健康科学専攻(修士課程)の新着情報一覧
2013.04.02
平成25年度 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナーのご案内
平成25年度 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナーのご案内 「平成25年度 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー」につきましては、4月3日申込受付開始後、10分程で定員に達してしまいました。 これからお申込みしようとされた方々に受講していただけない状況となりましたこと、誠に申し訳ございません。 ニューロリハビリテーションセミナー事務局 脳の科学(Brain Science)の進歩が叫ばれて数年が経過しました。そして、その科学を応用したリハビリテーションの導入が議論されはじめています。こうした世界的な流れを「神経科学を基盤としたリハビリテーション介入(Neuroscience based Rehabilitation)」と呼び、それを略したものがニューロリハビリテーション(Neurorehabilitation)です。ニューロリハビリテーションの展開は端緒についたばかりであることから、全国各地のリハビリテーションに関連する大学や養成校において、授業としてはほとんど取り入れられていないのが現状です。しかしながら、その可能性は大変魅力的なものであり、近い将来、ニューロリハビリテーションに基づいた介入の必要性が叫ばれるようになるでしょう。畿央大学では、一昨年度よりニューロリハビリテーションセミナーを開催し、セラピストとして実践している方々の技術・知識の向上を目的としたブラッシュアップセミナーとして、またセラピスト教育に携わっている教育研究者に対して情報提供することで、その内容を教育に活用していただいています。平成25年度も、学会や各種講習会などで断片的に広められているニューロリハビリテーションに関して、基礎から実践まで系統的に学べるプログラムを構成しました。そのプログラムは、骨・筋の構造や機能を学ぶように脳の構造や機能を学ぶ「基礎編」、人間の動きを学ぶように情報処理に代表される脳のシステム機能を学ぶ「応用編」、目に見える神経障害の病態を学ぶようにその病態を引き起こす目に見えない脳内機構、そして機能回復に伴う神経可塑的機構について学び、リハビリテーション介入を考える「臨床編」、さらには実際に先端の機器・装置を使用することで脳機能イメージング研究を体験し、臨床における運動、作業、言語課題を創造する「研究編」の四つで構成しています。研究編においては、将来的には研究サポートも提供したいと考えています。ニューロリハビリテーションに関する基礎から実践までの幅広い知識の涵養を目的として、それらの内容について比較的精通した畿央大学の教育研究者が情報提供したいと考えています。皆様の受講を心よりお待ち申し上げております。 畿央大学教授 森岡 周 基礎編※ 平成25年6月22日(土)、23日(日) 詳細 応募を締切ました。 定員280名 / 受講料 10,000円 応用編 平成25年9月28日(土)、29日(日) 詳細 応募を締切ました。 定員280名 / 受講料 10,000円 臨床編 平成25年11月30日(土)、12月1日(日) 詳細 応募を締切ました。 定員280名 / 受講料 10,000円 研究編 平成26年2月22日(土)、23日(日) 詳細 応募を締切ました。 定員 50名 / 受講料 20,000円 ※基礎編のみ、6月22日(土)カリキュラム終了後、参加者の情報交換と親睦をかねて、学生食堂にて懇親会を開催します。 懇親会の参加もお申し込み下さい。懇親会費用は、2,000円を当日、受講料と一緒にいただきます。 会場 畿央大学(〒635-0832奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2) アクセス 最寄駅:近鉄大阪線「五位堂駅」 講師 畿央大学 理学療法学科 教 授 森岡 周 准教授 松尾 篤 准教授 冷水 誠 助 教 前岡 浩、他 申込方法 ※受付終了しました 申込には下記13項目の情報が必要です。(※は必須)①お申込み講座※②お名前※③お名前(ふりがな)※④年齢⑤性別⑥郵便番号※⑦ご住所※⑧電話番号(携帯電話番号)※⑨PCメールアドレス※⑩携帯メールアドレス⑪所属(病院等施設名・学校名・会社名等)⑫資格(理学療法士等お持ちの方)⑬所属協会の会員番号(日本理学療法士協会会員番号など) 締 切 各講座、定員になり次第締め切り 受講者の選考 原則、先着順 基礎編 日時 平成25年6月22日(土)、23日(日) 場所 冬木記念ホール 定員 280名 受講料 10,000円 内容 ニューロリハビリテーションの基礎となる、以下について学ぶ。 1. 脳の発生、構造、発達 2. ニューロン、グリア、シナプス、ミエリンの構造と機能 3. 