助産学専攻の新着情報一覧
2020.07.10
スペシャリストに学ぶフリースタイル分娩!~助産学専攻科
助産専攻科は入学してからコロナウイルスの影響で、遠隔授業が続いていました。6月からは登学が始まり技術面の授業が増え、実習に向けて毎日演習をしています。 その中、令和2年6月19日(金)に岩田塔子先生の「フリースタイル分娩」の講義を受けました。岩田塔子先生は、助産師の他に超音波検査師、鍼灸師の資格も持っておられるフリースタイル分娩のスペシャリストの先生です。そのような素晴らしい開業助産師の先生に分娩の基本やフリースタイル分娩の考え方、介助方法について教わりました。 フリースタイル分娩とは、分娩台や決まった体位にこだわらず、自然なお産のリズムに合わせて分娩を行うことです。この自然というのは産婦が思うままに、こうすると陣痛が楽だというような感覚をもとに体位を変え、赤ちゃんが出てきやすい方法を試しながら産むという母子主体のお産のことです。 実際に学生間で産婦・助産師の役割を決めて岩田先生の指導のもとフリースタイル分娩の介助方法や、分娩中の異常が起こったときにどう対応すれば良いのかを試行錯誤しながら実践しました。 岩田先生からは、「どんな姿勢で産むかではなく、助産師としてどんな姿勢でも産むことができる技術を持っておくことが大切である」という言葉をいただきました。実際にどのような体位の分娩介助でも、胎児の回旋や母体の解剖学的な基礎知識が重要であり、その知識があるからこそ応用に繋げていくことができるのだということを実感しました。今回の学びを活かし、産婦が自分で産むということを意識できるように支援しながら分娩介助を行っていきたいです。 助産学専攻科 杉野茉由 西本真央 【関連記事】 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法の理論と実際~助産学専攻科 分娩介助・乳房マッサージの遠隔演習用教材を手作りしました!~助産学専攻科
2020.07.10
産婦人科医に学ぶ!超音波診断法の理論と実際~助産学専攻科
令和2年7月8日(水)の「助産診断技術学Ⅰ(妊娠期診断とケア)」の科目の中で、産婦人科医師である健康科学部長の植田政嗣先生に助産学専攻科の学生10名が超音波検査について教えていただきました。 始めに、超音波診断法の理論と実際の講義を受けたあと、演習を行いました。 演習ではまず、植田先生が実際の超音波検査機器を用いて、胎児の観察や機械の使用方法、胎児の推定体重測定や妊娠週数の導きだし方などについてわかりやすく説明しながら腹部模型で実演していただきました。植田先生の実演に学生たちはすっかり感心し、必死にメモを取っていました。 その後、学生一人ひとりが植田先生の指導のもと、順番に超音波診断の演習を行いました。 最初は不慣れな為時間がかかっていましたが、植田先生の笑いも交えた丁寧なレクチャーもあり、学生10名全員が胎児推定体重を測定し、妊娠週数を導き出すことが出来ました。 超音波診断では腹部にプローブをあて、胎児がうまく映っている箇所で画面を静止するのですが、学生たちはやや苦戦している様子でした。それでも、「今だ!」と応援する声や、正確な胎児推定体重が測れた時には拍手が起こるなど、和気あいあいとした楽しい雰囲気の中で演習が行われました。 今回も新型コロナウイルスの感染予防を行いながらの演習となり、制約は多くありましたが、学生10名で工夫しながら学びを深めることが出来ました。 助産学専攻科 助手 畠中美有希 初めて実際に超音波の機械を使って、胎盤や羊水量、胎児の様子を見せていただきました。もちろん腹部に入っているのは胎児模型なので動いてはいないのですが、なかなか胎児の測定部分をエコーで探し出すのが難しく、植田先生のサポートのもとやっと測定することが出来ました!実際の胎児は動いているのでより一層難しいだろうな…。と感じました。 講義を受け、超音波診断法で胎児付属物や胎児の発育状態をきちんと見ていくことが、母子共に健やかに妊娠を継続していくために大切なことであると学ぶことができました。 助産学専攻科 岡本悠希 【岡本さんが登場する「1分でわかる畿央大学」ムービー】 畿央生リアルボイス「看護医療学科→助産学専攻科」編|1分でわかる畿央大学#52 保護者インタビュー「我が子と畿央大学」岡本さん編|1分でわかる畿央大学#51
