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2024.06.17
痛みの性質を観察することで脳卒中後疼痛のリハビリテーション予後を推定できるか?~ニューロリハビリテーション研究センター
脳卒中後疼痛(Post-Stroke Pain:PSP)は、脳卒中を発症した患者の約40%が経験するとされる痛みです。脳卒中後疼痛は、患者の日常生活やリハビリテーション過程に大きな影響を与えるため、その予後を正確に予測し、適切なリハビリテーションを計画する必要があります。畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程1年 浦上 慎司、ニューロリハビリテーション研究センター 大住 倫弘 准教授らの研究グループは、痛みの性質データ(うずくような、しびれたような)を活用すれば痛みのリハビリテーション予後を推定できることを明らかにしました。この研究成果はPhysical Therapy誌(Prognosis of Pain after Stroke during Rehabilitation Depends on the Pain Quality)に掲載されています。 研究概要 脳卒中後疼痛(Post-Stroke Pain:PSP)は、脳卒中を発症した患者の約43%が経験するとされる痛みです。この痛みは肩の痛み、筋肉の痙攣による痛み、神経障害性疼痛など、様々なタイプがあり、患者の日常生活やリハビリテーション過程に大きな影響を与えます。PSPの管理は患者の機能回復にとって重要であり、痛みの質に応じた個別化された治療が理想とされています。今回の研究により、脳卒中後の痛み(PSP)のリハビリテーション予後は、痛みの性質に依存することが明らかになりました。 本研究のポイント ■ 痛みの性質に基づく患者分類: 脳卒中後疼痛患者を4つの異なるクラスターに分類し、それぞれの痛みの性質に基づいて個別のリハビリテーション戦略が提案されました。 ■ リハビリテーション効果の差異: 一部のクラスターでは、従来の運動療法ベースのリハビリテーションが有効である一方、他のクラスターでは追加の治療法が必要とされることが判明しました。 ■ 個別化されたリハビリテーションの必要性: 痛みの性質に応じた個別化されたリハビリテーション戦略が、脳卒中後疼痛の治療に重要であることが示されました。 研究内容 本研究では、脳卒中後疼痛を有する85名の患者を対象に、痛みの質に基づいて4つの異なるクラスターに分類しました(下図の左:こちらをクリック)。クラスター1は「冷たい刺激が痛いグループ」、クラスター2は「しびれがつよいグループ」、クラスター3は「圧痛がつよいグループ」、クラスター4は「深部痛がつよいグループ」で構成されました。患者は、12週間にわたる運動療法ベースのリハビリテーションを受け、痛みの強さを縦断的に観察されました。クラスター4の患者は、従来の運動療法ベースのリハビリテーションにより痛みの強度が有意に軽減されましたが、クラスター1およびクラスター2の患者は痛みの軽減が見られませんでした(下図の右:こちらをクリック)。この研究結果から、症例ごとに異なる痛みの性質によってリハビリテーション予後が異なることが分かりました。痛みの性質は、症例の痛みを発生させている病態メカニズムを表現していると考えられていることから、それぞれの病態によってリハビリテーション予後が異なるということが考えられます。そのため、個別化されたリハビリテーション戦略が重要であり、特に、従来のリハビリテーションが効果的でない場合、追加の治療法(例:経頭蓋直流刺激など)が必要となる可能性があります。 図:脳卒中後疼痛の痛みの性質に基づくクラスター分類とそれぞれのグループのリハビリテーション予後 *高解像度の図はこちらをクリックして下さい。 本研究の臨床的意義および今後の展開 今回の研究では、症例が日常的に表現する痛みの性質(ズキズキなど)を軽んじてはいけないということが再確認されました。また、リハビリテーションの初期段階での痛みの性質の評価をすることで、予後を予測できるだけでなく、リハビリテーションの選択を迅速に提供できるようになるとのことです。 論文情報 Uragami S, Osumi M, Sumitani M, Fuyuki M, Igawa Y, Iki S, Koga M, Tanaka Y, Sato G, Morioka S. Prognosis of Pain after Stroke during Rehabilitation Depends on the Pain Quality. Phys Ther. 2024 Apr 3:pzae055. doi: 10.1093/ptj/pzae055. Epub ahead of print. PMID: 38567849. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 浦上慎司 准教授 大住倫弘 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp
2024.06.12
【ピザを共同開発!】FMヤマトでPR& イオン「大和郡山フェア」で4種類販売します!
