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2022.08.04

歩行速度が遅いと「まるで人間ではないみたい」と感じてしまう~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

脳卒中患者は、歩行中の自身のことを「まるでロボットみたい」「人間ではないみたい」と訴えることがあります。しかしながら、どのような要因がそのような経験をしているのかは明らかにされていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの 林田 一輝 客員研究員 と 森岡 周 教授らは、歩行速度が主観的な人間らしさと関係していることを明らかにしました。この研究成果はRehabilitation Process and Outcome誌(Association Between Self-Perceived General Human-Likeness During Walking and Walking Speed in Stroke Patients: A Preliminary Study)に掲載されています。 研究概要 多くの脳卒中患者において、社会生活で自立した生活を送るために、歩行能力の回復を優先していることがわかっており、特に歩行速度が日常生活に重要な要因となることが多くの先行研究で明らかとなっています。しかし、たとえ歩行を再獲得することができたとしても運動麻痺などの影響で、健常人と同じような速度で歩くことが難しいことも事実です。他方、脳卒中患者は、歩行中の自身について「まるでロボットみたい」「人間ではないみたい」といった悲観的な感情について頻繁に訴えることがあります。このような悲観的な感情は、身体に障害を患った自分自身と健康的な人たちとを比べてしまうことで湧き上がってしまうと考えられ、他者との交流が必須である社会参加を妨げてしまう可能性があります。しかしながら、どのような要因が脳卒中患者の歩行中の「人間らしさ」に関わっているのか、これまでの研究では全く検討がなされていませんでした。 そこで、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの 林田 一輝 客員研究員ら の研究チームは、歩行中の主観的人間らしさには、歩行速度が関連すると仮説を立て、脳卒中患者を対象とした横断調査を行いました。その結果、脳卒中患者の歩行中の主観的人間らしさと歩行速度に正の相関関係があることを示しました。 本研究のポイント ・脳卒中患者の歩行中の人間らしさの主観的側面を評価した。 ・主観的な人間らしさは速く歩く能力が高い人ほど感じられる。 研究内容 32名の脳卒中患者を対象にして、10m歩行テストを快適歩行速度と最大歩行速度の2条件で測定し、歩行直後に人間らしさについて、7段階のリッカート尺度にて評価しました。臨床的評価では、運動麻痺の指標であるFugl-Meyer assessment、自身に対する主観に影響しうる抑うつSelf-Rating Depression ScaleとアパシーApathy Scaleについて評価しました。 その結果、快適歩行速度および最大歩行速度において、主観的な人間らしさとそれぞれ正の相関関係があることが示されました(図1)。つまり、歩行速度が遅い程、人間らしさを感じにくい傾向があることが示されました。一方で、抑うつやアパシーといった心理バッテリーと人間らしさには相関関係を認めませんでした。先行研究での報告では、健康な高齢者の快適歩行速度と最大歩行速度の差は約0.45m/sですが、本研究で確認された脳卒中患者の快適歩行速度と最大歩行速度の差は0.23m/sでした。このように、快適歩行速度と最大歩行速度との幅が狭いことは、歩行速度を自由に選択できないことを示しており、今回の対象者は人間らしい歩行に対する主観的な認識を低下させている可能性が示唆されます。 上田ら(2003)は、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health, 国際生活機能分類)の観点において患者の主観的体験を理解することの重要性が強調されている。本研究では、歩行時の人間らしさに対する認識が、ICFにおける活動制限の主観的側面と関連する可能性を示唆しています。歩行時のネガティブな主観的体験による参加制限の可能性を理解することは、患者の地域活動への参加を促す上で有用な情報となり得る、と主張されています。 図1:歩行中の人間らしさと歩行速度との関係 脳卒中患者における歩行中の人間らしさと歩行速度に正の相関関係があることを示す。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、歩行中の人間らしさについて調査した初めての研究です。このような主観的側面は、社会参加を妨げる一つの要因となる可能性があり、今後は、このような主観的側面と社会参加との関連性について研究される予定です。 論文情報 Kazuki Hayashida, Ryota Nakazono, Nami Yamamichi, Masa Narita, Koichiro Onishi and Shu Morioka Association Between Self-Perceived General Human-Likeness During Walking and Walking Speed in Stroke Patients: A Preliminary Study Rehabilitation Process and Outcome, 2022 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 林田一輝 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.07.08

令和4年度「保護者懇談会」を開催しました。

2022年(令和4年)7月2日(土)、3年ぶりに対面形式での「保護者懇談会」を開催いたしました。約300名の保護者の方にご参加いただき、大盛況の中、無事に懇談会を終了することができました。 当日は畿友会(学生自治会)の学生スタッフが受付や誘導でご参加の皆様をお出迎えしました。     冬木記念ホールで行なわれた全体会では冒頭に冬木正彦学長、後援会会長 中永和美様よりご挨拶がありました。       挨拶に引き続いて、進路支援部部長による講演「コロナ禍における就職活動状況について」を行いました。本学卒業生の就職実績、コロナ禍での就職活動の傾向と対策が各学科の特性を踏まえて説明されました。また、本学でのキャリア支援の紹介と各ご家庭での就職支援についての留意点なども説明されました。   【参考】全卒業生就職データ       全体会終了後は学科別に分かれ、教員の紹介や学科の取り組み・学修内容について、また普段の学生の生活の様子などについて説明が行なわれました。 個別相談会では、保護者の皆様から将来の就職や資格取得のこと、学生生活についての不安など、さまざまな事柄について熱心なご相談をいただきました。 3年ぶりの対面開催ということで、初めて本学キャンパスにお越しになった保護者の皆様も多く、事後アンケートでも「先生と直接話せてよかったです」「大学が身近に感じられました」などのご意見をいただきました。   お忙しい中、また大変暑い中お越しくださいました保護者の皆さまにはこの場をお借りして御礼申し上げます。これからも保護者の皆様のご意見を参考に、より有意義な保護者懇談会を企画してまいります。来年度も多くの保護者の皆様のご参加をお待ちしております。

2022.07.02

令和4年度 冬木智子特別奨励賞・畿央大学特別奨励賞授与式を執り行いました。

令和4(2022)年6月30日(木)のお昼休みに、令和4年度冬木智子特別奨励賞ならびに畿央大学特別奨励賞の授与式がC棟1階エントランスホールにて執り行われました。     「冬木智子特別奨励賞」は、冬木智子名誉理事長が私財を寄付し設立した特別奨励基金により、学業成績・人物ともに優秀な学生に対して表彰状および奨励金の授与を行うもので、各学科から1名、合計5名が選ばれました。 また、「畿央大学特別奨励賞」は、学業成績・人物ともに優秀な学生のこれまでの努力を賞し、今後さらなる活躍を期待し表彰状および奨励金の授与を行うものです。2回生~4回生の各学科1名(教育学部は2名)、合計18名が選ばれました。   教職員、在学生が見守る中、冬木正彦理事長より表彰状と奨励金が一人ひとりに手渡されました。     冬木理事長からは、受賞学生の日々の努力を称えられるとともに、「他の学生の模範となり、数理・データサイエンス・AIなどの次世代型教養をも身に付けた、困難な環境のなかでも自主的に仲間と協力をして問題解決のできる人材になってもらいたい。」と、今後の活躍を願う言葉が送られました。     受賞された学生の皆さん、おめでとうございました。                

2022.06.21

脳卒中後運動障害は予測誤差と運動主体感の関係性を変容させる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

