2026年の健康科学専攻(博士後期課程)の新着情報一覧
2026.05.22
痛みの性質からみた脳卒中後疼痛のメカニズム~ニューロリハビリテーション研究センター
脳卒中を発症した患者の約40%以上は、運動麻痺だけでなく「痛み」に苦しむことがあります。これは「脳卒中後疼痛」と呼ばれる症状であり、日常生活やリハビリテーションの進行に大きな不利益をもたらします。畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程 浦上慎司氏と大住倫弘教授ら は、患者が日常的に表現する痛みの性質(「しびれるような」「うずくような」など)の背景にある脳内の損傷部位や神経ネットワークの断絶パターンが異なることを特定し、それによってリハビリテーションによる回復の予後を推定できることを明らかにしました。この研究成果はEuropean Journal of Pain誌(Lesion and Disconnection Profiles of Pain Quality Subtypes After Stroke: Implications for Prognosis and Rehabilitation)に掲載されています。 本研究のポイント 痛みの性質に基づいたクラスター解析と脳画像解析を実施した 脳卒中後疼痛患者を痛みの性質(しびれ、冷刺激誘発痛、深部痛、圧痛)に基づき4つのグループに分類し、それぞれのグループの責任病巣と神経ネットワークの断絶(Disconnection)を解析しました。その結果、「しびれ・冷刺激痛」タイプは感覚系である上視床放線の断絶と関連し、「圧痛」タイプは運動系である皮質脊髄路の断絶と関連していることが特定されました。 損傷している神経ネットワークによってリハビリ予後が異なることを明らかにした 12週間にわたるリハビリテーション経過を追跡した結果、皮質脊髄路(運動系)の障害に関連する「圧痛」などのグループは改善しやすい一方、上視床放線(感覚系)の断絶を背景に持つ「しびれ」が強いグループは、従来の運動療法では痛みが軽減しにくい難治性の予後を辿ることが判明しました。 研究概要 脳卒中後疼痛は、脳卒中を発症した患者の約40%以上が経験するとされる痛みであり、その症状は、服が触れるだけで痛む感覚過敏から、うずくような痛み、しびれまで多岐にわたります。脳卒中後疼痛は患者の日常生活やリハビリテーション過程に大きな影響を及ぼしますが、その病態メカニズムは複雑であり、どのような患者で痛みが改善しやすいのかという「リハビリ予後」を正確に予測することは困難とされてきました。これまでの研究では,痛みの性質が病態を反映している可能性が示唆されていましたが、それが脳内のどの部位の損傷やネットワークの断絶と関連しているのか、具体的な根拠は十分に示されていませんでした。 そこで、畿央大学健康科学研究科博士後期課程の浦上慎司氏と大住倫弘教授らは、脳卒中後疼痛を有する患者を対象に、痛みの性質に基づく分類と脳画像解析、そしてリハビリテーション経過の縦断的調査を行いました。その結果、患者は「冷刺激誘発痛・しびれ(CL1)」,「深部痛(CL2)」,「しびれ(CL3)」,「圧痛(CL4)」という4つの特徴的なクラスターに分類されることが明らかになりました。さらに、脳画像解析(Lesion/Disconnection Mapping)を用いた検証により、しびれや冷刺激痛を主とするグループ(CL1・CL3)は、視床と皮質を結ぶ「上視床放線」という感覚ネットワークの断絶と強く関連している一方、圧痛などを主とするグループ(CL2・CL4)は、運動機能を司る「皮質脊髄路」の断絶と関連していることが特定されました。 研究内容 脳卒中後疼痛には、冷たさに反応する痛み、しびれ、圧痛など、多様な痛みの性質が含まれます。本研究では、これらの痛みの性質が脳内のどのような損傷部位やネットワーク断絶に関連しているのか、そしてリハビリテーションによる痛みの予後にどう影響するのかを検討するため、脳卒中後疼痛患者114名を対象に、クラスター解析と脳画像解析(Lesion/Disconnection Mapping)を用いた検証を行いました。 まず、痛みの性質に基づいて患者を分類した結果、①冷刺激誘発痛・しびれ(CL1)、②深部痛(CL2)、③しびれ(CL3)、④圧痛(CL4)の4つのクラスターが特定されました。 次に、各クラスターの責任病巣と白質線維の断絶を検討しました。その結果,感覚過敏やしびれを主徴とするCL1およびCL3は、視床、被殻、後部島皮質といった感覚処理領域の損傷、および上視床放線の断絶と強い関連を示しました(図1)。一方で、深部痛、圧痛を主徴とするCL2およびCL4は、前頭葉の運動関連領域の損傷、および皮質脊髄路の断絶と関連していることが明らかになりました(図1)。 