SNS
資料
請求
問合せ

現代教育学科の新着情報一覧

現代教育学科の新着情報一覧

2024.08.13

畿央大学現代教育研究所主催「学びを結ぶワークショップⅫ」を開催しました。

畿央大学現代教育研究所では、学校現場における教育力向上の一助になる活動の一環として、2013年から大学研究者による解説と実践を交えた現職教員対象のワークショップを実施しています。今年度は小学校学習指導要領の平成20年改訂の外国語活動の新設により、小中高等学校の多くの学校で学ばれている英語の学習を取り上げ、「小・中・高等学校の系統的な外国語教育をめざす指導の在り方」をテーマとし、2024年8月7日(水)に開催いたしました。 午前は、中学校とのつながりを意識した児童にわかる簡単な英語で授業をするため外国語指導について、午後は中学校とのつながりを意識した高等学校の、生徒が話したい、相手に伝えたいと意欲をもてる英語の指導についてのプログラムを行いました。午前では8名、午後には6名の参加を頂きました。 午前のプログラム:「校種連携の重要性を踏まえた、小学校外国語指導」 講師:中垣 州代(現代教育学科 准教授) 模擬授業指導者役:梅田 実佑(香芝市立旭ケ丘小学校 教諭)   初めに講師の中垣先生より、校種連携における現状と課題が伝えられました。外国語教育において、小中連携が課題であり、その課題の1つとして、指導者の英語運用があります。中学校、高等学校では英語を用いて指導することが基本となっています。しかし、小学校外国語を担当する担任の課題として英語力不足があることから、日本語による指導が多い可能性があります。そこで、日本語での指導を続けると、児童にどのような問題が生じるかについて話し合いました。英語のインプットが減ることで、児童が英語を聞く時間は少なくなり、それに伴って児童がアウトプットできる量も減り、聞いた英語を推測する力も身に付かなくなります。それが英語嫌いにつながっていくと考えられることを確認することができました。     そこで、児童にわかる簡単な英語で授業をするための指導方法として、指示はClassroom Englishを用いること、児童が既習の語彙や表現と新しい単元の言語材料を用いて発問すること、言い直す(言い換える)ことを通して理解を促すこと、画像やピクチャーカード・実物で理解を促すこと、本当の(authenticな)情報のやり取りを加えることなどが効果的であることを、入手可能な資料や事例を踏まえて紹介されました。 次に、学習指導要領の「外国語の目標」として「言語活動を通して」、「コミュニケーションを図る資質・能力」を育成することが小・中・高で共通していることから、「言語活動」「コミュニケーション」について定義を押さえ、具体の活動やその指導で大切なことをクイズ形式で考える時間を取りました。言語活動とは「実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う活動」であること、小学校におけるコミュニケーションとは「心を通わせたやり取り」であること、小学校ではコミュニケーションの基盤をつくることが重要であることが確認されました。そして、それを実践するためには、バックワードデザインにより、授業を構成する必要があることも示されました。 「簡単な英語で進める小学校外国語模擬授業づくり」にあたっては、「どの指導について特に知りたいですか」と参加者にその場でのデジタルアンケートを行いました。「読むこと、書くこと」「話すこと[やり取り]」の言語活動の指導との回答であったため、その要望に応えて模擬授業が展開されました。 まず、「読みたい」「書きたい」という児童の主体的な態度を重視した設定として、児童が知っている学校の先生にインタビューしたことを基にワークシートを作成すると効果的であることが紹介されました。