現代教育学科の新着情報一覧
2019.08.21
スウェーデンのイェーテボリ大学との共同研究成果が国際誌2本に掲載されました!~現代教育学科
本学には教育研究水準の向上および国際交流の進展に資するため、学術の研究・調査等のため外国に在外研究員を派遣する制度があります。2016年度に大城愛子准教授が畿央大学在外研究員としてスウェーデンに滞在した際に行った共同研究の成果が国際誌2本に掲載されました。 2016年4月から2017年3月まで、私はスウェーデンのイェーテボリ大学教育学部で客員研究員として過ごしました。その際、事前に日本の幼稚園で収集したデータをもとにイェーテボリ大学の研究者と共同研究を行い、本帰国後もイェーテボリ大学を訪れた際にディスカッションを重ね、その研究成果がInternational Research in Early Childhood Education(Vol.8, No.1, 2017)とInternational Journal of Early Years Education(Vol.27, No.1, 2019)に掲載されました。 ▲イェーテボリ大学教育学部。今でも訪問する度に同じ研究室を使わせていただいています。 まず日本の研究協力園で5歳児を対象に新美南吉の『手ぶくろを買いに』の読み聞かせを行った後で園児がリテリングをしたデータをもとに、園児同士の語り合いや幼稚園教諭から園児への働きかけがどのように展開されているか、そして園児がリテリングをする際にどのように心情を示す動詞や形容詞を用いているのかを分析しました。 Aiko Oshiro, Agneta Pihl, Louise Peterson & Niklas Pramling Understanding the psychology of a trickster tale: 5-year-old Japanese kindergarten children collaboratively retelling a kitsune story (International Research in Early Childhood Education, 2017) Aiko Oshiro, Agneta Pihl, Louise Peterson & Niklas Pramling Scaffolding 5-year-old children in Japanese kindergarten collaboratively retelling a tale (International Journal of Early Years Education, 2019) この研究は、まず膨大な量の日本語のデータをすべて英語に翻訳することから始まりました。日本語と英語は文章の構造が違うので、会話の意図をくみ取りながらデータとして齟齬のないように翻訳するのは私にとって新しい試みでしたし、またメインの研究とは異なる研究手法を用いてイェーテボリ大学の研究者と英語で分析や議論を行う上では大変なこともありました。しかし、こうして在外研究中の経験が成果として国際誌に掲載されたことは大きな喜びです。共同研究者の一人であるNiklas Pramlingとも話すのですが、教育学の世界では特にアメリカ、イギリス、オーストラリアなど英語圏からの研究発表や論文が多く、ともすると英語圏の国の方が優れた実践や研究をしているような印象を持ってしまいがちです。しかし、それは現実を反映しているとはいえず、単に英語での発信量が多いが故でもあるのです。だからこそ、英語を母国語としない日本やスウェーデンのような国際的にはマイナーな国からの発信には大きな意味があると考えています。 畿央大学から1年間の在外研究という貴重な機会をいただいたことに感謝するとともに、今後もスウェーデンとの共同研究等の機会を通して、研究を発展させていきたいと思います。 現代教育学科 准教授 大城愛子 【関連記事】 平成29年度在外研究報告会を開催しました。 平成28年度在外研究~スウェーデンからの現地リポート第2弾 平成28年度在外研究~スウェーデンからの現地リポート
2019.08.20
畿央大学現代教育研究所主催「学びを結ぶワークショップⅦ」を開催しました。
畿央大学現代教育研究所では、教育に携わる現場の方々の一助となることを目的として、設立2年目(2013年)から毎年、夏季のワークショップを開催して参りました。7回目を迎える今年は2019年8月9日(金)、来年から小学校教育に導入されるコンピュータを使わない活動も含めたプログラミング教育、社会科学習において変わりなく扱われてきた地図の発展的な活用、音楽科に新しく導入される伝統的な和楽器の箏の指導方法の体験と、時代を交差するかのような内容を準備し、「学びを結ぶワークショップⅦ」として行いました。 実人数で23名の皆様のご参加をいただきました。当日の様子を紹介します。 ワークショップ1「体験から活用へ!初等教育におけるプログラミング教育」 講師:西端 律子(教育学部 教授) 「学びを結ぶワークショップ」では過去2年、プログラミング教育を体験する講座を実施してきました。今回は数歩前に進んで「体験から活用へ」のテーマのもと、いくつかのワークを交えて活動を進めました。 ワークⅠ 「今までと何が違う?」 すでに先行した塾の実践を紹介し「今までの習い事と、何が違うのか」を話し合いました。一番の違いは「就職や起業に必要な年月の積み重ねを短くしてしまうということ」です。 ワークⅡ 「子供にどう説明する?」 プログラミング学習に必要な考え方「順次」「条件分岐」「反復」を子供が理解できるよう説明するにはどのような場面が適しているかを考えました。 ワークⅢ 「学校のどんな場面で使える?」 子供向け番組で扱われた「アナログな記号で体の動きをプログラムする」アンプラグドプログラミングの実践を基に考えました。いよいよワークショップの本題です。後半はキャラクターの動きをプログラムし画面上を意図通りに動かすビジュアルプログラミングソフト「スクラッチ」で、正方形を書く活動から始めました。それをもとに、 ワークⅣ 「正三角形や正五角形、正六角形はどうつくる?」 そして、 ワークⅤ 「算数で活用できる可能性は?」 期待と不安の両方の意見が出ていました。プログラミング教育の導入にあたっては様々課題がありますが、普及のための様々な支援の取り組みもあることを紹介しました。スマート家電が生活に定着していく社会を豊かに生きていくための資質・能力の育成。プログラミング教育とはそのようなことではないでしょうかとの提案で締めくくられました。 ワークショップ2「地図で社会科学習を豊かに-地図を読むコツと防災学習での活用-」 講師:小谷 恵津子(教育学部 准教授) 新学習指導要領で社会科における防災学習の一環としてハザードマップの活用・作成が示されるなど、今あらためて「地図を読み、活用する力」の育成が求められています。