トピックス
2019.09.19
第5回畿央大学シニア講座「なぜ腰痛を治すために運動が必要なのか、どのように運動をすればいいのか」を開催しました。
令和元(2019)年9月18日(水)、畿央大学では地域のシニア世代の方々を対象に、「健康」と「教育」について学びを深めるための「畿央大学シニア講座」を開催しました。毎回人気で恒例となったこの講座は、今回で5回目の開催となります。 今回は「なぜ腰痛を治すために運動が必要なのか、どのように運動をすればいいのか」と題して、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住倫弘准教授と、東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター住谷昌彦准教授に講師となっていただき、参加者42名の皆様に最新の知見を学んでいただきました。 まず、大住先生が講師となり、講義形式でレジュメを確認しながら「腰痛のメカニズム」や「痛み」について学びました。参加者の皆さんは生活を送る中で、それぞれの感じている痛みと付き合いながら日々過ごされているためか、講義内容に熱心に耳を傾けておられました。 引き続き、どれくらいの運動強度が継続的にする運動として望ましいかを考えるために、通常の心拍数を測った後、軽い足踏みをして再度心拍数を測り、望ましい運動強度を体感していただきました。また、腰痛に有効なストレッチをいくつか学び、実際に体が柔らかくなったと実感される方が多数いらっしゃいました。 少しの休憩をはさんだ後、引き続いて住谷先生からの講義を実施していただきました。住谷先生からもまずは講義形式で脳科学(様々な感覚)と痛みの関係性を学びました。 自身の体のバランスを感じるようなストレッチなどをはさみ、腰痛の解消につながる運動を行い、ロコモティブ症候群の悪循環モデルなども学びながら、運動をしないということが様々なことに対していかに悪影響を及ぼすのかということを知っていただきました。「痛みがあったら安静にしなければならない」という世間の通例は間違いで、骨折などが確認できないのであれば軽い運動を継続的に行うべきだと先生が話されたときには、参加者の皆さんが非常に大きな関心を示されていました。薬物療法と運動療法をバランスよく行っていくことが、QOL(生活の質)の改善につながるということを、住谷先生の分かりやすい説明とともに理解していただくことができました。 参加者の方からは、「科学的であり、説得力がありました」「運動を頑張って続けていこうという動機付けになりました」「簡単に効果のある運動方法を教えて頂き満足です」などの声を多数いただき、第5回シニア講座は好評のうちに終了しました。 畿央大学では今後も地域社会と連携し、様々な形で地域貢献、社会貢献に取り組んでまいります。 【関連記事】 第4回畿央大学シニア講座 第3回畿央大学シニア講座 第2回畿央大学シニア講座 第1回畿央大学シニア講座
2019.09.12
11/24(日)大学院教育学研究科 ICTプロジェクト研究発表会「未来につながる教育の情報化」開催のお知らせ
私たちの生活において「情報」や「ICT機器」は欠かせないものとなってきました。学校現場においても、教育の情報化施策により、電子黒板、タブレット端末、無線ネットワークなどが整備され、活用されています。また、2020年にむけて学習者用デジタル教科書も制度化され、子どもたちをとりまく学習環境も大きく変化してきました。研究発表会では、こうした「教育の情報化」に焦点をあて、各学校での活用事例を報告していただきます。なお、基調講演は、最新の人工知能技術を駆使したリアルタイム音声認識技術を用いて、字幕化されます。テキストの読み上げやハイライト機能、UDフォントの利用など、ICT機器ならではの合理的配慮についても議論を進めていく予定です。 日時 令和元年11月24日(日)13:20-17:00 (12:45受付開始) 場所 畿央大学 P201講義室 プログラム 基調講演「新学習指導要領を踏まえた新しい学びの創造」 福本徹氏(国立教育政策研究所) ※Live Talkによるリアルタイム字幕つき Live Talkデモンストレーション 株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ フォーラム「教育の情報化の現状と課題」 小崎 誠二氏(奈良県教育研究所) 吉川 悠貴氏(奈良県立西和養護学校) 中西 省五氏(御所市立大正小学校) 冬木正彦(畿央大学) 司会:西端律子(畿央大学) 申込方法 専用申込フォームまたは下記必要事項を明記の上、FAXでお申込みください。 ①参加者氏名(フリガナ)②勤務先・所属 ③連絡先住所 ④連絡先電話番号 ⑤E-mail 【申込期限】11月20日(水) 【申込先】 0745-54-1600 ▼クリックでチラシPDFが開きます。 お問い合わせ 畿央大学 総務部 教育学研究科研究会係 TEL:0745-54-1602 FAX:0745-54-1600
2019.09.12
人間環境デザイン学科3回生が広陵町の広報誌制作を担当しました。
「広報こうりょう」を畿央生がジャック! 夏休み中に広陵町役場でインターンシップを経験した人間環境デザイン学科3回生が、広報誌「広報こうりょう」に登場しました。取材・撮影・原稿作成を担当した箇所も含めて、表紙から12ページまでが畿央生の特集になっています。伝える楽しさと難しさの両方を体験させていただいたようです。人間環境デザイン学科では建築やまちづくりを学んだ知識・技術をいかして、地方自治体で建築技術職として活躍する卒業生も増加しています。 インターンシップを受け入れていただいた広陵町役場の皆さま、ご指導ありがとうございました。 ▼「広陵こうりょう」畿央大学特別号(クリックでPDFが開きます) ▼広陵町役場ホームページ 【関連リンク】 『広陵こうりょう』畿央大学特別号配信スタート(広陵町役場ホームページ) 広陵町役場facebookページ
2019.09.10
10/19(土)・20(日)ウェルカムキャンパス in 畿央祭2019(地域の皆様向け)を開催します。
「ウェルカムキャンパス」は畿央大学の教職員がお送りする、地域の皆様参加型のイベントです。お子様向けの企画もありますので、ぜひご家族でお越し下さい! 日 時 2019年10月19日(土)・20日(日)10:00~17:00 ▲クリックで拡大します 会 場 畿央大学 →アクセスはこちら※駐車場はありません。※公共交通機関を利用してご参加ください。 同 時 開 催 第17回畿央祭(学園祭)ミニオープンキャンパス ●昨年のウェルカムキャンパスの様子は、こちらからご覧いただけます。 10月19日(土)開催 がんカフェ 「きらめき」 13:00~16:00 がんカフェ― がんになっても働くことについて知ろう・語ろう―①乳がん自己検診のすすめ:モデル展示と学生による自己検診デモンストレ―ション(自由参加)②がんカルタ・がん相談機関やがんカフェ、がんに関するパンフレットの提示③がん患者の治療と仕事の両立支援について(両立支援コーディネーターの講話) ④がん治療体験談(ボランティア・教員)⑤乳がん術後の入浴着展示(試着可能)⑥がん体験者とのトーク(自由参加)⑦学生によるアロママッサージ 子どもたちの遊びと学びの空間へようこそ! 10:00~15:00 楽しく遊んで、楽しく学ぼう!手作りおもちゃや積み木など、子どもたちが楽しめるおもちゃをたくさん準備しています。考えて、触れて、作って、お話をして、そんな楽しく遊んで学べる空間を提供しています。また、エプロンシアターも開催します。 研究機器で手指の巧緻性を計ってみましょう!(都合により開催中止) 10月20日(日)開催 健康カロリーチェック!! 13:00~15:00 あなたの食事は☆いくつ?目指せ5ツ星☆☆☆☆☆!! 食育「サッとシステム」を用いた食食事診断。栄養に関する媒体の展示など RUN 伴(ランとも)応援企画 10:00~16:00 認知症啓発日本縦断イベント「RUN伴(ランとも)」応援企画①畿央大学ゴール時の応援イベント 認知症及びRUN 伴啓発展示(ハートランド信貴山・大和園・おきなの杜・特養・グループホーム等)③認知症サポーター養成講座 体力・骨密度測定会 (65歳以上限定) 13:00、14:00、15:00 あなたの健康チェックします!● 骨密度計測● 体組成の測定● 握力測定● 30秒椅子から立ち上がりテスト● ファンクショナルリーチテスト *12時30分より整理券を発行します。20名ずつ時間を指定して計測し、先着60名様にご参加いただきます。 10月19日(土)・20日(日) 両日開催 学びのギャラリー 19日 10:00~17:00、20日 10:00~16:00 建築、インテリア、アパレル、立体造形…人間環境デザイン学科ってこんなことをしています!! 授業で学生が制作した作品を展示します。1 回生でデザインの基本を学び、2 回生から各授業でオリジナル作品を建築やインテリア、アパレルなどいろんな分野で制作します。学生たちの学びの成果をぜひご覧ください! 茶室「吊庵(つりあん)」 10:00~16:00 「吊庵」“つりあん” で休もうか… 人間環境デザイン学科・加藤プロジェクトゼミでは、毎年茶室を製作しています。今年は3つの茶室を作りました。コンセプトは「吊る」です。エントランスホール2階手すりから茶室を吊ることで構造が成立しています。是非ご覧ください。 子どもたちへ「運動の器用さにチャレンジしてみよう!!」 19日(土)10:00~12:00 13:00~17:00 20日(日)10:00~12:00 13:00~16:00 運動の器用さを測ってみよう!! 自分の運動の器用さを測ってみる ①手の運動の器用さを測定 ②そのほかの測定 ※各日10 時より整理券を発行します。 広げよう、ボランティアのWA!2019 19日 10:00~17:00、20日 10:00~16:00 ボランティアのWA を大きな力に!本学学生によるボランティア活動の報告(ポスター発表)、外部団体等によるボランティア紹介、ブース説明(予定) 自然と科学のちょこっと体験 13:00~15:00 簡単な実験や工作などを通して科学に触れてみましょう。30分程度の科学実験や科学の不思議を使った工作などを行います。また、エアードームでプラネタリウムの上映を行います。*実施する内容や時間、定員などは当日理科実験室に貼り出します。 同窓会サロン 19日 10:30~17:00、20日 10:00~16:00 先生方からいただいたメッセージを掲示し、歴代の卒業アルバムが閲覧できます。同窓生の憩いの場として、お茶タイムにご利用ください。なつかしい先生や友達、先輩に会えるかも?!
