公開講座の新着情報一覧
2013.08.27
開学10周年記念 理学療法特別講演会を開催しました。
8月24日(土)畿央大学開学10周年記念事業の1つとして理学療法学科主催による「特別講演会」と「シンポジウム」を開催しました。 特別講演会では松田暉先生をお招きして「プロフェッショナルとしての理学療法士への処方箋」と題しお話して頂きました。松田暉先生は大阪大学名誉教授および東宝塚さとう病院名誉院長であり、大阪大学医学部附属病院長そして兵庫医療大学長を歴任されており、長く医学および教育分野で活動されています。また、我が国の臓器移植の第一人者でもあり、臨床医としても第一線でご活躍され続けている先生でもあります。 講演内容は、我が国の臓器移植の歴史と現状と理学療法士を中心としたリハビリテーションチームの重要性、そして専門職としての生涯教育についてのお話でした。臓器移植とリハビリテーションでは、臓器移植は1つの治療であり、移植患者の機能回復そしてQOL向上には理学療法士による専門的な関わりが必要不可欠であることを強く示唆して頂きました。今後、畿央大学の卒業生からもこの分野で専門性を発揮してくれる理学療法士が増えてくれればと期待しながら拝聴しました。 生涯教育については、チーム医療の重要性から、我が国における理学療法士の専門制度に対して、医師の教育制度そしてアメリカおよびカナダの理学療法士教育制度を取り上げながら今後の方向性を示して頂きました。プロフェッショナルには科学的知識・技術の修得および教育はもちろん、コミュニケーションなどを含めた人間性の向上も指摘されていました。さらに、専門職としての社会的信頼についても示唆を頂き、理学療法士の職業団体としての方向性も示して頂けました。 最後には本学の建学の精神「徳をのばす・知をみがく・美をつくる」にも触れ、この精神を持ち続けることがプロフェッショナルへの道であると心強いメッセージを投げかけて頂きました。 松田先生ご自身も理学療法を経験されているからか、それとも先生のお人柄なのか、単なる医師から理学療法士への提言というよりも、人生の偉大な先人から、現代そして将来の理学療法士に向かって熱く語られているような感覚でした。 午後からは「理学療法士としての道を拓く」と題して、卒業生によるシンポジウムを開催しました。 1期生から6期生まで合計8名のシンポジストを壇上に迎え、1期生の三ツ川さんの司会で進められました。まずは、三ツ川さんから日本の人口未来として総人口の減少と高齢人口の増加、そして今後予想される理学療法士の供給過多と高齢化が提示され、プロフェッショナルとして理学療法士の今後についての問題提起がなされました。続いて、1期生の千賀さんから新たな職域としてチーム医療の中の「コーディネーター」としての可能性が提案され、6期生の上田さんからは介護職の方々への介助指導や腰痛予防などサポートとしての役割が提案されました。 この内容を受け、シンポジウムでは患者のQOL向上のために、患者さんにしっかり向き合うことはもちろん、医療・保健分野だけでなくさまざまな分野にて患者さんを支える関係者とのパイプ役としての可能性について議論されました。フロアの卒業生からも意見が出され、本当に畿央大学の卒業生は、患者のQOLを考えた理学療法を心がけ、そしてその理学療法の先を見据えていることがわかりました。 講演会とシンポジウムは1回生から4回生までの学部生も参加しました。1・2回生は自分の中に落とし込めない内容もあったと思いますが、「畿央大学の先輩はプロフェッショナルな理学療法士として、熱く真剣に向き合っている」ということが感じ取れ、3・4回生は話の内容も理解でき、改めて理学療法士の専門性と可能性を再認識できたようです。 理学療法特別講演会は、リカレント教育として同窓会が主催し、毎年行われています。今年は畿央大学開学10周年事業の一環として行い、講演会とシンポジウムの間に卒業生のみで懇親会を開きました。1期生から7期生の卒業生約70名と教員とで昼食を取りながら、懐かしい思い出を語り合いあっと言う間に時間が過ぎてしまいました。卒業生も7年分であり、「初めまして」の挨拶から始まったりと、畿央大学も10年という歴史を刻んだことが実感できました。 最後になりましたが、シンポジストのみなさん、そして司会の三ツ川さん、本当にご苦労様でした。また、講演会から懇親会、そしてシンポジウムと、運営に携わって頂いたみなさんも本当にありがとうございました。
2013.08.20
畿央大学現代教育研究所 「学びを結ぶ」ワークショップを開催しました。
2013.08.19
2013年度教職員のための夏の公開講座を開講しました。