2020.05.26
分娩介助・乳房マッサージの遠隔演習用教材を手作りしました!~助産学専攻科
新型コロナウイルスの影響で4月から遠隔講義となり、助産師教育として必修の分娩介助や乳房マッサージなどの技術習得のための演習が困難な状況が続いています。助産学専攻科は修業年数が1年間なので、カリキュラムに余裕がありません。いかに在宅時間を有効に活用し、助産学に対する興味・関心を継続して学習するにはどうすればいいのか?を熟考した結果、分娩介助演習・乳房マッサージ演習の模型を作成することにいたしました。 作成する教材内容は、胎児人形、胎盤、乳房の3点で、教員が作成したキットを学生の自宅に配送しました。動画で作成方法を配信し、学生は自宅で各自作成しました。 現在はTeamsやLINEなどを通じて助産技術を動画で配信して伝えています。 ▼Microsoft Teamsを使った授業風景の一コマ。全員が自作した胎盤を手にしています。 ▼作成方法をまとめた動画(スクリーンショット) 以下、それぞれ学生が工夫して作成した教材と感想をご紹介します。 【田中佑歩さん】対面で行うはずの演習が遠隔になり、十分な物品もなく、自分たちで分娩の練習が自宅でできるように赤ちゃんや胎盤、乳房も作成しました。動画を見ながらの作成は難しい部分もありましたが、時間をかけて作った分、愛着が湧いています。家では赤ちゃんに名前をつけて練習しています。練習も友達と遠隔でしかできていませんが、自宅で代用できる物品などもそれぞれで楽しく行うことができています。また、手作りすることで、簡単な胎盤や乳房の構造なども理解することができるので、勉強になると思っています。手作りしたものは、大切にして今後の学習に活用していきたいと思います。 【岡本悠希さん】作品の実物を見たり触ってから作ったわけではなかったので、大きさであったり、綿の入れ具合が分からなくて苦戦しましたが、同期とTeamsで繋げてこのサイズで合ってる??などと話しながらできたので作成時も楽しくできました!また、自宅ではなかなか必要な物品が揃ってない状況でクッションの代わりに服を重ねたりして工夫をしたりしながら練習しています!同期ともTeamsで一緒に練習したりと、手技を確認しながらオンライン上で楽しく学ぶことができました!! 先生も一生懸命に指導してくださってるので、私たちも頑張らないとという気持ちになります!実習の状況はまだ分かりませんが、実習に向けて頑張りたいと思います^_^ 【伊良原日南乃さん】作成方法の動画を送っていただき、裁縫は苦手でしたがなんとか作ることが出来ました! 作成キットだけでなく、ベビー人形や骨盤模型も送っていただいた為、自宅でも練習が出来る環境が整い、感謝しています。自宅でも分かるところを勉強し、学校に行けるようになったらスムーズに進められるようにしたいと思います。 【杉野茉由さん】裁縫が好きなので、楽しみながら作成できました。オンライン授業やテキストで学びを深め、骨盤模型で分娩介助練習をしていますが、試行錯誤しながら練習をするうちに少しずつ介助のポイントや胎児回旋のイメージができるようになってきました。 自宅では限られた物品での自律した学習が求められますし、助産師になってからも活かせる能力を身につけるための期間だと思って、先生方と学生の皆で乗り越えていきたいと思います! 【堀辺瑞月さん】自分で作っているうちに模型や人形に愛着がわき、練習も楽しみながら行えています。 胎児娩出の場面だけでなく、臍帯切断の練習も何度もできるので、ありがたく思います。 【西本真央さん】コロナの状況の中、実際に対面することができないので、今回の演習用の赤ちゃんや胎盤、乳房を自分たちで作りました。「この状況のまま実習にいけるのだろうか?」