図1:痛みの性質からみた脳卒中後疼痛のサブタイプ分類ごとの脳画像解析 脳卒中後疼痛患者を痛みの性質(冷刺激誘発痛,しびれ,深部痛,圧痛)に基づき4つのグループに分類し、脳損傷部位を解析しました。その結果、「冷刺激誘発痛・しびれ」タイプは感覚系である上視床放線の断絶と関連し、「圧痛」タイプは運動系である皮質脊髄路の断絶と関連していることが特定されました。 さらに、12週間にわたるリハビリテーション経過を追跡したところ、運動ネットワークの障害に関連するグループ(CL2・CL4)では痛みの軽減が認められたのに対し、視床ネットワークの断絶を背景に持つ「しびれ」が強いグループ(CL3)では、統計的に有意な痛みの改善が見られず、難治性である傾向が示されました。研究グループは、この結果について、患者が訴える「痛みの性質」が単なる自覚症状にとどまらず、脳内の特定の感覚・運動ネットワークの損傷状態を反映していると考察しています。特に、上視床放線の断絶を伴うしびれタイプは、従来の運動療法では効果が得られにくい予後不良の指標となる可能性があり、早期から非侵襲的脳刺激法や薬物療法を組み合わせた、病態メカニズムに基づく個別化リハビリテーション戦略の必要性を提唱しています。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、脳卒中後の痛みという目に見えない主観的な症状に対し、患者が発する言葉を詳細に評価することの重要性を示しただけでなく、その背後にある脳ネットワークの損傷状態やリハビリテーション予後までもが予測可能であることを明らかにしました。今後は、痛みの表現型に応じた個別化リハビリテーションの有効性について検証していきます。 論文情報 Uragami S, Igawa Y, Takamura Y, Iki S, Morioka S, Osumi M. Lesion and Disconnection Profiles of Pain Quality Subtypes After Stroke: Implications for Prognosis and Rehabilitation. Eur J Pain. 2026 May;30(5):e70276. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授 大住倫弘 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp
2026.05.08
活躍する大学院修了生vol.10~松田 総一郎さん(国立長寿医療研究センター 研究所勤務/健康科学研究科博士後期課程修了)
働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました! 松田 総一郎さん(健康科学研究科 博士後期課程 2024年3月修了) 現在のお仕事・研究を教えてください! 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 予防老年学研究部の特任研究員として、臨床研究に従事しています。 これまでのキャリアを教えてください! 履正社医療スポーツ専門学校を卒業後、摂南総合病院に勤務しながら修士課程へ進学し、博士課程3年目に現職へ就きました。現在は、地域在住高齢者を対象としたコホート研究をはじめ、さまざまな研究プロジェクトに携わっています。 これまで取り組んできた研究、また今関心のある研究テーマ・キーワードは? 主に高齢者の慢性疼痛に関する研究を進めてきました。高齢者にとって痛みは身近な症状の一つですが、痛みのメカニズムや、痛みが健康状態の悪化に及ぼす影響については、まだ不明な点が多く残されています。そのため最近は、痛みが健康状態の悪化に及ぼす影響を明らかにするとともに、痛みを予防する方法や、たとえ痛みがあっても健康状態が悪化しにくくなる要因について研究しています。 研究キーワードは、「老年学」、「神経科学」、「認知科学」、「慢性疼痛」です。 大学院に進学したきっかけや目的は? 摂南総合病院で理学療法士として勤務していた際に、指導教員の大住先生と出会いました。当時、痛みに悩む患者様や、脳卒中後に原因不明の痛みを抱える方を担当する中で、「痛みに困る人を少しでも減らしたい」「自分の知識と経験を生かしたい」という思いが強くなりました。そこで、痛みの研究に取り組まれていた大住先生のもとで学びたいと考え、大学院進学を決めました。 大学院での時間を一言でいうと? 今の自分を形づくる土台を築いた時間だったと思います。大学院での学びは研究だけにとどまらず、仕事を進める上で必要となる、さまざまな力を養う機会にもなりました。 また、大学院では学術的に物事を捉え、問いを立て、根拠をもって考える姿勢を身につける時間になります。こうした学びは決して簡単なものではありませんが、その分、自分の理解が深まっていくことに大きな充実感がありました。