「自分が自分の運動を制御している」という感覚である運動主体感は、運動の感覚フィードバックとその内的な予測の比較照合から得られる予測誤差に基づくことが報告されています。畿央大学大学院博士後期課程 修了生の宮脇裕氏(現・国立研究開発法人産業技術総合研究所人間拡張研究センター)と森岡周教授は、仁寿会石川病院リハビリテーション部の大谷武史室長と共同し、2名の脳卒中患者を対象に、脳卒中後の運動障害が予測誤差と運動主体感の関係性に及ぼす影響を検証しました。この研究成果は、Journal of Clinical Medicine誌(Impaired Relationship between Sense of Agency and Prediction Error Due to Post-Stroke Sensorimotor Deficits)に掲載されています。 研究概要 自己由来感覚と外界由来感覚を区別することは自他帰属と呼ばれ、感覚結果を自己帰属したときに「自分が自分の運動を制御している」という運動主体感が生じます。運動主体感は、運動の感覚フィードバックとその内的な予測の比較照合から得られる予測誤差に基づき、この誤差が小さい場合に生じることが報告されています。しかし、脳卒中後患者では、感覚運動障害を通した比較照合システムの破綻により、予測誤差と運動主体感の関係性が変容している可能性が提唱されています。 この可能性を精査するために、宮脇裕氏と森岡周教授は、大谷武史室長(仁寿会石川病院リハビリテーション部)と共同し、2名の脳卒中後患者および3名の健常成人を対象に、脳卒中後運動障害が予測誤差と運動主体感の相関関係に及ぼす影響を予備的に検証しました。その結果、運動障害がごく軽度の患者や健常者に比べて、強い運動障害を有する患者では、自他帰属のエラーが大きく、自他帰属と予測誤差間の相関が低いことが示されました。 本研究のポイント ■運動障害が軽度の患者に比べ、より強い運動障害を有する患者では、自他帰属に大きなエラーを認めた。 ■この患者では自他帰属に対する予測誤差の許容範囲が拡大しており、脳卒中後運動障害が自他帰属と予測誤差の関係性を変容させることが示唆された。 研究内容 中等度の運動障害を有する患者Aと運動障害がごく軽度の患者B、および3名の健常成人が実験に参加しました。本研究では、運動障害の影響を検証するために、高次脳機能障害を招きうる皮質損傷を有さない患者を対象としました(図1)。麻痺肢の運動機能については、上肢の脳卒中後運動障害の包括的評価法であるFugl-Meyer Assessment of upper extremityやAction Research Arm Testなどを用いて評価しました。   図1:患者A・Bの脳損傷部位   参加者は、モニタ上に表示されたターゲットラインをなぞるようにペンタブレット上で正弦曲線運動を遂行しました(図2)。この際、視覚フィードバックとしてカーソルが表示されました。カーソルの動きに、自分のリアルタイムの運動が反映されている場合(SELF条件)と、事前に記録した運動が反映されている場合(FAKE条件)がありました。参加者は、自分の実際のペン運動とカーソル運動の時空間的な一致性に基づいて、カーソルを自分が制御していると感じるかを「1(他者)~9(自己)」のスケールで主観的に判断することを求められました。この課題中に、参加者のペン位置とカーソル位置間の距離を予測誤差の指標として測定し、自他判断スコアとの相関係数を算出しました。   図2:実験セットアップ   結果として、患者Bや健常者に比べて患者Aでは、FAKE条件において自他判断のエラー(誤帰属)が大きく(図3)、予測誤差の指標であるペン-カーソル間距離と自他判断スコアの相関係数が低いことが示されました(図4)。一方で、SELF条件では、参加者間で自他判断のエラーに著明な差を認めませんでした。   図3:SELF条件とFAKE条件における誤帰属   図4:FAKE条件におけるペン-カーソル間距離(予測誤差)と自他判断スコアの相関関係   本研究の臨床的意義および今後の展開 これらの結果は、運動障害を有する患者では自他帰属に対する予測誤差の許容範囲が拡大している可能性を示し、脳卒中後運動障害が予測誤差と運動主体感の関係性を変容させることを示唆しています。さらなる研究により、運動障害を有する患者がどのように自他帰属をなしているのか、またその変容が身体機能などにどのような影響を及ぼすのかを明らかにする必要があると考えられます。 論文情報 Miyawaki Y, Otani T, Morioka S Impaired Relationship between Sense of Agency and Prediction Error Due to Post-Stroke Sensorimotor Deficits. Journal of Clinical Medicine, 2022 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 宮脇 裕 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.05.30

慢性腰痛患者の筋活動分布には痛みの性質と疼痛部位が影響する~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

痛みは筋活動を変化させますが、慢性腰痛患者では屈曲位から体幹を伸展させる(おじぎをした状態から体を起こす)時に、痛みにより腰の筋肉の活動が増強もしくは減弱することが報告されています。しかしながら、痛みの強さと部位が筋活動にどのように影響するかは明らかにされていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員 重藤 隼人らは、慢性腰痛症例を対象に、痛みの性質に着目して痛みの強さ・部位と筋活動分布の関連性を調査し、痛み強度が増すにつれて、痛みを感じている部位周囲の筋活動を抑制する運動適応が痛みの性質に依存することを明らかにしました。 この研究成果は、Pain Research and Management誌 (The pain intensity/quality and pain site associate with muscle activity and muscle activity distribution in patients with chronic low back pain: Using a generalized linear mixed model analysis)に掲載されています。 研究概要 慢性腰痛患者の筋活動の特徴として、立位で体幹を屈曲した時に、屈曲位から体幹を伸展させる時に背筋群の筋活動が増強もしくは減弱することが報告されています。また、痛みによって筋活動分布を変化させることも報告されています。しかし、疼痛強度と部位が筋活動にどのように影響するかは明らかにされておらず、そして疼痛の性質による筋活動への影響も検証されておらず、疼痛強度・部位および疼痛の性質と筋活動分布の関連性は明らかにされていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員の重藤隼人らの研究チームは、疼痛の性質・強度・部位と筋活動分布の評価を行い、一般化線形混合モデル分析を用いて、疼痛の性質に着目して疼痛強度と部位がどのように筋活動分布に影響するかといった関連性を検証しました。 その結果、神経障害性疼痛の強度が増すと体幹屈曲位から伸展する時の背筋群の筋活動は抑制されることが明らかになりました。また、持続痛・間欠痛・神経障害性疼痛・感情表現に該当する疼痛の性質に依存して疼痛強度が増すにつれて、疼痛部位周囲の筋活動を抑制する運動適応が存在することを明らかにしました。 本研究のポイント ■ 疼痛の性質に着目して、疼痛強度・部位と筋活動分布の関係を調査した。 ■ 神経障害性疼痛の強度が増すと、屈曲位から伸展する時の背筋群の筋活動が抑制されることが明らかにされた。 ■ 疼痛強度が増すにつれて、疼痛部位周囲の筋活動を抑制する運動適応が痛みの性質に依存することが明らかにされた。 研究内容 慢性腰痛患者を対象に、疼痛部位・性質の評価と筋活動の評価を行いました。痛みの性質はSFMPQ-2を用いて評価しました。筋活動は表面筋電図を用いて、立位体前屈課題時(図1)の脊柱起立筋の筋活動を測定し、主動作筋の筋活動として体幹屈曲位から伸展させる時の筋活動と筋活動分布の重心を算出しました。また、疼痛部位と筋活動分布の重心との間の距離を算出しました。   図1.立位体前屈課題 © 2022 Hayato Shigetoh   一般化線形混合モデル分析という解析方法を用いて、疼痛強度・性質、疼痛部位および筋活動の関係を検証しました。筋活動に対する疼痛強度・性質の影響を検証した結果、「神経障害性疼痛」・「軽く触れるだけで生じる痛み」の疼痛強度が増すと背筋群の筋活動が抑制される関係が認められました。疼痛部位と筋活動分布の重心との間の距離に対する疼痛強度・性質の影響を検証した結果、「間欠痛」・「ずきんずきんする痛み」・「割れるような痛み」・「拷問のように苦しい」・「軽く触れるだけで生じる痛み」の疼痛強度が増すと距離が増大する関係が認められました。筋活動分布の重心は筋活動が高い部位を示していることから、疼痛強度が増大すると疼痛部位に近い部位の筋活動が抑制される反応が、疼痛性質に依存しているということを示しています(図2)。   図2.疼痛強度・部位と筋活動の相互作用を説明したモデル © 2022 Hayato Shigetoh   特定の疼痛性質の強度が増大すると、主動作筋の筋活動が抑制された。疼痛部位と筋活動分布の関係性に着目すると、特定の疼痛性質の強度が増大することによって疼痛部位近くの主動作筋の筋活動が抑制された。 研究グループは、この結果について、疼痛による主動作筋の筋活動の抑制を示す疼痛適応モデル(pain adaptation model)のメカニズムが反映された結果であり、疼痛性質に依存した筋活動の変化は、腰痛関連組織に由来した疼痛性質が筋活動に影響した結果であると考察しています。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、疼痛の性質によって疼痛強度・部位による筋活動分布の変化が異なることが示され、痛みの性質に着目して痛みと運動制御の関連性を捉える重要性が示されました。今後は慢性腰痛患者の運動制御のメカニズムについて研究される予定です。 論文情報 Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M, Morioka S The pain intensity/quality and pain site associate with muscle activity and muscle activity distribution in patients with chronic low back pain: Using a generalized linear mixed model analysis Pain Research and Management, 2022 関連する先行研究 1. Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M, Morioka S. Combined abnormal muscle activity and pain-related factors affect disability in patients with chronic low back pain: An association rule analysis. PLoS One. 2020 Dec 17;15(12):e0244111. 2. Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M, Morioka S. Temporal associations between pain-related factors and abnormal muscle activities in a patient with chronic low back pain: A cross-Lag correlation analysis of a single case. J Pain Res. 2020 Dec 3;13:3247-3256. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 重藤 隼人 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.05.24