と不安でしたが、作り方の動画や分娩介助の手順の動画を細かく送って下さったのでそれを見て、自宅でも楽しく自分なりに練習を行うことができました。 実際に先生に見てもらっていないことや友達との交流もオンラインだけになっているので、まだ不安はありますが実技の練習や自己学習をして実習に備えたいです! 【末岐茉由さん】自作した胎盤や新生児、乳房を用いて、送られてきた動画を見ながら、見よう見まねですが楽しく練習しています。学校で演習が出来るようになった時にできるだけスムーズに学んでいけるよう、練習を重ねていきたいと思います。 【渡辺千晴さん】オンライン授業が始まり徐々に慣れてきた中で演習の授業も始まりました。対面で演習を受けることができないですが、作成してくださった動画を見ながら胎盤、乳房、赤ちゃんの人形を自分たちで作成し、それを使いながら分娩介助や乳房マッサージの練習をしています。演習を対面で受けることができない状況ですが、工夫しながら学べる環境を整えてくださりとても感謝しています。実際に対面での授業が始まるまで自宅での練習を頑張りたいと思います。 【河野美佳さん】私は裁縫が嫌いではないので、人形や胎盤、乳房の作成は楽しかったです。自分で作った分愛着が湧いて家族に自慢したら、「リアルすぎてびっくりした」と言われました。骨盤の模型まで家に届き、学校に行けない分がマイナスにならないよう、今は家での練習を頑張っています。1人での練習は中々難しいですが、実習に向けて時間がある分たくさん練習して技術を身につけたいと思っています。 【増田朱莉さん】初めての人形製作で、作り方もオンラインでの説明だったので、難しかったです。丁寧に動画や写真で教えてくださり、また作ってるうちに赤ちゃん人形に愛着が湧いてきました。だから、練習でも人形だけどより丁寧に扱おうと思えました。技術練習は今までは学校で友達と確認してやってきたので、一人で行うのは不安がありました。それでもオンラインを使って、友達と行うことができ、またオンラインだからこそ録画しながら練習して、後で見直すこともできると思います。学校でできないことでも、わかりやすいように工夫して下さって、自分たちも工夫をすれば家でもできると思いました。 遠隔講義途中に接続不良で画像が静止したり、声が途切れて講義を中断し課題にするなど、状況に応じて変更する講義スタイルでストレスもあると思いますが、学生は真摯に深く学修する姿勢が見られます。教員も学生の姿勢に刺激を受けて、日々講義方法を工夫しています。この状況を学生とともに乗り越えようと専攻科一丸となって頑張っていきます。 助産学専攻科准教授/教務主任 中居由美子
2020.04.02
令和2年度入学生に学生証を交付しました。
2020年4月2日(木)、令和2年度の入学生に対して学生証等が交付されました。健康科学部349名(理学療法学科76名、看護医療学科99名、健康栄養学科101名、人間環境デザイン学科73名)、教育学部197名、健康科学研究科38名(修士課程35名、博士後期課程3名)、教育学研究科修士課程2名、助産学専攻科10名、臨床細胞学別科5名、あわせて601名の新しい畿央生が誕生しました。 新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、今年度は残念ながら式典を見合わせ、学科等の単位で講義室に分かれ、開講に向けて必要な手続きを短時間でおこないました。新入生と教職員だけのこじんまりとした雰囲気の中でしたが、キャンパス周辺の桜とともに、新たな門出を祝う一日となりました。 保護者の皆様、ご親戚の皆様にはお子様の晴れの姿を見届けていただけず、大変申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。 本日、人生の新たな一歩を踏み出すことになった皆さま、おめでとうございます。このような形になりましたが、教職員一同心より歓迎の意を表するとともに、皆さまが入学当初の目標を達成することができるよう、全力を尽くしてまいります。厳しいスタートとなりましたが、夢を力に変えて、ともにがんばりましょう。