大和伝統野菜「大和丸なす」主役ピッツァを共同開発 イオン大和郡山店「大和郡山フェア」で4種類販売! 奈良県内の管理栄養士養成課程(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)の学生で構成された食育ボランティアサークル「ヘルスチーム菜良(なら)」は、大和の伝統野菜「大和丸なす」を主役にしたピッツァを大和郡山市活性化検討会の依頼のもと、イオンリテール株式会社と共同開発。 「4大学対抗ピザバトル」と銘打ち、イオン大和郡山店「大和郡山フェア」期間中の6月15日(土)・16日(日)に各大学の学生が店頭に立ち、優勝をかけて自分たちが開発したピザをPR販売します。また、奈良県中和エリアをカバーするコミュニティラジオ局である「FMヤマト」に本学の学生が6月13日(木)に出演し、ピザのPR放送をします。 期間中はステージでのプレゼン(15日)と審査会、表彰式(16日)のほか、コロナ前より大人気だった会場での学生ピッツア試食販売(16日)が今年度より解禁されました。 日 時 ① 2024年6月13日(木)14:00~14:54(FMヤマト「民博・健活・昼活トーク」) ② 2024年6月15日(土)・16日(日) (イオン「大和郡山フェア」) ・試食:6月16日(日)11:00~11:30頃、15:00~15:30頃 ・プレゼン:6月15日(土)16:00~ ・表彰式:6月16日(日)17:00~ 場 所 ① 奈良県立民族博物館(大和郡山市矢田町545) ② イオン大和郡山店(大和郡山市下三橋町741) 大和郡山市三橋地区で戦後まもなくから栽培されている大和の伝統野菜「大和丸なす」は、東京、大阪、京都の料亭などでも用いられる高級食材として好評を得ていますが、地元奈良では販売機会が少なく、知名度アップが課題となっています。また、大和郡山市では地産地消促進計画に基づき、地産地消の推進を、奈良県では特定農業振興ゾーンとして「大和丸なす」の生産地である大和郡山市三橋地区が設定され「新たなレシピ開発による個人消費(大和丸なすファン)の拡大」を目指して取り組んでいます。 本企画は、2017年度から、イオンモール大和郡山で開催される大和郡山フェアにおいて、「大和丸なす」のPRと大和郡山産野菜の摂取量増加をめざし、大和の伝統野菜「大和丸なす」や大和郡山市産野菜を使用したピザ開発に取り組んでおり、今回で7回目となります(2020年度はコロナ禍で中止)。 4大学対抗ピザバトルでは、独創的かつ個性的、また食育における地産地消をいかに考慮されているかとして、①彩り・見た目(SNS映え)の「見栄え」、②新しいアイディア・斬新さ・ネーミングの工夫等の「独創性」、③大和丸なすの素材の良さを生かしているかの「大和丸なす」、④実食による味覚の評価の「食味」、⑤ピザのPRの「プレゼン」、⑥販促物の完成度の「販促物」の6点について、審査委員が試食等を行った上で採点を行い、優勝ピザを決定いたします(2023(昨年度)の優勝は本学)。畿央大学からは、以下のピザを商品開発いたしました。 ▼畿央大学ヘルスチーム菜良:「オーロラソース使用、大和丸なすと魚介の彩りピッツァ」 本ピザのコンセプトは「海の幸と大和の味の融合」です。大和丸なすの美味しさと彩りを主役にするため、シーフードをはじめ、彩り鮮やかで個性豊かな食材をオーロラソースで華やかに美味しくまとめました。多彩=栄養バランスが整うという研究結果からも映えるだけでなく、栄養バランスも考えた自信の逸品となっています。「大和丸なす」を初めて食べる学生も多く、その大きさとしっかりとした食感、美味しさに驚いていました。4大学の個性的な4種類のピザ、ぜひ一度学生のプレゼンをお聞きいただき、試食で食べ比べてお好みのピザを見つけてください。 【問い合わせ先】 畿央大学 健康科学部 健康栄養学科 野原 潤子 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: j.nohara@kio.ac.jp
2024.06.08
7/7(日)大学院説明会を開催します。
2024.06.04
痛みの概日リズムの評価は短縮可能か?-慢性疼痛を有する地域住民を対象とした研究-~ニューロリハビリテーション研究センター