そこでワークショップ2では、地図を読むコツと防災学習での活用の観点から社会科学習をより豊かにするための実践がおこなわれました。 地図は単に場所の位置や行き方を読み取るだけの道具ではありません。地図には「表現ツール」としてと「認識のツール」としての2つの機能がある、というのが講師の強調していた点でした。たとえば「なぜ奈良盆地でイチゴ栽培が盛んなのか?」という問いに対しても、農産品分布図と交通網図を重ね合わせてそこに示された情報を読み取り、相互に関連づけつつ分析することで、子どもたちに「大阪へ通じる幹線道路に近いので、朝摘みの新鮮なイチゴを素早く大消費地である大阪に届けることができるからではないか」という仮説に気づかせることもできるのです。 こうした地図の機能を現場の実践で活用できるようワークショップでは、3つの指の動きと機能(「指す(点)」、「たどる(線)」、「囲う(面)」)を組み合わせて自らと関わりの深い地域を相手に紹介するアクティビティや、国交省のハザードマップ・ポータルサイトを実際に使ったアクティビティなどがおこなわれました。最後に、社会のしくみに迫る「なぜ?」を考えさせる防災学習の大切さ、それを子どもたちの「選択・判断」へとつなげることの大切さについて実践事例をまじえつつ考えることで、ワークショップが締めくくられました。 ワークショップ3「弾いてみよう箏!わらべうたによる音楽活動」 講師:衛藤 晶子(教育学部 教授) 新学習指導要領では、小学校3・4学年で取り上げる旋律楽器として和楽器が位置づけられています。ワークショップ3では和楽器の箏を使い、子どもの感性を自然に引き出すためのわらべうたによる音楽活動の実践がおこなわれました。ワークショップの冒頭では、参加者に自由に弦を弾いたり叩いたりしてもらい、その音を「窓ふきの音」や「フワンフワン」といったイメージや擬音語で表現してもらいました。さらに参加者にペアになっていただき、いろいろな音色を組み合わせて音楽を作ってもらいました。参加者からは、「子どもが雲の上でフワンフワン跳んでいるところ」や「猫がひな鳥を狙っているところ」など豊かなイメージを持った音楽が披露されました。その後、活動は「だるまさんがころんだ」「なべなべそこぬけ」「はやしのなかから」「さくらさくら」といったわらべうたの演奏に移りました。ところどころ手遊びをおりまぜつつ進む活動に、参加者は童心に返って楽しんでいる様子でした。 このように実際に箏に触れ、それを弾いてみることで、子どもたちは和楽器のしくみや音階・旋律の違いによって受けるイメージがどう変わるのかといったことを学ぶことができます。また、和楽器はもともと人の思いを表現するために作り出された楽器であるといわれますし、わらべうたには単純な音や少ない音であっても音楽になるという利点があります。参加者の楽しげな様子からも、箏を使ったわらべうたによる音楽活動は子どもたちに自らの感性を主体的に表現させるのにうってつけの実践であると感じました。 午前の部と午後の部の間には軽食を伴った情報交換会を行いました。新しい学習指導要領について、英語やプログラミングなど新しい学習内容や方法について、地域による学校や児童が置かれる環境の変化についてなど、様々な話題が交換されていました。 最後にアンケートを通して、参加下さった皆様から頂いた声を紹介します。 ワークショップ1について 事例や事案など提示していただいたり、一緒に考えたりする中でどのように児童に指導するのか、校内で普及していくのかなど自分自身で考えるきっか けを与えていただきました。 学校で行われる研修だけでは、プログラミング体験しても、なかなか覚えきれなかったのですが、今回教えていただけて、少し「できる」ようになりまし た。ありがとうございました。 スクラッチなどの機器がなくても取り組めることが分かったのが良かったです。 実際にスクラッチが触れて良かったです。コードAピラーや色々な参考書があり勉強になりました。 ワークショップ2について もっと早くに地図の活用の仕方を知っていれば、もう少し楽しい授業ができたかなと反省しています。 子どもたちが興味を持てるような授業づくりへと活かしていきたいと思いました。 地図の使い方やからだを使っての使い方などとても勉強になりました。 情報を提供していただきありがたかったです。初心者でもできました。子どもの気持ちになってワクワク感があありました。 人数が少なく残念でしたが、とても熱心に指導いただきました。来年も是非続きの指導を頂きたいです。 ワークショップ3について 箏やわらべうたのことが理解できとても良かったです。毎年して欲しいです。 箏は難しいイメージでしたが、意外と取り組みやすく楽しかったです。もっと色々と覚えないといけないことが多いと思っていたので面白かったです。 子どもの学習の流れに沿って体験ができ、とても満足感のあるワークショップでした。ありがとうございました。 2学期以降の授業に活かせそうです。いろんな学年でやってみたいと思います。 今年は残念ながら参加者が少なかったですが、内容の質、量ともに満足して帰っていただけたと自負しております。 今回、研究会や研修会の情報入手の方法についても質問させていただきました。皆様の声を生かして、ご期待に答えることができるワークショップを準備いたします。今後ともよろしくお願いいたします。 【関連記事】 「学びを結ぶワークショップⅠ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅡ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅢ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅣ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅤ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅥ」開催報告
2019.08.05
中学校で英語教員の見学・実習を行いました。~現代教育学科