新しい知見に触れたり、自分なりに考えたことが少しずつ形になったりする経験は、大学院ならではの魅力だったと感じています。 特に畿央大学大学院は、指導教員との距離が近く、相談や指導を受けやすい環境が整っています。また、意欲の高い方が多く、互いに刺激を受けながら研究に取り組める点も大きな魅力だと感じています。 今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 現在の職場では、研究だけでなく企業との連携も多い立場で仕事をしています。 研究を進めるうえでは、最終的な成果報告を見据え、綿密に計画を立てて着実に進めていく必要があります。規模の大きいプロジェクトは個人の力だけでは進めることが難しいため、チームで協力して進めます。他の研究者や企業の方々と議論を重ねながらプロジェクトを円滑に進めるためには、さまざまな力が求められます。 さらに、物事を感覚的に捉えるのではなく、根拠に基づいて整理し、課題を明確にしていく姿勢は、大学院で学術を修めたからこそ身についたものだと感じています。 こうした研究を遂行するための基礎となる力を大学院で身につけることができたのは、大きな財産だと日々感じています。これは研究者に限らず、どのような仕事をするうえでも欠かせない力だと思います。 これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! やりたいことを見つけ、それを形にしていくには、大きな努力や苦労も伴います。しかし、畿央大学大学院には、それを乗り越えるための環境と、支えてくださる先生方がそろっています。少しでも皆さんの進路選択の参考になれば幸いです。
2026.05.08
活躍する大学院修了生vol.9~藤井 廉さん(九州大学大学院 医学研究院勤務/健康科学研究科博士後期課程修了)
働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました! 藤井 廉さん(健康科学研究科 博士後期課程 2022年9月修了) 現在のお仕事・研究を教えてください! 九州大学大学院 医学研究院 医療経営・管理学講座 の特別研究員、医療法人田中会 武蔵ヶ丘病院 武蔵ヶ丘臨床研究センター の主席研究員、また畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの客員研究員として、臨床研究に従事しています。 これまでのキャリアを教えてください! 熊本県の専門学校である九州中央リハビリテーション学院を卒業後、急性期病院や回復期リハビリテーション病院で臨床経験を積みました。その後、臨床4年目に畿央大学大学院健康科学研究科の修士課程へ進学し、修了後はそのまま博士後期課程へ進みました。 博士号取得後は、「臨床と研究をつなぐ基盤をつくりたい!」という思いから、当時の勤務先であった武蔵ヶ丘病院において武蔵ヶ丘臨床研究センター(文部科学省科学研究費助成事業指定研究機関)を立ち上げ、センターの運営・管理に携わってきました。 さらにその後、九州大学の公衆衛生専門職大学院に進学し、公衆衛生学やデータベース疫学を学びました。 現在は、所属を九州大学大学院 医学研究院 医療経営・管理学講座に移し、畿央大学で培った【人の行動を科学的に捉える視点】と、九州大学で学んだ【疫学的視点】を統合し、生体情報と医療ビッグデータを組み合わせた研究に取り組んでいます。 これまで取り組んできた研究、また今関心のある研究テーマ・キーワードは? 畿央大学では森岡 周先生のご指導のもと、慢性疼痛患者を対象にした運動学的研究に取り組んできました。三次元動作解析装置という特殊なカメラと解析ソフトを用いて、人が運動している際の生体情報をマーカー座標から取得し、「痛みを有すると身体の動かし方がどのように変化するのか?」を明らかにしてきました。 現在は、こうした生体情報の活用を臨床レベルにとどめず、疫学レベルへ発展させた研究に取り組んでいます。 具体的には、行政と連携しながら住民単位で生体情報(デジタルデバイスを活用したライフログデータなど)を収集し、それらをレセプトデータなどの医療ビックデータと統合することで、健康状態の把握や疾病予防、医療・介護分野への応用可能性を検証しています。最終的には、これらの知見をリハビリテーション医療の発展に役立てたいと考えています。 「個人の身体機能を深く捉える視点」×「集団の健康を広く捉える視点」の両方を大切にしながら、リハビリテーション医療への応用を見据えた研究を進めています。 大学院に進学したきっかけや目的は? 新人理学療法士の頃、指導教員である森岡 周先生の講演を聞き、ニューロリハビリテーションの理論やその背景にある根拠に強く惹かれました。その後、臨床で患者さんと向き合う中で、痛みを抱える患者の病態を理解するには神経科学的な視点が欠かせないのではないかと感じるようになりました。