2025年のすべての新着情報一覧
2025.07.09
「4大学対抗ピザバトル」でイオン賞を受賞 〜 健康栄養学科・ヘルスチーム菜良 ~
2025年6月14日(土)・15日(日)、イオンモール大和郡山にて開催された「4大学対抗ピザバトル」に、本学のヘルスチーム菜良※が出場しました! ※ヘルスチーム菜良…管理栄養士養成課程を持つ4年制大学(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)で構成されており、食育啓蒙活動に取り組んでいます。 ▼▼ 「4大学対抗ピザバトル」出場への準備の様子はこちら ▼▼ 「4大学対抗ピザバトル」に出場します!~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良 奈良県の伝統野菜「大和丸なす」を使用したピザを、各大学1種類ずつ考案し、「4大学対抗ピザバトル」として、イオン大和郡山店「大和郡山フェア」にて販売しました。 畿央大学「梅しそ薫る 大和丸なすとじゅわっとハラスのピッツァ」 近畿大学「大和丸なすとさわやかレモン織りなすチーズピッツァ」 帝塚山大学「大和丸なすとしらすの醤油マヨピッツァ」 奈良女子大学「大和丸なすとしらすのねばねば和風ピッツァ」 当日の14〜18時の間は店頭に立ち、呼びかけを行いました。また、14日にはプレゼンが、15日には表彰式が行われました。今回は、その様子をお届けしていきます! 店頭販売の様子 去年に引き続き購入してくださった方や、「インスタを見て前々から楽しみにしていた」と話してくださった方もいらっしゃいました。 また、2日目には「昨日買って食べたら、美味しかったよ」と感想を伝えに来てくださった方もいました。その他にもたくさんのお客様から温かいお声がけをいただきました。その一つひとつがとても嬉しく、これまで頑張ってきてよかったと感じました。 プレゼンの様子 私たちの考案したピザは、特に梅しそソースの甘さと酸味のバランスに苦戦し、何度も試行錯誤を重ねました。具材には、大和丸なすやハラスなどジューシーな和食材を使用し、さっぱりとした味わいの中にもコクを感じられる一品に仕上げました。こうしたピザ開発にあたって苦労した点やこだわり、そしてピザバトルへの意気込みをプレゼンの際にお話しさせていただきました。 表彰式 表彰式では、総合評価で最も高得点を獲得した大学に「優秀賞」が、ピザの販促物において、アイデア・内容ともに完成度が最も高かった大学に「イオン賞」が贈られました。そして、畿央大学は見事「イオン賞」を受賞しました! 実際、販促物にはたくさんのこだわりが詰まっています。手作りの販促物は、具材の質感を表現するために、通常の折り紙や画用紙に加え、半透明の折り紙も使用しました。また、配布用レシピの背景には矢絣柄を取り入れ、タイトルは巻物風にデザインしました。さらに、販促用ポスターでは文字の見せ方にも工夫を凝らしました。 時間が限られた中での制作は正直大変で、夜遅くまで大学に残って作業する日もありました。それでも、最後までこだわり抜いて取り組みました。そうした自分たちの頑張りが評価され、とても嬉しかったです! 参加学生の声 試作を何度も繰り返して完成させたピザで賞を取ることができて本当に嬉しいです!納得するまで試作することの大切さを見に沁みて感じました。 実際に販売をしてみて、「美味しそう」などの声をいただけて嬉しかったです。また、商品を手にとっていただいたのを自分の目で見ることで喜びや、やりがいを感じました。 忙しい中制作していたこともあり、ピザや販促物の制作時にこだわっていたポイントが評価され、達成感がありました。 ポスターを持って歩いているときに、すれ違った方々から「美味しそう」と関心をもっていただけたこともとても嬉しく感じました。 最後に、ピザバトルに関わってくださったすべての方々に、改めて感謝申し上げます。 健康栄養学科 3回生 薮田 真歩 関連記事 「4大学対抗ピザバトル」に出場します!~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良~ 大阪・関西万博で万博BENTOを販売!26日の販売を終えて~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良~ 新入生歓迎会を行いました!〜健康栄養学科・ヘルスチーム菜良 万博BENTOの売れ行き好調!19日、20日を終えてのレポート~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良~ 大阪・関西万博にて販売する万博弁当の開発に参加!~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良~
2025.07.09
「認知症の人の家族支援を考える」 ~看護実践研究センター認知症ケア部門研修会
2025.07.09
西洋服飾史を学ぶ「服飾史」~ 人間環境デザイン学科