2019.09.07
高校生向け「ひらめき☆ときめきサイエンス~大学の研究室へようこそ~」を実施しました!
高校生11名が、「運動と脳との不思議な関係~運動の脳科学~」について学びました。 8月19日(月)、『ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~』を実施しました。 「ひらめき☆ときめきサイエンス」は、文部科学省所管の独立行政法人日本学術振興会からの助成を受けて実施されるイベントで、本学ではこれまで小学校高学年の児童を対象に平成21年から毎年実施しており、本年度は対象を高校生に変更し、通算11回目の開催となります。大学は教育研究機関として、国の科学研究費の助成を受けて社会に役立つ様々な研究を行っており、その成果を子どもたちにも知ってもらい、未来の科学者を育てていくのがこのイベントの目的です。参加者は高校生11名で、県内だけでなく大阪府や、関東からの参加者もいました。 この日のプログラムは「運動と脳との不思議な関係~運動の脳科学~」と題し、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志准教授<実施責任者>、大住倫弘准教授を講師として、脳と運動との密接な関係性を学んでもらいました。 まず初めにこの事業の目的と科研費についての説明を行ったあと、信迫先生から当プログラムの概要とスタッフの紹介を行い、まず1時間目「運動の脳科学」と題した講義を行いました。「ヒトは様々な運動が当たり前に可能であるが、それはなぜなのか?」からスタートし、脳の構造や簡単な運動を通して“脳科学”の導入を講義してもらいました。 その後の2時間目からは2グループに分かれ、実際の機器を使用しながら6つの実験を行い、脳に問題が起こった場合に動作や感覚が困難になる様子を実際に体感してもらいました。 【左】映像遅延下運動課題 【右】スプリット・トレッドミル歩行課題 【左】両手干渉課題 【右】ラバーハンド錯覚課題 【左】プリズム順応課題 【右】運動観察干渉課題 【左】視線計測課題 【右】サーマルグリル・イリュージョン課題 参加者の高校生は、初めて見るのはもちろん、体験するのも初めての機器ばかりのようで、教員から「畿央大学は他大学と比較すると規模は小さな大学ですが、これらの研究機器は本当に充実しており、他の研究者の方々にも驚かれます。」という補足説明があり、また機器の中には参加者の想像を大幅に超えるような高額なものもあり、実際の値段を聞いて驚きの声もあがっていました。 学生食堂で実際の食堂のランチ体験をしてもらった後は、fNIRS(機能的近赤外分光装置)を使用し、運動中の脳活動を測定してみました。 全ての実験・計測が終了したあとは、クッキータイムと称し、一息つきながら感想を言い合ったりディスカッションしたりしました。また担当教員からは、今後の進路を選択する高校生へ向けて、自身の昔話や、脳科学や理学療法士についての話もしていただき、楽しく歓談しました。 ▼クッキータイム(ディスカッション) 様々な機器を実際に使用しながら研究の一部を体験してもらい、あっという間にプログラムが終了しました。受講生一人ひとりに冬木正彦学長から修了証書が授与され、冬木学長からは、『この事業のタイトルである“ときめき”を英語で表現するとなんというか知っていますか?“butterfly in stomach”というように胃の中で蝶が羽ばたくような衝撃を“ときめく”と表しているのです』といった豆知識や、また学長先生自身も幼少期に科学に興味のあった話をしていただき、『これからたくさんの「なぜ?」を追求し、今後の学びにぜひ繋げていってください』と期待を込めたお言葉を頂戴いたしました。 ▼受講者1人ひとりに修了証書を授与 参加者からは、「脳はとても興味深いと改めて感じました。実際に体感できたのでおもしろかったです。」「普段できないような貴重な体験ができて嬉しかったです。」等、学校の授業とは異なった貴重な体験ができたとの感想をいただきました。様々な体験・実験を通して、今回のテーマであった「運動と脳との密接な関係性」について少しでも学んでいただけたことと思います。また今回の体験を通して、科学に対してさらに興味を深めてくれることを願っています。 ぜひまた畿央大学にお越しくださいね! 【過去のひらめき☆ときめきサイエンス】 2018年「運動中のからだのしくみ」 2017年「運動中の体の不思議を探る~健康をつくる運動と栄養のサイエンス入門~」 2016年「運動中のからだのしくみを発見しよう~健康をたもつ運動と栄養の科学~」 2015年「運動するとからだの中はどうなる?~健康をつくる運動と食事のサイエンス~」 2014年「運動中のからだの不思議を科学する~健康を支える運動と食事を学ぼう~」 2013年「世界から注目される『日本料理』のおいしさをサイエンスするーおだしの文化の調理科学実験ー」 2012年「お母さんの手作り料理の味は一生忘れないってホント?調理科学の不思議体験」 2011年「食から環境を考える」 2010年「食べ物の『おいしさ』と『こく』をサイエンスする」 2009年「食育をサイエンスする」
2019.09.06
2019年度「教職員のための夏の公開講座」を開催しました。
「教職員のための夏の公開講座」は、奈良県教育研究所の依頼に基づき、夏休みの間に現場の先生方に知識を深め、また得意分野はさらに伸ばしていただくことを目的に受講していただく公開講座です。 2019年(令和元年)8月14日(水)に、大久保 賢一准教授による講座を開催しました。奈良県・大阪府を中心に、他府県からも多くの現職教員の皆さま約90名の方にご参加いただきました。 『子どもたちの成長と適応を支えるポジティブ行動支援』 講師:教育学部現代教育学科 大久保 賢一 准教授 内容:講義形式だけではなく、ペアを作っての演習を含め、「してほしいことをしてくれない」児童・生徒に対して、どのように接していくことが効果的な行動支援につながるかということを学びました。 受講者アンケートでは、「大変ためになりました。子どもと関わる上で叱り方、伝え方など悩むことが多かったので勉強になりました。」、「特別支援教育に対して興味があり、受講させて頂きました。支援学級の児童と関わっていると、どう支援すべきかどう声をかけるべきか悩むことが多々あります。その中で今日の講座でお話しされていた、リフレーミングについて特に勉強になり、視点を変えて2学期から児童と関わってみようと感じました。」、「専門用語を使わず、大久保先生自身の事例をたくさん出されての講義だったので、わかりやすかった。『罰がなぜよくないか』ということの説明が、とても明確で自分自身もこのように伝えていきたいと思った。」などのご意見をいただきました。今回の講義では、実際にあったケースなども例に挙げながら実践的な内容に富んでいたため、現場ですぐに活かすことができると好評な意見を頂戴することができました。 残暑厳しい中、ご参加いただきました皆様には心より感謝申し上げます。今回のアンケートを参考に、今後とも皆様のお役に立てる講座設定に努めて参ります。 【過去の講座一覧】 2018年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度
2019.08.20