脳幹、視床、大脳基底核、小脳、大脳辺縁系、大脳皮質(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉)の構造と機能 プログラム 6/22(土)6/23(日) 12:00~ 受付 9:00~10:00 (4) 大脳基底核の構造と機能 12:50~13:00 開会式 10:10~11:10 (5) 小脳の構造と機能 13:00~14:20 (1) 脳の発生・発達と構造 11:20~12:20 (6) 後頭葉・側頭葉の構造と機能 14:30~15:50 (2) 脳幹・視床の構造と機能 13:20~14:40 (7) 頭頂葉の構造と機能 16:00~17:20 (3) 大脳辺縁系・視床下部の構造と機能 14:50~16:10 (8) 前頭葉の構造と機能 17:20~17:40 テーブル討議 16:10~16:30 質疑応答/閉会式 18:00~ 懇親会 応用編 日時 平成25年9月28日(土)、29日(日) 場所 冬木記念ホール 定員 280名 受講料 10,000円 内容 ニューロリハビリテーションを応用するための基礎となる、以下について学ぶ。 1. 脳内感覚情報処理機構 2. 上肢・下肢の運動を実現するための神経機構 3. 運動・行為の学習をもたらす神経機構およびその手続き 4. 人間が持つ情動/感情とコミュニケーションの神経機構 5. 高次機能である思考・注意・記憶の神経機構 6. 運動イメージとミラーニューロンシステムの神経機構 7. 人間の社会性の神経機構 プログラム 9/28(土)9/29(日) 12:00~ 受付 9:00~10:20 (5) 情動の神経機構 12:50~13:00 開会式 10:30~12:00 (6) 運動学習の神経機構 13:00~14:20 (1) 感覚情報処理機構 13:00~14:30 (7) 思考・注意・記憶の神経機構 14:30~15:50 (2) 上肢運動制御の神経機構 14:40~16:10 (8) 社会性の神経機構 16:00~17:20 (3) 姿勢・歩行制御の神経機構 16:10~16:30 質疑応答/閉会式 17:30~18:50 (4) 運動イメージとミラーニューロンシステム 18:50~19:10 テーブル討議 臨床編 日時 平成25年11月30日(土)、12月1日(日) 場所 冬木記念ホール 定員 280名 受講料 10,000円 内容 ニューロリハビリテーションの臨床のための根拠となる、以下について学ぶ。 1. 脳損傷後の可塑的変化機構 2. 高次脳機能障害の神経機構と治療介入 3. 失調症の神経機構と治療介入 4. パーキンソン病の神経機構と治療介入 5. 運動器疾患・痛みの神経機構と治療介入 6. 機能回復および学習プロセスに基づいた治療介入 7. 神経科学に基づくリハビリテーション治療の最新トピックス 8. 神経科学を用いたclinical reasoning プログラム 11/30(土)12/1(日) 12:00~ 受付 9:00~10:20 (5) 運動失調症の神経機構 12:50~13:00 開会式 10:30~12:00 (6) 痛みの神経機構 13:00~14:10 (1) 損傷脳の再組織化と機能回復の神経機構 13:00~14:30 (7) 神経科学に基づく脳卒中リハビリテーション 14:20~15:40 (2) 半側空間無視の神経機構 14:40~16:10 (8) 神経科学を用いたクリニカル・リーズニング 15:50~17:10 (3) 失行の神経機構 16:10~16:30 質疑応答/閉会式 17:20~18:40 (4) Parkinson病の神経機構構 18:40~19:00 テーブル討議 研究編 日時 平成26年2月22日(土)、23日(日) 場所 E101講義室、脳機能実験室など 定員 50名 受講料 20,000円 内容 ニューロリハビリテーション研究の読解、実践、応用のための、以下について学ぶ。 1. 各種脳機能イメージング研究(PET,fMRI,NIRS,MEG,EEGなど)の概要 2. 脳機能イメージング研究の手続き 3. 脳機能イメージング研究(NIRS,EEG)の実際(実験) 4. 脳機能イメージング研究に基づく臨床・課題の創造 ※本学が所有する脳機能イメージング装置を実際に使用し、自己の体験を通して学ぶ。体験学習。 プログラム 2/22(土)2/23(日) 12:00~ 受付 9:00~11:00 (6) 脳機能イメージング研究の実験②(認知課題,上肢課題,歩行など) 12:50~13:00 開会式 11:00~13:00 (7) 脳機能イメージング研究の解析① 13:00~13:30 (1) 脳機能イメージング研究の概説 -各種イメージング手法(fNIRSを中心に)- 14:00~15:00 (8) 脳機能イメージング研究の解析② 13:30~14:00 (2) 脳機能イメージング研究の概説 -TMS,tDCS- 15:00~16:20 (9) 脳機能イメージング研究の成果発表と質疑応答 14:00~14:30 (3) 脳機能イメージング研究の概説 -MEG,EEG- 16:20~16:30 閉会式 14:30~15:00 (4) 脳機能イメージング研究の紹介と読解 -fNIRS- 15:00~18:30 (5) 脳機能イメージング研究の実験①(認知課題,上肢課題,歩行など) 19:30~ 懇親会 ※fNIRS4台、EEG1台を使用予定。
2013.03.28
平成24年度卒業証書・学位記・修了証書授与式を開催しました。
