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健康科学専攻(修士課程)の新着情報一覧

2014年の健康科学専攻(修士課程)の新着情報一覧

2014.06.24

運動器リハビリテーションセミナー(基礎編)を開催しました!

2014年6月22(日)、『運動器リハビリテーションセミナー2014』基礎編を開催いたしました。       このセミナーは2012年度から始まり、今年で3年目になります。セミナーは基礎・応用・臨床・実践の4編構成になっており、リハビリテーション専門職種に対して運動器を基礎から最新の知見までを系統立てて学べるようになっていますが、今年度からは臨床編を「下肢」、実践編を「歩行」に重点をおき、更に専門的な学びをめざしています。 当日はあいにくの雨模様でしたが、熱心に聴講されていました。近畿圏を中心に全国から参加いただいた約45名のほとんどは20~30代の理学療法士で、若い世代のモチベーションの高さを実感し、そのパワーを分けてもらったように思います。運動器リハビリテーションセミナーは、リカレント教育として畿央大学理学療法学科卒業生の受講者が多いのが特徴ですが、今回は5月末に完成したばかりの新校舎P棟P203教室を利用して行われ、卒業生にとっても新しい校舎で最新の知見を学ぶ良い機会になったようです。   1限目は峯松亮先生が「骨の知識」について、運動器リハビリテーションの基礎となる解剖学を中心に話されました。       2限目は今北英高先生による「筋の知識」について、先生自身が昨年取り組んでこられたアメリカでの在外研究での研究結果なども交え、最新の知見を学びました。     3限目は瓜谷大輔先生が「関節の知識」について、靭帯のバイオメカニクス的特性や骨密度などを関連付けて分かりやすく講演されました。       4限目は福本貴彦先生から「バイオメカニクスの知識」について力学的な観点からのリハビリについてお話されました。     受講者アンケートでは、運動器の基礎を再度復習でき最新知見が取得できた、体幹について学びたいなどのご要望をいただきました。運動器リハビリテーションセミナーは、それぞれの分野のスペシャリストが全力で講演しておられます。講師陣も若い人たちに負けないように引き続き切磋琢磨し、「畿央大学運動器リハビリテーションセミナー」をより発展させていきたいと考えております。引き続き、応用編(8月)、臨床編:下肢(10月)、実践編:歩行(2015年2月)と続きます。現在も、継続して受付しています。ご来場をお待ちしております。    

2014.06.18

平成26年度 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(基礎編)を開催しました。

平成26年6月14日(土)、15日(日)に「平成26年度  畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(基礎編)」を開催いたしました。   今年度のスタートとなる「基礎編」は、明日からの臨床現場ですぐに使えるような情報というわけではなく、その名の通り「基礎」に重点を置き、脳の構造と機能に関する情報をメインとしたセミナーです。 日本全国から約300名(うち卒業生約20名)の皆さんにご来場いただきました。 「基礎編」は、講師陣がリハビリテーションに必要な情報を選択した内容となっていましたので、今回の「基礎編」を理解することによって、「応用編」や「臨床編」で紹介される内容の理解により一層の深みが出てくると思います。 脳の構造と機能は非常に複雑なこともあり、やや情報過多となってしまったかもしれません。 そのため、セミナーで配布する資料には引用元が記載されており、必要な時に詳細を調べたりすることができるよう作成されています。 その結果セミナー後も、それぞれの臨床場面にフィッティングする情報を利用していくことができるというわけです。       また、初日のセミナー終了後には、学生食堂(新館)にて、約70名が集い、懇親会を行いました。   今年度のニューロリハビリテーションセミナーは、まだ始まったばかりです。 これに続く「応用編」「臨床編」「研究編」も良い情報を提供したいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 特任助教 大住倫弘

2014.06.11

本学大学院生が日本理学療法学術大会で優秀賞を受賞しました!