畿央大学現代教育研究所主催「学びを結ぶワークショップⅦ」を開催しました。
畿央大学現代教育研究所では、教育に携わる現場の方々の一助となることを目的として、設立2年目(2013年)から毎年、夏季のワークショップを開催して参りました。7回目を迎える今年は2019年8月9日(金)、来年から小学校教育に導入されるコンピュータを使わない活動も含めたプログラミング教育、社会科学習において変わりなく扱われてきた地図の発展的な活用、音楽科に新しく導入される伝統的な和楽器の箏の指導方法の体験と、時代を交差するかのような内容を準備し、「学びを結ぶワークショップⅦ」として行いました。 実人数で23名の皆様のご参加をいただきました。当日の様子を紹介します。 ワークショップ1「体験から活用へ!初等教育におけるプログラミング教育」 講師:西端 律子(教育学部 教授) 「学びを結ぶワークショップ」では過去2年、プログラミング教育を体験する講座を実施してきました。今回は数歩前に進んで「体験から活用へ」のテーマのもと、いくつかのワークを交えて活動を進めました。 ワークⅠ 「今までと何が違う?」 すでに先行した塾の実践を紹介し「今までの習い事と、何が違うのか」を話し合いました。一番の違いは「就職や起業に必要な年月の積み重ねを短くしてしまうということ」です。 ワークⅡ 「子供にどう説明する?」 プログラミング学習に必要な考え方「順次」「条件分岐」「反復」を子供が理解できるよう説明するにはどのような場面が適しているかを考えました。 ワークⅢ 「学校のどんな場面で使える?」 子供向け番組で扱われた「アナログな記号で体の動きをプログラムする」アンプラグドプログラミングの実践を基に考えました。いよいよワークショップの本題です。後半はキャラクターの動きをプログラムし画面上を意図通りに動かすビジュアルプログラミングソフト「スクラッチ」で、正方形を書く活動から始めました。それをもとに、 ワークⅣ 「正三角形や正五角形、正六角形はどうつくる?」 そして、 ワークⅤ 「算数で活用できる可能性は?」 期待と不安の両方の意見が出ていました。プログラミング教育の導入にあたっては様々課題がありますが、普及のための様々な支援の取り組みもあることを紹介しました。スマート家電が生活に定着していく社会を豊かに生きていくための資質・能力の育成。プログラミング教育とはそのようなことではないでしょうかとの提案で締めくくられました。 ワークショップ2「地図で社会科学習を豊かに-地図を読むコツと防災学習での活用-」 講師:小谷 恵津子(教育学部 准教授) 新学習指導要領で社会科における防災学習の一環としてハザードマップの活用・作成が示されるなど、今あらためて「地図を読み、活用する力」の育成が求められています。そこでワークショップ2では、地図を読むコツと防災学習での活用の観点から社会科学習をより豊かにするための実践がおこなわれました。 地図は単に場所の位置や行き方を読み取るだけの道具ではありません。地図には「表現ツール」としてと「認識のツール」としての2つの機能がある、というのが講師の強調していた点でした。たとえば「なぜ奈良盆地でイチゴ栽培が盛んなのか?」という問いに対しても、農産品分布図と交通網図を重ね合わせてそこに示された情報を読み取り、相互に関連づけつつ分析することで、子どもたちに「大阪へ通じる幹線道路に近いので、朝摘みの新鮮なイチゴを素早く大消費地である大阪に届けることができるからではないか」という仮説に気づかせることもできるのです。 こうした地図の機能を現場の実践で活用できるようワークショップでは、3つの指の動きと機能(「指す(点)」、「たどる(線)」、「囲う(面)」)を組み合わせて自らと関わりの深い地域を相手に紹介するアクティビティや、国交省のハザードマップ・ポータルサイトを実際に使ったアクティビティなどがおこなわれました。最後に、社会のしくみに迫る「なぜ?」を考えさせる防災学習の大切さ、それを子どもたちの「選択・判断」へとつなげることの大切さについて実践事例をまじえつつ考えることで、ワークショップが締めくくられました。 ワークショップ3「弾いてみよう箏!わらべうたによる音楽活動」 講師:衛藤 晶子(教育学部 教授) 新学習指導要領では、小学校3・4学年で取り上げる旋律楽器として和楽器が位置づけられています。ワークショップ3では和楽器の箏を使い、子どもの感性を自然に引き出すためのわらべうたによる音楽活動の実践がおこなわれました。ワークショップの冒頭では、参加者に自由に弦を弾いたり叩いたりしてもらい、その音を「窓ふきの音」や「フワンフワン」といったイメージや擬音語で表現してもらいました。さらに参加者にペアになっていただき、いろいろな音色を組み合わせて音楽を作ってもらいました。参加者からは、「子どもが雲の上でフワンフワン跳んでいるところ」や「猫がひな鳥を狙っているところ」など豊かなイメージを持った音楽が披露されました。その後、活動は「だるまさんがころんだ」「なべなべそこぬけ」「はやしのなかから」「さくらさくら」といったわらべうたの演奏に移りました。ところどころ手遊びをおりまぜつつ進む活動に、参加者は童心に返って楽しんでいる様子でした。 このように実際に箏に触れ、それを弾いてみることで、子どもたちは和楽器のしくみや音階・旋律の違いによって受けるイメージがどう変わるのかといったことを学ぶことができます。また、和楽器はもともと人の思いを表現するために作り出された楽器であるといわれますし、わらべうたには単純な音や少ない音であっても音楽になるという利点があります。参加者の楽しげな様子からも、箏を使ったわらべうたによる音楽活動は子どもたちに自らの感性を主体的に表現させるのにうってつけの実践であると感じました。 午前の部と午後の部の間には軽食を伴った情報交換会を行いました。新しい学習指導要領について、英語やプログラミングなど新しい学習内容や方法について、地域による学校や児童が置かれる環境の変化についてなど、様々な話題が交換されていました。 最後にアンケートを通して、参加下さった皆様から頂いた声を紹介します。 ワークショップ1について 事例や事案など提示していただいたり、一緒に考えたりする中でどのように児童に指導するのか、校内で普及していくのかなど自分自身で考えるきっか けを与えていただきました。 学校で行われる研修だけでは、プログラミング体験しても、なかなか覚えきれなかったのですが、今回教えていただけて、少し「できる」ようになりまし た。ありがとうございました。 スクラッチなどの機器がなくても取り組めることが分かったのが良かったです。 実際にスクラッチが触れて良かったです。コードAピラーや色々な参考書があり勉強になりました。 ワークショップ2について もっと早くに地図の活用の仕方を知っていれば、もう少し楽しい授業ができたかなと反省しています。 子どもたちが興味を持てるような授業づくりへと活かしていきたいと思いました。 地図の使い方やからだを使っての使い方などとても勉強になりました。 情報を提供していただきありがたかったです。初心者でもできました。子どもの気持ちになってワクワク感があありました。 人数が少なく残念でしたが、とても熱心に指導いただきました。来年も是非続きの指導を頂きたいです。 ワークショップ3について 箏やわらべうたのことが理解できとても良かったです。