていました。一緒に参加した学生とどのように援助をすれば良いか考え、先生方にヒントをもらいながら実践し、とても勉強になりました。定期的に学んだことを復習するべきだなと改めて思いました。また次の学修会も是非参加したいと思います。 田尾歌音 また、11月16日(金)は、「臥床患者の寝衣交換」をテーマに自己学修会を行い、29名の学生が参加しました。久しぶりに実施した寝衣交換に、参加した学生の誰もが四苦八苦していましたが、教員のアドバイスを受けつつ何度も練習し、徐々にスムーズに実施できるようになりました。また事例を設定し、「右半身麻痺のある患者の寝衣交換」を行いました。学生は、どのように援助すれば、患者さんが安全に安楽に更衣できるのか、汗をかきつつ時間が経つのも忘れて、熱心に練習していました。 【参加した2回生の感想】 授業で一度学修したことなのに、うっすらどんな感じだったというやり方しか覚えてなくて、まったく実施できませんでした。しかし、この自己学修会に参加して、もう一度復習することで曖昧だった記憶が、しっかり定着してできるようになったと思います。参加してよかったし、もっと普段から復習する必要があると思いました。 秋野菜美 看護技術の演習の機会がなくなってしまって、すでに学修した内容など、基本的な知識や技術を忘れてしまっていたので、今回の学修会が復習のいいきっかけになってよかったです。定期的に復習をしておかないと、実習のとき大変になってしまうなと思いました。 尾崎菜々 約半年経つと自分では覚えているつもりでも意外と忘れていて、友達と 「こうだったっけ?」と迷い試行錯誤しながらでないと、寝衣交換や車椅子移乗を行うことができませんでした。なので、この自己学修会で自分の忘れている看護技術をもう一度復習することができ、また、友達と試行錯誤することで、半年前には思い浮かばなかった方法を考えたりして、有意義な時間でした。 川西里奈 学年が上がるにつれて学ぶ内容も高度になり、学生生活はますます忙しくなるかと思います。基礎看護技術の練習の必要性はわかっていても、自分だけだとなかなか行動に移せない…という現状もあるかと思います。 しかし、患者さんに適した看護援助を提供するためには、まず、基礎看護技術を修得していることが必要です。今回の学修会をきっかけに、一人でも多くの学生が、より確実に基礎看護技術を修得できるよう自己学修に励むことを願っています。 看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理 【関連記事】 対象者の清潔援助の必要性を考える~看護医療学科「療養生活援助技術」 3回生対象「母性看護学援助論Ⅱ」教員による授業レポート!~看護医療学科 3回生対象「第4回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第3回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
2018.11.13
就活レポート~就職活動の現場から~No.493(病院)
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就活レポート」、第493弾! 看護医療学科8期生(19卒) M.M さん 病院(看護師) 勤務 【その病院に決めた理由】 3月にこの病院のインターンシップに参加し、新人看護師の仕事の様子を見学させていただきました。このとき、看護師が受け持ち患者さん一人ひとりの希望や大切なものについて、全人的に理解してコミュニケーションをとっている姿を目にしました。病棟の看護師同士の雰囲気も暖かく、尊敬できる先輩看護師のもと成長できると考え、看護師1年目の第一歩をこの病院で踏み出したいと強く感じました。さらに、日本最大の病院グループであることから、全国各地であらゆる分野の看護を学べることにも魅力を感じました。 【就職活動を振り返って】 3年生の実習が落ち着いてきた2月に、企業が開催する就職セミナーに参加しました。いろんな病院の説明を聞き、インターンシップにもたくさん参加しました。インターンシップに行くことで、それぞれの病院の良さや特徴について五感を通して感じることができました。採用試験は、多くの病院が小論文と面接です。病院の過去の小論文テーマと面接の質問内容をインターネットやキャリアセンターから集め、試験対策を行いました。面接の受け答えはある程度考えますが、文章を暗記するのではなく、自分の言葉で気持ちを伝えることが大切であると感じました。就職先が決まるまで、たくさんの不安がありました。