こうした臨床的疑問を明確にし、学術的に探求したいと考え、大学院への進学を決めました。 大学院での時間を一言でいうと? 一言でいうと、「かけがえのない学びの時間」だったと思います。 憧れていた森岡 周先生から直接ご指導をいただけたこと自体が本当に幸せな時間であり、今でも私にとって大切な宝物です。 森岡研究室では研究テーマが多岐にわたり、私は「痛み」をテーマにしていましたが、ほかにも高次脳機能や歩行、姿勢制御など、さまざまなテーマに取り組む方がいました。そのため、自分のテーマについても多様な視点からコメントをもらうことができ、研究をより発展的に深めることができました。 また、私は修士課程の頃から自宅の熊本から通っていましたが、遠方であることを感じさせないほど、きめ細やかな環境・サポート体制が整っており、博士課程を修了するまで安心して、充実した研究ライフを送ることができました。 畿央大学大学院の魅力は、質の高い研究指導と、多様な視点に触れながら研究を深められる温かな学びの環境にあると思います。 今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 森岡 周先生からは、「引用される研究をしなさい(論文を書きなさい)」とご指導いただきました。これは、自分の知的好奇心を満たすためだけの研究ではなく、その研究が社会課題の解決にどうつながるのか、どのように社会実装へ結びつくのかまで考えることの大切さを意味していたと受け止めています。 自己満足で終わる研究ではいけない、という姿勢は、今の仕事や研究の根幹となっています。先に述べた研究センターの立ち上げは、まさにその学びを実践に活かせた一例です。もともと研究基盤が十分に整っていない環境の中で、現場のスタッフや上層部と対話を重ねながら、「研究の力で組織に何が貢献できるのか」を模索し、形にしていくことができました。 このように、大学院での学びは、研究手法や知識だけでなく、「社会に役立つ問いを立て、それを周囲と協働しながら形にしていく姿勢」として、今の実務・研究の両方に活きています。 これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! 大学院は、単に知識や研究手法を身につける場ではなく、自分の中にある問いを深め、それを社会にどう役立てるかを考える場でもあります。畿央大学大学院での学びは、自分の可能性や将来の選択肢を広げてくれる貴重な経験になると思います!
2026.04.23
合同ゼミ懇親会を開催!~ 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室
畿央大学大学院 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室では、合同ゼミ懇親会を開催しました。当日は、新入生をお迎えし、修士課程7名、博士課程3名、客員研究員2名、教員4名が参加し、軽食やドリンクを囲みながら、和やかな雰囲気の中で交流を深めました。 多様なバックグラウンドが集まる学びの場 本研究室の特徴の一つは、働きながら大学院で学ぶ社会人大学院生が多いことです。 所属先は、急性期病院、回復期病院、通所リハビリテーション、介護老人保健施設、行政など多岐にわたり、臨床経験も3年目から15年以上までと幅広い人材が在籍しています。それぞれの現場で感じた疑問や課題を出発点とした研究テーマは、実践につながる可能性を秘めています。 1枚スライドに込めた「想い」 懇親会では、一人ひとりが1枚のスライドを用いて自己紹介を行いました。研究テーマだけでなく、これまでのキャリア、家族、趣味なども共有され、普段のゼミでは見えにくい一面を知る機会となりました。それぞれの発表からは、「なぜこの研究に取り組むのか」という想いが伝わり、参加者同士の理解とつながりが一層深まりました。会は終始温かい雰囲気に包まれ、あっという間の2時間となりました。 臨床と研究をつなぐ教育体制 地域リハビリテーション研究室では、奈良県を中心に以下のような研究・活動を展開しています。 地域高齢者の健康増進・介護予防 要介護高齢者の生活機能とQOLに資する研究・実践 アクションリサーチによる地域実践 ビッグデータを活用した地域特性分析 フレイル予防に関する研究 リハビリテーション専門職としての視点を大切にし、「研究を現場に還元する」ことを重視しています。 充実した指導体制 本研究室は、高取 克彦教授、松本 大輔准教授に加え、今年度より石垣 智也准教授が新たに参画されました。さらに、健康イノベーション教育研究センターの土井 剛彦教授にもご協力いただき、多角的な指導体制のもとで研究を進めることができます。 議論を深め、視野を広げるゼミ運営 ゼミは、指導教員との個別指導に加え、月1回の合同ゼミを実施しています。異なる専門・経験を持つ院生同士が議論することで、新たな視点や気づきを得ることができ、研究の質を高める環境が整っています。 