2014年5月30日~6月1日に、パシフィコ横浜にて「第49回日本理学療法学術大会」が行われました。   基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法と分野が多岐にわたり、演題数は1500程度あります。今学会は、日本における理学療法士の学会で1番大きな学術大会です。   その中、「第48回日本理学療法学術大会(昨年度の学術大会での発表に対して)の表彰式」が行われました。 畿央大学から、冷水誠理学療法学科准教授、私(今井亮太)が優秀賞を授与しました。     このような名誉ある賞を受賞でき、本当に心から嬉しく思います。受賞の連絡を頂いたときは、喜びよりも驚きの方が大きかったことを覚えています。私は臨床4年目、また修士課程2年目であり研究歴は非常に短いです。こんな自分が優秀賞を受賞して大丈夫であろうかと、心配になり不安にもなっています。しかし、これに恥じぬように精進していくしかないと思っています。 本学の神経リハビリテーション学研究室では、多岐にわたる分野で研究がされています。そのため、予演会などでは、様々な視点から活発な意見交換が行われます。また本研究室では、他人の研究でも自分の研究のように考えています。このような背景が、優秀賞に導いてくれたと思っています。   理学療法学科の冷水准教授は、基礎理学療法部門での受賞であり、演題名は「立位バランス学習における自己運動観察によるフィードバック効果の検証」です。これは、効果的な運動学習をもたらす視覚フィードバックを用い、自分の運動を観察させるビデオフィードバック学習と、他者の運動を観察することで運動学習効果がある観察学習との学習効果の違いに関して、脳活動を含めて明らかにされています。結果、バランス学習において他者観察による観察学習効果ではなく、自己観察によるフィードバックによって有意な学習効果が認められました。これは、自己観察により自己の運動感覚情報との誤差を視覚的に明確に認識することができ、次の試行に対して修正した新たな自己運動イメージを形成することができたことによるものと考えられます。これを裏付けるように、課題試行時の脳活動では、他者観察群が運動イメージに関連した領域の広範な活性化を認めたのに対し、自己観察群ではこれらの限局した領域の活性化が認められていました。理学療法の意義として、健常成人を対象としたバランス学習において、簡便なビデオを用いた自己観察学習が有効である可能性を身体パフォーマンスおよび脳活動レベルにおいて見いだすことができましたので、今後、症例研究を進めることにより、臨床上有用なバランス学習における介入手段への発展に繋がると考えられます。   私は物理療法部門での受賞であり、演題名は「撓骨遠位端骨折術後に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果」です。これは、術後患者に対し、あたかも自分の手が動いているかのような錯覚を惹起させることで、痛みや不安などの心理面、関節可動域の改善が得られるかどうか検証しています。結果、運動錯覚を生じさせない群よりも運動錯覚を生じさせた群の方が1週間後の痛み、心理面、関節可動域に有意な改善が見られました。また1ヵ月、2ヵ月後まで評価しており、そこでも有意な改善が認められました。手術後翌日より、運動に対する痛み経験や不安を持つ患者に対して、腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで、運動に対する不安や恐怖感を改善させることにより、痛みや関節可動域の改善につながることを確認しました。理学療法の意義として、疼痛理学療法においては、対象の不動期間、痛み経験、破局的思考、不安を考慮することが重要になります。腱振動刺激は痛みの知覚をさせることなく、運動錯覚を惹起させることが可能であり、術後翌日といった早期介入が可能な有効な手段であります。急性疼痛の軽減だけでなく、痛みの慢性化の発生を防ぐことができる可能性があることを臨床研究で示しました。     最後に、研究を最後までご指導し、優秀賞に導いて下さいました森岡周教授をはじめ、本学の神経リハビリテーション学研究室の皆様に深くお礼を申し上げます。ちなみに、森岡教授は発表前から「この演題であれば絶対優秀賞を獲得できる」と言われていました。今後も森岡教授のご指導のもと、少しでも社会に貢献できるように研究室の皆様と切磋琢磨し、取り組んでいきます。 畿央大学 大学院健康科学研究科 修士課程2年 今井 亮太(畿央大学理学療法学科卒業生)   【関連記事】 本学ニューロリハ研究センターのメンバーが、日本理学療法学術大会で25演題について発表!

2014.06.09

本学ニューロリハ研究センターのメンバーが、日本理学療法学術大会で25演題について発表!