2020.03.07
【学生・保護者の皆さまへ】卒業証書等授与式に関するご案内(3/11・12追記)
既にお知らせいたしました通り、新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けて、今年度は卒業生、修了生全体での卒業式典および卒業パーティの実施を見送ることといたしました。 充実した学生生活の最後を飾る皆さんが楽しみにしてくださっている行事を見送ることは、本学といたしましてもまことに残念でなりませんが、現状では何よりも皆様の安全を守ることこそ第一と考え、このような結論に至りました。ご理解を賜れましたら幸甚に存じます。 なお、3月13日(金)には、各学科・専攻科・別科・研究科単位で卒業証書等授与式を、以下の通り実施することにいたしました。いずれも卒業生、修了生、教職員のみの場としますので、保護者等の付き添いの方の登学は控えていただきますようにお願いいたします。 【3月12日追記】 感染拡大防止を鑑み、下記に該当される方は出席をとりやめてください。 ・発熱等の風邪や咳などの呼吸器症状がみられる方 ・中国、韓国、イラン、イタリア、サンマリノなど新型コロナウイルスの感染が確認されている国から帰国して2週間以内の方 ◆3/13(金)卒業証書等授与式 会場◆ 【学部】 健康科学部 理学療法学科 10:00より P301講義室 看護医療学科 10:00より P201講義室 健康栄養学科 10:00より L101講義室 人間環境デザイン学科 10:00より R201講義室 教育学部 現代教育学科 10:00より KB04講義室 【大学院】 健康科学研究科 11:00より P302講義室 【専攻科】 助産学専攻科 11:00より P202講義室 【3月11日追記】 上記、本学会場で実施される卒業証書等授与式にお越しになる方は、遅くとも13:00までに学外へ退出、交通機関が空いている間に帰宅してください。 【別科】 臨床細胞学別科 16:00より 於:CTC梅田 ※本学各講義室は30分前より入室可能です。 ※出席を必須とする式典ではありません。ご自身の判断でお越しください。欠席された場合でも後日、学生支援センター窓口へお越しいただければ、卒業証書等は個別にお渡しいたします。 ※風邪の症状や発熱等がある場合は出席をお控えください。なお、マスク等のご用意もいたしかねますので、ご了承ください。 ※式の終了後は速やかに帰宅し、以後不要不急の外出は控えるようにしてください。 ※本学周辺の道路や、商業施設駐車場への駐停車は、短時間であっても地域住民の皆さまのご迷惑になりますので、厳にお慎みください。 ※在学生も登学の自粛期間ですので、残念ではありますが改めて登学自粛をお願いします。 ※今後、政府の方針を含めた情勢の変化によっては上記の予定の変更が生じる可能性はございます。その際にはホームページ等でお知らせをいたします。 新型コロナウイルスの動向はいまだ予断を許さぬものがあります。皆様くれぐれも体調管理にはお気を付けください。
2020.01.27
【中止】2/29(土)佐藤香代先生の医療者向けセミナー「真に女性を支援するとはどのようなことなのか?」のご案内~助産学専攻科
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症の拡散防止のため、受講される方の健康面を最優先に考慮し、イベント中止の判断をいたしました。ご理解のほどよろしくお願いいたします。 近年、妊婦の産む力、育てる力が弱まっている…そんな声が助産師の間から聞こえてきます。私たち医療者は何をすべきでしょうか? 昨年7月に本学において、妊婦様対象のマタニティカフェ「身体感覚活性化マザークラス」を企画させていただいた際には、ご尽力いただき誠にありがとうございました。お陰様で、妊婦様はじめご家族様に大変ご好評をいただきました。 