そして、参加者が児童役となり、香芝市立旭ケ丘小学校教諭の梅田先生が模擬授業を行いました。児童が自分の力で読もうとする手立てや書くときの留意点を児童から引き出した上で児童が一人で書き写すことのできる活動を体験していただいた後、質疑応答の時間が設けられました。     「話すこと[やり取り]」としては、Small Talkの指導内容とポイントの解説と模擬授業、次に、児童が文構造に気付きながらやり取りする指導についての解説と模擬授業が行われ、その後に質疑応答の時間が設けられました。 小学校教員5名、中・高教員1名、高等学校教員2名の参加者が、ほぼ全員質問しており、内容を深め合うことができていました。活動過程の形成的評価を行い、そのフィードバックにより児童が学習改善できる手立てが重要であるとの確認がなされ、午前のプログラムが終了しました。   午後のプログラム「中学校・高校の英語授業デザイン:生徒が英語で伝える力を育むために」 講師:福島 玲枝(現代教育学科 准教授)   講師の福島先生より初めに「話す」能力に関する理論的な捉え方が紹介されました。 そうした考えのもと、学習指導要領における小学校、中学校、高校の指導事項の系統性とともに、各段階で育成を目指す言語運用能力が示され、その実現のためには、段階に応じた活動構成と指導上の工夫が必要と伝えられました。 ここで、ある映画の一場面が紹介されました。それは、英語を学ぶ者にとって「もっと話したい」「もっと分かりやすく伝えたい」という気持ちが、正確さや文法を意識することにつながるとの内容です。そのため、実際の授業では、生徒が自分の言語資源を活用して、可能な限り分かりあう努力できるように支援し、その目標を実現するために必要な指導を絞り込むことが教師の役割であるとされました。     ある単元の一部を取り上げ、高校英語の検定教科書で使われるリテリング活動を実施するための授業構成が提案されました。 始めはInputです。新しい教材への橋渡しとなる段階です。学習がどのように進むのか、学んだ成果となるOutputのモデルを提示することで、生徒が学ぶ見通しを持てるようにします。ここで大事なことは生徒が関心をもてるよう新しい教材を見せ過ぎないことです。具体的には数枚の写真を提示し、それにまつわる質問を、生徒に投げかけ、対話を行う事例が紹介されました。 次のIntakeでは、Outputの活動のために何を練習するかを生徒に提示します。 音読では、先生について読む、友達と読む、全員で読む、個別で読む等、色々な形から、講師が教材を用い、リードして全員で行う音読が紹介されました。その際「読み終わったら立ちましょう」との指示で立つのに時間がかかる生徒、指で追って読むことを指示すると指の動きが遅めの生徒が音読に抵抗を感じていることが分かり、支援が必要であると判断できることも紹介されました。 読み取った成果を確かめる、空欄がある文章を用いてあらすじを作成する方法を提示するとともに、他にもどんな指導方法があるか全員で協議する時間も取りました。ここで福島先生から、質問と応答の練習の事例として、音読、そして教師の質問に、生徒が即答することを競わせる方法も紹介されました。これは授業のはじめに学習の体制をつくることにも役立つとのことでした。     最後のOutput 活動です。何をもって話せるとするかを「複数のイラストを見て、指し示しながら内容を説明し、自分の感想や意見を述べる」活動で判断するとのことです。音読、質問と応答を繰り返しながら、話せない生徒には教師が補助質問をしたり、区切りには批評によって学習成果を生徒に返したりすることが紹介されました。更に生徒の話すことへの意欲を向上できるよう、話す内容に感想を加える(1文, 2文, and more)、自問自答を挟む、クラスメイトに質問して回答を得る、テレビショーのように2人で掛け合う、イラストの提示順序を変えるなど「やり取り」の展開に加える変化も紹介されました。 