教育学部現代教育学科4回生の稲田里沙です。私たち6名は、「英語科教育実習(中)」で、小学校教員免許に加えて中・高英語教員免許の取得に向けて日々勉強に励んでいます。 英語科教育実習指導を終えるにあたって、学んだことを、(1)事前指導、(2)1日見学(香芝北中・香芝東中・香芝中)、(3)実習中、(4)事後指導 に分けて報告させていただきます。 (1)事前指導 ▲香芝東中学校、東山先生による特別講義の様子 ■東山先生による特別講義 2019年4月25日(木)2限目に、香芝東中学校教務主任の東山智博先生にお越しいただき、教育実習に臨むに当たっての講座をしていただきました。 教師に必要な資質や教師にとっての武器など、東山先生の経験を基にお話ししていただき、私たち自身も改めて考えることができました。従来の教育もこれからの教育も子ども達をどうやる気にさせるかという面では変わっておらず、生徒1人1人のやる気スイッチの入れ方を知っているかが大切だということを教えていただきました。また、そのヒントを得るには実技系教科の先生の指導も見ると学べることが多いとおっしゃっていました。教育実習に行った際は、担当教科だけでなく、様々な教科の授業も積極的に見させていただこうと思いました。(現代教育学科4回生 日比野里紗) (2)1日見学実習 ■香芝市立香芝北中学校での1日見学実習 2019年5月16日(木)香芝北中学校にて現代教育学科4回生2名が中学校1日見学実習を行いました。私たちはそれぞれ担当学級のある学年を中心に授業を見学させていただきました。朝の会から帰りの会まで1日を通して英語の授業を中心に、特別支援学級でもしっかりと学ばせていただきました。香芝北中学校では生徒たちが私たちとすれ違う度に挨拶をしてもらったことが印象的でした。 英語の授業に関しては、デジタル教材やワークシートを用いて、生徒が主体的に発表できるような工夫がされていました。また指示や誉め言葉にクラスルームイングリッシュを使うことによって、生徒が英語を話しやすい環境を作ることが大切であると感じました。円滑に学習を進めるために先生方が生徒の疑問について一つ一つ丁寧に説明を行い、疑問を解消していくことで生徒との信頼を積み重ねていくのだと感じました。生徒が答えるときも『間違っても大丈夫だから』と言って、失敗への恐れをなくすことで、生徒が答えやすい環境を作ることも英語を学ぶ上で大切であると感じました。どの学年においても教材研究や授業づくりはもちろん大切ですが、生徒との信頼関係や学級の雰囲気作りも大切であると授業見学全体を通して学びました。 もうすぐ中学校での教育実習が始まりますが、香芝北中学校の先生方や子どもたちから学んだことを活かして全力で取り組んでいきたいと思います。(現代教育学科4回生 梅川勝敬) ▲英語の授業を見学させていただいている様子(香芝市立香芝北中学校) ■香芝市立香芝東中学校での1日見学実習 2019年5月16日(木)私は、香芝市立香芝東中学校で一日見学させていただきました。実際に生徒と話をしたり、先生方の授業を拝見させていただいたりする中で、多くの学びを得ることができました。特に印象に残っているのは、授業における生徒理解の大切さです。先生の声掛けによって熱心に話を聞いてメモをとったり、活動に取り組んだりしている生徒の姿を見て、すべての生徒が意欲的になるような授業をするためには、まずそのクラスの生徒1人1人についてよく理解することが大切だということを実感しました。6限目に、先生方のお話を伺う機会をいただいたため、そのことについてお聞きしたところ、授業の間の時間や放課後にも、先生方は生徒やクラスの状況について、情報交換をされているということでした。そういった連携がより深い生徒理解につながり、授業づくりにも生かされているのだと考えました。この貴重な経験を生かして、これからも生徒理解に励み、他の先生方と協力しながら生徒を支えられる教師になりたいと考えます。(現代教育学科4回生 茂木陽菜) ▲生徒を前に自己紹介をしている様子(香芝市立香芝東中学校) ■香芝市立香芝中学校での1日見学実習 2019年5月23日(木)香芝中学校にて1日見学をさせていただきました。実習校も香芝中学校でお世話になるので、生徒の全体的な実態をおおまかにつかむこと、担当である1年生を中心に積極的に関わり、できるだけ多くの生徒の顔と名前、印象を覚えて帰ることを目標にして臨みました。 当日は1年生から3年生まで、合計6授業を見学させてもらいました。先生方は、担任しているクラスでなくても一人一人の個性を把握し、上手く生徒に話を振ったり生徒を選んで発言を引き出したりしておられたことが印象的でした。だからこそ教師も生徒も楽しい授業ができるんだろうなと思いました。日頃からたくさんコミュニケーションをとり、個人個人を理解しようとされているんだろうなと思ったので私も4週間かけて生徒と楽しく授業ができるよう、たくさんコミュニケーションをとろうと思いました。 とても充実した1日見学を終えて、実習が楽しみになりました。たかが1日とは言っても、私の中ではすべてのことが新鮮ですべて勉強になったし、本当にたくさんの刺激があり、有意義でした。たくさんの生徒と関わることができ、目標が達成できたと思います。実習に向けては、授業展開を工夫することや、学んできたことを実践で生かすこと、現場でしか得られない学びを新たにたくさん吸収することを目標として設定して臨みます。今回の1日見学を通して、香芝中学校に実習を受け入れていただけて良かったと感じることができました。今回の経験、学びを生かして実習も頑張ります。(現代教育学科4回生 稲田里沙) ▲登校時の挨拶運動の様子(香芝市立香芝中学校) (3)実習中 私は、5月中旬から6月上旬まで教育実習に行ってきました。 学年は中学2年生で3週間という期間だったのですがたくさん授業をさせていただきました。子どもたちの実態に応じて、学習してきた指導方法をたくさん活かすことができたため本当に勉強になりました。ICTを活用し全員がわかる・できる授業をする大変さを改めて実感し、また、例をたくさん示して、実際に使うことで定着を図るための場面を作るということはとても大切だと思いました。 中学校では、教科担任制ということもあり1日中生徒の様子を見ることができません。しかし、ホームルームや道徳の時間あらゆる時間で関わり授業内外問わず気に掛けるという大切さを学びました。また、他の教科の先生方、部活動での先生方とも情報を共有し合い、連携をとられているように感じました。 3週間という短い期間でしたが、子ども達は本当に一生懸命授業を受け、また積極的に関わることができてとても充実した実習でした。また、受け入れてくださった中学校の先生方から学んだことを活かして教員になった際にも成長していきたいと考えています。(現代教育学科4回生 長戸卓朗) (4)事後指導 前期に実習を行った人による実習報告会が7月4日(木)に行われました。報告会では、主に実習の概要、学んだこと、自身の課題、下級生に向けてのメッセージ・アドバイスなどの話がありました。私は後期に実習を控えているため、今回の報告会で特に印象に残っていることについてお話ししたいと思います。 まず、授業面において、話をしていた学生に共通していたことは、実際に生徒を目の前に授業したことで改めて気づけたことがあったということです。