今回はマザークラスに参加した人々の変容が全国で話題となっている、助産師の佐藤香代先生(国際医療福祉大学大学院助産学分野教授)をお招きし、医療者向けのセミナーを開催いたします。佐藤香代先生のセミナーを通して披露される「身体感覚活性化マザークラス」は、1996年から福岡市で、助産師の自主グループ「フムフムネットワーク」が始められた活動で参加した女性からの絶大な支持があり、リピーターの方も数多くいらっしゃいます。 このマザークラスの何が「もう一度参加したい」と思わせるのか、参加した人々(妊婦のみでなくスタッフや学生も)がどのように変わるのか?ということを、身体感覚活性化(世にも珍しい)マザークラスの技を通してご講演いただきます。 医療者(助産師 保健師 看護師 その他の医療者)様のご参加を心よりお待ち申し上げております。 日 時 2020年2月29日(土)10:00~15:50 会 場 畿央大学 P棟301教室 講 師 佐藤香代先生(国際医療福祉大学大学院 助産学分野 教授) 第1部 講演10:00~11:30 「女性を支援する ー身体感覚活性化(世にも珍しい)マザークラスの哲学と実践」 第2部 演習12:30~14:00 「妊娠期からの子育て支援」 妊婦になって世にも珍しいマザークラスを体験しよう 第3部 講演14:20~15:50 「女性を支援するための根底の能力ドゥーラ力」 なぜ、世にも珍しいマザークラスは人々の意識を変容させるのか? 対象・定員 対象:助産師・保健師・看護師・その他医療関係者 定員:80名(先着順) 参加費 4,000円、学生2,000円(当日、受付でお支払いください) 申込方法 申込用紙に必要事項を記入しFAXをしていただくか、下記資料のQRコード、 もしくは、kio-josan@kio.ac.jpまで下記内容をメールでお送りください。 ①所属先 ②ご氏名(ご一緒に参加する方も)及び、職種 ③申込責任者の連絡先 TEL・FAX・E-mail ※お送りいただきました個人情報は、今回のセミナー以外には使用いたしません。 ※公共交通機関をご利用いただきますよう、お願い申し上げます。 ▼画像クリックでPDFが開きます。裏面が申込用紙になっています。 【問い合わせ先】 畿央大学助産学専攻科 中居由美子 TEL:0745-54-1600 E-mail:kio-josan@kio.ac.jp
2020.01.09
「全国助産師教員協議会近畿地区研修会」を本学開催!~助産学専攻科
2019年12月7日(土)、本学にて「2019年度全国助産師教員協議会近畿地区研修会」が午前・午後の2部構成で開催され、運営を本学助産学専攻科が担当しました。午前は助産師のみ、午後は本学理学療法学科および現代教育学科教員による特別講演をおこないました。 午前の部 「助産師国家試験問題を作ろう」参加者32名 講師に杉浦 絹子教授(名古屋女子大学)をお招きして、助産師国家試験作成のポイントを詳しく説明頂いた後、参加者は5人のグループに分かれて話し合い、助産師国家試験問題作成をしました。問題作成の意図やポイントについて最終各グループ発表を行い、全体理解を深めることができました。 杉浦先生からは、本学のパソコン(情報管理システム)の準備ができており、今回は、作成した問題を登録する目標達成までスムーズにできたと高く評価していただきました。 午後の部 特別講演「学生を認知行動科学の視点から理解する」参加者58名 「学生の主体性を育むために」理学療法学科 森岡 周教授 脳科学の視点から、人間の行動の根拠と他者とのダイナミックなコミュニケーションとの関係を大脳皮質の発達・進化を解説しながら述べられました。複数の神経細胞の間に発生する相互作用と人間の創造活動の関連を具体例にそって説明して頂きました。 さらに、モチベーションとキャリア・内的動機づけとの根拠となる脳神経細胞活動について説明され、主体感および学習効果を向上させる関わりについて述べられました。特に他者への共感と分析的思考を両立できないことを知り、助産学実習での具体的な関わりを考える機会となりました。