最後にパフォーマンス評価については、友達を前にして、外国語で発表するだけでも高く評価できることを基本に、活動を通して、内容、構成、話すスキル、実現した難易度など、向上したこと、面白かったことなどを教師と生徒間で褒め合いながら評価することが提案されました。 まとめとして示された「やり取りを教えるのでなく、やり取りで言葉を教える。」は、やり取りを通して言葉を使う、人と話すことを楽しむことを伝えたいこであることを伝えられ、午後の部を終えましました。   ワークショップにご参加いただたいた皆様の声(アンケート)※一部抜粋 ◯満足度について 午前、午後ともプログラムに概ね満足いただけたようです。 ◯今後に期待する内容 教科教育に関してを希望された方が多かったです。 ※理科 様々な実験をより簡素に安くできる教材教具について。 絶対数が少ないですが、ここ数年は「特別支援教育の充実」、「教育の情報化」、「教科教育の教材や授業」を順に実施しております。 今後の計画の参考にいたします。 ◯その他、自由記述 素晴らしい講座でした。中垣先生の素晴らしいお話と梅田先生の素晴らしい授業実演で今日寄せてもらえてよかったです。良い時間をありがとうございました。 実際にワークシート・ロイロ等も用意してくださり、分かりやすかったです。午後からも参加したかったです。また研修会があれば是非とも参加したいです。ありがとうございました。 貴重な実践を教えていただけて、とても勉強になりました。もっと英語を使って授業をしないといけないな、と反省しました。評価の基準なども教えてもらえたらいいな、と思いました。 ありがとうございました。楽しくなるための工夫をもっと頑張っていきたいと強く感じました。 教科の指導方法(活動内容など)たくさん教えていただき、ためになりました。2学期以降の授業で実践していきたいと思います。何より、計画の大切さを感じました。ありがとうございました。 音読がワンパターンになっているのが気になっていたので、いろんなやり方を教えていただいたので、早速2学期からやってみようと思いました。高校英語は科目が何種類にも分かれているのに似たようなオーラル系活動をしていることが多く、科目ごとの特色をどのように出していくか、今悩んでいます。   おわりに ご参加の先生方の自由記述からは、皆様が今後の授業改善に意欲を持って帰られたことが伺えます。本ワークショップの大きなの成果かと思います。 畿央大学現代教育研究所では、今後もワークショップを継続していきます。現職教員の皆様の充実した研修の場を提供できるよう努力いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。   【関連記事】 「学びを結ぶワークショップⅪ」開催報告 「学びを結ぶオンラインセミナー(2022年度)」開催報告 「学びを結ぶオンラインセミナー(2021年度)」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅦ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅥ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅤ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅣ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅢ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅡ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅠ」開催報告