第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。

2022年5月22日(日)14時30分より看護実践研究センター第4回卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。     卒後教育研修会は看護医療学科の卒業生に対するリカレント教育として畿桜会(同窓会)総会と同日に開催していますが、一昨年度は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点により中止となり、昨年度・今年度とも畿桜会総会がWeb総会ということで、本研修会も2年連続でのZoomを使ったオンライン開催となりました。 今回は看護医療学科2期生の奥村絵里さんと奥村紗和子さんを講師としてお招きし、臨床での実践経験を基に臨床判断についてお話していただきました。研修の冒頭では看護医療学科や林田麗准教授より臨床判断について解説していただき、その後、講師お二人の講演となりました。 奥村絵里さんは急性期病院での勤務経験と現在のホスピスでの勤務経験をふまえて、臨床判断の際の視点を対比させて、急性期ではいかに異常を早期に発見し、早期に対処するかに視点が置かれることに対し、ホスピスでは異常が発現するのは当然の成り行きであり、いかに患者のニーズを引き出して把握し、充実させていくかに視点が置かれることについて講演していただきました。そして患者のニーズを把握することは難しい側面もあるものの、先輩に相談したり、自らが疾患について学習を深めるなど臨床判断能力を高める努力をしていることを語っていただきました。     奥村紗和子さんには、Kolbの経験学習モデルを活用しながら勤務している病棟で実践している臨床判断能力を高めるための方法について講演していただきました。 奥村紗和子さんはがん専門病院で勤務されており、PNS(パートナーシップ・ナーシングシステム)が採用されています。PNSは2人の看護師が安全で質の高い看護を共に提供することを目的に、対等な立場でお互いの特性・能力を活かしながら補完・協力し合い、看護業務を行う福井大学医学部附属病院が開発した看護方式であり、その看護方式の特色を生かして、臨床判断能力を高めるための取り組みとして重視されていたのが省察です。ペアとなる看護師との業務開始前の簡単なブリーフィングと業務終了時のデブリーフィング(短時間で問題点や課題を協議する「振り返り」)を実施し、デブリーフィングでは振り返りシートを活用して客観化しているとのことでした。 また、奥村紗和子さんの講演で特に強調されていたことが「ポジティブシンキング」です。デブリーフィングの際、良かった点をみつけて振り返ることこそが臨床判断能力を高めるために重要であると力説されました。     講演の後は意見交流会を行いました。臨床判断能力を高めるための看護基礎教育への示唆についての質問に対しては、実習での効果的なカンファレンスの実施が重要であり、カンファレンスでの省察を翌日の看護につなげるというサイクルを作る必要性について助言をいただきました。中堅看護師として臨床で活躍されているお二人の話は説得力があるとともに、学び続けることの重要性を教えてくれるものでした。     今回はオンライン開催ということで卒業生の参加がなく残念でしたが、参加した教員からはお二人の講演を学生への教育に活かしていきたいといった感想が多くありました。また、看護医療学科4年生の学生からは「デブリーフィングを繰り返すことで、少しでも先輩たちのような素晴らしい思考力のある看護師に近づきたいと思う」等の感想もありました。 今後も卒業生の皆さまのニーズにあった研修会を企画していきたいと考えています。企画内容が決まりましたら畿央大学HPに告知しますので、多くの方のご参加をよろしくお願いいたします。     最後になりますが、貴重なお話をしてくださいました奥村絵里さん、奥村紗和子さんに感謝申し上げます。 看護実践研究センター 卒後教育部門 山本 林田   【関連記事】 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 「畿央大学看護実践研究センター開設記念シンポジウム」を開催しました。 第2回看護医療学科卒後教育研修会を開催しました。 看護医療学科開設10年記念講演会・第1回卒後教育研修会を開催しました。

