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2025.02.04

脳卒中者の歩行非対称性の特徴-障害と代償戦略の特定-~ニューロリハビリテーション研究センター

脳卒中後、多くの人が体験する歩行の左右非対称性は、転倒リスクを高め、リハビリ期間を長引かせることがあります。この現象は「歩行非対称性」と呼ばれ、日常生活の質に大きな影響を与えます。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 の 水田直道さん(日本福祉大学健康科学部 助教 )、教授 森岡 周 らを中心とする研究グループは、リズム聴覚刺激を用いた歩行実験を通じて、歩行非対称性の原因が「純粋な障害」と「補償戦略」の2つに分類できることを明らかにしました。さらに、被験者の歩行パターンを詳細に分析することで、歩行非対称性が4つの特徴的なグループに分類できることを明らかにしました。この研究成果はScientific Reports誌 (Identifying impairments and compensatory strategies for temporal gait asymmetry in post-stroke persons)に掲載されています。 研究概要 脳卒中者の歩行の特徴として、歩行時の左右の動きが異なる「歩行非対称性(Temporal Gait Asymmetry, TGA)」があります。この状態は転倒リスクを高め、日常生活の質を低下させるだけでなく、リハビリ期間の延長にもつながります。TGAは、運動麻痺や痙縮などの身体的な要因だけでなく、患者が安全を優先して取る歩行戦略も影響していると考えられていました。しかし、快適歩行条件(CWS)における非対称性は、純粋な障害と代償戦略が混在しており、これらの要因をどのように区別できるかは明らかにされていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 の 水田直道さん(日本福祉大学健康科学部 助教 )、教授 森岡 周 らを中心とする研究グループは、リズム聴覚刺激を用いた歩行実験を通じて、歩行非対称性の原因が「純粋な障害」と「補償戦略」の2つに分類できることを明らかにしました。   クラスター1:過剰な代償戦略 メトロノームの音に合わせて歩行する条件(RAC)では左右対称に歩くことができるにも関わらず、CWSでは非対称的であるクラスター。 身体機能は他のクラスターと差はないが、歩行への自己効力感(modified Gait Efficacy Scale)が低く、「代償戦略」が優位になっていると考えられます。   クラスター2:純粋な障害 CWS・RACともに非対称的な歩行となるクラスター。 運動麻痺や痙縮、体幹機能等が重症であり、「純粋な障害」が優位になっていると考えられます。 本研究は、これまで区別が困難であったTGAの要因を「純粋な障害」と「代償戦略」に分類した点にあります。この成果は、個々の脳卒中者に合わせた、テーラーメイドリハビリテーションの構築に役立つことが期待されます。   本研究のポイント • CWSとRACを用いた2つの条件下で、歩行中の時間的対称性(SI)を評価した。 •「純粋な障害」を特徴とするクラスターは、運動麻痺や痙縮、体幹機能低下などの神経学的要因により歩行が非対称的である特徴がありました。 •「代償戦略」を特徴とするクラスターは、身体機能は他のクラスターと差がないが、歩行への自己効力感が低い特徴がありました。   研究内容 本研究では脳卒中後の患者39名を対象に、Fugl-Meyer Assessment(FMA)、Modified Ashworth Scale(MAS)、Trunk Impairment Scale、modified Gait Efficacy Scale(mGES)を用いて臨床評価を行い、参加者の身体機能や歩行の自己効力感を評価しました。参加者は、快適歩行条件(CWS)とメトロノームの音に合わせて歩行する条件(RAC)の2つの異なる条件下で10m歩行を行いました。RAC条件では、CWS条件で計測されたケイデンスに基づきメトロノームのテンポを設定し、参加者はメトロノームの音に下肢の接地タイミングを合わせて歩行しました。慣性センサーのデータから両下肢の接地・離地のタイミングを同定し、単脚支持時間の対称性指数(SI)を算出しました。CWS条件とRAC条件における単脚支持時間のSIを用いて、混合ガウスモデルに基づくクラスター分析を行い、参加者を4つのクラスターに分類しました。   図1.対称性指数に基づくクラスタリングの結果.© 2025 Naomichi Mizuta   CWSおよびRAC条件における歩行中の単脚支持時間の対称性指数の分布をクラスターごとに示す。黒色のラインプロットは全データの回帰直線を示す。上図と右図は、各条件における平均値、95%信頼区間、各データポイントを示している。 対称性指数が負であるほど、非麻痺側の単脚支持時間が麻痺側と比較して長いことを示す。 CWS条件とRAC条件における単脚支持時間のSIは有意な相関関係が見られませんでした。クラスター分析の結果、4つのクラスターが抽出され、本研究の目的に合致したクラスターは下記の2つです。   クラスター1:過剰な代償戦略 RACでは左右対称に歩けるが、CWSでは非対称的であるクラスター。 身体機能は他のクラスターと差はないが、歩行への自己効力感(modified Gait Efficacy Scale)が低く、「代償戦略」が優位になっていると考えられます。   クラスター2:純粋な障害 CWS・RACともに非対称的な歩行となるクラスター。 運動麻痺や痙縮、体幹機能等が重症であり、「純粋な障害」が優位になっていると考えられます。   本研究の臨床的意義および今後の展開 これまで区別されていなかった快適歩行時のTGAの要因を、「純粋な障害」と「代償戦略」に分類できたことは、個々の脳卒中者に応じた、より効果的なリハビリテーションの立案に役立つと期待されます。今後は、個々の特徴に合わせたリハビリテーション介入の効果を検証する予定です。 論文情報 Naomichi Mizuta, Naruhito Hasui, Yasutaka Higa, Ayaka Matsunaga, Sora Ohnishi, Yuki Sato, Tomoki Nakatani, Junji Taguchi, Shu Morioka. Identifying impairments and compensatory strategies for temporal gait asymmetry in post-stroke persons. Scientific Reports, 2025.   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 水田直道 教授    森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2025.02.03