2024.07.25

【森岡准教授が読売新聞に】8/17(土)夏の無料体験講座「ひらめき☆ときめきサイエンス」

    2024年7月25日(木)の読売新聞朝刊で、8月17日(土)に小学5・6年生と中学生を対象に開催される無料体験講座「研究はたのしい!戦時期の絵本をみんなで分析!歴史とジェンダー」(日本学術復興会「ひらめきときめきサイエンス」採択事業/科研費採択No. 24HT0156)を紹介していただきました。講座を担当する現代教育学科森岡伸枝准教授が取材を受けています。             本講座は、参加者のみなさんに学者に変身していただき、戦時期の絵本の実物に触れて、ジェンダーの問題を発見する講座となっています。 定員まで少し余裕がありますので、興味のある方は大学ホームページをご覧ください。     詳細・申込はコチラ   ※参加申し込みは2024年8月12日(月祝)まで延長になりました。         記事は、読売オンラインでもご覧いただけます。↓ https://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20240725-OYTNT50085/         【関連記事】 【小5・6/中学生対象】夏の無料体験講座(ひらめき☆ときめきサイエンス)を開催します。 6/21(金)ならコープとのコラボ企画「こども寺子屋」を開催しました! 6/2(日)テレビ大阪「発見‼︎“食”遺産」に健康栄養学科上地ゼミの学生が出演します! ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科

2024.07.11

8/7(水)「学びを結ぶワークショップⅫ」を開催します。~現代教育研究所

2024.07.01

6/21(金)ならコープとのコラボ企画「こども寺子屋」を開催しました!