2022.05.19

畿央大学付属広陵こども園開園プレイベント「みんなで愉しもう!tupera tuperaの絵本の世界」開催しました。

2022年5月15日(日)、畿央大学付属広陵こども園開園プレイベント「みんなで愉しもう!tupera tupera の絵本の世界」を、畿央大学冬木記念ホールにて開催しました。     『tupera tupera』とは、亀山達矢さんと中川敦子さんによるユニットで、絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、アートディレクション等様々な分野で幅広く活動されています。著書には「しろくまのパンツ」「かおノート」「やさいさん」「いろいろバス」「うんこしりとり」など多数あり、海外でも翻訳出版されています。また、NHK Eテレの「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当されておられます。   今回は亀山さんを講師にお招きし、就学前の小さなお子さんをはじめ、保護者の方、幼稚園・保育関係者など約300名の方にお越しいただきました。検温や消毒、座席間隔の確保などの感染症対策のうえ、地域の皆さまを対象とした公開イベントとしてはひさしぶりとなる対面でのイベントとなりました。     臨場感あふれる楽しい絵本ライブと、絵本の製作エピソードなどを盛り込んだお話に、お子さんたちのみならず保護者の皆さんも大満足の様子でした。     亀山さんが絵本のページをめくると、驚きの場面やちょっと(かなり??)こわい場面、思わず大笑いしてしまうような場面などが仕掛けとともに現れ、会場からは笑い声やお子さんの泣き声などが聞こえる感情あふれたステキなライブでした。素敵な絵本と出会い、絵本を通じてコミュニケーションすることの魅力を、思い切り感じられる一日となりました。   ▼亀山さんによる絵本ライブ「やさいさん」   ▼ 教育学部4回生 下岸あすかさんと亀山さんによる「しろくまのパンツ」   ▼こども園副園長予定者 教育学部 吉田教授と亀山さんのコラボによる「パンダ銭湯」   開園前の準備や受付、誘導には、教育学部現代教育学科の学生ボランティア15名が活躍し、陰でイベントの運営を支えてくれました。     今回は、募集早々に満員御礼となりご希望いただいた方全員にご覧いただけなかったのが残念でなりません。亀山さん、ご来学ありがとうございました。ますますのご活躍をお祈りしております!   ▼こども園用のtupera tupera さんの絵本すべてにイラスト付きのサインをいただきました!       ▼tupera tuperaさんのツイッターでも本イベントをご紹介いただきました!   また、イベントの後には、来年4月に新しく開園する畿央大学付属広陵こども園の説明会も行い、保護者の方たちが熱心に耳を傾けてくださいました。   ▼完成予定のパース(今後変更になることがあります)   畿央大学付属広陵こども園の園長予定者である前平教育学部長(畿央大学)より園の理念について、副園長予定者の吉田教授(畿央大学教育学部)よりこども園の概要と園舎について説明を行い、特色ある保育・教育として掲げる「原体験」・「発見」・「表現」の紹介、「異年齢教育」・「身体・アートを通じた表現活動」・「探究的なテーマ活動」などに取り組む方針について紹介いたしました。   新しいこども園では、畿央大学の付属である特性を活かし、教育・健康・栄養・看護・身体・アートなど、いろいろな専門分野を通じた協力体制が築かれています。地域の方々と共に子どもの成長と発達を見守り、また本こども園も地域の子どもたちと共に成長、発展を遂げていきたいと願っています。   説明会の最後に質疑応答を行いましたところ、たくさんのご質問をいただきありがとうございました。時間の関係ですべてのご質問にお答えできませんでしたが、あらためて個別に丁寧に対応させていただきます。   今後は畿央大学付属広陵こども園のホームページで、募集要項等様々な情報をタイムリーに掲載させていただく予定です。   ▼制服代わりとなるこども園Tシャツとトレーナー   こども園ホームページへ   【関連記事】 畿央大学付属広陵こども園の「地鎮祭」が執り行われました。 畿央大学付属広陵こども園の園児のためのスツール(椅子)完成!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 畿央大学付属広陵こども園の園児のためにスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 奈良県内大学初の「公私連携幼保連携型認定こども園」設置に向けて広陵町と協定締結式を行いました。

2022.05.16

手先の不器用な子供は物体把持における空間的安定性が低下している~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

発達性協調運動障害(DCD)は「運動の不器用さ」を特徴とし、字を書くことやボールを使うスポーツ等、協調的な把持制御が要求される日常生活動作に障害をきたします。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員の西祐樹らは、手先が不器用な子どもは、物体を持ち上げ、保持する際に把持位置のずれや物体の傾き、指の滑り・転がりといった空間的安定性が低下することを明らかにしました。この研究成果はBrain Sciences誌の特集号(New Insights in Developmental Coordination Disorder (DCD))Spatial Instability during Precision Grip–Lift in Children with Poor Manual Dexterityに掲載されています。 研究概要 発達性協調運動障害(DCD)は「運動の不器用さ」を特徴とし、字を書くことやボールを使うスポーツ等、協調的な把持制御が要求される日常生活動作に障害をきたします。このような把持制御障害は思春期から成人期まで続くため、臨床的問題となっています。一般的に物体を持ち上げ保持する場合、物体の傾きを最小限にするために、物体の中心近くを把持し、物体が滑らないように十分な把持力を発揮する必要があります。また、物体の重さによって把持力を調整する必要があります。このような複雑な把持制御は内部モデルにおける感覚―運動統合が基盤となっています。DCDでは内部モデルが障害されていることが知られており、物体把持における把持力の変動が大きくなることが報告されています。しかしながら、把持制御の重要な構成要素である空間的安定性については明らかになっていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 西 祐樹ら の研究チームは、手先が器用あるいは不器用な子どもにおける物体を持ち上げ、保持する際の把持制御を調査しました。その結果、手先が不器用な子どもは、把持位置のずれや物体の傾き、指の滑り・転がりといった空間的安定性が低下していることが明らかになりました。 加えて、不器用な子どもは物体の重さの違いによって、柔軟に把持力を調整していましたが、空間的安定性は適応できないことも明らかになりました。 本研究のポイント ■ 手先が器用あるいは不器用な子どもを対象に物体把持課題における空間的安定性を評価した。 ■ 手先が不器用な子どもは把持位置のずれや物体の傾き、指の滑りといった空間的安定性が低下していた。 ■ 手先が不器用な子どもは重量の違いによっても空間的安定性は変化した。 研究内容 6-12歳の子どもたちは、M-ABC2のよって手先が器用・不器用な群に分けられ、物体(不透明の箱を取り付けた特注の6分力フォースプレート)を持ち上げ、保持する課題を行いました(図1)。箱の中に重錘を入れることができ、重量条件(計800g)および軽量条件(計300g)をそれぞれ10試行行いました。計測されたデータから、平均把持力、変動性、圧中心(COP)の軌跡(指の滑り、転がりを反映)、把持位置、物体の傾きを算出しました。   図1.本研究における計測データ (A)計測機器.(B)物体把持課題中の把持力、負荷力、物体の傾きの経時的データ。(C)物体把持課題中のCOPデータ     その結果、手先が不器用な子どもは把持力の変動性に加え、把持位置のずれや物体の傾き、指の滑り・転がりといった空間的安定性が低下しました。 また、不器用な子どもは物体の重さの違いによって、柔軟に把持力を調整していましたが、軽量条件ではCOPの軌跡が延長しました。また、平均把持力とCOPの軌跡は有意な負の相関関係を、物体の傾きと把持位置は有意な負の相関関係を示しました。内部モデルにおいて運動予測(握力など)と実際の感覚フィードバック(重さ、摩擦、トルクなどの触覚情報、物体の滑りや転がりなどの視覚情報)の不一致により誤差信号が発生し、把持制御をリアルタイムで修正しています。一方、手先が不器用な子どもは内部モデルにおけるフィードバック情報と運動指令の統合が損なわれており、触覚情報を効果的に運動に利用する能力が低下していることが知られています。したがって、本研究の結果において、手先が不器用な子どもは感覚―運動統合の欠損によるオンライン運動制御の障害によって、空間的安定性が低下している可能性があります。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、手先の不器用さに関して、空間的不安定性の観点から明らかにした点で臨床的意義があります。今後は、触覚の感度が向上し感覚―運動統合を改善させる介入研究を行う予定です。 論文情報 Nishi Y, Nobusako S, Tsujimoto T, Sakai A, Nakai A, Morioka S Spatial Instability during Precision Grip–Lift in Children with Poor Manual Dexterity Brain Sciences 2022 関連する先行研究 1. Nobusako, S.; Sakai, A.; Tsujimoto, T.; Shuto, T.; Nishi, Y.; Asano, D.; Furukawa, E.; Zama, T.; Osumi, M.; Shimada, S.; et al. Deficits in visuo-motor temporal integration impacts manual dexterity in probable developmental coordination disorder. Front. Neurol. 2018, 9, 114. 2. Nobusako, S.; Sakai, A.; Tsujimoto, T.; Shuto, T.; Nishi, Y.; Asano, D.; Furukawa, E.; Zama, T.; Osumi, M.; Shimada, S.; et al. Manual Dexterity is a strong predictor of visuo-motor temporal integration in children. Front. Psychol. 2018, 9, 948. 3. Nobusako, S.; Osumi, M.; Matsuo, A.; Furukawa, E.; Maeda, T.; Shimada, S.; Nakai, A.; Morioka, S. Subthreshold vibrotactile noise stimulation immediately improves manual dexterity in a child with developmental coordination disorder: A single-case study. Front. Neurol. 2019, 10, 717. 4. Nobusako, S.; Osumi, M.; Matsuo, A.; Furukawa, E.; Maeda, T.; Shimada, S.; Nakai, A.; Morioka, S. Influence of Stochastic Resonance on Manual Dexterity in Children with Developmental Coordination Disorder: A Double-Blind Interventional Study. Front. Neurol. 2021, 12, 626608. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 西 祐樹 畿央大学大学院健康科学研究科 准教授 信迫 悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp

2022.05.11

イオン「大和郡山フェア」で学生が考案した「大和丸なすピザ」を販売します。

大和郡山産の野菜使用「大和丸なすピザ」を共同開発 イオン大和郡山店「大和郡山フェア」で4種類販売!   大和郡山市、イオン大和郡山店と奈良県内の管理栄養士養成課程(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)の学生で構成された食育ボランティアサークル「ヘルスチーム菜良(なら)」は大和の伝統野菜「大和丸なす」をはじめとした大和郡山産野菜を使用したピザを各大学が共同開発し、「4大学対抗ピザバトル」と銘打ち、イオン大和郡山店「大和郡山フェア」期間中の6月4日(土)・5日(日)に販売いたします。   本学が商品開発しました「柚子香る白味噌風味の彩りピッツァ」は、柚子の香りと白味噌風味のホワイトソースで仕上げ、野菜の彩があざやかです。また、他大学にない本学独自の特徴として、学生のみで商品開発したのではなく、2017年度の本企画開始よりレシピ監修をしていただいている石窯焼きピッツェリアサンプーペー松原朱美シェフの指導のもと、店舗で試作しながら商品開発いたしましたので、試作段階より完成度が高いとイオン担当者様よりお褒めの言葉をいただきました!!   日 時 2022年6月4日(土)・5日(日)  イオン「大和郡山フェア」 場 所 イオン大和郡山店 (大和郡山市下三橋町741)     大和郡山市三橋地区で戦後まもなくから栽培されている大和の伝統野菜「大和丸なす」は、東京、大阪、京都の料亭などでも用いられる高級食材として好評を得ていますが、地元奈良では販売機会が少なく、知名度アップが課題となっています。また、大和郡山市では地産地消促進計画に基づき、地産地消の推進を、奈良県では特定農業振興ゾーンとして「大和丸なす」の生産地である大和郡山市三橋地区が設定され「新たなレシピ開発による個人消費(大和丸なすファン)の拡大」をめざして取り組んでいます。これに加え、一昨年度からのコロナ禍で県外料亭等での消費が減り、地元での消費が緊急の課題となっています。   本企画は、2017年度から、イオンモール大和郡山で開催される大和郡山フェアにおいて、「大和丸なす」のPRと大和郡山産野菜の摂取量増加をめざし、大和の伝統野菜「大和丸なす」をはじめとした大和郡山産野菜を使用したピザ開発に取り組んでおり、今回で5回目となります(2020年度はコロナ禍で中止)。   4大学対抗ピザバトルでは、①地元産野菜の使用や素材の良さを生かす地域性、②アイディア、斬新さ、面白さの独創性、③彩り、見た目、美味しさの味覚、④調理のしやすさや幅広い年代への普及度、⑤栄養バランス の5点について、専門の審査団体が試食等を行った上で採点を行い、優勝ピザを決定いたします(2021年度の優勝は近畿大学)。畿央大学からは、以下のピザを商品開発いたしました。   畿央大学ヘルスチーム菜良:「柚子香る白味噌風味の彩りピッツァ」   柚子の香りと白味噌風味のホワイトソースで仕上げ、野菜の彩りがあざやかです。 本ピザのコンセプトは 「和と洋の融合」です。「大和丸なす」を初めて食べる学生も多く、その大きさとしっかりとした食感、美味しさに驚いていました。この食感を最大限に生かすため「和食」の「なす田楽」にこだわりました。なす田楽で使われる味噌は、赤味噌ではなく、お雑煮、生麩など関西で馴染みがあり、塩分控えめな白味噌に変え、「洋」のホワイトソースで馴染ませ、さっぱりと仕上げるため「柚子」を使いました。「大和丸なす」をはじめ、大和郡山市産小松菜、しいたけ、玉ねぎといった地元野菜の魅力が詰まり、れんこん、パプリカなど彩りも楽しめる自信の1品です。本学の他、4大学の個性的な4種類のピザ、ぜひ一度食べ比べてお好みのピザを見つけてください。         【問い合わせ先】 畿央大学 健康科学部 健康栄養学科 野原  潤子 Tel: 0745-54-1601   Fax: 0745-54-1603 E-mail: j.nohara@kio.ac.jp

2022.05.02

5/3(火)~5/5(木)の事務局業務について

5/3(火)~5/5(木)については事務局業務は休業とさせていただきます。お電話やメール等でのお問い合わせにも対応できませんので、ご了承ください。 (上記期間中に届いたメール等へのご返信は5/6(金)以降となります) ご理解の程よろしくお願いいたします。