院生からのメッセージ 私は現在、県外の遠方から通っていますが、毎回のゼミが楽しみで仕方がありません。 授業はオンデマンド中心なので、仕事や家庭など生活のリズムを守りながら学べることも畿央大学の魅力です。 他大学出身の私も仲間は温かく迎え入れてくれました。今回の懇親会でも、研究の枠を超えて家族や趣味の話で盛り上がり、仲間の意外な一面を知ってさらに絆が深まったと感じています。 修士に行きたいけれど、自分に両立ができるだろうかと、一歩踏み出せずに悩んでいる方も多いと思います。正直、両立は楽ではありません。でも、同じように悩み、現場を良くしたいともがく仲間の存在は、何よりの支えになります。もう一度、大人の青春してみたい方をお待ちしております。 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室 修士課程2年 平川 雄太 大学院進学を考えている方へ 「臨床で感じた疑問を、研究として深めたい」 「専門性を高め、次のキャリアにつなげたい」 「地域に貢献できる理学療法士として成長したい」 そのような想いを持つ方にとって、本研究室は最適な学びの場です。働きながらでも学び続けられる環境と、志を同じくする仲間との出会いがあります。興味がある、また相談したい方は、気軽にご連絡ください。 お待ちしております! 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室 准教授 松本 大輔 地域リハビリテーション研究室 関連記事 地域リハビリテーション研究室教員・院生が国際学会で発表 ~ 健康科学研究科・ウェルネス共創研究センター 言葉を超えたケアのかたちを探る研究が学術変革領域研究(A)に採択 ~ 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 第25回認知神経リハビリテーション学会学術集会にて本学関係者が学会長・多数登壇!~ ニューロリハビリテーションセンター CREST「マルチセンシング」研究領域の領域会議が開催されました!~ ニューロリハビリテーション研究センター 地域リハビリテーション研究室大学院生・研究員の学会での活躍をご紹介~健康科学研究科 第23回日本神経理学療法学会学術大会にて本学関係者が多数登壇・受賞しました! 第35回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で2年連続となる「医療の質特別賞」を受賞! ~ 健康科学研究科
2026.04.21
令和8年度入学式を行いました。
2026(令和8)年4月2日(木)、健康科学部328 名、教育学部213 名、健康科学研究科36 名(修士課程17 名、博士後期課程19 名)、教育学研究科修士課程4 名、助産学専攻科9 名、臨床細胞学別科10 名、あわせて600 名の新しい畿央生が誕生しました。当日は天候が心配されましたが、柔らかな日差しと春風に恵まれ、無事に入学式を挙行できました。 学部は午前10時から、大学院・専攻科・別科は午後3時からと二部にわけて入学式を行いました。午前の学部生入学式は冬木記念ホールに全5学科の新入生が集まり、保護者の皆様はその様子を中継会場から視聴・参加する形で行われました。 冬木正彦学長が学科ごとの入学許可を行い、学長式辞を述べました。また広陵町長 吉村 裕之 様にもご臨席いただき、ご祝辞を頂戴しました。 新入学生代表として現代教育学科の中道由菜さんが入学生宣誓を行い、また、在学生代表として健康栄養学科3回生松下鈴奈さんから歓迎のことばがありました。 式典後、新入生には冬木記念ホールにてオリエンテーションを実施し、保護者の皆さまには、各学科の教室にて教員よりご挨拶を申し上げました。オリエンテーションの後は、記念撮影をされる方や、在学生からのクラブ・サークル紹介に耳を傾け、交流を深めている姿もみられました。 午後3時からは大学院健康科学研究科、教育学研究科、助産学専攻科および臨床細胞学別科の入学式が冬木記念ホールにて行われました。 入学許可の後、学長、両研究科長・専攻科長・別科長が祝辞を述べました。 新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます! 学生の皆さんが畿央大学で充実した時間が過ごせるよう、教職員一同全力でサポートしていきます。
2026.04.21
畿央大学名誉教授 山本隆先生の研究成果が国際学術誌に掲載されました