2024年6月21日(金)畿央大学とならコープがこどもの居場所づくりに取り組むコラボ企画第4弾『こども寺子屋』がコープ真美ケ丘店で開催されました。5月17日(金)に引き続き今年度2回目の開催となります。   今回は、地元の小学生7名と畿央大学生9名が楽しく交流しました。初めの自己紹介ではお互いにやや緊張した面持ちでしたが、一緒に学習に取り組む中で次第に打ち解け、学習にも熱が入りました。学習後の「お楽しみ時間」には、絵を使った伝言ゲームで大いに盛り上がりました。畿央大生にとっても小学生のみなさんにとってもとても充実したよい体験となったと思います。     この企画は、「子どもの居場所づくり」と「保護者の負担軽減」を目的とした取り組みの一環として企画されました。近隣の皆さんにご好評いただき、次回は8月23日(金)15時30分から ならコープ 真美ケ丘店で開催予定です。   ▶次回開催についてのご案内はこちら   参加学生からの感想 ●「子どもとの接し方が分からず緊張したが、少しコツをつかむことができたので教育実習で役立てたい」   ●「子どもたちが打ち解けていくのが分かってうれしかった」   ●「接し方に迷ったが、今度はもっと積極的にいこうと思う」   このようなポジティブな感想が多く聞かれました。特に教員をめざす学生にとっては、学んだことを実践する貴重な場になりました。   地域連携センター       【関連記事】 【小学生対象】畿央大学×ならコープ「こども寺子屋」を8/23(金)に開催します。  ならコープとのコラボ「らくらくお料理パック」第1回試作会を開催!~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良 学生考案のメニューがならコープらくらくお料理パックに新登場!~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良        

2024.07.01

【小学生対象】畿央大学×ならコープ「こども寺子屋」を8/23(金)に開催します。

ならコープと畿央大学の学生が 「子どもの居場所づくり」に取り組みます     ならコープと畿央⼤学のコラボで、「こども寺子屋」を開催します!畿央大学の学⽣と一緒に宿題をしたり、レクリエーションをしたりしながら、楽しく交流できるチャンスです。ぜひご参加ください! 実施要項 受講対象 小学生 開催日 2024年8月23日(金) 15:30~18:00 会場 ならコープ真美ケ丘店 2階会議室(香芝市真美ケ丘1丁目14-5) 申込方法 申込フォームは準備中です。 参加費 無料 持ち物 宿題等の勉強できるものと筆記用具 問い合わせ先 ならコープ真美ケ丘店 ※申込フォーム内にてお問い合わせください。  

2024.06.30

【小5・6/中学生対象】夏の無料体験講座(ひらめき☆ときめきサイエンス)を開催します。

  みなさん、夏休みに私といっしょに絵本の研究をしませんか? みなさんは絵本のかくされた効果を知っていますか?小さい子どもは絵本を読むことで、実はたくさんのことを学んでいます。絵本によって、子どもは文字を覚えたり、感情を豊かにしたり、世の中のルールや価値観や文化を知ることができます。 このプログラムでは、絵本から昔の文化、なかでもジェンダー(男の子らしさ・女の子らしさ)を発見することを目的としています。授業や体験学習から昔の男の子、女の子の文化(ジェンダー)を発見したいと思います。また、保育所や学校の先生をめざす大学生と楽しく交流することもできます。皆さんと会えることをとても楽しみにしています。 実施要項 テーマ 戦時期の絵本をみんなで分析! ー歴史とジェンダー(男の子らしさ、女の子らしさ)ー 日時 2024年8月17日(土)13:20~16:25(受付13:00) 会場 畿央大学 P棟3階 P301講義室 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 ▶アクセス 講師 畿央大学 教育学部 現代教育学科 准教授 森岡 伸枝   対象 小学5・6年生と中学生 *参加者は、保護者の同意が必要 *小学生は、保護者同伴 定員 15名(参加無料) *応募多数の場合は、抽選となります。8月9日(金)までに登録いただいたメールアドレスに連絡します。 持ち物 筆記用具 申込方法・ 期間 8月12日(月)に申込受付を終了いたしました。 問い合わせ先 畿央大学教育推進部 ひらめき☆ときめきサイエンス係 E-mail: info@kio.ac.jp 備考 ※本プログラムは「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」(独立行政法人日本学術復興会)科研費24HT0156の助成を受け実施するものです。 ※申込みをした後で参加できなくなった場合は、必ず(info@kio.ac.jp)に連絡してください。無断キャンセルはしないでください。 ※ご提供いただいた個人情報は、本イベントでのみ使用いたします。   チラシPDF  

2024.06.17

教員・公立幼保採用試験に向けて、面接練習などが始まりました!

