2022年の看護医療学科の新着情報一覧
2022.03.16
令和3年度卒業証書・学位記・修了証書授与式を行いました。
2022年3月15日(火)、快晴のもと「令和3年度卒業証書・学位記・修了証書授与式」が冬木記念ホールにて挙行され、健康科学部320名(理学療法学科75名・看護医療学科86名・健康栄養学科95名、人間環境デザイン学科64名)、教育学部現代教育学科217名、大学院40名(健康科学研究科修士課程33名・博士後期課程4名、教育学研究科修士課程3名)、助産学専攻科10名、臨床細胞学別科6名の合計593名を送り出しました。 感染拡大予防のため、昨年度に引き続いて参加者は卒業生・教職員のみとしました。記念式典は冬木記念ホールで開催し、それを学科や専攻科等の会場に中継する形での実施となりました。 午前10時に開式し、国歌清聴の後、学部学科ごとの代表者に卒業証書・学位記・修了証書が授与されました。その後、学長表彰が行われ、特に優秀な成績を修めた各学科学生1名が紹介されました。 冬木正彦学長による式辞、それに続く植田政嗣健康科学部長・健康科学研究科長・臨床細胞学別科長と前平教育学部長・教育学研究科長の祝辞では、学部生と大学院生は2年、専攻科・別科では丸1年をコロナ禍で過ごしたことを労いながら、卒業・修了後も建学の精神である「徳をのばす」「知をみがく」「美をつくる」を実践して社会で活躍してほしいというメッセージが送られました。 その後、卒業生を代表して健康科学部健康栄養学科の南萌奈さんが謝辞を述べました。最後に学歌をそれぞれが清聴し、厳かな雰囲気でおこなわれた式典は、幕を閉じました。 式典終了後は各会場で卒業生・修了生一人ひとりに卒業証書・修了証書が手渡されました。 例年なら学科毎に卒業パーティーや謝恩会が開催されるところですが、この日が全員で集まる最後の場になります。授与式終了後は各会場で趣向を凝らしてビンゴや抽選会で盛り上がったり、先生と一緒に記念撮影をしたり…と、それぞれが学生生活での最後のひとときを仲間・恩師とともに楽しみました。 ※記念撮影にあたっては、直前にマスクを外し、声を出さないようにして撮影しています。 卒業生・修了生の皆さん、本当におめでとうございます。また、いつでも母校に戻ってきてください! 教職員一同、これからのご活躍を心から祈っています。 【関連記事】 令和2年度卒業証書・学位記・修了証書授与式を行いました。
2022.03.08
新生児蘇生法(NCPR)Aコース講習会を受講しました!~助産学専攻科
令和4年3月2日(水)に助産学専攻科学生10名は「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」を受講しました。 NCPR講習会は「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立を目的として実施されており、私たちはその中のAコースを受講しました。 このコースでは、気管挿管・薬剤投与を含めた高度な新生児蘇生法を学ぶことができます。 今回、私たちは小児科・新生児科医である「さの赤ちゃんこどもクリニック」院長、佐野博之先生に講習して頂きました。 はじめに講義を受けました。 その後、新生児蘇生に用いられる流量膨張式バッグの使い方や人工呼吸の手技、気管挿管の実践を1人ずつ行いました。次に、事例を通した演習を行い、NCPRのアルゴリズムに沿って、どのように対応するのかシミュレーションを行いました。 事前にテキストの内容を学習して参加しましたが、実際に実施してみると、状況に合わせて瞬時に判断し、行動することの難しさを感じました。演習では、実施者と介助者の2人1組のペアになり蘇生を行いました。チーム内でそれぞれの役割をもち、連携することにより、的確なケアを実施することができると感じました。 ▲人工呼吸 ▲気管挿管 前期の授業でも新生児蘇生法は学習していましたが、その時点では臨床の現場をイメージすることがあまりできていませんでした。今回、助産学実習後にNCPRの講習を受けたことで、臨床の臨場感や緊迫感を想像しながら実施することができました。自分たちの初期対応が新生児の生命を守り、救命することにつながるため、今後の臨床の場で活かしていきたいと考えます。 ※撮影時のみマスクを外しています 助産学専攻科 桑野 朋佳 寺林 香織 【関連記事】 第10回助産学専攻科事例研究発表会を開催しました。 災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科 産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2022.03.08
災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科