人間環境デザイン学科では、古代から現代までの服飾の変遷を概観し、その機能と意味を読み解く「服飾史」を開講しています。本講義では、衣服の起源から和服・洋服・女性の下着の歴史に至るまでを扱い、第1回目から第5回目までは、神戸ファッション美術館の学芸員である中村 圭美先生にご担当いただきます。 今回の集中講義では現地に足を運び、特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」を鑑賞させていただきました。大正から昭和初期にかけて大流行した色彩豊かな「銘仙」(めいせん)を通して、その技法はもちろん、当時の社会情勢や女性のライフスタイルの変化、そしてそれがファッションとどのように関連しているのかを学びます。 事前学習 事前学習として、学内にて講義を受講しました。銘仙流行の時期と比較的近い20世紀の西洋服飾史についての講義では、今もなお人気を誇るココ・シャネル、パリのオートクチュール全盛期時代を代表するクリスチャン・ディオール、社会情勢がファッションによく表されているとされるクリストバル・バレンシアガアやクレージュなど、ブランドとデザイナー、そしてそのメゾンがどのようにして今日に存在し続けているのかについてのお話をお伺いしました。 各ブランドのコレクションにはそれぞれ特徴があり、写真や絵からその素晴らしさを感じることはできますが、ショーや展示を通して、360°デザインを楽しむことが、デザイナーへの敬意だということを学びました。 神戸ファッション美術館へ 一方日本では、大正から昭和初期にかけて「銘仙」が大流行しました。銘仙は、平織の絹織物で、日常着として着用されていたものです。当時のファッションリーダーであった女学生たちが着用し、瞬く間に日本中で大流行しました。 鮮やかでかわいらしいデザインは、今でもレトロモダンとして人気があります。神戸ファッション美術館での展示では、60点もの銘仙を見ることができました。施された柄の自由さからは、当時の文化や社会情勢がよく伝わってきました。例えば、日本で初めてフルーツパーラーが開店した年には、さくらんぼやもも、ぶどうの柄が織りこまれた銘仙が流行しました。 西洋文化の影響を受けたリボンやチェック柄の銘仙はとてもロマンチックで、現代の流行にも通じるものがあると感じました。一方で、戦争が激化する中でつくられた銘仙柄もあり、まさに、「ファッションは時代を映す鏡」であることが実感できた展示でした。 学生の感想を紹介します それぞれの銘仙にはその時代背景に合った面白いエピソードがあった。ただ作品を見るだけでなく、説明文を読んでさらに面白さが伝わった。 着物のシックなイメージを吹き飛ばすガーリッシュな柄に惹かれた。帯留めや帯締めまでも遊び心があり、細部までコーディネートされていると感じた。 バッグや傘、スカーフなど、小物も一つの作品として展示されていたことが印象的だった。銘仙の柄や色合いと合った小物使いがとても魅力的だった。 当時を生きた女学生は、私たちと同じようにファッションで個性を表し、楽しんでいたと感じた。 「いつの時代も悩みや困難はあるけれど、ファッションは自由で自分らしくいることができる力がある」という中村先生からのお言葉は、銘仙からも強く感じ取れるものでした。大変貴重な機会をいただき、ありがとうございました。 服飾史後半の授業は、日本服飾史、下着の変遷についての講義です。西洋の文化との違いや共通点、現代の私達にどのように繋がっているのかなど、様々な視点で学びを深めてください。1年後の卒業研究やみなさんの将来にどのように活かされるのか、楽しみにしています。 人間環境デザイン学科 助教 小松 智菜美 関連記事 卒業生が食堂の看板を制作!~ 人間環境デザイン学科 福祉コミュニティあおがきの外構の設計連携活動 ~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 「佐味田みんなの縁側」の塗り替えおよび春の板絵描き・障子替え ~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 社会と医療の未来をデザインする~人間環境デザイン学科「Japan Venous Talk 2025参加記」
2025.07.03
<看護医療学科 3回生> 就活準備講座を開催しました! ~看護師としての第一歩を踏み出すために~
看護医療学科3回生対象の就活準備講座を開催しました。まず、内定を決めた4回生の先輩からのリアルな体験報告が行われました。参加した3回生からは、「すごい!」という声もあがり、現実的なアドバイスに多くの刺激と学びがあったようです。続いて、株式会社マイナビ様より就職活動スタートアップ講座として、就活スケジュールの確認から、自己分析や病院研究の大切さなど、今やるべき就活準備についてのお話を伺いました。いずれも将来に直結する実践的な内容に学生の皆さんは、メモを取りながら真剣な眼差しで話に聴き入っていました。就活への第一歩を踏み出す有意義な時間となりました。 後期には、より具体的に就職活動を進めていくための「就職対策講座」のほか、学内就職説明会、グループ面接対策の実施を予定しています。 実習の中で深まるそれぞれの看護師像、看護観の実現に向けて、キャリアセンターが一丸となって応援していきます。
2025.07.02
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.99~ 勉強会を開催しました!