畿央大学では、教員・公立幼保採用試験を受ける学生を対象に、教育学部教員と教採・公務員対策室とが連携し、面接練習を行っています。 学生は、数多くの教員から面接の指導を受け、本番の面接試験で様々な質問に対して自信をもって受け答えができるよう日々頑張っています。 今後は、模擬授業対策や実技試験対策も並行して実施していきます。   兵庫県や奈良県の教員採用試験では集団討論の試験があるため、両自治体の志望者を対象に、集団討論の練習を行いました。 練習開始当初は個人面接や集団面接との違いに戸惑い、話が噛み合わないこともありましたが、練習回数を重ねることにより次第に討論内容が深まってきていました。   また、公立幼保採用試験を受ける学生が、実技対策として、製作した人形等を使った模擬保育の発表を行いました。 絵本の題材が同じでも、スケッチブックを使う学生もいれば、手袋を使った学生もいるなど、一人ひとりのアイデアや工夫がみられました。         採用試験を控えている学生の皆さん、体調に気をつけながら、引き続き頑張っていきましょう!教採・公務員対策室は皆さんを全力でサポートします!

2024.04.19

学生広報スタッフblog vol.251~オープンキャンパススタッフの活動を紹介!

こんにちは、理学療法学科3回生の呑原魅です。オープンキャンパススタッフのリーダーを務めているので、今日はオープンキャンパススタッフの活動について紹介します! オープンキャンパススタッフの一日 私たちリーダーは他のスタッフが集まる前に大学に来て、職員の方と当日の注意事項を確認しています。その後オープンキャンパススタッフ全体の打ち合わせをした後、各配置に分かれていきます。 受付で配布資料等を配ることもあれば、通路の誘導など様々です。スタッフのシフトは決まっていますが、リーダーとして受付状況など全体の状況を見つつ、人の配置変更など臨機応変に対応しています。     オープンキャンパスが始まると、各会場のプログラムに関わります。キャンパスツアーの誘導やフリートーク、次のプログラムの教室への誘導、体験授業などのサポートをしています。 中には学科ガイダンスなどでは前で先生からインタビューを受けることもあり、人前で話す経験を積むこともできます。     オープンキャンパスが終わったらスタッフ同士で一日の振り返りをしています。 リーダーとして意識しているのは、初めて来てくれる学生スタッフが不安に思いそうな時、場所、場面を予測し見て回ること、畿央大学に来てくださった参加者が困っていたら声をかけ、その場所に一緒に行くなどの対応をして、オープンキャンパスがスムーズに進むよう心がけています。 オープンキャンパススタッフの立場として許される範囲での「来場者ファースト」の精神でリーダーとして活動しています。   オープンキャンパススタッフの魅力 一番の魅力ははたくさんの方と交流できることだと思います。来場者の方とお話するなかで、受験に対しての悩み事などを一緒に悩みアドバイスしたり、行き先を迷う人に声をかけて少しでも安心してもらえたりすることで、手助けができるところです。   来場者だけでなく、オープンキャンパススタッフ同士で交流する機会もあるので、時間割などの相談できる先輩や同級生が増えることも良いなと思います。   ▲オープンキャンパス当日に、教採の勉強に来ていたオープンキャンパスリーダーの先輩です 最後に 私が高校生だったときオープンキャンパススタッフをしている先輩方が楽しそうにしていたので、自分も大学に入ったらしてみたいなと思って参加しました。オープンキャンパススタッフをしてたくさんの繋がりが持てたことが私の中で一番良かったことです。 他にも、来場者さんと話す機会があり、それをキッカケに「畿央いいところですね!受験しようかな!」と言ってもらえた時は、私の中でめちゃくちゃ嬉しい経験でした。 新入生の皆さんも一回でもいいので、是非スタッフ申込んでみてください!待ってます!!     理学療法学科 3回生 吞原 魁

