2017年の看護医療学科の新着情報一覧
2017.06.15
日本母性看護学会学術集会 参加レポート!~助産学専攻科
6月11日(日)武庫川女子大学で開催された「第19回日本母性看護学会学術集会」に参加してきました。 現在、助産学専攻科では助産研究の科目において4つのグループに別れ、それぞれに興味がある分野の研究を行っています。 今回は、さまざまな先生方の発表を聞き、自分たちの研究の学びとすることを目的に学術集会に参加しました。今年のテーマは「ライフサイクルにおけるセクシュアリティ支援~多様性の意識化と実践~」でした。セクシュアリティについては講義などで勉強していたつもりでしたが、実際の現場における問題や、支援の幅広さを学びました。特に印象に残った講演は、学校現場におけるセクシャルマイノリティの実際についての講演です。「セクシャルマイノリティ」という言葉はだんだん知られては来ていますが、学校現場ではまだまだ理解が広まらない実際などを知りました。性と向き合う助産師としてのあり方についても考えさせられました。 ほかにも、一般演題の口演や、ポスター展示、ランチョンセミナーなどもあり、さまざまな研究発表の形があることを学びました。助産師として女性を支援していく上で、その人の文化や環境、家族とのかかわりなど幅広い目で対象を捉えることの大切さを学ぶことができました。 これらの学びを生かし、助産研究を進めて、各々が理想とする助産師像に近づけるように勉強していきたいと思います! 助産学専攻科 高瀬和
2017.06.09
畿友会(学生自治会)だよりvol.45~新入生歓迎会レポート&球技大会予告!
こんにちは!畿友会広報部署長のあみです。先月に行われましたクラブ代表者会議にて正式に広報部の部署長になりました。これからもブログなどを通して情報の発信や、活動を報告していきますので是非チェックしてくださいね! さて、畿友会にも新しい1回生メンバーが加わりました!そこで、5月28日(日)に新入生歓迎会として大阪の舞洲でBBQをしました!天気にも恵まれBBQ日和の1日となりました。この日が1回生と初めての顔合わせだったので、まずはレクリエーションを通して2.3回生や1回生同士の親睦を深めていきました。 レクリエーションの後はBBQ♪ BBQを楽しみながら2.3回生と自己紹介をしたり、1回生は各部署(※畿友会では広報部の他にも企画部、課外活動総本部、会計部の4部署で活動しています)がどんな活動をしているのか、大学生活についてなどを先輩に聞いたりしていました! 食べ終わった後は水鉄砲をしたり、マシュマロを焼いてみんなで食べたり、、、 1回生や2.3回生も「楽しかった!」と言ってくれたので企画して本当に良かったです。幹事だけではここまでスムーズにできなかったので協力してくれたみんなにはとても感謝しています。これから1回生とは畿友会のメンバーとしてこれから一緒に活動していきます! < 畿友会からのお知らせ!!!> 6月17日(土)に、畿友会主催で「球技大会」を行います!!! 【球技大会のお知らせ】 開催日:6月17日(土) 場所:アリーナ 内容:ドッチボール 参加費:無料 ・受付開始:12時45分~ ・開始時間:13時15分 ・終了時間:15時30分頃予定 ・持ち物:体育館シューズ、動きやすい服装、 飲み物(熱中症予防のため多めに) ※優勝チームには1万円相当の景品があります! 同回生チームやクラブ・サークルのチーム、混合チームなどを作ってチーム対抗で行います!団体参加(1団体20人まで)はもちろん、個人参加も可能。参加費は不要です! 参加は当日受付なので、直接アリーナへ来てください。回生、学部、学科を問わず畿央生なら誰でも参加可能です。ドッチボールを楽しみながら、交友の輪を広げましょう!ご参加お待ちしております! 畿友会Twitter (@kiyu_kai_kouhou)でも情報を発信していますので是非ご覧ください☆
2017.06.08
「第1回認知症の人と課題解決に向けたステーション作り in 畿央大学」を開催します。