こんにちは!健康支援学生チーム※の理学療法学科3回生 中部 真微です。今回は2025年5月29日(木)に行われた勉強会ついてご紹介いたします。 ※TASKは“Think, Action, Support for Health by Kio University”の略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 5月の勉強会の内容をご紹介 4回生の池山さんによる海外サッカーチームの見学報告会 今年度のTASKについて コグニサイズについて(東生駒地域包括支援センターの職員の皆様とコラボイベント開催に向けて) 今回の勉強会は、今年度から幹部として活動をはじめたメンバーによる初めて勉強会を開催させていただき、1~4回生のTASKメンバーの皆さんが楽しんで参加していただけるよう、沢山の内容を盛り込んだ勉強会となりました。 池山さんによる海外サッカーチームを実際に見学された際に実際に選手の体を触ったり、現場の空気間などの貴重な体験や学びについてのお話や、TASK自身の今回の勉強内容として用意させていただいた「コグニサイズ」(コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防を目的とした運動と認知課題を組み合わせた取り組み です)についての発表に興味をもって聞いてくださっていました。 発表の後は、学んだ内容を活かし参加してくださったメンバーでグループを作り実際にコグニサイズを用いた運動のアイデアを出し合ったり、積極的にコミュニーションをとったり年齢関係なく親睦を深めることが出来ました。 皆さんとても和気あいあいとした雰囲気で今後のTASKとしての活動がとてもますます楽しみになる、そんな勉強会となりました! 理学療法学科 3回生 中部 真微 ◆メールアドレス task@kio.ac.jp ◆ X(Twitter) @kio_task ◆ Instagram @kio_task TASK(健康支援学生チーム)活動レポートはこちらで詳しくご覧いただけます。
2025.07.02
「フィールドワーク:自分たちにできること、共生社会の在り方を考えよう」~ 看護医療学科「認知症ケア論」
今回の認知症ケア論(1年次配当)のフィールドワークでは「一般社団法人SPSラボ若年性認知症サポートセンターきずなや」を訪問しました。若年性認知症の人の語りから、認知症の人の思いや生活を理解すること。また、若年性認知症と認知症の異なる生活課題を有することを理解し、現場の取り組みや地域の支援体制を学ぶことを目的としました。 令和7年6月21日(土)、梅雨がどこへいきましたか?と聞きたくなるような暑い日になりました。バス停から長い上り坂をひたすら歩いて15分、キャンプ場や梅林の付近にセンターがあります。学生たちは、いつもの笑顔で元気よく上ってきてくれました。元々民家ということもあり、玄関を開けて「ただいま」と言いたくなるような雰囲気の落ち着くセンターで講義が始まりました。 今回は、ピアサポーターである平井正明氏、センター代表・グループホーム管理者若野達也氏、グループホームの介護福祉士松本氏から講義を受け、ミャンマーから日本にきて介護の仕事をされているニェインさんとの交流会が行われました。 若年性認知症と診断されて8年が経過する平井氏からは、発症から現在に至るまでの経緯や思い、当事者としての活動などを聞かせて頂きました。平井さんの優しい雰囲気と声が学生の気持ちを和ませて頂けたのか、学生からは一人ひとりが質問や感想を発表することができました。また、若野氏からは、ソーシャルワーカーになるきっかけや今現在の活動を力強く伝えて頂きました。 学生たちは今の社会問題について自分なりに考えるきっかけとなり、将来の自分像も少し見えたのかなと感じました。5年後10年後の制度・政策に対して、広い視野と柔軟な考えをもつ学生さんたちに期待をしたいと思います。 グループホームで介護福祉士として働かれている松本氏からは、多職種の立場でお話しを聞かせて頂きました。認知症である入所者さんとの関わりや看護職への期待と要望などを聞かせて頂き、看護職を目指す学生として真摯に受け止めることができたのではと思いました。 最後は、同世代のニェインさんとの交流会でした。母国であるミャンマーの内戦事情、大地震による影響など私たちの日常生活にはない経験を聴かせて頂きました。また、ミャンマーでの高齢者事情や認知症についても教えて頂きました。日本に来る前に1年間日本語と介護の勉強をしたというニェインさんですが、とても日本語が上手で学生との交流での質問にもとても分かりやすく答えて頂きました。