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2026.08.14
サーマルグリル錯覚を測るモバイル機器の妥当性の検証~ニューロリハビリテーション研究センター
温かいモノと冷たいモノを同時に触ることで、灼熱痛に似た痛みや不快感を経験するサーマルグリル錯覚という現象が知られています。この錯覚は痛みの定量的な評価方法として注目されていますが、従来の計測装置は大型・高価であることが課題でした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 佐々木遼、大住倫弘教授を中心とする研究グループは、2つのグラフェンからなる携帯型のサーマルグリル錯覚機器では従来型の8プローブ型装置と中等度以上の一致を示すこと、複数回の計測値の平均によって高い信頼性が得られることを明らかにしました。この研究成果はEuropean Journal of Pain誌(Reliability and validity of a novel, portable thermal grill illusion apparatus using two graphene probes: An initial psychophysical validation study)に掲載されています。 研究概要 “サーマルグリル錯覚”とは、温かい刺激と冷たい刺激を同時に与えると、実際には存在しない灼熱痛を中心とした痛みや不快感が惹起される現象です。この錯覚は中枢神経系の感覚情報処理の過程で生じると説明されており、近年は痛みの評価ツールとしての活用も期待されています。しかし、これまで用いられてきた装置は、複数の温冷プローブを交互に並べる構造が主流であり、大型かつ高価であることから、臨床現場での普及の妨げとなっていました。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの佐々木遼、大住倫弘教授らの研究グループは、2つのグラフェンから構成される手のひらサイズの携帯型サーマルグリル錯覚機器を用い、従来用いられていた大型機器との比較から機器の信頼性並びに妥当性を検証しました。その結果、携帯型の2プローブ機器は従来型の8プローブ装置と比べて痛みや不快感は弱いものの、moderate〜excellentの一致を示し、痛みの質についても両装置に共通して灼熱痛というサーマルグリル錯覚に特徴的な感覚が誘起されることが明らかになりました。また、複数回の測定を平均することで測定誤差が小さくなり、健常成人において痛みは4回、不快感は3回以上の平均で高い信頼性が得られることも示されました。この成果は、サーマルグリル錯覚の計測をより簡便かつ標準化された手続きで行うための一歩になったと言えます。 本研究のポイント 温かい刺激と冷たい刺激を同時に触れると痛みや不快感が誘起されるサーマルグリル錯覚を2つのグラフェンで構成される携帯型機器で再現できるのかを検証した。 携帯型の2プローブ機器では、従来型の8プローブ装置とmoderate〜excellentの一致を示し、どちらの装置もサーマルグリル錯覚に特徴的な「灼熱痛」を誘起させた。 繰り返し測定を平均することで信頼性が向上し、痛みは4回、不快感は3回以上の計測の平均によって高い信頼性が得られることが確認された。 研究内容 サーマルグリル錯覚を惹起するためには、温かい刺激と冷たい刺激を同時に与える必要があります。本研究では、2つのグラフェン(間隔1.6mm)を温刺激42℃、冷刺激18℃という、通常では痛みを生じさせない温度で管理し、同一の温度条件に設定した銅棒を用いた従来型の8プローブ型装置と比較しました(図1)。実験では前腕または手関節の橈側への10秒間の刺激を10回繰り返すことでサーマルグリル錯覚をそれぞれ誘発し、1回ごとに熱さ・冷たさ・痛み・不快感を聴取しました。また、10回の終了後には痛みの性質を評価しました。 図1.2つのサーマルグリル錯覚機器 (A) 携帯型の機器であり、コンパクト(70 mm × 40 mm × 65 mm)かつ軽量(140 g)であることが特徴になります。2つのグラフェンプロー(7 mm × 15 mm)はプラスチックケースの中心に1.6mmの間隔で設置されています。 (B) 過去の研究でも用いた8プローブ型のサーマルグリル錯覚機器は8本の銅製バー(長さ20 cm、直径0.8 cm)からなり、各バーの間隔は5 mmに設定されました。4つの棒は温水槽と4つの棒は冷水槽と接続され、それぞれ水を灌流させることで温度を維持しました。 その結果、携帯型の2プローブ型機器は従来型の8プローブ型装置よりも痛みや不快感がやや低いものの、2つの機器で生じる熱さ・冷たさ・痛み・不快感には強い相関が見られ、級内相関係数(ICC)でもmoderate〜excellentの一致が確認されました。また、両装置ともサーマルグリル錯覚に特徴的な“灼熱痛”が中央値1以上の主要な感覚として共通して抽出されました(図2)。 図2.2プローブと8プローブ機器の痛み・不快感の比較(Bland-Altman plots) さらに、携帯型機器による10回の繰り返し測定を解析した結果、単回の測定では誤差が大きいものの、複数回の平均を取ることで信頼性(ICC)が向上し、測定誤差(SEM・MDC95)が小さくなることが示されました(図3)。