助産学専攻科1期生を含む、478名が卒業 2013(平成25)年3月19日、畿央大学、畿央大学大学院および助産学専攻科の卒業式が午前10時より執り行われ、健康科学部289名、教育学部155名、大学院30名、助産学専攻科4名の合計478名が、学び舎を巣立ちました。 卒業式に先立ち午前9時からは、畿央大学開学10周年を記念してモニュメント除幕式が行われ、寄贈者である畿央大学後援会(会長上山準大氏)から冬木智子学長へ贈呈されました。 C棟エントランスホール玄関前に設置された「開学10周年記念モニュメント」は、建学の精神『徳をのばす、知をみがく、美をつくる』をカタチにしたもので、楕円の大海原に囲まれた学びの皿一面に水面に見立てた白砂利の中から立ち上がる3つのカテナリーアーチが「徳」「知」「美」を示す水柱です。それらが真ん中にある学園に見立てたガラス玉に流れ込みます。一つひとつのガラス玉から放たれる光は彼らの若き生命のエネルギーを表しています。記念碑としての存在をより明確にするために、飛鳥石には建学の精神を刻み込んでいます。製作者である人間環境デザイン学科加藤先生、上山後援会長、そして冬木智子学長、学部生代表として谷口畿友会会長の4人で除幕していただきました。 午前10時から始まった卒業式では、前日の雨で冷え込んだ天候とは一転して、春らしい陽気の中、キャンパスは振袖はかまやスーツ姿の卒業生や保護者の方々で華やぎました。今回は初めての卒業となった助産学専攻科生にも修了証書が手渡され、卒業生総数も過去最高の478名となり冬木ホール内は緊張と喜びであふれていました。 その後、午後5時からスイスホテル南海で卒業パーティーが行われました。
2013.03.25
客室研究員の論文が「Body in Mind」に掲載されました!
畿央大学健康科学研究所客員研究員で大学院健康科学研究科の客員講師である信迫悟志氏の研究成果が「Body in Mind」 (http://www.bodyinmind.org/)の記事に掲載されました! このサイトは、痛みの臨床研究で世界的に有名なLorimer Moseley教授が、臨床家や基礎研究者と共に、身体・脳・心について関係のある研究を取り上げ、活発な議論を展開しています。痛みに関する研究が中心に取り上げられますが、他分野の興味深い研究が取り上げられたり、実際の論文では明記されていない内容の議論までされているので非常に参考になります。今回、そのサイトに本学の客員研究員の信迫氏の研究である「慢性頸部痛に対する視線方向認知課題の効果」が「Is GDR effective in the treatment of chronic neck pain?」というタイトルで掲載されました! 記事では、信迫氏が独自に考案した「他者の後方観察による視線方向認知課題」の着想に至るまでの経過や、実際に信迫氏が今までに行った脳イメージング研究と臨床研究の成果が書かれています。 信迫氏の研究成果としては2012年に国際雑誌に掲載されたものですが、その7年前である2005年から『頸部痛に対するより良いリハビリテーションはないだろうか?』という自問をしていたこともこの記事から知ることができます。2005年当時は、運動イメージによる痛みの改善や、ヒトのミラーニューロンシステムに注目が集まった時期です。信迫氏は当時の最新の臨床研究や神経科学の知見に加えて、頸部の「目標物を視覚で捉えるための協調運動」という機能に着目し、「視線方向認知課題」を考案しました。このような記事を読むと、頸部痛に対するリハビリテーションへの想い、その当時の学術的背景と歴史、自身が考案した介入を地道に科学的方法で効果検証していく姿が想像でき、感慨深い気持ちになりました。注目をされるまで努力を怠らず、粛々と臨床と研究を継続することの意味性を考えさせられました。 「Body in Mind」は、痛みの研究をしている者にとっては非常に有用な情報源であり、世界的に知られているサイトです。今回の信迫氏の記事が掲載されたことは、このような視点の痛みのリハビリテーションが世界的に認められてきているということでもあります。今後、さらなる成果を皆で協力して残して、痛みのリハビリテーションをより良いものしていくという皆の想いを強くさせてくれました。 畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程 大住 倫弘 【今回の記事に関する信迫氏の論文】 1. 信迫悟志, 他: 後方観察における視線方向認知の脳内機構―機能的近赤外分光法を用いた検討―. 理学療法科学 25(3); 419-425, 2010. 2. 信迫悟志, 他: 視線方向認知課題が頸部関節可動域と痛みに与える効果. 理学療法学 38(2); 65-73, 2011. 3. Nobusako S, et al.: Effectiveness of the gaze direction recognition task for chronic neck pain and cervical range of motion: a randomized controlled pilot study. Rehabil Res Pract. 2012;570387. 4. Nobusako S, et al.: Gaze Direction Recognition Task for the Rehabilitation of Chronic Neck Pain. J Nov Physiother. 2012; S1-006. これら論文のうち,1が修士論文,3は博士論文
2013.02.28
ニューロリハビリテーションセミナー(実践編)を開催しました!