特に印象的だったのは、高齢者の方ととても丁寧に関わり、家族のように思って接してられていることでした。家族から離れ、日本で仕事を続けるニェインさんの力強さを感じ、私自身もパワーを頂きました。 今回は、時間の都合で追分梅林やキャンプ場などには行けませんでしたが、来年は梅の収穫時期に合わせてフィールドワークを考え、他大学生や様々な年代の方との交流も出来れば良いなと思っております。 机上では学ぶことができない経験や交流が、未来の看護職としてだけでなく、一人の人として成長できる「認知症ケア論」だなと実感した一日でした。 看護医療学科 助教 伊藤 千春 関連記事 ▼▼ 2025年度「認知症ケア論」に関する記事 ▼▼ 1回生集中講義「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科 認知症マフづくり&交流会を開催しました!~ 看護医療学科「認知症ケア論」 ▼▼ 看護医療学科に関する記事 ▼▼ 「精神看護学援助論Ⅱ」の授業でロールプレイングを行いました。~ 看護医療学科 2025年度「へき地医療体験実習」実践報告会を開催しました! ~ 看護医療学科 2025年度へき地医療体験実習レポート(川上村)~ 看護医療学科 2025年度へき地医療体験実習レポート(山添村)~看護医療学科 国際看護Ⅰの授業で「海外インターンシップ」発表 ~ 看護医療学科
2025.07.02
国保中央病院 緩和ケア病棟「飛鳥」の見学に行きました。~ 看護医療学科「終末期ケア論」
終末期ケア論では終末期におけるケアを学び、学生自らの死生観を構築し人生最終段階における看護師の役割について考えることを目的に授業を行っています。今回、終末期ケア論を履修している学生に希望を募って国保中央病院 『飛鳥』の見学に行きました。 6月中旬、むせ返るような暑さの中、学生8名、教員2名で訪れると、飛鳥の玄関先に緩和ケア病棟の牧野師長さんが私たちをお迎えしてくださいました。病院棟とは別棟の飛鳥は3階建てで構成され、学生とともに緊張しながら建物に入っていくと、広いロビーは開放的で緑と光が満ち溢れた庭園が目の前に広がりました。 ASUKAホールにご案内いただき、事前にお渡ししていた学生からの質問を踏まえて牧野師長さんから講義いただきました。 治癒を目的とした治療が困難となった患者様の身体的、精神的な苦痛を緩和し最後までその人らしく尊厳をもって有意義に過ごすことができるように援助するため、緩和ケア病棟『飛鳥』が平成17年に開設されてということでした。 緩和ケアホームでは身体的な苦痛を取り除くための治療を行うだけでなく、精神的な苦痛、孤独、不安などを軽減し患者様と御家族が大切な時間をできる限り快適に過ごされるように看護されていることを知りました。学生たちは師長さんの終末期における患者さまやご家族様への看護の実体験を聞き入り、終末期の看護の実際について学ぶことができました。 案内していただいた3階は空と山や田畑が広がる美しい景色が広がっており、そこにご家族の控室が設置されていました。畳が引かれており、「横になるだけでもご家族は楽になるのよ。介護って大変だから。」と牧野師長さんに教えていただき、ご家族のサポートをされていることを知りました。 その後2階に伺い、病室の案内を受けました。病室はお花の名前で統一され床や家具が木目調でできており家に近い雰囲気が感じられました。 後期からの領域実習で学生たちは、予後不良の対象や人生の最終段階を迎える対象のケアを経験することがあると思います。この見学で得た学びが、様々な実習で役立つことを願っています。 また、4回生になるとインターンシップ実習で緩和ケア病棟への実習の機会もあります。ホスピスケア・緩和ケアに関心を持ち続けて終末期における患者の看護を深めて欲しいと思います。 お忙しい中、緩和ケア病棟の見学にご協力いただきました国保中央病院の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。 関連記事 「フィールドワーク:自分たちにできること、共生社会の在り方を考えよう」~ 看護医療学科「認知症ケア論」 「精神看護学援助論Ⅱ」の授業でロールプレイングを行いました。~ 看護医療学科 2025年度「へき地医療体験実習」実践報告会を開催しました! ~ 看護医療学科 認知症マフづくり&交流会を開催しました!~ 看護医療学科「認知症ケア論」 2025年度へき地医療体験実習レポート(川上村)~ 看護医療学科 2025年度へき地医療体験実習レポート(山添村)~看護医療学科 1回生集中講義「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科
2025.07.02