具体的には、痛みでは4回、不快感では3回以上の計測の平均によって高い信頼性が得られました。 図3.2プローブ機器の複数トライアル平均による信頼性 携帯型装置と従来型装置の絶対値の差は、プローブの本数や接触面積の違いによる刺激の差を反映している可能性がありますが、本研究の成果は携帯型の2プローブ型機器でも十分にサーマルグリル錯覚を誘起することができることを示しています。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、これまで大型・高価な装置を必要としていたサーマルグリル錯覚の計測が、手のひらサイズの携帯型装置でも一定の妥当性・信頼性を持って実施可能であることを示しました。特に、健常成人において複数回の測定を平均することで信頼性が向上することが確認された点は、今後この装置を用いた計測プロトコルを設計する上で有用な知見です。 今後は、慢性疼痛や脳卒中後疼痛などの有痛患者に対する応用や、他の神経生理学的指標との関連の整理、精神心理状態との関連性の検証などを進めていく予定です。 論文情報 Ryo Sasaki, Michihiro Osumi, Yuki Morikawa, Shu Morioka Reliability and validity of a novel, portable thermal grill illusion apparatus using two graphene probes: An initial psychophysical validation study European Journal of Pain. 2026 July 23 関連する先行研究 Osumi M, Sumitani M, Nobusako S, Sato G, Morioka S. Pain quality of thermal grill illusion is similar to that of central neuropathic pain rather than peripheral neuropathic pain. Scand J Pain. 2021 May 21;22(1):40-47. Uragami S, Osumi M. Cortical oscillatory changes during thermal grill illusion. Neuroreport. 2023 Mar 1;34(4):205-208. Matsuda S, Igawa Y, Uchisawa H, Iki S, Osumi M. Thermal Grill Illusion in Post-Stroke Patients: Analysis of Clinical Features and Lesion Areas. J Pain Res. 2023 Nov 14;16:3895-3904. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 研究員 佐々木遼 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2026.08.14
入院中の慢性がん関連痛を時間軸で捉える-反復評価からみえた1日の痛みの特徴-~ニューロリハビリテーション研究センター
がんに関連する慢性疼痛は、身体機能や生活の質を損なう重要な症状ですが、入院中に痛みが1日の中でどのように変化するかは十分に明らかではありませんでした。畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程の杉野達也氏と森岡周教授らは、慢性がん関連痛を有する入院患者の痛みを、起床時から就寝時まで1日6回、3日間にわたり評価しました。その結果、集団レベルでは痛みの強さが1日を通して比較的安定していることが示されました。本成果は、入院患者の痛みを単一時点の数値だけで判断せず、身体機能、鎮痛薬、治療状況、心理面、入院環境を含めて解釈する重要性を示すものです。この研究成果はJournal of Palliative Medicine誌(Within-Day Pain Profiles in Hospitalized Patients with Chronic Cancer-Related Pain: Implications for Inpatient Symptom Assessment)に掲載されています。 研究概要 痛みは、病気や組織の状態だけで決まるものではなく、心理状態、活動量、治療、薬剤、生活環境などの影響を受ける主観的な体験です。さらに、慢性疼痛の一部では、朝に強い、夕方から夜に強くなるなど、時間帯による変化が報告されています。しかし、入院中の慢性がん関連痛について、起床から就寝までの痛みの推移を定時に繰り返し測定した研究は限られていました。そこで、畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程の杉野達也氏、森岡周教授らの研究チームは、慢性がん関連痛を有する入院患者を対象に、1日の痛みの推移を繰り返し評価しました。