我々が人間らしさの特徴・主体感のメカニズム・社会的随伴性と信頼関係についてどうこれから理解していくかの方向性を示唆していただきました。 「学生を認知行動科学の視点から理解する」現代教育学科 大久保 賢一准教授 森岡先生の脳神経科学的視点の内容を受け、大久保先生からは、人間の多様性と個別性について、専門職養成の教育現場において、「特定の困難性や支援ニーズを抱える学生がいた場合」の関わりの具体的な例を述べていただきました。行動のきっかけ・行動・行動の結果に段階を分けて関わりの具体をあげ、行動をつなぎ合わせる方法と行動の結果に対するフィードバックを具体的で前向きなものにすることが大切であることを説明されました。最後に「発達障害支援」とはある意味で「異文化コミュニケーション」であるという視点と課題をいただきました。 参加者の感想 講演内容が大変理解し易く、行動の脳神経科学的根拠を知り、行動へのかかわり方を教育の現場からの具体例を知ることで、今後の活用への見通しができた参加者の声が多く聞かれました。「もっと聞きたかった」など第二弾の講演を希望する声も多くありました。 最後の質疑応答でも積極的な意見交換が交わされたことからも、今回のテーマは、教育の現場での関心事であり、対応策を求めるニーズが高く共鳴したものであったと痛感しました。 多数のご来場、ありがとうございました。 助産学専攻科 講師 上原麻利
2019.11.22
12/7(土)理学療法学科森岡周教授×現代教育学科大久保准教授コラボ講演「学生を認知行動科学の視点から理解する」
令和元年12月7日(土)に2019年度全国助産師教育協議会近畿地区研修会が本学で開催されます(担当:畿央大学助産学専攻科)。本研修会は、午前・午後の2部構成となっております。 第1部(午前)は、助産師国家試験問題作成で助産師のみの参加になります。 第2部(午後)からのテーマ「学生を認知行動科学の視点から理解する」は、全国でご活躍されている森岡周教授(理学療法学科)、大久保賢一准教授(現代教育学部)にそれぞれの専門分野から、現在の学生や初学者の主体性、認知行動、評価などについてご講演いただき、その後意見交換を予定しております。2部からの講演は助産師だけでなく、他の医療従事者や他領域の方々、教育関係者の皆様に幅広くご参加いただき、現状の問題を共有したいと思っております。各部とも、先着100名とさせていただいております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。 畿央大学 助産学専攻科 中居由美子 日 時 令和元年12月7日(土) 午前の部 第1部:10:00~11:30 午後の部 第2部:13:00~14:50 質疑応報(第3部):14:50~15:30 会 場 畿央大学 P棟301教室 第1部 10:00~11:30 「助産師国家試験問題を作ろう!」 講師:杉浦 絹子先生(資格・専門能力委員会委員長、名古屋女子大学教授) ※助産師のみ参加が可能です。 第2部 1300~14:50 質疑応答 14:50~15:30 認知行動科学の専門家に学ぶ 理学療法学科+現代教育学科コラボ講演 「学生を認知行動科学の視点から理解する」 講師:森岡周(畿央大学健康科学部理学療法学科教授) 大久保賢一(畿央大学教育学部現代教育学科准教授) ※講演終了後、15:30まで質疑応答の時間を取っています。 定員 各部とも定員100名 参加費 午前の部 第1部:無料 午後の部 第2部:会員1,000円・非会員1,500円(開催当日、受付にてお支払いください) 申込 方法 io-josan@kio.ac.jpまで下記内容をメールでお送りいただくか、申込用紙に必要事項を記入いただき、記載されている宛先にFAXにてお申込みください。 ①ご氏名(ご一緒に参加する方も) ②全国助産師教育協議会の会員・非会員 ③希望される参加研修(午前・午後) ※第1部に参加される方のみ、PC持参の有無についても記載してください。 ④電話番号・FAX番号・e-mail(申込責任者) ※会員の方は、午前・午後の参加をできるだけお願い致します。 ※お送りいただきました個人情報は、今回の研修会以外にには使用致しません。 ※駐車場は用意しておりませんので、公共交通機関をご利用ください。 ▼画像クリックでPDFが開きます。 【問い合わせ先】 畿央大学 助産学専攻科 中居由美子 Tel: 0745-54-1601 E-mail: y.nakai@kio.ac.jp