<満員御礼>大阪・関西万博【ウーマンズ パビリオン】で、シンポジウムを開催!

  いよいよ、4/13(日)~10/13(月)に大阪・関西万博が開催されます。 6/3(火)、万博会場内のカルティエが出展する【ウーマンズ パビリオンin collaboration with Cartier「WA」スペース】で、畿央大学がシンポジウムを開催します。   ©︎Cartier ※ウーマンズ パビリオン建築では、ドバイ万博で使用した日本館のファサード資材をリユースしています。   イベント名 女性が輝く近未来社会とテクノロジー Technologies Driving Women's Advancement for the Near Future 日時 <満員御礼> 6/3(火) ①11:30-12:30 ②13:30-14:30 ①と②は同じ内容です。クリックで申込ページにジャンプします。 講演1 「女性が輝くテクノロジーと取組み」 冬木正紀(畿央大学) 講演2 「女性が輝く今と未来」 北島知子(マッスル株式会社:招待講演) 会場 大阪・関西万博 ウーマンズ パビリオン2階 「WA」スペース(日本館隣) 11:30の部を予約する   13:30の部を予約する   世界中で女性の活躍の場が拡大・多様化するなか、出産や授乳など女性特有の事象をサポートするテクノロジーや取組みは、女性の活躍をさらに促進できるものと考えられています。   畿央大学では、人工筋肉・人工知能等を用いて、女性の活躍を様々な場面でサポートするためのテクノロジーの研究開発に取組んでいます。さらに、地域に根差した実践活動としてマタニティクラスやベビークラスを開催し、母子保健向上のためのフィランソロピー等も行っています。   このイベントでは、2026年4月に開設する健康工学部(仮称)※注の就任予定教員(冬木正紀)と招待講演者が登壇し、様々な国や地域からの参加者に対して、畿央大学で開発したもののみならず、女性の活躍をサポートする国内外の様々なテクノロジーや取組みを紹介します。そして、講演者参加者全員で、これからの国際社会において求められるテクノロジーや取組み、社会の在り方について意見交換をする予定です。 (※注 設置計画は予定であり、変更となる場合があります。)       畿央大学健康工学部(仮称)2026年4月開設予定

