2023年の理学療法学科の新着情報一覧
2023.06.11
大学院生が「第33回岐阜県理学療法学会学術集会」で奨励賞に選出!~健康科学研究科
2023年6月11日(日)に岐阜県大垣市情報工房で第33回岐阜県理学療法学会学術集会が開催されました。 瓜谷研究室から、私(山藤 滉己:修士課程2年)が口述発表を行いました。 本学会は約250~300名程度が参加し、基礎研究・症例報告・観察研究等の幅広い発表内容が報告されました。 今回、私は「人工膝関節置換術術後患者における術前の運動恐怖と退院時の身体機能の関係」という研究内容を報告し、その内容が奨励賞に選出されました。 本研究のテーマは、人工膝関節置換術後患者の術前の運動恐怖が退院時の身体機能と関係があるのか?ということです。今回の結果から術前に運動恐怖が強い場合、退院時の歩行能力が低下しており、術前のリハビリテーションの際に運動恐怖を低下させる介入の必要性が示唆されました。 数ある演題の中から、奨励賞に選出していただき、大変嬉しく思います。 今後も変形性膝関節症・人工膝関節置換術術後患者さんの心理社会的側面に関するリハビリテーション介入の一助となるよう研究活動・臨床に取り組んでいきたいと思います。 【口述発表】 山藤 滉己(セレクション演題) 「人工膝関節置換術術後患者における術前の運動恐怖と退院時の身体機能の関係」 最後になりましたが、今回の発表にあたりご指導いただきました瓜谷大輔准教授、予演会にお付き合いして下さった瓜谷研究室の皆様、研究データ収集を手伝ってくださった社団医療法人かなめ会山内ホスピタルリハビリテーション部の皆様に深く感謝申し上げます。 健康科学研究科運動器リハビリテーション学研究室 修士課程2年 山藤 滉己 【関連記事】 瓜谷准教授の研究成果が2年連続で学会表彰されました!~健康科学研究科 「第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会」に教員・大学院生が参加!~健康科学研究科 変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員
2023.06.02
脳卒中患者の不整地歩行の特徴ー生体力学的パラメータと筋活動の変化~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
脳卒中患者は、中枢神経系の損傷によりさまざまな歩行障害を有します。特に、不整地を含む屋外の地域社会での歩行は困難となる場合があり、結果として社会参加が妨げられ、生活の質に不利益をもたらします。畿央大学大学院博士後期課程 乾 康浩 氏 と 森岡 周 教授ら は、脳卒中患者の不整地歩行の特徴を検証しました。脳卒中患者は不整地歩行中に、歩行安定性の低下、立脚期の股関節最大伸展角度の低下、遊脚期のヒラメ筋活動時間の増加を示すことを明らかにしました。この研究成果はGait and Posture誌(Characteristics of uneven surface walking in stroke patients: Modification in biomechanical parameters and muscle activity)に掲載されています。 研究概要 脳卒中患者は、中枢神経系の損傷により歩行障害を有し、屋外の地域社会での歩行が困難になります。これは、社会参加を妨げ、生活の質の低下にもつながります。屋外環境のなかでも、不整地は摂動の予測が困難であり、適応性が低下した脳卒中患者では特に難しくなることが予想されます。そのため、リハビリテーション専門家にとって、脳卒中患者の不整地歩行の特徴を捉えることは必要です。一方で、現在までに、脳卒中患者が人工芝を歩行する際の変化は検証されているが、予測困難な摂動が生じる不整地での特徴を検証した報告は見当たりません。畿央大学大学院 博士後期課程 乾 康浩 氏、森岡 周 教授ら の研究チームは、予測困難な摂動が生じる不整地路を作製し、脳卒中患者の不整地歩行中の歩行速度、体幹の加速度、麻痺側の関節運動、および筋活動の特徴を分析しました。その結果、脳卒中患者は不整地歩行中に、歩行安定性の低下、立脚期の股関節伸展低下、遊脚期のヒラメ筋活動時間増加を示すことを明らかにしました。本研究は、健常者と比較した脳卒中患者の予測困難な摂動が生じる不整地歩行中の特徴を明らかにした初めての研究です。 本研究のポイント ■ 脳卒中患者の不整地歩行の特徴を自作の不整地路を用いて評価した。 ■ 脳卒中患者は、不整地歩行中に安定性の低下、立脚期股関節伸展の低下、遊脚期ヒラメ筋活動時間の増大を示すことが明らかとなった。 研究内容 脳卒中患者は、中枢神経系の損傷により歩行障害を有し、屋外の地域社会での歩行が困難になります。これは、社会参加を妨げ、生活の質の低下にもつながります。屋外環境のなかでも、不整地は摂動の予測が困難であり、適応性が低下した脳卒中患者では特に難しくなることが予想されます。そのため、リハビリテーション専門家にとって、脳卒中患者の不整地歩行の特徴を捉えることは必要です。本研究では、予測困難な摂動が生じる不整地での脳卒中患者の特徴を調べることを目的とし、自作の不整地路(図1)を用いて年齢を一致させた健常高齢者との違いを検証しました。 図1.作成した不整地路 © 2023 Yasuhiro Inui 実験中、歩行速度、歩行安定性を評価するための立脚期と遊脚期に分けた3軸の体幹の加速度のRoot Mean Square、麻痺側下肢の最大関節角度、麻痺側下肢の立脚期と遊脚期に分けた平均筋活動および筋活動時間を測定しました。その結果、歩行速度は健常者と違いは見られないものの、歩行安定性は立脚期と遊脚期のすべての軸において脳卒中患者で低下していました。