脊髄損傷によるしびれ感に対するしびれ同調経皮的電気神経刺激の効果 -N-of-1試験による効果検証-~ニューロリハビリテーション研究センター
脊髄損傷患者の多くはしびれ感が併発し、その改善に難渋することから生活の質や治療満足度が低下します。この喫緊の課題に対して、我々はしびれ同調経皮的電気神経刺激(TENS)を開発しましたが、プラセボ効果の影響は検討できていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターおよび長崎大学生命医科学域(保健学系)の西祐樹らは、N-of-1試験によりしびれ同調TENSがプラセボ効果よりも有意にしびれ感が改善することが明らかにしました。この研究成果はThe Journal of Spinal Cord Medicine誌(Tailored transcutaneous electrical nerve stimulation improves dysesthesia in individuals with spinal cord injury: A randomized N-of-1 trial)に掲載されています。 本研究のポイント 脊髄損傷によるしびれ感に対して、しびれ同調TENSおよびプラセボ効果を比較検証した。 集団および個人内ともに、プラセボ効果と比較してしびれ同調TENSはしびれ感を改善した。 しびれ同調TENSはしびれ感のみならず、アロディニアもプラセボ効果より有意に改善した。 研究概要 脊髄損傷患者において、しびれ感は主に両側に生じる一般的な合併症であり、日常生活活動や生活の質が著しく低下します。しびれ感に対する第一選択治療は薬物療法ですが、その効果は限定的で、副作用の報告もあります。そのため、しびれ感は未解決の問題(アンメット・ニーズ)と位置づけられてきました。これに対し、我々は、しびれ同調経皮的電気神経刺激(しびれ同調TENS)を開発しました。本介入は電気刺激のパラメータを個人のしびれ感に一致させるテーラーメイドな介入であり、しびれ感が改善することを先行研究にて報告しています(Nishi et al., Front Hum Neurosci 2022, Front Hum Neurosci 2024)。一方、従来の電気刺激療法では、電気刺激本来の効果のみならずプラセボ効果の影響が報告されており、しびれ同調TENSにおいても同様の作用が推察されます。しかしながら、しびれ同調TENSにおけるプラセボ効果の影響は明らかになっていませんでした。一般的に、プラセボ効果の影響はランダム化比較試験により検証されますが、個人への一般化が制限され、個人内介入効果が不明瞭になる可能性があります。そこで、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターおよび長崎大学生命医科学域(保健学系)の西祐樹らは、N-of-1試験により、しびれ同調TENSの集団および個人内の効果を検証しました。その結果、集団レベルおよび個人レベルの両方で、しびれ同調TENSはプラセボ効果よりもしびれ感を改善することを初めて明らかにしました。 研究内容 本研究の目的は、脊髄損傷によるしびれ感に対して、しびれ同調TENSとプラセボ効果を集団および個人内で検証することでした。そこで、脊髄損傷患者6名を対象に、無作為化プラセボ対照N-of-1試験を実施しました。各試験はしびれ同調TENSとプラセボ効果を反映するSham-TENS(各7日間、1日60分刺激)の2つの治療で構成され、各介入はランダムな順序で2セット行われました。主要評価としてしびれ感の主観的強度をNumerical Rating Scale(NRS)毎日評価し、副次評価として各期で短縮版マクギル痛み質問表(SF-MPQ-2)を評価しました。統計解析では、プラセボ効果(Sham-TENS)を差分したしびれ同調TENSの介入効果(しびれ感NRS)を集団―個人内で検証するために、階層的ベイズモデルを実施しました。また、しびれ感を含めた疼痛関連症状への波及効果(SF-MPQ-2)はベイズt検定を用いてしびれ同調TENSとSham-TENSで比較しました。その結果、しびれ同調TENSは集団レベルおよび個人レベルの両方で、臨床的に意義のある最小変化量を高確率(96~100%)で上回りました(図1)。また、Sham-TENSと比較して、しびれ同調TENSは触るだけで痛いアロディニア、チクチク感、しびれ感に関するSF-MPQ-2の項目で決定的証拠(Bayes Factor10 > 1000)としてのしびれ感の改善を示しました。