2025.01.31

教職員対象「令和6年度人権教育推進委員会主催学内研修会」を開催しました。

2025年1月23日(木)、本学教職員対象の「人権教育推進委員会主催学内研修会」を開催し、60名以上の教職員が参加しました。 今年度の研修では、「アルビノ・ドーナツの会」代表の藪本舞先生を講師にお招きし、「素顔の私はダメですか?~多様な見た目が受け入れられる社会にするために~」をテーマにご講演いただきました。     藪本先生は、アルビノ(アルビニズム・眼皮膚白皮症)として生まれ、ご自身の経験からアルビノの人たちが交流するための場所の必要性を感じ、「アルビノ・ドーナツの会」を設立、アルビノの当事者やご家族のネットワークづくりに尽力してこられました。また、「アルビノについて」や「見た目問題」に関する講演を各地で実施し、情報発信に努めておられます。 アルビノの人は、先天的な遺伝性疾患により皮膚や毛、瞳の色素が欠乏し、紫外線過敏や視力低下といった症状を抱えておられます。髪や肌の色が白い(薄い)という「見た目」の特徴から、「外見差別(ルッキズム)」や「見た目問題」に直面し、悩み苦しむ方もおられます。当事者である藪本先生ご自身の経験を交えながら、お話をしていただきました。     『外見差別(ルッキズム)』とは、人を外見で判断し、一方のみに不利益を与えること、『見た目問題』とは、病気やケガを理由に見た目に症状を持つ人が生きていく上で直面する様々な問題のことであり、そういった人たちが世の中に受け入れられづらいという社会問題です。藪本先生ご自身も、アルバイトへの応募や就職活動で差別や不利益を受け、「どういう容姿であれば受け入れられるのだろう」と悩み、ファッションやメイクを武装のように考えていたという話を伺いました。また、自身の抱える見た目問題は個人の問題だと考えてしまい、身近な人にも相談できず悩んだ時期を過ごされました。一方で、「自身の素顔を大切にしてもらった」という経験がそれまでの自分を解放してくれたというお話もありました。現在に至る人生の中で、アルビノという見た目の特徴を抱えて揺れ動いてきた心の有り様がとても印象的でした。 また、商業的に作られた「見た目の基準」がメディアやスマートフォン、街中に溢れ、無意識のうちに若者の目に触れているという話もありました。若者の中には、そういった情報に晒されることで、その基準との差に悩み、コンプレックスを抱く人も多くいます。多様性を謳う世の中に逆行し、「人と同じ見た目でないといけない」という価値観を商業優先の社会が生み出し、外見至上主義が作られています。こういった風潮が、色々な見た目の人が受け入れられづらい社会に繋がってしまうことも危惧します。     最後の質疑応答では、見た目問題を抱えている学生への関わり方について、「当事者が困っていることを伝えるには時間が必要。本人が自ら話をするまでは待ってほしい。」というお話がありました。問題解決のためには、当たり前ではありますが、人と人との信頼関係が前提にあり、その上で当事者の方の気持ちに寄り添い、対話の中で時間を掛けて進めていく必要性があります。また、「見た目問題を触れてはいけないものとしてしまうと理解が遠のいてしまう。」というお話もありました。今回の講演のように当事者の方からの話を聞く機会は大変貴重です。当事者のことを正しく知り、理解を深めることが、当事者を含むあらゆる人が生きやすい世の中や環境づくりの礎であると思います。 本学に集う人々が多様な人々を受け入れ、大学があらゆる人にとって安心できる場所になる、そうありたいと強く思うことができた貴重な機会となりました。   【関連記事】 教職員対象「令和5年度人権教育推進委員会主催学内研修会」を開催しました。 教職員対象「令和4年度 人権教育推進委員会主催学内研修会」を開催しました。 令和3年度 人権教育推進委員会研修会「コロナ禍においてあらためて部落差別について考える」 令和2年度 人権教育推進委員会研修会「コロナ禍における人権問題について」 令和元年度 学園ハラスメント防止委員会・畿央大学人権教育推進委員会 共催研修会「LGBT(ハラスメントと人権)~多様性を認め合う社会をめざして~」 平成29年度 人権教育推進委員会研修会「LGBTって何?ーつながるための第一歩ー」 平成28年度 人権教育推進委員会研修会「子どもの声を聴き権利を守るー子どもアドボカシーとはー」 平成27年度 人権教育推進委員会研修会「ヘイト・スピーチとは何かーだれの、何を傷つけるの?ー」 平成26年度 人権教育推進委員会研修会「発達障害を持つ学生への対応について」  

2025.01.27

3分でわかる「KIO元気塾」ムービーを公開しました~理学療法学科

  週2回ペースで地域の方をお呼びして、教員サポートのもと理学療法学科の3回生主体で運動相談を企画・実施する「KIO元気塾」。コロナ禍を経て今年度復活した課外活動には、3回生のほぼ全員が参加しています。     卒業生が多数在籍する西大和リハビリテーション病院の協力のもと、そこで理学療法士として活躍する卒業生もサポートに駆けつけていただきながら、長期の臨床実習前にコミュニケーション力をみがき、実際に目の前で困りごとのある参加者の皆さんに対して理学療法士としてできることを必死で考えて実践する、大きな学びの場となっています。     今回はKIO元気塾の魅力を、岡田洋平准教授のインタビューと参加者と在学生の声、そして現場の映像で紹介する3分ムービーが完成しました。畿央大学でしか体験できないKIO元気塾の様子を、ぜひご覧ください!  