令和4年2月14日(月)、「地域母子保健論」の授業の中で災害発生時の助産師の対応についてシミュレーションを行いました。 私たちの中で、災害として印象にあるのは東日本大地震です。テレビで度々重なる余震や家ごと巻き込む津波の映像を見て胸が苦しくなったことを覚えています。そして、その後も熊本地震、大阪北部地震、その他にも洪水などの災害が日本では頻繁に起きています。 今までは一市民としてどのような対策や避難をすればよいのかについて考えていましたが、今回の授業を通して、これからは専門職者として患者さんや地域の方々を助ける側になるのだという責任感を感じました。そのため、これまでの災害および今回の授業を通して得た経験から、早くに避難すること、避難するにあたって事前に避難グッズを用意しておくこと、家族などと避難時の動きについて確認しておくことが重要であると考えました。 演習では、まず、病棟内で地震が発生した場面を想定し、医療者側と患者側に分かれて、それぞれの役割を決めました。そして、決められた役割のアクションカードに基づいて、それぞれが地震発生時にどのような流れで動き、患者およびスタッフを避難させるのかについてグループワークを行いました。 午後からは、それぞれのグループで考えた行動を実際に行ってみて、医療者側と患者側それぞれの立場から感じたことを全員で振り返りました。 ▲医療者側はアクションカードを確認しながら、リーダーへ報告 ▲スリングタイプの災害時新生児避難具を使って避難準備をしています シミュレーションおよび振り返りを通して、助産師は地震が発生した際にはすぐにそれぞれの役割を理解して、効率よく安全に避難できるように協力しあうことが必要であると学びました。 また、患者側の立場を体験したことで、医療者からのこまめな声かけや丁寧な説明により妊産褥婦は不安が軽減し、安心感につながることが分かりました。 また、「避難所で分娩が開始してしまったという設定」で、助産師、看護師、避難所の管理者、避難所に避難していた人など、みんなでそれぞれの役割を考え、避難所にある限られた物品の中で分娩介助の実施、サポートをする演習を行いました。 母児の安全を最優先に考えながら、避難所という公共の場でもプライバシーに配慮した分娩を行うことについて、それぞれの役割のもとで意見交換をし、学びを深めました。 避難所のように、分娩の環境が整っていない場所でお産に関わることも十分に考えられます。そのような場合に備えて、助産師としてどんな分娩体位にも対応できる力を得ておくことが大切であると学びました。 普段の生活の中で、災害について意識をすることが少なかったですが、今回の演習の中で医療者の立場に立って考えたことで、日頃からの準備と訓練が、災害時に命を守る、円滑で安全な行動に繋がるということを改めて考える機会になりました。 助産学専攻科 川﨑 祐衣・安田 悠未 【関連記事】 産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2022.03.08
第10回助産学専攻科事例研究発表会を開催しました。
2022年3月1日(火)に「助産学専攻科10期生事例研究発表会」を行いました。 助産学実習では、1人の方を妊娠期から産後1か月健診まで継続して受け持たせていただ「継続事例」という実習があります。本年度はコロナの影響もあり殆どの学生が分娩期から継続事例をさせていただきました。 事例研究発表会では、その継続事例での学びや助産ケアなどを論文や文献を用いて振り返り、発表しました。 ▲会場の様子 ▲開会の挨拶 今回の発表会は、私たちの1年の集大成です。 それぞれが事例をまとめるだけでなく、運営方法など学生間で何度も話し合い、より良い発表になるよう力を合わせて頑張りました。 発表会には、実習でお世話になった臨床教授の先生方や、看護医療学科の2〜4回生に参加していただきました。 想像以上にたくさんの方々にご参加いただいたため、とても緊張しましたが、実習で得た学びを整理し、考えや思いが伝わるようにそれぞれが工夫をして発表を行いました。また、会の中で活発な質疑応答や実習で担当頂いた先生方からそれぞれの学生に対してご講評を頂戴し、自分たちが行った助産ケアを見つめ直すことができました。 ▲質疑応答の様子 また、事例研究以外に「めざす助産師像」についても発表しました。1年の学びを通して入学時に考えた助産師像より、より具体的なものになりました。 それぞれのめざす助産師像をご紹介させていただきます。 ★学生それぞれのめざす助産師像★ それぞれの課題は残りますが、助産学専攻科での1年間の学びを糧に、4月から助産師としてそれぞれの新しい道で邁進していきたいと思います。 最後に、実習を通し、学生の受け持ちを快諾していただきました妊産褥婦の皆様、新型コロナウイルスの影響も大きい中で実習を受け入れてくれて下さった病院施設の皆様、温かく熱心にご指導いただきました臨床指導者様、臨床教授の皆様に心より御礼申し上げます。 