平成25年2月23日(土)、24日(日)に、畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(実践編)を開催しました。 「実践編」では、これまでの基礎編~臨床編とは異なり、脳機能イメージング研究の実際について、講義に加え、実際の機器操作、測定、解析、結果の解釈、プレゼンテーションまでを受講者の皆様に体験して頂きました。昨年同様、本学にある近赤外光脳機能イメージング装置(fNIRS、 島津製作所製)2台と高機能デジタル脳波計Active Two system(Biosemi社製)1台、そして今年度も(株)島津製作所の御協力のもとに新型のfNIRS(LABNIRS)2台を加えた計5台を準備して脳機能の計測を行いました。 当日は、講義の後、1グループ13名の5グループに分かれ、上肢運動学習課題、歩行課題、視覚トラッキング課題、ワーキングメモリ課題などに関する脳活動をそれらの機器を用いて測定しました。実際に測定者と被験者を体験することによって脳機能イメージング研究の実際や応用可能性、限界点などを理解していただけたかと思います。プレゼンテーションの準備では、考察などに関してグループ内で様々な議論がなされ、それによりさらに脳機能について理解が深められたことと思います。 また、「実践編」はこれまでのセミナーと比べて少人数であるため、セミナーおよび懇親会でもお互いの距離が非常に近く、新たな人とのつながりや臨床・研究の創発もできました。 最後に、今回の実践編を開催するにあたり、測定や解析について島津製作所の皆様にサポートして頂きました。この場をかりて厚く御礼申し上げます。また、畿央大学大学院の院生や修了生の皆様にも御協力して頂き、あわせて感謝申し上げます。 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 日本学術振興会 特別研究員 中野 英樹 ※来年度の畿央大学ニューロリハビリテーションセミナーの日程および申込方法については、大学ホームページに掲載しています。 https://www.kio.ac.jp/cooperation/recurrent/neuro/ 申し込み受付は、HPの申込フォームのみで、4月3日正午より開始します。 来年度はセミナー受講修了者を対象として、ニューロリハビリテーションフォーラムを開催し(1月予定)、実際の症例を検討していきたいと思っています。 みなさま奮ってお申し込みください。 【関連記事】 台風の中、ニューロリハビリテーションセミナー(応用編)を開講しました! https://www.kio.ac.jp/information/2012/10/post-581.html 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(基礎編)開講!! https://www.kio.ac.jp/information/2012/06/post-524.html ニューロリハビリテーションセミナー(臨床編)を開催しました! https://www.kio.ac.jp/information/2012/12/24-4.html
2013.02.16
リカレント教育「理学療法特別講演会」を行いました。
乳幼児から高齢者までを対象に、地域に根差したリハビリテーション活動の実践! 2013(平成25)年2月9日(土)14時から16時までの2時間、畿央大学KB04講義室において大阪府大東市保健医療部/理学療法士の逢坂伸子先生を講師にお招きして、『第6回理学療法特別講演会』を実施しました。この講演会は畿桜会(畿央大学同窓会:会長唄大輔)が卒業生のためのリカレント教育の一つとして毎年開催しているもので、この日も多くの卒業生が聴講しました。 逢坂先生は行政機関に勤める理学療法士として地域保健事業に携わっておられ、大阪府大東市では1960年代から理学療法士が地域リハビリテーションに関わりはじめ、以降半世紀にわたって乳幼児から高齢者までを対象に地域に根差したリハビリテーション活動を実践しています。行政で働く常勤セラピストの市町村配置率はまだまだ低く、高齢化率が高くなりつつあるなか業務が広範囲にわたっているのが現状です。めざすリハビリテーションとは何か、機能マヒの回復だけでなく、全人間的復権をはかる=やりたいことがやれるようあらゆる面でサポートしていくのが地域リハビリテーションではないか、と熱く語っていただきました。 また、講演会後の質疑応答では新卒理学療法士がいきなり訪問リハ部門に配属されたときの困惑や患者さんへの接し方、あるいは地域包括ケアシステムと大学との関わりなどについての質問にお答えいただきました。 ★第6回理学療法学科同窓会(懇親会) 特別講演会の後は、駅前の居酒屋(風神 五位堂駅前店)に会場を移して、毎年恒例の懇親会を行いました。