2024.04.11

タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.4~学校での授業実践を通じて

現代教育学科 講師の岡田 良平先生が、2月16日から3月8日にかけて、タイ東北部に位置するコンケン県ムアン郡ドンハン区にあるドンデーン(Don Daeng)村にて農村部における教育についての調査や、コンケン大学でのインターナショナルワークショップなどに参加しました。ブログ第一弾ではドンデーン村の様子、第二弾ではコンケン大学でのワークショップ、第三弾では農村部の教育的課題について、そして最終回となる今回はドンデーン村の子供たちを対象に授業実践を行った様子をレポートします!   今回の調査では、ドンデーン村の学校にて、子どもたちにアンケート等の調査協力をしてもらいました。これは過去の調査と同じ質問をしてその変化を調べるものです。しかし、こうした調査が子どもたちにとっては決して面白いものではありません。調査の準備段階からこちらも「調査結果として面白く、子どもたちも楽しみながらできる授業にならないか」ということを考え続けてきました。そこで思いついたのが、「子どもたちの生活空間」を子どもたちが調べることでした。ヒントは、私が小学2年生の担任をしていた時に、子どもたちと実践した生活科の「まちたんけん」をベースにしました。   まちたんけんの学習では、子どもたちは自分の知っているお店や遊び場などをどの子も楽しそうに語って教えてくれます。そして、その場所での出来事を友達同士で思い出し、知らない子がいれば教えてあげています。単に場所がどこかだけでなく、何がおいしいとか、値段が安いとか、こういうトラブルに巻き込まれたとか、いわゆる社会認識もそこで培っていることがわかります。その姿がどの子たちも楽しくてたまらないのです。聞いている私が楽しくなってくるのです。私は「あの授業をドンデーン村バージョンでやってみよう」と思い立ちました。さあ、私の14年間の教員経験はタイの農村で通用するのでしょうか!?   ▼生活科「まちたんけん」の様子(2022年撮影)     ▼自主的な話し合い活動が授業をおもしろくする(2022年撮影)     実際の授業では子どもたちのつぶやきを引き出すために、子どもたちが行きそうな場所をあらかじめ聞き出し、その場所の写真を撮り、簡単な地図も作り、子どもたちが空間を認識し、共有できるように工夫するのですが、今回はそうもいきません。Google mapで集落の衛星写真を構成し、拡大印刷して大きな地図を作成して持っていくことにしました。ドンデーン村の学校での授業では、担当してくれたボー先生が児童・生徒に授業の流れを説明してくれます。学年ごとに色分けした丸シールに各自の出席番号を10個ずつ書きました。それを子どもたちに渡します。そして、拡大した地図を子どもたちの前に広げました。   もうその時点で「あっ!ここが学校だ」、「お寺だ」、「自分の家だ」と大盛り上がりです。つまり、空間認識を共有できたわけですね。「最近(1ヶ月くらい)、遊びにいったところにシールを貼りましょう」という指示を聞くと、子どもたちは、ああだこうだ言いながら的確に場所を特定してシールを貼って行きます。自分の順番が早く来ないかと待ち遠しい子、情報を交換して大笑いする子、下級生にやり方を教えてあげる子など、その様子は日本の子どもたちと全く変わりません。   ▼拡大印刷した地図に自分が最近行った場所をシールで貼ります     ▼みんなで頭を突き合わせて話し合う姿は日本もタイも同じです     どの子も授業参観で見せていた姿とは違い、携帯電話を触りませんでした。しっかりと授業準備と創意工夫を行い、明確な(わかりやすい)展開と的確な指示を出せば、子どもたちは「主体的で、対話的な」学習ができるのです。そして、子どもたちが貼るシールのひとつひとつに意味や理由がありました。いつも遊ぶ広場も複数あり、子どもたちの中では棲み分けがされていること、釣りの穴場や馴染みの店があること、ゲームで遊ぶためにはWi-fiのあるおうちに集まること、エアコンのあるおうちやお店に涼みに行っていることなど、子どもたちの行動にはそれなりの理由と世界観が見えてきたのです。まさに、それは村の子どもたちの空間と社会認識を示していました。   ▼中学生たちが小学生に教えてくれるので子どもたちもわかりやすい     私は今回の実践を通して、 ドンデーン村の子どもの生活空間や世界観が垣間見えたこと 日本での授業実践・研究授業が途上国でも受け入れられ、そこに子どもたちの主体的で対話的な深い学びに通じるものがあること 大きな地図をみんなで共有し、話し合い、何度もシールを貼ったり、貼り替えたりするアナログ的な授業であるからこそ異学年での学びが促進されたこと がわかりました。 私自身も教員の経験を発揮し、現地の先生方と共同で「授業」を通して子どもたちと一緒に研究成果が残せたことは意義深いのではないかと考えています。本当に素晴らしい体験になりました。   最後にドンデーン村の古い言い伝えの「ヘン・ナムカン、キン・ナムカン」という言葉をご紹介します。「ともに食べ、ともに働く」という意味です。非常に貧しい農村だったドンデーン村の村人たちはその言葉を昔からとても大切にしていました。最初の訪問から約20年を経て、再訪したドンデーン村。その地域をどのように捉え、地域と関わりながら、変化の渦中に身を投じてみてこそわかることがたくさんあります。時代を超えて、国を超えて、「ヘン・ナムカン、キン・ナムカン」の志は、私たちの生活や生き方にも問いかけているのではないでしょうか。   ▼授業後にみんなで記念撮影       現代教育学科 講師 岡田良平   【関連記事】 タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.3~タイ農村部の教育的課題 タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.2~コンケン大学でワークショップに参加! タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.1~22年ぶりの再訪!    