さらに、脳卒中患者の特徴として、立脚期股関節伸展角度の低下、遊脚期ヒラメ筋活動時間の増大が見られました(図2)。 図2.平地および不整地歩行中の健常者と脳卒中患者の群×路面の交互作用の結果 (a) 左右軸方向の体幹加速度のroot mean square (RMS); (b) 立脚期の股関節最大伸展角度; (c) 遊脚期のヒラメ筋活動時間 研究グループは、この結果のうち、歩行安定性の低下と立脚期股関節伸展角度低下に関しては、不整地歩行中に運動制御が困難になった結果と考えています。一方で、遊脚期ヒラメ筋活動時間の増大に関しては、脳卒中患者の歩行時の衝撃吸収のための代償戦略であることが知られており、不整地で生じる大きな衝撃に対応するために代償戦略を強めたと考察しています。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、予測困難な摂動が生じる不整地での脳卒中患者の歩行の特徴を明らかにしており、リハビリテーション専門家が脳卒中患者の屋外歩行の問題を考える際に着目すべき点を示しています。今後は、脳卒中患者内での特徴の違いや縦断的な経過を調査する必要があります。 論文情報 Yasuhiro Inui, Naomichi Mizuta, Kazuki Hayashida, Yuki Nishi, Yuki Yamaguchi, Shu Morioka Characteristics of uneven surface walking in stroke patients: Modification in biomechanical parameters and muscle activity Gait and Posture ,2023 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 センター長/教授 森岡 周 博士後期課程 乾 康浩 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2023.06.01
大学院生が国際学会「ESOC2023」でポスター発表!〜健康科学研究科
2023年5月24日から26日にかけてドイツのミュンヘンで開催されたEuropean Stroke Organisation Conference 2023が開催されました。 本研究室からは、乾さん・古賀さん(博士後期課程)と、私(蓮井成仁 博士後期課程)が発表を行いました。 【発表演題】 乾 康浩 Factors associated with decreased gait speed on uneven surface in stroke patients (脳卒中患者における不整地での歩行速度低下に関連する因子) 古賀 優之 Characteristics of hemiplegic shoulder pain differ according to the extent of the pain site (片麻痺性肩痛の特徴は、痛みの部位の範囲によって異なる) 蓮井 成仁 Characteristics of gait in post-stroke patients during the rehabilitation process: a preliminary study using muscle synergy analysis (脳卒中患者のリハビリテーション過程における歩行特性:筋シナジー解析を用いた予備研究) 本学会は、脳卒中に関連した幅広い一般演題ならびにシンポジウムが設けられており、どの発表会場を訪れても非常に活発な議論がなされていました。 脳卒中後のリハビリテーションに関わる演題では、国をまたいだ多施設共同研究が多く示されており、その大規模データと結果には終始圧倒されました。また、未だに分析が難しい現象や症状に対して、介入効果の有無だけではなく、大規模な症例の長期にわたる縦断的な変化から介入の可能性を検討しようとされる姿には非常に感銘を受けました。 本研究室からは、1日目に古賀さんと私がそれぞれ脳卒中後の肩痛特性ならびに脳卒中の縦断的な歩行回復の特性について、2日目に乾さんが脳卒中後の不整地歩行についてポスター発表を行いました。質問には、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったセラピストだけではなく、医師にも多く来ていただき、発表時間があっという間に過ぎていく感覚を受けました。質問内容は建設的であり、さまざまな職種から新たな視点を頂戴することが多くあり、今後の課題として日々の研究活動ならびに臨床へ生かしていきたいと思いました。 最後になりましたが、このような貴重な経験ができたのは森岡周教授をはじめとする研究室の仲間のご指導と、畿央大学の手厚い支援があったからであり、ここに深く感謝申し上げます。 博士後期課程2年 蓮井成仁 【関連リンク】 理学療法学科 大学院 健康科学研究科 【関連記事】 大学院修了生のColumbia University留学に向けた壮行会を開催!~森岡研究室 森岡 周教授のコメント論文が「Physics of Life Reviews誌」に掲載されました~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 多くの理学療法士が購読する「理学療法ジャーナル」の特集を本学教員が企画!~理学療法学科・健康科学研究科 日本物理療法合同学術大会2023で大学院生が優秀賞を受賞!~健康科学研究科 第27回日本神経理学療法学会サテライトカンファレンス@畿央大学、開催レポート!