痛みの概日リズムとは24時間周期の痛み感受性の変動を意味します。こうした痛みの概日リズムを把握することで、痛みによって制限を受けている日常生活活動や生活の質の改善を目的としたリハビリテーションがより効果的に進むのではないかと考えられています。しかし、痛みの概日リズムの評価期間はこれまで7日間が一般的であり、日内に数回評価する特性上、患者負担が大きいことが問題視されていました。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの田中 陽一 客員研究員と森岡 周 教授らは、痛みの概日リズムの評価期間が3日間であっても、従来の7日間の評価から得られた結果と概ね一致することを明らかにしました。この研究成果は、Journal of Pain Research誌(Can the Assessment of the Circadian Rhythm of Pain Be Shortened? A Study of Community-Dwelling Participants with Chronic Pain)に掲載されています。 研究概要 慢性疼痛患者に対し自身で痛み管理を行いながら日々の生活活動や身体運動の適正化を目標に教育的介入を行っていくことは重要であり、より具体的で効率的な教育的介入を行う為には、慢性疼痛患者の痛み概日リズムを把握する必要があります。しかしながら、従来痛みの概日リズムの評価期間は7日間が主流となっており、患者負担が大きいことから評価として定着しない現状がありました。そこで本研究では7日間評価と比較し、3日間評価の妥当性をカッパ係数を用いて検証しました。 本研究のポイント ■ 金曜から日曜の3日間が最も7日間評価との一致度が高いことがわかりました。 ■ 金曜から日曜、火曜から木曜の3日間では概ね7日間評価と一致していましたが、日曜から火曜の3日間では他の曜日と比べ7日間評価との一致度が低下していました。 研究内容 地域在住の慢性疼痛患者を対象に、痛みの概日リズムの評価として起床時、9時、12時、15時、18時、21時の6時点での痛みの評価を7日間実施しました。個々の参加者について6時点の痛みスコアを用いてクラスター分析を行い、7日間評価による分類と、各3日間評価(火曜‐木曜、金曜‐日曜、日曜‐火曜)による分類間の一致度をカッパ係数を用いて確認しました。 図1.7日間評価による痛みの概日リズムの分類 各クラスターには以下の基準が適用されました; CL1:痛みの強さは起床時に最小で、その後上昇し、正午以降はスコア0を超えた。CL2:起床時と21時にスコア0を上回り、日中は下回る。CL3:VASスコアは起床時にピークに達し、時間の経過とともに低下し、正午過ぎにはスコア0を下回った。 各3日間評価の分類を7日間評価の分類基準と照らし合わせて相違を確認し、7日間評価と各3日間評価の被験者内変動性をカッパ係数を用いて調べたところ、金曜-日曜の3日間が最も高いカッパ係数を示し(k=0.77)、次いで火曜-木曜(k=0.67)、日曜-火曜(k=0.34)という一致度であった。先行研究においてカッパ係数が0.58~0.80の間であれば、良好な一致を示すとされており、金曜-日曜、火曜-木曜の3日間評価は7日間評価の結果と一致していると考えられます。しかし、日曜日から火曜日までの3日間の一致度は低くなっており、本研究の結果は、3日間評価の有効性を示すと同時に、特定の曜日によっては一致度にばらつきが生じることも強調する結果となりました。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究で得られた知見は、3日間評価から得られた結果が、従来の7日間評価から得られた結果と一致することを示しています。痛みの概日リズムの評価を短縮できるようになれば、臨床における評価がさらに確立され、痛みのリズムを考慮した疼痛管理が容易になると考えられます。また、評価時間の短縮は早期介入につながり、患者満足度の向上にも寄与すると思われます。したがって、本研究の結果は、患者の個人差を考慮し、評価期間を短縮した痛みの概日リズム評価を確立する必要性を示唆しています。 論文情報 Tanaka Y, Fujii R, Shigetoh H, Sato G, Morioka S. Can the Assessment of the Circadian Rhythm of Pain Be Shortened? A Study of Community-Dwelling Participants with Chronic Pain. J Pain Res. 2024 May 25 ; 17 :1929-1940. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 田中 陽一(タナカ ヨウイチ) センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2024.06.02