このたび、本学の山本隆名誉教授による総説論文が、国際学術誌 International Journal of Gastronomy and Food Science(Background mechanisms of palatable foods: roles of taste substances, kokumi substances and their interactions) に掲載されました。 本論文では、食べ物のおいしさ(嗜好性)がどのように形成されるのかについて、甘味・塩味・うま味といった基本味に加えてコクという概念に着目し、これまでの味覚研究の成果と、その背景にある科学的メカニズムを最新の研究に基づいて整理しています。 甘味は、基本味の中でも本能的に快として感じられる特徴を持ちますが、他の味は単独では必ずしもおいしさにつながるとは限りません。食べ物のおいしさはひとつの味で決まるものではなく、いくつかの味や香り、食感が重なり合って、おいしさが生まれます。 だしや発酵食品を使った料理が深みのある味わいになるのは、うま味とコクの働きによるものです。こうした日常的な味覚の背景にある仕組みが科学的に説明されています。特に、うま味とコクの相互作用が、味の深みや広がり、持続性といった感覚を生み出し、おいしさを高める重要な要因であることが示されています。こうした研究成果は、食品開発や調理の実践への活用にもつながります。 本論文の発表は、山本隆名誉教授の長年にわたる味覚研究の成果に基づくものであり、本学にとっても大変喜ばしい報告となりました。 健康栄養学科教授 永澤 健 論文情報 Takashi Yamamoto Background mechanisms of palatable foods: roles of taste substances, kokumi substances and their interactions - ScienceDirect International Journal of Gastronomy and Food Science Volume 44, June 2026, 101467 関連記事 山本 隆教授の最終講義が行われました。|KIO Smile Blog 健康栄養学科の山本 隆教授がNHK「ほっと関西」に出演!「冬アイス」の疑問に答えます!|KIO Smile Blog 科学雑誌「Newton」に健康栄養学科の山本隆先生の記事が掲載されました!|KIO Smile Blog
2026.04.20
地域リハビリテーション研究室教員・院生が国際学会で発表 ~ 健康科学研究科・ウェルネス共創研究センター
2026年4月11日(土)、12日(日)に韓国のSuwon Convention Centerで17th Asian Confederation of Physical Therapy (ACPT) 2026 Congressが開催されました。地域リハビリテーション研究室から私、健康科学研究科 博士後期課程2年の池本 大輝と松本 大輔准教授が参加し、研究発表を行いました。 ACPTとは、アジアにおける理学療法の専門性の向上を目的とした学会で、今回は12ヶ国、1250名が参加し、327もの演題が集まりました。 Opening ceremonyは、理学療法学科の海外インターンシップでお世話になっている国立台湾大学教授でもある、世界理学療法学会 副会長 Suh-Fang Jeng先生のご挨拶から始まりました。 私たちの演題は以下の通りです。 博士後期課程2年 池本 大輝: “Ultrasound-Derived Anterior-Thigh Muscle Thickness Shows a Stronger Association with Life-Space Mobility than Appendicular Skeletal Muscle Index”(e-Poster) 「超音波による大腿前面筋厚は、四肢骨格筋量指数よりも生活空間移動能力と強く関連する」 ※通所リハ利用者の生活行動範囲と筋評価(超音波エコーと体組成計)の関連性についての研究 松本 大輔准教授: “Physical Therapist–Led Outreach Assessment Accurately Identified Intrinsic Capacity Decline in Resident-Led Community Exercise Groups in Japan”(e-Poster) 「理学療法士によるアウトリーチ評価は、地域の運動グループにおける内在的能力低下を正確に同定できる」 ※理学療法士による地域高齢者の内在的能力低下(身体・精神機能も)の評価の精度についての研究 ▲同じセッションの発表者の皆さん 私は、昨年のWorld Physiotherapy Congress 2025(東京)に続いて2回目の国際学会での発表でした。しかし、海外で開催される学会への参加は今回が初めてで、やはり、慣れない土地と言語での発表で緊張しましたが、国際学会ならではのオープンでフレンドリーな雰囲気で、無事に終えることができました。 ▶World Physiotherapy Congress 2025(東京)の様子はこちら 松本准教授は演題発表だけでなく、2つのe-Posterセッションで座長を務められ、発表後のディスカッションを円滑に取りまとめられていました。 