所属学校の夏休みに教員自身が自己研鑽するための任意参加講座に多くの先生が参加しました。 この講座は、奈良県教育研究所の依頼に基づいて、先生方に子どもたちが夏休みの間に知識を深め、得意分野をさらに伸ばしていただくことを目的に受講していただく講座です。 2013(平成25)年8月16日(金)午前と午後に、奈良県下の教職員を対象として開講しました。 午前の部は、畿央大学健康科学部理学療法学科准教授の冷水誠先生による『意欲的な学習を生み出すための報酬~報酬による学習「強化学習」の神経科学的見地~』。 ひと口に「記憶」といってもいろいろな種類の記憶があります。子どもの頃の思い出や昨夜の夕食献立、テレビや映画の1シーンなどが人間の脳のどこに納められるのか。人にとっての「報酬」とは金銭だけで片付けられるわけではなく、他人から信頼を勝ち得る社会的報酬(褒める、認める、アイコンタクト)などが動機付けとなって学習の強化が図られます。 理学療法学科神経(ニューロ)リハビリテーションの研究者として活躍されている冷水先生からは、記憶―学習―脳の関係から効果的な学習・勉強方法とは、という内容の講義をしていただき、参加された40数名の受講者のみなさんも納得されていました。 午後の部は、畿央大学教育学部現代教育学科講師の八木義仁先生のよる『小学校国語科 読解指導の進め方』。 小学校教員として長年教育の現場におられた八木先生の経験から、教材研究、指導計画、学年別の授業内容展開についてどうすればよいか具体的な指針が話されました。若い先生方に国語の授業の進め方に自信を持って頂きたいとの思いが込められていました。 音読、物語、説明文、視写についての読み解き方のポイントについてもお話していただき、講義終了後も受講者からの質問に丁寧に答えていただきました。 受講者アンケートからも「指導の土台となるところをご教示いただき、さっそく2学期からの授業にとりいれたい」と、先生方のモチベーションとスキルアップにつながったことが伺える意見が多く見られました。
2013.08.08
運動器リハビリテーションセミナー2013応用編を開催しました。
8月4日(日)、畿央大学運動器リハビリテーションセミナー<応用編>を開催しました。 暑い日にも関わらず、朝から大勢の方々にお集まりいただきました。 今回は<基礎編>で学んだ基礎的知識をもとに基本的な運動療法に活かすための<応用編>でした。 ▲1限目はセミナー代表の福本先生による「運動器リハのためのバイオメカニクスの基礎と最新知見」について。 体と動きは合目的的にできていることをバイオメカニクスの視点や物理学の視点からお話しいただきました。朝から非常に濃い内容でした。やはり、人間の身体って何事においても美しいですね! ▲2限目は「筋力強化の基礎と最新知見」について、今北先生と瓜谷先生による講演がありました。 今北先生は昨年からノースカロライナ州(アメリカ)に滞在されておりますが・・・今回はスカイプを使っての生ライブ授業でした! 時差は13時間!なので、こちら(日本)は朝の11時でしたが、アメリカは夜の10時・・・にも関わらず今北先生はいつも通りのテンションでお話しされました。ライブ授業は通常のものと何も変わりなく、先生はサルコペニアと筋ジストロフィー症について、昨年の続きをお話しされました。基礎系の分野の病態研究によって、新しい理学療法が開発されることには非常に興味深さを感じました。 そして、瓜谷先生による臨床での筋力強化に関するお話がありました。臨床に必要な考え方や知識についてお話いただき、その中から股関節に対して新たな治療方法が一つ増えました! ▲昼食後の3限目は瓜谷先生による「関節モビライゼーションの基礎と最新知見」について。 理学療法士がアプローチしなければならない、関節・軟部組織の診断治療について学生時代に少し学んだことの復習から、現在までになされている研究発表をもとにした幅広い内容でありました。実際に先生が臨床で行なっておられる方法も、骨模型を用いて説明されました。すぐに臨床に活かすことができそう・・・と思いつつも、まだまだ勉強不足なことも再認識しました。 最後に、4限目は修士課程修了生の粕渕先生と修士課程の唄さんから「ROMエクササイズの基礎と最新知見」についてお話していただきました。拘縮・筋収縮(筋スパズム)の病態の基礎的な知識から、臨床応用として治療としてどのように行えば良いのか、ということを、また、生体内の運動により近い関節運動を導くために、関節の3次元動作解析に関する最新の知見のお話もありました。 今回の<応用編>は臨床に結び付けるための、手助けといった内容が多かったのではないかと思います。 このセミナーで学んだことをすぐに患者様へ還元していってください。 ご参加いただいた皆様ありがとうございました! なお、<臨床編>は現在も申込受付中です。次は臨床編でお会いしましょう!