その結果、慢性がん関連痛では、集団レベルの痛みの強さは起床から就寝まで比較的安定していることが示されました。一方、慢性非がん性疼痛では、起床時と就寝時に痛みが高く、午前中に低下する異なる推移がみられました。ただし、両群は患者背景が大きく異なるため、両群間の差を直接検証したものではありません。また、慢性がん関連痛群では、3日間の平均的な痛みが強いことと、罹患期間の長さ、中枢性感作に関連する症状、痛みに対する破局的思考、抑うつ症状の強さとの間に関連が認められました。本研究は、入院中の慢性がん関連痛の1日の痛みの推移を示すとともに、痛みを単一時点の数値だけで捉えるのではなく、患者の身体機能、薬剤、治療状況、心理面、入院環境などを踏まえて解釈する重要性を示しました。 本研究のポイント 慢性がん関連痛を有する入院患者38名の痛みを、起床時から就寝時まで1日6回、3日間にわたり繰り返し評価しました。 慢性がん関連痛群では、集団レベルの痛みの強さに有意な時間帯の影響は認められず、通常の入院管理下で比較的安定した日内プロファイルを示しました。 集団レベルで痛みが安定していても、個々の患者に変動がないとは限りません。単一時点の痛みの数値は、身体機能、鎮痛薬、治療状況、心理面、入院環境と併せて解釈する必要があります。 研究内容 本研究は、慢性疼痛が3か月以上持続している成人入院患者68名を対象とした観察研究です。対象者は、慢性がん関連痛群38名と慢性非がん性疼痛群30名で構成されました。慢性がん関連痛群については、3日間の痛み評価が終了するまでに手術、化学療法、放射線治療などの積極的ながん治療を受けた患者は除外されました。 痛みの強さは、0を「痛みなし」、100を「想像できる最も強い痛み」とするVisual Analog Scale(VAS)を用いて、起床時、9時、12時、15時、18時、就寝時に評価しました。この評価を3日間連続して行い、各時間帯の平均値から1日の痛みの推移を検討しました。その結果、慢性がん関連痛群では、起床時から就寝時まで、痛みの強さに有意な時間帯の変化は認められませんでした。これに対して慢性非がん性疼痛群では、起床時に高かった痛みが9時から12時に低下し、その後、夕方から就寝時に再び高くなる推移を示しました(図1)。また、慢性がん関連痛群では、3日間の平均的な痛みが強いことと、罹患期間の長さ、中枢性感作に関連する症状、痛みに対する破局的思考、抑うつ症状の強さとの間に関連が認められました。 図1.入院患者における慢性がん関連痛と慢性非がん性疼痛の1日の推移 慢性がん関連痛群(a)では、起床時から就寝時まで比較的安定した推移を示しました。一方、慢性非がん性疼痛群(b)では、起床時と就寝時に高く、午前中に低下する推移がみられました。なお、両群は患者背景が異なるため、両群間の差を直接検証した結果ではありません。 慢性がん関連痛群における時間帯の影響は、定時の強オピオイド使用と評価日を考慮した解析でも有意ではなく、集団レベルで比較的安定しているという解釈は変わりませんでした。一方で、集団の平均値による解析は、個々の患者にみられる一時的な痛みの増悪や変動を弱めて示す可能性があります。 したがって、本研究結果は「がん関連痛は1日の中で変化しない」ことを示すものではなく、個々の患者の痛みを、身体機能、薬剤、治療、心理面、入院環境と併せて評価する必要性を示すものです。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、入院中の慢性がん関連痛を単一時点の数値だけで判断せず、身体機能、鎮痛薬、治療状況、心理面などを含めて解釈する重要性を示しました。今後は、活動量や睡眠、薬剤投与時刻、入院環境なども併せて評価し、個々の患者に応じた疼痛評価と支援方法の確立につなげる必要があります。 論文情報 Tatsuya Sugino, Yoichi Tanaka, Shu Morioka Within-Day Pain Profiles in Hospitalized Patients with Chronic Cancer-Related Pain: Implications for Inpatient Symptom Assessment Journal of Palliative Medicine. 2026 August 3 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 博士後期課程 杉野 達也 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2026.08.12
公立学校教員採用試験(1次試験)速報〜2027年3月卒業予定者