助産学専攻科 10期生 中田 萌香 安田 悠未 ※撮影時のみマスクを外しています 「めざす助産師像」は、学生が描いた自分のなりたい助産師像です。 入学時から助産師像を意識しながら講義、演習、助産学実習を学修する過程で、様々な体験から自己と向き合い、助産師としてのアイデンティティを育んできました。本日は、その集大成として助産師像の発表となりました。 学生の成長は、継続産婦様との出会い、臨床指導者や臨床教授の皆様が、学生に寄り添い丁寧にご指導をして頂いた賜であり、感謝申し上げます。 助産学専攻科 教員一同 【関連記事】 災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科 産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2022.03.03
「4回生に何でも聞いてみよう」オンラインミーティングを開催!~看護医療学科
看護師国家試験を終えた4回生から 大学生活について質問できる オンラインミーティングを実施! 新型コロナウイルス感染防止対策の影響から、部活動やサークル等の課外活動が制限されることもあって、以前と比較すると学生同士が学年を越えてつながることが難しくなっています。 これまでであれば、先輩に聞くことで解消できていた疑問や不安も、同学年だけのつながりでは解消できず「先が見えない状況」に漠然とした不安を感じている学生が多いように見受けられます。 そこで、基礎看護学領域では、これからの大学生活に関する疑問や不安を、先輩にざっくばらんに質問して軽減することができれば…と、看護師国家試験を終えた4回生4名の協力を得て「4回生に何でも聞いてみよう」オンラインミーティングを企画しました。 1回生と3回生合わせて20名が参加し、1回生からは、実習への準備や普段の学修方法について、3回生からは国家試験勉強や就職活動について、それぞれに具体的な質問がありました。 4回生は、うまくいった体験はもちろん、失敗談も交えながら親身になって回答していました。また、国家試験の勉強法については、実際に使用していた参考書やノートのまとめ方の工夫点も紹介してくれました。 参加した学生からは、以下のような感想がありました。 「これから先のことを考え、自分はやっていけるのかなあと不安に思うことがいっぱいあったのですが、先輩方の話を聞き、コツコツと楽しく頑張っていこうと思いました。」 「SNSなどで看護学生向けの情報を見ていても焦るばかりでしたが、先輩方からこの時期にこういうことしていたよということを直接聞けたことで少し安心しました。」 「たくさんのアドバイスを聞くことができてよかったです。他の学生の質問を聞くことでも、不安に思っているのは自分だけではないのだと感じて、不安が少し解消されました。」 「国試や就活についてイメージできていない部分が多かったため、先輩方からお話を聞き、自分の中でどのように進めていけば良いか考えることができました。」 4回生からは 「今、学修していることに無駄なものはないこと」「今、苦しい思いをしていても、必ず将来の自分のためになること」「仲間と協力して乗り越えていくことが大切」といったメッセージがありました。 4月からはそれぞれの学生が新たな局面を迎え、また新たな課題に直面することかと思います。苦しくなった時には今回のメッセージを思い出して、ひとつずつ乗り越えていってほしいと思います。貴重な体験談を語ってくれた4回生のみなさん、ありがとうございました。 看護医療学科 基礎看護学領域 林 有学・須藤 聖子・小林 智子・中西 恵理
2022.02.14
近隣のウォーカビリティが低い地域の女性は社会参加が少ないことを明らかに~広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトでの2750名の調査結果から
徒歩で出かけられる先が少ない地域の女性は社会参加が少ない 地域在住高齢者における近隣のウォーカビリティと社会参加との関連性:KAGUYAプロジェクトの横断研究から~理学療法学科・看護医療学科・ヘルスプロモーションセンター わが国において、健康日本21(第2次)では、健康寿命の延伸に加え、健康格差*の縮小も目標として掲げられています。健康寿命の延伸とは、つまり要介護状態にならないように予防することで、今までに要介護状態になるリスクに関連する要因についての研究は多く行われてきました。一方、健康格差について、都市部・農村部での比較や都道府県・市町村間での結果は示されてきましたが、格差の縮小のためには、それぞれの市町村内のより小地域での検討が必要であると考えられます。また、介護予防には社会参加が重要になり、近年、社会参加と近隣のウォーカビリティ**との関連が指摘されているものの、市町村内での地域差を検討したものは少ないのが現状です。 