6/16(日)オープンキャンパスを開催します。
2024.05.01
6/2(日)・16(日)オープンキャンパスを開催します。
2024.05.01
【大学生・社会人向け】6/2(日)助産学専攻科説明会を開催します。
2024.04.25
【次世代教育センター】2/25(火)~「MOS『PowerPoint』資格対策講座」を開催します。
プレゼンテーションを実施するときの説明用ツールとして「PowerPoint」の機能を知っておくことで、説得力のある効果的な資料作成が可能となります。同時に、「MOS(PowerPoint)資格」の取得を目指していきます。 併せて、MOS「Word」、MOS「Excel」に合格することで「Microsoftアソシエイト」としての称号が与えられます。 プログラム 講座名 MOS「PowerPoint」資格対策講座 対象 本学学生(全学年) 開催日 2025年2月25日(火) 2025年2月27日(木) 2025年3月1日(土) 2025年3月4日(火) 2025年3月6日(木) 2025年3月8日(土) 全6回 各日とも10:40~16:10(2~4限) 会場 畿央大学 iデザインルーム 参加費 無料 ※本試験受験料【¥8,580(税込)】は自⼰負担となります。 申込方法 事前申込制です。申込フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。 申込フォームはこちら 申込締切 2025年1月31日(金)18:00 問合せ先 畿央大学 次世代教育センター E-mail:jisedai@kio.ac.jp 次世代教育センターHPはこちら
2024.04.25
【次世代教育センター】3/7(金)「Excelスキルアップ講座~応用編~」を開催します。
「Excelスキルアップ講座~基本編~」に続くステップアップ講座として、Excelのさらなる知識の修得とスキルの向上を目指していきます。 申込対象者のレベルとしては、「Excelスキルアップ講座~基本編~」の修了者、また、MOS「Excel」Specialist(一般レベル)試験で出題される内容を概ね理解できる方を想定しています。 プログラム 講座名 Excelスキルアップ講座~応用編~ 対象 本学学生(2回生以上) 開催日 2025年3月7日(金)13:00~16:00 会場 畿央大学 L304講義室 参加費 無料 申込方法 事前申込制です。申込フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。 申込フォームはこちら 申込締切 2025年2月14日(金) 問合せ先 畿央大学 次世代教育センター E-mail:jisedai@kio.ac.jp 次世代教育センターHPはこちら
2024.04.25
【次世代教育センター】12/16(月)~「ITパスポート試験合格対策講座」を開催します。
ITの普及に伴い便利になった反面、コンピュータウイルスや機密情報漏洩等の問題が今もなお発生しています。そこで、基礎となる知識を習得することを目的とし、IT入門レベルの国家資格の取得を目指していきます。 教員採用試験出願時に本資格を取得していれば加点対象になる自治体が増えてきています。一般企業就職を希望する学生はもちろんのこと、教職希望学生にとっても活かすことができます。 プログラム 講座名 ITパスポート試験合格対策講座 対象 本学学生(全学生) 開催日 12月16日から週1回程度のペースでオンデマンド配信(全8回+過去問対策) 会場 オンデマンド形式による配信 参加費 無料 ※ITパスポート試験を受験する際には、受験料7,500円(税込)が必要です。 申込方法 事前申込制です。申込フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。 申込フォームはこちら 申込締切 2024年12月13日(金) 問合せ先 畿央大学 次世代教育センター E-mail:jisedai@kio.ac.jp 次世代教育センターHPはこちら