認知症の人と共に多業種で作り出す次世代の地域社会を、あなたも一緒に考えませんか? 最近では、認知症についてはその予防やケアだけにとどまらず、若いうちから「教育」を通して認知症への理解や認知症になった方との接し方を学ぶ必要性が叫ばれています。今回、医療・福祉分野で連携して認知症に関する研究や実践を活発に行っている本学を会場にして、若年性認知症の方を10年以上支援されている若野達也さん(若年認知症サポートセンターきずなや代表理事)とのコラボで、企業家として認知症に関する活動を支援しているマダム信子さんを講師に迎え、医療・福祉分野をこえた「他業種連携」や地域社会の在り方について考える「第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学」を開催することになりました。ぜひご参加ください! 開催日 2017年6月23日(金)12:10~12:45 ▲クリックで拡大します。 講 演 マダム信子さんによる認知症ケアに関する講演 (弁当持ち込み可) バームクーヘンが食べられるかも!! 会場:畿央大学 L303講義室 講師プロフィール:マダム信子 株式会社カウフードシステム代表取締役長。洋菓子店「マダムシンコ」を展開。企業の立場から、認知症の人に関する活動を支援している。 意見交換会 若年性認知症の人や支援者とともに話し合います 時間:13:00~14:30 会場:畿央大学K204ゼミ室 対 象 認知症ケアに関心のある学生・地域住民・ボランティアの方・教員・認知症の人(当事者)・絆やサポーターの方 参加申込方法 ① 氏名(ふりがな)、②性別、③年齢、④連絡先電話番号をご明記のうえ、FAXもしくはメールでお申込みください。 【宛先】 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 畿央大学 看護医療学科 教授 山崎尚美 FAX:0745-54-1600 TEL.0745-54-1601 E-mail:n.yamasaki@kio.ac.jp お問合せ 一般社団 法人 SPS ラボ若年認知症サポー トセンタきずなや奈良市大和田町1912 TEL:0742-53-8666
2017.06.08
第18回日本認知症ケア学会でKAGUYAプロジェクトの研究成果を発表!~看護医療学科
017年5月26日(金)~27日(土)に沖縄で開催された『日本認知症ケア学会』へ参加しました。今回この学会には、看護医療学科老年看護学の教員6名、教育学習基盤センターの宮崎先生が参加しました。 KAGUYAプロジェクトの成果報告として、5月26日(金)午後から山崎、共著として宮崎特任助教、文准教授、高取准教授、松本助教、南部講師、寺田講師、島岡助手、広陵町地域包括支援センターの吉田課長による示説発表がありました。 講演や発表では、「認知症に優しい地域作り」「認知症と共に生きるために必要な支援」といった、地域でその人らしく生活するための支援や課題についての報告が多く見られました。 今後は「認知症に対する正しい理解」が、さらに必要となると考えられます。会場では、認知症のことを「ニンチ」と言わない啓発活動や徘徊と言わない啓発が行われていました。 また、KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査の結果として、「認知症の準備性」に関する発表を行いました。研究の目的は、地域住民の認知症に対する準備性について、殊に不安の有無・知りたい情報の有無・物忘れの自覚・認知症のへの関心との関連について明らかにすることです。広陵町に在住する65歳以上の高齢者8,004人全員のうち、調査票の返送のあった3,593人のなかで、認知症への準備の有無について回答のあった3,288人を対象としました。認知症に関する不安や関心はあっても準備していない人については、認知症カフェなどでその原因を把握しつつ、困難にしている環境を整えるための支援体制を整備する必要があることが示唆されました。 今回発表した研究について、共同研究者である他大学の教員を交えて、意見交換や愛媛大学の谷向医師との情報交換会を実施して、学会は無事終了しました。 ※本研究は、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成27年度~31年度)の助成を受けて実施した(No.9)。 看護医療学科 教授 山崎尚美 【関連リンク】 広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクト ホームページ ADI(国際アルツハイマー病協会)国際会議でKAGUYAプロジェクトの研究成果を発表!~看護医療学科教員
2017.06.05
第18回日本認知症ケア学会に参加・発表!~看護医療学科教員