本学理学療法学科の松本大輔 准教授、高取克彦 教授、看護医療学科の山崎尚美 教授、文鐘聲 准教授らは、地域在住高齢者を対象にした調査を行い、女性においてWalkScore®を用いた近隣ウォーカビリティが社会参加と関連することを明らかにし、Geriatrics & Gerontology International誌(IF:2.730)に発表しました。 *健康格差:地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差 **ウォーカビリティ:簡単に言うと、歩きやすさ。単に歩道が整備されていることを指すだけでなく,その地域で歩いて買い物ができるなどの日常生活の過ごしやすさやウォーキングなど健康行動を促進されることも含まれる。 研究概要 A町在住の高齢者2,750名を調査し、WalkScore®***を用いた近隣のウォーカビリティと社会参加の関連について検討しました。また、性別でその関連に違いがあるかを分析しました。 ***WalkScore®(WS):住所を入力すると,Google マップ上で近隣の施設(商業施設・公園・学校など)までの距離をもとに,徒歩でアクセスできる度合いを100点満点で評価する。50点未満では、徒歩30分圏内に出かける先が少なく、車が必要になる地域とされる。 本研究のポイント 高齢者に対する調査によって、年齢、社会経済状況や疾患、日常生活機能を調整しても、近隣のウォーカビリティが低いとスポーツ、趣味などの社会参加は、男性では有意差は認められないものの、女性で約20%有意に低いことが明らかとなりました。 図1 ウォーカビリティ高い地域と低い地域での社会参加割合の比較 男女とも、ウォーカビリティが低い地域に住んでいる方は高い地域に比べ、社会参加者の割合が有意に少ない(図1)。 図2 性別ごとの社会参加とウォーカビリティが低い地域との関連(有病割合比) 関連する要因として年齢、社会経済状況や疾患、日常生活機能を調整しても、スポーツ、趣味などの社会参加は、男性では有意差は認められないものの、女性で約20%有意に低いことが明らかとなりました。(図2)。 本研究の意義および今後の展開 本研究は高齢者の社会参加と近隣のウォーカビリティの関連を小地域で示した数少ない研究です。ウォーカビリティが低い地域に住んでいる女性は社会参加が少ないということが明らかになりました。このような地域に特化した社会参加への支援を含むまちづくりが必要であると考えられます。今後はより地域施策に還元できるような研究に発展させていきたいと思います。 謝辞 研究にご協力いただきました住民の皆様,役場の方々に感謝申し上げます。 この事業は、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成27 年度~平成31 年度)「ソーシャル・キャピタル創出とヘルスケアデータ一元化による地域包括ケアシステム研究拠点の形成」の助成を受けて実施されました。 論文情報 Matsumoto, D, Takatori, K, Miyata, A, et al. Association between neighborhood walkability and social participation in community-dwelling older adults in Japan: A cross-sectional analysis of the keeping active across generations uniting the youth and the aged study. Geriatr. Gerontol. Int. 2022; 1– 10. 第63回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員が発表!~理学療法学科・健康科学研究科 雑誌「老年内科」で本学と生駒市・広陵町とのコホート研究が紹介されました~理学療法学科 問い合わせ先 畿央大学 健康科学部 理学療法学科 准教授 松本大輔 d.matsumoto@kio.ac.jp
2022.02.07
一人称VR体験プロジェクト「高齢者住まい看取り研修」を開催しました~畿央大学看護実践センター