2013.07.30
第8回パッククッキング講習会を開催しました。
男の手料理をめざす!?男性参加者が急増しています! 今回で8回目となるパッククッキング講習会(指導教員:健康栄養学科浅野恭代教授、協力学生5名)が2013(平成25)年7月27日、受講者数は過去最多の53名を集めて開催されました。 「パッククッキング」とは、火を使わない真空調理の家庭版で、材料をポリエチレン袋に密封して電気ポットで調理する方法です。 焦がすことなく、煮くずれもしにくく、一人分のお粥やおかずを同時に作ることができ、また介護をしながら、掃除をしながら、他の作業をしながら調理ができます。 そんな便利さもあって53名中8名が男性、10代2名~70代7名、80代2名(2名とも男性)と幅広い年齢層の参加者でふだんから台所に立って調理されているのか包丁さばきが板についている男性の方がたくさんおられました。 作り出す前にパッククッキングする場合の注意事項の説明がありました。 ①ポリエチレン袋(ビニール袋は絶対に使用しない。)を必ず1枚で使用、(2枚にすると間に空気が入る) ②油脂の使用はなるべく少量で、みりんや酒はあらかじめ煮切っておく。 ③ポットのお湯は容量の3分の1程度とする。 ④ポリ袋は水につけて空気を極力出して(真空状態を作り)根元を結ぶ。 ⑤電気ポットに入れ用途に合わせて時間設定する。注意事項を守らないと事故の元となりますが、逆に基本さえ覚えておけばお家で作るどのよう具材にも応用できることになります。 このパッククッキングでは毎回5~6品を作りますのでレシピ数も年々充実してきています。 今回のメニューは ①しょうがご飯 ②鶏肉のアスパラ包み焼き ③蛸のやわらか煮 ④おからの炒り煮 の4種で、夏らしいさっぱり感いっぱいのメニューです。 受講申込者53名は年齢・性別・住所など異なる任意の9つのグループに分けられ、調理していきますので、まったく知らない方も協同作業を通して親しくなっていきます。なんといっても自分で作ったお料理を食べる、それもみんなで一緒に楽しく食べる、というのがこのパッククッキング講習会の魅力です。 みなさんも次回はぜひこの講習会にご参加ください。お待ちしております。
2013.07.29
第7回冬木学園教育推進プロジェクト(FEP)ホール企画『ソン・ソルナム フルート演奏会』を開催しました。
日本と韓国、そして世界で活躍中のフルート奏者ソン・ソルナムさんの繊細な音色に感動! 2013(平成25)年7月27日畿央大学冬木記念ホールにおいて、韓国のフルート演奏の第一人者であり、「イ・サン」、「トンイ」、「ホ・ジュン」などの韓流ドラマのテーマ曲や挿入歌を演奏されたソン・ソルナムさんをお招きしてフルート演奏会を開催しました。この日参加していただいた地域の方々は約500名で、会場ホール定員500名を超す希望者があり7月初旬には満員御礼となりました。 ソン・ソルナムさんは、アメリカのカーネギーホール、リンカーンセンターでの演奏を経験、2011年3月の東日本大震災以降、東北の被災地の避難場所や仮設住宅で70回以上のボランティアコンサートを開催されています。また、2012年日本国際飢餓対策機構の親善大使になられ精力的な演奏活動を展開されています。 冬木記念ホール受付では、開場13時30分にはすでに長蛇の列ができ、受付整理券、座席指定券をお渡しして入場していただきました。2003年NHK韓国ドラマ「冬のソナタ」が火を付けた韓流ブームは10年経った今も変わらない人気の現れです。 畿央大学も今年で開学10周年の節目を迎え、その記念事業の一環、地域社会貢献イベントとしての開催となりました。 ソン・ソルナムさんは小さい頃に韓国からアメリカに渡って奨学生となるほどの才能を見出され、一流のフルート奏者への道を歩まれました。