2014年(平成26年)5月30日~6月1日にかけて、神奈川県のパシフィコ横浜にて第49回日本理学療法学術大会が開催され、森岡教授を中心とした畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター(以下、研究センター)の多くのメンバーが参加・発表を行いました。 本学会は、日本理学療法士協会が主催する理学療法に関する最も大きな学術大会であり、ニューロリハビリテーションのみならず、理学療法に関する多種多様な分野の学術的発表が行われます。   研究センターからは学部卒業生から院生、修了生そして教員までと非常に多くの者が演題発表を行い、関連演題も合わせると25演題にもおよぶ新たな知見を世に示すことができました。 なかでも、優秀な演題のみが選ばれる「セレクション発表」といわれるものがあり、これには林田(学部卒業生)・辻本(修士課程修了生・現生理学研究所)・今井(修士課程)・片山(修士課程)・大住(博士課程)の5演題が選ばれ、理学療法の更なる発展に向けた活発な意見交換を行いました。   また、大会での発表後は研究センターがより円滑に機能し、前向きな研究活動を行うために、総勢30名での懇親会も開催されました。 研究センターの特徴の1つとして、各々の地位や立場に関係なく非常に仲が良いという点が挙げられます。そのため、真面目な研究に関する話以外にも、お酒の場ならではの、くだけた話でも皆で共に盛り上がることができ、研究センター内の絆を更に強めることが出来ました。     また、この場には、研究センターと共同で研究を進めている、国立障害者リハビリテーションセンター研究所の河島則天氏も参加してくださいました。 ここでは、研究センター内だけでの研究に留まらず、広く対外的に繋がりをもつことで、更に社会的意義のある研究へと発展させることのできる、前向きな場を得ることができました。   このように学会においては演題発表のみならず、他の研究機関や領域の研究者との交流も非常に重要な参加目的であります。 今回も多くのメンバーが自身の発表や意見交換を通じて、新たな問題意識や仮説を共有することによって、対外的な繋がりを新たに作ることができ、多くの研究機関とのコラボレーションに向けた大きな一歩を得ることができました。 このような対外的に新たな可能性を見出せるのは、研究センターの全員が単に研究実績のためだけでなく、真に臨床や社会に対して還元できる研究成果を見出したいという、強い未来志向的な意志があるためではないでしょうか。 その結果、領域や所属の垣根を超えて、前向きなコラボレーションを実現させていくのではないかと、私自身、身を以て実感することができた学会でありました。 そして、このような環境に身を置くことができる、本学大学院の環境の良さに関しても改めて実感することができ、今後の研究活動への意欲をより一層高めることができました。   最後に、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターは、未来志向的な意思のもと、センター内のみに留まらず、広く対外的な繋がりを形成し、真に臨床や社会に還元できる研究成果を公表できるよう、今後も更なる研究活動に励んでまいりたいと思います。      畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程2年 石垣 智也

2014.06.06

本学大学院生の論文が「Behavioural Brain Research」に受理されました。

現在、畿央大学神経リハビリテーション学研究室(大学院:森岡研究室)に在籍しております、博士後期課程の大松です。   先月、私がまとめた論文、“Activation of the serotonergic system by pedaling exercise changes anteior cingulate cortex activity and improves negative emotion.”が“Behavioural Brain Research (IF: 3.327)” に受理されました。   この研究は、私が修士課程の時に行った実験を論文にまとめたものです。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=ohmatsu+s     本研究は、運動の日課がある人に対し中等度のペダリング運動を行うことで、緊張・不安といった不快情動の軽減、活力といった快情動の増強といった情動面に対する効果に関して、主観的な情動面の変化、尿中セロトニン生成量、EEGの測定(前頭葉非対称性、sLORETA解析によるhight-alpha波帯域での前帯状回の活動減少)から検証しました。 今回の結果から、ペダリングといった周期的運動により5-HT神経が活性化され、その結果ACCの活動が低下し、情動の変化をもたらすのではないかと示唆されました。今後、森岡研究室では運動による下降性疼痛抑制のメカニズムの解明につなげて発展させていく予定です。   この論文が受理されたBehavioural Brain Researchは、行動神経科学の分野における国際的かつ複数の学問から構成される学際的な学術雑誌で,IF3点代と比較的影響度の高いものとなっています。自分の研究が,世界の方々の目に触れることに感動すると同時に、さらなる研究に励んでいきたいと身の引き締まる思いです。修士課程入学当時は、全く研究をしたこともなく、漠然と臨床現場で疑問に思うことを少しでも明らかに出来たら嬉しいという思いでした。当時思い描いていた研究の内容とは少し形が変わりましたが、周囲のサポートにより徐々に形になっていきました。研究について全くの素人だった私が、国際雑誌に自分の論文が掲載されたのは、教授の指導や授業による知識はもちろん、異なる専門性や知識を持った研究室のメンバーと多くのディスカッションを行っていく中で、より良いものに作り上げていけたからだと強く感じます。     最後に、この研究や論文作成の全過程で指導して下さった森岡周教授をはじめとする、本学の神経リハビリテーション学研究室のメンバー、また尿中セロトニンに関して助言や指導して頂きました坂田進教授、西井康惠助手に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、今後も研究室のメンバーとリハビリテーションの専門家として互いに切磋琢磨し、少しでも社会に貢献できるような研究を行えるよう前進していきたいと思います。 畿央大学大学院 健康科学研究科博士後期課程 大松 聡子