そんな時は友人や先輩、家族、先生などたくさんの方々に相談したり、面接練習をしてもらったり、理想の看護師や将来について話し合ったりするなどして、モチベーションを高めていました! 【就職活動でPRしたポイント】 「今後、どのような看護師として成長したいのか」について一生懸命PRしました。大学の4年間で培った私の看護観や、実習での学びを言語化し、「理想の看護師として成長するためにこの病院で働きたい」という思いを伝えました。私にとって、実習での学びや経験は、看護観を大きく成長させることができました。「自分らしさ」をPRすることが大切だと思います! 【キャリアセンターと就職サポートについて】 はじめての就職活動は不安でいっぱいです。病院への連絡の仕方、病院訪問時の服装や身だしなみ、履歴書の書き方、採用試験などわからないことだらけでしたが、キャリアセンターの方がすべて丁寧に優しく教えてくれました。面接練習は私が納得するまで協力してくださり、「できる!」と自信をつけてくれます。合格したときも一緒に喜んでくれて、とても嬉しかったです。竹本さんをはじめ、キャリアセンターの方にはたくさんお世話になりました。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 4年生になる前の春休みに、たくさんの病院説明会やインターンシップに行くことをおすすめします。実際に病院に行き、五感を通して職場の雰囲気を感じることで、自分の目指す看護師像に合った病院を選ぶことができます。試験での小論文のテーマや面接は、実習のことや自分自身のことをたくさん聞かれます。実習での貴重な学びをしっかりと振り返り、自己分析を行うことで、「自分らしさ」を伝えることができます。素敵な社会人スタートを切れるように応援しています!
2018.11.13
就活レポート~就職活動の現場から~No.494(病院)
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就活レポート」、第494弾! 看護医療学科8期生(19卒) Y.Y さん 病院(看護師) 勤務 【その病院に決めた理由】 私がこの病院に決めた1番の理由は、病院の理念と自分の目指す看護師像が一致していたことです。大学で実施された合同説明会で実際に働いている看護師の方の話を聴いて、この病院で看護師として働きたいと感じました。また、この合同説明会後に病院見学会にも参加し、現場で働いている方々と話ができて、人間関係や病院内の雰囲気の良さを知ることができたことも、この病院に決めた理由の1つです。 【就職活動を振り返って】 私は自分がしたいと思える看護ができるところであれば、場所は問わないと考えていたので、病院選びにとても苦戦しました。しかし、沢山の病院のインターンシップや病院見学会に参加し、それぞれの病院の特徴や看護師の方に話を聞くことで、どの病院が自分に一番合っているのかじっくり考えることができました。また、自分の看護観や目指す看護師像などを改めて考える機会にもなったので、自分にとって意味のある就職活動ができたと感じています。 【就職活動でPRしたポイント】 面接では、笑顔でハキハキと話すことを心掛けました。志望動機である病院の理念と自分の目指す看護師像が一致していることや、病院見学に来た時に感じたことも織り交ぜながら、この病院で働きたいと思っていることが面接官に伝わるようにアピールしました。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 初めての就職活動で何からすれば良いのか不安な私に、履歴書の書き方から面接の練習までとても丁寧に指導していただきました。面接の練習では、グループ面接であったため、様々なパターンを想定したり、返答に困ったときはアドバイスをしていただきました。キャリアセンターの手厚いサポートがあったので、本番ではあまり緊張せずに自信をもって挑むことができ、キャリアセンターの方々にはとても感謝しています。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 各論実習が終わって気持ちの切り替えが大変だと思いますが、1月から気になっている病院のインターンシップや見学会に参加することをお勧めします。保健師過程をとっていると、4回生でも授業や実習などがあって忙しいので、早めの行動をすることによって気持ちに余裕ができると思います。また、実際に行くことで病院の雰囲気を知る機会にもなります。沢山の病院を見て、自分に合っている病院はどこなのか、先生や友達に相談したりして、じっくり考えることが大切だと思います。授業や実習で大変だと思いますが、悔いのない就職活動ができるように頑張ってください!