例えば、的確な指示を行うことや教材研究の大切さ、ICTの効果的な使い方、友達とコミュニケーションを取るなどの学校でしかできない活動の重要性、時間配分、英語を苦手とする生徒への支援の難しさなどがありました。大学での模擬授業や講義で学んでいたことも、実際に授業を行ったことで身をもって実感し、新たな課題を見つけることができたということでした。 また、教科担任制であることの責任感、一方で、教科担任制であるからこそすべての生徒がわかる授業を行いたい、英語をもっと好きになってほしいという思いや熱意が生まれたという話がありました。 今回の報告会での話から、実習では多くのことを学び、新たな自身の課題を見つけることができたとても充実した実習だったいうことを感じました。今回の報告会を通して、学んだこと、感じたことを生かして実習に向けてより一層勉学に励んでいきたいと思います。(現代教育学科4回生 金岡実里) ▲実習報告会の様子 今回経験したことは全て私たちの自信になり、力になると思います。今後もさらに学びを深め、成長していけるよう一生懸命頑張ります。 教育学部現代教育学科4回生 日比野里紗、梅川勝敬、茂木陽菜、稲田里沙、長戸卓朗、金岡実里
2019.07.26
2019年度「マミポコ・キッズ」第3・4回活動報告!~現代教育学科
こんにちは、マミポコ・キッズです! 私たちは畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行っています。 今回は、2019年度前期の第3、4回の活動の様子を振り返ってご紹介します! 第3回:6月23日(日) 第3回では、地域の方をお招きして、伝承遊びを教えていただきました。6つのブース「とんとん相撲」、「紙飛行機」、「お手玉」、「折り紙」、「坊主めくり」、「あやとり」をグループごとにまわり、地域の方と一緒に遊びました。「坊主めくり」では、緊張しながら札をひいて、地域の方と一緒に盛り上がっている姿が多く見られました。 ▼左:「とんとん相撲」地域の方と勝負しよう! 右:「紙飛行機」紙飛行機を的に当てることはできたかな? ▲「坊主めくり」順番に札をとることができたかな? 最後に、「ロンドン橋」のゲームで地域の方も一緒に参加して遊びました。橋を作ったり、橋の下をくぐったりして地域の方ともたくさん関わることができるゲームとなりました。 ▲「ロンドン橋」地域の方と一緒に遊ぼう! 第4回:7月14日(日) 第4回では、グループごとに「忍者」をテーマに6つのブースで活動しました。「手裏剣特訓場」では、次々に現れるかかしに手裏剣を上手に当てることができました。「大きな池」では、忍者が落してしまった道具や魚をたくさん釣ったり、水切りの術で現れた大きな宝物をグループで協力して釣ったりすることができました。「ひそひそ伝えて」では、巻物に書かれている言葉を周りに聞こえないように隣の人に伝えることができました。 ▼左:「手裏剣特訓場」手裏剣をかかしに当てよう!右:「かくれてかくれて」グループで協力して通り抜けよう! ▲「落とすな危険」煙玉を落とさないように運ぶことはできたかな? 最後にマミポコ・キッズの皆で「忍法あつまるの術」という忍者が最後に言った言葉の文字の数で集まるゲームをしました。忍者や他のグループの友達とたくさん関わることができるゲームとなり、マミポコ・キッズに来ている皆でひとつになることができました。 ▲「忍法あつまるの術」文字の数だけ集まろう! また、最終回の活動に参加していただいた保護者の方を対象にアンケートを実施しました。 「参加してよかった」「毎回楽しみにしていた」「他の学校のお友達や違う学年のお友達と遊ぶ機会ができたのでよかった」「来期もまた参加したい」といううれしいご感想・ご意見をたくさんいただきました。保護者の方からいただいたご意見を参考にして、よりよいマミポコ・キッズにしていきます。 これで、前期の活動は終了となりますが、後期も活動は行う予定です。子どもも大学生も成長でき、楽しめる活動になるよう、頑張っていきます。今後も活動の様子をブログで紹介するので、ぜひご覧ください。 また、マミポコ・キッズでは毎回当日スタッフの方のご協力のもと活動を行っています。これからも、たくさんの当日スタッフの方の参加をお待ちしております。今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願い致します。 現代教育学科3回生 奥田奈緒・ 中木屋佑香 現代教育学科2回生 竹上はるか 【関連記事・リンク】 マミポコ・キッズ マミポコ親子ひろば 2019年度「マミポコ・キッズ」第1・2回活動報告!~現代教育学科
2019.07.17
2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第4回活動報告!
近隣の未就園児の親子を対象に、第2・第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。 【第4回:7/9(火)】 〇好きな遊び 〇手遊び『おほしさまはなかよし』 〇絵本『みんなのおねがい』 〇七夕製作 今回は6組の親子が参加してくださいました。今期4回目の活動ということもあり、それぞれの子どもたちが好きな遊びをのびのび楽しんでいました。すべり台がお気に入りで何回も繰り返しすべり台で遊んでいたり、電車のレールを作って電車を走らせたり、おもちゃの水道で手や野菜を洗ったりして遊んでいました。 色々なものに関心を持ち、お母さんの元を離れて遊ぶ姿も多く見られました。 七夕制作では、シールを貼ったり折り紙をちぎって貼ったりと色々な素材に触れて製作ができました。それぞれオリジナルの織姫と彦星が完成し、それを持って嬉しそうにしている姿が見られて私たち学生も嬉しかったです。 前期の活動は、今回で最後でした。今期の間、学生自身不十分な点も多々あったと思いますが、たくさんの親子が参加してくださり様々なことを学び、嬉しいと感じる瞬間もあり、毎回楽しく活動させていただきました。 これからもより安心安全に楽しく活動していただけるよう学生一同努力していきたいと思っております。また後期の活動については、大学のホームページでご案内させていただきますので確認お願いいたします。 現代教育学科3回生 古川咲 【関連記事】 2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第3回活動報告! 2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第2回活動報告! 畿央大学付属幼稚園の園児たちが大学に来てくれました!~マミポコ・親子ひろば 2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第1回活動報告!