2014.06.04

新校舎(P棟新築・R棟増築)が完成しました。

平成25年8月に着工したP棟新築工事及びR棟増築工事が約8.5ヶ月の工事を無事に終えて完成しました。 平成26年5月29日(木)吉日大安には、冬木智子理事長はじめ冬木学園役員及び関係者、清水後援会会長、株式会社日建設計関係者(基本設計・工事監理業務請負会社)、株式会社大林組関係者(実施設計・施工請負会社)の立会いの下、竣工式が執り行われ、これからの畿央大学の発展が祈念されました。     P棟は地上3階建て鉄筋コンクリートと鉄骨の複合構造の建物となっており、2階と3階でC棟に接続されています。1階は理学療法実習室、運動機能実習室、ニューロリハビリテーション研究センターがあります。運動療法実習室と運動機能実習室は実習や研究活動、学生の自己学習の場としての活用に加え、元気塾等の取り組みにおいても活用されます。 ニューロリハビリテーション研究センターは、ガラス張りの個人研究室にオープンラボが併設され、大学院生や研究員、外部からこられる研究者等が交流できるスペースとなっています。さらに、脳波計やfNIRSやtDCSなどの脳神経科学に関する研究機器が配備されるシールドルームや測定室が設置されており、オープンラボとあわせて高いレベルでの研究活動が期待されます。 2階には210人収容の大講義室が1室、120人収容の講義室が2室、50人収容の講義室が1室配置されました。なお、講義室には集中管理をすることで操作方法が簡単便利になった視聴覚機器が設置され、より教育効果が期待できる環境となります。 3階には3面ガラス張りでタブレットPCを完備したアクティブラーニングルームと壁面一体がホワイトボードとなっているゼミ室5室を配置。ディスカッションやプレゼンテーションでの使用、参加型学習、体験型学習といった受身ではない能動的な取り組みを促す新たな学習環境が整備されました。また、その他には個人研究室と院生研究室、講義室が配置されています。     R棟は地上3階建の鉄筋コンクリート造となっており、2階部分でC棟とL棟と接続されています。 1階には木目調の床とテーブルに、赤・白・黒の椅子が色鮮やかに配置された新たな食堂ができました。既存の食堂は定食や丼ぶり、麺類主体で限られたメニューしかありませんでしたが、新たな食堂は好きなものを選択できるカフェテリア方式の提供となっており、自分なりのランチが楽しめます。なお、照明は全てセンサー方式で省エネにも配慮しています。 2階には講義室と学生の福利厚生施設である畿友会室、クラブボックスが配置されました。 3階は人間環境デザイン学科の教員が入居する個人研究室とデザイン実習室、デザインゼミ室が配置されています。教員と学生の居室が近いことは、よりきめ細やかな対応や指導が行われ、密接な関係の構築に結びつくことが期待できます。     開学当初はC棟とL棟からはじまった校舎建築もD棟、E棟、K棟の建築を経て今回で5期目の校舎建築となりました。着実に前進してきたキャンパス整備も一段落となります。貴重な学生生活を送る学び舎として大切にし、またこの学び舎からすぐれた教育や研究の成果を社会に送り出していきたいと考えています。   ▲クリックで、キャンパスマップに移動します。

2014.04.19

平成26年度畿央大学ニューロリハビリテーションフォーラムを開催しました。

2014.04.08

平成26年度 畿央大学ニューロリハビリテーションフォーラムについて

平成26年4月13日(日)に平成26年度畿央大学ニューロリハビリテーションフォーラムを開催いたします。   このフォーラムは、症例が呈する実際の症状について、それを神経科学に基づきどのように捉え、そしてどのようにクリニカルリーズニングしていくか、ニューロリハビリテーションセミナーの講師陣と臨床現場で活躍しているセラピストと議論しながら模索していくという初の試みです。   ▼プログラム(画像クリックで拡大表示)     プログラムは畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの各部門である高次脳機能学部門、発達神経科学部門、社会神経科学部門、身体運動制御学部門にそれぞれ関連する内容から構成されます。   なお、本フォーラムの対象者は、これまでのニューロリハビリテーションセミナーの基礎編、応用編、臨床編、研究編(旧・実践編)のいずれかを受講していただいた方となります。   ※申込受付は平成26年2月に終了しておりますので、ご了承下さい。   【問い合わせ先】 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター事務局(畿央大学 総務部) TEL 0745-54-1602   E-MAIL soumu@kio.ac.jp

2014.04.03

客員研究員によるオーストラリア研究留学レポート!