2023.05.23
【開学20周年記念】12/3(日)理学療法学科「PTの歩き方~PTが輝けるNew Spotを見つける旅~」を開催します。
本学科のほとんどの卒業生は、理学療法士として国内の医療・介護施設で働いていることと思います。一方、その資格を活かして多様な働き方で活躍している卒業生もいます。そこで今回、本学20周年企画として、起業家、政治家、機器開発、研究、そして海外の病院などで活躍している卒業生(5人)から、臨床以外の分野で道を切り開く際の具体的な方法、苦労、やりがいなどについて講演していただき、多様な働き方について学ぶ機会を設けました。是非、多くの卒業生、在学生の皆さんに参加していただき、これからの働き方の参考になればと思います。 ご家族(お子さま連れ)でも参加可能で、近くにキッズルームを準備して講演会を中継します。 なお、講演会の終了後に卒業生(大学院修了生を含む)を対象に懇親会を企画しています。ビンゴゲームではApple Watchやタブレット等の豪華賞品を用意しています。教員も多数参加予定ですので、奮ってご参加ください。 開催日 2023年12月3日(日) 内容 【第1部】 13:00~14:50 講演会「PTの歩き方 〜PTが輝けるNew Spotを見つける旅〜」 ※どなたでもご参加いただけます 中村 潤二氏(西大和リハビリテーション病院/1期生) 吉田 李沙氏(salon Fluffy代表/1期生) 上野 友也氏(サンライズジャパン病院:カンボジア/2期生) 中田 耕平氏(株式会社P5代表、津市議会議員/4期生) 吉村 和也氏(株式会社エクサウィザーズ/5期生) 【第2部】15:00~16:30 懇親会 ※懇親会については卒業生のみ(院修了生を含む)となりますので予めご了承ください 会場 講演会:畿央大学 P201教室 懇親会:R棟1F食堂 畿央カフェ「カトレア」 ※ご来場の際は、公共交通機関をご利用ください。 本学へのアクセス 対象 畿央大学卒業生・在学生、教員、一般の方 参加費 無料 申込方法 事前予約制です。申込フォームに必要事項を入力してお申し込みください。 申込フォーム 問合せ先 畿央大学20周年記念事業係 電話:0745-54-1601 E-mail:20th@kio.ac.jp 畿央大学開学20周年記念事業のご案内
2023.05.22
7/29(土)ニューロリハビリテーション研究センター主催「リハビリテーショントークセッション」を開催します。
2023.05.10
後期高齢者のフレイルはそのステージにより改善・悪化因子が異なる可能性~運動系社会参加活動の増加は前フレイルから健常への移行に寄与
後期高齢者における社会参加と地域への信頼がフレイル分類の移行に及ぼす影響:4年間の前向きコホート研究 75歳以上の高齢者(後期高齢者)において、フレイルは要介護の主要な危険因子とされています。フレイルの発生に対して防御的に働く要因には身体的要因(歩く速さ、筋力など)と社会的要因(社会活動、社会的支援など)の両方が挙げられています。我が国における定義ではフレイルは適切な介入により再び健常な状態へ戻るという「可逆性」が強調されていますが、後期高齢者におけるフレイルの可逆的な変化やステージの改善について調べた縦断研究はほとんどありません。 本学理学療法学科の高取克彦 教授、松本大輔 准教授は、後期高齢者のフレイル分類(フレイル・前フレイル・健常)の改善もしくは悪化に影響する「社会参加活動」と「地域への信頼度」について4年間の縦断調査を行いました。その結果、前フレイル状態からの健常への改善には運動系社会参加の増加(体操教室などへの参加)が影響すること、健常からフレイル状態への悪化には地域への信頼度の減少がリスク要因になること、また一度フレイル状態に陥ると、その後の改善率は非常に低く(図1)、社会参加活動の増加もフレイルからの改善に関連しない可能性を示しました。 この研究内容はBMJ open誌(IF:3.0)に掲載されました。 研究概要 A市在住の要介護認定を受けていない後期高齢者4,249名を4年間前向きに追跡調査し、社会参加活動(運動系社会参加、地縁系社会参加、運動を含まない趣味系社会参加、ボランティア系活動)の増減および地域への信頼度の増減とフレイルステージの変化との関連について検討しました。 本研究のポイント 後期高齢者の大規模コホートを対象に4年間のフレイルステージの移行を前向きに調査し、社会参加活動の変化とフレイルステージの移行との関係性を明らかにしたことです。 