2027年度公立学校教員採用試験の1次試験結果が発表され、昨年同様、今年も多くの学生が1次試験を突破しました。教員採用試験は終盤に差し掛かっていますが、教採・公務員対策室では、1人でも多くの学生が初期の目標を達成できるよう、受験する自治体に対応した2次試験対策を実施しているところです。 一人ひとりの夢がかなうように、大学一丸となって最後まで応援していきます。頑張れ、畿央生! 教採・公務員対策室 ▶2026年3月卒業生の実績(小学校教諭72.1%、公立幼・保100%、養護教諭40.9%) 公立学校教員採用試験 都道府県・市別の合格者数 公立小学校教諭ー現代教育学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 31 30 96.8% 大阪府 18 18 100% 大阪市 19 18 94.7% 堺市 6 5 83.3% 京都府 3 2 66.7% 京都市 1 1 100% 三重県 1 1 100% 愛知県 2 2 100% 北海道 1 1 100% 茨城県 4 4 100% 千葉県 22 21 95.5% 東京都 1 1 100% 横浜市 2 2 100% 川崎市 2 2 100% 富山県 1 1 100% 浜松市 2 1 50.0% 鳥取県 17 17 100% 島根県 8 8 100% 山口県 1 1 100% 高知県 19 19 100% 福岡県 1 1 100% 北九州市 3 3 100% 大分県 1 1 100% 公立中学・高校(数学)教諭ー現代教育学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 3 2 66.7% 大阪府 3 3 100% 大阪市 1 1 100% 茨城県 1 1 100% 島根県 3 3 100% 愛媛県 3 2 66.7% 高知県 7 2 28.6% 福岡県 1 1 100% 熊本県 1 1 100% 公立中学・高校(英語)教諭ー現代教育学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 2 2 100% 大阪府 1 1 100% 茨城県 1 1 100% 高知県 2 2 100% 公立学校養護教諭ー現代教育学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 3 1 33.3% 大阪府 5 3 60.0% 京都市 5 4 80.0% 和歌山県 2 2 100% 愛知県 1 1 100% 茨城県 5 1 20.0% 東京都 6 3 50.0% 川崎市 1 1 100% 浜松市 2 1 50.0% 鳥取県 4 3 75.0% 島根県 5 2 40.0% 愛媛県 5 2 40.0% 高知県 4 3 75.0% 特別支援学校教諭ー現代教育学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 1 1 100% 大阪府 1 1 100% 愛知県 1 1 100% 鳥取県 1 1 100% 栄養教諭ー健康栄養学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 2 1 50.0% 北海道 1 1 100% 千葉県 1 1 100% 川崎市 1 1 100% 鳥取県 1 1 100% 家庭科教諭ー人間環境デザイン学科 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 1次合格率 奈良県 2 2 100% 大阪府 1 1 100% 注1. 過年度卒業生を含みません(すべて2027年3月卒業見込者)。 注2. 2026年8月12日現在の判明者数です。今後変動する場合があります。 注3. 一部、試験での1次試験免除者を含みます。
2026.08.06
2026年7月29日 教職員対象 「学校安全」研修会~学生の命を守る安全管理体制の構築~を開催しました。
畿央大学では、2016年に発生した水泳実習中の事故を教訓とし、この事故のあった7月29日を「二度と命を失うような事故を起こさない」という思いを全教職員で共有し、「安全について確認し合う日」と定めています。 今年度は7月29日(水)に、桃山学院大学 人間教育学部の村上 佳司教授を講師にお迎えし、「学生の命を守る安全管理体制の構築」をテーマとした学校安全研修会を実施しました。講演では、「大学における危機管理の見直し」「安全安心を脅かす要因と予防・対策」「生涯安全生活の視点」の3つのテーマを中心に、大学における安全管理のあり方についてご講義いただきました。 当日は授業の最終週でしたが、教職員63名が参加し、会場となった講義室はほぼ満席となりました。 講演では、事故を風化させず、組織として学び続けることの重要性や、想定外の事態にも柔軟に対応できる危機管理体制の必要性について説明がありました。また、ヒヤリ・ハット事例の共有や心理的安全性の確保、安全文化の醸成など、日常的な取組が学生の命を守ることにつながることを学びました。 さらに、大学には学生の安全を守るだけでなく、自ら安全に行動できる人材を育成する役割もあることが示され、教職員一人ひとりが高い危機管理意識を持ち続けることの重要性について理解を深める機会となりました。 また、講演後の質疑応答でも、4人の教職員から質問が出て、先生の具体的なご経験も交えながら、丁寧にお答えいただきました。 今回の研修会で得た学びを今後の教育活動や安全管理体制の充実に活かしながら、教職員が日々の確認と対話を積み重ね、学生の安全確保に努めてまいります。
2026.08.04
【ヘルスチーム菜良】学生考案レシピによるお惣菜フェアを開催!