流暢な英語を話されますが日本語は片言であるため、グレース宣教会香芝チャペルの金牧師に通訳をしていただきました。演奏の合間のトークではソンさんの幼い頃、奨学生時代の頃、韓国に戻られてからの演奏活動や東日本大震災時に多くの外国人が日本を離れ自国に戻っていったにも拘らず何度も何度も福島でチャリティーコンサートを続け、現地の方々に心の復興支援をしていただいたことなどを語っていただき、感銘を受けました。 この日ソン・ソルナムさんが演奏してくださった曲は 1. ネッラ・ファンタジア 映画「ミッション」の挿入曲 2. ホームタウン 3. 約束「韓国ドラマ『イ・サン』挿入曲 4. 故郷 5. 蓮の花の愛 6. フォローミー 7. 松の木 アンコール曲 クリスマスソング ですが、曲に応じて、また同じ曲の中でも場面に応じて 7本の笛を吹き分けて、情緒豊な音色を披露していただき ました。その技術は一流、さすが世界的な奏者といわれると感心させられましたが、なによりも曲そのものにソンさんの魂、情熱がほとばしっていましたのがひしひしと感じられました。 最後に本イベントのボランティアスタッフとして参加してくれた看護医療学科3回生池田実璃さんから感謝の気持ちを込めて花束を贈呈していただきました。 公演後のサイン会でも長蛇の列、人だかりが絶えず、握手と写真撮影に気軽に応じていただきました。 ソンさんは日本国際飢餓対策機構の親善大使を務められていることから、香芝チャペル金牧師はじめ同機構より音響・照明関係の多くのスタッフの方々にもご協力していただきました。心から感謝申し上げます。 ▼最後に、ソンさんと学生ボランティアスタッフで記念撮影!
2013.07.22
第5回やまとフォーラム(夏の公開講座)を開催します。
夏の公開講座「やまとフォーラム」を開催します! 学校法人冬木学園は地域の文化交流の要となり、その発展に貢献することをめざしています。やまとフォーラムでは、畿央大学をはじめ冬木学園各校の教員とともに、地域の実社会で活躍されている方たちを講師に招いて14の講座を開講いたします。基調講演を含めてお一人様3講座にご参加いただけます。もちろん、参加費は無料です。 日時 2013(平成25)年9月1日(日) 受付12:30~ 基調講演開会13:00~ 会場 畿央大学 プログラム ご挨拶 13:00~13:20基調講演 13:20~14:20 講師:坂本 信幸 (高岡市万葉歴史館 館長) テーマ:「葛城の万葉歌と大伯皇女の歌」 公開講座Ⅰ限目 14:40~15:40公開講座Ⅱ限目 16:00~17:00 各講座の内容の詳細は、こちら 当日参加も可能ですので、 受付までお越しください。 ※Ⅰ限目に7講座、Ⅱ限目に6講座を開講します。 Ⅰ限目から、Ⅱ限目からの参加もできます。 ※参加される方は、お申込みの上、 直接会場にお越し下さい。 (公共交通機関をご利用ください) クリックで拡大します。→
2013.07.16
開学10周年記念 臨床栄養シンポジウム(健康栄養学科企画)を開催しました。
7月7日(日)畿央大学開学10周年記念事業(健康栄養学科企画)として、健康栄養学科の卒業生活動報告会、臨床栄養シンポジウム及び情報交換会を開催し、延べ500人が参加しました。 第1部の「卒業生活動報告会」では、食品、栄養教諭、スポーツクラブ、ドラッグストア、委託給食、病院、福祉施設などの分野で活躍している卒業生から、仕事への取り組みなどについて報告していただきました。 第2部の「臨床栄養シンポジウムでは、まず伊賀市立上野総合市民病院長の三木先生に「がん治療における栄養サポート:悪液質制御の重要性」というテーマで講演をしていただきました。 その後、三木先生を含む5人の医療関係の先生方により「①各病院でのNSTの取り組みについて ②これからの管理栄養士に求められることについて」というテーマでパネルディスカッションをしていただきました。 