今回は、卒業生と先生方合わせて13名で懇親会を行いました。 少ない人数だからこその、アットホームな懇親会!先生方、先輩、後輩の枠を超えて、あんな事やこんな事、総合して楽しい楽しいトークが盛沢山でした!なので、あっという間の2時間半でした! もちろん真面目な話も含まれています。現場での悩み事、人生の悩み事、一人の大人として、人として、そして理学療法士としてこれからの自分について真剣に話合いました。来年度行われる、10周年の特別事業でも、そのような内容についてシンポジウムが行われる予定です。ぜひ参加してください! 卒業生の皆さん!社会に出て、なかなか先生方や卒業生との交流の機会が減っていると思います。1年に1度の同窓会を利用して、近況報告や、日頃の悩みを話しあいませんか?畿央大学卒業生だからこその、楽しい場にぜひ来てくださいね!
2013.02.04
第9回KSM(卒業生の理学療法勉強会)を開催しました!
畿央大学理学療法学科、4期生の佐藤達也です。 1月27日(日)に第9回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。 KSMとは4期生が中心になって行っている「理学療法勉強会」です。普段様々な現場で理学療法士として働いているメンバーが月に一度集まり、講義・ディスカッションをしています。様々なテーマの勉強ができ、毎回大変刺激になっています。今回は畿央大学が入試のため、9名で中田家での開催となりました。 今回は、熊本君が「失行症について」、桜井君が「肩関節の機能解剖」、中谷さんが「急性期呼吸理学療法において、セラピストとして知っておくべきこと」について講義し、ディスカッションを実施しました。 失行症については基本的な知識から運動イメージとの関連について触れ、各自注意していること、どの様に評価、介入を行っているか話し合いました。失行症状を実際にみることが少ない者もおり、様々な観点を共有できました。 肩関節の機能解剖に関しては肩複合体の知識全般の整理と、類似する靱帯の特性の違い、後関節包を中心とした制限因子の評価、介入方法などについてディスカッションしました。桜井君は臨床で多くの肩関節疾患患者様を担当しており、その多様な評価・アプローチ方法は大変参考になりました。 呼吸理学療法については肺の状態把握について、酸素化、ガス交換の病態理解を、症例を基に皆で検討し、リスク管理の重要性を再認識しました。理学療法士として何ができるのか、何が分かっていないのか、様々なデータから知識を整理し、共有することができました。 メンバーの多くは今春から、理学療法士4年目へと突入します。3年間の各自のフィールドから生まれた疑問、得意分野をこのような場で共有し、自分たちの担当患者様へ還元していけるよう努力することは、とても有意義なことであると感じています。悪い意味で、慣れや、その病院の固定観念にとらわれがちな時期でもあると感じます。皆と勉強をし、新たな発見をする度、己の未熟さを認識し、身が引き締まる思いです。 3月には他の勉強会グループと共同し、脳卒中リハビリテーションに関して、テーマをいくつか決め、ディスカッションを企画しています。メンバーの役割も決まり、一歩一歩、発展を感じることができる会となりつつあります。このようなメンバーに出逢うことができた大学生活に感謝し、今後も皆で理学療法の発展に努めていきます! 【過去の勉強会の様子】 ▼第1回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/04/post-502.html ▼第2回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/05/2ksm.html ▼第3回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/06/3ksm.html ▼第4回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/07/4ksm.html ▼第5回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/08/4ksm-1.html ▼第6回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/10/6ksm.html ▼第7回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/11/7ksm.html ▼第8回勉強会 https://www.kio.ac.jp/information/2012/12/8ksm.html
2013.02.01
「平成24年度畿央大学神経リハビリテーション研究大会」が開催されました!