奈良県内4大学 ヘルスチーム菜良 管理栄養士を目指す学生のアイデアが詰まった、お惣菜フェアを開催します 奈良県内の管理栄養士養成課程(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)の学生で構成された食育ボランティアサークル「ヘルスチーム菜良(なら)」では、奈良のうまいものプラザ協力のもと、学生が考案したレシピによる健康メニューをランチバイキングにて提供します。 奈良県産食材を使用し、栄養バランスとおいしさにこだわって学生が考案したお惣菜メニュー。 この機会に、ぜひご賞味ください。 イベント情報(奈良のうまいものプラザ ランチバイキングでのメニュー提供) 日 時 【畿央大学考案メニュー提供日】 2026年8月23日(日)11:00~ なくなり次第終了 ※上記のほか、8/22(土)帝塚山大学、8/29(土)近畿大学、8/30(日)奈良女子大学がそれぞれ考案メニューを提供します。 場 所 奈良のうまいものプラザ(JR奈良駅1階) 奈良のうまいものプラザ チラシ 問い合わせ先 畿央大学 健康科学部 健康栄養学科 野原 潤子 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: j.nohara@kio.ac.jp
2026.08.03
自分への思いやりが、ジャンクフード喫食の低さを介して 自殺念慮の低さと関連~看護医療学科
― 超加工食品の摂取頻度と自殺念慮の関連を、生活習慣精神医学の視点から検証 ― 本研究のポイント セルフコンパッションが高い人ほど、基本的心理欲求(自律性・有能感・関係性)が満たされている傾向が示されました。 基本的心理欲求が満たされている人ほど、超加工食品の摂取頻度が低い傾向が示されました。 超加工食品の摂取頻度が高い人ほど、自殺念慮が強い傾向が示されました。 これらを統合し、セルフコンパッション・日常の食行動・自殺念慮をつなぐ新しいモデルを提案しました。 本研究は、本学看護医療学科の紅林 佑介准教授による成果で、国際誌「Archives of Psychiatric Nursing」に掲載されました。 研究の背景 自殺念慮につながる要因は、心理的苦痛だけでなく、睡眠、食事、身体活動、社会的つながりなどの日常生活とも関係する可能性があります。近年、生活習慣精神医学では、こころの健康と食行動の関連が注目されています。なかでも、加工度が高く、糖・脂質・塩分を多く含みやすい超加工食品は、精神的健康との関連が報告されるようになりました。 一方で、超加工食品の摂取を単に「控えるべき行動」として扱うだけでは、なぜその行動が生じるのか、どのように支援できるのかは十分に説明できません。本研究では、困難に直面した際に、過度な自己批判を弱め、自分に思いやりを向ける心理的資源であるセルフコンパッションと呼ばれる心理特性に着目しました。さらに、自己決定理論に基づく基本的心理欲求、すなわち「自律性」「有能感」「関係性」が、セルフコンパッションと食行動をつなぐ心理的機序になり得るとも考えられました。 研究の概要 そこで、本研究では、20~59歳の成人400名を対象に、セルフコンパッション、基本的心理欲求、超加工食品の摂取頻度、自殺念慮の関連を横断的に検討しました。分析では、セルフコンパッションから基本的心理欲求、超加工食品の摂取頻度を経て自殺念慮へ至る連続的な媒介経路を検証しました。 その結果、セルフコンパッションは基本的心理欲求の充足と正に関連し、基本的心理欲求の充足は超加工食品の摂取頻度の低さと関連しました。また、超加工食品の摂取頻度は自殺念慮の高さと関連しました。さらに、セルフコンパッションと自殺念慮の関連は、基本的心理欲求を介した間接的な関連として示されました。 新知見と意義 本研究の新知見は、第一に、超加工食品の摂取頻度が自殺念慮と関連する生活習慣上の要因として示された点です。自殺念慮は多くの要因によって形成されるため、食行動だけで説明できるものではありません。しかし、日常的で修正可能な行動である食品選択が、自殺念慮という重篤な精神健康指標と関連したことは、生活習慣精神医学および精神看護学にとって重要な知見と言えます。 第二に、セルフコンパッションが基本的心理欲求を介して、超加工食品の摂取頻度の低さと関連した点です。これは、健康的な食品選択には心理状態も影響する可能性を示唆しています。つまり、健康的な食行動になるよう支援するためには、「健康的な食行動を教える」だけでなく、本人の自律性を尊重し、有能感を高め、周囲とのつながりを支える心理的サポートも必要である可能性も示唆します。 