2017年5月26日(金)~27日(土)に沖縄で開催された日本認知症ケア学会へ参加しました。今回は、山崎教授、寺田講師、島岡助手が示説発表を行い、看護医療学科老年看護学の教員6名、教育学習基盤センターの宮崎助教が参加しました。 講演や発表では、「認知症に優しい地域作り」「認知症と共に生きるために必要な支援」といった、地域でその人らしく生活するための支援や課題についての報告が多く見られました。 地域における支援については、現在、畿央大学は御所市の地域包括支援センターと協働して「オレンヂカフェ」を開催しています。認知症カフェについての発表や自主企画が多く見られ、関心の高さがうかがえました。 認知症の人が地域で生活するためには、地域の人の理解と協力が必要となります。認知症についての理解を深める方法として、「認知症サポーター養成講座」がありますが、成人を対象とするばかりでなく、小学生や幼児に対する講座も開催されており、その効果と課題についての発表も見られました。 さらに会場には「未来をつくる子どもたちの作文コンクール 受賞作品」が発表されていました。子どもたちの認知症に対する理解が、今後さらに必要となると考えられます。 ▼寺田講師発表 座長の山田律子先生と共に 認知症カフェにおける「認知症高齢者のためのボランティア活動に関する研究の動向」について、発表しました。まだまだ、文献数は少なく総説や事例研究なども含めて情報収集することの助言をいただきました。 ▼島岡助手発表 「認知症高齢者グループホームの終末期ケアに関する文献レビュー -過去10年間の研究動向-」について、発表しました。座長の先生から発表前に「認知症高齢者のグループホームにおける終末期の問題は現場で直面している問題として早く何とかしたいとみんなが思っているが、まだこのような取り組みがなく、この発表を楽しみにしていた」とご紹介して下さいました。終了後も、「このテーマはとても重要な課題であり、大学という環境に所属しているからこそできる研究、認知症の人にとってとても意義深い研究であるのでさらなるこれからの研究活動に期待する」とのコメントをいただきました。 今回発表した研究について、共同研究者である他大学の教員を交えて、26日及び28日に会場等で研究に関する会議を実施して、学会は無事終了しました。 看護医療学科 准教授 南部登志江 【関連記事】 ADI(国際アルツハイマー病協会)国際会議でKAGUYAプロジェクトの研究成果を発表!~看護医療学科教員 ADI(国際アルツハイマー病協会)国際会議で「認知症カフェ」の取り組みを発表!~看護医療学科教員
2017.05.29
認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。
5月22日(月)畿央大学にて「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会『認知症高齢者の緩和ケア-メルボルンにおける緩和ケアの実際-』」を開催しました。 この講演会は「文部科学省 基盤研究C(代表 山崎 尚美) グループホームの終末期ケアにおける看護連携を強化する教育支援システムの開発」の助成を受けて開催しています。 講師はJulie Paul氏です。彼女はオーストラリアの緩和ケア分野のナース・プラクティショナー※1であり、メルボルンのBanksia Palliative Care Officeの施設長です。 ※1 ナース・プラクティショナー(NP:Nursing Practicioner) 大学院等において専門的な教育を受け、比較的安定した状態にある患者を主たる対象として、自律的に問診や検査の依頼、処方等を行うことが認められた看護師のこと。 当日は看護医療学科の実習施設の方や介護老人施設の方々はじめ、認知症高齢者の終末期ケアに関心のある方々約71名と本学看護医療学科学生106名、教員を加え200名近くが講演を聴かせていただきました。 日本では「緩和ケア」というと、がん患者さんを対象としたケアをイメージされる方がまだまだ多いのですが、みなさんはいかがでしょうか? 緩和ケアとは生命に関わる病気(HIV感染症、末期の呼吸器疾患や心臓疾患など)や高齢化に伴う課題に直面する(認知症など)、個人とその家族の「QOL(生活の質)」向上へのアプローチであると話されました。では「QOL(生活の質)向上」とは何でしょう? Julie氏は「何が『QOL(生活の質)』向上かはその人が決めること」と言われました。なるほど!と思いました。病気のとき、何が大切なのか、どうしてほしいのかは人それぞれです。決めるのはケアを受けているその方です。 これから認知症の方が増えてくるのは日本もオーストラリアも同じです。認知症の方は日常生活を他者に依存することが多くなること、コミュニュケーションの表現力や受容力に支障が生じやすいので緩和ケアが必要、と話されました。また、どの疾患のケアにも必要な「痛み」についても「看護師の観察」の大切さを説明してくださいました。 90分の講義の間、みなさん真剣な表情で耳を傾けられ、大きな拍手で講演が終了しました。 講演会後はJulie氏を囲んでランチを食べながらの懇親会を持ちました。Julie氏と夫のTim氏、認知症家族会の方、他大学教員、認定看護師、ケア・マネージャー、本学教員も参加させていただいての懇親会でした。 ▼懇親会の前には昨年海外インターンシップでお世話になった看護医療学科の学生がご挨拶 懇親会では、終末期に食べてもらうことがいいのか、自分の終末期について意思表示しておくこと、高齢施設への入居基準、高齢者虐待、子どもへの「死」に関する教育など、オーストラリアも日本も同じような課題を抱えていることがわかりました。そしてオーストラリアも日本も本人、家族、専門職などそれぞれが認知症高齢者その人ののぞむQoLをめざして援助していることもわかりました。 来日頂いたJulieさん、Timさん、わかりやすい通訳してくださった通訳の方、ありがとうございました。 また暑い中ご来校くださった参加者の方々、学生の皆さんにも御礼申し上げます。 看護医療学科 寺田美和子 【関連リンク】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.3
2017.05.26
奈良県認知症ケア専門士会第8回研修会が開催されました。
アルツハイマー型認知症は予防できるか? 2017年5月20日(土)に奈良県認知症ケア専門士会 第8回研修会が開催されました。 「認知症ケア専門士」は、人口の高齢化とともに増えゆく認知症の人へのケアに対する技術の向上や保健・福祉に貢献することを目的として平成15年に日本認知症ケア学会総会で決定された資格です。3年以上の経験年数とともに試験に合格することが必要なのですが、さらに認定後も生涯学習に対する義務が課されています。奈良県では2014年に関西で初めての認知症ケア専門士会が設立され、本学看護医療学科山崎尚美教授が会長となりました。その後毎年研修会を開催しています。 2017年度は、5月20日(土)13:00~16:30に第8回研修会のテーマは「アルツハイマー型認知症は予防できるか」で、医療法人社団岡田会介護老人保健施設まきむく草庵の施設長である中野博重氏を講師に講演をしていただきました。27名の参加があり、それぞれ1単位の単位が認定されました。 中野先生は、外科医師として臨床で働かれた後、看護大学で教授として教鞭をとられました。現在は、まきむく草庵で施設長として高齢者とかかわっておられます。講演では、認知症についての近年の動向や主な認知症の診断、症状についてお話しいただきました。その後、「こんなことが脳への刺激となる」こととして、毎日の生活の中で運動をする大切さや食事、社会交流と知的な活動の重要性などについて話をされました。また、2型糖尿病のコントロールや高血圧、高脂血症の改善、望ましい体重の維持などについても話をされました。 運動について、走るのもただ走るのではなく、「記憶力」に効く走り方、「感覚」に効く走り方、「集中力」に効く走り方などがあり、その実行方法について話され、新たな知見を得ることができました。アンケートでも、「わかりやすかった」「認知症について、わかっているつもりだったが、新たな発見があった」などの意見がみられました。 後半は認知症ケア専門士会の講演や活動について意見交換をしました。参加人数が少なかったせいか、質問や意見がしやすい、和やかな意見交換会となりました。 次回は、10月14日(土)に研修会が開催されます。認知症ケア専門士の資格を持っていない方も資格を持っている方もふるってご参加ください。 文責:看護医療学科 南部登志江
2017.05.24
児童養護施設を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」
2017年5月10日(水)に助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」の授業で奈良県桜井市にある児童養護施設飛鳥学院の見学に行かせていただきました。飛鳥学院では、なんらかの理由により家庭で生活ができない子どもに対して、子どもたちが健やかに成長し、自立して社会のなかで生活ができるようになることに重点がおかれ、愛情のこもった関わりを実践されています。 まず、理事長の河村喜太郎先生に講義をしていただきました。昔よりも子育て・育児が重視され、親の責任がより大きくなっていること、離婚件数の増加に伴う親の負担増も虐待の一員になっていることを知り、そういう今だからこそ社会全体での子育て支援が大切であると強く感じました。実際に、児童家庭支援センターではソーシャルワーカーがケースマネジメントを行い「バーベキューの串」の役割を果たすことによって、多職種が連携し対応しています。虐待は1人で発見・対応することは困難であり、様々な機関がそれぞれの視点から関わることで適切な判断へとつながり、子どもの権利を守ることにもつながっていくことを学びました。 続いて、院長河村善一先生にて施設を案内していただきました。