2025.01.24

顕著な前屈姿勢を示すパーキンソン病患者の歩行不安定性と代償戦略の解明~ニューロリハビリテーション研究センター

パーキンソン病(Parkinson’s disease: PD)患者は、顕著な前屈姿勢(Camptocormia)を示すことがあります。しかし、そのような前屈姿勢が歩行不安定性にどのような影響を与えるのか、またそれをどのように代償しているのかについて客観的に十分明らかにされていませんでした。畿央大学大学院博士後期課程の浦上英之氏と岡田洋平准教授らは、三次元動作解析装置を用いて実験的検証を行うことにより、顕著な前屈姿勢を示す患者は、歩行中の垂直方向の不安定性が高く転倒リスクが高いこと、また重心位置を後方に位置させ、側方への重心移動を増加させる代償戦略をとることを初めて明らかにしました。本研究の知見は、前屈姿勢を示すパーキンソン病患者の歩行安定性を最適化するためのリハビリテーションにおける介入戦略を検討する上で有益な知見となることが期待されます。この研究成果は、Journal of Movement Disorders誌(Gait instability and compensatory mechanisms in Parkinson's disease with camptocormia: An exploratory study)に掲載されています。 研究概要 畿央大学大学院博士後期課程の浦上英之氏と岡田洋平准教授らは、三次元動作解析装置を用いて実験的検証を行うことにより、顕著な前屈姿勢を示すパーキンソン病患者は、歩行中の垂直方向の不安定性が高く、転倒リスクが高いこと、また重心位置を後方に位置させ、側方への重心移動を増加させる代償戦略をとることを初めて明らかにしました。   本研究のポイント ・顕著な前屈姿勢(camptocormia)を示すパーキンソン病患者と顕著な姿勢異常を示さない患者の歩行の不安定性とそれを代償するための戦略について、三次元動作解析装置を用いて実験的に検証した。 ・ 顕著な前屈姿勢を示す患者は、歩行中の垂直方向の不安定性が高く、転倒リスクが高いことと、重心位置を後方に位置させ、側方重心移動を増加させながら歩く代償戦略をとっていることを明らかにした。 ・ また、パーキンソン病患者は前屈姿勢が強くなるにつれて、これらの歩行不安定性と代償戦略が強くなることも示した。   研究内容 本研究では、顕著な前屈姿勢であるCamptocormiaを示すPD患者10名、CamptocormiaがないPD患者30名および健常高齢者27名を対象に、三次元動作解析を用いて歩行不安定性の検証を行いました。対象者には快適歩行速度で5mの歩行路を歩行してもらい、歩行安定性指標(図1)と時空間歩行指標、運動学的指標を計測しました。実験環境における歩行安定性と代償戦略は、個人の特性や心理状況によって異なる可能性があります。したがって、健常高齢者群と比較して顕著に異なる歩行不安定性の傾向を有する患者を確認したうえで、その者を除外し、3群間比較を実施しました。また、PD患者全体で前屈角度と各歩行指標との関連を検討しました。 図1.歩行安定性指標 前方・側方・垂直方向の歩行安定性指標の算出方法を示す。いずれも歩行中の踵接地時に算出した。速度が考慮されたCOMであるXCOMが支持基底面内に位置する場合はMOS>0、支持基底面から逸脱し物理的に不安定な状態はMOS<0となる。 CamptocormiaがあるPD患者のうち1名は、顕著な前方への歩行不安定性を示しました。異質であったこの1例を除き、解析を行った結果、CamptocormiaがあるPD患者はCamptocormiaがないPD患者と比較して、COMが低位であり、垂直方向の歩行不安定性が高いことが示されました。また、CamptocormiaがあるPD患者は、歩行中のCOMを後方に位置させ、矢状面上の下肢関節運動範囲が減少し、COM側方速度、骨盤側方傾斜の運動範囲、歩隔が増加することが示されました(図2)。   図2.Camptocormiaがあるパーキンソン病患者の歩行の特徴   Camptocormiaがあるパーキンソン病患者はCamptocormiaがないパーキンソン患者と比較して、COM位置は低かった。また、歩行時にCOMを後方に位置させ、矢状面上の運動範囲を減少し、前額面の運動やCOM移動を増加させることも示された。 顕著な前方への歩行不安定性を示した1名は、CamptocormiaがあるPD患者群の特徴であったCOM後位や矢状面上の関節運動範囲の減少、歩隔の拡大を認めませんでした。また、この症例は頻回な前方への転倒歴を認め、転倒恐怖心が乏しく、歩行時の安全性を優先しない発言や行動を認めました。 これらの結果は、Camptocormiaを示すPD患者はCamptocormiaがないPD患者と比較して、垂直方向の歩行不安定性が高く、前屈角度の増加に伴い転倒リスクが高まることを示しています。一方で、Camptocormiaを示すPD患者は、前方への歩行不安定性が生じないように後方重心姿勢をとり、矢状面上での関節運動を減少させ、側方の関節運動を増加させることで、体幹屈曲の慣性モーメントを減少させる代償戦略をとっていると考えられます。   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究の知見により、顕著な前屈姿勢を示すパーキンソン病患者は、垂直方向の歩行不安定性による転倒リスク増加と歩行不安定性の代償戦略について、初めて客観的に解明しました。また、一部の前屈姿勢を示す患者は、実験環境下でも顕著な前方への歩行不安定性を示すことが確認されました。本研究の知見は、前屈姿勢を示すパーキンソン病患者の歩行安定性を最適化するためのリハビリテーションにおける介入戦略を検討する上で有益な知見となることが期待されます。今後は、実際の日常生活場面の歩行不安定性の検証や個人の代償戦略の適用に及ぼす要因についても検証する予定です。   論文情報 Urakami Hideyuki, Nikaido Yasutaka, Okuda Yuta, Kikuchi Yutaka, Saura Ryuichi, Okada Yohei. Gait instability and compensatory mechanisms in Parkinson’s disease with camptocormia: An exploratory study. Journal of Movement Disorders, 2025.   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 准教授 岡田洋平(オカダヨウヘイ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: y.okada@kio.ac.jp