図1:4年間におけるフレイルステージの移行 調査開始時にフレイルであった参加者についてはステージ改善に有意に影響する社会参加活動はありませんでした。 調査開始時に前フレイル状態であった群は運動系社会参加の増加が健常状態への改善に関連し、地縁活動の減少が悪化への危険因子として認められました(図2)。 調査開始時に健常(ロバスト)であった群においては地縁活動の増加が改善に関連し地域への信頼の減少がフレイルへの危険因子として認められました(図3)。 図2:前フレイルから健常への回復因子とフレイルへの防御因子(多項ロジスティック回帰分析) 図3:健常からフレイルへの危険因子と防御因子(二項ロジスティック回帰分析) 本研究の意義 本研究は本邦で初めて後期高齢者の社会参加状況の変化とフレイルステージの移行との関連を調査したものになります。フレイルは可逆性を前提としていますが、一度フレイルに陥ると、そこからの脱却は容易ではありませんが、前フレイル状態においては体操教室などの運動系社会参加が再び健常な状態に戻る重要な役割を果たすものと考えられます。このことはフレイルに評価おいても早期発見、早期対処の重要性を示唆しています。またフレイル予防においては地域との繋がりが重要である事も確認することができました。 謝辞 研究にご協力いただきました市民の皆様、市担当課の方々に感謝申し上げます。 論文情報 Takatori K, Matsumoto D. Effects of social activity participation and trust in the community on the transition of frailty classification in late-stage older adults: a 4-year prospective cohort study. BMJ Open 2023;13:e072243. doi:10.1136/bmjopen-2023-072243 https://bmjopen.bmj.com/content/13/5/e072243 お問い合わせ先 畿央大学 健康科学部 理学療法学科 教授 高取克彦 k.takatori@kio.ac.jp 地域リハビリテーション研究室ホームページ
2023.05.09
急性期病院で勤務する理学療法士の魅力~理学療法学科 第7回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」
最前線で活躍する卒業生が講演! 第7回テーマは「急性期病院で勤務する理学療法士の魅力」 理学療法学科では昨年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。 リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。 他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。 4/14(金)今年度最初となる第7回は佐藤秀幸さん(4期生/甲南医療センター)を講師に迎え、「急性期病院で勤務する理学療法士の魅力」をテーマに講演いただきました。佐藤さんは卒業後地元和歌山県にある北出病院で急性期・回復期・生活期での理学療法士として勤務の後、大学院に進学し、臨床と研究を両立。他にもトレーナー活動や教員等の様々経験を積まれた後、専門性を高めるためスポーツ理学療法士を取得。そして更なる専門性を向上させるため、急性期病院かつスポーツ整形・スポーツドクターのいる現職へ転職されました。 講演では急性期病院の特徴や理学療法士としてできること、急性期におけるスポーツ理学療法について症例の写真や動画も交えてご紹介いただきました。 急性期病院は入院直後の期間に関わることが大半で、短期間で多くの症例数を発症初期から経験できることや、同じ疾患・障害であってもさまざまな経過を知れることが一つの魅力とお話しいただきました。さらにスポーツ理学療法士としては、日常生活レベルよりも身体機能や回復期間において求められるレベルが高くなることが多いため、競技復帰を考えたスポーツ現場との関わり、競技復帰まで継続した関わりができれば理想だと説明していただけました。 講演後の質疑応答では、スポーツ理学療法士や理学療法士としての大切なことなど現在についての質問だけでなく、1回生から3回生まで参加していたこともあって学生時代の過ごし方や卒業研究のことなど幅広い質問がありました。佐藤さんも後輩である在学生の純粋な質問一つひとつに対して丁寧かつありのままに答えていただけました。 