2019.08.07
初めてとなる「マタニティ・カフェ」を開催しました。~助産学専攻科
畿央大学助産学専攻科は今年で開設8年目となり、これまで52名の助産師を育成してまいりました。本学専攻科の教育の特徴の一つは、入学時に学生が描いた理想の“めざす助産師像”に、近づくために自己と他者を理解しながら、自らの助産師としてのアイデンティティを一歩一歩育んでいくことを大切にしていることです。 この度、7月13日(土)に妊婦さんに絶大な支持を得ている助産師の国際医療福祉大学大学院 助産学分野教授 佐藤香代先生をお招きして「世にも珍しいマザークラス」の講演をしていただきました。また、学部長の産婦人科医の植田政嗣教授には、「妊娠中のホルモンの不思議」をお話していただき、最後は、妊婦さんと家族の方々が語り会える場として、カフェしながら何でもトークの時間をもちました。 今回のマタニティカフェは、助産学専攻科の学生が4月から話し合いを重ねて会場設営、環境づくりをしました。以下、参加学生の声も交えながら当日の様子をレポートします。 マタニティ・カフェの準備・運営に携わった学生から 環境の影響を学び、飾りだけでなく、私たちも妊婦さんの環境の一部になるため、自分の言葉や態度に気をつけていきたいと思いました。(学生 大賀 彩香) ▼助産学専攻科教務主任の中居由美子准教授からのご挨拶 【第1部】講演「妊娠中のホルモンの不思議」 講師:植田正嗣先生(健康科学部長・健康科学研究科長 畿央大学教授) 「妊娠中のホルモンの不思議」を受講して 入学当初は、何もわからないまま作業をしていましたが、学びが進むにつれて、ポジティブになるには、妊婦に起こっている現状を受け止め、その現状は妊婦が持っている素晴らしい力であると捉えるようにすることが大切であると考えるようになりました。当日、妊婦さんの反応から本当に頑張ってきて良かったと感じました。(学生 田中 魅紅) 【第2部】講演「世にも珍しいマザークラス」 講師:助産師 佐藤香代先生(国際医療福祉大学大学院 助産学分野教授) 「世にも珍しいマザークラス」を受講して みんなで「妊婦さんのための何ができるのか」を考えていくことがとても楽しかったです。エレベーターから教室までは表情もかたく「緊張します」とおっしゃっていた方が、マタニティカフェの終わりでは「今日は楽しかった。来てよかった」と言ってくださり、内容・交流・環境の大切さを学びました。(学生 佐田 聖奈) 佐藤先生の講義を受けて、助産師の役割は、女性の持つ力を最大限に発揮できるように導くことであると学び、参加してくださった妊婦さんが今後のマタニティライフ、出産、育児が幸せなものになってほしいと改めて思いました。(学生 西原 真弥) ▶イラスト作成に携わった学生のコメント 胎児はお腹にいるときからメッセージを伝えていることをイラストで示し、学生からのメッセージはマタニティカフェを楽しみにしていたことや温かく迎える姿勢をひまわり畑に想いを込めて表現しました。相談しやすい雰囲気をつくることも環境の一つなので、対象に寄り添う気持ちを忘れず助産師像に向けて頑張りたいと思います。(学生 谷田 佳世) 【第3部】カフェをしながら何でもトーク マタニティ・カフェを終えて 妊娠をポジティブにとらえることができる環境づくりとは何かを常にみんなで話し合い進めて行きました。こだわればこだわるほど自己満足になっていないか不安になり、当日を迎えましたが、妊婦さんやご家族が喜んでくださる姿を見てとても嬉しくその時の笑顔が忘れられない素敵な光景となりました。