2022.04.28

恐怖文脈が身体所有感と疼痛閾値に及ぼす影響~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

身体的あるいは精神的な苦痛を有する人は「自分の身体」を自分のものと感じられなくなることがあり、 これは身体所有感(sense of ownership)が低下した状態と考えられています。身体所有感の低下は、 リハビリテーション効果を阻害するため、 身体所有感に影響する要因を検証することは重要です。 畿央大学大学院 修士課程 修了生 田中 智哉 氏 (市立福知山市民病院)と 森岡 周 教授らは、ラバーハンド錯覚実験を用いて、外傷のある偽物の腕に対して身体所有感を惹起させる際に、その腕に対して恐怖を生じさせる言語情報を与え、その影響を検証しました。その結果、主観的な身体所有感を増加させ、その増加の程度が大きい人ほど、痛みを感じやすくなることを明らかにしました。この研究成果はFrontiers in Human Neuroscience誌(Verbal suggestion modulates the sense of ownership and heat pain threshold during the “injured” rubber hand illusion)に掲載されています。 研究概要 身体的および精神的な苦痛を有する人は「自分の身体」を自分のものと感じられなくなることがあり、これは身体所有感が低下した状態と考えられています。身体所有感の低下は、リハビリテーション過程において回復を阻害する因子であると考えられていることから、身体所有感に影響を与える要因を検証することは重要です。一般的に、身体所有感は視覚、触覚、固有感覚(位置情報)といった情報など、ボトムアップ情報を統合することによって生まれると考えられています。一方で近年では、文脈などのトップダウン要因も関与することが議論されています。文脈の操作として言語情報が最も簡易に用いられますが、身体所有感に与える影響は十分に検証されていませんでした。畿央大学大学院 修士課程 修了生 田中 智哉 氏(市立福知山市民病院)と 森岡 周 教授ら の研究グループは、ラバーハンド錯覚という錯覚現象を用いて、外傷のある偽物の腕に対して身体所有感を生じさせる際に、トップダウン要因の操作として、その腕に対して恐怖を生じさせる言語情報を与えました。その結果、客観的な身体所有感には影響を与えませんでしたが、主観的な身体所有感を増加させ、その増加の程度が大きい者ほど疼痛閾値は低下し、その影響度合いには個人差があることを明らかにしました。 本研究のポイント ■ラバーハンド錯覚時に恐怖を生じさせる言語情報を与えると、偽物の手に対する主観的な身体所有感が増加しました。 ■ラバーハンド錯覚時に恐怖を生じさせる言語情報を与えると、主観的な身体所有感と疼痛閾値には有意な負の相関関係を認め、言語情報の影響には個人差があることがわかりました。 研究内容 ラバーハンド錯覚:参加者からは偽物の手のみが見えている状況(図1a)で、実験者は筆を用いて参加者の本物の手と偽物の手に対して同じタイミングで触覚刺激を加えると、参加者は徐々に偽物の手を自分自身の手であると錯覚します(錯覚条件)。一方、異なるタイミングで触覚刺激を与えると、錯覚が生じにくくなります(非錯覚条件)。本研究においても、錯覚条件と非錯覚条件の2条件が、第一実験では各偽物の手に対して、第二実験では各参加者に対して行われました。第一実験:15名の健常人が参加し、ラバーハンド錯覚によって惹起された外傷のある偽物の腕に対する身体所有感と、錯覚後の疼痛閾値の程度を、外傷を有していない健常な偽物の腕のそれらの程度と比べました(図1b)。その結果、錯覚条件における主観的な身体所有感は、外傷のある偽物の腕と健常な腕は同程度惹起されることがわかり、外傷のある偽物の腕を用いるラバーハンド錯覚は実験として成り立つことをまず確認しました。 図1:ラバーハンド錯覚の実験セット(a) と使用したラバーハンド (b) 第二実験:30名の健常人が参加し、外傷のある偽物の手のみを用いたラバーハンド錯覚を行いました。その際、参加者はランダムに「恐怖文脈あり」と「恐怖文脈なし」の2グループ(それぞれ、15名ずつ)に分けられました。「恐怖文脈あり」は、ラバーハンド錯覚を行う際に、その偽物の腕に対して恐怖文脈を生じさせる言語情報を与えました。一方、「恐怖文脈なし」は、その腕に対して恐怖文脈を引き起こさない言語情報を提示しました(図2)。 図2:言語情報の要約 釘が刺さっている腕の背景について各グループ「恐怖文脈あり」と「恐怖文脈なし」で異なる説明を行った。その結果、「恐怖文脈あり」の錯覚条件では、主観的な身体所有感を増加させ、その増加の程度が大きい参加者ほど、痛みを感じやすくなることが明らかになりました(図3b)。 図3:主観的な身体所有感 (質問紙) の結果および疼痛閾値との相関関係 ラバーハンドの所有感と痛みの感じやすさについては、「恐怖文脈あり」×錯覚条件のみ有意な負の相関関係を認めた。*p<0.05 本研究の臨床的意義および今後の展開 身体所有感と痛みに影響する要因の一つとして、言語情報が関与することがわかりました。これは、医療者による対象者への病態説明などの言語情報が、身体所有感や痛みにも影響する可能性が示唆される知見と考えています。しかし、慢性的な痛みを有する者と健常者では、ラバーハンド錯覚に対する反応が異なることが報告されています。そのため、今回明らかになったことが臨床において、そのまま応用できる訳ではありませんので、今後は、健常者と筋骨格系疼痛を有する方の身体所有感の違いに関して検証していこうと考えています。 論文情報 Tomoya Tanaka, Kazuki Hayashida, Shu Morioka Verbal Suggestion Modulates the Sense of Ownership and Heat Pain Threshold during the “Injured” Rubber Hand Illusion Frontiers in Human Neuroscience, 2022 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel:0745-54-1601 Fax:0745-54-1600 E-mail:s.morioka@kio.ac.jp

2022.04.22

長期間の理学療法が脊髄損傷後の神経障害性疼痛に及ぼす影響~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

ヒトには、痛みの感受性を低下させる疼痛抑制メカニズムが備わっています。有酸素運動は疼痛抑制メカニズムを賦活することが知られており、慢性疼痛の治療にも用いられています。脊髄損傷後の神経障害性疼痛に対しても、有酸素運動により痛みが即時的に軽減することが報告されていますが、単回の介入による検討に限られています。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの 佐藤 剛介 客員准教授ら は、長期間の理学療法(有酸素運動)が脊髄損傷後の神経障害性疼痛に及ぼす影響を頚髄不全損傷の単一症例を通して検証しました。 この研究成果は、Spinal cord series and cases誌(Long-term physical therapy for neuropathic pain after cervical spinal cord injury and resting state electroencephalography: a case report)に掲載されています。   研究概要 脊髄損傷後の神経障害性疼痛は、約半数近くで認められ様々な健康指標の低下を引き起こすことが知られています。脊髄損傷後の神経障害性疼痛に対する介入として、様々なものが提唱されており、その中の一つに有酸素運動があげられます。車椅子駆動による有酸素運動は、脊髄損傷後の神経障害性疼痛に対する即時的な鎮痛効果が得られることが明らかにされています(Sato et al. J Rehabil Med, 2017)。しかし、これまでの研究では、単回の介入による即時的な効果に限局されており、長期間の介入による鎮痛効果は検討されておらず、不明瞭なままでした。 本研究では、頚髄不全損傷者一例に対して、有酸素運動を含む長期間の理学療法が脊髄損傷後の神経障害性疼痛におよぼす影響を検証しました。加えて、本研究では、鎮痛効果の機序を明らかにするために、神経障害性疼痛のバイオマーカーである安静時脳波活動から得られるPeak alpha frequency(PAF)を指標として測定しました。   本研究のポイント ■ 長期間の理学療法により頚髄不全損傷者の上肢の神経障害性疼痛が軽減された ■ 有酸素運動として集中的歩行トレーニング(体重免荷式トレッドミル歩行トレーニング)を行い、痛み強度の軽減と運動野周辺で測定したPAFの高周波域へのシフトが確認された ■ 疼痛がある部位(上肢)に直接接触することなく、他の身体部位の運動を介して疼痛強度の軽減が得られた 研究内容 C5レベル残存の頚髄不全損傷者に対して、18週間の介入を行いました。 介入は7日/週の頻度で行い、1回の介入は40分間でした。4週~10週目の間には、有酸素運動を企図して体重免荷装置を用いた集中的歩行トレーニングを実施しました。安静時脳波活動は、1チャンネル脳波計を使用して測定しました。電極は、運動野に相当する領域に配置して閉眼状態で3分間測定し、PAFを算出しました。PAFは、α帯域のピークパワーを示す周波数で、視床-大脳皮質間の神経回路の活動を反映するとされており、高周波域へシフトしている場合に痛みの感受性が低下している状態であることを指しています。アウトカムは、脊髄損傷の評価としてInternational Standards for Neurological Classification of Spinal Cord Injury (ISNCSCI)の運動スコアと感覚スコア、主観的疼痛強度と疼痛範囲、安静時脳波活動としてPAF、動作能力の指標として10m歩行テストとWalking Index for Spinal Cord Injury II (WISCIII)を2週間ごとに測定し、PAFについては入院時を基準として変化率(Δ)を求めました。 結果は、痛みの平均強度と最大強度のNRSスコアは6週間後に有意に減少し、ΔPAFは4週以降に有意に増加しました。ΔPAFの変化については、集中的な歩行トレーニングの開始と同時期に生じていました。ΔPAFは集中的歩行トレーニング期間の終了後に低周波域へのシフトを認めましたが、入院時よりも高周波域へシフトした状態が維持されていました(図1)。 図1:各評価の経時的変化 黄色で示した範囲は、集中的歩行トレーニングの期間を表しています。集中的歩行トレーニング開始後にΔPAFの増加と痛み強度の減少が認められています。さらに、集中的歩行トレーニング期間終了時にはPAFが低周波域へシフトしているものの、入院時を比べて高周波域にシフトしている状態が維持されています。   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、長期間の理学療法(有酸素運動)を行うことで頚髄不全損傷者の上肢の神経障害性疼痛が軽減できることを初めて報告しました。これは、継続した有酸素運動によって、痛みがある身体部位に直接触れることなく、痛みを軽減できることを示唆しています。さらに、有酸素運動を行っている期間は、PAFが高周波域へシフトしており、痛みの感受性が低下している状態であることを示しています。今後は、複数症例に対して長期的な有酸素運動の効果と安静時脳波活動への影響を調べるとともに、神経障害性疼痛の性質と有酸素運動による鎮痛効果との関係を詳しく検証していく必要があります。 論文情報 Sato G, Osumi M, Mikami R, Morioka S Long-term physical therapy for neuropathic pain after cervical spinal cord injury and resting state electroencephalography: a case report Spinal cord series and cases, 2022 関連論文 Sato G, Osumi M, Morioka S. Effects of wheelchair propulsion on neuropathic pain and resting electroencephalography after spinal cord injury. J Rehabil Med. 2017 Jan 31;49(2):136-143.   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 客員准教授 佐藤剛介 E-mail: gpamjl@live.jp   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.04.11