また、交流を目的としたNetworking sessionにも参加し、自分と関心のある領域(超音波エコー評価)が近い韓国の理学療法士と話すことができ、アジアでも広がってきていることを実感しました。 今回のACPTは、近隣の韓国での開催であったためか、日本から非常に多くの方が参加されていました。国内の学会では、知り合えないような日本の先生方ともお話することができ、交流の幅を広げることができました。 一方で、同年代の先生方が英語でコミュニケーションを取られている姿は大変刺激となりました。対照的に伝えたいことを伝えられない自分の英語力の未熟さからくる歯がゆさは、今後の英語学習へのモチベーションとなりました。今回の経験を通して、自身の成長とともに今後の課題も明確になりました。 大学院での学びは、研究力だけではなく、国際的な視野、将来のキャリアの選択肢を広げ、挑戦できる環境が整っていることも大きな魅力です。これからも国際交流を深め、学術発展や臨床現場への実装に携わりたいと思います。 最後に、今回の発表に多大なご指導をいただきました松本准教授、地域リハビリテーション研究室、職場のスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。 畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程 2年 池本大輝 地域リハビリテーション研究室 関連記事 言葉を超えたケアのかたちを探る研究が学術変革領域研究(A)に採択 ~ 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 第25回認知神経リハビリテーション学会学術集会にて本学関係者が学会長・多数登壇!~ ニューロリハビリテーションセンター CREST「マルチセンシング」研究領域の領域会議が開催されました!~ ニューロリハビリテーション研究センター 地域リハビリテーション研究室大学院生・研究員の学会での活躍をご紹介~健康科学研究科 第23回日本神経理学療法学会学術大会にて本学関係者が多数登壇・受賞しました! 第35回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で2年連続となる「医療の質特別賞」を受賞! ~ 健康科学研究科
2026.04.16
言葉を超えたケアのかたちを探る研究が学術変革領域研究(A)に採択されました。
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周教授が、学術変革領域研究(A)「顔身体のデザイン:実践・実証・設計に基づく顔身体の深化と昇華」において、公募研究班として採択されました。重度肢体不自由児や認知症高齢者とのケアの場における、言葉だけでは捉えきれないやりとりに着目し、科学とアートの両面から新たなケアの方法論を探る研究です。 学術変革領域研究(A)は、従来の学問分野の枠を超え、異なる分野の研究者が連携しながら、新しい学術領域を切り拓くことをめざす大型の研究プロジェクトです。 今回、森岡教授が参画する研究領域「顔身体のデザイン」は、顔と身体を切り離して考えるのではなく、一体のものとして捉え直し、人と人との関係や社会のあり方をあらためて問い直そうとするものです。オンライン化やデジタル化が進む現代では、顔と身体のつながりが見えにくくなる場面も少なくありません。本領域では、こうした時代における人間理解の再構築を視野に入れ、実践・実証・設計という複数の視点から、よりよい「顔身体」のあり方を探求します。 森岡教授の研究課題は、 「逸脱する身体との“対話”のデザイン:〈間〉の科学とアートで紡ぐケアの倫理」です。 本研究では、重度肢体不自由児や認知症高齢者など、言葉による意思疎通が難しい人々とのケアの場に注目します。こうした場面では、表情、視線、声、触れ方、呼吸、間合いといった、言葉にならないやりとりが重要な意味を持ちます。研究では、それらの微細な相互作用を映像分析や生体反応の計測などによって可視化し、その意味を科学的に捉えるとともに、映像作家とともにアートや実践の視点からも読み解いていきます。 また、本研究の特徴は、子どもの「育ち」と高齢者の「老い」という一見異なるケアの現場を往還しながら、人が人を支える関係に共通する原理を探ろうとしている点にあります。言葉だけに依存しない関わりのあり方を明らかにすることで、当事者の尊厳を支える新しいケアの方法論の構築をめざします。 今後は、研究成果を倫理的なケアモデルや映像教材としてまとめ、医療、福祉、教育などの現場への展開、つまり実証にとどまらず実践を視野に入れています。言葉を超えて人と人がどのようにつながり、支え合うことができるのか。本研究は、その可能性を社会にひらく挑戦でもあります。 関連リンク 森岡周教授らの共同研究が2023年度 CRESTに採択されました。 新学術領域研究(研究領域提案型)に採択!~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