毎年して欲しいです。 箏は難しいイメージでしたが、意外と取り組みやすく楽しかったです。もっと色々と覚えないといけないことが多いと思っていたので面白かったです。 子どもの学習の流れに沿って体験ができ、とても満足感のあるワークショップでした。ありがとうございました。 2学期以降の授業に活かせそうです。いろんな学年でやってみたいと思います。 今年は残念ながら参加者が少なかったですが、内容の質、量ともに満足して帰っていただけたと自負しております。 今回、研究会や研修会の情報入手の方法についても質問させていただきました。皆様の声を生かして、ご期待に答えることができるワークショップを準備いたします。今後ともよろしくお願いいたします。 【関連記事】 「学びを結ぶワークショップⅠ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅡ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅢ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅣ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅤ」開催報告 「学びを結ぶワークショップⅥ」開催報告
2019.08.07
初めてとなる「マタニティ・カフェ」を開催しました。~助産学専攻科
畿央大学助産学専攻科は今年で開設8年目となり、これまで52名の助産師を育成してまいりました。本学専攻科の教育の特徴の一つは、入学時に学生が描いた理想の“めざす助産師像”に、近づくために自己と他者を理解しながら、自らの助産師としてのアイデンティティを一歩一歩育んでいくことを大切にしていることです。 この度、7月13日(土)に妊婦さんに絶大な支持を得ている助産師の国際医療福祉大学大学院 助産学分野教授 佐藤香代先生をお招きして「世にも珍しいマザークラス」の講演をしていただきました。また、学部長の産婦人科医の植田政嗣教授には、「妊娠中のホルモンの不思議」をお話していただき、最後は、妊婦さんと家族の方々が語り会える場として、カフェしながら何でもトークの時間をもちました。 今回のマタニティカフェは、助産学専攻科の学生が4月から話し合いを重ねて会場設営、環境づくりをしました。以下、参加学生の声も交えながら当日の様子をレポートします。 マタニティ・カフェの準備・運営に携わった学生から 環境の影響を学び、飾りだけでなく、私たちも妊婦さんの環境の一部になるため、自分の言葉や態度に気をつけていきたいと思いました。(学生 大賀 彩香) ▼助産学専攻科教務主任の中居由美子准教授からのご挨拶 【第1部】講演「妊娠中のホルモンの不思議」 講師:植田正嗣先生(健康科学部長・健康科学研究科長 畿央大学教授) 「妊娠中のホルモンの不思議」を受講して 入学当初は、何もわからないまま作業をしていましたが、学びが進むにつれて、ポジティブになるには、妊婦に起こっている現状を受け止め、その現状は妊婦が持っている素晴らしい力であると捉えるようにすることが大切であると考えるようになりました。当日、妊婦さんの反応から本当に頑張ってきて良かったと感じました。(学生 田中 魅紅) 【第2部】講演「世にも珍しいマザークラス」 講師:助産師 佐藤香代先生(国際医療福祉大学大学院 助産学分野教授) 「世にも珍しいマザークラス」を受講して みんなで「妊婦さんのための何ができるのか」を考えていくことがとても楽しかったです。エレベーターから教室までは表情もかたく「緊張します」とおっしゃっていた方が、マタニティカフェの終わりでは「今日は楽しかった。来てよかった」と言ってくださり、内容・交流・環境の大切さを学びました。(学生 佐田 聖奈) 佐藤先生の講義を受けて、助産師の役割は、女性の持つ力を最大限に発揮できるように導くことであると学び、参加してくださった妊婦さんが今後のマタニティライフ、出産、育児が幸せなものになってほしいと改めて思いました。(学生 西原 真弥) ▶イラスト作成に携わった学生のコメント 胎児はお腹にいるときからメッセージを伝えていることをイラストで示し、学生からのメッセージはマタニティカフェを楽しみにしていたことや温かく迎える姿勢をひまわり畑に想いを込めて表現しました。相談しやすい雰囲気をつくることも環境の一つなので、対象に寄り添う気持ちを忘れず助産師像に向けて頑張りたいと思います。(学生 谷田 佳世) 【第3部】カフェをしながら何でもトーク マタニティ・カフェを終えて 妊娠をポジティブにとらえることができる環境づくりとは何かを常にみんなで話し合い進めて行きました。こだわればこだわるほど自己満足になっていないか不安になり、当日を迎えましたが、妊婦さんやご家族が喜んでくださる姿を見てとても嬉しくその時の笑顔が忘れられない素敵な光景となりました。(学生 原 茅穂) マタニティカフェのイメージが全くつかないところからスタートしましたが、学びが進むにつれて、カフェに来て下さる妊婦さんやご家族さんを想像しながら環境を作ることが楽しく、わくわくしてきました。当日、妊婦さんとご家族さんの生の声を聞くことができ、よりマタニティライフをイメージすることができ、楽しさや幸せを感じました。(学生 塩崎 萌) マタニティカフェを通じて、妊婦さんが主体的に交流を行い、お互いに情報交換をし、不安なことを質問して問題解決しながら笑顔になっていく姿を見てとても嬉しく感じました。(学生 岡野 葵) 雨の中参加してくださった妊婦さんとそのご家族の方がポジティブに喜びに満ち溢れたマタニティライフ・出産・育児になる一つの経験になれたらよいと思います。(学生 高田 咲貴) 妊婦さん同士の交流から自分自身を振り返り学ぶことが多く、自分の表情なども環境を作る一部なのだと感じました。帰って行かれる妊婦さんたちがとても素敵な表情をされていたのが印象に残っています。(学生 岸 奈生) ▼参加された皆様と記念写真 【佐藤 香代 先生からのメッセージ】 妊婦さんへ 身体に備わる智慧と赤ちゃんの力を信じて、油の海と青い海を泳いでください。素敵な出産のご報告、お待ちしています! お父さんへ 講演の後は、皆さん輝いていましたよ!やっぱり世界を変えるのはパパですね! 助産師学生さんへ 素晴らしい環境づくりをありがとう。皆さんの笑顔と妊婦さんを大切に想う気持ちが伝わって、とても素敵な会になりました。本物の助産師めざして、頑張れ! 今回、マタニティカフェに参加した学生は、佐藤香代先生が活動されておられる「身体感覚活性化(世にも珍しい)マザークラス」の趣旨を学習し、妊婦さんが妊娠をポジティブにとらえることができる環境とは何かを研究し環境づくりに取り組みました。妊婦さんとご家族の方からの、お話を直に聞かせていただくことで、女性の素晴らしさ、家族の優しさを実感し、めざす助産師像が広がったようです。 この会に参加していただきました妊産婦さんとそのご家族の方々に深く感謝申し上げます。これからのマタニティライフが素敵な日々であることを願い、お子さまの誕生を心待ちにしております。ありがとうございました。 助産学専攻科教員 中居由美子 戸田千枝 上原麻利
2019.07.31
【満員御礼】9月18日(水)「第5回畿央大学シニア講座」を開催します!