2022年2月1日(火)に畿央大学看護実践センターと奈良県認知症ケア専門士会の共催で、「一人称体験プロジェクト 高齢者住まい看取り研修」が開催されました。 コロナ禍のため集合研修が中止となり、残念ながらVRゴーグルの活用はできませんでしたが、オンライン(Zoom)上でVRの映像を視聴しました。参加者は、介護福祉士、看護師をはじめとする17名の参加となりました。 講師は株式会社シルバーウッドの大野彩子氏で、内容はVRを活用したケースメソッド方式を軸に、90歳の高齢者の視点で救急医療を疑似体験したり、介護職の視点で実際に起きた看取りの事例を疑似体験して、その後にディスカッションするというものでした。 看取りまでのあらゆる事態に適した最善策について、「自分だったらどうするか」「本人視点ならどうか」といった姿勢で体験者自身の考えや気づきを促す内容でした。 ▲高齢者住まい看取り研修の参加者(使用許諾の上、掲載しています) 参加者から、 「在宅での看取りのめざすところを体系的に学ぶことができた。」 「初めてのVR体験で感情移入ができた。また客観的にみることで、普段自分が行っている対応と比較できた。」 「自分の考えは間違っていない、ブレないようにしようと再確認できた。」 「ACP*というと難しいなあと感じるが、凄いことをしようと思わなくても、小さなことからチームで取り組んでみたい。」 「対話を重ねる、時間作るなど、本人はもちろん見送る側の心の準備を支援することも重要だということが再確認できた。」 など、多くの声がありました。 看取りを経験したことがない人は、看取りに対して「得体のしれない不安感・恐怖感」を抱えていることが多く、映像で本人や介護職の視点から疑似体験し、ディスカッションすることで、漠然とした不安感や恐怖感が、自分自身やチームの課題化につながるように感じました。 日本人の死亡場所の8割は病院です.医療機関では看取り期においても栄養や水分を補う点滴などの医療処置が必ずと言っていいほど行われています。しかし、病院で行われる医療には苦痛や煩わしさを伴うものも多く、高齢者住まいにおける自然な老衰死という新たな選択肢を求める声も少なくありません。「老いのプロセスを病にすり替えない」ためにも、無益な延命医療を行わない本人主体の看取りは地域社会のニーズとも言えると思います。 高齢者住まいにおける看取りとは、本人の意思や希望を確認し、家族や専門職はその意思を徹底的に支えることが重要であると学ぶことができました。 畿央大学看護実践研究センター長 山崎尚美 奈良県認知症ケア専門士会 理事 南部登志江 *ACP(アドバンスケアプランニング)とは、「将来の意思決定能力の低下に備えて、今後の医療・ケア、療養について、本人と家族など大切な人および医療・ケア提供者が本人の価値観や選好に基づき、どのように生きたいかの人生・生活の目標を共有しながら話し合うプロセス」である。 「高齢者住まい看取り研修」の公式サイト 【参考資料】ACPの手引き ※画像をクリックすると、PDFが開きます 奈良県認知症ケア専門士会 事務局 樋野 幸子 【関連記事】 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター 第15回 奈良県認知症ケア専門士会オンラインセミナー「〜コロナ時代におけるこれからの看取り〜」参加者レポート 奈良県認知症ケア専門士会第14回研修会 講演会&VR認知症体験レポート
2022.01.27
「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター
認知症の人の世界について理解を深めるため、奈良県認知症ケア専門士会および(株)シルバーウッドの方の協力を得て、2022年1月13日(木) 『VR認知症オンライン体験』を実施しました。本学からは看護医療学科の2回生99人が『VR認知症体験』を受講しました。 昨年に引き続き、午前中は一般の方の参加が、午後からは看護医療学科2回生99人が老年看護学援助論Ⅰの授業の一環としてオンライン下で参加しました。参加された皆さんの感想をご紹介させていただきます。 【一般の方(午前の部)】 2022年1月13日(木)に奈良県認知症ケア専門士会主催の「認知症の一人称体験プロジェクトオンライン研修」がZoomで行われました。講師は、株式会社 シルバーウッドの大谷匠先生で、動画を視聴した後に数人のグループに分かれ、①どのような経験をしたか、②どのような気持ちになったか、③他の人のかかわりをどう思ったか等について、ディスカッションをする参加型体験研修会でした。 ▲講義中のスライド 1つ目の「私たちをどうするのですか」という動画では、対象者が車から降りることに躊躇しているため、職員が「大丈夫ですよ」「つかまってください」と手を差し伸べて声をかけていました。普段よく見かける光景ですが、動画による本人の目線では、高いビルの上にいて恐怖や不安を感じている様子が体験できました。大谷先生は、「認知症の人は、空間失認障害などがある場合も多く、本人は降りるのが怖いことから介助者の手を振り払ったり、拒否するなどの行動をとっており、それがスタッフにとっては介護拒否や暴言・暴力とうつることもある」と言われていました。 私たちは認知症の人に対して、相手のペースや意思を尊重しながら援助する大切さは理解していますが、今回の研修で、本人の症状や言動からしっかり状況や気持ちをアセスメントできていないことも多いとわかりました。 