2013年1月26日(土)、27日(日)において、畿央大学神経リハビリテーション学研究室(大学院:森岡研究室)主催による『平成24年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会』が信貴山観光ホテルにて開催されました。 例年この研究大会は信貴山観光ホテルにて開催しており、今回は同ホテルにて(※)D2ならびにM2の12の研究の発表が行われました。またM1の研究計画報告ついては、グループに分かれて討議を行い、私自身、D3〜M2の方々から具体的な研究計画のサジェスションをいただきました。写真のように和室の大正ロマンあふれる部屋で雰囲気を変えて研究発表を行いました。 初日は、はじめに当研究室の教授である森岡先生からご挨拶があり、その後、緊張感の漂う中D3の藤本さん、中野さんがそれぞれのセッションの座長を務め、3演題ずつ計6演題の発表が行われました。 その後、8名のM1の院生からそれぞれの研究計画について、そして現在までの取り組みについて紹介がありました。 夕刻発表を終えると、待ちに待った懇親会が始まりました。懇親会では、社会人院生が多い特徴から、普段あまり話したことのない先輩方ともたくさん話すことが出来ました。また信貴山観光ホテルの仲居さんとは(毎年のことですから)顔なじみの院生も多く、いろいろサービスしていただきました。 翌日はD1の大住さん、D2の若田さんがそれぞれのセッションの座長を行い、計6題の発表が行われました.この2日間を通して、計12の研究に対して、学年の垣根を越えた様々な建設的な意見が時間をかけて飛び交い、そのプロセスを通じてそれぞれの発表内容の精度がより向上するのではないかと考えられました。 これだけのメンバーが研究室にいることは、やや多くも感じる方もおられると思われますが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と職種を超えて多くの院生が研究室に在籍していることから、概して視野が狭くなりがちな自分の研究に対して思わぬ意見をいただける利点があります。発表内容も実に多彩で、今年度は車いすのシーティング、ケアレスミス、道具操作、運動イメージ、人工膝関節置換術後痛、サブリミナル刺激、ペダリングにおけるセロトニン、運動錯覚、ミラーセラピー、ラバーハンドなど様々で幅広い内容となっていました。そして何よりも、それぞれが自分の研究に対して真剣に取り組み、少しでもより良いリハビリテーションを提供したいという共通意識があることからも、批判的意見を含んだ多くの建設的意見が飛び交う特徴ある研究室とも言えます。 最後に私自身M1として研究紹介もさせていただき、M1だけでのミーティングでは気づくことができない機器の使い方や統計の解釈、デザインの組み立て、そして研究の意義をどう伝えていけばいいのか、先輩方から多くのアドバイスを頂きました。今回の研究大会を通じて多くの研究に触れることによって、研究の楽しさを実感し、今後の研究に対する大きな活力となりました。 (M1 中井 秀樹) ※畿央大学大学院では、所属を、修士課程(Master)を「M」、博士後期課程(Doctor)を「D」としています。(たとえば修士課程2年目を「M2」、博士後期課程3年目の所属を「D3」といいます) 【関連ブログ】 ▼「平成23年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」の様子 https://www.kio.ac.jp/information/2012/01/23-6.html ▼「平成21年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」の様子 https://www.kio.ac.jp/information/2010/02/post-231.html ▼「平成20年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」の様子 https://www.kio.ac.jp/information/2009/01/post-129.html
2013.01.31
運動器リハビリテーションセミナー実践編を開催しました。
今年度よりスタートした「運動器リハビリテーションセミナー」ですが、今回(1/26・27)の実践編で全ての日程が終了いたしました。昨年6月の基礎編から始めたこのセミナーですが、その後、8月の応用編、10月の臨床編と毎回約100名の方々にご参加いただきました。 運動器リハビリテーションとは、主に整形外科分野のリハビリを指し、肩関節の…、腰の…など、全国では多くの勉強会が開催されております。しかし、養成校で習った筋肉や関節の再教育の場はほとんどなく、系統立てて基礎から臨床、または研究分野まで学べる場はほとんどない状況です。そこで年間を通して学べる場を提供する、というコンセプトでセミナーの開催に至りました。 その運動器リハビリテーションセミナーも、今回の実践編で完結! 実践編はその名の通り、今までの基礎知識を臨床で、さらに研究分野にまで応用するため実際に筋力計や筋電図などを用いて行いました。 なんと、参加人数もぐっと減って20名。講師がほぼマンツーマンで三次元動作解析機器や加速度計、筋電図などの仕組みから使用法まで講義しました。 筋電図は難しいから…などという声を臨床現場で聞きますが、実際に触ってみると意外と簡便にデータ採取ができることをご理解いただけたようです。また、三次元動作解析器は大学などにしかないから臨床現場には関係ないでしょ?