2019.07.14
大阪教育大学附属池田小学校を訪問し、「安全で安心できる学校づくり」を考える~現代教育学科
2019年5月30日(木)、教育学部必修科目「ベーシックセミナー」および「現代教育論」の拡大授業として、教育学部現代教育学科1回生が大阪教育大学附属池田小学校(以下、「附属池田小」)を訪問しました。この行事は今年で10回目となります。学生が学校教育の現場を訪れ、児童たちの学習や生活の様子を直接学ぶことができる大変貴重な機会となっています。 2001年(平成13年)年6月8日、刃物を持った男が校内に侵入し、幼い児童と教員を殺傷する事件が起こりました。事件後、附属池田小では安全で安心な学校づくりを目指し、教職員が中心となって保護者や大学関係者が連携しながら様々な努力が積み重ねられてきました。こうした取組により、2010年に日本で初めてWHO(世界保健機構)のInternational Safe Schoolに認証、さらに2015年に日本セーフティプロモーションスクール協議会のSafety Promotion Schoolにも認証されました。 今回の訪問では、教育に関わる仕事を志す学生として、学校を安全で安心できる学びの場とする附属池田小の取組を学ぶこと、また授業参観を通じて教員の児童への学習及び生活指導の在り方を学ぶことを目標としています。 【児童の皆さんによるお出迎え】 当日は、さわやかなお天気に恵まれ、学生たちは、校門前で「来校者」の吊り下げ名札を受け取り、並木通りを進んで学校玄関前に集合。玄関では、児童の皆さんが「〇年〇組です。ご案内します。」と丁寧にあいさつをしてくれ、各教室に案内してくださいました。児童の皆さんの笑顔のおかげで、学生たちもすぐに打ちとけられた様子でした。 【授業参観】 各教室に分かれた学生たちは、3・4時間目の授業を参観させていただきました。算数や国語、英語、理科など様々な授業を見学しました。授業の中で直接児童と関わることができるように配慮をいただいたクラスもあり、学生たちが、時には真剣にメモをとり、時には楽しそうに児童と話している様子が見られました。廊下を挟んで教室が設置されていますが、廊下側の壁がなく、開閉式のドアのみのオープン教室となっています。向いにある教室から声などが聞こえてくるのですが、児童の皆さんが集中して学んでいる姿がとても印象的でした。また、各階には「先生コーナー」が設けられており、学年集団の先生が待機されています。こうした空間を学校に設けることなど安全で安心な学校を目指す附属池田小の工夫が随所に見られました。 【給食・昼休み】 給食の時間も引き続き持参したお弁当を食べながら児童たちと楽しく過ごすことができました。昼休みに楽しく児童のみなさんと遊ぶ姿も見られました。 【安全で安心できる学校づくり 「子どもを守る」 -附属池田小学校事件から学ぶー】 給食後の休憩時間をはさみ、午後は体育館で「安全で安心できる学校づくり」について安井先生より講義を受けました。事件当時の校舎見取り図を見ながら、体育館を出て実際の侵入経路を歩き、事件の概要について学びました。当時のお話をお聞きし、事件で犠牲になった児童8人の名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」に献花し、学生の代表が鳴鐘し全員で黙祷をささげました。事件以後も子どもが犠牲になる事件が続いています。この事件をきっかけに大きく学校が変わりました。正門が閉まり、学校の安全は教職員が守らなければいけないという意識に変わりました。事件当時から勤務されている佐々木校長先生は、6月8日に行われた犠牲者を追悼する式典「祈りと誓いの集い」のあいさつで、『「子どもが犠牲になる悲しい事件は本校が最後にはならず、学校や社会の無力さを感じることもあるが、諦めれば学校は学校でなくなり、社会は社会でなくなってしまう」とし、「学校が安全で安心できる場所であるように、これからも努力を続けます」と誓った。』という新聞記事を拝見しました。改めて事件を風化させてはならないと感じました。教員の道を志す学生として、この事件を重く受けとめ、学校安全をどのように進めていくのか考え続けてほしいと願っています。 【学生の事後レポートより】 学校訪問後、参加した学生に振り返りのレポートをまとめてもらいました。 以下、その一部を紹介します。 ■小学校に向かう道中で感じたのは、敷地がとても広く、校舎までが長い坂道になっているということです。グラウンドや校舎は木やフェンス、溝があったりなどして正門(玄関)からでないと校舎内へは入れないとても厳重な構造になっていました。玄関前は障害となるものが何もなく開け広げた場所で死角がない状態にしてありました。 ■子どもたちはみんな積極的に手をあげ発表して、自分の意見をしっかり先生や友達に伝えていました。先生は子どもの発表を頷き、相槌を打ちながら最後までしっかり聞き、「いいね」とほめてから、その発表が関連した疑問をみんなに投げかけていました。先生は参加型の授業をしていて、子どもたちみんなが生き生きと取り組んでいたところが印象的でした。 ■午後からの講義を受けて初めて、附属池田小学校事件の詳細を知ることとなった。話をしてくださった先生は私たちに、どうするべきだったのか、または自分ならどうしていたかを考えてほしいと訴えた。あの状況で当時の教員たちが求められた判断と、咄嗟に取った行動に、正解などなかったと思う。私は凶器を手にした犯人を目の前に、適切な判断を瞬時にできただろうか。自分を犠牲にしてでも子どもたちを守れただろうか。深く考えさせられるものがある。池田小学校で起きた心の痛む事件が二度と起こらないように、教職員はもちろん、保護者、そして地域が協力して、子どもたちが安心して過ごせる学校作りを推進していかなくてはならない。先生という職業はただ憧れ、子どもが好きであること、そしてやりがいを求めて目指すだけではいけない。あらゆる面での覚悟が必要であると改めて気づかされた。 ■インターネットや本だけの情報ではなんだか遠くの出来事のようで、現実的に感じられなかったけど、実際に犯人が通った道、罪のない子供たちが襲われた場所に立ち、決してこの事件から距離をとってはいけないと感じた。そして今回、子供たちと話したり、一緒にお昼ご飯を食べたりして過ごす中で、この笑顔を守っていける教師になりたいと強く思いました。 ■ただ聞くだけではなく、実際にその場所に赴くことで、当時何が問題だったのかが明瞭になりました。それらの体験は、ニュースを聞いているだけでは決して得られなかったことです。話の途中、授業の見学をするために教室へ向かう途中、安全への配慮をいくつも発見していたことを思い出しました。