8月7日(水)時点で、申込者数が定員に達したため、受付を終了させていただきました。 畿央大学では、地域のシニア世代の皆さまが「健康」と「教育」について学びを深めるための「畿央大学シニア講座」を開催しています。今回も、大学の施設・設備での体験型の学習を取り入れながら、昨年度に引き続き「腰痛」について最新の知見を学んでいただけます。学びに年齢は関係ありません。この機会に畿央大学で学んでみませんか? ▲畿央大学シニア講座の様子 ●プログラム・募集要項 日時 9月18日(水) 14:00~16:00 (受付13:30~) テーマ 「なぜ腰痛を治すために運動が必要なのか、どのように運動をすればいいのか」 講師:東京大学医学部付属病院 麻酔科・痛みセンター 准教授 住谷昌彦 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 准教授 大住倫弘 ・座学での授業を中心に、補足的に体験を交えた形式で進めます(適宜休憩を挟みます)。 ・軽いストレッチを行いますので、動きやすい服装でお越しください。 会場 畿央大学P棟1階 理学療法実習室 対象 シニア世代の方々 申込定員 【満員御礼】30名(要事前申込、先着順) 受講料 無料 主 催 畿央大学教育推進部、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 申込方法 【満員御礼につき受付終了】 住所、氏名(ふりがな)、電話番号、年齢、「シニア講座受講希望」を明記して、 メール、またはFAXでお申し込みください。 【問い合わせ・申込み先】 〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 畿央大学教育推進部 シニア講座係 電話:0745-54-1601 FAX:0745-54-1600 E-mail:info@kio.ac.jp
2019.07.23
近鉄連携「香芝SAフードコード麺メニュー開発プロジェクト2019」質問会を開催しました。
恒例となった香芝SAフードコートメニュー開発プロジェクト。昨年度は「鶏肉を使用した丼メニュー」をテーマとし、「大和三山の雪化粧」がグランプリを受賞、「すき焼き風奈良の郷土どんぶり」が準グランプリとなり、それら2メニューが香芝SAのフードコートで、特別賞受賞の「鶏のザクザクあんかけ丼」は岸和田SAで販売され、現在も好評発売中です。 今年のテーマは「麺メニュー」。健康栄養学科学生8グループ34名が6月にプレゼンテーションを行った後、各グループ試作を重ねてきました。その中で実際に出た疑問を質問させていただく機会として、7月22日(月)に㈱近鉄リテーリング香芝SAの小椋支配人をお招きして質問会を行い、8グループのうち7グループが参加しました。 あらかじめグループで考えた質問・疑問についてお聞きし、その回答を学生たちは熱心にメモを取っていました。「今香芝SAで一番高いメニューは何ですか」「出汁の濃度の調整は可能ですか」など、具体的な質問も多く出ていました。現場ならではの意見や案をいただき、いただいた意見をさっそく取り入れて試作をしようとするグループや、中には原価が定価程の値段になってしまい、販売価格を換算すると驚きの値段になってしまったというグループもありました。 小椋支配人からは「材料などこちらで準備できる限界はもちろんあるが、今の段階ではそれらに捉われず、学生さんの豊かな発想を第1に考えて試作を行ってみてください。」等、多くのアドバイスをいただきました。 4月に始動したプロジェクトも、いよいよ折り返しとなりました。今後のスケジュールは、9月中旬にレシピ検討会、そして9月28日(土)にコンテストを実施し、来年1月~2月には西名阪道 香芝SA上下線にて発売開始予定です。ぜひご期待ください! 【過去の商品化関連記事】 2019年度 近鉄連携「香芝SAフードコート 麵メニュー開発プロジェクト」第6弾が始動しました! 平成30年度 畿央生が考案した丼メニューが香芝SA・岸和田SAで販売中! ~ 近鉄連携「香芝サービスエリアメニュー開発プロジェクト」 平成29年度 畿央生が考案した麺メニューが香芝SA・岸和田SAで販売されます~近鉄連携「香芝サービスエリアメニュー開発プロジェクト」 平成28年度 近鉄連携 西名阪自動車道香芝サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。 阪和自動車道 岸和田サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。 平成27年度 近鉄連携 西名阪自動車道香芝サービスエリアで畿央生が作ったカフェメニューが発売されます。 平成26年度 西名阪香芝サービスエリアで畿央生が創作した新メニュー試食会が行われました。
2019.07.19
予測-結果の不一致と運動主体感の関係〜ニューロリハビリテーション研究センター
「この行為を引き起しているのは自分だ」という感覚を“運動主体感”といいます。運動主体感は、予測と実際の感覚結果が一致することによって引き起こされる感覚であることが知られています。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周 教授と大住倫弘 准教授らは、明治大学理工学部の嶋田総太郎 教授、慶應義塾大学の前田貴記 講師らと共同で、予測-結果の一致だけで運動主体感が構成されていない可能性を実験的に示しました。この研究成果は,PLoS One誌(The relationship and difference between delay detection ability and judgment of sense of agency)に掲載されています。 研究概要 「この行為を引き起しているのは自分だ」という“運動主体感”は、「この行為によってどのような感覚が引き起こされるか」という予測と、実際の感覚結果の一致によってもたらされる感覚と考えられてきましたが、互いがどれほど密接な関係にあるのかは不明でした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周 教授と大住倫弘 准教授らは、明治大学理工学部の嶋田総太郎 教授、慶應義塾大学の前田 貴記 講師らと共同で、予測-結果の不一致に気づく時間窓と、予測-結果の不一致によって運動主体感が損なわれる時間窓との関係を調査しました。その結果、予測-結果の不一致に気づきやすい被験者ほど運動主体感を損ないやすい傾向があることが確認されましたが、互いの関係は決して強固なものではないことも明らかにされました。この結果は、運動主体感は単なる予測-結果の一致だけで構成されている感覚ではなく、それ以外の要因によって修飾されることを示唆するものです。 本研究のポイント 運動主体感は、予測-結果の一致/不一致だけによって左右されるものではない可能性を示した。 研究概要 1.予測-結果の不一致に気づく時間窓の計測 健常大学生を対象に、映像遅延システム(図1)の中で人差し指を1回だけ動かしてもらいます。映像遅延システムでは、被験者の手の鏡像をビデオカメラで捉えて、そのカメラ映像を「映像遅延装置」経由でモニターへ出力させます。出力されたモニター映像を鏡越しに見ることによって自分の手を見ることができます。また、映像遅延装置によって作為的に映像出力を時間的に遅らせることができます。この遅延時間を100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000ミリ秒の10条件設定をして、被験者がどのくらいの遅延時間で遅延に気づくことができるのかを定量化しました(図3左)。 図1:映像遅延システム 2.予測-結果の不一致によって運動主体感が損なわれる時間窓の計測 健常大学生を対象に、Agency attribution task(Keio method: Maeda et al. 2012, 2013)を実施してもらいました(図2).被験者のボタン押しによって画面上の■がジャンプするようにプログラムされており、さらにボタン押しと■ジャンプの間に時間的遅延を挿入することができ、この遅延時間を100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000ミリ秒の10条件設定をしました。そして、被験者は“自分が■を動かしている感じがするかどうか”を回答するように求められ、被験者がどのくらいの遅延時間で運動主体感が損なわれるのかを定量化しました(図3左)。 図2:Agency attribution task(Keio method) そして、「遅延に気づく時間窓」と「運動主体感が損なわれる時間窓」の相関関係を算出したところ、お互いに一定の関係が認められるものの、その関係は決して強固なものではありませんでした(図3右)。 図3:「遅延に気づく時間窓」と「運動主体感が損なわれる時間窓」の関係 本研究の臨床的意義および今後の展開 運動主体感はリハビリテーションを進める上で欠かすことのできないものです。その運動主体感のメカニズムの一端を明らかにすることができましたが、どのような要因によって運動主体感が修飾されるのかは、今後の研究で明らかにしていかなければなりません。 