2025.01.22

【広陵町×畿央大学】2月15日(土)転倒予防のためのフットケアを学ぶ「足育」講演会(無料)を開催します。

広陵町が掲げる「骨折ゼロ」を目指して「足育」を軸に、フットケアの大切さや家庭でできるトレーニングの実践方法を紹介する無料講演会を開催します。 町民一人ひとりの生涯にわたる骨折リスクを低減させ、健康寿命延伸を目指すため、理学療法学科の福本教授が知識と具体的な取り組みをご紹介しますので、ぜひご参加ください。 広陵町HP   申込フォーム 概要と申込方法について 日 時 2025年2月15日(土)10:00~12:00 講 師 【講師】健康科学部 理学療法学科 福本 貴彦 教授 会 場 畿央大学 冬木記念ホール 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 受講料 無料 定 員 250名程度 ※先着順 参加 特典 ①講演会にお越しの方へ「足指パッド」をプレゼント! ②「広陵くつした」インスタグラムをフォローしたらサンプル靴下を進呈! 申込 方法 申込フォームより必要事項を入力の上、お申込みください。 申込フォーム 注意事項 公共交通機関を利用してご来場ください。近隣の商業施設等への駐車は決して行わないでください。 本講演や申込についてのお問い合わせは下記連絡先までお問い合わせください。 問合せ 広陵町 けんこう推進課・産業総合支援課 【Tel】0745-55-1001(平日8:30~17:15)   足育講演会チラシ