ガラス張りの壁。教室の扉が全開きできるオープン型であること。教室の配置が互い違いになっていること。職員室とは別に、子どものすぐ側で仕事ができるスペースがあったこと。モニターには熱中症への警告や、養護教諭がいる場所、あるいは教室変更などが映されていたこと。これらすべてが事件をきっかけに設けられたのだと改めて理解しました。 ■約20年前に起こったような事件をもう二度と起こさないように、そしてこの事件を決して忘れることのないように、私たちが今回実際の現場で詳しく説明をして頂き、感じたことを次の世代へと語り継いでいかないといけないのだと強く思った。私は今回の附属池田小学校見学を通して、学校安全のための取り組みがどれほど大切なことなのかを学んだ。そして教師になるためには、自分自身への課題はまだまだ山ほどあると感じさせられた。これから4年間畿央大学で学んでいく中で、様々な専門知識を身に付けると共に、教師になるために必要な人間性を高める努力をしていきたいと思う。 お礼 最後に、たくさんの人数にもかかわらず訪問を快く受け入れてくださった校長先生ならびに教職員のみなさまに感謝申し上げます。「どのような教師を目指さなければならないのか。」学生一人一人が考えるよい機会となったと思います。そして学生と楽しく交流していただいた附属小学校の児童のみなさんにも心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
2019.07.10
10/13(日)第2回現代教育特別講演会「教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業」のご案内
卒後教育・リカレント教育の一環として第2回目となる特別講演会を開催いたします。卒業生以外の教育関係者の方にも受講料1,000円にて公開させていただきますので、ぜひご参加ください! 「教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業」 現職教員および教職をめざす学生のために開催される、畿桜会(同窓会)主催の「現代教育特別講演会。第2回目となる今年のテーマは、「教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業」です。近頃、書籍を出版され、SNSやブログ等でも精力的に発信されているお2人の講師をお招きし、具体的な実践からそこにある哲学まで、明日からの働き方や授業の改善のヒントとなるお話を伺い、みなさんと一緒に考えたいと思います。 日 時 会 場 2019年10月13日(日)13:00~16:30 (12:30~受付) 第1部:講演会 13:00~15:00 @KB01講義室(予定) 第2部:交流会 15:00~16:00 @KB02講義室(予定) ※交流会には、軽食・ソフトドリンクをご用意します。 講演テーマ 教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業 講 師 坂本 良晶 氏(京都府公立小学校教諭) ビジネス界のマインドや手法を取り入れ『教育の生産性改革』を提言。Twitterフォロワー数は13,000人超。 watcha!TOKYO、関西教育フォーラムはじめ登壇多数。2019年3月に『さる先生の「全部やろうはバカやろう」(学陽書房)出版。 葛原 祥太 氏(兵庫県公立小学校教諭) 無意味な宿題に革命を起こす!「計画⇒テスト⇒分析⇒練習」のサイクルで自己学習力を身につける学習法「けテぶれ学習法」を開発。広く深い知識に裏付けられた理論で子どもたちの可能性を引き出す実践を発信している。子どもたちを信じて、任せて、認める教育の創造をめざし「学習界マンダラ」「NKS思考法」「心マトリクス」などのオリジナル実践を公開中。 対 象 現職教員または教員志望の学生(本学卒業生以外も参加可) 受講料 一般参加者1000円(卒業生は無料) 主 催 畿桜会現代教育部会(企画担当:現代教育学科4期生 片岡利允) 申込方法 「現代教育特別講演会参加希望」とご記入の上、下記①~⑥の必要事項をE-mail、FAXのいずれかでお申し込みください。 受講証の発行は致しません。当日、直接受付にお越しください。 畿央大学 広報センター 現代教育特別講演会係 FAX : 0745-54-1600 E-mail:dousoukai@kio.ac.jp ①氏名(ふりがな) ②卒業年度 ※本学卒業生の場合 ③住所(郵便番号から) ④電話番号 ⑤メールアドレス(お持ちの方) ⑥所属先 申込締切 2019年10月8日(火) 問合せ先 TEL:0745-54-1603(担当:畿央大学広報センター増田、伊藤) ※公共交通機関を利用してご参加ください。
2019.07.10
2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第3回活動報告!
近隣の未就園児の親子を対象に、第2・第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。 【第3回:6/25(火)】 〇好きな遊び 〇手遊び『まあるいたまご』 〇絵本『もこもこ』 〇ふれあい遊び『ロケットペンギン』 今回は6組の親子が参加してくださいました。 好きな遊びでは、子どもたちがそれぞれ好きなおもちゃを見つけて遊んでいました。積み木を自分の背丈よりも高く積もうとする姿、電車を長くつなげて遊ぶ姿が見られ、指先を上手に使い夢中になって遊んでいました。さらに子どもたち同士でおもちゃの貸し借りをしたり、お友達が遊んでいるのをみて真似て遊び始めたりするなど、お友達を意識して遊んでいるように感じられました。 絵本では、子どもも一緒に「にょき」とつぶやいて擬音語を楽しんでいる姿がみられました。ふれあい遊びの「ロケットペンギン」は、ほとんどの子どもが初めてでテンポも速い曲でしたが、リズムにのって体を動かしながら楽しんでいました。 子どもたちの成長を温かく見守り、これからも、安心して楽しく活動できる場を作っていけるよう学生一同努力していきたいと思います。 次回の活動は、7月9日(火)に和室で行います。前期最後の活動となりますのでたくさんのご参加をお待ちしております! 現代教育学科3回生 古川咲 【関連記事】 2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第2回活動報告! 畿央大学付属幼稚園の園児たちが大学に来てくれました!~マミポコ・親子ひろば 2019年度「マミポコ・親子ひろば」前期第1回活動報告!