関連する先行研究 Shimada S et al. Rubber hand illusion under delayed visual feedback. PLoS One. 2009 Jul 9;4(7):e6185. Maeda T, Kato M, Muramatsu T, Iwashita S, Mimura M, Kashima H. Aberrant sense of agency in patients with schizophrenia: forward and backward over-attribution of temporal causality during intentional action. Psychiatry Res. 2012 Jun 30;198(1):1-6.Maeda T, Takahata K, Muramatsu T, Okimura T, Koreki A, Iwashita S, Mimura M,Kato M. Reduced sense of agency in chronic schizophrenia with predominantnegative symptoms. Psychiatry Res. 2013 Oct 30;209(3):386-92. 論文情報 Osumi M, Nobusako S, Zama T, Yokotani N, Shimada S, Maeda T, Morioka S. The relationship and difference between delay detection ability and judgment of sense of agency. PLoS One. 2019 Jul 9;14(7):e0219222. なお、本研究は明治大学理工学部 嶋田総太郎教授、慶應義塾大学 前田 貴記 講師らと共同で行われたものです。また、本研究は文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」の支援(研究課題番号 17H05915)を受けて実施されました。 問い合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授/センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2019.07.10
10/13(日)第2回現代教育特別講演会「教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業」のご案内
卒後教育・リカレント教育の一環として第2回目となる特別講演会を開催いたします。卒業生以外の教育関係者の方にも受講料1,000円にて公開させていただきますので、ぜひご参加ください! 「教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業」 現職教員および教職をめざす学生のために開催される、畿桜会(同窓会)主催の「現代教育特別講演会。第2回目となる今年のテーマは、「教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業」です。近頃、書籍を出版され、SNSやブログ等でも精力的に発信されているお2人の講師をお招きし、具体的な実践からそこにある哲学まで、明日からの働き方や授業の改善のヒントとなるお話を伺い、みなさんと一緒に考えたいと思います。 日 時 会 場 2019年10月13日(日)13:00~16:30 (12:30~受付) 第1部:講演会 13:00~15:00 @KB01講義室(予定) 第2部:交流会 15:00~16:00 @KB02講義室(予定) ※交流会には、軽食・ソフトドリンクをご用意します。 講演テーマ 教師の働き方改革×主体的な学びを支える授業 講 師 坂本 良晶 氏(京都府公立小学校教諭) ビジネス界のマインドや手法を取り入れ『教育の生産性改革』を提言。Twitterフォロワー数は13,000人超。 watcha!TOKYO、関西教育フォーラムはじめ登壇多数。2019年3月に『さる先生の「全部やろうはバカやろう」(学陽書房)出版。 葛原 祥太 氏(兵庫県公立小学校教諭) 無意味な宿題に革命を起こす!「計画⇒テスト⇒分析⇒練習」のサイクルで自己学習力を身につける学習法「けテぶれ学習法」を開発。広く深い知識に裏付けられた理論で子どもたちの可能性を引き出す実践を発信している。子どもたちを信じて、任せて、認める教育の創造をめざし「学習界マンダラ」「NKS思考法」「心マトリクス」などのオリジナル実践を公開中。 対 象 現職教員または教員志望の学生(本学卒業生以外も参加可) 受講料 一般参加者1000円(卒業生は無料) 主 催 畿桜会現代教育部会(企画担当:現代教育学科4期生 片岡利允) 申込方法 「現代教育特別講演会参加希望」とご記入の上、下記①~⑥の必要事項をE-mail、FAXのいずれかでお申し込みください。 受講証の発行は致しません。当日、直接受付にお越しください。 畿央大学 広報センター 現代教育特別講演会係 FAX : 0745-54-1600 E-mail:dousoukai@kio.ac.jp ①氏名(ふりがな) ②卒業年度 ※本学卒業生の場合 ③住所(郵便番号から) ④電話番号 ⑤メールアドレス(お持ちの方) ⑥所属先 申込締切 2019年10月8日(火) 問合せ先 TEL:0745-54-1603(担当:畿央大学広報センター増田、伊藤) ※公共交通機関を利用してご参加ください。
2019.07.10
令和元年度「保護者懇談会」を開催しました。
2019年(令和元年)7月6日(土)、令和初となる「保護者懇談会」を開催いたしました。天候にも恵まれ、約400名の保護者の方にご参加いただき、大盛況の中、無事に懇談会を終了することができました。 当日は畿友会(学生自治会)の学生スタッフが正門や受付でご参加の皆様をお出迎えさせていただきました。 全体会に先立って行なわれた個別相談会では、保護者の皆様から将来の就職や資格取得のこと、学生生活についての不安など、さまざまな事柄について熱心なご相談をいただきました。 冬木記念ホールで行なわれた全体会・後援会総会では冒頭に冬木正彦学長、後援会副会長 新昌弘様よりご挨拶がありました。 挨拶に引き続いて、教育学部深田將揮准教授による記念講演『「日本語コミュニケーション」から考える「英語コミュニケーション」の在り方』をお話しいただきました。深田先生は英語教育学をご専門とされています。講演の冒頭は日本の英語力は世界88ヶ国中お隣の韓国や中国を下回り49位(2018年)、畿央大学の教育学部1・2年生約200名にアンケート調査したところ70%の学生が英語に苦手意識を持っている等のちょっとショッキングなデータの紹介から始まりました。但し、英語圏の方が普段の生活で使用する英単語は500語程度、私たちが中学校で教わる範囲で日常英会話は可能なようです。では、どのような改善策を採れば良いのでしょうか。深田先生のお話では、英語が苦手になってしまう一因には日本語でのコミュニケーションの在り方が関係しているとのことでした。普段何気なく口にする曖昧な表現や日本人の本音と建て前等は、英語コミュニケーションの在り方と対照的です。普段の日本語でのコミュニケーションを意識して変えること(①『5W1Hで相手の話を聴く+If~で気持ちを想像する』、②『は・ひ・ふ・へ・ほ』で相槌を打つ、③曖昧な表現を避け『つまり』『要するに』を会話に取り入れる)が苦手の改善に繋がるとのことでした。 全体会終了後は学科別に分かれ、教員の紹介や学科の取り組み・学修内容について、また普段の学生の生活の様子などについて説明が行なわれました。学科別説明会の後は、畿央カフェ『カトレア』にて懇親会を開催しました。 懇親会にも、非常に多くの保護者の方がご参加くださいました。会場では担任以外の教員とお話される保護者の方や、保護者の方同士で1年越しの再会を喜ばれるお姿も見られ、終始良い雰囲気であっという間に中締めの時間となりました。本学教職員と保護者の方だけでなく、保護者同士の交流も深まる“学生と教員の距離がとても近い大学”を感じていただける機会となりました。 お忙しい中、また暑い中お越しくださいました保護者の皆さまにはこの場をお借りして御礼申し上げます。これからも保護者の皆様のご意見を参考に、より有意義な保護者懇談会を企画してまいります。来年度も多くの保護者の皆様のご参加をお待ちしております。
2019.07.05
「新しい学習指導要領を語り合う会@奈良」を開催しました~畿央大学現代教育研究所
さる2019年6月23日(日)畿央大学において、畿央大学現代教育研究所と奈良県小・中学校図画工作・美術教育研究会の共催により「新しい学習指導要領を語り合う会@奈良」を開催致しました。指導講師には国立教育政策研究所より岡田京子教育課程調査官をお招きしました。 2018年11月15日(木)・16日(金)に奈良県は造形表現図画工作美術教育研究全国大会を行いました。数年に渡る長い準備時間をかけて工夫を凝らした授業及び研究発表に全国からお集まり下さった多くの参会者の皆様からご意見ご示唆をいただき、大会を成功裏に終えることができました。全国大会を終えて約半年、研究と交流の成果を一層伸長すべく本会の開催となりました。 今回の企画と実行は畿央大学現代教育研究所の所長の西尾が行いました。西尾は学外では全国大会の主催団体である日本教育美術連盟の事務局長として奈良大会の準備に関わらせて頂いたご縁で、今回の役割を担うこととなりました。また、近隣の自治体の関係の方々にも声をかけさせて頂き、神戸市、和歌山市、大阪府からも参加いただきました。参加の皆様には各地域間で交流できるように座席指定の4人グループで活動していただくこととしました。 【開会の挨拶、基調提案】(13:00〜13:20) 西尾からの開会の挨拶の後、本会の基調提案を行いました。提案の趣旨は以下の通りです。 ・改訂学習指導要領では指導事項の示し方が変わり、育成を目指す資質・能力が今まで以上に鮮明になった。 ・図画工作科の授業において、児童が資質・能力を働かせていること、児童に資質・能力が育っていることを見取ることが必要となる。 ・本研究会では「造形遊びをする活動」を通して、児童が働かせる資質・能力を捉えることを実践的に理解するとともに、資質・能力を育成する授業は何か変わらないで何が変わるのかを検討し、語り合いたい。 【ワークショップ「資質・能力の育成と図工・美術の未来」】 「教材研究」(13時20分〜14時30分) 本会の中心となるテーマ「資質・能力の育成と図工・美術の未来」で取り組むワークショップはまず、図画工作科の表現の内容の1つである「造形遊びをする活動」の教材研究で始まりました。その内容は以下のとおりです。 「光と光を活用できる材料を基にした造形遊び」 ねらいは「造形遊びをする活動の教材研究を通して、『児童のどんな活動の姿や発言から、どのような資質・能力を伺うことができるか』を探り、明らかにする」です。 対象:5学年及び6学年。 材料・用具:3連LEDライト、LED懐中電灯、OHPなどの光源。鏡、アルミホイル等の光を反射する材料。色セロハン、ザル、水槽等、影をつくったり光に色を付けたりできる材料。その他ハサミやのりなどの基本的な用具。 場所:明るい状態と暗い状況を切り替えることができる教室。 窓に黒色のプラスティック段ボール板をはめ込み、暗室化した教室。暗室のない学校の普通教室を暗室化するために考案した方法を流用している。 資料:学習指導要領5学年及び6学年「造形あそびをする」に関連する指導事項。 『各教科等・各学年等の評価の観点等及びその趣旨』 主となる材料や用具は美術実習室の前後に設定した材料コーナーに置きましたが、水槽や傘などのやや特殊な用具は初めに紹介せず、その存在に気付いて「先生、これ使っていい?」を期待して教室内の目立たない場所に置きました。 参加した先生方は4人一組のグループになって、準備した材料や場所の特徴を十分に活かした活動を展開されました。 時間が来てもなかなか活動を終えようとしない先生方が多く、教材研究というよりは、ご自身が子供のようになり、活動に没頭されていた様子が伺えました。 【研究協議】(14時30分〜15時10分) ここでの課題は2つです。 1つ目は、教材研究で捉えた「資質・能力が働いている児童の姿や言葉」を絵や文字で付箋に書き出すこと。内容のまとまりや表現の展開に沿った流れを見出しておられる様子でした。 2つ目は、学習指導要領が資質・能力で内容を示すように改訂されたことで、図画工作科が今までと変わらず大切にしていくことと今までとは変わっていかなくてはいけないことをポスターにまとめることです。 皆さん、活発に話し合われ、それぞれのグループでそれぞれの様式のポスターが出来上がりました。次はポスターセッション形式での相互発表です。 【ポスターセッション形式での相互発表】(15時10時~16時00分) グループで制作したポスターを教室前のホワイトボードと後ろの掲示板に張り出し、グループごとに要点発表を行ないました。 そこで発表された内容からいくつかを紹介します。短い時間で書かれた文章ですので若干生々しさが残っていますが整え切らずに紹介をします。 ○教材研究で捉えることが出来た資質・能力 ・今までの造形の経験や他教科での学びを総合的に活用する。 ・「造形的な活動(どんなことができそうか)を思い付く」「どんな方法法で活動するか考える」「手応えを感じ取る」 ・試しながら、思いつき、また試しながら、当たり前の使い方を壊して自分なりの使い方をつくりだす。 ・友人や他のグループの活動の良さを感じ取り、認め合い、新たな意欲に繋げる。 ・「鏡を万華鏡のように使ってみよう」→「まわったらいいね」と発展する思考。 ・はっきりした「したいこと」に向かう思考力・判断力と「試しながらつくり続ける」思考力・判断力。 ・「よりよくしよう」「あきらめない」という粘り強い態度。 ・友人の活動のよさや美しさを感じとり、自らの活動への考え方を広げたり、深めたりする。 ・「楽しい」を追求する過程で追究対象が「美しい」に変容する。 ◯図画工作科が変わらず大切にすること。 ・発想、構想する能力、技能、鑑賞する能力が試す行為を介して働きあう。 ・つくりだす喜び、鑑賞する力、活動に感じたことを自分の活動に活かす力、協同する力。 ・子供が働かせる資質・能力、子どもの行為や活動の過程。 ・題材を構成する「出会い」「選択」、活動を支える「話し合い」「協力」「他者、他の表現との出会い」 ・「どんなことができるかな」「どんな使い方をしようか」「やってみてうまくいかなければ違う方法を試そう」等の自分なりの思いを持つ子供の姿。 ◯図画工作科が変えていくこと。 ・表したいことを子供が見付け、子供が働かせている資質・能力を教師が適切に見取るようになる。 ・子供の思考に合わせた授業と子供の思いを受け止め発展させることができるように支援する。 ・学習のめあてを子供の姿、造形的な課題で示す。 ・子供の作品に目を向けることから、活動に没頭する姿に寄り添うことへ。 ・子供に向ける教師の見取りと勝ち付けたり認めたりする指導の手立て。 ・資質・能力がスパイラルに発展する授業づくり。 【岡田 京子 氏によるご講演】(16時00分~16時30分) 毎回と同じく会の最後には国立教育政策研究所 教育課程調査官 岡田京子 氏による会へのご助言と現在の移行の状況をお話くださいました。特に、目標の設定及び評価の観点と規準の関連のお話は参加者の先生方の関心が高い最新情報でした。そうした中でも印象深かったのは、この会に参加した先生方がこの経験を各地域、各学校に持ち帰り、ここにおられなかった先生方と共有することが大切なのだと仰ったことでした。 司会から、その言葉を実行することを参加の先生方と確かめ合って会を終了しました。 ※「新しい学習指導要領を語り合う会」とは。 新しい図画工作科の学習指導要領の周知を目的とし、小林貴史氏(東京造形大学教授)、西村德行氏(東京学芸大学准教授)、山田芳明氏(鳴門教育大学教授)が発起人となり、ご縁のあった各地で図画工作科の指導に当たっておられる先生方、関係する研究機関の研究者が同じ立場で改訂の趣旨や内容を学び合い、近い将来の教科像や授業像を語り合う会です。 どの会にも講師として国立教育政策研究所より岡田京子教育課程調査官をお招きし、ご指導やその時々の新しい情報の提供などを行って下さいました。 以下は、過去の開催記録です。 第1回 東京学芸大学附属竹早小学校 日時:2017年8月19日(土)13:00~16:00 内容:『新学習指導要領とこれからの図画工作科』 第2回 大阪教育大学附属平野小学校 日時:2017年12月23日(土)14:00~17:00 内容:『10年後の図画工作科を思って』 第3回 福井大学 日時:2018年1月28日(土)13:00~17:00 内容:『新学習指導要領を学びの地図に』 第4回 群馬県生涯学習センター 日時:2018年2月24日(土)14:00~17:00 内容:『これからの美術教育を語り合う会 新しい学習指導要領の告示を契機に』 第5回 千葉大学教育学部附属小学校 日時:2018年3月4日(日)13:30~16:00 内容「現代の教育課題と新指導要領を意識した実践」 第6回 鳴門教育大学附属小学校 日時:2018年5月12日(土)13:00〜17:00 内容:「地域の図画工作教育のためにできること,やりたいこと,やらねばならないこと」 第7回 横浜国立大学 日時:2018年6月24日(日)14:00~17:00 内容:図画工作科を「内から・外から」見るとは 第8回 大分 iichico総合文化センター 県民ギャラリー 日時:2018年8月3日(金)14:00~16:30 内容:『新学習指導要領とこれからの図画工作科』 第9回 関西国際大学 日時:2018年8月8日(水)13:00~17:00 内容:「最近図画工作科について思うこと」 第10回 北海道教育大学 日時:2018年10月5日(金)第一部13:15~ 第二部17:00~ 内容:第一部 授業公開及び研究協議(附属札幌小学校図工室) 第二部 講演会 演題:「新しい学習指導要領(図画工作)と授業改善」 第11回 福岡教育大学附属小倉小学校 日時:2018年12月9日(日)14:00~17:00 内容:学習会テーマ『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』 第12回 鹿児島大学 日時:2018年12月23日(日)14:00~17:00 内容:『新学習指導要領を踏まえた今後の鹿児島県の図画工作科について』 第13回 佐賀大学教育学部附属小学校 日時:2019年3月9日(土)10:30~14:30 内容:『新学習指導要領と,これからの図画工作科について』 第14回 奈良、畿央大学 日時:2019年6月23日(日)13:00~16:30 内容:『資質・能力の育成と図工・美術の未来』
2019.07.04
脳卒中患者における自己と他者の運動観察による影響の違いを明らかに~健康科学研究科