引き続いて、第3部の「情報交換会」は地下食堂で行われ、冬木副学長よりご挨拶をいただき、和やかな雰囲気の中、参加してくださった来賓の方々をはじめ、1~7期までの卒業生と、3回生、4回生が食事をとりながら、交流を深めました。 参加した学生は、「管理栄養士の働き方について知らないことがたくさんあり、とても勉強になりました。臨床栄養に興味を持ったので、臨地実習で病院に行き学べるのが楽しみです。」と話してくれました。 また、「管理栄養士に求められることが栄養の知識だけでなく、医療やマネジメントについての知識もあるという事を知り、在学中だけでなく、卒業してからも勉強していくことが大切だとわかりました。」と決意を話してくれた学生もいました。 久しぶりに学校に戻ってきた卒業生たちが、今回の学科企画で得たものをぜひこれからの仕事に、研究に生かしてくれることを期待しています。 また、今回の学科企画を通して、将来のことを見つめ、考え、なりたい自分に近づいて行こうとしている学生を見ると、もっと応援してやりたい気持ちになりました。頑張れ! ご参加いただいた先生方、卒業生、学生、ご協力いただいた教職員、学生スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
2013.07.04
開学10周年記念 教育学部シンポジウムを開催しました。
6月29日(土)13:00から、畿央大学開学10周年記念事業の一環として、教育学部のシンポジウム「21世紀を生き抜く子どもの学力形成」を開催しました。 文部科学省は、21世紀の現代社会は激動し、知識が社会や経済を動かす「知識基盤社会」の時代が到来している、と捉えています。この知識基盤社会で教育者としてどのように子どもたちにその能力を育て、学力を形成すれば良いのか、という未来へのあり方を探るために、学力形成について第一線でご活躍中の先生方をお招きしてシンポジウムが行われました。 最初に冬木智子学長が、たゆまぬ熱い教育への思いについての開会挨拶をされました。 続いて、白石裕教育学部長が、「創造的な生きる力の根源には学力があり、生きる力を育てることで子どもたちの未来を明るいものにしたい」と、このシンポジウムの目的と講師を紹介されました。 その後の基調講演では、名古屋大学名誉教授の安彦忠彦先生が、「人類レベルでの生存・持続発展が必要な時代となった21世紀において、学力は発達を達成するための部分・手段であり、人格の発達が全体・目的である。」「人格形成ならびに読み書きなどの基礎的学力が基本(不易)であり、時代や社会の移り変わりによって変化する応用部分の学力(流行)については、各自が自由に個性を発展させることが出来るように伸ばすことが大切である。」と人格形成を大切にする学力観を展開されました。 その後、3人のシンポジストの先生方からそれぞれ提言をいただきました。京都大学の松下佳代教授は、「学力は単なる知識・技能ではなく人格的要素にまで繋がる能力のひとつであり、能力を対象世界・他者・自己の3つの軸で捉えて、これらが含まれる学習活動を通して学力を形成することが必要である。特に、中心教科・言語活動だけでなく、様々な教科を通した多様な個性への気づきや教科内容の深い理解が重要である。」と説明されました。 続いて、民間塾の立場から見た現在の子どもの学習課題として、学研エデュケーショナルの青木聡教務部長は、タブレット端末を使ったICT学習により子どもたちの学力が大きく変化した例を示し、「紙のプリント教材とデジタル教材双方の良さを認めつつ、双方の連携を図ることが子どもの学力を育てる上で大切である。」と意見を述べられました。 本学の西端律子教授は、本学卒業生で斑鳩町立斑鳩東小学校(奈良県)の北口克也教諭の授業実践の映像を例示し、「昨今の教育環境の変化に伴い、ICTを使った教育方法が有効である。」