2019.07.05
「新しい学習指導要領を語り合う会@奈良」を開催しました~畿央大学現代教育研究所
さる2019年6月23日(日)畿央大学において、畿央大学現代教育研究所と奈良県小・中学校図画工作・美術教育研究会の共催により「新しい学習指導要領を語り合う会@奈良」を開催致しました。指導講師には国立教育政策研究所より岡田京子教育課程調査官をお招きしました。 2018年11月15日(木)・16日(金)に奈良県は造形表現図画工作美術教育研究全国大会を行いました。数年に渡る長い準備時間をかけて工夫を凝らした授業及び研究発表に全国からお集まり下さった多くの参会者の皆様からご意見ご示唆をいただき、大会を成功裏に終えることができました。全国大会を終えて約半年、研究と交流の成果を一層伸長すべく本会の開催となりました。 今回の企画と実行は畿央大学現代教育研究所の所長の西尾が行いました。西尾は学外では全国大会の主催団体である日本教育美術連盟の事務局長として奈良大会の準備に関わらせて頂いたご縁で、今回の役割を担うこととなりました。また、近隣の自治体の関係の方々にも声をかけさせて頂き、神戸市、和歌山市、大阪府からも参加いただきました。参加の皆様には各地域間で交流できるように座席指定の4人グループで活動していただくこととしました。 【開会の挨拶、基調提案】(13:00〜13:20) 西尾からの開会の挨拶の後、本会の基調提案を行いました。提案の趣旨は以下の通りです。 ・改訂学習指導要領では指導事項の示し方が変わり、育成を目指す資質・能力が今まで以上に鮮明になった。 ・図画工作科の授業において、児童が資質・能力を働かせていること、児童に資質・能力が育っていることを見取ることが必要となる。 ・本研究会では「造形遊びをする活動」を通して、児童が働かせる資質・能力を捉えることを実践的に理解するとともに、資質・能力を育成する授業は何か変わらないで何が変わるのかを検討し、語り合いたい。 【ワークショップ「資質・能力の育成と図工・美術の未来」】 「教材研究」(13時20分〜14時30分) 本会の中心となるテーマ「資質・能力の育成と図工・美術の未来」で取り組むワークショップはまず、図画工作科の表現の内容の1つである「造形遊びをする活動」の教材研究で始まりました。その内容は以下のとおりです。 「光と光を活用できる材料を基にした造形遊び」 ねらいは「造形遊びをする活動の教材研究を通して、『児童のどんな活動の姿や発言から、どのような資質・能力を伺うことができるか』を探り、明らかにする」です。 対象:5学年及び6学年。 材料・用具:3連LEDライト、LED懐中電灯、OHPなどの光源。鏡、アルミホイル等の光を反射する材料。色セロハン、ザル、水槽等、影をつくったり光に色を付けたりできる材料。その他ハサミやのりなどの基本的な用具。 場所:明るい状態と暗い状況を切り替えることができる教室。 窓に黒色のプラスティック段ボール板をはめ込み、暗室化した教室。暗室のない学校の普通教室を暗室化するために考案した方法を流用している。 資料:学習指導要領5学年及び6学年「造形あそびをする」に関連する指導事項。 『各教科等・各学年等の評価の観点等及びその趣旨』 主となる材料や用具は美術実習室の前後に設定した材料コーナーに置きましたが、水槽や傘などのやや特殊な用具は初めに紹介せず、その存在に気付いて「先生、これ使っていい?」を期待して教室内の目立たない場所に置きました。 参加した先生方は4人一組のグループになって、準備した材料や場所の特徴を十分に活かした活動を展開されました。 時間が来てもなかなか活動を終えようとしない先生方が多く、教材研究というよりは、ご自身が子供のようになり、活動に没頭されていた様子が伺えました。 【研究協議】(14時30分〜15時10分) ここでの課題は2つです。 1つ目は、教材研究で捉えた「資質・能力が働いている児童の姿や言葉」を絵や文字で付箋に書き出すこと。内容のまとまりや表現の展開に沿った流れを見出しておられる様子でした。 2つ目は、学習指導要領が資質・能力で内容を示すように改訂されたことで、図画工作科が今までと変わらず大切にしていくことと今までとは変わっていかなくてはいけないことをポスターにまとめることです。 皆さん、活発に話し合われ、それぞれのグループでそれぞれの様式のポスターが出来上がりました。次はポスターセッション形式での相互発表です。 【ポスターセッション形式での相互発表】(15時10時~16時00分) グループで制作したポスターを教室前のホワイトボードと後ろの掲示板に張り出し、グループごとに要点発表を行ないました。 そこで発表された内容からいくつかを紹介します。短い時間で書かれた文章ですので若干生々しさが残っていますが整え切らずに紹介をします。 ○教材研究で捉えることが出来た資質・能力 ・今までの造形の経験や他教科での学びを総合的に活用する。 ・「造形的な活動(どんなことができそうか)を思い付く」「どんな方法法で活動するか考える」「手応えを感じ取る」 ・試しながら、思いつき、また試しながら、当たり前の使い方を壊して自分なりの使い方をつくりだす。 ・友人や他のグループの活動の良さを感じ取り、認め合い、新たな意欲に繋げる。 ・「鏡を万華鏡のように使ってみよう」→「まわったらいいね」と発展する思考。 ・はっきりした「したいこと」に向かう思考力・判断力と「試しながらつくり続ける」思考力・判断力。 ・「よりよくしよう」「あきらめない」という粘り強い態度。 ・友人の活動のよさや美しさを感じとり、自らの活動への考え方を広げたり、深めたりする。 ・「楽しい」を追求する過程で追究対象が「美しい」に変容する。 ◯図画工作科が変わらず大切にすること。 ・発想、構想する能力、技能、鑑賞する能力が試す行為を介して働きあう。 ・つくりだす喜び、鑑賞する力、活動に感じたことを自分の活動に活かす力、協同する力。 ・子供が働かせる資質・能力、子どもの行為や活動の過程。 ・題材を構成する「出会い」「選択」、活動を支える「話し合い」「協力」「他者、他の表現との出会い」 ・「どんなことができるかな」「どんな使い方をしようか」「やってみてうまくいかなければ違う方法を試そう」等の自分なりの思いを持つ子供の姿。 ◯図画工作科が変えていくこと。 ・表したいことを子供が見付け、子供が働かせている資質・能力を教師が適切に見取るようになる。 ・子供の思考に合わせた授業と子供の思いを受け止め発展させることができるように支援する。 ・学習のめあてを子供の姿、造形的な課題で示す。 ・子供の作品に目を向けることから、活動に没頭する姿に寄り添うことへ。 ・子供に向ける教師の見取りと勝ち付けたり認めたりする指導の手立て。 ・資質・能力がスパイラルに発展する授業づくり。 【岡田 京子 氏によるご講演】(16時00分~16時30分) 毎回と同じく会の最後には国立教育政策研究所 教育課程調査官 岡田京子 氏による会へのご助言と現在の移行の状況をお話くださいました。特に、目標の設定及び評価の観点と規準の関連のお話は参加者の先生方の関心が高い最新情報でした。そうした中でも印象深かったのは、この会に参加した先生方がこの経験を各地域、各学校に持ち帰り、ここにおられなかった先生方と共有することが大切なのだと仰ったことでした。 司会から、その言葉を実行することを参加の先生方と確かめ合って会を終了しました。 ※「新しい学習指導要領を語り合う会」とは。 新しい図画工作科の学習指導要領の周知を目的とし、小林貴史氏(東京造形大学教授)、西村德行氏(東京学芸大学准教授)、山田芳明氏(鳴門教育大学教授)が発起人となり、ご縁のあった各地で図画工作科の指導に当たっておられる先生方、関係する研究機関の研究者が同じ立場で改訂の趣旨や内容を学び合い、近い将来の教科像や授業像を語り合う会です。 どの会にも講師として国立教育政策研究所より岡田京子教育課程調査官をお招きし、ご指導やその時々の新しい情報の提供などを行って下さいました。 以下は、過去の開催記録です。 第1回 東京学芸大学附属竹早小学校 日時:2017年8月19日(土)13:00~16:00 内容:『新学習指導要領とこれからの図画工作科』 第2回 大阪教育大学附属平野小学校 日時:2017年12月23日(土)14:00~17:00 内容:『10年後の図画工作科を思って』 第3回 福井大学 日時:2018年1月28日(土)13:00~17:00 内容:『新学習指導要領を学びの地図に』 第4回 群馬県生涯学習センター 日時:2018年2月24日(土)14:00~17:00 内容:『これからの美術教育を語り合う会 新しい学習指導要領の告示を契機に』 第5回 千葉大学教育学部附属小学校 日時:2018年3月4日(日)13:30~16:00 内容「現代の教育課題と新指導要領を意識した実践」 第6回 鳴門教育大学附属小学校 日時:2018年5月12日(土)13:00〜17:00 内容:「地域の図画工作教育のためにできること,やりたいこと,やらねばならないこと」 第7回 横浜国立大学 日時:2018年6月24日(日)14:00~17:00 内容:図画工作科を「内から・外から」見るとは 第8回 大分 iichico総合文化センター 県民ギャラリー 日時:2018年8月3日(金)14:00~16:30 内容:『新学習指導要領とこれからの図画工作科』 第9回 関西国際大学 日時:2018年8月8日(水)13:00~17:00 内容:「最近図画工作科について思うこと」 第10回 北海道教育大学 日時:2018年10月5日(金)第一部13:15~ 第二部17:00~ 内容:第一部 授業公開及び研究協議(附属札幌小学校図工室) 第二部 講演会 演題:「新しい学習指導要領(図画工作)と授業改善」 第11回 福岡教育大学附属小倉小学校 日時:2018年12月9日(日)14:00~17:00 内容:学習会テーマ『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』 第12回 鹿児島大学 日時:2018年12月23日(日)14:00~17:00 内容:『新学習指導要領を踏まえた今後の鹿児島県の図画工作科について』 第13回 佐賀大学教育学部附属小学校 日時:2019年3月9日(土)10:30~14:30 内容:『新学習指導要領と,これからの図画工作科について』 第14回 奈良、畿央大学 日時:2019年6月23日(日)13:00~16:30 内容:『資質・能力の育成と図工・美術の未来』
2019.07.05
学生広報スタッフblog vol.245~手話サークルが小学生に手話を教えました!
初めまして!Smile Blogからこんにちは!手話サークルです! 令和元年6月29日(土)に奈良県の広陵中央公民館で小学5年生に対して手話を教えに行きました!奈良県で平成29年度に施行された「手話言語条例」、広陵町で平成31年度に制定された「ともにはぐくむ手話言語条例」から、小学生にも手話というものがどういうものなのかを実際に体験してもらえる時間を過ごしました。 初めに「手話ってどういうときに使うのだろう」「音が聞こえないってどういうことだろう」ということを一緒に考え、学びました。実際に観てもらって音が聞こえない世界を体験してもらいました。 次に手話表現を教えました。挨拶や指文字をみんなで手を使って勉強しました。また自己紹介や相手の名前を聞く練習も行い、グループで相手の名前を聞きあったり、自分の名前を手話で伝えることもしました。 ▼「おはよう」の手話を練習中 指文字に慣れてきたら今度は指文字ゲーム!私たちが何の言葉を手話で表しているのかを当てるゲームをしました。2文字、3文字、4文字と数が増えていくにもかかわらず、みんなすぐに分かって元気に手を挙げていました。 ▼指文字を必死に確認して手を挙げていました。 最後は歌に合わせて手話をしました。曲はFoorinさんの「パプリカ」という曲です。「知ってる人!」って聞くと全員が手を挙げて驚きました!知ってる曲だからこそみんなより一層楽しみながら手話を使って歌っていました。 ▼みんな興味津々!私の後に続いて練習してくれました。 さすがは小学生、みんな元気で大学生はへとへとでした(笑)でも元気いっぱいの小学生に囲まれて手話を教えることができたのでとっても楽しかったです! 今回、手話を教えた小学5年生は7月に福井県の美浜町に行くそうです。毎年交流があり一緒に釣りやバーベキューなどをするそうですが今年はさらに美浜町の小学生に手話を教えるそうです。今回学んだことを活かして手話を教えてもらえたらいいなと思います。パプリカも手話をしながら歌ってきてほしいな~ 楽しんでいってらっしゃい! 現代教育学科3回生 播間あかね