第三に、セルフコンパッション、基本的心理欲求、食行動、自殺念慮を一つのモデルで統合した点です。セルフコンパッションを高める支援は、単に気分を和らげるだけでなく、基本的心理欲求を満たし、より健康的な生活行動を選びやすくなり、結果として自殺念慮を軽減する可能性があります。 看護実践への示唆 本研究は、精神保健上の健康教育に対して、次のような示唆を与えたと言えます。自殺念慮の軽減を目指した新しい複合的看護介入、つまりセルフコンパッションや基本的心理欲求を満たす心理教育と、健康的な食事選択および食習慣改善へのサポートを組み合わせる介入の開発につなげられる可能性があります。 今後の展望 本研究は横断研究であるため、因果関係を断定することはできません。今後は、縦断研究や介入研究によって、セルフコンパッション、基本的心理欲求、超加工食品の摂取頻度、自殺念慮の時間的関係を検証する必要があります。 論文情報 Yusuke Kurebayashi Mapping the self-compassion–suicidal ideation link: A serial multiple mediation path analysis involving basic psychological needs and ultra-processed food intake Archives of Psychiatric Nursing. 2026 July 22;64:152186 問い合わせ先 畿央大学 健康科学部看護医療学科 大学院 健康科学研究科 准教授 紅林佑介 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 y.kurebayashi@kio.ac.jp 関連記事 看護医療学科 紅林 佑介准教授が国際学術誌 PLOS ONE のAcademic Editorに就任しました 自分を優しく思いやる心(セルフ・コンパッション)が「不眠」と「孤独感」を解消する仕組みを解明:本学看護学科による国際共同研究 — 看護医療学科 紅林准教授、国際学術誌『SAGE Open Nursing』の編集査読委員に就任
2026.06.23
令和8年度「冬木智子特別奨励賞」「畿央大学特別奨励賞」授与式を執り行いました。
令和8年度「冬木智子特別奨励賞」ならびに「畿央大学特別奨励賞」の授与式が、2026年6月18日(木)12:30よりC棟エントランスホールにて執り行われました。 「冬木智子特別奨励賞」は、冬木智子名誉理事長が私財を寄付し設立した特別奨励基金により、学業成績・人物ともに優秀な学生に対し、表彰状および奨励金の授与を行うものです。各学科から1名、合計5名が選ばれました。 また、「畿央大学特別奨励賞」は、学業成績・人物ともに優秀な学生のこれまでの努力を賞し、今後さらなる活躍を期待し表彰状および奨励金の授与を行うものです。2回生から4回生の各学科1名(教育学部のみ2名)、合計18名が選ばれました。 多くの教職員と学生たちが見守る中、冬木正彦理事長より表彰状と奨励金が受賞者一人ひとりに手渡されました。 授与後、冬木正彦理事長から、受賞学生の日々の努力を称えるとともに、「他の学生の模範となり、大学の学びで多様な感性を養いながら大きく成長し、新しい社会に貢献できる人材になってもらいたい。」と、今後の活躍を願う言葉が送られました。 受賞された学生のみなさん、おめでとうございます。これからも夢の実現に向けてさらに頑張ってください。
2026.06.22
2028年4月「ビジネスデータサイエンス学部(仮称)」誕生!(設置構想中)
2026.06.12
令和8年度 在外研究員 研究計画説明会を開催しました。
本学には、教育研究水準の向上と国際交流の進展に資するため、学術の研究・調査等のために外国に在外研究員を派遣する制度があります。令和8年度は理学療法学科森岡教授と現代教育学科中垣准教授の2名がこの制度を利用され、在外研究員として赴任されます。海外赴任に先立ち、2026年6月4日(木)に研究計画説明会を開催し、教職員35名が参加しました。 研究課題名:脳卒中リハビリテーションにおける文化的背景の影響:身体的自己の再構築と神経理学療法教育の日仏比較研究 受入研究者:Yves Rossetti 教授 在外研究機関:Centre de Recherche en Neurosciences de Lyon, Université Claude Bernard Lyon 1, Inserm, CNRS 在外研究期間:令和8年7月1日~令和9年3月31日 理学療法学科 森岡 周教授は、2026(令和8)年7月1日から2027(令和9)年3月31日までの期間、フランスのリヨン神経科学研究センターで研究されます。 