2つ目の「ここはどこですか」という電車に乗っている動画では、「今、どこにいるのか」「どこで乗り換えたらよかったかな?」と不安になっていたが聞きにくい様子でした。駅員さんは笑顔で改札口などを説明してくれましたが、自分の不安や困りごとを聞いてはくれませんでした。そこに女性が「何かお困りですか?」「乗り換え口まで案内しますよ」との言葉をかけてくれて、ほっとされていました。大谷先生は「コミュニケーション不良により、BPSD(認知症の行動・心理症状)がおこることもある」と言われていましたが、当事者が疎外感を持たないようなかかわりの難しさを学びました。 今回の研修で、認知症の方の症状や基本的な対応方法についてわかっているつもりでしたが、本人の立場に立ってその思いを理解できていないままで支援していることも多いとわかりました。支援者主体の支援ではなく、本人の不安や思いに沿った援助となるようあらゆる視点から推察していくことの必要性を改めて実感することができました。 奈良県認知症ケア専門士会 南部登志江 【学生の感想(午後の部)】 学生たちの新鮮な目での感想を紹介します。 ▲VR認知症オンライン体験した学生たち(使用許諾の上、掲載しています) 認知症の方と関わる際にどう接したらいいのかわからない人が多いと思いました。私もその1人でした。でも、丹野さんの本を読み、VR体験や平井さんの話を通して、この方は認知症だから・・・と認知症だけにとらわれて関わるのではなく、普段どおりに接したらいいことを学びました。そして、危険から守るために先回りして行動を制限するのではなく、当事者の方が困っていたら手助けをしたいと思いました。 また、レビー小体型認知症の症状で幻覚があるのは知っていましたが、実際にレビー小体型認知症の視点のVR体験を通じて、消えるまで本物と見間違えるくらいとてもリアルだったり、可愛いものから怖いものまで様々なものが見えることを知りました。教科書では学べないことを知ることができました。 VR体験中のファシリテーターの方の講義の中で、当事者の家族は当事者を心配する気持ちから当事者の安全を優先し、自立や快適さを制限してしまいがちであり、当事者の自由も制限されることによるストレスからBPSDも進行してしまうことを学びました。 当事者の講義について 認知症の当事者である平井正明氏は講演の中で、BPSDを悪化させないために、出来なくなったことには固執せず素直に周りの助けを借りたり、工夫をして、自分の変化に一喜一憂せず受け入れてストレスを感じない生活を常に心がけていると話されていました。自分のやりたい事、出来る事に主体的に楽しく取り組み、出来ないところだけ助けてもらうような水平の関係性でいることはストレスを溜めないために大切なことであり、認知症になっているか、なっていないかを意識しすぎなくても良いのだということを学びました。 看護医療学科2回生 高島 さくら 看護実践研究センターでは、引き続きオンラインで、2月1日(火)13:30~16:30 に一人称体験プロジェクト 高齢者住まい看取り研修会、2月21日(火) 14:00~16:15発達障害の一人称体験研修会を予定しています。 参加費は無料ですが、事前申し込みが必要です。多数のご参加をお待ちしています。 畿央大学看護実践研究センター 【関連記事】 第15回 奈良県認知症ケア専門士会オンラインセミナー「〜コロナ時代におけるこれからの看取り〜」参加者レポート 奈良県認知症ケア専門士会第14回研修会 講演会&VR認知症体験レポート
2022.01.27
プレティーチャーズガイダンスを実施しました。
この4月から学校や園の現場で先生になる4回生を対象に、プレティーチャーズガイダンスを実施しました。 先生という仕事は、4月に着任してすぐに担任を持つことが多く、子どもたちや保護者からは、新人の先生であってもベテランの先生と同じだけのことを期待されます。 そこで畿央大学では、教育学部教員、教採・公務員対策室教員によるプレティーチャーズガイダンスを4回生の1月に開講して、4月の着任までに準備しておくべきこと、そして着任後の業務の流れや心構え等を伝え、安心してスタートできるようにしています。 今年は1月13日(木)、17日(月)、20日(木)、21日(金)、24日(月)に実施しました。 学校教員志望者は、板書のポイントや教室掲示物作成など、幼保志望者は、保育者としての心構えやクラス通信など、実践的な内容を熱心に受講していました。4回生の後期になると履修する授業も限られており、採用試験に向けて一緒に頑張ってきた友達と教室でこうした講座を受けるのは久しぶりで、懐かしみとお互いを励ましあう姿も見られました。 4回生のみなさん、大学生活も残りわずかですが、1日1日を大事にして過ごしてください。みなさんが4月から先生として活躍されることを期待しています!