以上の結果は、しびれ同調TENSがしびれ感を有する脊髄損傷患者という集団に有効であるとともに、テーラーメイドな治療のため、各個人の多様なしびれ感(ビリビリ・チクチクの内省や強度)にも有効であることを示唆しています。 図1. A)プラセボ効果(Sham-TENS)を差分したしびれ同調TENSにおける改善効果の確率密度関数。 点線は臨床的に意義のある最小変化量であり、臨床的に意味のある治療効果の確率は、点線の右側の曲線領域で表される。B) 改善効果確率の累積プロット。図1Aの確率密度関数を累積的に表現することで、しびれ同調TENSの改善効果を確率として解釈することができる。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、しびれ同調TENSが、非薬物療法としてしびれ感に対する新規標準介入となる可能性があることを支持しています。今後は大規模な介入効果検証や他疾患のしびれ感に対する効果検証を行う予定です。 論文情報 Yuki Nishi, Koki Ikuno, Yuji Minamikawa, Michihiro Osumi, Shu Morioka Tailored transcutaneous electrical nerve stimulation improves dysesthesia in individuals with spinal cord injury: A randomized N-of-1 trial The Journal of Spinal Cord Medicine, 2025. 関連する先行研究 Nishi Y, Ikuno K, Minamikawa Y, Igawa Y, Osumi M, Morioka S. A novel form of transcutaneous electrical nerve stimulation for the reduction of dysesthesias caused by spinal nerve dysfunction: A case series. Front Hum Neurosci. 2022;16:937319. Published 2022 Aug 24. doi:10.3389/fnhum.2022.937319 Nishi Y, Ikuno K, Minamikawa Y, Osumi M, Morioka S. Case report: A novel transcutaneous electrical nerve stimulation improves dysesthesias and motor behaviors after transverse myelitis. Front Hum Neurosci. 2024;18:1447029. Published 2024 Nov 6. doi:10.3389/fnhum.2024.1447029 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 西 祐樹 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2025.07.01
アジアカップ優勝に貢献!フットサル女子日本代表、高橋京花さん(現代教育学科卒業生)インタビュー!
「AFC女子フットサルアジアカップ中国2025」(5/6(火)~5/17(土)開催)に日本代表として出場し、準決勝と決勝で得点を決めて女子フットサル史上初のアジアカップ優勝に大きく貢献した高橋 京花さんが母校に凱旋! ▼▼ 関連記事はこちら ▼▼ 卒業生の高橋京花さんが、フットサル女子日本代表としてアジアカップ初優勝に貢献しました。 高橋さんは、現在、奈良県内で小学校教諭として勤める傍ら、女子フットサルチーム ARCO KOBEに所属して活躍されています。大学入学前~在学中~現在と、様々なお話を伺いました! ▼ お世話になった教採・公務員対策室を訪問 「こんな感じやったかな、懐かしいです」と教採・公務員対策室を訪れた高橋さん。「教採の面接練習も何度もしてもらって…時にはゼミ担任だった島先生に「そんなんやったら受からへんで!」と叱咤激励されたことも…」と在学当時のことからお話が広がりました。 フットサル女子日本代表に選ばれて… ARCO KOBEでのプレーが評価されて、日本代表に選ばれたのは昨年のことでした。当時は4年生の担任をしていたので、子どもたちは状況をよく理解していました。「先生すごいなぁ」と帽子にサインを求めてくる子もいて、「こんなところに書いていいの?」と戸惑った場面もあります。 