佐藤さんから後輩の皆さんへのメッセージ セミナーに参加してくれた学生の皆さん、ありがとうございました。またセミナーに参加できなかった学生の皆さん、またいつかお会いする時がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。 「皆さん、学生生活は楽しいですか?」 今という時を精一杯楽しみ、悔いのない学生生活を過ごしてください。 そして、理学療法士になったら、ぜひ一緒に頑張っていきましょう! 次回は6月9日(金)16:20~17:50、田津原佑介さん(3期生/貴志川リハビリテーション病院)を講師に迎え「回復期リハビリテーション病院で勤務する理学療法士の魅力」をテーマに講演いただきます。 【関連リンク】 理学療法学科 大学院健康科学研究科 「臨床・教育・研究」が揃ったスポーツ理学療法士の魅力~理学療法学科 第5回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 女性理学療法士が活躍できる場所~理学療法学科 第4回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 大学病院で働くということ~理学療法学科 第2回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催 第1回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科
2023.04.17
疼痛促通系に対する高強度経皮的電気刺激の効果~理学療法学科・健康科学研究科
ヒトには痛みの感じる程度を調節する機能が中枢神経系にあり、痛みを抑える「疼痛抑制系」と痛みを促通する「疼痛促通系」があります。痛みが強く感じる患者さんは、「疼痛促通系」の機能が亢進しているという報告があり、「疼痛促通系」の亢進に対して治療をすることが効果的と考えられます。経皮的電気刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation: TENS)は鎮痛目的の電気刺激療法であり、近年では強い強度でTENSをする高強度TENSという方法が報告されており、強い鎮痛効果が報告されています。そこで、畿央大学健康科学部理学療法学科の瀧口述弘助教と庄本康治教授、畿央大学大学院健康科学研究科客員研究員 徳田光紀は疼痛促通系に対して高強度TENSの効果を検証しました。この研究成果は、Neuroscience Letters誌(High Intensity-Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation Does Not Inhibit Temporal Summation of the Nociceptive Flexion Reflex)に掲載されています。 研究概要 我々は生理学的かつ客観的な方法で「痛みの程度」を計測できるNociceptive Flexion Reflex (NFR)と「疼痛促通系」を計測できるTemporal summation -Nociceptive Flexion Reflex (TS-NFR)を測定しました。すると、高強度TENSはNFRに対しては効果的でしたが、TS-NFRに対しては効果がありませんでした。この結果から、高強度TENSは鎮痛効果がありますが、「疼痛促通系」に対しては効果が少ないことが明らかになりました。 本研究のポイント ・高強度TENSは鎮痛効果を示すが、疼痛促通系には効果が少ない。 研究内容 健常人31名を高周波数TENS群、コントロール群に分類して、TS-NFR、NFRに対する効果を比較しました。高強度TENS群は1分間、対象者が耐えられる最大強度でTENSを実施し、コントロール群は1分間安静にしました。すると、高強度TENS群はNFRに対して効果を示しましたが、TS-NFRには効果がありませんでした。コントロール群はTS-NFR、NFRともに効果を示しませんでした。 ▲TS-NFR、NFRの測定場面 本研究の臨床的意義及び今後の展開 高強度TENSは鎮痛効果がありますが、疼痛促通系が亢進している慢性疼痛の患者さんへの効果は少ない可能性が示唆されました。しかし、本研究は健常人を対象としているため、実際の疼痛患者さんでの検証が必要と考えています。 論文情報 Nobuhiro Takiguchi, Mitsunori Tokuda, Koji Shomoto. High intensity-transcutaneous electrical nerve stimulation does not inhibit temporal summation of the nociceptive flexion reflex. Neuroscience Letters. 29 May 2023 問合せ先 畿央大学 健康科学部 理学療法学科 助教 瀧口述弘 TEL:0745-54-1601 FAX:0745-54-1600 E-mail: n.takiguchi@kio.ac.jp