森岡教授は神経リハビリテーション学・身体性認知科学が専門で、今回の在外研究以前からJST-CREST「Narrabody(ナラティブ・エンボディメント)」プロジェクトを通じて、哲学教育や自己を言語化する文化を持つフランスとの共同研究を進められており、受入研究者の Yves Rossetti 教授はその仏側代表者でもあります。 日本とフランスの文化の違いを踏まえ、脳卒中者の回復過程を「身体機能」だけでなく「自己の再構築(語り)」を含む多層的なプロセスとして捉え、「患者がどう生き直すか」に焦点を当てた新しい回復過程に関する理論を提唱し、それを神経理学療法教育に活かそうとされています。 また、リヨン神経科学研究センターは Inserm・CNRS・リヨン第1大学が共同で運営する「ジョイントユニット(UMR)」という日本にはない仕組みの研究拠点で、森岡教授は客員教授として、大学院生や研究者の指導にもあたられます。 ▼ボジョレーでの日仏国際共同研究CREST会議の様子 研究課題名:児童が主体的に外国語(英語)を学ぶことのできる教材・指導法の開発 -自己調整学習、ISLA、および母語の影響を踏まえた言語学的視点から- 受入研究者:白井恭弘教授 在外研究機関:Case Western Reserve University (アメリカ) 在外研究期間:令和8年8月1日~令和9年7月31日 現代教育学科 中垣准教授は2026(令和8)年8月1日から2027(令和9)年7月31日までの期間、アメリカのCase Western Reserve Universityで研究活動をされます。 中垣先生の専門は英語教育学です。在外研究期間中は、アメリカのCase Western Reserve Universityにおいて、白井 恭弘教授のもと、日本の児童が主体的に英語を学ぶための教材や指導法の開発に関する研究に取り組まれます。 滞在中は、白井教授が担当される「応用言語学」や「第二言語習得論」の授業にも参加し、専門的な知見を深める予定です。また、ホームステイを通して現地での生活を経験しながら、アメリカの文化や教育についての理解も深められるそうです。 お二人の先生方には、日本国内では経験できないような発展的な研究でグローバルにご活躍いただくことを期待しています。
2026.06.05
第1回日本理学療法学会連合学術総会において、森岡 周センター長が「臨床研究学術賞」を受賞します~ニューロリハビリテーション研究センター
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長の森岡周教授が、2026年7月24日(金)~26日(日)に開催される第1回日本理学療法学会連合学術総会において、「臨床研究学術賞」を受賞することが決定しました。 日本理学療法学会連合は、現在20の法人学会・研究会を束ね、理学療法学の多様な専門領域を横断する学術組織です。日本における理学療法が制度的な歩みを始めてから60年を超えた現在、その専門分化した学術領域を「連合」として結び直す第1回学術総会が開催されます。この歴史的な第1回総会において、臨床研究学術賞を受賞することは、本センターが継続してきた臨床研究の歩みにとって、大変意義深い栄誉です。 森岡教授は、1992年に理学療法士免許を取得して以降、臨床現場で生じる問いを研究へと発展させることを一貫して重視し、脳卒中後の運動障害、高次脳機能障害、身体性、慢性疼痛、神経リハビリテーションに関する研究を進めてきました。畿央大学では20年以上にわたり、臨床と研究を往還するニューロリハビリテーション研究を推進し、多くの共同研究者、大学院生、臨床家とともに研究活動を展開してきました。 また、同総会では、基礎研究学術賞を受賞された新潟医療福祉大学の大西秀明先生とともに、「理学療法学術賞受賞記念講演」が行われます。 理学療法学術賞受賞記念講演 日時:2026年7月24日(金) 10:00〜11:00 会場:札幌コンベンションセンター 第1会場(1F 大ホールA) 講師:大西 秀明、森岡 周 座長:網本 和 ※オンデマンド配信あり https://www.gakkai.co.jp/jspt1/program.html#02 今回の受賞を励みに、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは、今後も臨床に根ざした問いを大切にしながら、理学療法学およびニューロリハビリテーションの発展に貢献する研究・教育活動を推進してまいります。