と解説され、「これらの機器を使う前提として教師本人の授業力が必要である。」ことも強調されました。 質疑応答では会場の参加者から4人の先生方に活発な質問が出され、先生方も熱心に答えてくださいました。このシンポジウムは、地域の先生方を含む一般の方、卒業生だけでなく本学学生も加わっての参加者250名以上の盛況で、共に子どもの学力形成について考えるという10周年を記念する有意義なひと時となりました。 シンポジウム後の情報交換会は安井義和現代教育学科長のお礼の言葉で和やかに始まり、参加者がシンポジストの先生方を囲んで直接にお話を伺う実り多い時間を過ごすことが出来ました。 シンポジウムに関するアンケートでは参加者の満足度は高く、一般の方々も80%以上の方が、得るものがあったと回答を寄せてくださいました。 教育学部は、今後とも、子どもの教育について現場の先生方や地域の皆様とともに考え、研究し、学生を育て、情報を発信していくことをめざして活動していきます。
2013.07.03
8月8日(木)現代教育研究所主催「学びを結ぶ」ワークショップのご案内
この度、畿央大学現代教育研究所では、教育現場の先生方に活用していただくという設立趣旨に基づき、ワークショップを実施いたします。 参加される先生方には、「学びを結ぶ」をテーマに実践や討議に取り組んでいただくことで、教育現場に共通する課題の解決の一助として生かしていただければ幸いです。 また、合わせてワークショップ終了後には、日頃の教育に関する思いや悩み等を共有していただく交流会を計画しております。夏季の研修として多くの方々にご参加いただけることを期待しております。 今後とも、本学並びに現代教育研究所の活動へのご理解・ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 「学びを結ぶ」ワークショップ案内チラシPDF 日 時 平成25年8月8日(木) 13時00分~17時25分 (交流会 17時30分~19時30分) 場 所 畿央大学 テーマ 「学びを結ぶ」ワークショップ 内 容 ワークショップ1: 「つくる」活動で学びを結ぶ 【小学校教員対象】 理科と図工科における基礎的な知識・技能の修得とその活用 ワークショップ2: 「ICT」で学びを結ぶ 【全校園教員対象】 各教科等におけるICTの活用 ワークショップ3: 「想い」を語り、つながりを結ぶ 【全校園教員対象】 特別支援教育の充実 ※ 上記3つのワークショップより、2つにご参加いただきます。 後 援 奈良県教育委員会,宇陀市教育委員会,香芝市教育委員会,大和高田市教育委員会, 安堵町教育委員 会,奈良市教育委員会,斑鳩町教育委員会,上牧町教育委員会, 広陵町教育委員会,田原本町教育委員会 参加費 ワークショップ・交流会とも無料 参加申込方法 本ウエブサイトからチラシをダウンロードしていただき、「お申し込み票」に必要事項をご記入の上、 FAX(0745-54-1600)で送信して頂くか,直接メール(rime@kio.ac.jp)にて下記必要事項を記入 してお申し込みください。 ①お名前(ふりがな) ②参加希望のワークショップ(第1希望・第2希望) ③勤務先 ④ご住所 ⑤ご連絡先 ⑥メールアドレス ⑦交流会参加の有無 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 畿央大学総務部 畿央大学現代教育研究所ワークショップ係宛て FAX: 0745-54-1600 E-mail: rime@kio.ac.jp お問合わせ 畿央大学現代教育研究所 (受付担当:総務部) TEL: 0745-54-1602 ※個人情報については,当ワークショップの受付整理以外には使用いたしません ▼案内チラシ(クリックして拡大)