2022年度前期授業について

  在学生の皆さまへ   4月12日(火)より2022年度前期授業が始まります。 かねてお伝えしていたとおり、今学期は一部の科目において遠隔授業を併用しつつ、原則として対面授業を中心とする形で、授業運営を進めていきます。 対面授業の実施に際しては、講義室の定期的な換気や消毒液の設置などの感染予防対策を継続していきます。学生の皆さんもマスク(不織布推奨)の着用や消毒の励行、食事の際の「黙食」など、日々の健康管理に十分に留意し、各自の感染予防対策を行なった上で、授業に参加してください。   学生支援センター  

2022.04.06

令和3年度 畿桜会(同窓会)オンライン役員会を開催しました。

2022.04.06

5/22(日)第4回 卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催します。

2019年4月1日に畿央大学「看護実践研究センター」が開設されました。同センター卒後教育部門は、さまざまな現場で活躍する看護医療学科卒業生たちが最先端の知識・技術を習得するための機会を提供すべく活動しています。 その活動の一環である卒後教育研修会について、今年は「看護における臨床判断」をテーマに、看護医療学科卒業生の奥村 絵里氏(2期生)と奥村 紗和子氏(2期生)を講師に招いて、現場で提供するケアについてお話しいただきます。 患者の変化に気づき、観察結果や情報を解釈して、患者に合ったケアを的確な技術で提供し、ケアを評価するという臨床判断について学び、日頃の自分のパフォーマンスを振り返りませんか。 ぜひご参加ください。職場のご友人も参加可能です。   日時 2022年5月22日(日)14:30~16:00 開催方法 オンライン開催 ※当初対面での開催を予定していましたが、オンライン形式での開催に変更となりました。 講師 奥村 絵里 氏(看護医療学科2期生) 奥村 紗和子 氏(看護医療学科2期生) 林田 麗(看護医療学科急性期看護学准教授) 申込方法 下記の申込ページもしくは、イベントチラシ内のQRコードからお申込みください。   申込ページ   イベント案内 画像をクリックすると、PDFデータが開きます。 問い合わせ先 畿央大学 看護実践研究センター 卒後教育部門 E-mail:nprc@kio.ac.jp  TEL:0745-54-1601 【電話の対応時間 平日(月~金)9:00~17:00】

2022.04.05

令和4年度入学式を行いました。

2022(令和4)年4月4日(月)、健康科学部346名、教育学部194名、健康科学研究科40名(修士課程30名、博士後期課程10名)、教育学研究科修士課程2名、助産学専攻科10名、臨床細胞学別科6名、あわせて598名の新しい畿央大生が誕生しました。 学部は午前10時、大学院・専攻科・別科は午後3時からと2部にわけて入学式を行いました。       午前の学部生入学式は、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、冬木記念ホールで式典を開催し、その様子を中継して各学科の会場から視聴・参加して行われました。       冬木正彦学長が学科ごとに入学許可を行い、 つづく学長式辞では、”建学の精神である「徳をのばす」「知をみがく」「美をつくる」を大切にしながら充実した4年間を過ごしてほしい”と力強いメッセージがありました。     新入学生代表として現代教育学科1回生 下柳田千晴さんから入学生宣誓が、在学生代表として現代教育学科3回生 岸維織さんから歓迎のことばがあり、閉式となりました。       式典後は、学科別に入学生ガイダンスが行われました。各会場でも手指消毒、換気などの感染予防策を徹底したうえで、1回生担任紹介や学生生活に関してのオリエンテーションが行われました。         当日は桜も綺麗に咲き、晴天に恵まれたあたたかい一日となりました。オリエンテーション後は、フォトスポットや入学式の看板の前で撮影する姿や、クラブ・サークルの勧誘ブースで先輩から紹介を受けている姿が見られました。               ※写真は撮影直前のみマスクを外し、声を出さないようにして撮影しています。             午後3時からは大学院健康科学研究科、教育学研究科、助産学専攻科および臨床細胞学別科の入学式が冬木記念ホールにて行なわれました。入学許可の後、学長、研究科長・専攻科長・別科長から祝辞をいただきました。     新入学生の皆様、入学おめでとうございます!皆様のこれからの学生生活が実りのあるものになるよう教職員一同全力でサポートしていきます。  

2022.04.01

5/15(日)畿央大学付属広陵こども園開園プレイベント「みんなで愉しもう!tupera tuperaの絵本の世界」

5/15(日)畿央大学付属広陵こども園概要説明会 開園プレイベントは満員となりましたが、概要説明会のみご参加を希望の方はご連絡をお願いします。 【連絡先】kio_kodomoen@kio.ac.jp ・保護者様氏名 ・お子さまの年齢(令和5年4月1日の満年齢) を記載いただき、メールにてご連絡をお願いします。   こども園ホームページへ 【満員御礼】畿央大学付属広陵こども園開園プレイベント 2023 年 4 月開園予定の畿央大学付属広陵こども園では、 子どもたちが、「心とからだを健やかに、そしてのびのびと育ってくれたら。」という想いを込めまして、この度の開園プレイベントを企画いたしました。 当日は、『パンダ銭湯』『しろくまのパンツ』『いろいろバス』『やさいさん』『かおノート』などの絵本や工作・ワークショップ、そしてNHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションで知られるユニット「tupera tupera(ツペラ ツペラ)」の亀山達矢さんをお招きして講演会を開催いたします。絵本ライブやお話を聞きながら、いっしょにtupera tuperaの絵本の世界を愉しんでみませんか? ぜひ、皆様方のご参加をお待ちしております。   日時 令和4年5月15日(日) 13時開演、(受付開始12時、終了予定14時30分) ※イベント終了後に畿央大学付属広陵こども園の概要説明会を開催します。 会場 畿央大学 冬木記念ホール 定員 290名(先着順) どなたでも参加できます。なお、満3歳児以上はお席を確保しますので、1名様としてお申込みください。 申込方法 下記の申込ページもしくは、イベントチラシ内のQRコードからお申込みください。   申込ページ   イベント内容 画像をクリックすると、イベント内容のPDFデータが開きます。