施設の見学では、学習塾やそろばんなど勉強のできる環境が充実しており、部活動や習い事にも取り組めるよう体制が整えられています。このような生活環境があることで、子どもたちが学力だけでなく、自分の強みを見つけて自分自身に自信を持てるようになるのではないかと感じました。学習塾では成果により表彰をされており、子どもたちがそれを喜んでいると聞き、こういった関わりが子どもの自尊感情を高めるためにとても効果的であると学びました。施設にいる子どもたちは学習が遅れている子や褒められた経験がない子が多く、勉強して分かるようになる喜びや目標に対する達成感を得ること、それを他者が認め、褒めることは自信につながり、学校での生活や勉強が楽しいと思えるように成長することができると感じました。 地域小規模児童養護施設「いわれ」や「しき」では、子どもたちが一軒家で生活しており、料理などの家事も行っていることから、小中学校を卒業し、今後社会に巣立っていくまでの準備期間として、社会性や生活力を身に着け、自立を支援するための取り組みになっていると学びました。 施設にはつらい過去を経験した子どももいますが、施設を卒業してからも飛鳥学院を実家のように思い、時々顔を見せに来たり、昔の辛かった過去を笑い話にして話したりする子どもたちもいるそうです。過去の出来事を変えることは困難でも、「今が幸せ」と思えるように関わることで過去に対する考え方は変えることができると学びました。また、大人が愛情を持って子どもに関わることがどれほど子どもに影響を与え、重要であるかということを再認識しました。 助産師は家族形成の初期段階に関わる重要な役割を担うため、妊娠期から女性やその家族に対する深く広い観察の視点をもち、産後の生活を予測した支援を行う必要があると実感しました。また、助産師を含む多職種で連携し、さまざまな環境においても子どもが成長・発達していけるよう社会全体で母子をサポートしていくことが重要であると学びました。そして、虐待を受けている子どもが1人でも多く救われ、命を落とすことのないよう、まずは疑わしきは通報する義務、早期発見、介入のために誰しもができることを広く周知していくことが必要だと思います。 今回の見学は虐待について改めて考える機会となり、それを防ぐために助産師としてできることや虐待を経験した子どもに対しての関わりについてなど多くの学びや気づきがありました。今回の学びを今後助産師として働くうえで活かしていきたいと思います。 飛鳥学院の河村喜太郎理事長、河村善一院長はじめスタッフ皆様、あたたかく丁寧な説明をしていただき感謝いたします。 助産学専攻科在籍 甲村弥生・山下夏美
2017.05.22
平成29年度離島・へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区実習レポートvol.3~看護医療学科
看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。大宇陀地区での実習3日目の様子をレポートします。 最終日(5月18日) 大宇陀での実習も最終日を迎えました。2日間にわたりとてもハードなスケジュールで広い大宇陀の中で活動したため、多少の疲れも見えましたが、この日も朝から病院班・曽爾村班・大宇陀班に別れて元気に実習を開始しました。 ▼大宇陀での訪問看護実習先での思い出の一コマ 大宇陀の大熊地区を訪問しました。そちらに一人で暮らす女性は、「息子たちが隣り町に家を建てて引っ越し、自分も一緒に来るようにと言われたけれど、先祖や亡くなった夫との想い出が詰まったこの村に残る決断をした」と話されました。コミュニティバスを利用して、買い物に出かけて、自分で下ごしらえから手を加えたものを食べることが健康の秘訣、というお話でした。野菜の保存の仕方なども教わり、下宿している学生は「参考になることを教えてもらえてよかった」と喜んでいました。 ▼最終日に訪れた大宇陀の町屋にある老舗旅館【日の出館】 現在は女将が90歳を超えているため旅館は閉じていますが、大宇陀の町が活気づいていた時代の面影がうかがえる門構えや帳場に飾られた品々を目にして、学生は「見たことない物や建物の造りに感激した」と話していました。ここでは、90歳の女将を手伝って、庭木の手入れや廊下の掃除、古くなった障子の張り替えをしました。普段は、玄関や窓も閉められていて静かな旅館に、学生たちが訪れて掃除をしている様子を目にした近隣の方が、「女将に何かあってザワザワしているのでは・・」と気遣って電話を下さるというハプニングもありました(笑)そのハプニングから学生は「近所の人が周囲の人をいつも気遣っている町なんですね」という学びを得ていました。 ▼障子の張替えを手伝う学生たちと女将さん ▼タクシーの運転手さんも見かねて障子はりを手伝ってくださいました。 ▼日の出館の中庭をプロ顔負けの技で剪定した学生たち 3日間の実習は、あっという間に過ぎて大宇陀を離れる学生は、お世話になった場所で自分たちの学びを再確認し、感謝の気持ちを伝えて帰宅の途につきました。 大宇陀ラガールでご指導いただいた内田俊子主任ケアマネージャーから、「看護を学んで知識や技術を身につけることも大切ですが、生活者としての高齢者の心の叫びを聴きとれる力をみがくことを忘れないでほしい」という言葉をいただきました。 ▼内田俊子主任ケアマネージャー様よりお言葉をいただく学生の様子 3日間の実習、本当にお疲れさまでした。この学びはきっと皆さんの人生を豊かにしてくれると信じています。お世話になった大宇陀の多くの方々や市立病院、曽爾村の方々に深く感謝します。 看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香 【関連記事】 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポート~vol.1 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポート~vol.2 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)
2017.05.22
平成29年度離島・へき地医療体験実習~宇陀市大宇陀地区実習レポートvol.1
看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。 そのうちの1か所である宇陀市大宇陀地区には19名の学生が元気いっぱい実習させていただきました。地域の医療職や介護職の方々、交通の便が悪い山中にお住いの高齢者の方々に多大なご協力を得て、たくさんの体験や感動、学びがありました。その様子を報告させていただきます。 初日(5月16日) 爽やかな風が吹き空は真っ青で、正真正銘の五月晴れでした。8時30分に榛原駅に集合した学生は、榛原地区にある宇陀市立病院、大宇陀地区にある大宇陀特別養護老人ホームラガール、宇陀郡曽爾村にある宇陀訪問看護ステーション東宇陀支所にわかれて実習を開始しました。 ▼大宇陀ラガールで、地域の高齢者と歩行訓練をする本学の実習生 大宇陀地区では、様々な社会資源を活用しながら山間部で生活する90歳代独居高齢者のお宅を訪問しました。膝関節の変形や歩行能力の低下がありながらも、段差や畳の生活を余儀なくされる古民家に過ごされている方たちですが、先祖を守りたいという気持ちや自分が生きてきた場所への愛着と生活支援のサポートがあることで、平穏で文化的な生活を送られていました。学生たちは、竹やぶで筍掘りをさせていただいたり、大正琴を教えていただいて合奏するなど楽しい時間を過ごさせていただきました。また、下肢のリンパ浮腫で生活に不自由があるという問題を抱えておられることに対して、自分たちで作成したパンフレットを用いてスキンケアや運動について説明しました。 ▼介護サービスを受けながら、独居を続けている女性宅を訪問する実習生 曽爾村では、蛇行する山坂をのぼり商店や医療機関から離れた場所で慢性疾患を持ちながら暮らす高齢者宅や人工呼吸器を装着した小児を自宅で介護するお宅に伺いました。学生たちは、清潔ケアや生活指導をさせていただきながら、お話を伺うことができたようです。「将来は、この村に住んで訪問看護がしたい。それくらい曽爾村に住まう人が温かくて、健康問題を抱えていても明るく生活している姿に感動した」と訪問先から帰って真っ先に話す学生もいました。ステーションの看護師さんたちは、地域に長く住んでおられることもあって、訪問先の方々とまるで家族のように親密な関係性を構築しておられます。学生はその関わりから、住み慣れた家でずっと暮らし続けるために必要なサポートを学びました。 実習1日目から、盛りだくさんの内容を体験した学生は、宿泊地である大宇陀本郷地区にある椿寿荘に戻り、夕食をいただきました。大宇陀地区は水田が多く水がきれいな土地柄もあり、稲作が盛んな場所として知られています。宿でもつややかでふっくらした御飯に大満足でした。夕食後には、全員で1日目の学びを共有しましたが、想像以上に学生が深い学びを得ていたことに教員は大変うれしく思いました。 明日は、いよいよ実習のメイン行事である「宇陀市介護予防事業 aiクラブ」での体力測定と健康指導が待っています。宿の温泉で疲れをいやして、明日への鋭気を養いました。 看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香 【関連記事】 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)