2025.01.10

小学校教諭81.4%、公立幼・保100%、養護教諭40.9%が現役合格!〜2025年3月卒業予定者

教育学部 現代教育学科4回生は、小学校教諭57名、養護教諭9名、特別支援学校教諭7名、中・高教諭(英語)4名が現役合格をはたしました。健康栄養学科からは栄養教諭4名、人間環境デザイン学科からは中・高教諭(家庭科)1名が現役合格を達成しています。2025年度教員採用試験の現役合格者は142名(実数82名)。また公立幼稚園教諭・保育士採用試験でも、44名(実数24名)が現役合格しています。 今年も多くの畿央生が現役合格を手にしました! 小学校教諭の現役合格率は、過去2番目に高い81.4%に!6年連続で7割以上ときわめて高い水準で推移しています。   小学校教諭 現役合格率 受験者 合格者 2025卒 81.4% 70 57 2024卒 74.0% 77 57 2023卒 85.4% 82 70 2022卒 77.8% 90 70 2021卒 71.2% 73 52 2020卒 75.6% 82 62   養護教諭でも、過去2番目に多い9名が現役合格! 難関を突破し、毎年安定して合格者を輩出しています。   養護教諭 現役合格率 受験者 合格者 2025卒 40.9% 22 9 2024卒 50.0% 10 5 2023卒 64.7% 17 11 2022卒 35.7% 14 5 2021卒 36.4% 22 8 2020卒 46.2% 13 6   中・高教諭(英語)は、2年連続で全員合格を達成。特別支援学校教諭は惜しくも4年連続全員合格には届かなかったものの7名が現役合格を手にしました。 教育学部以外でも健康栄養学科で栄養教諭が66.7%、人間環境デザイン学科で中・高教諭(家庭科)も2年連続100%と大健闘してくれました。また前年度からはじまった3回生での前倒し受験で最終合格した小学校教諭2名を加えると、2025年3月卒業予定者全体では144名(実数84名)が教員採用試験での現役合格をはたしています。   さらに、公立幼稚園教諭・保育士採用試験では本学初となる3年連続100%を達成!6年連続で現役合格率9割以上という快挙が続いています。 公立幼・保 現役合格率 受験者 合格者 2025卒 100% 24 24 2024卒 100% 33 33 2023卒 100% 25 25 2022卒 97.0% 33 32 2021卒 94.6% 37 35 2020卒 100% 27 27   教採・公務員対策室では、学科教員と連携した「ダブル担任制」で学生をサポートしています。一人ひとりの学生に合わせて、情報提供と対策、個別指導を行い、オーダーメイドの支援を実施し、伴走してきました。現4回生の頑張りはもちろん、できる限りの教育と支援を尽くしてくださった先生方にも敬意を表します。今後は講師等の採用も含め、畿央生を最後の一人まで応援していきます。夢に向かって頑張れ、畿央生! 教採・公務員対策室 公立学校教員採用試験 現役合格率ならびに都道府県・市別の合格者数 公立小学校教諭 81.4% 合格者57名/受験者70名(現代教育学科) ➡6年連続で7割以上の現役合格、過去2番目に高い合格率! ※のべ合格者104名 都道府県・市 1次受験者 1次合格者 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 大阪府 15 14 1 13 11 大阪市 16 14 - 14 13 堺市 2 2 - 2 2 奈良県 27 24 - 24 7 兵庫県 2 2 - 2 1 京都府 3 3 - 3 3 和歌山県 2 2 - 2 2 三重県 2 2 - 2 1 愛知県 6 6 1 5 4 静岡県 3 3 - 3 2 広島県 1 1 - 1 1 鳥取県 32 32 22 10 10 島根県 2 2 1 1 1 高知県 52 47 17 30 29 愛媛県 2 2 1 1 1 茨城県 7 7 5 2 2 千葉県 21 20 13 7 7 神奈川県 1 1 - 1 1 横浜市 2 2 - 2 2 川崎市 3 2 1 1 1 北九州市 11 11 9 2 1 北海道 2 2 - 2 2   公立学校養護教諭 