脳卒中後のリハビリテーションとして、他者の運動を観察する「運動観察療法」があります。近年では、他者の運動を観察するだけではなく、自分の運動を観察する効果が報告されています。自己の身体表象に関わるのは右前頭・頭頂ネットワークであり、自己の運動観察では右前頭・頭頂領域が活動することが報告されています(Fuchigami and Morioka 2015)。このように、自己観察と他者観察で活動する脳領域が異なるため、大脳皮質の左右どちらが損傷したのかによって、運動観察の効果に違いが生じる可能性が考えられますが、それは明らかになっていませんでした。畿央大学大学院 渕上健氏(博士後期課程)と森岡周教授は、右半球損傷者では自己の運動観察に比べ、他者の運動観察の方が鮮明なイメージを惹起させ、パフォーマンスが改善しやすいことを明らかにしました。この知見は、脳卒中者に運動観察療法を実施する場合、損傷側によって自己を観察させるのか、他者を観察させるのかを検討する重要性を示唆しています。 この研究成果は、Stroke Research and Treatment誌(Differences between the influence of observing one’s own movements and those of others in patients with stroke)に掲載されています。 本研究のポイント ■ 脳卒中者を右半球損傷者と左半球損傷者に分け、自己の運動観察と他者の運動観察のどちらがパフォーマンスに影響する のかを検証した。 ■ 右半球損傷者では、自己に比べ他者の運動観察の方が鮮明なイメージを惹起させ、パフォーマンスへの影響が強かった。 研究概要 34人の脳卒中片麻痺者が実験に参加しました。課題は脳卒中者でも安全かつ容易に実施することができるという理由で、座ったままでの非麻痺側下肢によるステップ運動としました。運動観察は運動イメージや運動実行に影響することからパフォーマンステストにはステップ運動のイメージ時間と実行時間を用いました。実験は、運動観察の前にステップのイメージ時間と実行時間を計測し、運動観察を行い、再びステップのイメージ時間と実行時間を計測するという手順で行いました(図1)。 図1:実験の流れ 自己の運動観察では、実行時間を計測中に撮影した自分の映像を0。5倍速で再生して観察し、他者の運動観察では、自分と同じ運動実行時間の他者の映像を0。5倍速で再生して観察しました。運動観察中は、身体は動かさずに映像と同じようにステップすることをイメージするよう指示し、その時のイメージの鮮明度をthe Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire (KVIQ)の段階付で評価しました。データの解析について、イメージ時間と運動実行時間は観察後の時間から観察前の時間の差分を算出しました。差分が大きい方が観察の影響を強く受けたということになります。KVIQは 視覚イメージ項目と筋感覚イメージ項目に分けました。各評価項目について、損傷半球(右半球損傷vs左半球損傷)と観察条件(自己vs他者)について比較しました。 図2:結果 その結果、右半球損傷者において、他者の運動観察は自己に比べKVIQの筋感覚イメージ得点が高く(図2d)、イメージ時間と実行時間の差分が大きいことが明らかになりました(図2a、 b)。左半球損傷者において、自己の運動観察は他者に比べイメージ時間の差分が大きいことがわかりました(図2a)。損傷半球間での比較では、他者の運動観察において右半球損傷者が左半球損傷者に比べイメージ時間の差分が大きいことを認めました(図2a)。このように損傷半球によって自己と他者の運動観察による影響に違いがあることが示されました。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、脳卒中者に対して運動観察療法を実施する場合、脳の損傷側によって自己の運動観察と他者の運動観察のどちらを用いるべきか検討する必要性と、右半球損傷者では他者の運動観察の方が効果的である可能性を示唆しています。しかし、本研究は非麻痺側下肢のパフォーマンスを用いて即時効果のみを調査しているため、麻痺側下肢のパフォーマンスで検証する必要があります。また、運動観察療法の効果的な方法を見つけるためにも、この結果のメカニズムについて検討していくことが必要で、今後検証していく予定です。 論文情報 Fuchigami T,Morioka S. Differences between the influence of observing one’s own movements and those of others in patients with stroke. Stroke Res Treat 2019 問い合せ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 渕上 健(フチガミ タケシ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: fuchigaminet@yahoo.co.jp 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 教授/センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2019.07.03
第14回日本訪問リハビリテーション協会学術大会で大学院生が最優秀賞に!~健康科学研究科
2019年6月29日(土)・30日(日)に開催された第14回日本訪問リハビリテーション協会学術大会で、本学健康科学研究科博士後期課程に在籍する尾川達也さん(西大和リハビリテーション病院理学療法士)が昨年度発表した演題に対して最優秀賞を受賞されました。おめでとうございます! 演題「訪問リハビリテーション利用者における社会参加の実態-屋外歩行の自立可否による特徴の比較-」 ご本人の学会参加レポートは、ニューロリハビリテーション研究センターHPでご覧になれます。 【関連リンク】 ニューロリハビリテーション研究センター教員・大学院生一覧
2019.06.24
8/14(水)「教職員のための夏の公開講座」を開催します。
校内研修では経験できないような「教育課題」について、大学の教員による講義を開催し、教職員の方々に日々の教育実践に役立つ研修の機会を提供します。参加を希望される先生方におかれましては、実施要項をご確認の上、お申し込みください。 公開講座テーマ 子供たちの成長と適応を支えるポジティブ行動支援 「やってほしいことを、やってくれない」、「やめてほしいことを、やめてくれない」。子どもに関わる中でそのような問題に直面することはありませんか?行動の成り立ちを理解し、適切に対応するための方法は、実はかなりの部分科学的に明らかにされてきています。本講座は、罰に頼ることのない肯定的で積極的な「ポジティブ行動支援」に関する「目からウロコ」の内容が多く含まれています。 日時 令和元年8月14日(水)14時~16時(受付13時30分~) 講師 教育学部 現代教育学科 准教授 大久保 賢一 実施要項 受講対象 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教職員 会 場 畿央大学 P棟2階 P201講義室 申込方法 Fax、もしくはE-mailにて、①②を記入の上、下記へお申込みください。 先着順で受付いたします。 ①氏名(フリガナ) ②連絡先の電話番号および所属学校名 【申込先】 〒635-0832 北葛城郡広陵町馬見中4-2-2 畿央大学教育推進部 Fax:0745-54-1600 E-mail:info@kio.ac.jp 定 員 150名 申込締切 令和元年7月31日(水) 主 催 畿央大学 後 援 奈良県教育委員会 お問合せ 畿央大学教育推進部 教職員向け公開講座係 Tel:0745-54-1601 《気象警報発令時の講座の開催について》 正午現在で奈良県北葛城郡広陵町を含む地域に暴風警報または特別警報が発令されている場合、講座は中止します。
2019.06.14
10/19(土)・20(日)第17回畿央祭「繋~つながり~」を開催します。
手と手を取り合い、最高の学園祭へ! 実行委員がお送りする畿央祭のイベント情報ページです。プログラムや企画などの詳細が 決まり次第、随時更新していきます!畿央祭は当日だけでなく、準備から力を合わせて行っています。畿央祭を一から作り上げる学生の様子は実行委員ブログでご覧になれます!! 日時 10月19日(土)10:00~17:00 10月20日(日)10:00~16:00 会場 畿央大学 アクセスはこちら 駐車場はありませんので、 公共交通機関を利用してご参加ください。 大学周辺道路や近隣商業施設への駐停車は地域住民の皆様へのご迷惑となりますので、ご遠慮くださいますようお願い申し上げます。 同時開催 ウェルカムキャンパス ミニオープンキャンパス ▼クリックで拡大します。 子ども向け企画 「ハピネスワールド」 両日開催 アリーナ(体育館)では、「ぞうさん」「ダンボールめいろ」「ボールプール」「紙飛行機飛ばし」、小体育館では「魚釣り」「ぬりえ」「プラバン」「スライム」「幼児コーナー」を開催!アリーナ前では「ヨーヨー釣り」も実施します!様々な遊びが盛りだくさん!ぜひご参加ください! 吉本お笑いLIVE 20日(日)10:00~11:00 女と男、藤崎マーケット、アインシュタイン ※出演者は、都合により変更になる場合がございます。ご了承下さい。 畿央祭のテーマと実行委員長からのメッセージ 第17回畿央祭テーマ:繋〜つながり〜 繋〜つながり〜には、畿央祭を通じてクラス、学科、学年を超えて繋がり、その繋がりがいつかまた別の場所でなにかが生まれるきっかけになればという願いを込めました。また、去年のテーマである掌を受け、畿央生が手を取り合って、繋がり、輪を作って、2019年度の畿央祭を作り上げられたらなという意味も込めました。令和1発目の畿央祭です!最高の畿央祭を作っていきます!ぜひお越し下さい! 第17回畿央祭実行委員長 稲本 百花 畿央祭に向けて頑張る、実行委員たちの奮闘記!畿央大学公式ブログ「KIO Smile Blog」でご覧いただけます。 ●昨年の記事・写真はこちらから! 第16回畿央祭・ウェルカムキャンパスを開催しました。