何より影響があったのは、子どもたちが以前よりも私の話を聞くようになったことです(笑) ▼ 平日は「高橋先生」として小学校に勤務 フットサルと仕事の両立について… 勤務時間外に週3回は神戸でフットサルの練習、加えて週3回、奈良のサッカークラブで選手兼コーチをしています。大変かと聞かれたら大変ですが、もともとじっとしていられないタイプなので、サッカーも仕事も楽しく両立できています。 実は、サッカーと仕事の両方が「上手くいっている」と感じることは、これまでまだありません。サッカーが良ければ仕事が上手くいかない、仕事が上手くいっていればサッカーがイマイチのどちらか。上手くいっている方に感化されている感じです。 小学校教員をめざしたきっかけは? 小学生の時に特別支援学級の同級生のサポートをしたところ、担任の先生から「先生に向いているよ」と言われたことが、教員を意識した最初のきっかけだったと思います。 高校はサッカーの強豪校に進みましたが、部活だけに振り切らずに進学コースに進みました。文武両道の学校だったので、赤点を取ると部活動停止になってしまいます。とにかくみんなでサッカーをしたかったので、同級生に勉強を教えてあげていました。今から思うと、この時に自分は「教えることが好きなんだ」と自覚したのかもしれません。 寮生活で、親元を離れて3年間を過ごしました。先輩後輩の上下関係を経験したり、二層式洗濯機(!)を使って洗濯したりと、心身ともに鍛えられました。 ▼ たまり場だった食堂「なごみ」リニューアルに驚く高橋さん 進学先を検討する際には、中高の体育科の教員をめざすことも考えましたが、教育学部でしっかり教員になるための勉強をしたいと思い、教育学部がある大学に絞りました。 畿央大学を進学先として選んだのは教育学部があることはもちろん、友人のお姉さんが通っていて、良い大学だと聞いていたことも大きな理由です。小学生は、1年間でものすごく成長します。小中高のうち、一番成長を見ることができるのは小学生だと思います。今は、毎日、その成長を見られることが楽しいです。 学生時代を振り返って 今と同じで、常に動き回っている生活を送っていました。学校インターンシップ、学校支援ボランティアの活動を複数の学校で経験しました。活動先で教育実習を行うことができましたが、関係性もできていたのでスムーズに実習に入ることができました。 旅行が趣味で、色々なところを訪れて息抜きもしていたように思います。アルバイトも大学近くの飲食店など複数経験しました。 教員採用試験の対策は同級生と一緒に取り組みました。お互いに問題を出し合ったり、教えあったり。コロナ禍では、複数人の友人とMicrosoft Teamsをつないで勉強したこともありました。そんな中でも、他の人より多く面接指導を受け、教員採用試験の対策講座を休むことはありませんでした。忙しい毎日でも満足感を得ていたのは、サッカーで鍛えられた負けず嫌いの性格からかもしれませんね(笑) 教員採用試験は複数の自治体を受験しながら、最終的に本命、地元の奈良県に臨み、なんとか現役合格することができました。先生方や対策室の皆さんのサポートなしには達成できなかったと思います。絶対に先生になりたいという気持ちがあるなら、教採の対策講座を欠かさずに受講することと、しっかり併願受験をして経験を積むことを強く、お勧めします。 学校教員をめざす後輩の皆さんへメッセージをお願いします! 教採対策は1人で取り組むより、絶対仲間と一緒にしたほうがいいです。皆で一緒に取り組んでください!仲間でありライバルである存在が多くいると、しんどい時も励まされます。 畿央大学の教採対策はとても充実しているので、しっかり出席して実にしてください。私は休んでしまうとその分友達と差が開いてしまうと思っていたので、どんなに忙しくても対策講座だけはしっかり受講するように意識していました。 でも勉強を続けるには息抜きも必要です。勉強以外に夢中になれるもの、趣味、推し活、アルバイト、なんでもいいので何か持っておくことが大切です。 ▼ 久しぶりに「地下食」を訪問 高橋さん、ありがとうございました!教員とアスリートとしての2足のわらじ生活は多忙を極めるはずですが、常に笑顔でポジティブで、自分のしたいことを追求しようとする姿勢に元気と勇気をいただきました。今後も教員として、アスリートとして、さらなる活躍を祈っています! 関連記事 卒業生の高橋京花さんが、フットサル女子日本代表としてアジアカップ初優勝に貢献しました。 フットサル女子 2025年 | JFA|公益財団法人日本サッカー協会 JFAなでしこサッカーのXアカウント
2025.06.30
「ほら、先生ってステキ」未来を育てる学校の先生になろう!~現代教育研究所主催
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