2022.01.19
就職レポートNo.669(病院/看護師)看護医療学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第669弾! 看護医療学科11期生(22卒) N.M さん 病院(看護師) 勤務 ※撮影時のみマスクを外しています。 【その病院に決めた理由】 知識・技術・能力を向上させ、実践力の高いジェネラリストになりたいと考えていました。内定を頂いた病院は独自のクリニカルラダーに基づいた教育実施により、年齢・疾患に問わず看護を必要とする人への看護を学習できるため、私の目標とする看護師としての実践力の向上ができる点に魅力を感じました。 また、私は患者さん一人ひとりの目線にあった看護を提供したいと考えていました。看護理念の一つに「一人一人に真摯に対応し、安心できる看護」を提供するとあり、私の理想とする看護を実践されている点にも魅力を感じ志望しました。 【就職活動を振り返って】 関東方面での就職を考えていたため、3年生の臨床実習が始まる8月ごろより病院のオンライン説明会等に参加し、病院分析をしていました。本格的に就職活動を始めたのは実習が落ち着いた1月ごろです。新型コロナウイルスの影響で病院インターンシップはなく、ほとんどがオンライン説明会であったため日程を調整しながら気になる病院の説明会には積極的に参加していました。また、関東である合同説明会にも積極的に参加していました。 関東での就職活動ということで病院の雰囲気や外見等を見に行くことができず病院分析するときにとても悩みましたが、自分の看護観と病院の理念が整合しているかという点に重きを置き、就職活動をしました。 【就職活動でPRしたポイント】 自己・他者評価を友達に協力してもらいPRについて考えていました。また、2年生に行った海外インターンシップへの参加やアルバイトについて、自分の強みについてもPRしました。面接練習とは違い、難しい質問も来ましたが、間をあけることなく笑顔で答えることを意識しました。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 キャリアセンターの方に履歴書や志望動機書の添削や面接練習、受験日程の調整等も協力していただきました。面接練習では、「なぜ大阪ではなく、関東で就職しようと思ったのか」を明確に答えれるようにアドバイスをして頂きました。また、面接でよく出やすい質問を考えてくださり、面接対応力をつけていただきました。就職活動を何から始めたらよいかわからない状態でしたが、一つ一つ不安を聞いてくださり、的確なアドバイスがもらえ、自信につなげることができました。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 自分のしたい看護はなにか、病院理念・看護理念が自分の看護観に合っているか分析し、自分が働きたいと思える職場を早めに見つけることが大事だと思います。就職活動を何から始めるべきか悩むと思いますが、その時はキャリアセンターに相談に行くと一つ一つ解決するためのアドバイスがもらえ納得のいく就職活動ができるようになると思います。 就職活動の面接練習等は早めにしておくと本番で緊張せず、スラスラと自分の看護観や自己PRが言えるようになると思います。キャリアセンターの先生は丁寧に面接練習をしてくださり、強みや弱点を見出してくださるので対策ができます。就職活動で後悔のないよう早めに行動することをおすすめします。