2026.03.30
令和7年度卒業証書・学位記・修了証書授与式を行いました。
2026年3月19日(木)、「令和7年度卒業証書・学位記・修了証書授与式」が冬木記念ホールで挙行されました。 健康科学部318名(理学療法学科75名・看護医療学科96名・健康栄養学科83名、人間環境デザイン学科64名)、教育学部現代教育学科181名、大学院24名(健康科学研究科修士課程19名、健康科学研究科博士後期課程5名)、助産学専攻科9名、臨床細胞学別科8名の合計540名が門出の日を迎えました。 冬木記念ホールに卒業生・修了生が一堂に会し、保護者の皆さまには別会場より中継を通じて授与式の様子を見守っていただきました。キャンパスには華やかな袴姿や笑顔があふれ、共に学び高め合った学友たちと手を取り合い写真撮影する様子が見られました。 午前10時に開式し、国歌斉唱の後、壇上で学科・大学院・専攻科・別科ごとの代表者に卒業証書・学位記・修了証書が授与されました。引き続いての学長表彰では、特に優秀な成績を修めた各学科学生1名が表彰を受けました。 冬木正彦学長による式辞、広陵町副町長 中川 保 様、畿央大学後援会長村井 篤史 様、畿桜会(同窓会)副会長 川口 忠輝様より祝辞をいただきました。 その後、在校生を代表して看護医療学科3回生の黒田 瑞姫さんが送辞を、卒業生を代表して健康栄養学科4回生の有馬 実優さんが答辞を述べました。学歌斉唱の後、厳かな雰囲気でおこなわれた式典は、幕を閉じました。 式典終了後は学科・院・別科・専攻科ごとにわかれ、卒業生・修了生一人ひとりに卒業証書・修了証書が手渡され、時間をともに過ごしてきた教員陣から祝辞として今後の社会での活躍に向けてエールが送られました。 朝方雨交じりだった天候も回復し、学科やゼミ、クラブ、サークル等学生生活を共に過ごした仲間たちと時間の許す限り写真撮影をする姿がありました。 各学科での午後からは帝国ホテル大阪に会場を移し、学科をこえて教員・卒業生・修了生が卒業パーティーに参加。 全員で集まる最後の時間を惜しみながら、学生生活を振り返り、交流を深めました。卒業生・修了生の皆さん、本当におめでとうございます。皆さんのこれからの歩みが、希望に満ちた素晴らしいものとなりますように。新しい日々が、どうか輝きであふれますように。 皆さんの新天地でのご活躍を教職員一同、心から祈っています。
2026.03.19
第15回日本リハビリテーション栄養学会学術集会において大学院生が最優秀YIA賞を受賞 ~ 健康科学研究科
2026年3月14日(土)に石川県の金沢市文化ホールで開催されました第15回日本リハビリテーション栄養学会学術集会において、演題名「骨格筋量評価における浮腫の影響を補正した新指標『標準化骨格筋量』の検討」を発表し、最優秀YIA(Young Investigator Award)賞を受賞しました。 発表内容の紹介 入院心不全の患者さんでは「低栄養」や「サルコペニア」を高率に合併し、再入院率や身体機能・QOLなどの臨床的アウトカムに悪影響を及ぼすことが知られています。これらの診断には骨格筋量の評価が必須ですが、推奨されているBIA法は体水分量の影響を受けやすく、浮腫を呈する心不全患者では骨格筋量を過大評価してしまうという弱点がありました。 そこで今回、生体内の細胞内外の水分比率を用いて浮腫の影響を補正した「標準化骨格筋量」を新指標として提案し、その指標が解剖学的実態を反映しているか、また低骨格筋量の判定に影響するかを検証しました。 その結果、標準化骨格筋量はCTやエコーなどの画像評価指標と関連し、従来の指標よりも多くの対象を低骨格筋量として検出できることが明らかとなり、これまでの栄養評価における見逃しを改善できる可能性を報告しました。 今後への展望 今後は、本研究成果を論文化し、より多くの方に発信していけるよう努めてまいります。また、本研究は健康科学研究科の田平 一行 教授のご指導のもと進められました。この場を借りて深く感謝申し上げます。 畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程2年 関根 敏生 関連記事 第35回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で2年連続となる「医療の質特別賞」を受賞! ~ 健康科学研究科 第15回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~健康科学研究科 田平研究室 第65回日本呼吸器学会学術講演会で『トラベルアワード』を受賞 ~ 健康科学研究科