という声も耳にしますが、仕組みをご理解いただくと、『この機器を使用した研究論文を読んでみようと思った!』『自分の病院と共同研究をしてもらえないか?』などと、とてもうれしいお言葉を頂きました。 バタバタと準備をして、見切り発車に近い状態であったとは思いますが、年間を通して受講していただいた方々、本当にありがとうございました。 来年度もやります!! さらに内容を濃く!さらにバージョンアップして!さらにマニアックに?2歳になった運動器リハビリテーションセミナーにぜひご参加ください。 講師一同、切磋琢磨してお待ち申し上げておりますm(__)m 理学療法学科 准教授 福本貴彦 【参考記事】 運動器リハビリテーションセミナー(基礎編)開講!! https://www.kio.ac.jp/information/2012/06/post-517.html 運動器リハビリテーションセミナー(応用編)が行われました! https://www.kio.ac.jp/information/2012/08/post-547.html 運動器リハビリテーションセミナー(臨床編)を開講しました! https://www.kio.ac.jp/information/2012/11/post-593.html
2012.12.25
健康科学研究所研究員の『第5回日本運動器疼痛学会』レポート
2012年11月17・18日に、東京・有明のTFTビル・ビッグサイトTFTホールにおいて、『第5回日本運動器疼痛学会』が開催されました。 今学会のテーマは、「Open a new horizon! 疼痛研究の新しい展開」でした。「horizon」には、地平線、水平線という意味のほかにも、知力、思考、経験、興味などの範囲や限界という意味があり、「Open a new horizon!」にはその限界をこえて真実に迫るという意味がこめられていると、今学会長の高橋和久教授(千葉大学大学院医学研究院整形外科学)が述べられました。その言葉にあるように、今学会には整形外科医、麻酔科医、精神科医、看護師、理学療法士、心理士など多職種が集まり、「運動器の痛み」という共通の課題に対して、様々なアプローチによる発表や討議が行われました。 高橋和久教授による会長講演では、椎間板性疼痛について歴史的考察から将来展望までお話されました。 教育研修講演では、岩田幸一教授(日本大学歯学部生理学講座)が痛みの上行路と神経障害性疼痛のメカニズムについて、園畑素樹先生(佐賀大学医学部整形外科)が、代表的な運動器疼痛部位である股関節について、岩下成人先生(滋賀医科大学医学部附属病院 ペインクリニック科)が慢性疼痛に対する薬物療法における注意点についてお話されました。 ランチョンセミナーでは、高橋弦先生(山王整形クリニック)が、自ら提唱し実践されている運動器疼痛症候学に基づく腰痛診療について、西須孝先生(千葉県こども病院整形外科)が子供の疼痛について興味深いお話をして下さり、松平浩先生(労働者健康福祉機構関東労災病院勤労者筋・骨格系疾患研究センター)から慢性腰痛ハイリスク群の簡便なスクリーニング法としてSTarT Back Screening Toolのご紹介をして頂きました。 イブニングセミナーでは、メイヨー・クリニック医科大学名誉教授の丸田俊彦先生からPain Behaviorという臨床概念について、先生の過去30年の実体験を基にお話して頂きました。モーニングセミナーでは、川真田樹人先生(信州大学医学部麻酔蘇生学講座)が、遷延性術後痛のメカニズムについてお話されました。 本学の森岡周教授(畿央大学大学院健康科学研究科)も司会を務められたシンポジウムⅠ「痛みを可視化する」では、江口和先生(松戸市立病院脊椎脊髄センター)が拡散強調MRIを用いた脊髄神経根病変の可視化技術について、西井孝先生(大阪大学大学院医学系研究科運動器医工学治療学寄附講座)がMRI3次元T2マッピングによる軟骨変性の可視化技術について、許斐恒彦先生(慶應義塾大学医学部整形外科学教室)が拡散テンソルトラクトグラフィーによる脊髄変性と痛みの可視化技術について、谷口亘先生(関西医療大学保健医療学部 疼痛医学分野)が2光子励起レーザー顕微鏡による脊髄後角シナプス伝達効率変化の可視化技術について、それぞれ最先端の可視化技術についてお話されました。 私が最も関心を寄せたのは、シンポジウムⅡ「患者心理と痛み」でした。笠井裕教授(三重大学大学院医学系研究科脊椎外科・医用工学講座)は外科医の立場から、谷川浩隆先生(JA 長野厚生連安曇総合病院)は整形外科医の立場から、橋本亮太先生(小児発達学研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター)は精神医学の立場から、有村達之先生(九州ルーテル学院大学人文学部)は臨床心理の立場からお話されました。どの講演も運動器疼痛において患者の心理、性格を無視することはできないことが強く伝わりました。特に谷川先生の「整形外科医が[どこかに必ず身体疾患がある]と確信して診療する姿が、患者の信頼感を増し不安を払拭し、逆説的であるが最も良い心理療法となりうる」という言葉は、近年明らかになってきた共感の脳内メカニズムやプラセボによる下降性疼痛抑制系の活性化などの知見と相まって、単なるHumanityではなく、Scientificな意味でリハビリテーションセラピストの臨床においても重要なことだと感じました。 一般演題においては、口演とポスターで計102演題の発表がありました。基礎医学、整形外科、麻酔科、精神科、心療内科、看護科、リハビリテーション科など多岐にわたる領域からの発表がありました。