40.9% 合格者9名/受験者22名(現代教育学科) ➡過去2番目に多い合格者! ※のべ合格者14名 都道府県・市 受験者 1次合格者 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 大阪市 3 1 - 1 1 堺市 1 1 - 1 1 奈良県 6 5 - 5 2 滋賀県 3 1 - 1 1 和歌山県 2 2 - 2 2 鳥取県 15 7 2 5 1 東京都 6 2 - 2 1 千葉県 5 3 1 2 1 茨城県 11 4 3 1 1 北海道 8 8 5 3 3   特別支援学校教諭 77.8% 合格者7名/受験者9名(現代教育学科) ➡4年連続で全員合格は逃したものの、高い合格率! ※のべ合格者14名 都道府県・市 1次受験者 1次合格者 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 大阪府 3 3 - 3 2 奈良県 4 4 - 4 3 鳥取県 8 7 1 6 6 東京都 3 3 2 1 1 千葉県 1 1 - 1 1 北九州市 3 3 1 2 1   公立中学・高校教諭(英語) 100% 合格者4名/受験者4名(現代教育学科) ➡2年連続全員合格! 都道府県・市 1次受験者 1次合格者 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 大阪市 1 1 - 1 1 奈良県 1 1 - 1 1 兵庫県 1 1 - 1 1 滋賀県 1 1 - 1 1   公立学校栄養教諭 66.7% 合格者4名/受験者6名(健康栄養学科) ➡過去2番目に高い合格率! ※のべ合格者5名 都道府県・市 1次受験者 1次合格者 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 大阪府 3 3 - 3 2 堺市 1 1 - 1 1 京都府 1 1 - 1 1 茨城県 3 1 - 1 1   公立中学・高校教諭(家庭科) 100% 合格者1名/受験者1名(人間環境デザイン学科) ➡2年連続100%! 都道府県・市 1次受験者 1次合格者 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 堺市 1 1 - 1 1   公立幼稚園教諭・保育士採用試験 現役合格率ならびに自治体別の合格者数 公立幼稚園教諭・保育士100% 合格者24名/受験者24名(現代教育学科) ➡3年連続全員合格!7年連続で9割をこえる現役合格率! ※のべ合格者44名(併願合格含む) 都府県・市(町) 1次受験者 1次合格者 (辞退者) 最終合格者 奈良県大和郡山市 11 11 1 3 奈良県橿原市 10 10 5 4 奈良県香芝市 8 8 5 3 奈良県宇陀市 3 3 1 1 奈良県安堵町 1 1 0 1 奈良県十津川村 1 1 0 1 大阪府大阪市 5 5 0 5 大阪府堺市 4 4 3 1 大阪府寝屋川市 1 1 0 1 大阪府吹田市 7 7 2 5 大阪府豊中市 6 6 1 3 大阪府和泉市 2 2 0 2 大阪府泉大津市 1 1 0 1 大阪府藤井寺市 2 2 0 2 大阪府羽曳野市 3 3 1 2 京都府京都市 1 1 0 1 京都府京田辺市 2 2 1 1 京都府宇治田原町 1 1 0 1 兵庫県尼崎市 2 2 1 1 和歌山県橋本市 2 2 0 1 滋賀県大津市 2 2 0 2 三重県四日市市 1 1 0 1 静岡県袋井市 1 1 0 1 注1.過年度卒業生を含みません(すべて2025年3月卒業見込者) 注2.2025年1月10日現在の判明者数です。今後変動する場合があります。 注3.一部試験での1次試験免除者を含みます。 注4.現役合格率や合格者に、2023年度の前倒し受験での合格者は含みません。   現役合格者の声はYouTubeでも配信中! 関連リンク 2023年、教育学部がさらに「深化」! 小学校教諭74.0%、養護教諭50.0%、公立幼稚園・保育士100%!〜2024年3月卒業生 小学校教諭85.4%、養護教諭64.7%、公立幼稚園・保育士100%!〜2023年3月卒業生 