2024.04.10

タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.3~タイ農村部の教育的課題って?

現代教育学科 講師の岡田 良平先生が、2月16日から3月8日にかけて、タイ東北部に位置するコンケン県ムアン郡ドンハン区にあるドンデーン(Don Daeng)村にて農村部における教育についての調査や、コンケン大学でのインターナショナルワークショップなどに参加しました。ブログ第一弾ではドンデーン村の様子、第二弾ではコンケン大学でのワークショップ、そして今回はドンデーン村の学校を調査する中でわかった教育的課題についてです! ドンデーン村の学校では、幼稚園(3年)、小学校(6年)、中学校(3年)の9年の教育を受けることができます。さて、今回の調査で約20年ぶりに村の学校を調査し、授業の様子も含めてゆっくり見て回ることができました。今回はタイの農村社会の学校の様子をお伝えします。     まず、最初に子どもたちの笑顔と人懐っこさには心底、感動を覚えます。特にドンデーン村は60年の研究史のおかげもあって、日本人にとても好意的です。特に子どもたちは、「どこに行くの」、「日本語でこれは何ていうの」といつも聞いてきてくれますし、「給食を一緒に食べよう」と誘ってくれます。それは20年前に「オーカダー」と呼ばれ、炎天下の中、汗びっしょりになってサッカーを子どもたちとしていた頃と何も変わりません。   しかし、ドンデーン村の学校にも明らかに都市化の波は押し寄せています。自慢だった美しい木造校舎は取り壊され、コンクリート校舎になっていました。当時、薄暗いだけで黒板と机しかなかった教室には、モニターがありwi-fiも通っています。各先生には1人一台のパソコンとプリンターが配備されています。ランチタイムに金銭的な余裕がなく、欠食する子や家に食べに帰る子もなくなり、全員が給食を美味しそうに食べていました。   ▼伝統的な建築様式のドンデーン村小学校木造校舎(1981年撮影)     ▼1981年のドンデーン村の子どもたち(1981年撮影)     ▼アンケート調査に回答する児童(1983年撮影)     ▼授業の様子(2004年撮影)     ▼美しい伝統的なタイの木造校舎(2004年撮影)     ▼当時の給食は全校児童に行き渡っていませんでした(2004年撮影)     ▼ドンデーン村の学校の新築校舎     ▼現在の給食の様子       そうした学校施設のハードやインフラ面は目に見えて変化していました。しかし、20年前には無かった光景もありました。それはソフト面、いわゆる教育の質的な面です。中学生はみんな授業中にスマホを触っています。しかも、平気でゲームをし、音楽を聴き、動画を見ています。それを先生が注意することもありません。何度もそのような光景を目にし、それは「荒れている」というよりも日常の風景なのでしょう。なぜなら、私がカメラを向けるとスマホを隠し、授業に集中したフリをします。「悪いこと」とはわかっているようです。   小学校の教室では子どもがスマホを触っている率は減りますが、それ以上に気になることに気づきました。ほとんどの先生が黒板を書いていないことです。滞在時に複数回、小中学校ともに授業見学に行きましたが、黒板が数日間そのままのものもあれば、書いた形跡がないものもあります。授業参観をしていて、気づいたことは教科書を読むだけ、教科書にあるワークをしているだけという場面がほとんどだったということです。それは、14年間、小学校と中学校で教員をしてきた私にとって、経験値からくる「授業として成立していない」という事実とタイの農村社会の課題を最も突きつけられた瞬間でした。   ▼スマホで遊びながら授業を受ける子ども     ▼授業として成立していない状況が散見される     ▼モニターの問題を読むだけの授業になっている     ▼机の上にはスマホがあり、授業とは関係ない利用が目立つ     そして、その光景そのものがドンデーン村の学校の最大の課題でもありました。村の世帯数が増加し、家屋数も大幅に上昇しているのに、児童生徒数が極端に少ないことが明らかになりました。20年前の3分の1にまで減っています。タイでは日本のように学区外への進学に規制を設けていないため、教育にお金をかけられる家庭や村の学校の状況に危機感を感じる家庭は、コンケン市内の学校へ進学しているのです。コンケン市の都市化が拡大し、都市近郊農村に変貌したドンデーン村では、都市部へのアクセスの良さが仇となり、村人からさえも「選ばれない学校」へと舵を切っています。ドンデーン村の学校は「高学歴」「質の高い教育」という「都市化」の最前線に晒され、無惨にもその選択肢から除外されつつあるのです。   20年前、村のごく一部の裕福な家庭だけが、コンケン市内の学校に通っていました。しかし、現在では、学校側は校区内に住む就学年齢の子どもがいったい何人、村の学校に通っていないのかさえ把握できていない状況にあります。それほどまでに、「村の学校への進学拒否が一般化」していると言えるでしょう。20年前、私は都市化によって都市部への進学はより強まるだろうと予測しました。それは教育の質そのものがボトムアップされることを前提とした予測でした。しかし、実際には教育の質が二極化され、進学先も都市部と村とに二極化するという結果をもたらしていました。   60年前、水野浩一博士(元・京都大学東南アジア研究所 教授)が東北タイの貧村として紹介したドンデーン村は、経済的な豊かさと都市化の波の中で全く違う姿を見せ、子どもたちを翻弄していると言えるでしょう。   現代教育学科 講師 岡田良平   【関連記事】 タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.2~コンケン大学でワークショップに参加! タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.1~22年ぶりの再訪!  

1 9 10 11 12 13 114