その中から、今回、私が発表した「視線方向認知課題の慢性頸部痛に対する改善効果:無作為化比較試験」がポスター優秀賞を受賞させて頂きました。この研究は、頸部運動のシミュレーション課題となる視線方向認知課題の頸部運動器疾患患者の頸部痛と頸部の関節可動域に与える影響についてRCTを用いて検証したもので、健常者との比較結果も合わせて発表させて頂きました。この研究は、本学大学院修士課程における脳イメージング研究から開始したものですが、昔ではなかなか結びつかなかった脳機能に対する課題が、運動器疼痛に与える効果を検証したものです。 もちろん慢性疼痛において末梢を考慮することは当然ですが、近年、慢性疼痛には脳内での神経化学的変化、構造的変化、機能的変化が生じていることが明らかにされており、慢性疼痛改善のための脳をターゲットとした訓練の必要性も叫ばれるようになっています(Moseley GL、 Flor H. Targeting cortical representations in the treatment of chronic pain: a review. Neurorehabil Neural Repair.2012;26:646-52.)。その意味で、本学におけるニューロリハビリテーション研究は、時代に求められた研究分野と言えます。 いずれにしても世界の疼痛研究の一翼を担う本邦の重鎮の先生方の前で受賞できたことは、身に余る光栄と感じると同時に、医師が多く集まる威厳のある学会においても、アイデアと工夫を凝らせば、一理学療法士であっても認めて頂ける可能性を実感することができました。この場を借りて、この研究を指導して下さった森岡周教授、松尾篤先生、冷水誠先生、前岡浩先生、そしてこの研究に協力してくれた東大阪山路病院・みどりクリニックのスタッフに深謝いたします。ありがとうございました。 次回、第6回日本運動器疼痛学会は野口光一教授(兵庫医科大学解剖学講座神経科学部門)のもと、2013年12月7・8日に神戸国際会議場で開催されることが決定しています。私も含め、本学研究者の多くの演題登録が望まれます。 畿央大学健康科学研究所研究員 東大阪山路病院リハビリテーション科 信迫悟志
2012.12.11
「Special Issue: Advances in Neurorehabilitation Techniques」のリリース!
畿央大学健康科学研究科主任の森岡周教授がEditorを務められた海外雑誌『Journal of Novel PhysiotherapiesのSpecial Issue: Advances in Neurorehabilitation Techniques』がリリースされました。 このSpecial Issueには畿央大学ニューロリハビリテーショングループの教員、研究員、大学院生、本学教員の共同研究者等、多くの本学関係者が掲載されている論文の筆頭著者、共著者として関わっています。その内容は”Novel Physiotherapies”という雑誌の名前の通り、最新の神経科学の知見に基づき、神経リハビリテーションの分野において新しい治療コンセプト、治療手段を提案する非常に示唆に富んだものばかりです。以下のアドレスから各論文をご覧いただけますので、是非ご一読ください。 Journal of Novel Physiotherapies Special Issue: Advances in Neurorehabilitation Techniques http://www.omicsgroup.org/journals/ArchiveJNP/SpecialissueJNP-S1.php 以下が畿央大学関連著者および論文タイトルです。 ●Okada Y. Galvanic Vestibular Stimulation for Camptocormia in Parkinson’s Disease: A Case Report ●Osumi M. Early Intervention with a Tactile Discrimination Task for Phantom Limb Pain that is Related to Superficial Pain: Two Case Reports ●Nobusako S. Gaze Direction Recognition Task for the Rehabilitation of Chronic Neck Pain ●Ikuno K. Sensory Electrical Stimulation for Recovery of Hand and Arm Function in Stroke Patients: A Review of the Literature ●Nishigami T. Effects of a Hardness Discrimination Task in Failed Back Surgery Syndrome with Severe Low Back Pain and Disturbed Body Image: Case study ●Nakano H. Brain Activity during the Observation, Imagery, and Execution of Tool Use: An fNIRS/EEG Study ●Hiyamizu M. Effect of Presentation of Target on the Physical Performance in Healthy Subjects: A Preliminary Study 理学療法学科助教 岡田洋平