2025.01.08

2月22日(土)第24回畿央大学公開講座を開催します。

本学では、地域の皆さまに生涯教育の場を提供し、地域社会に貢献することを目的とした「畿央大学公開講座」を毎年開催しています。看護医療学科と健康栄養学科の教員から、それぞれの研究テーマに関する講座をお届けします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。 申込フォーム 第24回畿央大学公開講座(2/22) 講座① 「野菜のふしぎ」-調味料が色や食感に与える影響― 【日時】2025年2月22日(土)10:00-11:00 【講師】健康科学部 健康栄養学科 岩田 恵美子 准教授 調理の際、レシピを参考にしたり、経験の中から得られたコツをいかしたりされる方が多いと思われます。今回は野菜を中心に、調味料の添加で、料理の色や食感がどのように変化するのか、その理由についていくつかご紹介します。すでにご存じの事柄も多いかと思いますが、新たな発見をしていただくひと時になればと思います。 講座② メンタルヘルスを護る生活習慣 【日時】2024年2月22日(土)13:00-14:00 【講師】健康科学部 看護医療学科 紅林 佑介 准教授 最近では、メンタルヘルス上の悩みを抱えるひとが増えてきています。その治療方法は、薬物療法やカウンセリング、リハビリテーションが主軸となり、比較的、選択肢はあります。ただ、予防策となると、効果的な方法はまだ限定的です。そのなかで、近年では、一部の生活習慣が精神的不調の予防につながるという知見が、特に英豪から出てくるようになりました。生活習慣でしたら、身近な心掛けだけで行えます。心身ともに健やかに、張り合いのある生活を長く享受するために、生活習慣をちょっとだけ見直しませんか。 概要と申込方法について 会 場 畿央大学 受講料 無料 定 員 講座① 50名 講座② 100名 ※すべて申込先着順となります。 申込 方法 下記【申込フォーム】より必要事項を入力のうえお申し込みください。(申込期限:2月16日) 申込フォーム   なお、E-mailでもお申込みいただけます。件名を「公開講座参加希望」として、下記6点を明記のうえinfo@kio.ac.jpに送信をお願いします。 ①氏名 ②年齢 ③住所(市町村まで) ④電話番号 ⑤参加希望講座番号 ⑥お連れ様の人数 問合せ 畿央大学 教育推進部 公開講座係 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 【E-mail】info@kio.ac.jp 【Tel】0745-54-1601   公開講座チラシ   【関連記事】 第23回畿央大学公開講座 「妊娠・出産とウィメンズヘルス」/「ロックと映画で見るイギリス」を開催しました。 第22回畿央大学公開講座「入浴着にできること」を開催しました。 第21回畿央大学公開講座「うま味とコクの新常識/古都奈良と近代建築」を開催しました。 第20回畿央大学公開講座「コロナ時代におけるこれからの認知症ケア」をオンライン開催しました。 第19回畿央大学公開講座「感染症を知ろう~新型コロナウイルスとこれからの生活~」をオンライン開催しました。 第18回畿央大学公開講座「当事者とともに創る認知症ケア」を開催いたしました。 第17回畿央大学公開講座「認知症の正しい理解」を開催しました。 第16回畿央大学公開講座を開催しました。 第15回畿央大学公開講座B・C(2日目)を開催しました。 第15回畿央大学公開講座 講座Aを開催しました。 第14回畿央大学公開講座を行いました。 第13回畿央大学公開講座を開催しました。 第12回畿央大学公開講座「健康長寿のための食と運動」を開催しました。

2025.01.07

大阪府立山本高等学校との高大連携協定を締結しました。

  令和6(2024)年12月12日(木)に、本学と大阪府立山本高等学校との間で、高大連携協定の調印式が行われました。本学の高大連携協定は14校目、また大阪府内の公立高校とは4校目の連携協定となりました。本学からは冬木正彦学長、植田政嗣健康科学部長、前平泰志教育学部長、柴浩司教育顧問、小野巧大学事務局長の5名、山本高校からは梅田智己校長、西野泰広進路指導主事の2名の立会のもと調印がかわされました。今後お互いの持つ特色を有効に活用し、それぞれが実施する教育活動への相互支援や、教員、学生、生徒の交流を深めていくことになりました。   ▼梅田校長(手前)と冬木学長(奥)による調印     同高校は、昭和2(1927)年に大阪府立第十三高等女学校として設立され、昭和23(1948年)には新学制により現在の大阪府立山本高等学校となり、大阪府内でも歴史と伝統のある学校の一つになります。 今後は本協定を基に、本学と山本高等学校の間で教員、職員、学生、生徒が連携し、相互理解をより一層深めるために、様々な連携を進めていく予定です。       【関連リンク】 大阪府立山本高等学校 自治体との協定 | 畿央大学  

2025.01.06

2/23(日)第3回「認知症の人と家族の思いに耳を傾ける」を開催します~看護実践研究センター

  開催日時 2025年2月23日(日) 13:00 受付開始 13:30 講演会開演 15:00 シンポジウム〔当事者・支援者登壇〕 16:00 終了予定 会 場 畿央大学 冬木記念ホール(奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2) アクセス 申込方法 申込フォームより必要箇所を入力し、お申込みください。 申込フォーム   なお、E-mailでもお申込みいただけます。件名を「講演会参加希望」として、下記の点を明記のうえm.muroya@kio.ac.jpに送信をお願いします。 ①氏名 ②年齢 ③連絡先(メール) ④所属(ある人) ⑤連絡先(電話番号) ⑥参加動機・講師への質問 ⑦主催者への質問・連絡 ※定員に達した場合は受付を終了します。 協力機関 (順不同) 香芝市地域包括支援センター、葛城市地域包括支援センター、広陵町地域包括支援センター、SPSラボ若年認知症サポートセンターきずなや、奈良県若年性認知症サポートセンター、認知症の人と家族の会奈良県支部、まほろば倶楽部 問い合わせ 室谷・増田 TEL 0745-54-1602(大学総務部) 講演会チラシ