2022.03.30

理学療法士98.7%、看護師・保健師・助産師100%、管理栄養士98.9%、小学校教諭77.8%、公立幼・保97.0%、養護教諭40.0%が現役合格!~2022年3月卒業生

  2022年3月下旬に理学療法士・看護師・保健師・助産師・管理栄養士国家試験の合格発表があり、2022年3月卒業生の合格実績がすべて出揃いました。3・4回生をコロナ禍で過ごした学年ですが、コロナ前と変わらない(資格によってはそれ以上の)合格率になっています。卒業生の皆さんのご活躍を心からお祈りいたします! 建学の精神である「徳をのばす」「知をみがく」「美をつくる」のもと、在学生全員の夢の実現に向かってより一層の支援強化を進めていきます。 理学療法士98.7% 関西私大最多の16回目の卒業生となる理学療法学科では、75名が受験し74名が合格しました。おしくも7年連続全員合格は逃しましたが、過去10年間の現役合格率は99.7%(660/662)と全国随一の高水準を維持しています。 2022卒 2021卒 2020卒 2019卒 2018卒 受験者 75 61 76 64 72 合格者 74 61 76 64 72 現役合格率 98.7% 100% 100% 100% 100% 全国平均(新卒) 88.1% 86.4% 93.2% 92.8% 87.7% 2017卒 2016卒 2015卒 2014卒 2013卒 受験者 67 62 53 71 61 合格者 67 62 52 71 61 現役合格率 100% 100% 98.1% 100% 100% 全国平均(新卒) 96.3% 82.0% 89.1% 90.2% 94.0% 看護師・保健師・助産師2年連続100% 11回目の卒業生となる看護医療学科では、看護師国家試験85名、保健師国家試験に12名が挑戦し、どちらも見事に全員合格をはたしました。また、10回目の修了生となる助産学専攻科でも10名が10年連続となる全員合格をはたしました。 この結果、畿央大学としては看護職3資格のすべてで2年連続全員合格という、大変嬉しい快挙になりました。 2022年卒 2021年卒 2020年卒 2019年卒 2018年卒 看護師 100% (85/85) 100% (95/95) 98.9% (87/88) 100% (91/91) 100% (93/93) 保健師 100% (12/12) 100% (15/15) 92.3% (12/13)  100% (20/20) 100% (19/19) 助産師 100% (10/10) 100% (10/10) 100% (10/10) 100% (8/8) 100% (9/9) 管理栄養士98.9% 87名が受験し、86名(98.9%)が合格をはたしました。関西私大では2番目に高い合格率で、毎年全国平均を上回る安定した現役合格率を達成しています。 2022年卒 2021年卒 2020年卒 2019年卒 2018年卒 受験者 87 82 90 85 89 合格者 86 77 90 85 88 現役合格率 98.9% 93.9% 100% 100% 98.9% 全国平均(新卒) 92.9% 91.3% 92.4% 95.5% 95.8% 公立学校教員採用試験 現役合格率ならびに都道府県・市別の合格者数 小学校教諭77.8% 合格者70名/受験者90名(現代教育学科) →コロナ禍でも過去最高の現役合格率を達成。3年連続で7割以上が現役合格! 都道府県・市 1次受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 42 40 2 38 19 堺市 6 4 - 4 3 大阪府 21 18 - 18 14 京都府 2 2 - 2 2 大阪市 17 11 - 11 11 京都市 1 1 - 1 1 滋賀県 17 12 4 8 2 兵庫県 3 3 - 3 2 神戸市 1 1 - 1 1 和歌山県 6 6 1 5 5 三重県 12 12 6 6 3 愛知県 26 26 13 13 8 岡山県 9 8 5 3 2 岡山市 1 1 - 1 1 高知県 82 60 7 53 31 鳥取県 27 26 19 7 6 神奈川県 2 2 - 2 1 横浜市 4 4 - 4 1 茨城県 3 3 2 1 1 千葉県 13 10 9 1 1 北九州市 3 3 2 1 1 北海道 1 1 - 1 1   養護教諭40.0% 合格者6名/受験者15名(現代教育学科・看護医療学科) →看護医療学科でも1名が現役合格! 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 7 4 - 4 1 大阪府 4 1 - 1 1 大阪市 3 1 - 1 1 滋賀県 5 4 1 3 2 高知県 15 3 - 3 3 鳥取県 3 2 - 2 1   特別支援学校教諭100% 合格者6名/受験者6名(現代教育学科) →初の全員合格を達成! 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 3 3 - 3 2 大阪府 4 4 - 4 3 滋賀県 1 1 - 1 1 三重県 1 1 - 1 1 高知県 5 5 2 3 2 鳥取県 4 3 - 3 3 神奈川県 2 2 - 2 1   栄養教諭50.0% 合格者2名/受験者4名(健康栄養学科) 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 2 2 - 2 1 三重県 3 1 - 1 1   中・高(家庭科)教諭100% 合格者1名/受験者1名(人間環境デザイン学科) 都道府県・市 受験者数 1次合格者数 (辞退者) 2次受験者 最終合格者 奈良県 1 1 - 1 1   公立幼稚園教諭・保育士採用試験 自治体別の合格者数 公立幼稚園教諭・保育士97.0% 合格者32名/受験者33名(現代教育学科) →4年連続で9割以上が現役合格! 畿央大学付属広陵こども園、2023年4月に開設! 都府県・市(町) 1次受験者 1次合格者 辞退者 最終合格者 奈良県香芝市 13 12 7 4 奈良県大和高田市 7 7 3 3 奈良県橿原市 6 4 - 2 奈良県生駒市 4 4 1 1 奈良県大和郡山市 11 11 - 4 奈良県天理市 5 5 2 3 奈良県葛城市 2 2 0 2 奈良県宇陀市 1 1 - 1 奈良県河合町 1 1 - 1 奈良県明日香村 1 1 - 1 大阪府大阪市 6 4 - 4 大阪府吹田市 11 9 3 5 大阪府豊中市 7 7 - 3 大阪府松原市 4 4 1 3 大阪府藤井寺市 3 3 - 3 大阪府八尾市 3 3 - 3 大阪府柏原市 3 2 - 2 大阪府堺市 2 2 - 1 大阪府和泉市 1 1 - 1 京都府京都市 1 1 - 1 兵庫県神戸市 3 3 - 1 三重県伊賀市 2 2 - 2 徳島県鳴門市 1 1 - 1   注1. 過年度卒業生を含みません(すべて2022年3月卒業見込者)。 注2. 2022年1月21日現在の判明者数です。今後変動する場合があります。 注3. 一部試験での1次試験免除者を含みます。   →公立学校教員採用試験(1次試験)速報〜2022年3月卒業予定者 →小学校教諭71.2%、公立幼・保94.6%、養護教諭36.4%が現役合格!~2021年3月卒業生