2023.04.13
2023年度新入生研修 学科別レポートvol.3~理学療法学科
畿央大学では入学後の不安を取り除き、担任や同級生との絆を深めるため、学科ごとに「新入生研修」を入学式直後に行っています。第三弾は、理学療法学科の様子をレポートします! 2023年4月7日(金)に大阪ガーデンパレスにて、健康科学部 理学療法学科の令和5年度新入生研修が開催され、新入生83名、4回生2名、卒業生2名、教職員3名が参加しました。 この研修会は新入学生に対し、以下の2つを考察することを目的としています。 新入生、4回生、卒業生とのコミュニケーションを積極的に図り、横と縦の絆を深めること 本学の建学の精神「徳をのばす」「知をみがく」「美をつくる」に基づき、レベルの高い理学療法士になるためには、4年間どのように学内生活を過ごすべきか プログラムは新入生自己紹介、4回生・卒業生の講演、グループワーク、発表・質疑応答という流れで実施致しました。 新入生自己紹介 ただ名前を伝えるだけでなく、自身の特技や趣味やコメント等、しっかりと発言できていることが印象的でした。 4回生・卒業生の講演 4回生 猪俣慶音さん、森優香さんから畿央大学の良さ、授業の大切さ、余暇活動の楽しみ方、後輩に向けた熱いメッセージを伝えて頂きました。 卒業生 岡本さんからは、女性理学療法士として、家事、育児をしながらキャリアアップをした経験から、多くのアドバイスを提示して頂きました。 卒業生 飛田さんからは、自身の大学病院での業務経験から理学療法の楽しさと、理学療法士としてあるべき姿勢について講演頂きました。特に「理学療法は究極のおせっかい」というパワーワードは、多くの一回生の心に残ったようです。 グループワーク 「建学の精神と理学療法士を考える—すてきな理学療法士になるための4年間—」をテーマに行いました。積極的に意見を出し合い、楽しく取り組んでいたことが印象的でした。 発表・質疑応答 入学して間もないですが、自身の考えをしっかりと表現し、質疑応答も活発に行われました。 終始、交流を図りながら楽しくディスカッションをしており、非常に明るい雰囲気のまま研修会を終えることになりました。 新入生の皆さん、これからたくさんのことを経験すると思いますが、皆さんの横、縦の絆を大切にし、皆さんでこれから様々なことにチャレンジして乗り越え、すてきな理学療法士になってもらえたらと願っております。 理学療法学科 1回生担任 岡田 洋平、瀧口 述弘 キャリアセンター 飯山 知里 関連記事 2023年度新入生研修 学科別レポートvol.2~健康栄養学科|KIO Smile Blog 2023年度新入生研修 学科別レポートvol.1~看護医療学科|KIO Smile Blog
2023.04.13
畿央大学付属広陵こども園が開園しました。
2023年4月、広陵町平尾に『畿央大学付属広陵こども園』が開園しました。 記念すべき第一回の入園式が、4月8日(土)畿央大学の冬木記念ホールにて行われ、0歳児から5歳児までの合計212名が入園しました。 朝10時からの式典には、元気な子どもたちが大学に集まってきてくれて、にぎやかなキャンパスになりました。 地元からは、広陵金明太鼓の皆さんが応援に駆けつけてくれました。 子どもたちとご家族の皆さんの晴れやかな笑顔が、とてもまぶしい一日でした。冬木学園の仲間に「小さなおともだち」が入ってきてくれて、とても嬉しいです。 畿央大学付属広陵こども園では、「子ども一人ひとりのありのままの姿を大切にして、いまという『とき』を楽しく充実して過ごせるように、遊びを通じてこころとからだがのびのび育つ園」をめざしています。園長は畿央大学教育学部の前平泰志学部長、副園長を吉田正純教授が務め、教育・保育職員、調理職員、事務員など総勢約60名の教職員が配置されています。 広陵町と連携しつつ、大学の持つ教育力と専門的な知見を存分に発揮して、教育・保育はもちろん、健康・栄養・建築など様々な分野と連携して地域に貢献して参ります。ご支援をよろしくお願い致します。