今回、私は2013年9月から2014年3月までの7ヶ月間、オーストラリアのQueensland州にあるThe University of QueenslandのQueensland Brain Instituteにて研究留学を行ってきました。 私が所属したラボは認知神経科学研究室であり、ここではfMRIやEEG、TMSなどの脳機能計測機器を用いて主に運動と知覚に関する研究を行っていました。 私はここで運動学習に関する研究について実験プログラムの作成からプレ実験までを行い、非常に有意義な経験をすることができました。 ▼University of Queenland オーストラリアでの留学経験の全てをお伝えすることは難しいため、特に印象に残った点についてのみ紹介させていただきます。 オーストラリアで最も印象に残ったことは、人と人との相互作用、コミュニケーションの重要性についてです。オーストラリアには留学や仕事のために全世界から大勢の方が来られていました。大学内や公共交通機関であるバスや電車の中などでは、英語以外の言語が数多く飛び交っていました。そのような異なる国の方々と国籍や年齢、身分なども関係なく、英語をツールとしてコミュニケーションを図ることができたことは何よりも貴重な経験となりました。単なる情報の伝達のみをコミュニケーションと呼ぶのではなく、意思の疎通、心や気持ちの通い合い、そしてお互いに理解し合うことが本当のコミュニケーションであることを実感することができました。 また、Queensland Brain Instituteでは毎日朝10時にinteraction spaceでブレイクタイムがあり、そこでは様々なラボの研究員や院生がクッキーとコーヒーを片手に研究の話から雑談までざっくばらんに話をしていました。さらに、研究者のデスクは1階から7階まで、各階で1つの大きな空間を複数のラボが共有しており、異なるラボの研究者がお互いに気軽に話をすることができる環境が提供されていました。このように時間的・空間的に、いつでもどこでも人と人とが相互作用できる環境が新しい物事を創発するきっかけになることを感じました。 ▼Queenland Brain Instituieのデスク ▼QBI Level7からの眺め 畿央大学には留学経験がある先生方が数多くおられます。もし留学に少しでも興味がある方がおられましたら、先生方にお話しを伺いながらぜひともチャレンジしてみてください。準備から現地の生活まで困難なことが数多く待っていると思いますが、それらの困難は人を大きく成長させてくれますし、それらの困難を乗り越えることによって新たな自分に出会うことができると思います。 最後に、今回の研究留学を受け入れてくださったRoss Cunnington准教授、そして留学先での研究をサポートしてくれたラボのメンバー、今回の留学に関して様々なご助言をいただいた金子章道教授、森岡周教授に深謝致します。ありがとうございました。今回の留学経験を生かし、広く社会に貢献できる人間に成長できるように今後も精進していきたいと思います。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 中野 英樹

2014.03.19

第22回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!

理学療法学科4期生の松波です。 平成26年3月9日(日)に理学療法学科卒業生による勉強会、第22回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。 今回のテーマは6期生の上田くんによる「脳卒中麻痺側上肢介入」と 4期生の佐藤くんによる「上肢への介入、ボトックス使用症例の発表」の2題でした。 上田くんの発表は、昨年の11月に発表してくれた内容に更に情報を追加し、より濃い内容となっていました。 上肢へのアプローチは、まだエビデンスが少なく、有効な治療手段が確立されていないのが現状です。 今回の発表では、物理療法の有用性や、運動療法との併用による効果を海外のデータも含め、発表してくれました。 私も含め、上肢へのアプローチは悩んでいるセラピストが多いのではないかと思います。 今後も、また情報を集めてくれるそうなので、第三弾・第四弾が楽しみです! 佐藤くんによる 発表は、開始時からパソコンの充電が残り少ないというアクシデントに見舞われましたが、そのおかげでテンポの良い発表になったのではないかと思います(笑) ボトックス注射は、保険が適用されるようになり、以前よりは手の届きやすい治療手段となりましたが、まだまだ患者様の負担・効果の持続性などに問題が残る治療法ではないかと思います。 しかし、今回発表してくれた方の結果を通し、ボトックスの効果をリハビリでいかに持続させるか、動作指導や自主トレなどをどう行うかといった議論ができました。 今回は、開催日の変更や、年度末ということもあり、少人数での会となりましたが、そのおかげでたくさんの議論をすることができました。 4月からは、KSMも発表の仕方を一新し、一 つの疾患をより深く理解するために、半年スパンで2つのテーマ・疾患を決め、半年かけて各テーマについて発表していくこととなりました。 これからもKSMは進化し続けますので、4月からのNEO KSMも乞うご期待! 【前回までの記事】 第21回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第20回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第19回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!