(学生 原 茅穂) マタニティカフェのイメージが全くつかないところからスタートしましたが、学びが進むにつれて、カフェに来て下さる妊婦さんやご家族さんを想像しながら環境を作ることが楽しく、わくわくしてきました。当日、妊婦さんとご家族さんの生の声を聞くことができ、よりマタニティライフをイメージすることができ、楽しさや幸せを感じました。(学生 塩崎 萌) マタニティカフェを通じて、妊婦さんが主体的に交流を行い、お互いに情報交換をし、不安なことを質問して問題解決しながら笑顔になっていく姿を見てとても嬉しく感じました。(学生 岡野 葵) 雨の中参加してくださった妊婦さんとそのご家族の方がポジティブに喜びに満ち溢れたマタニティライフ・出産・育児になる一つの経験になれたらよいと思います。(学生 高田 咲貴) 妊婦さん同士の交流から自分自身を振り返り学ぶことが多く、自分の表情なども環境を作る一部なのだと感じました。帰って行かれる妊婦さんたちがとても素敵な表情をされていたのが印象に残っています。(学生 岸 奈生) ▼参加された皆様と記念写真 【佐藤 香代 先生からのメッセージ】 妊婦さんへ 身体に備わる智慧と赤ちゃんの力を信じて、油の海と青い海を泳いでください。素敵な出産のご報告、お待ちしています! お父さんへ 講演の後は、皆さん輝いていましたよ!やっぱり世界を変えるのはパパですね! 助産師学生さんへ 素晴らしい環境づくりをありがとう。皆さんの笑顔と妊婦さんを大切に想う気持ちが伝わって、とても素敵な会になりました。本物の助産師めざして、頑張れ! 今回、マタニティカフェに参加した学生は、佐藤香代先生が活動されておられる「身体感覚活性化(世にも珍しい)マザークラス」の趣旨を学習し、妊婦さんが妊娠をポジティブにとらえることができる環境とは何かを研究し環境づくりに取り組みました。妊婦さんとご家族の方からの、お話を直に聞かせていただくことで、女性の素晴らしさ、家族の優しさを実感し、めざす助産師像が広がったようです。 この会に参加していただきました妊産婦さんとそのご家族の方々に深く感謝申し上げます。これからのマタニティライフが素敵な日々であることを願い、お子さまの誕生を心待ちにしております。ありがとうございました。 助産学専攻科教員 中居由美子 戸田千枝 上原麻利
2019.08.06
熟練助産師に学ぶ!側方介助と肩甲難産時の分娩介助~助産学専攻科
令和元年7月4日(木)に外部講師の江口美智子先生をお招きし、「側方介助と肩甲難産時の分娩介助」を教わりました。江口先生は、大阪の産婦人科病院の師長をされており、経験された分娩介助件数は2500件以上にのぼります。今回は、江口先生のキャリアの中で工夫されてきた分娩介助の方法を教えていただきました。 私たちは分娩介助を始めたばかりで、応用のイメージがまだついていませんでした。児と産婦の安全を一番に考え、介助の手技1つ1つに根拠を持つことが大切であるとわかりました。また、安全・安楽に分娩介助をするためには、腰を十分に落として手に力がかかるように考えていく必要があると学びました。 演習の中で、産婦さんが努責や呼吸法をコントロールできない際の分娩介助を行いました。最初は、私たちの今の力では児の娩出をコントロールできず、出てくるスピードに驚きました。児の娩出をコントロールするためには、両手の調和を考え、児を安全に娩出することが大切であると学びました。 私たちはまだ分娩介助の練習が始まった段階であり、イメージがつきにくかった部分もありましたが、今回の演習を受けて基礎的な技術を身に付け、応用にも臨機応変に対応できるように日々練習を積み重ね、安全で安楽な分娩介助ができるように頑張っていきたいと思います。 最後になりましたが、江口先生、臨床から参加いただきました木内助産師、安住助産師、ご指導いただきありがとうございました。 助産学専攻科8期生 田中魅紅・谷田佳世 【関連記事】 外部講師に学ぶ分娩介助「安産にむけての準備とケア」~助産学専攻科 「周産期災害演習」を実施!~助産学専攻科 熟練助産師による分娩介助の特別講演!~助産学専攻科 フリースタイル分娩を学びました!~助産学専攻科